ピテカントロプス・エレクトス 公演情報 劇団あはひ「ピテカントロプス・エレクトス」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    会場に入ると、アクティングエリアの中央に穴(奈落)が開いていて、その四方をカラーコーンで囲っている。客席はその穴から距離をとり四方に設置され、穴を取り囲むような状況に。ゴリラっぽい着ぐるみを着た人が場内にいるが、作品タイトルから演出の一部と想像。この穴がタイムホールのように時間を繋ぐ存在となっており、穴を通して前時代(と言っても何万年単位だけれど)の「祖先」と対話する。類人猿からヒトへの時間を辿りつつ、その進化の過程から「知的生命における、生物的、あるいは社会的進化とは?」を見つめ直す…ような作品に、僕には見えました。

    ネタバレBOX

    穴を中心に、時間軸が「層」になっているイメージ。舞台上(地表?)が現在として、その上下が未来/過去。時間軸や時代を超えた対話に、その時代ごとの価値観やギャップが反映されて興味深いのは、歴史ドキュメンタリーや歴史ものの創作物が証明しているところ。物語は終盤で急展開し、2024年現在の社会批判を色濃く見せます。そこが団体が力を入れて創作したポイントであることは理解でき、その内容の是非は観客個々人によって異なるでしょう。

    ただ、視覚的な意味で、今作に惹かれたか? と問われたら、僕は首を横に振ります。音声ドラマでもある程度成立してしまう?と思えるほど、視覚的な意味は少なかったと思う。穴のアイディアなど、創意工夫していることは理解できますし、テキストは鋭いものが多かった。それだけに、視覚的な意味合いでも観客を魅了して欲しかった。音声ドラマ、あるいは朗読劇のように、視覚情報を限定してしまった方が、より想像力が働く内容だと感じました。

    0

    2024/06/03 17:34

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大