百日紅、午後四時 公演情報 (公財)可児市文化芸術振興財団「百日紅、午後四時」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    #市毛良枝 #陰山泰
    #福本伸一 #朝倉伸二
    #岩橋道子 #弘中麻紀
    #瓜生和成 #平体まひろ
    (敬称略)
    物語には一石を投じる事件が必要。今作には同じ色のある二石が投じられる。少し風変わりな石と、破壊力抜群の石。
    風変わりな石は場にそぐわず混乱させるけれど、少しずつ馴染んでいく。悪気のない個性というのは受け入れられていくという、なんだか社会に対する安心感みたいなものを感じた。
    破壊力抜群の石は台風のようで、木をなぎ倒し、トタン屋根を引き剥がし、ポリバケツを吹き飛ばす威力。そして、台風一過には例に漏れず透き通るような晴天と清々しい空気が充ちる。
    古き良きあの時代と言いたくなる昭和が、あの居間と縁側と庭に匂い立つ。
    風速54m/s以上の台風を担った平体まひろさんが素晴らしかった。仏壇に気づいた時の表情でいきなりKO。二度目の上陸で全てを打ち明ける姿にみんな痺れるはず。スポットの中、瞳を潤ませ無言で佇む姿で見事に苦悩を滲ませた。
    大好きな瓜生和成さんは、ラッパ屋客演に続いて若さを纏う。上司や父を演じることが多くなった中で、この立ち位置がなんだかくすぐったい。ツルツルの腕や脛で周囲との年齢の違いも可視化していた。乾杯で風変わりな石が缶ビールを飲み干す時、彼だけは口をつけず、新しい生活が始まった報告にも彼だけは表情を曇らせた。それらは彼の言葉や行動と裏腹で、苛立つ本心と思いやりが心の内でせめぎ合う葛藤を感じさせ、切なくなる。
    終演の挨拶に瓜生さんと平体さんが並ぶ姿が感慨深く、拍手に自然と力がこもった。

    追記
    ラッパ屋を観るきっかけになったのは、G2作品で見つけた美女、岩橋道子さんを観るためだった。あれから何本拝見しただろう。相変わらずの美しさにウットリ。
    もちろん今作は可児市プロデュースで、ラッパ屋ではありません。

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    2022/10/23 11:41

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