
知新笑新・噺二題
イエロー・ドロップス
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2009/06/22 (月) ~ 2009/06/23 (火)公演終了
満足度★★★
吉村雄之輔氏の立居振舞
落語や古典をベースにした和のテイスト、ということで、前半は「花魁お染(=品川心中・前段)~だまし蕎麦や~幽霊の辻」の「吹き寄せ」(←音楽で言えばメドレー:約45分)。
「立体落語」とでも言うべきそのスタイルは2月に観た『噺劇と落語の会』の噺劇(しんげき)パートと近い趣向ながらアチラが落語寄りだったのに対してコチラは小劇場系芝居寄り。そのアレンジの違いから、噺劇で感じた「下げでスパンと終わる落語の潔さが失われた」という憾みはほとんど感じず。
中入(本編内容からいって「休憩」よりこっちでしょ?)後の「らくだ」は約50分かけてジックリと見せる。が、終盤はかつて読んだり聴いたりしたものとは異なっており、そんなところも落語だねぇ、みたいな。
で、これのイントロとコーダにあたる部分に登場した吉村雄之輔氏(だよね?)の立居振舞が、何とも色気や愛嬌のあるもので、「技術」ではなく「芸」というのはこういうモノなんだ、な印象を受ける。

ダーリンダーリン
colorchild
LIVE HOUSE GRAFFITI(東京都)
2009/06/20 (土) ~ 2009/06/21 (日)公演終了
満足度★★★
ライブハウスの特質を活かして
ストーリー自体は既視感があったり強引だったりするものの、実際のステージを公開録音(録画か?)会場に見立てたシーンがあったり、70年代末から80年代初頭あたりのアイドルポップスを歌って踊ったり、客に振ったりと、ライブハウスの特質を活かしているのが楽しい。
あと、またもや「心の中に入る」ネタがあり、ホントに今年はこれが多いこと。心を病んだ現代の象徴か?(笑)

タバコの煙とコーヒーの湯気
オムプロモーション
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2009/06/13 (土) ~ 2009/06/21 (日)公演終了
満足度★★★★
会話の巧みさは健在
ある喫茶店の閉店後、コーヒーを飲むことができるように自らを訓練(?)する女性従業員とマスターがその日訪れた客たちを話題にあげて…というオープニングに導かれる会話劇オムニバスで、06年4月のペテカンによる初演に新たなエピソードを附加した作品。
観ながら「そうそう、そうだった」というのが少なくて、記憶力がそんなに減退したかと思っていたら、後から新作の方が多いと耳にして一安心、みたいな。(爆)
で、初めて観たペテカン作品である『やわらかな君の髪をなでる』(04年12月)以来舌を巻きっ放しの会話の巧みさは健在。時には自然に、時には誇張されてコミカルに、ホント上手い。
なお、家族ネタに弱い身として「父と娘と」で娘の妊娠を知りさり気なく娘の煙草を隠す父と、「梅雨兄妹」で「母が死ぬワケがない」と力説する兄に涙腺を刺激される。

aoi labo 2(初日完売御礼)
ノアノオモチャバコ
ラ・グロット(東京都)
2009/07/03 (金) ~ 2009/07/05 (日)公演終了
初見でした
こんな狭い空間で公演できるんですね。感心しました。
初めてこの劇団を観たのですが、
女優さんが大昔の彼女に似ていて、
気になって気になってしょうがなかった。
当然あまり集中できなかった。
今回は番外公演ということで、いつもとは違うのでしょうか。
そしたら本公演はどうなんでしょう?とても気になります。

愛のルーシー
北京蝶々
OFF OFFシアター(東京都)
2009/05/20 (水) ~ 2009/05/26 (火)公演終了
満足度★★★
隔離空間のリアルを俳優の身体から感じたい
擬似地球“バイオスフィア2”にて自給自足生活を送る8人の男女と、彼らを外部から観察する研究者たち。OFF OFFシアターの舞台上にある柱を活用して、上手側に研究室、柱を挟んで中央および下手にバイオスフィア内部を対置させた具象美術でした。茂った木々に実る作物も丁寧に作りこまれた美術は見ごたえあり。文字映像で上手壁に居住者たちの日記を表示し、人物の背景を伝えていました。
スフィア内は農作物の収穫が少なく、海洋地区が汚染されて魚が取れないなどの食糧危機にあり、居住者は常に飢えていているはずなのですが、役者さんの演技は状態を説明する型どおりのもので、私には切迫感や恐怖、狂気、そして殺気などが感じられず。残念ながら、物語の起承転結が体を素通りしていくようでした。例えばシミュレーションゲーム「シムシティ」(古いですね)や冒険もののロール・プレイング・ゲーム等で、画面上の架空の街を攻略していくような手軽さに似てる気がしました。お好きな方もいらっしゃると思います。
敢えてリアリティを求めない演出だったのだとすれば、一観客の個人的でわがままな願いではありますが、隔離された空間でのサバイバル以上に、意外だったりわくわくするものが欲しかったですね。
北京蝶々の作品を観るのは初めてでした。作・演出の方は慎重に考えた末に題材や視点を選択されているようなので、また違った作品も観てみたいと思います。

ロボット
劇団三年物語
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2009/07/04 (土) ~ 2009/07/12 (日)公演終了
満足度★★★★★
引き込まれる物語
「ロボット」初演の時期はまだ三年物語を知らなかったので今回初めて観に行かせていただきました。
舞台セットがシンプルなのに設定が分かりやすく、観ていて非常に引き込まれました。
ストーリーに上手く人間関係が絡み、綺麗に伏線が回収されていく感じは三年物語らしさなのだと思います。
結末は希望を与えるものになっていますが切なさもあって、全体を通して笑いあり、涙ありの楽しめる作品になってます。
オススメです!12日まで公演してるので是非一回ご覧になってくださいませ。

玉ノ井家のエンゲル係数(公演終了しました!)
劇団ぎゃ。
ColaboCafe(東京都)
2009/05/23 (土) ~ 2009/05/24 (日)公演終了
満足度★★★
謎に引き込む女優2人の腕力
会場は地下の小さなカフェで、舞台は小さなダイニングと併設されたキッチン。実際に料理をして食べるシーンもあります。東京、大阪、福岡の3都市を2人芝居でまわるカフェ・ツアーなんて、いいアイデアだと思いました。
両親が死んでから7年間2人きりで生活してきた姉妹が、キューピー人形の姿をした“神様”に導かれて過去を回想していきます。登場人物は“美しい女(三坂恵美)と不細工な女(中村雪絵)”(←当日パンフレットではっきりと役名紹介。どちらが姉でどちらが妹かは明記なし)。片方が人間ではないかもしれないという意外な展開から、さらにそれをも覆す事実が現れます。
チラシの第一印象からきっとコメディなのだろうと思っていたら、全くそうではなく・・・これは残念でした。でも、予想外の出来事が次々に起こって、目の前の人物が誰なのかがわからなくなり、小さな食卓に漂う空気がドラスティックに変わっていく感覚は、とても演劇的で面白かったです。
女優さんも堂々とした演技を見せてくださいました。歌うシーンでは、お2人ともお腹からしっかり声が出ていてお上手でした。
チケットが飛行機の切符のデザインになっており、開演前におしぼりを手渡しでもらったり。これからフライトをする気分を素敵に演出してくださいました。

ロボット
劇団三年物語
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2009/07/04 (土) ~ 2009/07/12 (日)公演終了
満足度★★★
面白いけど・・・
「未来」「みさお」の聞き取りやすいセリフに対して、声量が足らずにセリフが聞き取りにくい役者がいたのは残念だった。
また、指令を出す場面では6人、みんなが早口すぎて何を喋っているのかほとんど聞き取れなかった。それとも座席によって音響効果が違ってのことなのだろうか?
ストーリーは面白かっただけに残念!

鉄棒ファン
宇宙レコード
笹塚ファクトリー(東京都)
2009/07/03 (金) ~ 2009/07/05 (日)公演終了

千年回廊 【ご来場ありがとうございました】
劇団アニマル王子
武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)
2009/07/02 (木) ~ 2009/07/07 (火)公演終了
満足度★★★★
何度見ても。
3回公演を拝見しました!
残すのはあと千秋楽のみ!千秋楽観劇前に。
原作をまったく知らずに見ましたが、毎度のことですがそんなのまーったく関係なく面白かったです!
衣装やメイクも相変わらず素敵!!!!
天守物語ベースのほうが好きかな?と思いつつ、でもやっぱり選べないと思いつつ。
本当に本当に素敵なステージでした!千秋楽楽しみです!

スメル
キリンバズウカ
インディペンデントシアターOji(東京都)
2009/07/04 (土) ~ 2009/07/12 (日)公演終了
満足度★★★★★
サイコー!
平日にも関わらず、満席。
ギリギリに行ったので、入れないかとドキドキしました。
初キリンバズウカでしたが、この芝居に出会えた事に感謝。
先日、カスガイのリビングを観た際、ちょっと気になっていたのですが、
行ってよかったです。
役者は少し力不足な感がありましたが、脚本が良いので
総合点は高くしました。名作です。
キリンバズウカ、今後も追っていきますよ!
公演が少ないのが残念ですが・・・

ロボット
劇団三年物語
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2009/07/04 (土) ~ 2009/07/12 (日)公演終了

GOOD MANNER?? BAD MANOR!?
ジーモ・コーヨ!
ザ・ポケット(東京都)
2009/07/01 (水) ~ 2009/07/05 (日)公演終了
満足度★★★
物語の構成がとってもいい
セットの衣装も雰囲気があり、楽しめた。
登場人物がそれぞれの、解決とまではいかないまでも、ちょっとだけ何かが少し変わってくるような感じもいい。
ただし、もう少し「シチュエーションコメディ」として笑えれば・・・。

ひばりの大事な布【満員御礼!ありがとうございました】
ろりえ
早稲田小劇場どらま館(東京都)
2009/07/01 (水) ~ 2009/07/06 (月)公演終了
全裸でわっしょい
チラシの通りを見たい人たちよってらっしゃいみてらっしゃい。舞台ではびっくりの仕掛けを用意して、いろいろ大変なことが起きているお芝居が終演を迎えてしまいました。
見てきた感想としては、前作のほうが正直よかった(笑)ろりえほどの荒くれ演劇も、ここまでくると女の子にフェラのマネをさせるとか、脱ぐとかそういうのばかりを目立たせていいのか。と思わなくはなくて、それは今回のお芝居が全体を通してものすごく冗漫な作りになってしまい、なんだかモタモタした会話、納豆。投げられるいろんなもの。そういうのがあまり有機的に連関していなくて、残念だなぁ、ダンスとかすごいのになぁ、とかいろいろ思うのです。

スメル
キリンバズウカ
インディペンデントシアターOji(東京都)
2009/07/04 (土) ~ 2009/07/12 (日)公演終了
満足度★★★★
「許し」
自分は十数回ほど小劇場のお芝居を拝見いたしました。
今まで拝見した役者の皆さんの多くが大変お若く、その若々しいエネルギーに、30代後半の自分は元気をいただいておりました(吸血鬼的にチューッと)
しかし今回「スメル」に出演されていた稲川実代子さんの人生スキルに裏打ちされたセリフには、ぐぐっと心を打たれてしまいました。
人は、許されて生きることで、許して生きていけるんだなぁと。
拝見できて幸せでした。
くれぐれも鼻血には気をつけます。

ロボット
劇団三年物語
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2009/07/04 (土) ~ 2009/07/12 (日)公演終了
満足度★★★★★
面白い、そして感動
初日、2日目と観てきましたが、物語を知ってても、2時間15分があっという間です。
初日は少しセリフの聞き取りにくい箇所が見受けられましたが、2日目にはよくなってました。
展開もスピーディで、殺陣も見事でした。笑いもあるし。
これからどうなるのだろうと思っていたところへのあのラスト、非常によかったです。感動させていただきました。
オススメの舞台です。

ロボット
劇団三年物語
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2009/07/04 (土) ~ 2009/07/12 (日)公演終了
満足度★★★
好きな作品だけに‥
初演とほぼ同じ設定でありながら、こんなにも違った舞台になってしまうのか。やっぱりスゴイ、テーマがスゴイ!テイストがスゴイ!出来ればこの世界観にどっぷり浸りたかったんだけど‥

お前は誰にも似ていない
MODE
ザムザ阿佐谷(東京都)
2009/07/06 (月) ~ 2009/07/12 (日)公演終了
満足度★★★★
舞台に惹き込まれる2時間でした
フランスの脚本家(おそらく日本ではそれほど知られていない?)の2人芝居。舞台に惹き込まれる、あっという間の2時間でした。

「ロメオとジュリエット」「令嬢ジュリー」
谷桃子バレエ団
新国立劇場 中劇場(東京都)
2009/07/04 (土) ~ 2009/07/05 (日)公演終了
満足度★★★★
文芸バレエ
バレエを見始めてまだ日は浅いのだけど、チケット代が安ければもっと見たいと思っている。文字通り、バレエは高値の花だ。
谷桃子バレエ団は今年が創立60周年だという。見るのはこれが4度目くらい。そのうちの2回は団員による創作バレエの発表会だった。BATIKの黒田育世が所属していたこともあり、古典だけでなく、創作ものにも熱心なカンパニーなのかなという印象がある。
今回はスウェーデンの女流振付家ブリギット・クルベリ(1908-1999)の作品を2本立てで上演。彼女の名前は今回初めて知ったが、スウェーデンではバレエ・カンパニーにその名前が冠せられているくらい有名な存在らしい。現在も振付家として活躍しているマッツ・エックが彼女の息子だったというのには驚いた。
上演された2本はどちらも有名な戯曲が原作。一つはシェイクスピアの「ロメオとジュリエット」、もう一つはストリンドベリの「令嬢ジュリー」。言葉そのものといっていい戯曲を、言葉をまったく使わないバレエに置き換えるのは、ある意味で乱暴な行為だと思うけれど、実際にはドラマ性がより濃厚なほうが、無言のダンス表現では観客に内容がよく伝わるようだ。
「ロメオとジュリエット」は芝居だと2時間以上はかかるはずだが、バレエ作品では約1時間に収まっている。舞台装置はまったく使わず、照明と衣装による色彩の変化だけで雰囲気を盛り上げている。対立するキャピュレットとモンタギューを青と赤で色分けし、そのなかでジュリエットだけは白い衣装を着ている。シェイクスピアの芝居を観客が知っていることを前提にしているとはいえ、鍵となる10の場面をダンスで演じることによって、「ロメオとジュリエット」の物語をわずか1時間で観客に伝えてしまうというのはすごいことだと思う。ソワレで主役の二人を演じたのは永橋あゆみと齊藤拓。ともに好演。
「令嬢ジュリー」はストリンドベリが1888年に発表した戯曲をクルベリが1950年にバレエ化したもの。上流階級の女性と使用人の関係を軸にしているところは「チャタレイ夫人の恋人」を連想させる。発表当時は大胆な内容がバレエ界では相当話題になったらしい。(スウェーデン映画がハードコアなポルノ映画の代名詞だったなんてことは、今の若い人には想像もつかないだろうなあ。)1本目の「ロメオとジュリエット」とは違い、こちらは舞台装置を場面ごとに転換させていく。しかし悲劇的な内容にもかかわらず、色彩が派手なのはどちらにも共通している。こちらの主役二人は髙部尚子と三木雄馬。こちらも良かった。
クルベリの振付は、音楽のリズムに合わせてマイムを演じるせいか、どことなく人形振りを感じさせるところがあった。バックのダンサーをストップモーションで静止させて背景化するのも特徴的だった。

ロボット
劇団三年物語
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2009/07/04 (土) ~ 2009/07/12 (日)公演終了
満足度★★★★★
涙あり!笑いあり。感動しました。
2時間という時間を感じさせないほどアップテンポでしたがめちゃめちゃ良かったです。
一度観た後にも、又違った発見が出来るのを楽しみに、今月もう一度行きます。
これは一度は見てみてください。
そして2度目には癖になるぅwwと思うくらい楽しかったです。
私は結構観ていてその物語に引き込まれやすいので、本当に泣けたし、笑えたし、楽しめました。
もちろん次回作も楽しみにしてます。