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闇に咲く花

闇に咲く花

こまつ座

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2008/08/15 (金) ~ 2008/08/31 (日)公演終了

満足度★★★★

近いところを思い出す、ということを続けるつらさを引き受ける
僕たち日本人は、どういうわけか、「世界」に「進出」することを、脅迫的に追い求めながら、日本人であることを日々、忘れようとしている、世界的にも希有な人々だ。

井上ひさしさんの仕事は、ほとんど全てが、僕らに、日本人であることを思い出させようとする試みであるような気がする。

普通、こう書くと、歌舞伎とか落語とかの伝統芸能が出てきたり、日本語の美しさが出てきたりしそうだけれど、井上さんの場合、そういう、遠いところにはいかない。もっと、最近の話だとか、身近な話だとか、近いところの話をする。でも、僕らは、どういうわけか、井上さんの取り上げる、この「近いところ」だけを、意識的に、忘れようとしているようなふしがあって、その辺りだけが、空白のポケットのようになっているのに、そのことに、「意識的に」気づかないようにしているようなのである。

ネタバレBOX

僕たちは、物忘れの激しい時代を生きている。近いところの出来事を、すぐに忘れる。出来事がたくさんありすぎて、そうでないと、生きていけない。

でも、井上さんの書く、牛木健太郎は言う。「父さん、ついこのあいだおこったことを忘れちゃだめだ、忘れたふりはなおいけない。過去の失敗を記憶していない人間の未来は暗い。なぜって同じ失敗をまた繰り返すにきまっているからね」

健太郎は、C級戦犯としてグアムに連れて行かれた後は、処刑されることが分かっている。記憶喪失だった彼は、そのままなら、心神喪失状態ということで、軍事裁判を免れるはず。でも、彼は、あえて、思い出してしまう。無実の罪を、自身の記憶とともに、引き受ける。

思い出すのは、ドストエフスキーの言葉だ。『作家の日記』のなかで、彼は、たとえば、精神の病を理由に罪を問わない、ということは、人間の蔑視である、という。倫理的存在としての自分を引き受けてこそ、はじめて、人間は、人間たりうるのである、というのだ。「罪に問わない」ということは、相手を、人間として扱っていないから、人権を無視している、ということだろう。

同様に、ワインシュトックという西洋の学者の『ヒューマニズムの悲劇』という本には、「人間は、常に相続人である」というギリシャ時代の言葉が引かれている。人間は、過去を引き受けて初めて人間なのだという考えが、西洋では伝統的で、そこから、「人権」という思想が生まれているのだ。

だが、僕たちは、あらゆることを、引き受けることを、嫌がる。自分がやったことではないことを、なぜ自分が引き継がなければならないのか、というのが、僕らの基本的なスタンスだ。ついには、日本人であることそのものを、都合よく、捨て去ろうとする。

『闇の中の花』は、そういう僕らに、厳しく、でも優しく、僕らが自動的に引き受けているはずの、それでいながら僕らの知らない、「ついこのあいだ」の日本を、思い出させてくれる。きっと、僕は、また、そうしないように思っていても、忘れそうになってしまうことだろう。でも、そのときには、またこまつ座が、思い出させてくれると思う。

僕は、井上さんとこまつ座と一緒に、近いところを思い出す、ということを、思い出す。それは、情報の世界で、「世界」に進出しようとすると、忘れたくなるものかもしれない。つらいことだ。でも、そのことを引き受けて、初めて、きっと、僕らは、日本人以前に、「人間」という概念について、あらためて考えることができるように、なるのだと思う。
ポケットパーク

ポケットパーク

劇団恋におちたシェイクスピア

pit北/区域(東京都)

2008/08/15 (金) ~ 2008/08/17 (日)公演終了

満足度★★★

ダンスが美しい
あらすじを読んだけど、見に行ってみるとイメージと全然違った。
あらすじは何だかライトノベルとかにありそうなのに、あの劇場と合わせて雰囲気が上質。
そして、全体を通しての音楽の統一感が素敵すぎる。
もちろんバイオリンとダンスはもう文句なし!
照明と相まって美しかったー。

で。。
勿体なかったのは、とにかく暗転が多いこと。
その度に物語に入り始めていた気持ちが途切れ、ストーリーが細切れになってしまっている印象。
あれをもっと繋げられれば、もっといいものになるし、全体を覆っているいい意味での独特の空気感が保てる気がする。

そしてクールなキャラクターが多いため、感情移入しづらい。。
感情が表に出てきたら結構共感できたので、もっと感情が出てくるシーンを作った方がいいかと。

でも、劇団の独特の作風は結構好きかも。

生憎

生憎

劇26.25団

インディペンデントシアターOji(東京都)

2008/08/07 (木) ~ 2008/08/12 (火)公演終了

おつかれさまでした
こちらの「博愛」もがんばります。
泣きそうですが、がんばります。

音楽劇 ガラスの仮面

音楽劇 ガラスの仮面

彩の国さいたま芸術劇場

彩の国さいたま芸術劇場 大ホール(埼玉県)

2008/08/08 (金) ~ 2008/08/24 (日)公演終了

満足度★★★★

雨のシーンが美しい。
この物語は散々アニメで読んだものだから、どんな芝居か興味はあった。

演出が素晴らしかったです。


以下はネタバレBOXに。。

ネタバレBOX

かつて、舞台『紅天女』で主役を演じ、大女優と謳われた月影千草は、芸能界を引退し、今は静かな生活を送っていた。

そんな月影の下をたびたび訪れる大都芸能の社長令息・速水真澄と演出家の小野寺一は原作者から『紅天女』の上演権を譲られている月影から上演許可を得て、女優の姫川歌子主演で『紅天女』を上演しようと企んでいた。

しかし、月影は『紅天女』の主演は自分もしくは自分が育てた女優にしか演じることは出来ないと言って、彼らの申し出を拒絶する。そして、10年待って、自分が育てた女優が大成することが出来なければ、上演権を譲ると言い放つのだった。

月影が目をつけていたのは、貧しい家庭で育った少女、北島マヤだった。マヤは実の母親から「何の取柄もない」と嘆かせる平凡な少女だったのだが、一度見た芝居や映画のセリフや役者の動作を正確に記憶するという特技、本能的に役を理解し役に憑かれたかの如く演じるという底知れぬ才能があった。

そんなマヤの秘められた力を月影は見抜く。マヤもまた次第に演劇の面白さに目覚めていくのだった。

ある日、ひょんなことから、マヤの演技を目にした姫川歌子の娘・姫川亜弓はマヤの演技に衝撃を受ける。父は有名映画監督、母は大女優という両親の一粒種である亜弓は、美貌と才能と卓越した演技力で芸能界においてサラブレッドと謳われており、それまで脅威を感じる相手に出会ったことはなかった。

月影はやがて、後継者育成のために劇団つきかげを旗揚げし、女優を目指すために家出をしたマヤはそこの奨学生として、月影のもとで演劇の勉強をはじめる。やがて、劇団つきかげで頭角を現したマヤを亜弓はライバルとして認め、二人は互いに切磋琢磨しながら、演技を磨いていく。

一方、『紅天女』の上演権を手に入れるため、速水と小野寺は劇団つきかげをつぶそうといろいろと画策していく。しかし、どんな嫌がらせにもめげず、ひたむきに演劇に情熱をかたむけるマヤの姿に速水は心打たれていく。露骨な汚い手を使わないよう、小野寺を牽制する一方で、速水は、あしながおじさんのように匿名でマヤを支えるが、速水のマヤに対する思いは次第に恋愛感情へと変わっていくのだった。




埼玉芸術劇場の舞台って物凄く奥行きがあるのね。
それをふんだんに使ってのびのびと役者陣が演技をしてました。

特に演出が素晴らしいです。
ガラス張りで客席を映す場面や、雨のシーン。。
大量の雨が降ってるにも関わらず、水はけがいい。
舞台の仕組みがどんなになってるのだろうか・・?
上から雨は振っていますが、床に落ちた水滴はポチャンポチャンと水が跳ねる水渋きの輪が出来るように床から細工されています。

前列の観客は濡れなかったのだろうか??


月影千草(夏木マリ)はアニメとまったく同じでした。。
よくもあれだけ似せたと関心するくらい・・。

舞台として客席も使用する場面が多かった。
これはいい。観客と一体になれる。
まさに舞台上の芝居だから、実際の観客が芝居のなかでも観客になってます。



いあいあ、何が良かったって、夏木マリの演技は素晴らしいです!(^0^)

ボクコネ

ボクコネ

タカハ劇団

駅前劇場(東京都)

2008/08/14 (木) ~ 2008/08/17 (日)公演終了

満足度★★★★

丁寧な“お約束”の連続
どこまで書き直されているのか分かりませんが
旗揚げ時にもこのクォリティだったとしたら…
高羽さん、末恐ろしく思います

閉塞空間とその崩壊
守って来た場とそこへの侵入者
etc
無数の“お約束”が丁寧に効果的に
積み上げられていくので
安心して観ていられるというか、落ち着いて
その場に創り出される空気に溶け込むことができた

宇宙人とおばあちゃんの会話が他の人と混ざる所は
もっと効果的に&おもしろく作れたと思うので
ちょっと残念


ボクコネ

ボクコネ

タカハ劇団

駅前劇場(東京都)

2008/08/14 (木) ~ 2008/08/17 (日)公演終了

満足度★★★

絶望感に締めくくられるコメディ・・・?
かるーい感じで見ると火傷するでしょう。
何も考えずに笑える部分と、救いも希望もなく呆然とするしかない部分。
これが混在したよくわからない劇でした。
はっきり言って、ものすごーい絶望感を感じました。

ネタバレBOX

コメディっぽいけど、やるせない。
中盤までは荒唐無稽なノリで、地球滅亡さえかるーい感じで笑って見られます。セットや個々の演技はとってもいいです。
が、なんなんだろう、この展開。最後はうまく纏まっているようにみえはするんだけど、、、
よく考えればかなり恐い事になっています。

キノコばっかり食べて体からキノコが生えて死んだ人。
勘違いで唐突に訳も分からず射殺された人。
憧れの先輩の為に人を殺しまでしておきながら、その先輩に絞殺された人。
背景がなんとなくしか分からないけどグダグダにてんぱって絞殺しようとして射殺された人。
展望がまったくないまま1人で冷凍睡眠に入った人。
一生独りぼっちになった人。

ううん、シビア。全然笑えない。
変な宇宙人は「コスモなんちゃら」を使ったところからお婆ちゃんの妄想でもなかったようだし、あれから2人でどうやれば開始時のようなことになるんでしょ。開始時のあれがなければまだ幸福な前途を妄想できるのに、わざわざその芽すら摘んでいるところあたり、かなり絶望感を煽る演出。。。

どういう風に捕らえれば良かったのだろう。
生きている人とのせっしょくを頑張ろうって事だろうか。

なんというか、たくさんの絶望、ありがとう!
ウェディング・ママ

ウェディング・ママ

アトリエ・ダンカン

J:COM北九州芸術劇場 大ホール(福岡県)

2008/08/16 (土) ~ 2008/08/17 (日)公演終了

井上順さんって(゜o゜)かっちょいい
はじめて生でみた井上順さんがひときわ(゜o゜)かっちょいい  キャスティングのよさからくる言葉では表現できない魅力 ^з^ 感じました 

「あの窓の向こう」

「あの窓の向こう」

劇団 M'sカンパニー

彩の国さいたま芸術劇場 小ホール(埼玉県)

2008/08/16 (土) ~ 2008/08/17 (日)公演終了

満足度★★★★

子役にやられた!
思った以上に子役の演技が素晴らしかった!小学低学年であれだけのセリフとダンス。
覚えるだけでも難しいでしょうに・・。

素晴らしい舞台を観ました。


以下はネタバレBOXに。。

ネタバレBOX

野原家に、死んだ父さんのおかあさん、つまり梅ばあちゃんがやってくることになった。

野原家の4人姉妹のゆり・さくら・すみれ・ももはおばあちゃんと同居する事に大反対する。
特に長女は母が勤めてる間、小さな姉妹の面倒をみてるのに、これ以上面倒を掛けられるのは嫌だと、母に抗議するが、母は優しくなだめて4姉妹の子供達に「家族でしょ。お父さんを生んでくれたお母さんなんだから。」と意見します。


母が仕事に出かけた後に梅おばあちゃんは野原家にやってきましたが、子供達は何となく居心地が悪く、距離感を感じてしまいます。



おばあちゃんが荷物の整理をしながら古いアルバムを広げた瞬間、野原家の4姉妹は戦時中の学童疎開先の教室にタイムスリップしてしまいます。

そこでは梅おばあちゃんが先生で、生徒達や校長先生、山崎先生と共に戦渦の中、貧しく満足な食べ物もないけれど協力しあって暮らしていました。

4人の姉妹達はこの教室で、我慢する事、お互いを思い遣る心、食べ物を粗末にしない事、家族という繋がりを学びます。


優しい山崎先生に召集令状が届いて、いよいよお別れのシーン。
子役達が全員、泣きます。
本気で泣いてます。
とてもとても美しいシーンでした。

子供が出演する舞台で、泣きの入るシーンは毎回やられますね。
観客席からは、すすり泣く音が聞こえてました。
勿論、ワタクシも泣きました。



いよいよ、戦渦は激しくなり、梅先生も校長先生も逃げながら生徒達を守りますが、全員が離れ離れになってしまいます。

その瞬間、4人姉妹は現代に戻り、今までの自分達の行為を反省すると同時に、一生懸命生徒達を守った梅おばあちゃんを本当に好きになりました。


物語は、命の繋がりを生き抜くことの大切さ。がテーマです。
私達が踏みしめている土の下には、色々な人の思いや希望が地層になっています。
舞台は子供達が半数以上占めていましたが、学童疎開という設定とこういう現実があったことを、風化させずに未来へ伝える。という表現の場に子役はふさわしいです。

演じることで、戦時中の子供達の心を知ろうと努力するし、また、この子達が、未来に伝えてくれるからです。



劇中、赤い人間炎のダンスがありますが、この舞台にあの炎はちょっと違う気がしました。
あの炎のシーンは照明で演出した方が舞台に合ってたような気がします。



とにかく、子役達の安定した演技と、素朴な歌声は素晴らしかったです。
次回も観たい劇団です。


埼玉芸術劇場、初めて行きましたが、ステージはどの位置からも見易く椅子も他の舞台と比べて座り心地は良かった。
半すり鉢状の舞台。
今まで観た劇場で前の頭が気にならない高低差と椅子の配置の素晴らしさはトップですね。


八月納涼大歌舞伎

八月納涼大歌舞伎

松竹

歌舞伎座(東京都)

2008/08/09 (土) ~ 2008/08/27 (水)公演終了

満足度★★★★

遊び心たち、戦い合って、光る(第二部)
歌舞伎を観るのは、たくさんの部屋を巡り歩くよう。それぞれの部屋は、繋がっているけど、全然違う部屋(もちろん、平屋だ)。役者や物語、踊りや音楽といったたくさんの要素が、調和というより、同時に並ぶ。

めくるめく、無限に広がるバリエーションの部屋部屋を自由気ままに巡るのは楽しいけれど、迷ってしまうこともあるかもしれない。

第二部の演目は、新派舞台の歌舞伎化、二幕の人情もの『つばくろは帰る』と、先代勘三郎のための書き下ろしだった舞踊劇、『大江山酒呑童子』。

ネタバレBOX

例えば、2DKの家で、フローリングと和室の6畳間が並んでいる、よくある間取り。畳の部屋と、板張りとでは、身体のモードがかわる。ワンルームに慣れた目には、それぞれ、独立した部屋に見えるかもしれない。でも、襖を隔てて並んでいる部屋同士は、一つの家の中に、並んでいるのだ。

歌舞伎という家は、400年の歴史を持っていて、今も拡張を続ける、とんでもなく広いものだ。たくさんの部屋があって、その部屋の中に、さらに細かい部屋が並んでいる。いくつもの要素が、ブロック分けされていて、人々は、その中から、自分の好きなブロックを、楽しむ。これは、案外、今に合ったスタイルかもしれないとも思う。

僕は、特に、舞踊劇の部屋が好きだ。お能の影が見え隠れするそこでは、並んでいる、形式だとか、物語だとか、音楽だとか、もちろん役者だとかの諸要素たちが、舞踊が高まる一瞬に向けて、戦い合いながら、みなぎる空気を、通い合わせる瞬間をみることができる。

舞踊劇『大江山酒呑童子』の物語は単純明快。ご存知モンスターハンター源頼光さんが、仲間たちと一緒に、大江山に住む酒呑童子という鬼を退治に向かって、酒に酔わせてやっつけるという、それだけの話の中に、踊りの見せ場がたっぷりある。主役は、もちろん、中村勘三郎の酒呑童子だ。今回は、それに、串田和美の舞台美術が、戦う。

日本人の伝統的な視線は、「横」に広がる、平面世界。神様の視点である縦の視点だとか、遠近法の奥行きだとかは、ない。歌舞伎の舞台は、だから、横に長い特殊なもので、背景は、ぺったんこな書き割りが基本。

串田和美は、いきなりそこにチャレンジ。舞台の上に、もうひとつ、ちょっとした舞台のような台を用意。さらに、書き割りの代わりに、縦に長い、水墨画風の絵を三幅、並べる。これで、能舞台のようなちょっとした奥行きと、突き刺さるような、縦の視点(批評の目でもある)が導入される。

酒呑童子の衣装も、奇抜で、おしゃれ。オレンジに、若草色の重ねを合わせて、チェックの袴で登場。神通力を自慢して舞台上を飛び回ると、最後は人形が、背景の水墨画の中を飛び回る。遊び心がたっぷりの美術と、演出。

勘三郎の酒呑童子は、愛嬌たっぷり。遊び心溢れる舞を、時に激しく、時にゆったり、ユーモラスに踊る。酔っぱらって、「ふらふらと」してしまって、挙げ句やられてしまうのがかわいそうになる。

美術と、演者と、それぞれは、別々の部屋だ。それぞれが、それだけで、楽しい。でも、それが、舞踊の場面になると、丁々発止のやりとりを始めて、戦い合う。戸が開いて、風が通る。歌舞伎の伝統への戦いでもあるのだけれど、400年の積み重ねは、それを飲み込んでしまうだけのふところの深さを持っている。いつの間にか、きらきらした、明るさが滲んで、楽しんでいるのが、伝わる。

ばっさり斬られた酒呑童子は、舞台真ん中、小舞台の中央に、ばったりと倒れる。すると、ずずずっと小舞台が起き上がる。ざざざっと黒い砂が滝のように流れ落ちる中で、ハリツケのような格好の酒呑童子がにらみを効かせて、幕。客席が、どよめいた。最後の最後まで楽しい舞台。第三部ばかりが話題だけれど、こちらも、渋く、楽しめます(チケットが取れなかった負け惜しみではないですよ)。
星影のJr.

星影のJr.

庭劇団ペニノ

ザ・スズナリ(東京都)

2008/08/14 (木) ~ 2008/08/20 (水)公演終了

満足度★★★★

それにつけてもタニノクロウさんの描写力
構成がすごく良くできていて、見終わって感服しました。

枠組みがしっかりしていて、なおかつタニノクロウ氏の描写力が生きた作品だと思います

ネタバレBOX

継続したイメージのなかで、家庭が崩壊していく姿には息をのみました。暗示的なものが数多く使われていましたが、それらが子供の目からみた、正確な描写であることに気がついたとき、この作品の力というか底恐ろしさを感じました。

DECADANCE  - デカダン -

DECADANCE  - デカダン -

AND ENDLESS

こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)

2008/08/09 (土) ~ 2008/08/24 (日)公演終了

満足度★★★

長すぎる…
人間の集中力というのは2時間が限界で、どんなにすばらしい作品でも
2時間を超えると内容に集中できないどころか作品にイラつきを覚えるそう。
だから芝居の長さで一番良いのは1時間半から長くても2時間。
「もう少し観たい」と思える長さが客が満足する最適値らしい。
以前どこかの劇団の方がおっしゃっていましたが、その意味がよくわかりました。

ⅠⅡⅢ全てを観させて頂きましたが、全て3時間半超え(中10分の休憩あり)です。
終盤は腰が痛くて、ただひたすら「早く終われ」としか思えませんでした。
内容的にはすごく面白く、完成度も高かったのですごく残念。

ネタバレBOX

芝居、音楽、演出、脚本、どれをとってもすばらしいです。
今回も全て泣かせて頂きました。
ⅠⅡⅢを順番に観たのですが、Ⅲを観て全てのつながりがはっきりした今、今度は神父にしっかり注目してもう一度ⅠとⅡを見返したい。

いや、お尻痛いからやっぱいいや…(´∀`*)
阿片と拳銃

阿片と拳銃

劇団M.O.P.

紀伊國屋ホール(東京都)

2008/08/06 (水) ~ 2008/08/18 (月)公演終了

満足度★★★

懐かしさと切なさと
劇団公演は、初めてでした。
キャストさんの何人かは外部で拝見してましたが、
やっぱり劇団での公演は特別ですから。

ドラマチックが現実世界でも存在していたであろう
時代を軸に、時間を行きつ戻りつ辿る2人の男と、
一人の女。
更には彼らに関わった人達の人生模様。

物語が広がっていって、どう結末を迎えるのか?!
そんな想いを吹き飛ばすかの素敵なエンディングが
沁みました。
静かで味わい深く、しみじみ残る余韻。
それとは関係無く演奏しちゃうって!
(@@;(^m^)

個人的には、紀伊国屋ホールの上演も相乗効果だった
気がします。
懐かしさとか、熱気とか、パワーとか。
芝居を観る時に感じる興奮に、心地よく浸れた一時で
した。

ボクコネ

ボクコネ

タカハ劇団

駅前劇場(東京都)

2008/08/14 (木) ~ 2008/08/17 (日)公演終了

満足度★★★

前半がダレた…
前作「プール」がとても良かったので、初日に見てきました。
前作の舞台がかなり特殊だったので、それ以外にはどのような作品を作るのかすごく興味がありました。

前半の、このライトなコメディ感覚にまずついていけず…。
いい役者を使ってるんだけど、場内では他のお客さんは結構笑ってるんだけど、そんなに面白かったかなあ?
この前半がとにかくダレて駄目でした。
後半は良いのだけど、トータルとしてみると平均点かな。
初日で固いところもあったのかな?
次回作に期待します。

レストランSEVEN STARへようこそ

レストランSEVEN STARへようこそ

らちゃかん

萬劇場(東京都)

2008/08/14 (木) ~ 2008/08/17 (日)公演終了

満足度★★★

お正月娯楽のような
憎むべき人物もいなければ理不尽な事件もない、
起こるトラブルも明るく解決、ハッピーエンド。

お正月の娯楽作品にお薦めできそうな作品。
それだけにちょっとインパクト不足な印象も。

でも気軽に楽しめる作品でよかったです。
今日は楽日だったのかな?おつかれさまでした!

王たる者

王たる者

謎のモダン館

甘棠館show劇場(福岡県)

2008/08/16 (土) ~ 2008/08/17 (日)公演終了

満足度★★★★

まさしくお盆送り
死者があの世へ帰っていく。
お盆は死んだ人に思いをめぐらせ話をするひととき。
白濱さんの脚本ではピカいちの話だと思った。
ちょっと若い役者さんの怒鳴り声は気になったけど、
全体的に勢いがあるということで○
しかし・・・・田中がんさんにはやられた・・・

何者??????

ネタバレBOX

今パンフ読んだら、アンケートにあった
「好きなセリフは?」ってのにあたしが答えたやつと
がんさんが一番好きなセリフが同じやった!
すげーうれしいかも・・・・(^^;
笑顔の砦

笑顔の砦

庭劇団ペニノ

駅前劇場(東京都)

2007/02/22 (木) ~ 2007/03/04 (日)公演終了

満足度★★★

覚え書き
昨日ペニノ観に行ったんで覚え書き。

初ペニノのは「笑顔の砦」でした。
淡々と進む静かなストーリー。こういうの大好き。

思い出しましたが、ペニノは舞台に水道引くのが好き?

往くも還るも

往くも還るも

劇団太陽族

西鉄ホール(福岡県)

2008/08/16 (土) ~ 2008/08/17 (日)公演終了

まさに
福岡の役者2人のために作られた芝居だと思いました。よかったねぇ・・・。お二人とも期待にこたえる熱演でした。

ボクコネ

ボクコネ

タカハ劇団

駅前劇場(東京都)

2008/08/14 (木) ~ 2008/08/17 (日)公演終了

満足度★★★

荒唐無稽だけどある種のまとまりはあって。
絶対的な終末が見えてる中でどんな終末を生きるのか。見えてても一縷の望みにかける人々と、見えてるんだから穏やかに過ごしたい人と、見えないから楽しんでる人と。物理的に(環境的に?)終わるしかない作品だから望みを描く必要はないのね。うまいのではないでしょうか。

ウ-マン・イン・ブラック ~黒い服の女~

ウ-マン・イン・ブラック ~黒い服の女~

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2008/08/07 (木) ~ 2008/08/31 (日)公演終了

期待が高かっただけに
本当に後ろの方の席で見てしまったからかもしれませんが、期待が高かっただけに、2幕などはちょいと船を漕いでしまい…。お二人の芝居はめちゃくちゃ上手いけれど。

王たる者

王たる者

謎のモダン館

甘棠館show劇場(福岡県)

2008/08/16 (土) ~ 2008/08/17 (日)公演終了

満足度★★★★

終電が出た無人駅で
始発電車を待つ人々の織り成す人間模様が上手く演じられていたと思う。
そして、出演人物の係わり合いも含めて、展開も面白かった。

ネタバレBOX

生きていると思っていた人たちが、実は死んでいて、それぞれの人が
乗るべき最終電車が来るまでの物語にグイグイと引き込まれる。

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