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青木さん家の奥さん

青木さん家の奥さん

青年団

こまばアゴラ劇場(東京都)

2009/09/11 (金) ~ 2009/09/27 (日)公演終了

満足度★★★★

粘り気少なめ、さらっと濃厚
この戯曲のスピリットをそのままに、
生きの良い役者が気持ちよく舞台を
務めておりました。

エンターティメント性もたっぷりで
肩の力を抜いて楽しむことができました。

ネタバレBOX

ものすごく昔に観たこの作品は
店員たちの悶々とした気持が
舞台全体のトーンを作っていたように思います。

それに比べて今回のバージョンは
遊び的な気持ちに舞台が満たされているように感じました。

女性が入ったことで華やかさが生まれた気がします。
男子校の色合いが共学校にかわったというか・・・。
役者がアカペラで歌えるのは強いなあとおもったり・・・。
キャンディーズあたりはまさに圧巻で・・・。

テンポがすごくよく、
なによりみていてすごく楽しい。
そのなかに淡いペーソスもちゃんと込められて・・・。
味付けも確か。

小難しいことなど考えずに
さらっと観るのに最高のお芝居かとおもいます。


*** *** ***
余談ですが
今でも、おまけのじゃがいもの芽をずっと取り続けるようなバージョンって
あるのでしょうかねぇ・・・。


コースト・オブ・ユートピア-ユートピアの岸へ

コースト・オブ・ユートピア-ユートピアの岸へ

Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2009/09/12 (土) ~ 2009/10/04 (日)公演終了

満足度★★★★

台詞覚えだけでも、表彰状物
さすがに通しで観る自信はなく、3日間通いました。
2部が一番面白かった!

1部は登場人物が多すぎて、誰が誰やら。台詞に名前が出る度に、配られた配役表で確認するのに忙しく、ようやく、全容が掴めたところで、幕。

3部は、エピソードの羅列に走りすぎた感あり。

2部は、登場人物も絞られ、各人の恋愛感情や友情や革命の志等が、一番細やかに濃密に描かれ、最もドラマチックな舞台でした。

カーテン越しのスタッフの舞台転換が鮮やか!スタッフにまで、演技力を要求する蜷川さんにもビックリですが、皆さん、その要求にちゃんとこたえていました。

押しなべて、男優陣と子役さん達、大健闘でしたが、中でも、ベリンスキー役の池内さんの好演には舌を巻きました。
いつの間に、こんな名優に成長されたのでしょう!  

とにかく、役者さん達、よくあのロシアのややこしい名前の羅列と、馴染み薄い革命論の長台詞を叩き込み、消化され、自分の言葉として、表現し切られたものだと、感心するばかり。敬意を表します。

極めて美しいお世辞

極めて美しいお世辞

箱庭円舞曲

OFF・OFFシアター(東京都)

2009/09/11 (金) ~ 2009/09/22 (火)公演終了

9月17日(木)M
後半のバトルは圧巻。この劇団らしい様式美。

『轟きの山脈』(公演写真を掲載中!「写真」をクリック◎→→次は6月中野ポケット☆★)

『轟きの山脈』(公演写真を掲載中!「写真」をクリック◎→→次は6月中野ポケット☆★)

舞台芸術集団 地下空港

劇場MOMO(東京都)

2009/09/11 (金) ~ 2009/09/20 (日)公演終了

満足度★★★

美しい舞台でした。が・・・
舞台装置や照明などはとても美しく、秀逸なシーンがいくつもありました。

しかし、シーン間の物語のスケール感などがうまくつながっていかず、作り手が意図したであろう物語のふくらみには至らなかったのではと・・・。

ネタバレBOX

いくつかの本当に美しいシーンがありました。
また、しっかりと密度を作り上げたシーンもありました。

たとえば審判の場面など、ぞくっとくるほどの力があって・・・。

しかしながら、それらのシーンに至る伏線がしっかり張れていないと言うか、必然に欠ける物語の流れが秀逸なシーンを支えきれていないように感じました。

ファンタジーの世界ですから、いろんな矛盾をつっこむのは野暮というものでしょうけれど、その世界を背負う主人公たちの想いを浮かび上がらせる裏づけが薄いのはちょっとつらい。

悠久の時間を背景に物語を見せるのですから、たとえば、主人公達の愛情にもっと細微な背景がないと、観ている方は物語の結末をを受け取るに十分なほどにのめりこんでゆけないかと。「二人は愛し合っていた」という「概念」やその姿はしっかりと作られているのですが、物語のスケールからするとそれだけでは弱い感じがするのです。

また、舞台に流れる時間を何億年という尺の中の「今」へと導くには、シーン間のつながりが脆弱であるようにも感じました。作り手の視野の大きさには魅力を感じるのですが、たとえばインナーチャイルドなどの舞台に見られるような観客の視座をぐぐっと引っ張り上げるような仕掛けの精緻さやダイナミズムが感じられず、料理番組でいうと、作り方を説明されて次のカットで完成品を見せられるような感じがして。

だから、音楽の使い方などにも、そこはかとなくあざとさを感じてしまうのだと思います。

役者達にはしっかりとした切れがありました。メリハリの利いたお芝居が随所にあって・・・。
また、幕や梯子の使い方などもとても秀逸だったと思います。
照明も、息を呑むほどに美しい部分が何箇所もありました。

でも、比喩や洒落としてではなく、「愛」と「人類の存亡」を天秤にかけた物語です。
さらなる密度を舞台に醸成するような仕組みがないと、この物語は作者が抱いたであろうとおりに観る側に膨らみきれないように思うのです。

PS:当日は特別ということで、momo椿のライブがありました。
アコーディオンの響き、すごく良い・・・。
端正な歌詞と
華やかさをもった2台のアコーディオンの音色の不思議な一体感。
聴き惚れてしまいました。
memory

memory

演劇ユニットand so on

ブディストホール(東京都)

2009/09/09 (水) ~ 2009/09/13 (日)公演終了

満足度★★★★

よく笑えて、しっかり泣ける。
memory、観て来ました。
雨にも関わらず、ほぼ満席でした。
このお芝居は既に別の劇団で公演されていて、それが原作となっています。
脚本は本公演用に書き直されたようです。

話は下宿屋の女将さんだった母親の葬式の日から始まります。
彼女の残した日記を軸に、過去と現在が行ったり来たりします。

蜂須賀さんの脚色・演出、よかったですよ。
たっぷり笑えて、しっかり泣かせ所があって。
現役バリバリの役者さんが脚色・演出すると、俳優さん達の特質(本性?)がよーく分かっているから、演者さんたちも凄く楽しそうです。

元々よく笑える舞台なのですが、女優の一木さん(老け役)が出てくると客席の笑い声が1トーン上がります。
凄いですね、流石って感じです。

西舘さんも、初舞台なはずなのに素敵でした。
蜂須賀さんがアテ書で脚色したのでしょうけれど、それにしても大したものです。

俳優の岸哲生さんが声を潰してました。
あと2ステあるのに大丈夫かなぁと思ってみてました。

カンパニーの皆さん、素敵な舞台をありがとうございました。
「and so on」、次もきっと観に行きます。

異邦人~エトランジェ~

異邦人~エトランジェ~

シンクロナイズ・プロデュース

ザ・ポケット(東京都)

2009/09/16 (水) ~ 2009/09/20 (日)公演終了

満足度★★★★

素敵でした!
■2009/09/16 19:30開演 2時間5分
■ザ・ポケット(中野)
■全席自由

ほぼ定時の開始でした。
原作は有名なアルベール・カミュの「異邦人」。
古典の部類だと思うのですが、どうアレンジされるのか楽しみにして観て来ました。

素敵でしたよ。
一言で言うと、「スタイリッシュな不条理劇」ですかね。
「笑い」は無いんですけど、『今の新劇』って感じでしょうか。

初日1ステ目でしたが、大きなミスもなく、カンパニーの一体感を感じました。
キャストで目を惹かれたのは、看護婦/モニカ役の松本早紀さん。
主役じゃないのですが、素敵でしたね。
看護婦役は顔を隠しているのですが、雰囲気があって、綺麗なだけじゃなくて「伸び代」を感じました。

異邦人の原作や舞台を読んだり観たりしている方には、お勧めです。

あと作品とは関係ないのですが、全席自由なのに会場係りの方に座席を強要されたのは、ちょっと頂けませんでしたね。

続きはネタバレBOXにて…。

ネタバレBOX

シンプルなセットを上手に使いまわして、緻密なライティングと相まって良かったです。
それと、「音」。
あんな演出だとは、想像していませんでした。
メインテーマが多用ぎみでしたけど、一つ一つの楽曲は素敵です。
面白いSEでしたし(観てのお楽しみ!)、難しそうな旋律を綺麗なコーラスで纏めていました。
「矛盾」や「不条理」を体現するような、コーラスでした。
色々な「仮面」に象徴される事柄も、よく伝わってきました。
異邦人~エトランジェ~

異邦人~エトランジェ~

シンクロナイズ・プロデュース

ザ・ポケット(東京都)

2009/09/16 (水) ~ 2009/09/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

高度な異質さ
ひじょうに素敵な作品でした。演出・照明・音楽、どれをとってもセンスがいい。舞台は無機質な、どちらかというと淡白なセットなのに照明で更に幾何学的なラインを作り出し、更に音楽で盛り上げるという視覚も聴覚も満たされた芝居。

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

いきなり白いマスクを被った妖しい輩が登場。彼らは口々になんやら他の惑星かr来たような濁音を発する。クチャクチャ・・・カツカツ・・・みたいな・・。異様な雰囲気で始まったその舞台に直に呑まれる。
やがてそれは後半の展開から陪審員だったことが解る。

ムルソーのママン死んだ。しかし彼は涙も見せず淡々と埋葬を済ませ、翌日には海へ行き彼女と遊び喜劇映画をみて、SEXをした。いつものように勤めに出て何も変わることはなかった。そして知人が付き合う情婦に手紙を代筆したことが原因で諍いになり情婦の兄をピストルで撃ち殺した。ムルソーが死刑判決を言い渡されるまでの物語。

ムルソーの持つ独特の倦怠感、相手のことを必要以上に詮索しないし、自分のことも必要以上に話すこともしない。そういうことに意味はない。と思っている無関心さの表現が実に上手い!彼女との情事でも単に一緒に居て息をしている関係のようなものだ。何も求めないし何も与えない。世の中というものに何も期待していないようだ。それでも精神を破綻させることもなく、淡々と日々を過ごすムルソー。いつもひどく怜悧な目をして落ち着きはらったその視線の先は何が見えてたのか・・・。
およそ何の感情も浮かべていない。その本質までは理解できないが、「生きることは死ぬことと同じだ。いつ死んでもいい。」と彼の叫びが聞こえてきそうだ。その暗さとクールさにぞっとしながらも、独特の世界観に惹かれた。

裁判中でもその姿勢は変わることなく、尋問にも今の気持ちを正直に話してしまう。それらに関心を抱く事もなく、いっさい無意味だと悟ってしまう。だから検事の尋問に「悔いるというよりもうんざりしている。」と言い放つ。
そして、それらの言動や証言から彼への評価は悪い方向へと水は流れ死刑判決がおりる。後半部分での司祭とムルソーの掛け合いが絶妙!

「ゆっくり行くと日射病になってしまう。けれど急ぎすぎると汗をかいて教会で寒気がしてしまう。」ママンがムルソーに教えた言葉がジンと沁みた。

ポップな音楽に乗せて美しく哀しいカミュの代表作をセンスのいい舞台に仕上げてた。雨の音もいい。みんな、いい仕事するなぁ・・・。






トブ

トブ

空気ノ機械ノ尾ッポ

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2008/10/23 (木) ~ 2008/10/26 (日)公演終了

満足度★★★★

ギャーオーー
舞台を大きく使って、激しく、タックさんの元気をもらいました。

『轟きの山脈』(公演写真を掲載中!「写真」をクリック◎→→次は6月中野ポケット☆★)

『轟きの山脈』(公演写真を掲載中!「写真」をクリック◎→→次は6月中野ポケット☆★)

舞台芸術集団 地下空港

劇場MOMO(東京都)

2009/09/11 (金) ~ 2009/09/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

  遠くて近い、途方も無く、けれど美しい
改めて、芝居の面白さを想いました。

地下空港は、劇場の規模に関わらずいつも、壮大な世界がある。 今回は今まででも最も大きくて、高かった。
 人間の孤独と言うもの、人間という 存在について、生きるということについて。どんなに醜くても、でもやはり人間は美しくて、そして 生きていかねば、と想いました。   
 
地下空港の途方も無い大きな世界観の中でそれでも、いつも伝わってくるものがあって、何度でも噛み締めて見たくなるような魅力があります。

 照明音響、衣裳 美術、全ての表現がこの舞台を支えていて、演劇という総合芸術の醍醐味を感じました。

戯曲のみでなく、美術的なところでも魅せられるというのは、とても強いと思います。

 今回はとてもファンタジー色が濃く、その色に初めは入り込めずにいましたが、すぐに 引き込まれました。照明音響さんの、空間の作り方がすごかったです。 また、役者さんが、主役だけでなく全ての役がたっていて、物語の深みを増していたと思います。人数がわりと多いのに、どれも強い個性があって、どのシーンも見応えがありました。
 
 今後も、どんな旅を劇場でさせてくれるのか、楽しみにしてます。

『轟きの山脈』(公演写真を掲載中!「写真」をクリック◎→→次は6月中野ポケット☆★)

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舞台芸術集団 地下空港

劇場MOMO(東京都)

2009/09/11 (金) ~ 2009/09/20 (日)公演終了

満足度★★★★

とにかく物語が面白い
山が舞台ということで、一体どんな物語になるのかと思っていたら、こんな話だったとは!
幹となる話の展開に目が離せない。どう収束していくのかが気になるのだ。
役者も熱演で見せる。どの登場人物もヒトクセありそうな感じもいいし、彼らの一体感も素晴らしい。

ネタバレBOX

中心を貫くのは「愛」。それも、種族というより、生物、無生物を超えた愛の物語。

愛し合う2人がたどり着く先、物語のラストが美しい。
カンブリアの化石だの鉱物だの全動物だのという登場人物(?)の登場よりも、一気に世界観が広がった気がする。
愛の深さだけではなく、広さまで感じさせるようなラストだった。
しかも、単に恋愛ものとして、愛や恋の話で全編が進むのではないところがなかなかうまいと思う。
最後に2人はどうなるのか? と思わせ、きちんと主軸となる物語を進めながらの、サブストーリーの盛りつけがうまいのだ。

そして、ところどころに細かい笑いが挟まる。かなりベタだったり、たんなるダジャレだったりしても、その挟み方がうまく、ギリギリの線で、ダメな感じにならないのもよい。

さらに、舞台装置はシンプルながら、それをうまく活用していた。
衣装の使い方もうまいと思った。

ただ、ラストに他のカンブリアの化石(母と娘)が人間になるというところは、ちょっとだけ蛇足な感じがしてしまったが。
赤紙 JAPプライド ご来場ありがとうございました。

赤紙 JAPプライド ご来場ありがとうございました。

獏天

SPACE107(東京都)

2009/09/15 (火) ~ 2009/09/20 (日)公演終了

満足度★★★★

力作!
戦争における悲惨さ、理不尽さなどが旨く描かれている。なかなかの力作だが、セリフを早口でがなるため非常に聞き取りにくい箇所が多数あり。とても残念だった(緊迫感は出ていたが・・・)。喧嘩のシーンは迫力満点で、演技的にも殴り合いを本当にしているかのような動き。きっと練習の成果と苦労が現れていたと思う。ぜひ戦争を知らない同世代(若者)には観て欲しい舞台だと思う。

『轟きの山脈』(公演写真を掲載中!「写真」をクリック◎→→次は6月中野ポケット☆★)

『轟きの山脈』(公演写真を掲載中!「写真」をクリック◎→→次は6月中野ポケット☆★)

舞台芸術集団 地下空港

劇場MOMO(東京都)

2009/09/11 (金) ~ 2009/09/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

鉱脈を掘り当てた
会場も、人数も、時間もコンパクト。しかし、コンパクトでありながらも内容に奥行きを感じさせるところがこの劇団の素晴らしさだと思う。長い時間練ると、あれもこれもくっつけて最終的に独りよがりの作品が出来上がってしまうケースが多いが、この劇団にはそれがない。
「鉱脈」という言葉は非常におもしろい言葉だと思った。鉱脈の先にあるのは石?手紙?石油?お金?愛情?憎悪?今回は、鉱脈の先に劇団地下空港がありました。

異邦人~エトランジェ~

異邦人~エトランジェ~

シンクロナイズ・プロデュース

ザ・ポケット(東京都)

2009/09/16 (水) ~ 2009/09/20 (日)公演終了

満足度★★★★

「異邦人」はどっち?
「太陽が眩しかったから」という台詞で有名なアルベール・カミュの「異邦人」を比較的忠実に台本化した本作。
何事にも受身で、自分自身のことにさえ、あまり関心を持たないがゆえに、死刑台へと送られることになる主人公を丹念に描く。
自分に常に正直に、偽りを一切認めない、神を否定する主人公と、神を信奉し、道徳的な主人公以外の人々のどちらが、「異邦人」=「部外者」=「非常識人」なのかを見るものに問いかける。
道徳観が薄れるとともに、他者に対する関心が低い現在の日本においては、「異邦人」はもちろん主人公以外の人々であろう。
原作がどの時代にも通用する名作であることを再確認するとともに、そのことを理解させてくれた緻密な演出に感謝したい。

※欧米の作品を原典におく作品を読む、また、見るにつけ、毎回思うことであるが、一般に宗教観が薄い日本人の受け止めは欧米人のそれとは異なるのではないか。それをどう脚本家・演出家は考えているのだろうか。という疑問を今回も抱いた。

神様はいない(公演終了・ありがとうございました・御感想お待ちしています)

神様はいない(公演終了・ありがとうございました・御感想お待ちしています)

MU

新宿シアターモリエール(東京都)

2009/09/10 (木) ~ 2009/09/13 (日)公演終了

満足度★★★

背筋がゾクゾクっと~
ザワつく感じで観ていました。ホラーじゃないんだけど登場人物の心の奥底に潜む神様(あるいは悪魔)に突き動かされる心情に恐怖を感じる。
でも、そう感じながらも楽しく観劇できました。

神様はいない(公演終了・ありがとうございました・御感想お待ちしています)

神様はいない(公演終了・ありがとうございました・御感想お待ちしています)

MU

新宿シアターモリエール(東京都)

2009/09/10 (木) ~ 2009/09/13 (日)公演終了

満足度★★★★

神様はいない。
 神様はいない。なぜなら神様はいるから。

ネタバレBOX

 神様はいない。なぜなら神様はいるからだ。

 この話はもちろん神様を否定している話ではない。

 神様はいる、だからこそいない。その一見すると矛盾している言葉が、そのままこの舞台なんじゃないかな、と思う。
 聖戦のつもりの銃の撃ち合いで、引き金を引く一瞬に神様はいないだろうし、同じようにアミンが二人を攻撃し、刺したとき、そこに神様はいなかった。だからこそ彼は「あの小説には意味があったのに!」と激昂する。
キリコの小説には『何か』があった。そこには『意味』があった。それは一種の神様だ。その感想、感情こそが『神様』だ。例えば本を読んだり、舞台を観たり、景色を眺めたり、街を歩いている一瞬で、ふと澄み切った感情が自分を襲うことがある。その純粋で言葉にできない気持ちが『神様』に一番近いものなんじゃないかと思う。
 彼はそこに無意識ながら確かに神様を感じたのに、彼がその神様のために二人に攻撃の引き金を引いた瞬間、何もなくなっている。それは神様のためでなく、ましてやキリコのためでもなく、感情の爆発でしかない。

 アミンは話の中で感情によるテロと信仰によるテロを明確に区別している。
 「これはただの復讐です。アルカイダのやつらとは違う。」
 彼にとってそこには明確な差がある。キリコにはなんとなくそれが納得できない。彼女はその欺瞞に気がついているからだ。復讐と宗教テロを区別するアミンの嘘に気がついているのだ。
 彼女もまた、脚の障害を卑下することなく生き、トラウマを見せないことで、自分に嘘をついている。
 そして最後の最後、彼女はその嘘に自覚的になり、雨がつくる密室の中、神託のようにそれを言い放つ。
「雨は雨、血は血だよ。それ以外の意味なんてない。」
 それはアミンに対してのものでもあるし、信一と信二に対してのものでもあるし、そして自分に対してのものでもある。
「破壊は破壊、殺人は殺人だよ、それ以外の意味なんてない。」
 ラストシーンは僕にはそうきこえた。
 それは聞こえのいいヒューマニズムによるものや反戦の意思から来る言葉では決して無い。もっとえげつなく、もっと深く人間の欺瞞をえぐるための言葉だ。
 いくら理由をこじつけようと、そんなもの意味がない。愛や権利や正しさや利益や道徳で理由をつけてみても、何の意味もない。雨は雨だし、血は血なのだ。アミンがキリコのために人を傷つけても、それはただの感情の爆発だ。信一がいくら自由の会に心酔しても、自由の会はカルトでしかない。
 そしてキリコがいくら逃れようとしても、傷は傷でしかない。
 「母親に刺された傷を聖痕だとでも思っているんですか?」
 日下部の言葉にキリコは何も言えない。
 傷は傷だという事実から目を背けていた自分。
 母がつけた傷とその障害から何かを感じ取ろうとしていた自分。
 それらを眼前に突きつけられ、彼女は否定できない。
 彼女が後生大事に抱えていたお守り、彼女が神格化していた作家(そして宗教家)、それらに寄る辺を求めることで、意味を求めることで、彼女は自身の傷に自覚的になることを避けていたということに気がつくのだ。
 そしてその欺瞞を剥がされたとき、自分に残るのは、宗教狂いの実の母親に傷つけられたというあまりにも救いの無い事実だけなのだ。
 
 あまりにも救いが無い。だからこそ人は救いを求めるのだろう。
 そこに救済してくれる大きなものがあるのだから、そこへと向かう。僕は宗教に詳しくないので浅薄な考えでしかないが、それこそが宗教なのではないか。
 しかしそれは逃避でしかない。逃避は逃避でしかない。雨が雨でしかないように。
 それは信仰ではなく。そこに神様はいない。
 観客は、あまりにも生々しく認めたくないことを、まざまざと見せ付けられる。
 神様はいない。
 神様はいる。どこかに確かにいる。だからこそ、ここにはいないのだと言うことが出来る。
 お前らの信じてるようなもんは神様じゃねえよ、といって戦争を始めるのではなく、お前らの戦争に神様なんかいねえよ、と言い放つ。
 MUは神様を否定したかったのではない。神様を信じる人間を否定したかったのかもしれない。

 ここまで尖った、ドライにも感じられる作品でありながら、この舞台にはどこか温かさを感じてしまった。
 それは観客にとっての救いなのかもしれない。
 キリコは柔らかく美しく、それでいて激しく怒りをぶつけ、君津はコミカルに、そしてひ弱にキリコを愛する。アミンはたどたどしくも真摯に生きようとしていて、信二はただ純粋に家族を想っている。
 舞台の上で進められていく話は明らかに救いが無く、暗部へ暗部へと転がっていく。しかしそうなればなるほど、登場人物たちの性格や仕草が愛おしくなっていくのもまた確かなのだ。
 彼らが闇へと転がっていく怖さ、悲しさ。
 しかしどこか一枚、暖かい毛布がかけられているかの様に、変な安心感が舞台上には流れている。
 それは下町の蕎麦屋という設定のせいでもあるし、家族とそれを取り巻く人々のキャラクターのおかげでもある。
 おそらくこの話を別の出演者でやってしまっていたら、もっと救いの無い、暗い気持ちになる舞台が出来上がったと思う。
 しかし最後のシーンですら、そこは雨に包まれ、周囲から守られた聖域のようであり、キリコの言葉は雲の隙間から光が指すような、厳かなものに感じられてしまった。
 もしかしたら、そういう意味では、その出演者と話の組み合わせの妙に、神様はいたのかもしれない。

 80分という短さのせいで、登場人物たちに感情移入できないというのは確かにあると思う。けれどこれを長くやるなら全く違う話になっているだろうし、このオチにもならないと思う。一歩間違えれば重いだけの駄作にもなると思うし。
 あくまで今回この長さで、この流れで、この出演者で、というのが大きい、言ってしまえば偶然出来上がったような舞台なのかもしれない。
 発表する時期にしても、他の情報に邪魔をされない、いい時期の話なのではないのかな、と思った。個人的にこれはある事件の絡んで、というよりもっと普遍的なことを描いている気がするからだ。
悪趣味

悪趣味

柿喰う客

シアタートラム(東京都)

2009/09/04 (金) ~ 2009/09/13 (日)公演終了

満足度★★★

悪趣味だけどそうでもない?
柿喰う客、初見。
すごい苦手と思って、食わず嫌いしてました。

超B級アダルト×オカルト×サスペンス か。
正直もう内容が思い出せなーい。
てんこ盛りが、うまく盛られず、みっともなく崩れている。
「あ、こんなに盛ったのに…。食べれるのはこれだけか。」みたいな。
そういうのは私はあり。

そして悪趣味ではさほどない。
もっときわどい様を勝手に想像したからですね、たぶん。

「極み唄」

「極み唄」

LIVES(ライヴズ)

タイニイアリス(東京都)

2009/09/15 (火) ~ 2009/09/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

極み唄
堪能させていただきました。
やっぱり一本物とはまた違った面白さがありました。
タイニイアリスという箱の大きさにあったお芝居 だったと思います(^-^)

もう一回観に行ってみようかしら。

ハッピーエンドクラッシャー

ハッピーエンドクラッシャー

ゴジゲン

シアターブラッツ(東京都)

2009/09/09 (水) ~ 2009/09/15 (火)公演終了

満足度★★★

いつもと違う
ゴジゲンの芝居はモンチャン以降から観させていただいてるのですが、いつものゴジゲンとは違う雰囲気の芝居だったと思います。
「全てをぶっ壊す」と言っていたくらいなので、どうなるのか構えていたのですが、想像していたのとはだいぶ違い、ぶっ壊されたと言えばぶっ壊されたかも。

この公演で初めてゴジゲンの芝居を観たという方がいらっしゃったら、是非他の公演のものも観てほしいです。
根っこにあるものは同じだと思うのですが、今回のこの表現は側面に過ぎないので、違う側面も観てほしいです。

ネタバレBOX

今回の笑いはほとんどしずちゃんに持ってかれたと思います。
ホントに彼女は最高でしたが、ゴジゲンで多用してほしくないと思いました。
彼女ありきの笑いになってしまいそうで怖いので。

吉川さんの「しっかり捕まえてないと飛んでっちゃうぞ。」「たんぽぽなんだぞ。」のくだりは大好きです(笑)
悪趣味

悪趣味

柿喰う客

シアタートラム(東京都)

2009/09/04 (金) ~ 2009/09/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

初柿喰う客。超B級アダルトXオカルトXサスペンス!!勢い、悪ノリ、ギャグ、コント、アドリブ、てんこ盛り!
初めて見る劇団「柿喰う客」です。
Jホラー好きとして、今回の「悪趣味」の
チラシの「怖さ」不気味さに惹かれての鑑賞。

まず舞台上は、村はずれのさびれた神社の鳥居、
井戸、などいかにも怖い。
そしてお客入れ時のBGMも、悲鳴、足音、赤ん坊の
泣き声などおどろおどろしい効果音で開演前から
雰囲気満点。
開演前のアナウンスも電波が乱れて途切れるという
念の入れよう。
チラシのイメージもあって結構普通の芝居か?
と思いきや…。

始まると、役者はみなハイテンションで客席に
向かって叫ぶ、キャラクターの演技も衣装も
デフォルメされている、ギャグや下ネタも時々交えて。

そして、休憩なしと言いながら、突然前編の終了、
数秒の休憩時間、再開するとミニコントコーナー…
なるほどこういう劇団だったか!
ある意味私の「小劇団」のイメージです。

村の狐伝説を調べにきた学者と女子大生、
男優が女装した自殺願望OL、
ナタをふりまわす女子高生、時々発作を起こす
不気味な母親と家族たち、
ゾンビの村長、「車椅子のコスプレ」の長老老婆、
ジェイソン風、メガネのメイド、ゲイの家庭教師、
飼い犬、河童…出演俳優は26人。
ホラー的なあらゆる要素をぶち込んだごった煮状態は、
多少ありがちな遊びが目立たなくもないですが…。

私のツボは、片桐はづき嬢。
ぼたん丸が実にキュート。
あの棒演技と、せりふとびリピートに大受けでした。

演劇集団キャラメルボックスの渡邊安理さんの客演にびっくり。
普段と違う面を楽しみました。

最後に代表の挨拶、
「ひたすら自分たちの好きなことだけをやるので、
好きなお客さんは観に来てください」という
言葉には納得。
スタンスがはっきりしていて気持ちいい。(^^)

シリアスなホラー劇も観たくなりました。
思いっきり怖いやつ。

「柿喰う客」の次回公演も観たくなりました。

極めて美しいお世辞

極めて美しいお世辞

箱庭円舞曲

OFF・OFFシアター(東京都)

2009/09/11 (金) ~ 2009/09/22 (火)公演終了

満足度★★★★

実直で見応えがある
美容業界の内側を知っているわけではないのですが
その業界の
「美」を作るというアーティストとしての側面と
ビジネスとしての泥臭さの両方が
丁寧に描かれていて
非常に興味深く観ることができました。

ネタバレBOX

個々の人物描写がすごくしっかりしていて
キャラクターの性格だけではなく
仕事のスタンスまでが次第にあからさまになっていきます。

それがすごく説得力をもっていて・・・。

仕事の仕組みを作る人とその中で動く人、
マネージメントとライン双方の思いが交差する
終盤に常ならぬほどの説得力を感じました。
プロダクトアウトということが
現実にはどういうことかを肌で感じることができて
感心してしまったり・・・。
(会社の若手社員研修にもつかえそうなほどの説得力)

一方で仕事の部分がきちんと見えるからこその
人間としての質感も
より実感をもって伝わってきます。
ひとりよがりからやってくる
嫉妬やあせり、いらだちを綺麗に整った笑顔とお世辞で隠す
「いとすさまじ」な感じが
なにげに常態化しているあたりが
観る側を釘付けにして・・・。

役者達がそれぞれのキャラクターを
ガッツリと背負って・・・。
そこから溢れる個性がすごくおもしろい。
笑えるというより興味をさそう面白さをかもし出していて。

古川氏脚本の切り口のするどさと、
役者の力みのなく深い表現がうまくかみ合って
実直で見応えのある作品に仕上がっていたと思います。

そうそう、私が観た回は、終幕前の津留崎さんが
見事に剣玉を成功させていらっしゃいました。
そこから、
さらに作品のニュアンスが広がったようにも思えて・・・。
すごっ!っと思うと同時に、
なにかとてもラッキーな気分になりました。

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