最新の観てきた!クチコミ一覧

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milk

milk

高襟〜HAIKARA〜

d-倉庫(東京都)

2009/09/29 (火) ~ 2009/09/30 (水)公演終了

満足度★★★★

モウ!
ハイカラが生れ落ちて、右足首に赤い紐を結ぶシーンが印象的。血の絆みたいな。光と影の中での深見さんのダンスは圧巻。

ネタバレBOX

頂いたチョコを食べながら公演を思いつつ帰りました。
私は「岩佐もっしゅ」さんでした。

チケプレありがとうございました。
世田谷カフカ 

世田谷カフカ 

ナイロン100℃

本多劇場(東京都)

2009/09/28 (月) ~ 2009/10/12 (月)公演終了

満足度★★★★

話の内容はおいといて
カフカって劇中の言葉通り「虫になるやつ」しか知らないけど
なかなか独特の世界観を持った方で薄幸な人生ということは理解。

「シャープさんフラットさん」「神様とその他の変種」を観て、
今回あまりに異なる演出に驚きながらも、演出家としてキャパシティの
広さにむしろ感動してしまいました。

ストーリーはカフカの三編の小説と、それになぞった現在を交差させ
余計に判りにくくなって(笑)いるんだけど、これはこれでおもしろい。
美術・映像・会場まど、ありとあらゆる手法を取りこんでしまうところ、
若い劇団がやると、狙いすぎて観客が一歩退いてしまいそうなだけど
さすがここはベテランの仕事を見せてもらったような気がしました。

これは「ストーリーが~」とか感想を理屈で述べる作品ではなくって
からっぽになるまで発信する劇団と観客が生み出す「空気」を楽しむ
そんな作品ととらえて観るといいかも。観れて良かったです。

しかし、冒頭の村岡希美さんが超重要な役所ですね。
ここで観客の反応と印象を上手にまとめておかないと、後半が活きて
こない。演技もさることながら、度胸にも感服しました。

BUG 【美保純が降板⇒代役は西山水木】

BUG 【美保純が降板⇒代役は西山水木】

燐光群

ザ・スズナリ(東京都)

2009/09/18 (金) ~ 2009/09/30 (水)公演終了

満足度★★★★

観たという満足感!
観ている私も、アグネスの様にピーターの狂気に引きずり込まれる恐怖を感じた。終わり方も好きですね。私も一瞬、この世から消えた気になった。

home【作・演出 田村孝裕】

home【作・演出 田村孝裕】

三田村組

ザ・ポケット(東京都)

2009/10/01 (木) ~ 2009/10/11 (日)公演終了

満足度★★★

少し歪んだ家族劇
まず、会場の高齢っぷりにとまどい、三田村組の客層を感じる。
そこで始まるドラマが、老人ホームを舞台にした物語。

仕方なくホームへ来た者、自らの意志で来た者、夫婦で来た者、
それぞれ事情は異なれど、疾病や痴呆など、襲う現実。
そんなことが背景に、独りの老人を中心に話が進みますが
舞台の雰囲気はあっけらかんとコメディ寄りな作り。

まわりのご高齢お客さん、ケタケタ笑ってたけど、むしろこっちが
触れてはいけないところなのではないかとヒヤヒヤしてました。
まあ、主宰の方が選んだ脚本なので、楽しめばいいんでしょうが。
「ピンクレディー」には笑っちゃったな(ぼくだけウケてた‥)

ラストは賛否両論分かれそう。
もっとどっちつかずの収め方にしてもよかったかも。

白雪姫と七人のム・フ・フ・・・

白雪姫と七人のム・フ・フ・・・

SPPTテエイパーズハウス

あうるすぽっと(東京都)

2009/09/25 (金) ~ 2009/09/27 (日)公演終了

満足度★★

最初と、最後の
ダンスシーンは圧巻!見応えあり。ドラマになると、あうるは広すぎかなあ~。なんかスカスカした感じ。ベタだけど安心して観られる。

ネタバレBOX

生演奏いいですね。開場と同時に入って良かった。
朝焼けのパレード

朝焼けのパレード

ハチビットプラネット

参宮橋TRANCE MISSION(東京都)

2009/10/02 (金) ~ 2009/10/04 (日)公演終了

満足度★★★

生見さん圧倒的
魅力ですな。

「ここで光ってみる」 「飛ぶ布団」 「愛愛愛愛愛愛愛っ」

「ここで光ってみる」 「飛ぶ布団」 「愛愛愛愛愛愛愛っ」

ロロ

スタジオ・ガンボ(東京都)

2009/10/03 (土) ~ 2009/10/03 (土)公演終了

満足度★★★★

ロロ色。
実際は55分近くになった三本立て。

ネタバレBOX

一本目から二本目へと流れる展開がもう自由過ぎて可笑しい。
どれもロロらしいキュートさはあり、中でも三本目の「愛愛愛愛愛愛愛っ」は今までの公演の中でこの箇所もっと長くやって欲しいなと感じていたシーンを一本にしていた。(「○○ちゃんのことが好きですっ」というモジモジ加減)なので非常に満足。三浦さんもやりたかったんだと思う。

昨日のことは覚えていないから、10年間毎日毎日、渾身の力で勇気を振り絞ってウルシちゃんに「好きですっ」ていうコク役の三浦さんが最大限の愛を発していたのが凄く良かった。
フラれたことを忘れないように紙に「ウルシにフラれた」って書いて胸に貼るシーンなんか涙が出ますよ。なんだろうロロっていつも泣きたくなる。
篠崎大悟さん、森本華さん、三浦直之さんだけでの企画ですが、あのちいちゃい会場でもしっかりロロ。説明しにくい良さ。
て

ハイバイ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2009/09/25 (金) ~ 2009/10/12 (月)公演終了

満足度★★★★★

なぜこんなに伝わってくるのだろう
どこか軽妙な感じにつられて
最初は漫然と見ていたのですが、
たちまち舞台上の時間や
登場人物の想いに引き入れられて・・・。

しかも、一通りの物語にさらなる奥までがしっかりと用意されていて・・・。

声を立てるほどに笑ってしまっているのに
同じ時間に
どんどん心がキャラクターの想いに
満たされていく・・・。

凄い。

ネタバレBOX

東京芸術劇場の小ホールに
対面形式の舞台が設えられて、
とある家族の
祖母の死の直前から
葬儀に至る風景が描かれていきます。

彼女の最期の時間と葬儀の風景が、
2つの視点で繰り返して演じられていくのですが、
その効果にやられました。
アクリル板に描かれた二つの絵が繊細に重なって
平板だったものがたちまち立体感をもってやってくるような。

父母の個性の豊かさや
その育て方に確実に影響を受けた
子供たちのあけすけな想い。
泥を落としていない野菜の瑞々しさのようなものが
観客が身構える暇もなくどんどんと入ってきます。

意地を張りあったり、ためらったり
押し付けたり・・・。
地層のように積もった思いが露出していく中で
ひとりずつの
ナチュラルで不器用で、でもそれぞれに真摯さをもった個性に、
見る側の心が共振していく。
その行き場のなさ加減が
なんというか愛しむような実感とともに
観る側に満ちていきます。

家族の喧騒のなかでの
祖母の死の静寂なさりげなさにも
心を打たれました。
その透明感が
物語の裾野のように広がって
生きてのこる家族たちの姿を
一層鮮やかに浮かび上がらせて・・。
祖母の不自由な手を
棺の内に収める葬儀屋さんの
とまどいのおかしさが
素の色を与えるように
生々しい死の現実を呼び起こします。

繰り返し側の時間のなかで、
教会に棺桶を運ぶ場面。
泣きつづける長男の想いに
観る側もたまらないほど心を染められて・・・。

ちょっとした縁で入り込んできた
キリスト教会の価値観に
家族丸ごとはめられる時の滑稽さ・・・。
朗々とした牧師の讃美歌と
家族の戸惑いが積もって
どうしようもなくはじける姿に
抱えきれないほどのおかしさがこみあげてきて
そのあとに深く逃げ場のないペーソスが
不思議な突き抜け感とともにやってきて。

終演後しばらく呆然としておりました。
世田谷カフカ 

世田谷カフカ 

ナイロン100℃

本多劇場(東京都)

2009/09/28 (月) ~ 2009/10/12 (月)公演終了

満足度★★★★

凄い舞台だった
凄い舞台だった。
だが、「おもしろかった?」と聞かれると、「うーん」
少なくとも、舞台あんま見たことない人には絶対にすすめない。

今まで観た何本かのケラさんの舞台とだいぶ違う。
(チラシとかにもそう書いてはあったが)
はっきりとしたストーリーはない。
フランツ・カフカっていう人(よく知らない「変身」が有名?)の
未完の小説3つ「審判」「城」「失踪者」がごちゃごちゃに入り混じって、
正直よー分からん!
観終わったあとも、なにも残らない。

でも、そのわからん話を3時間超(休憩15分含む)!
集中力途切れさせず、見せられるのはさすがケラさん!!
もちろん、笑えるシーンはたくさんある。

行くなら、前の方(E列以降)のセンターブロックがいいかも。
映像使うし、あと一人の役者の人が何役もやるから顔がはっきり見えたほうがいい。

マクベス

マクベス

子供のためのシェイクスピアカンパニー

さいたま市地域中核施設プラザノース(埼玉県)

2009/09/19 (土) ~ 2009/09/19 (土)公演終了

満足度★★★★

こういうシェイクスピアなら、また観にいきたい
本日全国ツアーの千秋楽、場所の関係上席が埋まっているのは6割程度で
ちと寂しい。子ども全体の2割くらい?アフタートークもあり。

シェイクスピアは難しい。
1つ1つのセリフが長くて、なかなかついけず意外と楽しめないのが実際のところ。
で、今回。
シェイクスピアの長いセリフも出来るだけカットし、
要所要所に入る手拍子でスピーディーにうまく展開。
所々に入る寸劇もおもしろい。

舞台装置はシンプルに木製の机とイスだけ、それをうまく並べ替えたりして舞台に。
役者の人も複数の役はもちろん、出番でないときは黒マントの黒子として活躍、忙しそう。

それにしても
出ている人の演技力がみんな高い。
マクベス役の石田さんのセリフがちょっと聞き取りづらい部分はあったが。
かなり見ごたえあり。大人も間違えなく楽しめるはず。

毎年夏に公演をして今年で15年目、
こういうシェイクスピアなら、また観にいきたい(値段も安いし)

ザ・ダイバー 日本バージョン【9/20千秋楽】

ザ・ダイバー 日本バージョン【9/20千秋楽】

東京芸術劇場

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2009/08/20 (木) ~ 2009/09/20 (日)公演終了

満足度★★★★

うー、息苦しい舞台だよー。(いい意味でね)
英語版の『The Diver』 は去年観たが
正直細かいところの記憶はあいまいだが、
基本的なストーリー・演出は同じだったと思う。
舞台美術も似た感じだった。

『The Diver』 は英語でのセリフ、日本語字幕だったので
ストーリー追うだけで精いっぱいだった気がするが、
今回は日本語でダイレクトなのでそれよりは分かりやすかったかな?

でも、85分の中に込められている情報量が多すぎて
なんとなく理解しようと脳みそフル回転。
緊迫感みたいのが常に舞台上にみなぎっていて、割と短いはずなのに
もっと長く感じたな。

渡辺いっけいさんのおかげもあり、笑いどころも前回より多かった気がする。
なんといっても大竹さんスゴイ。多様な人物像を見事に演じきっていた。

きんとと

きんとと

クロジ

シアターサンモール(東京都)

2009/10/01 (木) ~ 2009/10/04 (日)公演終了

満足度★★★★

思っていたより重い話であった
娼館が舞台なのでしょうがないですが・・・。
それでも、明るく笑いのスパイスが入っていたりして。
なかなかに見せられました。
登場人物多いわりに、おのおの性格付けがハッキリ分かれ、
それぞれの思いや感情が素直に共感できました。
わかり易くて見事です。(演出家?さんの仕事かな)
これが芝居でなく、映画やラジオドラマ・小説などであれば。
同じ話でも、また違った印象の作品に仕上がりそうで。
脚本の妙なる部分が楽しめるのかなぁ等と考えさせられました。

ネタバレBOX

客がいる時と、いない時の女将さんの態度わかり易くて見事でしたー。
花道を観客席の通路で補い、ちゃんと提灯が下げてあるのがうまいなー。
身請けシーンの垂れ幕字幕は、遠い席だとチト見難かった。
ナレーションつけても良かったのではないだろうか?
せっかく声優さん多い舞台だったんだし、声だけ出演で有名どころ出すとか
出来たのでは?などと思いましたが。いかがでしょうか?
開演の暗転に行くまでが、映画のオペラ座の怪人みたいでしたな。
それにつけても、男娼話をメインに持ってくるとは・・。インパクトありました。
娼館の主、なかなかクエナイ悪人振りが気に入った(^^)
おっぱいコントがアドリブか、演出かわからんかったよ。
あと、やるんだろうなと思った修羅場の選択話。盛り上がりましたねー。
まさに見せ場でした、、ライトと音による火事の表現・部屋の中見せるための
マジックミラー風の明かりの用い方は、わっかり易くてGoodです。
火傷の姉さん、しゃべりかた独特で。上手に感情出せていてうまかった。
仙台エリさん。ネオランガの時から声変わってなく、すぐわかりました。
刃傷沙汰のシーンすごかったー!です、ご活躍のようで嬉しく思います。
最後に、同じ話を同じキャストで「コメディー」にしたらどうなるのか?
みたく思いましたが、どんなもんでしょうか?
ka-e-lu

ka-e-lu

多少婦人

しもきた空間リバティ(東京都)

2009/10/02 (金) ~ 2009/10/04 (日)公演終了

満足度★★★★

堪能しました
関係性に絡み取られるような家族意識、安心できそうな共感が変質した緊張感、意識下に潜む恐怖、とか 様々なことを想い巡らせることができました。
想像していた以上に観劇パワーを要しましたが、果実は大きかったです。
堪能しました。

はちみつ

はちみつ

こゆび侍

インディペンデントシアターOji(東京都)

2009/09/23 (水) ~ 2009/09/28 (月)公演終了

満足度★★★★

映画を見ているようだった
普段遠慮する恋愛物だったけど面白かった。
演者と役柄にミスマッチがなく、違和感なく楽しむことができた。

映画を見ている感覚に陥っていたので、もともとは映画脚本だったとあとから聞いたときは驚いた。
主人公にはわからないが、観客は演者の仕草などで展開がある程度読めたり、と客観的に見ることができたからかだろうか。
転換での音楽の使い方も、映画でいえばセリフはないが主人公があるところへ一所懸命に走っているようなシーンを思わせた。

CHICAGO THE MUSICAL

CHICAGO THE MUSICAL

TBS

赤坂ACTシアター(東京都)

2009/10/01 (木) ~ 2009/10/25 (日)公演終了

満足度★★★★

鳥肌が立った!
とにかくカッコよかった!

クレームにスマイル2009

クレームにスマイル2009

ニットキャップシアター

ぽんプラザホール(福岡県)

2009/10/01 (木) ~ 2009/10/04 (日)公演終了

コント公演をみた
すごくおもしろかった。それぞれにスパイスが聞いて
げらげら笑えるもの。くすっと苦笑するもの。うーんと考えさせられるもの。
よし・・・・本公演みに行きます!!

ka-e-lu

ka-e-lu

多少婦人

しもきた空間リバティ(東京都)

2009/10/02 (金) ~ 2009/10/04 (日)公演終了

満足度★★★★

新感覚の言葉遊び
「かえる」に関するショートストーリ2人、ミドルストーリー1本のオムニバス。

「帰郷のすすめ」は、2年ほど、音信不通だった娘が突然、帰宅(かえる)するところから物語が始まる。久々にかつて自分が使っていた部屋に戻ると、そこには別人の荷物が。その荷物は、娘が突然出て行った寂しさを紛らわせるために、両親が新しい家族として迎え入れた娘と同じ年のころの同居人(赤の他人)の荷物であった。事態を飲み込めずに両親への不振が募るものの、ストレートに思いをぶつけることができずにいる娘、また、十分な説明を行うことができずに娘との距離を測りかねる両親。こ両者をつなぐべ奮闘する妹、そして、KYな同居人。これらのメンバーが織り成すかみ合わない会話の妙。
笑わせたいのか、笑ってほしくないのか、微妙なラインを行き来する演出がとても面白かった。

「無節操にひっくり返る。ならばせめて美しく。」は、5人の一般ユーザーが集まったモニターアンケートで、繰り広げられる女と女の勝負。主催者の意図とはまるっきり別に、モニターアンケート常連の二人の女は、お互いが多数意見を取ろうと、主導権争いを行う。ここでの「かえる」は、オセロのように、意見が「ひっくりかえる」ことにちなんでいる。「帰郷のすすめ」ほどではないものの、会話の妙を感じることができる作品。

「ガネーシャ・トランスポート」は、医療ミスと臓器移植がテーマにした本公演のメイン。「かえる」とは、医療ミスによって、危篤に陥った患者が「生き返る」ことをあらわす。ルイスキャロルのタブレットにヒントを得、臓器移植の是非を巡る倫理観を絡めた、言葉遊びに満ち溢れた脚本は見事の一言。ヒンズー教の、障害を取り去り、財産・幸福をもたらすといわれるガネーシャ神を登場させ、重層的な入れ子状態で展開されるスト-リーは謎解きを含み観客を飽きさせない。

それぞれに、言葉の妙味を味わうことが出来るなかなかよい舞台であった。

「ここで光ってみる」 「飛ぶ布団」 「愛愛愛愛愛愛愛っ」

「ここで光ってみる」 「飛ぶ布団」 「愛愛愛愛愛愛愛っ」

ロロ

スタジオ・ガンボ(東京都)

2009/10/03 (土) ~ 2009/10/03 (土)公演終了

満足度★★★★

最小の表現で的確に捉えるピュアな話
ちょっとずつテイストの違う短編3本。どれも素敵で好き。ナンセンスからスルッとノスタルジーへ切り込んでいく1本目。あり得ないシチュエーションを設定しつつ、男の子の落胆を正確に捉える2本目。さらに傑作なのは3本目。ピュアーな愛の話を直球で創りつつ、恥ずかしさ回避の仕掛けも万全。ちょっと言葉になってない部分もあれど、男の子目線の恋愛ものとしては珠玉の出来映え。コンパクトでライトでおしゃれだけれど、実は中身が濃厚な3本。好きだなぁ、これ。

て

ハイバイ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2009/09/25 (金) ~ 2009/10/12 (月)公演終了

満足度★★★★

孫の手ではなく、祖母の手だった
再演を初見。これは面白かった。祖母の死を軸にして、集まった家族の肖像が描かれる。作者の岩井秀人があちこちで語っているところから判断して、内容は彼の家族のことを描いた実話がベースの作品だろう。少なくとも、こちらはそういうつもりで見た。

ネタバレBOX

父親の暴君ぶりが家族全体に暗い影を落としている。ドメスティック・ヴァイオレンスの一例といっていいのではないだろうか。妻と4人の子供。子供は男女二人ずつ。作者に相当する人物は次男だろう。90歳を過ぎてだいぶボケの症状が出てきた祖母。彼女の見舞いを兼ねて久しぶりに家族全員で集まろうといいだしたのは長女らしい。両親の家と祖母の住む家が分かれていて、家族は祖母の家に集合。カラオケ大会になる。子供のころにずいぶん父親から暴力を振るわれた子供たちも今は成人している。同等に父親の暴力をこうむったようでも、その程度や受け止め方には個人差がある。わきあいあいと宴が進むはずもなく、軋轢が生じるたびに、家族の関係が観客の前に提示されていく。その夜、祖母が息を引き取る。そしてキリスト教の神父だか牧師による葬儀が行われる。

葬儀を軸にした家庭劇というのはそれほど珍しいものではないが、描き方の点で面白いのは、まず作者である次男の視点で一連の出来事を描いたあと、たぶんだいぶ経ってから作者が家族にあれこれと取材したのだと思う、当時の家族の行動を追加して、葬儀前後の出来事を再構築していることだ。したがって同じ場面が別の角度から再び描かれたりする。映画で今思いつくのは、ガイ・リチー監督の「ロック・ストック&ツゥー・スモーキング・バレルズ」あたり。実話だという強みに加えて、この独特の構成が作品を非常に面白くしている。ただ、やはりいちばん興味を引き付けるのは家族そのもののユニークさ。

家族に与えた影響の深刻さがまるで理解できていないように思える父親の頑迷なまでの厚顔さ。祖母と過ごす時間の長かった長男が長女との口論の中でにじませる祖母への思い。母親が娘に語る忍従の理由と、夫へ離婚を切り出すときの呪詛にも似た決別の言葉。どれも印象深い。

脚本というよりも演出面だと思うが、母親役を男優が演じたり、90過ぎの祖母を若い女優が演じたりしている。笑いを取ろうとか、深刻さを和らげようとか、そういう意図でやっているのかもしれないが、個人的にはまったく不必要だと感じた。いったんこの家族の深刻な関係に興味を覚えてしまうと、笑いなどは全然必要なくて、とにかくこの家庭劇の顛末が知りたくてしかたがなくなるのだ。母親を演じる男優がときどき男っぽい地を出した演技をしたときに客席から笑い声が起こっていたが、そういうときでも私はまったく笑う気がしなかった。思うに、母親役だけを男優が演じているというのは、何か特別な演劇的効果をねらったとかそういうのではなくて、単に母親への思い入れが強すぎることからくる、作者の一種の照れ隠しではないかと思う。もしこの作品が映画化されるとしたら、おそらく普通に歳相応の配役がなされるだろう。そう考えると、これはあくまでも舞台劇ならではの演出ということになる。

役者はおおむね好演だったが、特に父親の猪俣俊明、長男の吉田亮、長女の青山麻紀子がよかった。
cryptograph(クリプトグラフ)

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マレビトの会

こまばアゴラ劇場(東京都)

2009/10/01 (木) ~ 2009/10/06 (火)公演終了

満足度★★

終演後なにに拍手してたんだろう
終演後なにに拍手してたんだろう。お義理で?
わたしのような者には、あいませんでした。
色々物事を知っている含蓄のある方が観るとまた違うのでしょうね。

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