
キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦
舞台「キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦」製作委員会
THEATRE1010(東京都)
2022/10/20 (木) ~ 2022/10/24 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
原作未読で知識無しで観劇致しましたが、特に問題なく剣と魔法のファンタジーの世界観を堪能できました。映像と役者さんの動きを巧みに組み合わせて舞台を上手に使われておりました。続編があれば観てみたいと思える舞台でした。

少年口伝隊一九四五【チーム・クレセント】
チーム・クレセント
ザムザ阿佐谷(東京都)
2022/10/21 (金) ~ 2022/10/24 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/10/24 (月) 13:00
座席1階
舞台美術もないシンプルな舞台だけに、胸に迫るものがあった。前席の若い女性はハンカチを握り締めてずっと泣いていた。
少年口伝隊とは、広島の地元中国新聞社が原爆投下で印刷不能となり、急きょ子どもたちに市街地を歩き回って口でニュースを伝えるという仕事を与えた。原作は井上ひさしだ。
口伝隊の3人に女性を宛てたのは成功したと思う。原爆投下を生き延びたあどけない子どもたちだが、やがて原爆症に苦しんだりするシーンも出てくる。
ヒロシマの子どもたちに関しては、もう一つ「精神養子」が舞台に登場する。原爆で親を失った子どもたちを援助するために、アメリカ市民が行った援助活動だ。実際に養子にするわけではないが、手紙を送ったり経済的な支援をするなど自国が投下した爆弾で苦しむ子どもたちを救おうとする活動だった。舞台では3人のうち2人にこの話が持ち込まれる。
当然ながら少年たちの反応は拒否的だ。経済的に困窮し、健康状態もよくないが、簡単に受け入れる気持ちになろうはずはない。舞台ではその困惑が少しだけ表現されている。
少年たちの身の上を原爆だけでなく水害も襲う。それでも生きていくんだ、生きなければならないと老人が少年に言う。絶望が支配する街で、それはある意味残酷な響きも持っていた。
ピアノと二胡のメロディーの生演奏で舞台は進む。その音色は、厳しい物語を見る中で何だかほっとさせる効果を生んでいる。

バリカンとダイヤ
劇団道学先生
ザ・ポケット(東京都)
2022/10/15 (土) ~ 2022/10/23 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
中島淳彦の作品を見るのは、先日のテアトル・エコーに続き二回目。亡くなってから急にあちこちでやりだした気がする。ホンの力の何よりの証拠だろう。確かに面白い。実家の茶の間と2階の物干し場の一杯飾り(左右に家が建て込んでいるようにみえるが、これが娘たちのアパートになる)を舞台に、老いた母親(かんのひとみ)と、3人の娘(もりちえ=好演、関根麻帆、山崎薫)が軸になるホームコメディ。1年前に死んだ夫の預金通帳をみて、最近引き出されていた1500万円をめぐって、あらぬ憶測がふくらんでいく。夫はカタブツの公務員だったのだが、何に使ったのか?
宮崎に嫁いだ姉(村中玲子)は居候を決め込み、近所のおせっかいおばさん(アメリカ人と結婚している派手で図々しいフジ子=柿丸美智恵、好演)がなにかとひっかきまわす。フジ子は高級化粧品セールス(佐々木明子)、「神の水」を信奉する新興宗教の信者(高橋星音)を次々連れてくる。そこに夫が通っていたマッサージ師(健全なもの)で台湾出身のリン(横田実優)まで現れる。
とにかく笑いが絶えない。場違いなところに困った人が次々現れる、シチュエイションコメディーといえるでしょう。三人の娘の抱えた困難が、ある日、いっぺんに明らかになり、母親も「いったいどうなってるのよ!」と叫ぶ。この場面など、大いに笑わせてもらった。
友人が言っていたが、家族あるあるがたくさんあって、身につまされる。長女が次女、三女より何かと大事にされるのもそう。お金も結婚に120万、車買うのに80万などこっそり援助してもらっていたり。この金額も実感がわく数字。
ただ終わってみるとテーマ性が弱い。夫婦の愛情の機微、よくできた人情喜劇というだけではちょっと物足りない。上演台本あり

「Post Tenebras Lux. (ポスト・テネブラース・ルークス)」
Antikame?
雑遊(東京都)
2022/10/18 (火) ~ 2022/10/25 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
「見かえしたかっただけ」
コロナ下でなければそうはならなかったかもしれないことが、きっとあちこちでたくさん起きたに違いありません。見ないで済んでいた事を見せつけられたかもしれません。
もしかしたら見えて良かったのかも・・・と思うことにしたいです。
「見かえしたかっただけ」というわかりやすそうなタイトルだったのに、言葉通りで良いものか、私にはわかりませんでした。
静かなお芝居ということで、会場は静かでしたが小さな声のセリフが聞き取れないところもあって残念です。

黄金のコメディフェスティバル2022
黄金のコメディフェスティバル
シアター風姿花伝(東京都)
2022/10/21 (金) ~ 2022/10/30 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/10/23 (日) 13:00
グーチームを観劇。
からまわりえっちゃんは、凄まじい熱量で舞台の端から端まで暴れ回って面白い。
「Vの字踊り」は飛び出す絵本のようで楽しい。
東京ハイビームは、ドタバタ感が面白い。

テノヒラサイズの人生大車輪2022
BALBOLABO
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2022/10/20 (木) ~ 2022/10/23 (日)公演終了

ALL TIME-automatic life log-
ヒノカサの虜
アルネ543(東京都)
2022/10/19 (水) ~ 2022/10/23 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/10/19 (水)
価格3,000円
19日19時開演の初日舞台を拝見(約130分)。
序盤は話の進行に理解が追いつけず。
が、登場人物毎の背景や、他者との関係が明らかになるにつれ、加速度的に舞台に没入。
とはいえ、完全に把握出来た訳でも無く、雰囲気に酔っただけで終わったかも?
そんな具合ではあるが、あえて感想を述べると…
登場人物の中で特に気難しい?性格の黄金真琴が、何故、戸田君佳と打ち解けた仲にあるのか、終盤、その理由が明らかになるわけだが、この二人を引き合わせた(さらには、今回のメンバーを選んだ)君佳の兄・浩司の思慮深さに感銘。
なお、演じ手では、今回、顔と名前が一致する役者さんが9人中5人もいる出演者の中で挙げるのは心苦しくもあるが、今宵の舞台、三浦葵さんとチカナガチサトさんのお二人が大層印象に残った。

「若草物語」~小さな貴婦人たち~
劇団文化座
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2022/10/14 (金) ~ 2022/10/23 (日)公演終了
実演鑑賞
鑑賞日13:30
座席1階EX列
原作では続編もある長編ストーリーになるのですが、今作は続編も含んだストーリーでした。その為、幼少期に読んだ時とは異なる感想を持ちました。

ひとよひとよに呱々の声
世界劇団
こまばアゴラ劇場(東京都)
2022/10/21 (金) ~ 2022/10/30 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2022/10/22 (土) 19:00
初見のユニット。なかなか刺激的な舞台だった。90分。
竹取物語をベースにしつつ、竹から生まれた女子の物語を女優2人で何役も演じて描くが、物語的には現代的なテーマを扱い、古い言い回しも活かしつつ現代語の台詞も多く、また同じセリフを違った意味で繰り返すなど、刺激的な作品を展開し、歌やダンスっぽいところも見せる。愛媛大医学部の演劇部を母体に医師や医学生を中心にした劇団で、作・演出の本坊由華子は現役の医師だと言う。テーマは「人であるということは…」であろうか。タイトルの「ひとよ」は「人よ」の意味。

「Post Tenebras Lux. (ポスト・テネブラース・ルークス)」
Antikame?
雑遊(東京都)
2022/10/18 (火) ~ 2022/10/25 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
#日野あかり #高橋壮志
(敬称略)
被って見える位置に立つ男女。それは、かつて二人の気持ちは交錯していたことを表すのか。だとすれば、二人が別の方向を向いているのも、既にその時からスレ違っていたのかもしれない。
言葉と心は、いつだって裏腹で、男と女の宇宙の漆黒はどこまでも深く果てしなく広い。噛み合わない会話と自意識。二人でいるのに人気のない空間。そこに燃えるような恋はあるのか……かつてはあったのか……それももう定かではない。二人を苦しめているものは何か。一致しないそれぞれの苦しみの原因と場所と質。果たしてそれは共有すべきコトなのか、そもそも共有できるモノなのか。
屋根は雨を凌いでくれる。天井は疑念や苛立ちの高まりを抑えてくれるモノなのか。
目尻をかすめて頬へ落ちた女の髪のほつれが、二人の関係の破綻にも見える。
思い出も関係も精算してしまおうという気持ちを、行ってしまったゴミ収集車が戒めているとしたら、離れてしまった心の距離を、腹を割ると言うより胸の内を切り裂いて真っ赤な血を見せるように吐き出した言葉が縮め、真っ暗な二人の未来という宇宙に微かな光を灯してくれるに違いない。いや、そうあって欲しい。
痛みの滴となって紡がれる言葉。力があるモノローグ。力なく届かないダイアローグ。見つめる視線と逸らす視線。見つめ合うことのない二人。それでも二人が、真っ暗闇で道に迷いながらも、今はまだ見つめ合うことができなくても、並んで同じ方を向いているならば、かつて見つめていた時とは違ったとしても、それに似た、或いはそれに代わる何かを見出せるのかもしれない。
夫婦に見えた二人に最大限の敬意と拍手を贈りたい。
そして、演出・演技に見事に寄り添う音と光に、このチームの結束力の強さと確かさを感じると共に、派手なモノばかりが総合芸術の証明ではないことを実感している。

野外劇『嵐が丘』
東京芸術祭
池袋西口公園野外劇場 グローバルリング シアター(東京都)
2022/10/17 (月) ~ 2022/10/26 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
2回目。
超面白い。音響が格段に上がっていて、台詞がほぼ全部聴き取れた。もう一回観たい位に良かった。
片桐はいりさんは『七人の侍』に勝手に歌詞を付けて歌っていた。そして『もののけ姫』。
ヒースクリフの見る夢が印象的。教会で罪業を並べ立てられなじられる。しかし、「最大の罪、それはお前だ!」と“死”に向かって掴み掛かる。
ヒースクリフとキャサリンの愛憎物語。地獄の門は天国に続いている。因果律に抗えない人間の無力さ。
マイケル・ジャクソンのゼロ・グラヴィティ(斜めに傾いていくマイム)が効果的。
菅波琴音さんが浅田真央っぽかった。

テノヒラサイズの人生大車輪2022
BALBOLABO
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2022/10/20 (木) ~ 2022/10/23 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
登場人物たちが密室に監禁されて…という状況からスタートする作品は複数見たことがあるが、これまで見た作品がどちらかといえば、ミステリー・サスペンス色の強い作品だったのに対し、本作は謎解き的要素はあるもののパワフルなコメディ路線に振った印象。
エネルギッシュ、かつ、スピード感のある芝居で飽きさせない。

2022年度卒業公演『大江戸ロケット』
劇団月光斜
立命館大学 衣笠キャンパス 学生会館小ホール(京都府)
2022/10/22 (土) ~ 2022/10/24 (月)公演終了
満足度★★★★
立命館演劇初体験!
内容は良かった(既制戯曲だけど)!かなり引き込まれて、時間感覚が…
ランタイム二時間半と聞いていたが三時間越えで、次に間に合わず次をキャンセル…
ま、学生だからしょうがないけど、制作も…。指定席と宣伝されてないのに一番後の席に案内されて最悪のポジション。
そらさんの演技が特に良かった(卒業らしいけど)だけに、上記二点は…。

「 P.S. I’m so...後悔するのかもしれないけど、構わないんだ。」
junksharp
シアターGOO(東京都)
2022/10/22 (土) ~ 2022/10/23 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/10/23 (日)
価格3,800円
23日13時半開演回を拝見。
自身の表現者としての才能の枯渇ぶりに諦観し切った口ぶりだが、実は諦め切れずに悪あがきをし続ける後輩と
そんな後輩を茶化したり・怒鳴ったりしつつも忍耐強く対話を試みる先輩との
80分の二人芝居。
長いやり取りを経て、漸く後輩を表現者として依るべきキャンバスまで引っ張り上げた後、ふと我に返って、後輩に向けた台詞が全て自身に降りかかって来るラストシーンにはグッと来た。

バイ・バイ・バーディー
シーエイティプロデュース
KAAT神奈川芸術劇場・ホール(神奈川県)
2022/10/18 (火) ~ 2022/10/30 (日)公演終了

あの部屋が燃えろ
劇団三日月座
横浜国立大学 第一食堂下 共用室3(神奈川県)
2022/10/16 (日) ~ 2022/10/23 (日)公演終了

報われない人間は永遠に報われない
エレベーター企画/EVKK
in→dependent theatre 1st(大阪府)
2022/10/22 (土) ~ 2022/10/23 (日)公演終了

百日紅、午後四時
(公財)可児市文化芸術振興財団
吉祥寺シアター(東京都)
2022/10/20 (木) ~ 2022/10/27 (木)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
#市毛良枝 #陰山泰
#福本伸一 #朝倉伸二
#岩橋道子 #弘中麻紀
#瓜生和成 #平体まひろ
(敬称略)
物語には一石を投じる事件が必要。今作には同じ色のある二石が投じられる。少し風変わりな石と、破壊力抜群の石。
風変わりな石は場にそぐわず混乱させるけれど、少しずつ馴染んでいく。悪気のない個性というのは受け入れられていくという、なんだか社会に対する安心感みたいなものを感じた。
破壊力抜群の石は台風のようで、木をなぎ倒し、トタン屋根を引き剥がし、ポリバケツを吹き飛ばす威力。そして、台風一過には例に漏れず透き通るような晴天と清々しい空気が充ちる。
古き良きあの時代と言いたくなる昭和が、あの居間と縁側と庭に匂い立つ。
風速54m/s以上の台風を担った平体まひろさんが素晴らしかった。仏壇に気づいた時の表情でいきなりKO。二度目の上陸で全てを打ち明ける姿にみんな痺れるはず。スポットの中、瞳を潤ませ無言で佇む姿で見事に苦悩を滲ませた。
大好きな瓜生和成さんは、ラッパ屋客演に続いて若さを纏う。上司や父を演じることが多くなった中で、この立ち位置がなんだかくすぐったい。ツルツルの腕や脛で周囲との年齢の違いも可視化していた。乾杯で風変わりな石が缶ビールを飲み干す時、彼だけは口をつけず、新しい生活が始まった報告にも彼だけは表情を曇らせた。それらは彼の言葉や行動と裏腹で、苛立つ本心と思いやりが心の内でせめぎ合う葛藤を感じさせ、切なくなる。
終演の挨拶に瓜生さんと平体さんが並ぶ姿が感慨深く、拍手に自然と力がこもった。
追記
ラッパ屋を観るきっかけになったのは、G2作品で見つけた美女、岩橋道子さんを観るためだった。あれから何本拝見しただろう。相変わらずの美しさにウットリ。
もちろん今作は可児市プロデュースで、ラッパ屋ではありません。

なくなるカタチとなくならないキモチ
一般社団法人グランツ
in→dependent theatre 2nd(大阪府)
2022/10/21 (金) ~ 2022/10/23 (日)公演終了
満足度★★★★★
段々と風化していく、東日本大震災の健常者ではない人達の話。いじめにあって精神バランスを壊した者、社会人となって社会に馴染めず精神的に追い詰められた者等々、健常者以上に大変だったと思う。そこに自分も被災し大変だっただろうナンノ役が、自分のことをなげうって…東電や政治家が見て欲しい内容。
票を集めるだけに、宗教に頼る世も末な日本の政治家達はこれを見てどう思うだろう…

報われない人間は永遠に報われない
エレベーター企画/EVKK
in→dependent theatre 1st(大阪府)
2022/10/22 (土) ~ 2022/10/23 (日)公演終了