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午后は、すっかり雪

午后は、すっかり雪

青☆組

アトリエ春風舎(東京都)

2009/12/03 (木) ~ 2009/12/13 (日)公演終了

満足度★★★★

いつもの吉田小夏らしい仕上がり
そして、「花とアスファルト」の時のキャストと同じだったから、なんだか懐かしくて嬉しかった!

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

向田邦子の家族の背景と恋人との関係を描いた物語。
まず、邦子と恋人・西沢との関係が素敵だ。西沢の母親は邦子に「あの子の事、見捨てないでね。」と哀願するが、彼の体が不自由なことは恋愛感情においてなんら障害にはならないような気がする。恋愛とは何かを超越した精神的な関係が成立するからだ。だから邦子のほうが西沢を必要としてるのが見てとれる。西沢は寝る暇もないほど忙しい邦子の癒しなのだ。

しかし、西沢は邦子にこじんまりとしたちっさな目標を目指してほしくない。だから「俺に合わせないでほしい。ちゃんと自分に合わせて目標をもっと遠い所にしなきゃ。そういうことが出来る人なんだから・・。」と言って邦子から離れようとする。無性に切ない。ここでの西沢の心理は邦子を愛してるが故に負担となりつつある自分の存在を消して邦子にもっと有名になって欲しいと願う。

愛って深くて悲しいな、って思う。また同時に一方があまりにも有名になりつつあると、もう一方が離れようとする心理はなんとなく解る。片方のみの秀逸した才能はこんな場面で障害となってしまうのだ。二人のやわらかな指が絡み合う場面はエロチックで美しいと感じたからこそ、愛は永遠であって欲しかった。

また邦子の家族の描写も楽しくて厳しい。亭主関白な父親と良妻賢母の母と3人の姉妹。この3人の姉妹のうちの一人は生涯独身を通し、一人は結婚するも亭主関白というよりも横暴な夫に仕えてなんだか不幸に見える。そして邦子だ。母が娘に妻の心得「結婚したら隅から隅まで気を回してもダメ。物事をすっぱりといってしまってもダメ。少しぼーっとしてて、いつもニコニコしてればいいの。」と教える。

これって現代では通じないよね?女性が働く今、ぼーっとしていてニコニコしてられないもの。いあ、働かなくていいなら出来るかも。要はバカのふりするってことでしょう?笑

相変わらず照明とキャストのちょっとした動きに工夫を凝らした演出で魅せた。豆腐屋と父親役のキャスト・藤川のギャップが可笑しかったのと、役者って、やっぱ凄いな。と感じた舞台だった。終盤の雪が舞い落ちるシーンでは、父親と和子(娘)の家族の絆が読み取れて美しく穏やかだった。

雪の冷たさと対比してぬくもりのある舞台。その描写はどこまでも美しい。。
倶楽部

倶楽部

Rotten Romance

ギャラリーLE DECO(東京都)

2009/12/01 (火) ~ 2009/12/06 (日)公演終了

満足度★★

うーん。
とても不可解です。大学時代の後輩が出演者にいたので、数年ぶりに演技をみにいったのですが・・・内容は全くないのかもしれません。DJ、クラブ、音楽、病気、なにかのウィルスに感染したのか、宇宙規模の話の中になぜか国の形成の話。役者さんはそれぞれ本当に実力のある方々が集まっているのですが・・・内容は・・・?画を見ていればいいのか、空気を味わっていればいいのか?空間全体をみていればいいのか?面白いと思える人にはとても面白い作品なのでしょうが。伏線はあり、繰り返しもあるので何かあるはずなんですが・・・私には見つけられませんでした。でも、ここまでこういう芝居であったと説明できてしまうのでから・・・心に残っていないわけではないので、それが演出の意図なのかもしれません。

MID lie T [ミッドライト] 【満員御礼・ご来場ありがとうございました!】

MID lie T [ミッドライト] 【満員御礼・ご来場ありがとうございました!】

処女航海

BAR COREDO(東京都)

2009/12/02 (水) ~ 2009/12/05 (土)公演終了

満足度★★★★★

ウットリ。
ダンス初めてだったけど、演劇性もあってすごく見やすかったで~す。
衣装もメイクも照明も舞台装置も小道具も音楽も踊りも、ぜーんぶ、ぜーんぶ素敵でウットリして見ちゃいました。
なんかあの世界観好きだな~。
そして、席は狭かったけど、演者さんの息遣いが聞こえるほど近くで見れて大興奮でしたっ!!!
雨降ってたけど、ホントにホントに劇場まで行って良かったー。
次回作は来年の夏ごろやられるそうですね。
また絶対に見に行きます。

演劇/大学09秋 近畿大学 『腰巻お仙─義理人情いろはにほへと篇』

演劇/大学09秋 近畿大学 『腰巻お仙─義理人情いろはにほへと篇』

フェスティバル/トーキョー実行委員会

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2009/12/02 (水) ~ 2009/12/03 (木)公演終了

満足度★★★★

思いのほか、ライトな味わい
春のときは普通の座席で通路を花道に使っていたが、今回は、江戸初期の
歌舞伎の名乗り台という花道の原型に似た、スロープをつけた短い花道
を客席前方の真ん中に通し、両側を桟敷席にして、テント芝居の感じを
出していた。
「腰巻お仙」の初演は観ていないが、テントを建てた花園神社の反対で
題名が変更されたという新聞記事を読んだことがある。初演を観た人に
聞くと「明治時代に盛んだった即興劇はあんな感じだったのでは」という
答えが返ってきて、長く興味を持っていた芝居。それを大学生たちが上演
するというので楽しみにしていた。
「お仙」という役名だが、「お仙」というと私は浮世絵の美人画でも有名な
「笠森お仙」をまず思い浮かべる。「明和三美人」の1人に謳われた水茶屋
(江戸時代の美人喫茶みたいなものだ)の看板娘。当時、唐の夫人で看板女優李礼仙(麗仙)の「仙」に引っ掛けたのかもしれないが、喫茶店が出てくる
芝居なので「笠森お仙」も関係あるのかもしれない(ロビーに唐さんがいたの
で質問すればよかった。でもコワイ)。
そして母を捜す忠太郎という少年が登場する。忠太郎といえば、長谷川伸の
「瞼の母」の番場の忠太郎を連想する(若い人は知らないかも)が、これは
その話をモチーフにしている。それを知らないとパロディーが活きて来ない
のが残念だ。唐十郎の芝居には「何か(誰か)を探している」人物が必ずと
言っていいほど登場するが、ノスタルジックで物悲しい音楽とともに
主人公が独白するというパターンはその後のアングラ劇団にも模倣されている。
(私がよく観ていた劇団サーカス劇場の芝居は作者が唐信奉者のためか、その典型であり、「捜す」パターンで何本作られたことか)。
実際にその伝説的な「腰巻お仙」を観て、あまりにライトなので拍子抜けがした。
初演の李礼仙の胸に晒しを巻き、諸肌脱いだ官能的な舞台写真を見ているせいかもっとぬめぬめした感触の江戸・浅草の見世物小屋みたいな芝居を想像していたのだが。
このライトな感覚が近大の唐十郎演劇塾の特色なのかもしれない。
私にとってはいろんな意味で楽しめる作品でした。詳しくはネタバレで。

ネタバレBOX

「ヒャラーリヒャラーリコ」の笛吹童子の主題歌で始まったのでワクワクした。
「この歌大好き!懐かしい」と言っても、若い人は知らないかも。ラジオドラマ化・映画化・TV化され、大ヒットしたので、昭和にはよく知られた歌です。
この芝居自体、いつもにも増して歌の場面が多く、楽器の生演奏もあって、ちょっとした音楽劇の様相。
もぐりの医者で犬殺しの顔も持つ袋小路(小林徳久)がリヤカーを引いて登場するときに歌うのは「空に星があるように」(荒木一郎のヒット曲)だし、床屋の娘かおる(松山弓珂)が歌う「シュガータウンは恋の町」はだれの歌か忘れたが、歌詞がいまもすぐ出てくる。子供たちが「シュワワー」とまねしてよく歌っていた。「ブルーシャトー」はブルー・コメッツのリードボーカルの
井上忠夫がフルートを吹くので、お仙の横笛に引っ掛けたのだろうか。
歌だけではなく、この芝居にはちゃんと当時の世相が反映されている。
無免許医師の話は三面記事に多く、お笑いのネタにもよく取り上げられた。
犬殺しを職業とする者は東京にもいて、私の家にも警察官が注意に回ってきた。
「犬の患者」というのが出てくるが、愛犬家がブームになり、人間の病院に患者として並ばせた飼い主の記事を当時読んだことがある。
床屋(藤波航己)と禿の客(青山哲也)とのやり取りも、唐十郎芝居の笑いのねちっこさはなく、むしろ現代的な笑いのテンポに感じた。「ワンダフルは洗剤でしょ」とか「果てしない水平線バカ」など60年代ギャグもあったが。藤波は唐十郎の芝居らしい雰囲気のある俳優だ。
かおるにストーカーのようにつきまとう袋小路を中心とする床屋の連中の追いかけっこなど、とても唐十郎とは思えぬ明るい場面だった。袋小路という男、音楽喫茶の専属歌手でシャンソンまで歌うおかしな男だが、小林のインチキ臭さはどこか憎めない(60年代、一世を風靡したコメディアン内藤陳に演技の質が似ている)。
かおるは前半ポニーテールで明るく歌う場面が印象的なだけに、後半の凄惨さが際立つ。
忠太郎(高阪勝之)は夢の遊眠社にいた若いころの段田安則に雰囲気が似ており、忠太郎を慕うオカマの新約お春(居石竜治)は春にも注目したが、思いのほかオカマ役が似合い、ドランクドラゴンの塚地に似ていて愛嬌がある。
後半になると、ようやく唐十郎らしいドロドロした話になってくる。忠太郎が音楽喫茶で出会った美少年(久保田友理)は、忠太郎が母にもらった手紙と同じ文面の手紙を持っており、「あれは僕の母親だ」と言い、「母は美少年狂いさ」と明かす。堕胎児らしいガキ五ヶ月と名乗る少年(東千紗都)を「自分の弟だ」とも言う。久保田は口跡はよいが、春の公演のときより若干肉付きがよくなったような気がした。衣装の白のスーツがはち切れんばかりで、スーツの皺がとても気になった。唐ゼミ☆の「下谷万年町」で椎野裕美子のカッコイイ白いスーツの男装を見たあとだけに比較してしまう。衣装は大切だ。
「母危篤」の知らせで病院に駆けつけるが、忠太郎は「葛飾区のせんべい屋」としかと聞いておらず、母親の名前を知らないと言って袋小路に呆れられる。「瞼の母」では母親の名前を知らないために実母の前に身の証がたたず悔し泣きする番場の忠太郎の苦悩が描かれ、そのことを知って観るのとそうでないのでは、この場面のとらえかたが違ってくると思う。
なぜか顔に包帯をした母は子宮ガンで亡くなってしまうが、忠太郎の母は「ごめんねジロー」(奥村チヨの代表曲)と一節歌ってこと切れる。ずいぶんふざけてるが、「ジロー」という名で、この母が忠太郎の母でないことを示した
のか。そこへ、家出して放浪の旅を続けていたかおるが堕胎児たち4人を引き連れて戻ってくる。
顔には包帯が巻かれ、因幡の白兎のように顔の皮が剥けて無惨な姿なのだ。
「では、あなたが僕のお母さん」と問う忠太郎。笛の音が耳について離れないというかおるの前に赤い腰巻姿のお仙(久保田友理)が横笛を吹きながら登場する。
このお仙、袋小路のリヤカーから現れたこともあるが、何者なのかよくわからないし、かおるとの関係もよくわからない。
他の唐作品に比べて難解ではないが、江戸時代の絵草紙をもとに作られた歌舞伎にみられるような
叙情的な芝居だ。「状況劇場の芝居は歌舞伎より歌舞伎らしい」と評されたゆえんもここにあるような気がする。
唐十郎が指導しているという点では、横国大時代の唐ゼミ☆と同様だが、唐ゼミ☆と違って劇団化はせず、あくまで演劇塾で他大学の学生も受け入れているそうだ。
唐ゼミ☆で唐十郎の演出補佐をやっていた中野敦志は「新焼け跡派」と言われるほど、唐のレトロな雰囲気を踏襲した演出をするが、俳優と演出補佐を兼ねる小林には、逆にもっと軽やかで洗練された現代的な色がある。
唐十郎は、この演劇塾で唐ゼミ☆とはまた違う芝居を狙っているのだろう。
「今後も唐十郎演劇塾はいろいろと新たな活動を考えている」というので期待したい。





アンバランスな食卓とあたたかい引力

アンバランスな食卓とあたたかい引力

tYphoon一家 (たいふーんいっか)

遊空間がざびぃ(東京都)

2009/12/03 (木) ~ 2009/12/06 (日)公演終了

満足度★★★★

最終話で盛り上がり…
5つの異なる物語ですが、仕掛けがあります。
ストーリーは面白かったと思います。最後はほのぼのとした雰囲気で終わり、楽しめました。

時間泥棒

時間泥棒

たすいち

インディペンデントシアターOji(東京都)

2009/11/19 (木) ~ 2009/11/22 (日)公演終了

満足度★★★★

ロマンですねぇ、メルヒェンですねぇ
時間を盗むカメラ、そのカメラに憑いた魂、霊を見ることができる看護士という反則気味(笑)のアイテムやキャラクターを使ったファンタジー系のラブストーリー、大切な人を喪った者たちに向ける目線のあたたかいこと。
また、1年上の先輩に恋する男子高校生が年齢(というよりは人生経験)のギャップを埋めようとするなんてエピソードも「アキレスと亀」の挿話と絡めて描いているのには共感し、思い切りベタな演出&演技で死亡フラグが立ちまくり(笑)な探偵さんの過去シーンが愉快。

ヨミガエリ

ヨミガエリ

演劇ユニットスーパーコンプレックス

アトリエフォンテーヌ(東京都)

2009/11/20 (金) ~ 2009/11/23 (月)公演終了

満足度★★★

ラストの逆転は鮮やか
「自殺した人間は即座に転生し再び同じ人生を歩む」というルールが不服でゴネるヤクザに、その直前の「誤認召喚(まだその時期でない者を天に召す過ち)」問題をも同時に解決する策を思いついた天使たちは当事者2人にある使命を与えて別人として地上に戻すが…な物語、若干の既視感と教訓臭、それに浅田次郎臭(笑)がするものの、ラストの逆転が鮮やか。
一方、難病により臓器移植手術が必要な息子を救うべく「金のためなら何をやっても構わない」母親の姿を半ば肯定的に描いているところに「ザラつき」を憶える。
また、彼女の餌食(?)となる男たちがたとえば不採算により小児科を閉鎖する病院経営者だったり、児童ポルノビデオ制作者だったりと、いろんな意味で「子供の敵」であるのが教訓臭のモトか?(笑)

inside out, inside out

inside out, inside out

演劇集団アーバンフォレスト

SPACE107(東京都)

2009/11/18 (水) ~ 2009/11/23 (月)公演終了

満足度★★★

4,200円はちょっと高いなぁ
おカマを嫌って10年前に家出した息子が結婚を前に婚約者とその堅物の両親を連れて来るにあたって従業員(この場合はホスト?ホステス?)たちに普通の男のフリをさせようとする(ばかりか建設会社の社長を演ずることになる)おカマバーのオーナーを中心とした、設定にしても展開にしても基本中の基本な王道ドタバタコメディ。そんな中に父親が息子の幸せを願う気持ちや、婚約者の両親の不器用な夫婦愛なども織り込んで手堅く仕上げてハズれるワケがなく、キレイだったり見苦しかったり(爆)するおカマちゃんたちもお約束?(笑)
ただ、4,200円はちょっと高いなぁ。
装置だって、バーのオーナーの自宅と言うよりはそこで殺人が行なわれる無人島にある別荘のロビーみたいな見覚えのあるものだし…(謎笑)

ブロークン・セッション【公演終了・ありがとうございました】

ブロークン・セッション【公演終了・ありがとうございました】

elePHANTMoon

サンモールスタジオ(東京都)

2009/11/18 (水) ~ 2009/11/23 (月)公演終了

満足度★★★★

文字通りの「ブラックユーモア」
まさに文字通りの「ブラックユーモア」、思いっきりブラック(かつ不道徳?)なのに妙にユーモラスで笑えてしまうのが不思議~、みたいな。
中には眉をひそめる(どころかタイミング的に拒絶反応を示す)方もいらっしゃるとは思うものの、個人的には支持。
最近多いスプラッタ系コメディホラー映画の「んなワケねーだろ!」な可笑しさとはまた違った可笑しさが独特。ある意味アレよりもコワいしブキミでもあり…。
最初の場において、その家で何が行われているか大体はワカるものの細部が見えずにやきもきしていると、次の場以降の会話で薄紙を剥ぐように(←病気じゃないんだが)それがワカってくるのが巧い…と書いていて気付いたけれど、説明台詞がないんだな。台詞でそのものズバリを説明するのでなく、会話の中にヒントを潜ませて観客に知らしめる、な感じ。
そう言えば、舞台装置(これがまた前作に続いてリアルで、そこから生活のニオイや生活音が流れてきそう)の外(=別室とか廊下とか)で起こっていることを効果音(や聞こえてくる会話)だけで想像させるというのもこのバリエーションと言えるかも?
で、「解体」シーンは4分くらいにわたって舞台上に誰もいない状態だったと後日言われるまでそのことに気付かず。これってスゴくね?

ストイックだよ全員集合!

ストイックだよ全員集合!

Theatre劇団子

ザムザ阿佐谷(東京都)

2009/11/18 (水) ~ 2009/11/23 (月)公演終了

満足度★★★★

キャラクター合戦の様相
禁欲修行をする「ワンスモア学園」の100を超える(!)クラスから選抜された8人が会議室に集められ、校長立会いのもとに卒業すべき1人を決める話し合いをする…な物語、さながらキャラクター合戦の様相。(笑)
結末はお約束と言おうか定番的と言おうか予想の域を出ないものではあったが、そこまでのキャラ及びネタによって十分に満足。
まずはキャラクター。1番、2番、5番は自己紹介の時に、他(8番を除く)はそれよりも前の時点で誰なのか判るほどの有名人たち、中では4番、6番、7番それに校長、マリモンが形態模写的に抜きん出ていたか。なんたって登場した瞬間に誰だか判明するってくらいで。(衣装とメイクによる部分もあるが)
また、ネタについてはハナ肇の銅像(@「新春かくし芸大会」)や「ダダン」のCMを知っている世代としておそらく全部ワカったのではないかしら。しかし、他も含めて若者にはワカらんネタが多くないか?(ちょっぴり優越感(爆)

贋作 人形の家2009

贋作 人形の家2009

劇団ドガドガプラス

浅草東洋館(浅草フランス座演芸場)(東京都)

2009/11/12 (木) ~ 2009/11/16 (月)公演終了

満足度★★★★

ポップかつ華やかで楽しい
※ 座席は「く」列:かなが入力できないのはいかがなものか?
 
映画監督としてのキャリアが長い望月六郎主宰(&作・演出)の劇団の第6回公演(初見)。望月監督、今まで撮ってきた映画とか強面っぽいプロフィール写真(笑)から受けるイメージとは裏腹に実際は当たりの柔らかそうな方で、内容的に2~30代の小劇場系作家(ったって様々だけれど)を思わせる作風だったのはちょっと意外。
たとえばアングラっぽいとか、あるいは“STRAYDOG”に近い感覚(森岡利行脚本の望月監督作品もあるのでなおさら)とか、そんな風に思っていたわさ。
が、考えてみれば同世代である野田秀樹の作品も小劇場っぽいワケで、そういうこともあるんだな、と。(といっても本作が野田チックというワケではない)
野田といえば、コチラは「がんさく」と普通に読むのだった。
で、「にせさく」と読ませないことから(ではあるまいが(笑))、イプセンの作品とはほぼ無縁、強いて言えば女主人公の名前が「ノラ」ならぬ「オラ」で、男主人公の名前が「井伏マリオ」(イプセンのもじりというのは深読み?)なことくらいか?
失業したマリオはふと人形ギャラリーに立ち寄るが、気付くと錦糸町の踊り子キャバレー「人形の家」の新人ボーイとして働いており…な物語、オラをめぐる彼女の夫とマリオの対決やナンバーワン踊り子・江島と人気役者・生島(笑)の挿話(ここだけ台詞が時代劇調だし)に歌(ハンドマイク使用)やダンスを伴うミュージカル風のシーンも交えてポップかつ華やかで楽しい。
また、この小屋の特徴である客席上手にある照明ブースと舞台横からそこへ続く階段(まるで「立体花道」)も使うのもイイ。
あと、序盤と終盤の人形ギャラリーの場面で大半の出演者が人形に扮しているそのポーズや、鏡の見せ方も良かった。

見えざるモノの生き残り

見えざるモノの生き残り

イキウメ

紀伊國屋ホール(東京都)

2009/12/02 (水) ~ 2009/12/07 (月)公演終了

満足度★★★★

初イキウメ
久々に観たあとにほのぼのした気分になれる舞台をみました。
役者さんたちもそれぞれのキャラクターをしっかり作っている感じがして良かったと思います。

夏木マリ・印象派NEO 「わたしたちの赤ずきん」

夏木マリ・印象派NEO 「わたしたちの赤ずきん」

日本テレビ

春日井市民会館(愛知県)

2009/04/10 (金) ~ 2009/04/10 (金)公演終了

満足度★★★

代理母の狼に宿りし8人の赤ずきん
夏木マリにはパフォーマーとしてジョン・ケージの後裔というわきまえがある
ストーリーテラーよりはプロンプターとして振る舞ったほうが面白かったのではなかろうか。

INDEPENDENT:09

INDEPENDENT:09

インディペンデントシアタープロデュース

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2009/11/26 (木) ~ 2009/11/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

個性的
ミジンコターボのsamはいいね落語のように情景が浮かんでくるよ

月いづる邦

月いづる邦

La Compagnie An

座・高円寺1(東京都)

2009/12/03 (木) ~ 2009/12/07 (月)公演終了

満足度★★★★

お芝居は初めてです。
「物語」ではなく「想念」である。とのことわり書きがありました。
それならばということで、ジェスチャーを追い、いろいろ頭で考えて
意味するところは何ぞやと、必死についていこうとしました。けれど
硬いアタマには難題でした。途中で脱落。
挑まれた戦いに背を向け、尻尾を巻いて逃げるかのような敗北感。くやしぃ。。
観客のレベルが求められている気がしました。
豊かな感性と、肥えた目と、知識が必要なのでしょうか・・

ところが

負け犬になった私が座席で身を硬くして小さくなっていると
天から音が降ってきました。女優たちの美しい踊りと混一され、
大きなうねりになって押し寄せてくる。
周りには実際に大きな渦巻きが見えました。
そこに身を任せると、三半規管が麻痺して、心地良くなってくる。
重力やしがらみから解放され、意識が浮遊する。
最後には、太古の祭りに自分も一緒に参加しているような感覚になっていました。
なんて気持ちいぃ~

しかし、気持ちいいだけでは終わらない。
世俗の澱でうわべを糊塗してしまった自分に気づかされる。
尖っても、果ては磨耗してしまうことを思い知っている自分。
けれどもそこに傷つき、疲れても、それでもなお研ぎ続けることができる人達を、その輝きを、私は心底羨ましく思います。どうか、みなさん、頑張って!

なまくらになってしまうと、
一番最後に吉良さんが客席に投げた、小さく白く光るモノの正体に全く気づけず、
それが自分の50センチ横に落ちてくれても、手足はピクリとも反応できず、
跳ね返って落ちた舞台下まで行く勇気も出ず、挙句の果てに
代わりに取りに行ってと頼んだのに、行ってくれないダンナに悪態をつく。
そんな人間になってしまいます。うぅ・・

ああ、それでも
吉良さんと公子さんの生歌にはいつも泣いてしまいます。
まだ僅かでも、自分の中に純な部分が残っていると
思えるのです。

シャッフル・ルーム

シャッフル・ルーム

東京おいっす!

「劇」小劇場(東京都)

2009/12/01 (火) ~ 2009/12/06 (日)公演終了

満足度★★★★★

とてもよくできたシチュエーションコメディ
初めて観た劇団だった。
で、まだまだこんなに面白い劇団が世の中にあるんですねえ、とつくづく思った。

自分にとって都合のよくないことを、他人に知られたくなくてその場逃れをしたり、ウソをついたせいで、さらにどんどん深みにはまっていくという、まるでお手本のようなシチュエーションコメディ

ネタバレBOX

夫婦仲のあまりよくない主婦しのぶは、テニスコーチと家で会う約束をしていた。しのぶはテニスコーチに自分が結婚していることを告げていない。なんとなくのアバンチュールの予感。

そこで、かつての恋人で、いまだ独身のラジオDJミッチーが同じマンションに住んでいるのをいいことに、マンションの3Fにある彼の部屋を一時的に借りることにした。このマンションは家具付きであり、同じ部屋の形というのがミソとなる。

ところが、しのぶとテニスコーチがいるミッチーの部屋に、ミッチーの現在の恋人涼子が急にやって来てしまう。
涼子はミッチーが結婚していると思いこんでいる。ミッチーは結婚が面倒なので、そう思いこませているのだ。
そこでミッチーは、マンションの11Fのしのぶの部屋を自分の部屋であると涼子に思いこませることにした。その部屋にはしのぶ夫婦の赤ちゃんがいて、ミッチーには家庭があるのだと涼子に思い込ませるには、さらに都合がいい。

しかし、しのぶの夫が予定よりも早く帰宅してきてしまった。
また、マンションの部屋に火災報知器を散り付けに来た男がいたり、ミッチーの仕事仲間が彼の家を急に訪れたり、ミッチーの妹が婚約者をミッチーに合わせるために訪れたりと、人が増え、事態は深みにはまっていく。

次々と現れる人たちには、しのぶとミッチーは適当なことを言って納得させるのだが、別の人が現れて、顔を合わせると、話の辻褄が合わなくなってくるので、さらに、その都度、その場逃れのことを言い、なんとかその場を切り抜けようとする。

これが、しのぶとミッチーの2つの部屋で同時進行していく。

さて、しのぶとミッチーはこの事態をどう切り抜けることができるのか、彼らを取り巻く人々との関係はどうなっていくのか、というこの設定だけでも面白そうなストーリー。

スタートの「?」となる見せ方と展開がうまい。ここから見事に劇中に引き込まれた。
スタートから徐々に深みにはまっていき、面白さがテンポアップしてくるのが、とてもうまい。

この企みをうまく進行させたい、しのぶとミッチーには、次々に試練が訪れ、その場逃れの話をしてなんとかその場を切り抜けるようとする。
彼ら以外の人たちは、意味が違う内容の話をしているのだが、日本語特有の主語がなかったりする台詞のやりとりで不思議と辻褄が合い、勝手に納得してしまう。だからあらすじを知っていたとしても、笑えるし面白いと思う。実にうまい脚本だと思う。

あり得ない、とんでもないキャラがテニスコーチだけだったというのも、うまい配分だと思う。
この配分が多すぎると嘘くさくなりすぎるからだ。
彼の突拍子もないキャラのおかげで、しのぶのアバンチュール的な動きにリアリティがなくなり、後の彼女の夫との復縁に無理がなくなるということも計算の上なのだろう。

火災報知器取り付けに来た男の、抑えたテンションが、ドタバタしすぎそうになる雰囲気をうまく中和しつつ、彼もこの騒動に巻き込まれていくあたりの展開もよい。一本調子になりそうなストーリーに、ちょっとした理由がわかっているサブを入れることで、またぐっと物語が面白くなるのだ。

また、ドア2つ、さらに出入口が4個所の舞台の使い方がとてもうまい。その場にいてほしくない人物の隠し方、現れ方がとてもよく、さらに階の異なる別の部屋の出来事を一気に見せてしまうなどお見事。

すべて丸く収まるところに収まると思っていたら、最後の最後にミッチーのカップルにだけ、破局が訪れたのはちょっと意外だった。さらに追加でハッピーエンドがあるのかと思っていたので。

本当に面白かった。こうなると次回も楽しみになってきた。
次回への期待も込めて星5つとした。
社会派すけべい

社会派すけべい

毛皮族

駅前劇場(東京都)

2009/11/19 (木) ~ 2009/12/01 (火)公演終了

満足度★★★★★

どっしゃ~
との前触れ通りでした。テンポ良く進む展開がGOODにしても~名美子嬢は美しかった…

午后は、すっかり雪

午后は、すっかり雪

青☆組

アトリエ春風舎(東京都)

2009/12/03 (木) ~ 2009/12/13 (日)公演終了

200915031930
200915031930@アトリエ春風舎/終演後PPT有

見えざるモノの生き残り

見えざるモノの生き残り

イキウメ

紀伊國屋ホール(東京都)

2009/12/02 (水) ~ 2009/12/07 (月)公演終了

満足度★★★★

観てきた!
観ました~。

ライク ア ローリングストーンズ

ライク ア ローリングストーンズ

enji

ザ・ポケット(東京都)

2009/12/02 (水) ~ 2009/12/06 (日)公演終了

満足度★★★★★

目が覚めた
高尚さとは無縁で、ずっと「俗」であり続けているローリング・ストーンズをネタに、ここまで精神性の高いストーリーに仕上げるとはさすがです。最近よくある他世代排除的なノスタルジア系の話でもなく、若気の至り的な破壊衝動系の話でもなく、本当にロックが全世代みんなで楽しむものとなった現代だからこそ成り立つステキな作品でした。仏教的死生観を歌詞と結びつけて面白い解釈をするなどは、ストーンズをよ〜く聞き込んでないと湧いてこないアイデアですね。CDや本といったアイテムやデータが豊富にある反面、音楽をじっくり聞いてる暇がないという矛盾に陥ってしまっていてイマジネーションに欠けた現在のロック・ファンとしては、目が覚める思いがしました。

ブライアンがカワイかったな。

ネタバレBOX

1973年の時点で「Time Waits For No One」が出て来たり、1989年のお盆の時点で翌年の初来日の話が出てくるのは、時代考証的にン〜〜〜〜ですが、細かいことは気にしない。

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