最新の観てきた!クチコミ一覧

172361-172380件 / 189922件中
CASSIS

CASSIS

INUTOKUSHI

早稲田大学大隈講堂裏劇研アトリエ(東京都)

2009/05/21 (木) ~ 2009/05/27 (水)公演終了

満足度★★

エンクラ派の戯れ言です。
 守りに徹した、挑戦していない舞台、僕にはそうみえた。

ネタバレBOX

 いくつかの小さな物語が、同時並行的に入れ替わり立ち替わり演じられていくけれど、大きなテーマはみんなひとつ。「理想」が現実に負ける、不可能性のはなし。そして、それを、僕らはあらかじめ、知っている。だって、「犬と串」という劇団のテーマが、すでに「理想と現実のギャップ」となっているんだから。

 そうなると、はじめに、人間と動物たちが楽しく過ごす、楽園のようなケーキ屋さんが出てきて、そこに、人類愛みたいなものを説く女主人が出てきた時点で、「ああ、このケーキ屋さんが崩壊するはなしかな」と予想できてしまう。

 同時進行する、セックスの経験のない人間たちが、妖精化して雑誌をつくる編集部の話も、草食系男子のツヨシが、草食系の楽園をつくろうとするはなしも、みんな、崩壊という結末で結びつくのかな、とあたりがつけられてしまう。

 舞台が全て、「理想と現実のギャップ」をみせる、そのために進行して行く。キャラクターも情景も、そのための歯車みたいだ。たとえば、ケーキ屋さんの女主人の親友の女の子が出てくるけど、彼女は、ただ、女主人のことばを信用して、破滅する、それだけのために出てくる。彼女がどんな人なのかとか、そういうことは全然出てこない。

 この舞台は、テーマがはじめにある。そして、そのテーマのために、物語が用意される。そして、そこに必要な役割としてのキャラクターたちが、機械的に配置されていく。演出も、わりとオーソドックス(形式としての演劇を疑っていない感じ)。おそらく、それが、この劇団の基本的な姿勢なのだろうと思う。

 テーマが伝わらないことへの不安も、感じる。とても慎重に、繰り返し、テーマが説明される。過剰だと、感じる。舞台中央のカシスの池も、冒頭に「カシスは血の色」といわれてしまうので、血のメタファーだと分かってしまう。たくさんのファンタジー的世界を、わざわざ「現実」ではさむのも、周到だけど、あざとさがみえてしまう。

 結局舞台は、あらかじめ説明されているテーマ通りに、予定調和的に展開して行く。そうなると、部分部分を断片的に、コント集的に楽しむしかないのだけど、それも予定調和。結構はじけた舞台を演出しているけど、それも、はみださない程度。そこには、驚きや楽しさはない。いかに慎重に、はみ出さないようにするか、そこに注意が集中していて、それが、今を象徴しているようにも思った。

 1時間半観ることが出来たのは、俳優たちのおかげ。そこはゲキケン、きちんと訓練がされていて、魂のないキャラクターが、役者の個性で、それなりに生き生きしてみえる。テンポも、スピードも、全部かれらのカラダがあればこそ(脚本は、もっさりしていると思ったので)。ぜひ、彼らを、別の作品で観たいと思う。

 犬と串は、現在のゲキケン、唯ひとつのアンサンブルだ。たくさんの所属劇団をかかえるエンクラ(早稲田大学演劇倶楽部)とちがって、ここには、役者たちに選択肢がない。それが、さびしい。次も、彼らは、犬と串で、歯車をいきいきと演じるのだろうか。

無頼茫々

無頼茫々

風琴工房

ザ・スズナリ(東京都)

2009/05/10 (日) ~ 2009/05/18 (月)公演終了

満足度★★★★

リピートしました
一言で表現すれば「真っ直ぐで清々しい」。現在のスタイルの新聞の黎明期と言える大正時代の若きジャーナリストたちの気骨が、フニャフニャしているわが心(爆)にグサリグサリと突き刺さってくるような感覚。
人物紹介&物語の背景紹介的な青春群像劇風の前半から次第に言論の自由に対する圧力というテーマにシフトしてゆく流れが自然で、とっつき易いところから入って感情移入させてから本題に触れるのでついつい引き込まれるシカケになっているのが巧い。
ただ、主人公が熱血漢であるだけでなく、新聞についてシッカリ学んでもいて文武両道的なのでこりゃカナワン、な感アリ?(笑)
あ、ただの熱血漢でもあの発想や行動力にはカナワンか?(爆)

なお、16日にC列3番で再見。

チェリーボーイ・ゴッドガール

チェリーボーイ・ゴッドガール

ゴジゲン

OFF OFFシアター(東京都)

2009/05/02 (土) ~ 2009/05/10 (日)公演終了

満足度

唐突な結末は承服しかねる
奇しくも前回この小屋で観た某作品のように散らかったアパートの1室が舞台で、「とにかく童貞を卒業したい」と一心に願っているオトコたちの物語。
程度の差はあれ、共感するというか心当たりがあるというかで、そこそこ笑いながら見るも「楢やん」のオクテぶりは「明治時代かよ!」あるいは「小学生かよ!」で現実味に乏しく、そこ以降ちょいと醒めてしまい冗長に感じてしまう。
さらにあの結末は「生きろ!」あるいは「死んじゃだめだよ、生きてなくちゃだめだよ」派として承服しかねる。いや、そもそもアレは唐突では?
…ではあったものの、この日は終演後にイベントがあり、えっち話の「フルーツバスケット」で笑わせてもらい、後味の悪さを払拭して劇場を後にする。

おかしなふたり~千夜一夜物語~

おかしなふたり~千夜一夜物語~

スーパーグラップラー

シアターサンモール(東京都)

2009/05/07 (木) ~ 2009/05/10 (日)公演終了

満足度★★★★

概ね満足
アラジンが手にするハズだった魔法のランプを手に入れた主人公はランプの精の力によって元の世界に帰ろうとし、物語界が崩壊しないようにアラジンとその叔父「アフリカの魔法使い」は彼女を探し、夢の世界の秩序を守るチーム「獏」も彼女を探す「夢の世界」に、現実界の人々までがランプの精の力で召喚され…という構造が巧い。
また、「獏」の設定がよく練られていて、主人公と縁が深いことが明かされる1人についてはやや切ない結末を迎えるも、希望を残すその匙加減がまた巧い。
欲を言えば最後を歌で締めればより「歌劇」っぽかったのではないかという気もしつつ、全体がコメディタッチで楽しかったし、現実世界と夢の世界をクロスさせる見せ方も巧かったし、概ね満足。

愛のルーシー

愛のルーシー

北京蝶々

OFF OFFシアター(東京都)

2009/05/20 (水) ~ 2009/05/26 (火)公演終了

満足度★★★★

そんなに 「愛の理」でなくてもいいのに、
とは思いつつ、情報盛り沢山な大塩哲史による脚本を楽しむ。きちんと整理されているし、いろんな方向に転がる可能性を秘めていた物語には求心力もあって、好内容♪ まあ、個人的には、キャラに多面性があったり、もっと混乱させられてしまうぐらいのほうが趣味ではあるのだけど、観客動員とか考えるとたぶんそうしないほうがいいと思う(笑)。

ネタバレBOX

「あいのり」的には、実験施設生活者の中でもっとも魅力を感じた、イナカ(帯金ゆかり)とテイヘン(本井博之/コマツ企画)がカップルになって、ちょっと嬉しかったりも♪

あと、実験施設を監視するウエダ(石井由多加)がなにを考えながら視ているのか、なんてことを想像するのも楽しく。二列目観劇だったので、そっちばかり観てると、主舞台がおろそかになってしまうんだけど(笑)。
JUMON(反転)/便所の落書き屋さん【満員御礼で終了】『観て来た!』に全レス中!(ただいま1/3)

JUMON(反転)/便所の落書き屋さん【満員御礼で終了】『観て来た!』に全レス中!(ただいま1/3)

MU

ギャラリーLE DECO(東京都)

2009/05/26 (火) ~ 2009/05/31 (日)公演終了

満足度★★★★

愛は、思い込みと自分の居場所の欠乏から生まれる
良い短編を読んだ感じだ。読後感がいいというか。

あっと言う間の50分間×2なのだが、中身は結構濃い。
すっと進むけど、台詞がところどころ光る。
出演者も力まず熱演。話も面白いし笑いもいいタイミングで挟さまれる。

休憩10分を含む110分は全然長くない。
とにかく面白かった。
役者さんたちとの近さもいいし。

ネタバレBOX

〈JUMON〉
恋愛ってのは、思い込みとか妄想ではないだろうか。それの強さによって、自分も相手も束縛されてしまうのが恋愛。
そして、自分が必要とされることが一番うれしい。自分の居場所ができた感も恋愛には大切だ。

何かが欠けている(あるいは足りない)男たちが、教祖のような、あるいはマルチの首謀者と思われている女性の、JUMON〈呪文〉と思われている、単なる口癖「愛してる」に惑わされ、自分が必要とされていると勘違いをし、さらに自分の居場所を提供してくれることで、虜になっていく。

ただし、そこにいるのは常時5名だけというのは、JUMONが消えてしまった、つまり、単に冷めてしまうときがいつかやってくるからだろう。
しかし、「何かが足りない」男たちは、街にはいくらでもいるので、人数は一定なのだ。

何かが足りない、胸の奥の空虚感を持っているのは、実は男たちだけではなく、彼らを取り戻そうとする「被害者の会」の女性たちも同じだ。

自分だけにしか笑顔を見せないと信じている女、付き合ってもないのに、取り返しに来る女、自分の腹を痛めたとは思えない〈ですよね〉子を取り返そうとする母親。その「被害者の会」の女性たちにも「何かが欠けて」いるのだ。

ハーレムを「家族」呼ぶ男たち。みんなで撮った写真の笑顔に惹かれる登場人物たち全員。幸せの実感を、写真の中の姿でしか感じることができない人々。
そんな切ない光景が、恋愛のことだけではなく、多くの人が抱えている現実が、舞台では、決して声高にならず、ちょっとした笑いとともに、繰り広げられる。

ラストで一番無自覚な女が、1人辛い目に遭うのは、彼女だけが、お腹の中で大きくなる現実とともに生きているからだろうか。

お母さん役は、登場したときに「飛び道具」的臭いがしたのだが、そうではなく、しっくりはまっていたのには驚き。
そして「どこがメタファーなのかわからない!」の台詞には笑った。

〈便所の落書き屋さん〉
こちらも愛の物語、そしてこちらのほうが笑いの度数は高かった。高校生かよっという突っ込みとともに。

やはり、無自覚な女(女教師〉を取り合う兄弟の話なのだが、便所の落書き屋という設定が面白い。便所に住む男への「みんなネットカフェまでで踏みとどまっているのに」には笑った。本当は怖い設定なのだが。

やはり、恋愛の一方的ともいえる思い込み(外野から応援する女子高生も含み)と、居場所の問題がこちらでもクローズアップされていた。

コメディ的要素が多いのだが、ラスト近くの「混ぜたら危険」からの「なんでもありません」の引き際には戦慄した。

どうでもいいことだが、生徒たちが作る、あのヘンテコな段ボールの作品は、ギャラリーでもあるル・デコへの挑戦・・・ではないだろうとは思うけど、それを思い出し、なんか笑ってしまった。

で、結局、2つの作品とも無自覚で、男を結果的に振り回してしまう女は、同じ女優さんが演じているからだけでなく、ロングヘアーでフェミニンな格好、そして蛍光グリーンのヒールということもあって、同じタイプの女性像に見えた。

両作品ともに、この女性のみが悲惨なラストを迎えるのだが、ひょっとして、こういうタイプの女性に振り回された経験が作者にはあり、無意識のうちに舞台で罰を与えているのではないかと思ってしまった。

つまり、家族と呼ばれるハーレムにいた男たちも、女教師を取り合った兄弟もすべて作者の分身ではないのかと思ってしまったのだ。

もっとも、同時に彼らは、私〈たち〉でもあるのだけれど。
港町十三番地・立棺

港町十三番地・立棺

劇団芝居屋

ザ・ポケット(東京都)

2009/05/26 (火) ~ 2009/05/31 (日)公演終了

満足度★★★★

説得力のある芝居
役者のたたずまいが芝居に溶け込んでいて、安心して芝居の世界に入っていくことが出来ました。
物語が進むにつれて、幾松の生涯が本当にあった出来事のように感じられました。
特に、幾松役の方の熱演には脱帽です。
ただ、フライヤーやサイトのストーリー説明が、やや親切すぎのような気がします。
観る前に、ここまでストーリーを知ってしまったことが残念でした。
もう少し、観客の想像力に委ねてくれた方が、有難かったです。

僕たちの好きだった革命

僕たちの好きだった革命

サードステージ

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2009/05/19 (火) ~ 2009/05/31 (日)公演終了

満足度★★★★

再び鴻上尚史に逢う。
映像の使い方が流石。紗のように透けた布をスクリーン代わりに1969年の学園紛争の映像を流し、紗のむこうでは役者たちが同様の紛争を演じる。
二つが重なり合って臨場感が溢れ40年の時が重なる。素晴らしいです。

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX


拓明高校に復学した山崎(中村雅俊)は40年前の学園紛争の思想を現代の高校生にも説くが現代の冷めた高校生たちの目には異星人にしか映らない。しかし、そのうちの数人が山崎に感化され、同調していく。彼らと山崎の会話が噛みあわない状況が可笑しい。「むかつく」と吐き捨てる彼らに「胃が悪いのか?」と言ってさりげなく大正漢方胃腸薬をさしだす場面など。(苦笑!)
かつて山崎らと戦った40年前の紛争のリーダーが現高校の教頭だったりして、今度は現高校生の山崎と反勢力になりぶつかる。
シュプレヒコール!!と叫んだり舞台は中々熱いが中村雅俊が演じると元来の品の良さや持ち味なのか、毒々しさがなく、くどくない。かえってソレがいい。いったい彼の実年齢はいくつなのだろうか・・?60歳くらいだろうか?お歳になっても爽やかな笑顔にヤラレル!要するにカッコイイのだ。
当時の学園紛争は映像でしか知らないが、大学でなく一番感受性の強い時期の高校という設定が不思議だったが、当時は高校でも紛争があったらしい。
田島令子のヘリコプターメットに大笑いしコメディ感も色濃い。
かつて未来を信じ、時代に裏切られた当時の紛争者たち。真剣に「生きるテーマ」について語り合った彼ら。何かを信じて迷わない意思の強さを目の辺りにして、当時の若者のほうが生きてた実感が強かったのだと思う。今は生きてるけど死んでる人が多いような気がするのだ。
SURROUNDED ALWAYS

SURROUNDED ALWAYS

年年有魚

新宿眼科画廊(東京都)

2009/05/27 (水) ~ 2009/06/09 (火)公演終了

初めての...
年年有魚さんも新宿眼科画廊さんも初めてでした!かわいい所ですね。かつての日清パワーステーションがあったビルが近くに見えて、とっても懐かしかったです・・・
お芝居の方は役者さんも皆うまくて,お話にすっとのっていけました。
絵の先生と生徒さん、弟さん、すごく面白かったです!
ああいう旦那さん。いるでしょうね。
そして、あんな風に生きている女の人(奥さん)もいるでしょうね。
でも、なんだかあの夫婦はこれからも大丈夫なような,そんな気がします。
ありがとうございました。

―The Game of Love― ~恋のたわむれ~

―The Game of Love― ~恋のたわむれ~

キョードーファクトリー

西鉄ホール(福岡県)

2009/05/27 (水) ~ 2009/05/27 (水)公演終了

満足度★★★★

他劇場の編集を
失敗してしまいました。すみません。
これちょいと問題ですね。
主催も変えられないし・・・・・・・

まあ、観る人には主催がどことかあんまり気にならないのかもしれませんが。

福岡西鉄ホールであった公演、非常に楽しめました♪
普段だったらオケピはさんで遠くにいる役者さんが
すぐそこにいるんです!!!  こんなに笑ったミュージカルは
初めて!!!  また来て下さい。  岡さん

港町十三番地・立棺

港町十三番地・立棺

劇団芝居屋

ザ・ポケット(東京都)

2009/05/26 (火) ~ 2009/05/31 (日)公演終了

満足度★★★★

直球が決まっています!
観劇させて頂きました。この作品はあらすじからほぼ想像できる通りで、何も突拍子もない筋書きであるとか、特に目を引く斬新的な試みが用いられているわけではなく、ほぼ直球一本やりの作品でした!このような作品である場合は、観る者が話の内容に共感できるものがあるか、そしてそれ以上に役者さんたちの演技力がどれ程のものであるかが作品の出来を決めそうな気がしますが、今回自分が観劇させていただいた限りでは役者さんたちの演技力が光っていました!年配の役者さんたちの落ち着いた演技力とそれに相乗するかのごとく若い役者さんたちの演技が磨き上げられていたような気がしました。やはり、年配の役者さんがいる劇団は若い役者さんたちまで落ち着きを持った演技力を養われているような気がしてなりません!ただ、本作品はあらすじからも分かるように話の部分部分で先の展開が見え隠れしてしまうところがあり、その点で不満を感じられる方は物語が少し長く感じられるような気もしますし、逆に期待通りに話が進んでいくことが楽しく感じられる方には、役者さんたちの落ち着き払った演技力が心地良く感じてしまうでしょう!その辺が直球勝負の作品の難しいところのようにも思えます。今回の作品の星の評価は、自分の場合はやはり役者さんたちの演技力を一番に評価したいものがありますので、その点から最初に評価させていただきました!今回の作品は直球一本の作品でしたが、新しい試みを用いる作品や斬新的な発想を基にした作品が多い中、このような作品を久しぶりに観劇させていただくと、当たり前かもしれませんが役者さんの演技力こそ作品の最大の魅力にも感じてしまいます!年配者には居心地の良い作品でした!

雨の夏、三十人のジュリエットが還ってきた

雨の夏、三十人のジュリエットが還ってきた

Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2009/05/06 (水) ~ 2009/05/30 (土)公演終了

満足度★★★★

鳳蘭さんにホレボレ♪
さすがなストーリーの流れです。
ウエンツくんの女装は意外とガタイがよくて、、、
まぁ、それはさておき、鳳蘭さん!
すごく素敵でした。
ピシッとしたたたずまい、すべてを包んでしまうような包容力のある雰囲気にビックリです。
三田和代さんといい、キャスティングがばっちり合っているお芝居でした。

まじめな話

まじめな話

財団、江本純子

ギャラリーLE DECO(東京都)

2009/05/22 (金) ~ 2009/05/24 (日)公演終了

物語のループ感には惹かれるけれど
全編に漂う閉塞感を持ったチープさが、よきにつけ悪しきにけ観客を捉えていたと思います。

ネタバレBOX

物語はいくつかのシーンというか色に分かれていて、それぞれのエピソードがループしながら行ったり来たりする感じ・・・。

江本さんの演じる女性の準禁治産者にもなろうかというだらしなさと、町田さん演じる女性に潜む少女のようなプライドと衝動性・・・、それぞれにがっつりと観客を取り込んでくれる。二人の絶妙な会話が空気を染め舞台の密度をしたたかに変化させていきます。

2万円を作る皮算用の奇妙な説得力と高揚感、Barの情景描写の巧みさ。
でも、裸電球の街灯に照らされたなかで二人が語る素の世界での「行き場のなさ・・・」感が、結局は観ている側を支配していく。

二人の役者には熟練を感じ、見ていて飽きることはありませんでした。べたな言い方ですがうまいなぁと思う。

でも、なんなのでしょうね・・・。それぞれの場面での役者の技量が高いのに、やってくる閉塞感のどこかに作品を離れた薄っぺらさが感じられて・・・。そこまでを含めてこの作品の色なのかなともおもったりもするのですが、ちょっと微妙・・・。

それと本来余韻を感じる場所として観客に与えら得るべき行間のような時間が、うまく機能していないような気もしました。膨らむわけでもなくフリーズするわけでもない中途半端ななにかがすっと吹き抜けていくところが何箇所かあったような・・・。

あと、全然的外れなのかもしれませんが、この作品を観終わって、なにか昔観た「ゴドーを待ちながら」を思い出していました。
何故なのか自分でもよくわかりませんけれど・・・。






NOT BAD HOLIDAY

NOT BAD HOLIDAY

劇団競泳水着

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2009/05/19 (火) ~ 2009/05/26 (火)公演終了

満足度★★★★★

感動しました!
公演内容さながら、アフタートークにもひかれてかなりの回数を観てきました♪観る度に感じ方が違って、何度観ても楽しむことができました。今年は本公演が1回のみということですが、次回も楽しみにしてます♪

ネタバレBOX

何回も観て、やはり印象に残るのは堀越涼さん演じる米倉先生の表情・・!中2の時のことを語る時はかなり笑って最高でした♪あと橋本恵一郎さん演じる関先生・・ナイスキャラでした。
誰

掘出者

サンモールスタジオ(東京都)

2009/02/14 (土) ~ 2009/02/22 (日)公演終了

立場が、足元が、溶けるように崩れていく。
見事、としか言いようがない。
最初はどうなるのかな?と思って見てたけど、
「正常」とか「異常」とか「正しい」とか「間違い」とかが…
あれよあれよという間に立場が変わっていく変わっていく。
安全な所、正常な所など何処にもない。
「強い」「弱い」さえも、こんなにも解りやすく変わっていくなんて。
舌をまきました。

限りなく日常から遠く、でも気持ち悪いぐらい近い。
とても面白かった!

成れの果て

成れの果て

elePHANTMoon

サンモールスタジオ(東京都)

2009/05/21 (木) ~ 2009/05/26 (火)公演終了

「成れの果て」
※★をつけないことにしてます

「成れの果て」を、見させていただいた。

自分的にはNGな、際どい内容かと思いきや
人物の複雑な感情と欲望が、細かく細かく描かれていて
かなり完成度の高いお芝居なのではないかと 思った。

自分的に嫌な気持ちにならなかったのは、
主役の二人や 他の人物が、
平等に悪意をさらけ出したからだと思う。

役者さんたちもとっても上手で
あの「さらっ」とした演技が、リアルを引き出した。

興味深い話だった。

路地裏の優しい猫

路地裏の優しい猫

“STRAYDOG”

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2009/04/29 (水) ~ 2009/05/05 (火)公演終了

満足度★★★★

最大の収穫は相沢まき
今回の最大の収穫はアッシ役の相沢まき。初演、再演の植村結子と比べてしまったこともあってか、前年の宮地真緒の歌唱をイマイチと感じていただけに、彼女の意外にも(失礼!)見事な歌いっぷりは嬉しい誤算。
しかも演技も悪くなく、植村結子とは異なる新たなアッシ像を確立したのではあるまいか?これを機にちょくちょく舞台にも立ち、ドラマにも出ていただきたく。
また、一番の目当てであった岡本玲ももちろん良く、台詞が関西弁ということもあってか非常に活き活きしていたし、圧倒的にカワイイ!
ジムのトレーニングシーンにしてもラストの「かぼちゃの馬車」にしてもカーンコールにしても「featuring 岡本玲」みたいだったのもその証左?
 
とはいえ刷り込み効果もあるのか、まだ初演を上回ってはいないような…。特にジムでの集団トレーニングシーンなんて、初演の迫力にははるか及ばない、みたいな。

容疑者χの献身

容疑者χの献身

演劇集団キャラメルボックス

サンシャイン劇場(東京都)

2009/04/30 (木) ~ 2009/05/24 (日)公演終了

満足度★★★★

まったくボケない西川浩幸
「原作テキストをそのまま読む」手法や、何人かが複数のワキを演ずる配役、それに少なくはない場面の転換を可能ならしめた人力回り舞台などによって、長編小説である原作を舞台に上げたワザはさすが。
また、石神の「献身」ぶりと、そうするに至った原因もイイ。(これは原作の功績であり、映画でも同様だったのだが)
そして、たとえそのような理由であろうとも石神の犯した罪は許されるものではなく、むしろ極刑に処すべきだと思うが。
で、役が役だけにまったくボケない西川浩幸を久々(初めてではなかったと思う)に観たような。(笑)
あと、本作の原作は未読ながら、原点である短編集(=ドラマの原作)を(ドラマよりも先に)読んでいた身として、ドラマで「ワトソン役」が若手女性刑事(草薙の後任という設定にしたのは上手い)であることに慣れておりそもそも柴咲コウファンでもあるので映画のアレはアレでも良かったけれど、やはりこうして湯川と草薙の会話などを原作の設定通りで見せてくれると、こっちの方がシックリするなぁ、な感じが山盛り。

夜之音、月之香

夜之音、月之香

劇団パラノイア・エイジ

「劇」小劇場(東京都)

2009/04/29 (水) ~ 2009/05/06 (水)公演終了

満足度★★★★★

「春琴抄」後日譚
盲目→聾唖、三味線→絵筆、と一部設定を変えての「春琴抄」後日譚。佐助の献身的な愛を、いかにも昭和30年代前半な空気の中、市川箟監督の金田一シリーズを彷彿とさせる雰囲気も漂わせて描いて見事。

(以下詳述)
物語の狂言回しとなる編集部の面々の衣裳・メイクから、終戦から数年後というのが見てとれ、田舎の風景描写やあぜ道を疾走するトラックなんてシーンはもう目に浮かぶよう。
目的が読めない何やらアヤしげな人物がウロついたり、ヒロインには出生の秘密があったりという「謎」、行方がわからなくなった人物を探す「山狩り」シーン、ストーリーの中心的な人物が自ら命を断つ「悲劇」など、「あのシリーズ」を髣髴とさせる部分が複数。
その中心的な人物が命を断つのが満開の桜の下。1ヵ月ほど前に桜吹雪の中を歩きながら「逝く時はこういう季節がイイなぁ」などと思ったのでイタく共感。
本作では春琴の娘の父親は佐助ではなく利太郎(←この名前は出ず「春琴のパトロン」とだけ語られる)という設定で、佐助はそれを知った上で春琴を孕ませた咎を受けさらに娘もわが子として(というより春琴の忘れ形見として?)愛情を注いで育てるというのが、原作で描かれる「献身的な愛」に通ずるのではないかと。
また、ほぼ黒一色の何もない素に近い舞台に装置は時としてイーゼルや画材、あるいはちゃぶ台が登場する程度の最小限にとどめ、あとは役者の演技だけで見せる「想像力刺激演劇」なところや、クラシックのピアノ曲の印象的な使い方、それに原作を知っている観客への目くばせ、さらに一部の2役の演じ分けとキャラ設定など、あちこちでツボを突かれる。

僕たちの好きだった革命

僕たちの好きだった革命

サードステージ

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2009/05/19 (火) ~ 2009/05/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

鴻上演出、恐るべし!
すごく良いじゃないですか!
TVCMだけを観て『な~んだ、想像つくよね』って感じで、スルーするつもりだったんです。
でもスペシャルプライスのメールが来て、「どうせ池袋に用事があるし」な感じで観に行ったんです。
そしたら、ぜんぜん良いじゃないですか!
全ての年齢層で、何かを感じて、シッカリ楽しめます。
ありがとうございました。

このページのQRコードです。

拡大