
翻案劇 サロメ
アトリエ・ダンカン
東京グローブ座(東京都)
2009/10/19 (月) ~ 2009/10/25 (日)公演終了
満足度★★★★★
現代の女方:篠井英介×演出:鈴木勝秀 三部作最終作は新スタートの予告編!和の世界観で翻案,舞踏も交えた意欲作.
現代の女方・篠井英介さんも50歳を越え、スズカツさん
との共作シリーズ三部作も「欲望という名の電車」
「サド公爵夫人」に続き本作で一応ひと区切り。
この3作の前の「トーチソングトリロジー」で篠井さんに
魅せられて以来、本作を含めて4作とも全部観れました。
パンフの対談では、この先も続きそうで、ひと安心です。
(ただ来年は、ひと休みらしいです)
篠井英介さんのセリフ回しや舞踊が美しく、知らず知らず
に惹きつけられました。
また、上條恒彦さん、江波杏子さんを王と妃に迎えたのは
大正解。
お二人のしっかりとした演技の支えがあってこそ、
和風の本案や、篠井さんの女方と日舞、森山開次さんの
創作舞踊などが際立つというものです。
邦楽の生演奏や、和と洋のテイストの衣装なども
素晴らしかった。
篠井さんは、仲間由紀恵さん主演の新ドラマシリーズ
「アンタッチャブル」第一回でも新興宗教の教祖役で
怪しいキャラを発揮されてました。
年齢的には分岐点の時期でもありますが、作品や役に
対する姿勢や、カーテンコールでいつも垣間見れる
謙虚さ優しさもひっくるめて大好きな役者さんで、
今後の活躍にも期待します。

組曲虐殺
こまつ座
天王洲 銀河劇場(東京都)
2009/10/03 (土) ~ 2009/10/25 (日)公演終了
満足度★★★★
重い重い虐殺の現実より,日常の普通の人として小林多喜二を音楽劇として描き,より冷酷な事実を浮き彫りにする.
私は不勉強でお恥ずかしいのですが、小林多喜二は
「蟹工船」の著者であるということしか知りません
でした。
今回、この芝居で「虐殺」の事実を知りました。
同様の観客はかなりいたのではないかと思います。
劇は、井上ひさしさんらしい音楽劇であり、
悲劇よりは喜劇として描かれています。
「虐殺」の事実は、劇中では短くセリフで語られた
だけで、その酷い事実だけではなく、彼らにも
その時代の普通の生活があって、笑いも涙もある
日々を送っていたことに重きを置いた作品です。
井上ひさしさんは今回も全身全霊で書き上げた、
その揺るぎのない作品世界には圧倒されます。
パンフレットには、セリフの内容よりも
もっと残酷な拷問の跡があったことが載っており、
その写真も一部掲載されています。
(いつもながら、こまつ座のパンフレットの詳細な記録・
記事の充実ぶりには感心します。)
ミュージカルスターとして知られる井上芳雄さん
の歌はさすがに聴かせますが、
上手くなりすぎないように
歌いあげないように配慮しているようで、
通常のイメージにある歴史上の人物ではなく、
ひとりの人間としての演技が光っていました。
ほぼ弾きっぱなし?の印象がある小曽根さんによる
ピアノの生演奏も素晴らしく、
つらい過去を抱えて耐える石原さとみさん、
元気でたくましい高畑淳子さん、
凄みに温かさを漂わせる山本龍二さん、
コミカルが魅力の山崎 一さん、
必死に多喜二を支える神野三鈴さん、
と出演者の方々の競演も見ごたえがありました。

珍しいキノコ物語
珍しいキノコ舞踊団
えずこホール(仙南芸術文化センター)(宮城県)
2009/10/17 (土) ~ 2009/10/18 (日)公演終了
満足度★★★★★
幸せな気分
6人の踊りの動きがユーモラスに思えて、見ててほのぼのとした気持ちになりました。踊りだけでなく、歌あり、おしゃべりありの公演で楽しかったです。行って良かったです。残念だったのは時間の都合で、終演後のスープパーティをダンサーの皆さんが出てくる前に帰ったこと。お話聞きたかったのですが

甲賀の七忍
劇団三年物語
ザ・ポケット(東京都)
2009/10/24 (土) ~ 2009/11/03 (火)公演終了
満足度★★★★
疾走する劇団!
一度の暗転もなく、舞台狭しと忍者たちが、あちこちから登場しあちこちへと消えていく。全編が戦闘シーンと言っていいめまぐるしい展開。
照明も音響も使い方が見事。
後半とても盛り上がった。

深情さびつく回転儀
電動夏子安置システム
サンモールスタジオ(東京都)
2009/10/16 (金) ~ 2009/10/25 (日)公演終了
解釈が一周して
オープニングの雷鳴に早くもやられ。サスペンス展開のラストにこさじ一杯の幻想要素が竹田サスペンスの魅力。
言葉を追っていく、展開を追っていくのも一つの見方でありますが、竹田戯曲はその行為を放棄しても楽しめる楽しさがあると思います。解釈が一周して、印象として楽しめる芝居になっているのかなと。
マルチエンディングとのことですが、「本当は運ではなくあらかじめ決められているのではないか。」と思えるぐらいの繋ぎ目の見えなさ。他パターンを見られなかったであろう多くの観客(御覧になった方はいらっしゃるのか?)のモヤモヤを解消するために、DVDでは全パターンを網羅してくれるのかなと。

甲賀の七忍
劇団三年物語
ザ・ポケット(東京都)
2009/10/24 (土) ~ 2009/11/03 (火)公演終了
満足度★★★★★
最高です。
劇団員さんは当然ながら、皆様とても素晴らしいのですが、客演の皆様の演技とヴィジュアルのレベルが高くて、至福の時間でした。
女性目線で見ても小名木美里ちゃんが前回とイメチェンしてましたが、可愛くて演技もしっかりしてて、注目です。

ONEDAY~さよなら、リーダー~
u-you.company
サンモールスタジオ(東京都)
2009/10/27 (火) ~ 2009/11/03 (火)公演終了
満足度★★★★
まぁいいっか^^;
価値観や主義主張などは自分のとは異なるような気もするが・・・まぁいいっか^^;チラシにも「決して真面目に見すぎないようにお願いいたします」って書いてるし。楽しい芝居でした。ちょっと元気をもらったような気がする。連作のようだけど,この芝居だけでも充分楽しめます。続きはあるのかな?続くのであれば追っかけてみたいような気も・・・。前説の方も面白かったし,最初の劇中劇から大笑いさせていただきました。あと,自分には渡辺多恵子さんの演じた色気のある意地の悪そうなキャラが気に入りました^^;

『ROMEO & JULIET』
東京デスロック
富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ(埼玉県)
2009/10/24 (土) ~ 2009/10/28 (水)公演終了
満足度★★★★
JAPAN ver.
ACT.1、 ACT.2 HUMAN、 ACT.3、 3つの「ロミオ&ジュリエット」 楽しめました。 KOREA ver. 観られないのが残念!

沼袋十人斬り
THE SHAMPOO HAT
ザ・スズナリ(東京都)
2009/10/14 (水) ~ 2009/10/25 (日)公演終了

カラクリヌード
演劇カンパニー”東京の人”
シアターブラッツ(東京都)
2009/10/23 (金) ~ 2009/10/27 (火)公演終了

モロトフカクテル【公演終了、次回公演は来年4月@楽園】
タカハ劇団
座・高円寺1(東京都)
2009/10/15 (木) ~ 2009/10/18 (日)公演終了
満足度★★★★
後半にはどっぷり引き込まれる
学生自治会が使っている部室からの退去を命じられたことから始まる現代の学園紛争と、部室に残されていたかつての学生運動華やかなりし頃の闘士のノートにまつわる物語。
学生運動もかつての政治的闘争から学費値上げ反対なんてものを経て今やほとんど「コップの中の嵐」的なものになってしまったのね、な目線で観ていながら、ノートの主であり、現在の闘争もひそかに支持している「モロトフカクテル」の存在が次第に大きくなってくる後半にはどっぷり引き込まれているという…。
かつての闘争の中心であった2人の人物も登場させ、時として現在とクロスさせたり共同作業をさせたりする演劇的手法も○。
そうしてさらにあさま山荘事件との関連をも明かし、実は以前は逃げ出していた「モロトフカクテル」も立ち上がる結末は骨太で、1年ちょっと前に観た(初見)『ボクコネ』とはガラリと異なり、どちらかと言えばこちらの方が好きかな。
しかし最後の曲は「この広い野原いっぱい」(漠然とエヴァを連想)よりも「友よ」の方が合っていたのではあるまいか?
また、お目当ての広澤草は「寝ている部分も含めて」(本人談)ほぼ出ずっぱりで、その意味でも満足度高し。(おまけに3列目の中央という非常に観やすい席だったし)

純真回路
OZab
新宿ゴールデン街劇場(東京都)
2009/10/14 (水) ~ 2009/10/18 (日)公演終了
満足度★★★★
心地好い理屈っぽさが独特
心理学実験の被験者として男女4人が30日間の共同生活を送った最終日(プロローグは初日・初対面の様子)に2人の侵入者(?)が加わったことで広がる波紋を描いたもので、何故か学生服(やけに似合っている(笑))やセーラー服(ほとんどお約束?(爆))それに髷(!)など、被験者4人のうち3人が妙な扮装をしていることからも推測できたように基本的にはコメディ。
が、後半で記憶の操作・移殖(というより転送?)などP.K.ディック的なSF要素が加わることで心地好い理屈っぽさ(笑)が加わって独特の感覚になるのが面白い。
また、開演を告げる曲が電気グルーヴの「モノノケダンス」だったことにもツボを突かれる。

ドタキャン!!!!
こちらスーパーうさぎ帝国
ウッディシアター中目黒(東京都)
2009/01/15 (木) ~ 2009/01/18 (日)公演終了

ポチッとな。
こちらスーパーうさぎ帝国
小劇場 楽園(東京都)
2009/07/15 (水) ~ 2009/07/20 (月)公演終了

ポチッとな。
こちらスーパーうさぎ帝国
小劇場 楽園(東京都)
2009/07/15 (水) ~ 2009/07/20 (月)公演終了

ウェストサイド物語
劇団四季
キャナルシティ劇場(福岡県)
2009/09/21 (月) ~ 2009/11/08 (日)公演終了

空に太陽があるかぎり
演劇サムライナンバーナイン
劇場HOPE(東京都)
2009/10/23 (金) ~ 2009/10/28 (水)公演終了
満足度★★★★
つか芝居のエッセンスを取り入れながらも、新しい演出。
面白い。
熱海殺人事件は上演されるたびに内容がどんどん変わっていくが、熱海殺人事件の新しいバージョンという雰囲気。つかフアン、熱海殺人事件フアンにはたまらない作品だ。
常石梨乃の熱演にしびれた。クリスチャンから死に神検事まで、幅の広い役をそれぞれ魅力的に演じていた。
照明が非常に凝っていて、舞台装置の少ないステージで、様々なシーンを魅力的にしていた。後半どんどん面白くなっていった。

- JUN AI CODE -
ATTENTION, PLEASE!
インディペンデントシアターOji(東京都)
2009/10/22 (木) ~ 2009/10/27 (火)公演終了
満足度★★★
美しい構図、ゴーギャンのような作品
いやいや、見事に浄化されている作品である。
前半、居心地の悪さが非常に感じられる内容が続くせいか
後半の、畳み掛けるような構図と台詞のやりとりは、
とても見ごたえがある。
なんとなく感じつつも、理解できなかった付線や
少人数ながらも奥行きを感じさせられる人間相関図が
きっちりと描かれ、
うっとうしい3人の女ダンサーを除けば
よく出来た作品と思います。
ただ、小劇場という制約の中での表現では、よく出来ていると思うけど、
この話を、もっときっちり描くには、映像のほうがいいんじゃないかって
思いました。
説明文ほど、小難しい内容でもなく、
エンターテイメント性もあります。
表現次第では、紀伊国屋レベルにはいくのでは。

abc★青山ボーイズキャバレー
K Dash Stage
青山円形劇場(東京都)
2009/10/12 (月) ~ 2009/10/25 (日)公演終了
満足度★★★
青山は、イケメン顔見世興行!
ご縁があって、足を運びました。
いやいや、メインの青山劇場は「鴉」を上演で、
フリフリドレスな女性陣が、たんまりグッズを買っております。
「鴉」が一軍レギュラークラスのイケメンなら、
こちらは二軍なのでしょうか。
両作品あわせて、いったい何十人のイケメンが出演しているのでしょう??
女性が興行界を担っているんだなって思わずに
いられない。
疲れた女性はイケメンを見て、癒されるのだ、きっと。
さて、官能的なチラシのイメージとは全く内容は違い、
半裸のシーンはございません。
ノー天気な、極楽とんぼな作品です。
中身なんて、なんでもいいんだろうな。
イケメンの喜怒哀楽や、汗と涙、体臭が感じられれば。
たくさんイケメンは出てきますが、芸も芝居も、2軍クラスの出来栄え。
きっと、その不器用さが、かえって乙女心をくすぐるのかわからないけど、
とにかく中身はテキトー。
唯一、子役あがりの、リリィシュシュ笠原だけが
骨太な演技をしていた。
残念ながら、脚本が悪いとしかいえない、中途半端な
幕引きで役柄が、ぼやけてしまったけど。
まぁお気軽なバラエティショー。
癒されにきている人が多いから、
小難しい話は疲れちゃうんだろうね。
こういうのは、こういうのでアリなんでしょう。
そうそう、ここにも、八雲君役の中村なんたらって
男の子は出ていた。
いったい、今年何本出ているんだ?
借金でもあって、必死なのかな

「19」ナィンティーン 夏 〜胸さわぎ編〜
経済とH
ギャラリーLE DECO(東京都)
2009/10/23 (金) ~ 2009/10/25 (日)公演終了
満足度★★
お友達集団?
作品が終了しても、殆どの人が帰りません。
なんでも、終演後のキャストとの面会は、その会場でするとのこと。
超満員な会場だったけど、
「なーんだ、みんなお友達なんだ」
僕は指定席でしたが、舞台が半分見えないような端の席を
宛がわれました。
一般のお客さんを優先し、お友達は端で見ればいいのになって
思わずにはいられない。
アトリエ公演にもかかわらず、やけに場面転換が多く
スピード感があふれるというよりコマ切れで
話の流れを食い止めてしまいます。
出演者が多いので、出番を増やさなきゃ(作らなきゃ)
お友達の手前わるいから、そうしているのかな。
いかんせん、メインの若い子達が地味すぎて、
4軍5軍選手みたいなレベル。
なにせ主役の男の子(19歳の役だけど、
たぶん、アラサーじゃないかな。結構年くってそう)に
色気がないから
そもそも話が成り立たない。
たいしてうまくもない踊りなんかが入るから
見ているほうが恥ずかしくなりました。
窮屈な席で、80分の拘束・・・
もうちょっとプロデユーサーは、一般客のことを考えてくれてもいいのに。
いろんな劇場でチラシ配って、裾野を広げようとしてるんだから。