
薔薇の花束の秘密
TPT
ベニサン・ピット(東京都)
2007/02/17 (土) ~ 2007/03/02 (金)公演終了
満足度★★★★★
充満する薔薇の香り
あの長い時間を代わり映えのしない空間を2時間飽きさせずそれ以上に世界に引き込ませるように演じきった安奈淳さん毬谷友子さんの2人芝居。すごいです。充満する薔薇の香りのようなお2人の演技で埋め尽くされた時間を楽しみました。

朧の森に棲む鬼
松竹
新橋演舞場(東京都)
2006/12/29 (金) ~ 2007/01/27 (土)公演終了
満足度★★★★
充実したエンターテイメント
市川染五郎さんの悪役っぷりを堪能できます。
一部の隙もない悪役。
あれは気持ちいいだろうなあ。演じていて。
見ているほうも贅沢な気分になれる芝居でした。

二月大歌舞伎
松竹
歌舞伎座(東京都)
2007/02/01 (木) ~ 2007/02/25 (日)公演終了
満足度★★★★
様式美に酔う
壮大さと矮小さを交錯させる劇作術の大らかさ、模範的な様式美の数々に酔いしれました。
シリアスな段のペースの遅さには沈没したこともありますが、疲労に値する大きな観劇の満足を得ることのできる演目です。

奥州安達原
ク・ナウカ
文化学園 体育館(東京都)
2007/02/19 (月) ~ 2007/02/27 (火)公演終了
満足度★★★★★
古典の世界をさらに拡大する
鬼婆伝承をとりあげた「一の家」の世界を、独自の解釈と演出でさらに押し広げ、劇的に展開させた優れた舞台だと思いました。原作にある「小さな物語」と「大きな物語」の対比と関連が、ク・ナウカ版では鮮やかに示されています。古典作品の再解釈の意義を改めて認識しました。
芝居の始まる前の「日常」から「舞台」、「舞台内世界」への移行を意識させる仕掛けもとても洗煉されていて、楽しいものでした。
ク・ナウカの完成された様式を存分に堪能することの舞台です。
これで少なくとも当分のあいだは、この極めて高い水準に達した独創的舞台を観ることができません。必見だと思います

水泥棒と恋泥棒
ノアノオモチャバコ
ギャラリーLE DECO(東京都)
2007/01/30 (火) ~ 2007/02/04 (日)公演終了
満足度★★★
水泥棒と恋泥棒
友人が出演者だったため、お誘いいただいて観劇。
シーンの繋ぎ方が映像を思わせ、断続的に続くシーンに最初はなかなか入り込めず。。後半になるにつれ、人物の感情的繋がり・物語の連続性をつかめるようになると、「ああ、そういうこと!」と謎が解け始め納得できましたがそこまでが私には長く感じられ。。
「気持ちにお別れする」、確かに甘酸っぱいお話ではありました。誰もがどんな形であれ味わったことのある経験なので、心に訴えかけるところがあるだろうに、切なさよりも、ちょっと作演の個人的感情を押し出しすぎ?と感じてしまいました。
でも役者さんたちの平均点は高かったと思います。印象に残ってるのは、客席があんなに近い舞台の劇中、共演者よりもむしろお客さんとの距離の方が近い状態でストップモーションの時の表情。役者魂を垣間見た気がしました。

しがらみの向こうに
RISU PRODUCE
SPACE107(東京都)
2007/02/22 (木) ~ 2007/02/27 (火)公演終了
満足度★★★★
それぞれの「しがらみ」・・・
小出しされるそれぞれの「しがらみ」が丁寧に描かれていたし、その「しがらみ」を知った時からの仲間意識も上手に描かれていたと思う。
ラスト、ちと物足りなさが感じるかもしれないけど、あちきはこのラスト、好きだな・・・

B計画
劇団SKグループ
こまばアゴラ劇場(東京都)
2007/02/20 (火) ~ 2007/02/25 (日)公演終了
満足度★★
役者はうまいんだけど。
初見。つか芝居とかやったら、きっといい芝居するんだろうなあ、と思った。役者さんはかなりうまい。演出も凝ってる。でもって音楽がいい。
音楽は、いわゆるフォークデュオのもので、芝居に重なって歌が何度も流れる。個性が強くて、芝居とぶつかる感じ。ちょっとうざい感じがするが、だんだん音楽が芝居に勝ってるように思えてくる。歌に引き込まれ、歌に感動していることに気づいた。
芝居は、本筋と違うエピソードが続く。それがだんだん本筋が見えてきて、最後のほうで「なあんだ、そういうことか」とわかってくる。が、前半のエピソードがあまり楽しくない感じ。なので、本筋が見えてきても、「そんなことかいな」と感じてしまった。
札幌の人気劇団だが、東京での公演も多い。しかし、東京では動員に苦労しているみたい。役者がしっかりしているので、もっとオーソドックスな芝居も見てみたいと感じた。思いがガンガンぶつかるストレートな芝居が合ってるんじゃなかろうか。

アトミック・サバイバー -ワーニャのこどもたち-
NPO法人アートネットワーク・ジャパン(ANJ)
にしすがも創造舎 【閉館】(東京都)
2007/02/22 (木) ~ 2007/02/25 (日)公演終了
満足度★★★
お芝居が終わって、
劇場を後にして、地下鉄から山手線に乗り継いで、車内のビデオ広告画面のきらびやかさが目に入った時、お芝居の中でなぜあんなめんどくさい手法(?)を使っていたのか腑に落ちた。

朧の森に棲む鬼
松竹
大阪松竹座(大阪府)
2007/02/03 (土) ~ 2007/02/25 (日)公演終了
満足度★★★★★
豪華絢爛
新感染☆スバラシイ!舞台美術の凝り方も半端じゃないです。これぞエンターテイメント。出演陣も豪華なメンバーで、阿部サダヲさんのちょこまかっぷり、秋山さんの男前っぷり、高田聖子さんのはっちゃけっぷり、どれも際立っていらっしゃいましたが、なかでもやっぱり染五郎さまの堂々たる「悪い色気」にあてられてしまいました。ラストに向かう時の加速度と心のザワザワする感じがたまらなく、面白さと哀れみのバランスがうまく取れていて、演出も最高でした。

深夜旅人
劇団ひろぽん
早稲田大学学生会館(東京都)
2006/09/22 (金) ~ 2006/09/24 (日)公演終了
満足度★★★
しかしなんだろうこの爽やかさは
ひろぽんって本当爽やかだなあああと思わせてくれた一作。
前作の配役のバランスがほとんど一緒なのでだいたい読めてしまいました。

イノセンスの証明
劇団ひろぽん
早稲田小劇場どらま館(東京都)
2006/04/22 (土) ~ 2006/04/24 (月)公演終了
満足度★★★★
脚本が◎
"笑い"の挿入のタイミングには
少し違和感を感じたけど、
全体的にはすごくしっかりしてます。
扱ってるテーマはベタだ(と私は思う)けど、
リズムがいいのでさらっと楽しめます。

PLAY
劇団Doggaebee(トケビ)
ぽんプラザホール(福岡県)
2007/02/05 (月) ~ 2007/02/06 (火)公演終了
満足度★★★
なるほど…
韓国の劇団ということでややガードを高くして挑みましたが、
今となってはそれが正しかったのか間違っていたのか。

ロボット
劇団三年物語
ザ・ポケット(東京都)
2006/10/25 (水) ~ 2006/10/29 (日)公演終了
満足度★★★★★
芝居っていいな〜
二回見に行ってきました。ラストシーンで、すげー泣きました。芝居を観て、あんなに感動したのは初めてかも。役者の芝居に対する熱意がすごく伝わってきた!

薔薇の花束の秘密
TPT
ベニサン・ピット(東京都)
2007/02/17 (土) ~ 2007/03/02 (金)公演終了
満足度★★★★★
☆感動その言葉が一番相応しい☆
宝塚時代から安奈淳さんのファンでした・・・・今回このお芝居をすることを知って1人で伺いました☆
2人の女優さんの台詞の多さにまずパンフレットをみて驚き・・・・でもお芝居が始まったら舞台に釘付けとなっている自分でした。
感情が伝わってきて素晴らしい舞台を見せていただいてありがとうございますと言いたいです☆充実した気持ちでいっぱいになりました。台詞の1つ1つが聞き逃せないと視線を送っていましたが・・・他の皆さんも、食い入るように観劇していました☆

Nf3 Nf6
パラドックス定数
planB(東京都)
2006/11/30 (木) ~ 2006/12/03 (日)公演終了

恋人たち
ブラジル
インディペンデントシアターOji(東京都)
2006/11/29 (水) ~ 2006/12/05 (火)公演終了

イノセンスの証明
劇団ひろぽん
早稲田小劇場どらま館(東京都)
2006/04/22 (土) ~ 2006/04/24 (月)公演終了

深夜旅人
劇団ひろぽん
早稲田大学学生会館(東京都)
2006/09/22 (金) ~ 2006/09/24 (日)公演終了

ロープ
NODA・MAP
Bunkamuraシアターコクーン(東京都)
2006/12/05 (火) ~ 2007/01/31 (水)公演終了

反復かつ連続もどき
cassette conte
Kukui Cafe(東京都)
2007/01/20 (土) ~ 2007/01/20 (土)公演終了
満足度★★★★★
48の良い仕事。
劇団バームクーヘン所属の劇作家で小芝居をポッドキャストで配信する『cassette conte』主宰、またtoiの作家としてもおなじみ、柴幸男氏の短篇新作プレビュー『反復かつ連続』を観る@恵比寿。
プレビューのため内容は割愛するが、彼の作品はいつもワクワクさせてくれる発想力に富んでいる。
そして今回。
彼は、昨年toiをやっていた時よりも、その突飛な発想をより確実に具現化する力を付けてきたように感じた。
ミニマムな環境の中(舞台は70cm×70cm)で、表現したいことの核を見失わずこれだけの作品を作り上げた彼の脚本と演出にまずは拍手をおくりたい。
『演劇』において、演出家が自分の求めているものを実現する方法はまず役者との対話である。
その点において、『あ・うん』の呼吸が両者間に成立していた場合、より密に、かつスピーディーな稽古が期待できる。
後に柴氏に聞いたところ、実際の稽古はかなりシビアなものだったようで、演出家と役者との地道な作業の積み重ねが結果に繋がったらしい。
この結果は同業の者として非常に嬉しい事だ。
それに加え、よほど脚本・演出と役者との相性が良かったのだろうと思う。
そう感じさせる程に役者が芝居を乗りこなしていた印象があった。
表記するのを忘れたが、この芝居は女優のひとり芝居である。
演じるはインパラプレパラートの内山ちひろ。
終演後、この芝居は彼女でなければ成立しなかったであろうと強く感じた。
環境が環境なだけに(重ねて言うが、舞台は70cm×70cm。実際に測るとよく分かる。)、非常に芝居の空気が抜けやすい状況の中、最後まで彼女の母性とも言える包容力が空間を包み込んだ芝居は日常の中から垣間見える『やさしさ』に満ちていた。
内山さんの得意技を封印した、との柴氏の言葉通り、彼女の純粋な女優としての魅力を引き出した演出だったように思う。
同時に彼女のポテンシャルの高さがよく分かる芝居であった。
内山ちひろ、今後注目すべき女優である。
総評。
『反復かつ連続』。
正直なところ時間的にギリギリだったので行こうかどうしようか迷っていたが、本当に行ってよかった。
おそらく行かなければ後悔していただろう。
何よりも終演後、柴氏が私に観てもらいたかったと言ってくれた事が本当に嬉しかった。
お酒を呑みながら素敵な芝居を観て仲間と語り合う、そんな贅沢な夜を過ごさせてもらった柴幸男に感謝する。
・・・しまった、真面目に褒めすぎた。