最新の観てきた!クチコミ一覧

1801-1820件 / 189633件中
舞台『ゼブラ』

舞台『ゼブラ』

株式会社エイジポップ

シアターサンモール(東京都)

2025/08/20 (水) ~ 2025/08/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2025/08/22 (金) 19:00

ONEOR8の傑作を川本成の演出で上演。ちょっとテイストが変わってしまった。107分。
 2005年にONEOR8での初演を観ていて、その後、ONEOR8でも他の劇団でも何回も上演されている田村孝裕の代表作と言って良い作品。その後も何回か観てる。新たな役者陣を集めて時速246億の川本が演出したが、初演の印象が強くて、テイストが随分変わっていると感じた。4姉妹のシーンはあまり印象が変わらないのだが、男性陣が随分と笑わせる方向で演じていて、ぎごちない笑い、という側面の印象が薄くなっている。木崎ゆりあは『パンセク』に続いて観たが、軽い演技を軸にしつつも重い場面もしっかり演じられて、なかなか注目の女優だと思う。終盤のシークエンスが見事。ただエンディングは初演が良いと思う。

ジャニス

ジャニス

エヌオーフォー No.4

博品館劇場(東京都)

2025/08/20 (水) ~ 2025/08/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/08/22 (金) 14:00

山田邦子と堤泰之のコラボで、物語も役者陣も素晴らしい舞台だった。115分(+フィナーレ10分)。
 70年代後半にガールズバンドをやってた内のドラマーが亡くなり、元メンバー4人が集まって、あーだこーだ、の内に追悼ライブをすることになって…、の物語。ありそうな展開が分かりやすいが、山田邦子に加え、山像かおり・小林美江・藤田記子という巧い役者陣を集めたことで、展開に深みが出てる。脇を固めるベテランの水谷あつし・海老澤英紀も巧いが、若手の橋本祥平・花音も見事に役割を演じて、素晴らしい舞台になっている。終盤のライブの場面は本当のライブに見える。花音は初めて観たと思うが正統派の美女だし、小林美江のオフショルダーと山像かおりの絶対領域を観られたのは眼服。終演後に後説と山田邦子によるフィナーレのショーがあるのも楽しい。

STOMP ストンプ

STOMP ストンプ

キョードー東京

東京国際フォーラム ホールC(東京都)

2025/08/20 (水) ~ 2025/09/02 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★

3階1列で鑑賞。s席にも関わらず身長154センチと、座高が低いせいか舞台が全く見えない。音だけが響き首が痛くなり残念。3階前列は楽しめた人がいたのか疑問。8人だけの演奏、とてもよくあっていて芸術的で素晴らしかったのに残念でした。一階席か、2階席なら問題なく楽しめると思いました。

イリクラ 〜Iridescent Clouds〜 2025

イリクラ 〜Iridescent Clouds〜 2025

カガミ想馬プロデュース

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2025/08/15 (金) ~ 2025/08/19 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

持田千妃来さん出演。土曜マチネと火曜千秋楽を観劇。

ほぼ毎年上演されている演目。個人的には2021年版「イリクラ ~Iridescent Clouds~ 2020-2021」を見て以来の2本目。戦隊アルバイトが主役の戦隊もの、公式には「ヒーロー青春活劇ミュージカル」と書かれています。

2021年版でも出演されていた方は5人かな。サキだった持田さんはグリーンに。インプティン騎士だった有馬芳彦さんは緑谷に。演出のカガミ相馬=石部雄一さんはかわらず清田社長。あとダンサーズの平塚あみさんと小倉江梨花さん。小倉さんは演出助手でもあります。

ブルパリップ夫人と部下のインプティン騎士のコンビは、ブルパリップ”令嬢”と”上司”のヒーアヘッド騎士、というように変化していました。2024年からのようです。

ダンサーズのみなさんが6人から9人になって、ミュージカルとしての迫力が倍増してました。なお平塚さんは2021年から、小倉さんは2019年から参加されているようです。

ネタバレBOX

以下は私が解釈したストーリーです。

悪役側のチキンスキン伯爵は、皆既日食の闇に乗じて地球を支配しようとしている。そのパワーとして必要な、ノゾミとサキを探している。

数十年前、かつての戦隊フードマンは伯爵と戦い、ブルー(清田)の中に伯爵を封じ込めた。しかし年月を経て、清田の心につけこんで表に出てくるようになった。今はほぼ伯爵が出ている状態。

戦いよりあと、すなわち伯爵を封じ込めたあとに清田とピンク(桃花)の間に生まれた双子のノゾミとサキ。桃花は病でこの世にはいない。ふたりが伯爵に見つからないように戦隊の司令(コンノジン)がかくまっていた。結界が弱まったことで見つかってしまい、ノゾミは伯爵のしもべとして覚醒する。

ノゾミは恐ろしく強く、皆を蹴散らす。サキはノゾミを道連れにし、ふたりとも死ぬ。しかしふたりの力は伯爵のものになってしまう。

皆既日食が始まりいよいよ地球が伯爵に支配されようとするとき、かつての戦隊たちは戦いを挑む。伯爵=清田を道連れに、戦隊アルバイトのフードマン5人の必殺技を受けて消滅する。

残った皆は気づいたら何も覚えていない。コンノだけは覚えていることが示唆される。

***

2021年版との違いで主なところ。

ブルパリップとその相方(前述)。
ノゾミとサキの通名。卯月と葉月でしたが、ロンとセーナになっています。
警備員=司令の名前。「畠山」が「コンノジン」になってます。白が紺になったんですね。2024年版からのようです。
本編と無関係の「宇宙刑事バキュバン」。2021年版にはいません。2023年版にはいたようです。2024年版は分かりません。今回演じたのはダンサーズの過能光希さんでした。
水戸の色はブラックからパープルに。
伯爵がサキに「このできそこないが」というセリフ、2021年版にはありませんでした。
サキがノゾミを道連れにするシーンで歌が追加になっているようです。

***

持田さん今回はほぼしゃべらないという特殊な役だったので、戦隊の中で唯一、歌のソロが無かったです。声を出せない分、動きと表情に対して力を入れてることを感じました。
ワンシーンだけ長セリフがあります。それがレッドとブルーを仲直りさせる重要なポイントで、正確性が求められるところ。ファンとしてはどうしても心配になるので、毎回ハラハラし、見事にこなしてホッとする、でした。

永石匠さんは「If you don't know ai」で印象的な演技をされたのをよく覚えています。歌も上手ですね、ちょっとイメージ変わりました。

岩田裕耳さんは朗読劇で拝聴したことがありますが、さすがにいいお声をお持ちですね。

ブルパリップ令嬢役の羽藤萌結さんは初めて拝見しました。とくに上司にイラつく顔がいい感じではまってました。公式プロフィールによると1996年生まれとのこと。夫人というより令嬢ですね。

横川役の松木わかはさん。2021年の柴原麻里子さんの印象が強いからか、ちょっと年齢感と重量感が足りないかな、と思いました。脚本の柴原さん、やっぱり大きな存在ですね。

***

双子につけた名前は月にちなんだもののはずですが、どう解釈して良いか分かりませんでした。話の流れから、本名を指すはずです。ノゾミは月が入る漢字「望」だとして、サキはそれらしきものが無いのです。「朔」をサキと読ませるのは不自然ですし。
通名の「ロン」「セーナ」を指すと仮定すると。セーナはギリシャ神話であります。ロンは月関係では見当たりません。太陽ならアポロンがあるのですが。

サキがノゾミに抱きついてふたりとも死ぬシーン。サキが月でノゾミが太陽ならば、日食ですね。卯月と葉月 を ロンとセーナ にしたのは、そういう意図があるのかも知れません。

石部さんによると、いろいろ見直して2年後に再演するそうです。楽しみにしています。
月光ゲームの殺人

月光ゲームの殺人

カスタムプロジェクト

調布市せんがわ劇場(東京都)

2025/08/22 (金) ~ 2025/08/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

今回もやっぱり楽しかった推理劇。そしてやっぱり当たらなかった自分の推理。捜査資料は本当によくできてるから、家に帰って読み込むとまた楽しめる。
役者の皆さんの演技はもちろん上手なうえに、推理、解説パートでの喋りも魅力的。
来年の講演も楽しみだなぁ。

『意味なしサチコ、三度目の朝』再演

『意味なしサチコ、三度目の朝』再演

かるがも団地

吉祥寺シアター(東京都)

2025/08/08 (金) ~ 2025/08/11 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/08/11 (月) 14:00

十代を過ごした団地取り壊しのため引っ越しの準備にしばし秋田県能代市に帰省した主人公の過去・現在、そして……という内容だけに複数の過去と現在を往き来して進むが、転換や暗転なく時が変わるのに観客を戸惑わせないのが絶妙。
また、転校生への対応(σ(^-^) も4つの小学校を転々とした身だ)を筆頭に懐かしいというかあるあるというかなあれこれに共感……というのは4年前の初演時と同じだが、今回は幸恵とサチコの絆/互いを想う気持ちが刺さる。
そして舞台サイズ・客席数とも今回の1/4程度という王子小劇場(現・インディペンデントシアターOji)で濃密に「浴びる」ことができたのは至福の経験だった、とも思った。
あと、明転すると誰もいない舞台に蝉の声だけという最終場もイイ。
ちなみに初演はσ(^-^) の2021年個人的TOP10入りだった。

LIARS’ NIGHT

LIARS’ NIGHT

劇団アニマル王子

高円寺K'sスタジオ【本館】(東京都)

2025/08/22 (金) ~ 2025/08/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

ベタな感じで楽しかったです。ただ、割と展開が読めるので90分はちょっと長いかも。

月の爆撃機

月の爆撃機

劇団イン・ノート

駅前劇場(東京都)

2025/08/20 (水) ~ 2025/08/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

 尺は120分。

ネタバレBOX

 板上は基本フラット。上手中央辺り床から天井へ扇状に広がる赤く細い帯。その根元はやや盛り上がり恰も地球創世記の原始的火山の初期形態を模したような形状をしている。その他板表面には様々な直線が縦横斜めと走っている。
 物語は生命の材料と成る物質の生成から開始することが相応しいと考えたと思しい脚本家が138憶年前に我らが暮らす天の川銀河が出来上がった瞬間と考えられているビッグバンから始められる。まあ、ビッグバンについては今時誰でも知っていることだから割愛するが、今作のテーマは今年2025年が敗戦後80年、昭和100年に当たり様々に取り沙汰されていることと無縁ではない。当然、敗戦の憂き目をみた日本人には生死に纏わる耐え難い、語りたくない多くの事実が在った。今作を演じた劇団メンバーは皆若いから直接戦争の経験がある訳では無い。然し新たな戦争前夜が声高に叫ばれ岸田が主張した軍備増強路線をこのまま続ければ日本は憲法9条を持ったまま、米中に次ぎ世界第3位の軍事大国ということになる。奄美から沖縄への自衛隊移転及び各島嶼地域の軍事要塞化は、庶民の窮状を無視し着々と進められている。この事実はどんな政治音痴も気付かざるを得まい。そんなことにも未だに気付かないとなれば大変な時代認識不足である。ただ、だからと言って今作が戦争の耐え難い無惨や信じたくない酷薄、惨憺たる実情を訴えている訳では無い。寧ろそういった戦争の実相から離れファンタスティックな物語に転じる為に「竹取物語」のヒロイン、かぐや姫を取り込み、月と地球の切っても切れない関係を利用しつつ、戦争と戦闘の合間に見えた華麗な満月の美しさに昇華させようとする。而もこの昇華を通して新たな生命の誕生に纏わるドラマを紡ぎ、生後の教育を通して月の人々(即ち天界の人々)と地球人類との邂逅を、遥か彼方に俯瞰されたかのような戦のイマージュを提示する。それはダンスの形式や大声で途切れの無い台詞の重爆撃を通して。実際に戦争を体験した人々から、その内実を聴き、紛争地弱者を支援し続けてきた身としては、全くリアリティーの無い表現方法であり、バチな印象をうけたものの、言いたいことは良く理解でき、このような形で前を向こうとの姿勢も理解できるものの、このような発想で戦争への道程を止めることは覚束ないとも考える。
こんなにもあなたが愛おしい

こんなにもあなたが愛おしい

Ichi-se企画

荻窪小劇場(東京都)

2025/08/21 (木) ~ 2025/08/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 タイゼツ、ベシミル! 華5つ☆。脚本、演出、演技、舞台美術、効果何れもグー。演技では成人後の亮を演じた丹波 隆博さん、少年時を演じた及川 鉄之典くん、現在の八重子を演じた瀧澤 千恵さんの演技が特に気に入った。尺は約120分。終盤の急展開も見事である。但し、これはネタバレにも書いて居ないから是非、劇場で観て頂きたい。

ネタバレBOX

 板上、下手は手前に3段の階段、踊り場奥は福岡のFMラジオ放送局スタジオのブース。上手は、このスタジオでパーソナリティーを務める加島 亮の実家の一室。部屋中央に卓袱台、その上には小さなラジオとTV用リモコン。卓袱台の北西には整理棚に載せられた小さな仏壇。部屋手前の客席側にはTVが置かれているという設定である。出捌けは両側壁に設けられており上手の部屋の上には2階の一部が見える。オープニング早々亮が義母・八重子が入居する前日に発見し読んだ産みの母の日記を通して、36歳になった亮と子供時代の亮が交感する形で描き、物語の時代変遷と亮の子供時代の様子をこの2つの空間を巧みに使い分けながら重層的に描くが、この演出が実に効果的だ。また実母や父の死後には父の霊も幽霊として登場させ、あの世と此の世の境を脚本の描く世界(実母と生きた世界への執着、八重子が来てからの実母への囚われ故に苦しむ生活)を霊という曖昧を通して合体化する手法も見事だ。
 物語は小さな頃に産みの母を失い、その後再婚した父(大二郎)の連れ合い八重子にどうしてもなじめず、優しく美しい八重子に惹かれる自分の、自然に生まれてくる思慕の念が産みの母を忘れさせることを恐れる余り、つれない言動を繰り返す亮と、食事を供しては拒まれ、心を込めて作った遠足に持ってゆく弁当を放り出される八重子の日常に延々と募る苦しみ。長じて折角入った大学も1年で中退、演劇をやると父の反対を押し切って東京に飛び出しずっと実家に戻ろうとすらしなかった息子が、実は仕事も思うようには貰えず地元に戻りラジオパーソナリティーを始めた息子の生放送番組をずっと聴きながら時に“あんたのおかあちゃん”のラジオネームで投稿し始める。それは父の三回忌に亮が実家に戻ったことがあったことが契機となったのだろう。同じように愛した二人の妻の一方を頑なに拒み続ける一人息子に決定的な手立てを用いることをその生来の優しさ故に実行できなかった父の悩みをも深く理解していた八重子故の行動であった。リクエスト曲は坂本 九の「上を向いて歩こう」。
 このリクエストにラジオ番組のアシスタントで恋人でもある結羽は「お義母さんでは?」と鋭く反応するが、36歳にもなって己の臆病を克服できない亮は否定する。
 然し・・・。後(クライマックス)は、劇場で観るべし!
月の爆撃機

月の爆撃機

劇団イン・ノート

駅前劇場(東京都)

2025/08/20 (水) ~ 2025/08/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

久しぶりに、ここまで熱量と運動量にあふれた舞台を観ました。最初は少し難しく感じましたが、物語が進むにつれてテーマが見えてきて楽しめました。役者さんたちが2時間ほぼ動き続けて情景を見せる姿は本当にすごかったです。
その分、ずっと同じテンションが続いたので、個人的には少し長く感じてしまいました。でも全体としてはとてもパワーをもらえる舞台で、次回作も観たいと思いました。

二人芝居『またしても登場して頂きましょう』

二人芝居『またしても登場して頂きましょう』

艶∞ポリス

ニュー・サンナイ(東京都)

2025/08/19 (火) ~ 2025/08/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

8/22 観劇

月光ゲームの殺人

月光ゲームの殺人

カスタムプロジェクト

調布市せんがわ劇場(東京都)

2025/08/22 (金) ~ 2025/08/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

初めて観劇しましたが、推理と演劇の両方を一度に楽しめて、とても面白かったです。推理をしなくても舞台そのものとして充分楽しめますし、観客が参加できるという点も新鮮でした。観劇中に「ん?」と感じる場面はいくつかあったのですが・・・結果は見事に推理失敗(笑)。
それでも最後の解決パートとその後の解説パートを観てスッキリできました。
このような企画はぜひ今後も続けてほしいと思います。次回公演も楽しみです。

ライバルは自分自身ANNEX

ライバルは自分自身ANNEX

宝石のエメラルド座

ザ・スズナリ(東京都)

2025/08/22 (金) ~ 2025/08/31 (日)公演終了

実演鑑賞

意味があるようでないような、とにかく笑えました

月光ゲームの殺人

月光ゲームの殺人

カスタムプロジェクト

調布市せんがわ劇場(東京都)

2025/08/22 (金) ~ 2025/08/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

自分のなかじゃ、毎年、夏の恒例になってます。
今年も自分の推理は大外しでしたが、芝居部分の面白さ、ぽんこつ探偵なりに頭を悩ますシンキングタイム。
とても楽しい時間でした。
ネタ切れが心配だけど、来年もまた新しい趣向が用意されてるようで、楽しみです。
芝居パートは、推理・謎解きにそこまでの興味が無い人が観ても楽しめる出来です。

ネタバレBOX

今回、犯人側が完全勝利(成し遂げたうえで逃げ切り)っていう初めてのパターンかも。
パンフレットの前日譚を読んで、被害者の見え方も変わって、しばらく考えちゃいました。

今回、スマホ前提で作業的なことをさせられる謎解きがありまして。
ここは自分としては無いほうが良かったかな。
作業から浮かび上がる発見的な面白さって確かにあるんですが。
シンキングタイムの推理時間を削られる感じがあって、カスタムさんの公演なら、探偵気分で捜査よりも推理を楽しみたい……って思いが強い。
『夏砂に描いた』

『夏砂に描いた』

πTokyo

πTOKYO(東京都)

2025/08/22 (金) ~ 2025/08/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

#夏砂2025
面白い。この演目は、この会場で以前 観(聴い)たことがあるが、演者が違うとまったく別の情景が(心に)浮かんでくる。ほとんど動きのない朗読劇、言葉だけで物語を紡ぎ 観客の心に訴え響かせる。その醍醐味を十分味わわせてくれる好公演。

登場人物は、僕・君・女・母・彼のわずか5人。長い時間軸を辿り関係が少しずつ明らかになっていく。ひと夏の淡い思い出は、その後の人生において あまりにも愛おしく瑞々しく純粋だった。キャスト5人はそれぞれの人物を立ち上げ、情感豊かに演じる。勿論、照明や音響/音楽といった舞台技術の効果/印象付けは巧い。
(上演時間1時間20分 休憩なし) 

ネタバレBOX

舞台美術は、腰高丸椅子が横並びに5つ。後壁にはカレンダー、絵画、水着そしてTシャツが吊るされている。足元には浮き輪やビーチサンダル。朗読劇ならではのシンプルなセット。上演前には静かな波音が聞こえる。

舞台は 或る年の8月31日夕暮れ、人気のない海辺。物語は 茫洋と海を眺めて、街へ帰る最終バスに乗り遅れた高校生2人の淡い想いの回顧とその後の人生を巡る運命。今となっては夢か現か、過去と現在を彷徨する。可笑しくて 優しい、でも悲しくて残酷だ。

僕が高校2年の夏休み最後の日、海の家でのバイトを終えバス停へ向かうが 最終バスに乗り遅れ、そして君もー。バスに乗れなかったことで、憧れの先輩と話すことができた。どうやって帰るか という心配よりも、今の瞬間を大切にしたい、そんな幸せのひと時。とりとめのない会話、それぞれ将来の夢を語り、僕は画家になりたいと。君は僕の絵を見たいというから、棒で砂浜に絵を描いた。そして君の夢は…それを聞きそびれた。君は明日引っ越して、転校するという。来年、ここで同じ日に会おうと約束したが…。翌年 君は現れなかった。

それから13年、僕は30歳になり 同じ場所/時間で、またバスに乗り遅れた。その時は別の女も一緒に。さらに10年、40歳になった僕は同じ場所/時間に あの女に再会した。偶然なのか必然なのか、女は君の妹で 色々なことを聞いた。君は不治の病に罹り 既に亡くなったこと、入院中に結婚し 偶然にも僕の絵を病室に飾っていたこと。今、僕と女(君の妹)は一緒になり、棒の替わりに杖を握って ゆっくりと歩んでいる。

高校の夏休み最後の日、それも わずかな時間の淡い思い出を大切に綴った物語。キャスト1人ひとりが、心情を丁寧に表現しているから 観る(聴く)者の心に、その想いが染み入ってくる。なんて至福なひと時であろう。
次回公演も楽しみにしております。
こんなにもあなたが愛おしい

こんなにもあなたが愛おしい

Ichi-se企画

荻窪小劇場(東京都)

2025/08/21 (木) ~ 2025/08/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

#あないと
面白い。継母と息子を中心とした家族劇。最近観かけなくなったストレートな家族愛に、日本の良き原風景を見るようだ。平凡で小さな物語だが、そこに多くの人が共感するであろう優しさが滲み出ている好公演。脚本も良いが、それを描き出す丁寧な演出と確かな演技が物語を豊かにしている。
登場しない実母と遺した日記が肝。
(上演時間2時間 休憩なし)㊟ネタバレ

ネタバレBOX

舞台美術は、上手に家族の家 加島家の居間-卓袱台や仏壇そしてラジオ、下手は段差を設え 上に福岡のFMラジオ局のスタジオブース。この2つの空間を巧みに使い分け、加島亮(36歳独身 同棲中、ラジオパーソナリティ)の心情を表す。シーンに応じて上手 二階部や客席との間の空間を街路と見做して行き来する。それほど広くない劇場内に、行橋市の実家と福岡のラジオ局(職場)という地方都市の風景を表す。

舞台は 或るひと夏の地方都市、台詞も方言交じりで都会とは違った雰囲気を漂わす。この舞台全体の世界(観)が優しく温かくホッとする。説明にもあるが、亮は 幼い頃に母を亡くし、父 大二郎が再婚し新しい(継)母 八重子がきた。しかし 亮は八重子が嫁いでくる前日に亡き母が遺した日記を見つけた。さらに八重子も日記の存在を知ることになる。日記には、亮への愛情に溢れた言葉が綴られていた。一方 八重子は自分の子は産まず、亮へ愛情を注ぐが無視され馴染まない。遠足の弁当を作っても放り投げられる始末。亮は優しく美しい八重子を慕うことは、亡き母を忘れてしまうのではないか こわかった。長い間 胸の内に隠してきた思いを激白することに、それは八重子が末期癌で余命わずかということを知ったため。この遺された日記は実母の<想い>が詰まっているが、同時に亮の心を縛り付ける<重い>ものになっていた。日記に翻弄された家族。

長い間疎遠だった2人の気持が簡単に通じ合うことはない。それをラジオを介在させパーソナリティという職業で語る、さらに「あんたのお母ちゃん」からの投稿という形で繋げる巧さ。父も亡くなり、その三回忌に帰ったきり会っていない。その父も夏(お盆)時季に霊として現す。生前は亮と八重子の気持ちを理解しつつ、何とか2人の仲を取り持とうと腐心する。過去と現在を往き来きするが、それを亮と八重子は 夫々1役2名で演じ分かり易く展開していく。

照明の諧調によって心情表現を印象付け、衣裳替えと相まって時間の経過も表す。また音楽はラジオから流れる曲、日常何気なく口ずさむ歌「上を向いて歩こう」。終盤、居間から見る 行橋夏祭りの花火シーンが美しい。ちなみに、行橋夏祭りは1989年(昭和64年/平成元年)から始まったらしいが、それは亮が生まれた年であり 元号が変わる。それは生みの母から育ての母へ という意に重ねているのだろうか。
次回公演も楽しみにしております。
月の爆撃機

月の爆撃機

劇団イン・ノート

駅前劇場(東京都)

2025/08/20 (水) ~ 2025/08/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

複雑で難解な話でした。幻想的な不条理劇のようでした。

夏の夜の夢

夏の夜の夢

theater 045 syndicate

KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)

2025/08/21 (木) ~ 2025/08/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

現代風で絶叫芝居でした。不気味な印象でした。独特な演出でした。

月の爆撃機

月の爆撃機

劇団イン・ノート

駅前劇場(東京都)

2025/08/20 (水) ~ 2025/08/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

すごい、すごすぎました。圧倒されました。ただ、今回の舞台、観る人をほんと選ぶかと。ぶっちゃけ、演劇についてちゃんと勉強したことがなかったり舞台を表面的にしか鑑賞できない人には「ぽか〜ん♪」かと。逆に、戯曲の書き方や演出の仕方、ほかには「演じるとは何か」について勉強したり深い思索を試みたことある人には「これはすごい…」と感嘆したかと思います。役者のレベルが高すぎますし、ワンチームの力というのをかなり感じました。正直、話の内容はよく見えません。そして2時間という時間が長く感じました。でも、それを上回る演劇のポテンシャルというものを感じました。すごい舞台ですしすごい劇団です。

抜殻を握った僕たちは

抜殻を握った僕たちは

男澤企画

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2025/08/20 (水) ~ 2025/08/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

役者陣に華があり、演技に迫力があります。今後、描かれる脚本の中で彼は生き続けるだろう。自死を諌める話ではなく、人と人の繋がりは形の変化はあれど、消えないということ。心が温かくなりました。(殻チームでした)

このページのQRコードです。

拡大