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ハムレットQ1

ハムレットQ1

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2024/05/11 (土) ~ 2024/06/02 (日)上演中

実演鑑賞

満足度★★★★

何度も見ている「ハムレット」である。この公演はQ1とタイトルが打たれているように最初の刊行版による公演と言うことで、短いといわれているが、どうしてどうして、休憩20分を入れるとちゃんと3時間ある。同じ時期に埼玉芸術劇場でも柿沢直人の従来の「悲劇・ハムレット」の伝統的作りのハムレットも上演されているが、こちらは新しい現代風に趣向を凝らした意欲作という。
うーん、なるほど。テキストのあれこれは、専門家にはいろいろ議論があるかも知れないが、一般観客として客席の感想である。
まず言っておかなければならないのは、いろいろあるが、つまらなくはない。ということである。今までのハムレットを見てきた方もいわゆる見たことのある名シーンは全部ある。それに、帰宅後もパンフレットを買っていようものなら、帰宅後それで又3時間はたっぷり楽しめる問題作である。
総合的には言いにくい作品なので問題点を次々に行く。
第一は、ハムレットを吉田羊が演じるということである。以前この劇場でジュリアス・シーザーを吉田のブルータスを始め全員女性キャストで森演出でやったことがある。そのときは感じなかった違和感がある。これは吉田のよしあしでは全くなく、ハムレットの役そのものを、ある種、普遍的人間とみて、性差関係なし、としている舞台作りの違和感である。今回は旅役者が全員女性だったり、フォーティンブラスも女性である。全員女性のジュリアスシーザーとは違う性差が表面煮立ってしまう。これはさまざまなところに反映してきてこの舞台を特徴付けることになっているが、それが観客にとってどうか?ということである。
テキストが違う点では,オフェリアとガートルードはどうだろうか。ともに女性役の芯になるこの芝居の見どころになる役だが、可憐に演じられるオフェリアはこれほど「尼寺へ行け!」をハムレットに連呼される(例えば河合の新訳版では六回しか言われていないこの台詞を、数えたわけではないが、見た感じ20回くらい言われている)上演は初めてだろうし、ガートルードは女性でなければという役と思うが、母性も庶民性も芝居も上手いのに王妃という肝心の役柄の一面が薄い。実は良人殺しはやりたくなかったんだという今回の解釈はそれなりに納得できるが、それが広岡のガラに会っているかというとそこは疑問である。(広岡、健闘である)飯豊はあまり藝歴を知らないが、現代的で乾いた感じだ。とても木の上で歌を歌っていて落下して溺死するという感じではない。この役をそれでまとめるとどうなのだろう。(こちらはミレー(J/エヴァリット)の川に浮かぶオフェーリアの画が頭に入っている。それではないというこの役の解釈はいくつも見ているが、飯豊は現代的で姿は人間として美しい普遍があるが、女性がやる以上もっと、性的魅力が出ても森解釈には違わないと網がどうだろう)要は、ジェンダーばやりなので打ち込んでみたと言うことかも知れないが、その意味がよく観客に伝わっていない。
他の配役についても、理由を聞いてみたいところはある。冒頭、城を守る城兵たちが、鉄砲を持っているというのは俄に近代的だが、それが一貫しているわけではない。あらわれる亡霊は、ドラマの中に役としても存在させたママなのだから、他の俳優たちの背広にネクタイ同様、劇を落ち着かなくさせていると思う。しっくり落ちていない違和感がある。
ロゼ・ギルのコンビが完全に道化役になっているのはどうか。これでは、ハムレットの旅そのものが道化になってしまう恐れがある。(最も芝居の進行には道化の方が面白いかも知れない。Q1では原文がそうなっているのだろうか)
終り(五幕)になるとあとを急いでいる感じで、いくら現代版でも最後の圧しが足りないと思った。場内決闘の場は舞台の上の人数も少なく、(必要ないと言えばそうかも知れないが)段取りめいて、大詰めの芝居らしい詰めの盛り上がりが乏しい。)
美術は名手・堀尾で、下手に向かって荒れ地が次第に斜傾の三角に積み上げられているだけの一杯セットで全幕を通す。ここには美術家の強い意志が見えるが、舞台の上の役者たちはセットの冷徹が徹底していないので、そこここに違和感がある。
劇中、歌が多用されていて国王暗殺の旅芝居はほとんどサーカスというか、ミュージカルである。この場の美術は突然空気が変わって面白い趣向であるが、浮いた感じも残る。
場割は、二幕構成で劇中劇の前で休憩20分、前後に1時間20分づつ、結局3時間で長い。いつもの上演とほとんど変わらない。

・・・といろいろあるが、言いたくなるほど面白くはある。一番の問題は、総体的に見ると、大きく変わった現代的なハムレットなのだが、一つ一つの新しい演出がどこは収斂していくのか、戯曲が収斂していくのを求める作品であるだけに、そこがよくわからない、というより、観客に感じ取れないところが一番の問題だと思う。
先のこの劇場の「桜の園」は新しい上に、その収斂の方向ははっきり解ったのでこれはゴメンと言えたが、これはそこがよくわからない。


鬼啖

鬼啖

troupe▲antLion

東日本橋A-Garage(東京都)

2024/05/09 (木) ~ 2024/05/13 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/05/11 (土) 12:00

かつて芸術集団れんこんきすたで上演された奥村千里による衝撃の二人芝居。

まず思ったことは奥村千里の戯曲は濱野和貴の尽力によりこのtroupe▲antLionで上演を引き継がれているが、やはり素晴らしい作品が多い。それだけに主宰だった中川朝子の不実によってれんこんきすたが解散せざるをえなかったことが無念でならない。
なにしろ奥村は作者としては日本劇作家協会の新人戯曲賞で最終審査に残った6人のうちの一人だった(対象作「Gloria」は審査員の坂手洋二や渡辺えり子の評価は大きかったが、実際には上演されていたにも関わらず「これって上演するの無理でしょう」という理不尽な理由で受賞を逃したのだった)し、演出家としても日本演出者協会の若手演出家コンクールで一次審査を通っていたのだ(二次審査が「木立によせて」となり、これは演者の力不足が大きかった)。

閑話休題、トリプルキャストの内のAチーム(町田恵理子&小松崎めぐみ)を鑑賞。定刻に開演。上演時間80分。
ただ12時開演(11時半開場)に間に合わせるにはかなり早く自宅を出ねばならず、朝食抜きで出たために、入場後のポップコーン食べ放題が有難かった(笑)。

(以下、ネタバレBOXにて…)

ネタバレBOX

山間の村で捉えられた人を喰らう鬼とそれを折伏して欲しいと頼まれた旅の尼僧との息詰まる会話劇。その対決の中で明かされる尼僧の過去を通じて、念と業と罪と祈りとを深く考えさせた。

最初に尼僧(町田)と縛られている鬼女(小松崎)とが対峙する時に、鬼女が多少身を引き気味に感じられ、その分村人や人間に対する恨みの念が弱いように思えたのだったが、終盤でそれが活きてきた。

小松崎のメイクは大きな傷や腫れあがった右目など村人から痛めつけられた様が痛々しいが、それに反して歯が真っ白なのが気になった。歯をもっと汚すべきだった。
れんこんきすたでの上演時は亀甲縛りにするために専門の緊縛師に習いに行ったとのことで、終演後も簡単には解けないようにされていたが、今回はそこまでのことはなく軽く縛っただけだったようだ。

それにしても町田の尼僧姿の美しいことといったら。高貴ささえ湛えて、まさに後光が指しているようだった。
それだけに武家の娘だった時に許婚を女中に奪われた悔しさを語るときの悲痛さが痛々しく伝わってきた。
因みに茣蓙のところで草履を脱ぐ仕草がとても良かったのは川田ももによる所作指導の賜物か。

緊迫した濃密な空気感に満ちた舞台だった。
深い森のほとりで

深い森のほとりで

秋田雨雀・土方与志記念 青年劇場

紀伊國屋ホール(東京都)

2024/05/10 (金) ~ 2024/05/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/05/14 (火) 19:00

日本の科学研究状況を丁寧に描いた佳作。とても面白い。60分(15分休み)59分。
 あるウィルス研究室の4年ほどを描く。日本の科学研究の困難さが主たるテーマだとは思うが、さまざまな問題を取り込んだ脚本が実に巧い。展開に都合の良過ぎるところはあるが、それはドラマなのでしょうがないとして、儲かる研究、とか、女性が不利、とか、実に多くの題材をバランス良く点在させて、しかも笑いもあるというのは見事としか言いようがない。演じる役者陣も巧いが、研究者の卵役を演じた五嶋佑菜が印象に残った。
 セリフフェチの私としては、「少数民族」という言葉にリアリティが少なく、架空でもいいから「○○族」と表現した方がリアリティがあるように思った。

喝采は星の彼方に

喝采は星の彼方に

シニア演劇ネットワーク

駅前劇場(東京都)

2024/05/10 (金) ~ 2024/05/13 (月)公演終了

実演鑑賞

面白かったです。

2×3

2×3

甲南大学文化会演劇部 甲南一座

甲南大学岡本キャンパス甲友会館(兵庫県)

2024/04/28 (日) ~ 2024/04/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

初回観劇

3つの2人芝居オムニバス、面白っ😆
本も演技も👍

■天使も悪魔も
白いのの決まり縛り、内通制度、恐っ😱

■ジャムジャム
きっかけ不明で発動する2重3重4重の…
落ちが物悲し😢

■ハートの名探偵
生死の境で出会ったのは死神?
階段から落ちたのは友の恨み?
頑張れハート💪

まともがわからない

まともがわからない

The Stone Age ヘンドリックス

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2024/04/26 (金) ~ 2024/04/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

人それぞれに”まとも”があって、
皆、真剣に恋愛してるのに…

不倫、年の差婚、親の気持ちに、ヤケボックリ、そして幽霊?

Stone Ageさんご出演の女優さんは、皆さん味があって大好き😆💕
一明一人さんの劇団のお知らせも完璧✌️
良かった🤩

『ポストグラフ』【中止】

『ポストグラフ』【中止】

劇団月光斜

立命館大学衣笠キャンパス学生会館1階小ホール(京都府)

2024/04/18 (木) ~ 2024/04/20 (土)公演終了

映像鑑賞

満足度★★★★

拝見したかったが、最終日の公演が中止とのこと。
ですが…映像を限定配信されているので、拝見しました。
とっても『ポストグラフ』でした。
衣装も世界観もとてもよく表現されていました。
とても良かったです。

九十九の彼岸花

九十九の彼岸花

学園座

関西大学・千里山キャンパス内KUシンフォニーホール(大阪府)

2024/04/19 (金) ~ 2024/04/20 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

此岸パート千秋楽観劇。
陰陽師·安倍家は息子を助けるため、死神との協定を…
此岸では次々呪い殺され三途の川底へ!?

大人数でのオリジナル冒険活劇、面白かった😆
舞台美術や設定も凝っていて見せ場も考えられてて、良かった👍
ただ話は凝っているのだが…盛り上げ方や見せ方がやや単調なので損をしている感じ、もう一捻りすれば完璧✌️?

ネタバレBOX

設定や話の展開はとても凝っているのだが、話の持って行き方がスーッと流れていく気が…?
学園座さんのオリジナル脚本を見るたび、何かが足りない気がして、とても勿体ない気がする。
『BIGGER BIZ』

『BIGGER BIZ』

自由劇場

シアター300(神戸大学国際人間科学部 大講義室)(兵庫県)

2024/04/17 (水) ~ 2024/04/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

私は前日に拝見したのですが、奥さんもお友達と千秋楽観劇したそうで…
メッチャ面白かった。学生演劇お初のお友達も大興奮だったご様子でとても楽しかった、との事。

ただ奥さん的には最初の展開の速さ、健三の縦横無尽ぶりについていけなかったとの事。確かにそれはありますよね。
でも奥様&友達ともに面白かったのは面白かった様です!

深い森のほとりで

深い森のほとりで

秋田雨雀・土方与志記念 青年劇場

紀伊國屋ホール(東京都)

2024/05/10 (金) ~ 2024/05/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/05/14 (火) 14:00

座席1階

ウイルスの基礎研究にまい進する女性科学者の物語。日本の女性の研究者たちが、男性が多い大学の研究環境の中で不当に見下されている現状や、「選択と集中」という名の下に文部科学省が研究費を差配し、すぐに成果が明らかにならない基礎研究に冷淡な状況など、よく取材されている。

休憩を挟んで2時間半は少し長いな、と思ったが、冗漫にはなっていない。後段ではコロナ禍での研究開発の流れなども織り込んであって、リアリティーがあった。
物語は、バングラデシュの奥地で人道支援に当たる若者が、原因不明のウイルス禍で感染してしまうという設定で、そのウイルス研究に没頭する女性たちを対比させている。ゲノム解析には成功するが、すぐに薬剤ができるわけではない。そうした現実も、この舞台では丁寧に描いてあった。このような基礎研究を結実させた薬剤を開発して途上国に提供することで日本の国際的な地位が向上するだろうとか、科学技術で貢献する外交を進めていけば戦争にはならないだろうとか、対米追従で武器ばかり買っている日本外交の強烈に皮肉るせりふが飛び出してくるところは、青年劇場の真骨頂だろう。
優秀な研究者が非常勤で契約をばっさり切られかねない不安定な状態にあるというところもきっちり盛り込んであって、世界と争って高めていくべき日本の技術開発の脆弱性も突いている。

五嶋佑菜ら若手俳優も重要な役どころをきっちり演じ、歴史ある青年劇場も次世代に向かっているところを目撃する。納得の舞台だった。

Four Hearts

Four Hearts

トランク企画

アバンギルド(京都府)

2024/05/09 (木) ~ 2024/05/10 (金)公演終了

満足度★★★★★

とても面白かった 客席も大盛り上がり❗ スリランカ風の部屋といった設定には演者もビックリだったと思うが、流石プロといった感じでした 次も是非

いつかの交差点で、僕たちは異次元の希望を探す

いつかの交差点で、僕たちは異次元の希望を探す

kazakami

スタジオ空洞(東京都)

2024/05/05 (日) ~ 2024/05/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

「当事者」と言って良い30前後の登場人物の視点から、現下の少子化問題の諸要素を網羅していた
細かい場面をうまくつないでいおり、転換のテンポが良かった
リーディングでも一々前に出て「演ずる」ので変化もあり、 キャストの表情もはっきり見えて良かった
そのキャストの表情、リーディングにはもったいないくらい生き生きしていた
花火のメタファーが効いていた
第2場が説明的になりすぎていたのと、井口と江の会気で不自然に「正直」が多すぎたこと、飲食店での注文がやや唐突だったことが引っかかった点かな
当該世代が「これが問題」と思うのがどういう点かは浮き彫りにされて、シングル貫きそうな30代娘ふたりの親は耳が痛い点もあったが、やっぱり解決策は分からないねぇ

除け者(ノケモノ)は世の毒を噛み込む。

除け者(ノケモノ)は世の毒を噛み込む。

キ上の空論

新宿シアタートップス(東京都)

2024/05/09 (木) ~ 2024/05/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★

新たな3部作という事で、1部見てませんが2部見てきました。

感想は私の主観です
キャスト、芝居、間合いなどどれも悪くない、いやむしろイイ方かもしれないのに…
なぜか消化不良な感じします
新たな作品と宣伝しておきながら、ピーチanother sideの様な作品でした。
ピーチの再現にもかなりの時間費やしており
途中これはピーチ2の焼き直しなのか??みたいな感じです
色々な制限がある中、出来ない難しい表現をわざわざ入れて意味あるのみたいなシーンも多かった気がする。
小便シーンなんて本当に意味わかりませんもん

千と千尋の神隠し

千と千尋の神隠し

東宝

博多座(福岡県)

2024/04/27 (土) ~ 2024/05/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2024/04/28 (日) 12:00

*

新生!熱血ブラバン少女。

新生!熱血ブラバン少女。

博多座

博多座(福岡県)

2024/04/06 (土) ~ 2024/04/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2024/04/13 (土) 16:00

*

いつかの交差点で、僕たちは異次元の希望を探す

いつかの交差点で、僕たちは異次元の希望を探す

kazakami

スタジオ空洞(東京都)

2024/05/05 (日) ~ 2024/05/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/05/05 (日) 13:00

少子化を筆頭とした家族/家庭の問題に関する会話のスケッチ集……であるがシンポジウムや討論会のように大上段に振りかぶった堅苦しいものではなく、飲みの席や終業後の職場などでのものなのでカジュアルでとっつき易く大胆な説(ってか暴論?(笑))まで出てあれこれ考えさせられる。
また、複数の場での会話だが場が代わる度に舞台上手にその場の情景画像を掲示し、演者が上衣や眼鏡の脱着で人物の違いを表現するのもイイ。(とか言って気付くのが遅れてしばし戸惑ったが(爆))
さらにそれまで併走していた各場が終盤で「花火」によって一つに収束してゆくのが巧いしドラマとしてのまとめ方として好み。

『阿房列車』『思い出せない夢のいくつか』

『阿房列車』『思い出せない夢のいくつか』

青年団

こまばアゴラ劇場(東京都)

2024/05/08 (水) ~ 2024/05/15 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/05/12 (日) 10:30

「思い出せない夢のいくつか」
アゴラ劇場サヨナラ公演もあと3日を残すところとなり、建物外観の写真を撮る人が目につく。
大人3人の夜行列車の旅。
木製の座席とランプの灯りが、”大人の銀河鉄道の夜” を柔らかく見せる。

ネタバレBOX

芸能人の女性、ベテランマネージャーの男性、それに若い付き人の女性の3人が
夜行列車の座席に座っておしゃべりしている。
星座の話、結婚式の話、煙草を吸いに行ったら変な乗客がいた話など。
付き人の女性が星座盤を持っていること、鳥捕りや灯台守など、
「銀河鉄道の夜」のエピソードがいくつも織り込まれ
この列車はひょっとして、死者を乗せているのかと思ったりする。
あるいは死にゆく人を乗せているのかと・・・。

会話の ”間” は、信頼関係の度合いを表すものだが、
彼らのそれは緊張感を伴うものの、苦痛は感じない。
この静けさとテンポが、心地よかった。

駒場東大前というこの駅、この街、この商店街が好きだったなあと思う。
アゴラ劇場が無くなるなんて、考えもしなかった。
だがこの芝居のように、全ては夢のごとく過ぎ去って、
私たちは皆いつか、銀河鉄道の乗客となるのだろう。

ありがとう、さよなら、アゴラ劇場・・・。

ブルーアイデンティティ

ブルーアイデンティティ

X-QUEST

王子小劇場(東京都)

2024/05/03 (金) ~ 2024/05/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

それはその男の夢なのか夢想なのか、まあどうとっても良いのでしょう。それよりも殺陣やダンスや衣装や役者陣の素敵なところを見惚れて終わる80分。
その後の撮影タイムはステージから一人ひとり観客をみんなで見つめてくれる、一瞬の幸せでした。
途中何回かの公演が中止になってしまったので、いろいろ購入して応援したいところですが諸々事情もありまして、次回公演もきっと観に行きます。

風と共に去りめ

風と共に去りめ

かーんず企画

シアター711(東京都)

2024/05/02 (木) ~ 2024/05/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

あらすじにあった通りに
『裕福な家庭』『無機質なオフィス』『1Rマンション』『画家のアトリエ』
を白線で分けて舞台上に四つの世界を表現してるので
結構狭い感じに見えたかなぁ
中心は一人の男であり
彼がオフィスの人間に罪をかぶせられて放逐され
画家のアトリエからも逃げ
ネット配信していた女性の元も追い出され
傷つき倒れていたところを
医者夫婦の裕福な家庭にて助けられるのだが・・・
と展開がクルクルと
舞台上の四つの世界を男が巡ってゆく作品

う~ん
ドニーダーコみたいな感じだったかなぁ と

ネタバレBOX

最終的に男が隕石の衝突を認めて
受け入れてくれてた医者夫婦の一人娘が
その隕石落下という事象を受け入れる?
という感じであっているのだろうか・・・

隕石とタイトルの風とかは
あまし繋がりを感じなかったかしら
風の名はアムネジアみたいな話の方が
分かり易かったかなーとも
『緋色の研究』『四つの署名』

『緋色の研究』『四つの署名』

東映

サンシャイン劇場(東京都)

2024/05/02 (木) ~ 2024/05/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

「四つの署名」を観劇
広い洋館の一室、ソファーには名探偵ホームズとワトソン
てっきり二人の回想録で物語を紡いでいくものかと思っていたら、次々登場してくる人物達も全てこのお二人で演じ分けていくという
場面転換も変幻自在、リーディング公演の自由度を大いに活かしながら、海外ミステリー独特の世界観をみるみるうちに創り上げていくテクニックには驚かされました
ストーリー的には雰囲気美人な印象でしたが、莫大な利権の匂い、浮かび上がってくるきな臭い人物達、段々と立ちのぼってくるおどろおどろしい空気感にはゾクゾクさせられます

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