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『わだち/쉰다리(スィンダリ)』

『わだち/쉰다리(スィンダリ)』

激団リジョロ

シアターシャイン(東京都)

2025/09/03 (水) ~ 2025/09/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

在日朝鮮人の苦難のストーリーなのですが、いろんな示唆がありました。わだちでは、「家族をつくれ。悲しみも苦しみも家族がいればのりこえられ、生きられる」、신다리では、まだまだ完成しないマッコリとは、人生の喜怒哀楽を経て味が増していく人生そのものなのかと。と、在日朝鮮人を超えたメッセージがあってかなとおもいますが、体当たり、声当たりの熱演は、民族の熱さが表現されていたのかと感じました~

Voice Training 2025

Voice Training 2025

虚空旅団

北池袋 新生館シアター(東京都)

2025/09/05 (金) ~ 2025/09/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

楽しかったです、色々考えさせられました。別テーマで続編はどうだろうか。

Voice Training 2025

Voice Training 2025

虚空旅団

北池袋 新生館シアター(東京都)

2025/09/05 (金) ~ 2025/09/07 (日)公演終了

実演鑑賞

面白かったです。

今日は、これくらい

今日は、これくらい

サンハロンシアター

OFF OFFシアター(東京都)

2025/09/04 (木) ~ 2025/09/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度

最初は楽しんで観てたけど、同じ列に座った横の親子のお子さんがお茶の間感覚で横の母親に話しかけるのがうるさくてまともに観劇出来なかった。残念。開演前の注意をお子さんにもわかるようにきつくしてほしかった。

Voice Training 2025

Voice Training 2025

虚空旅団

北池袋 新生館シアター(東京都)

2025/09/05 (金) ~ 2025/09/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

主宰の高橋恵さんの挨拶から力があった。作品を観ると本物の脚本を書こうとしているのがよく伝わる。目指しているものは人間の救済の可能性、その具体策と考え方のヒント。とにかく観終わった後に観客に何かを持ち帰って貰おうとの強い願い。カルチャースクールを体験受講したような感覚。トーマス・マンが教養小説なら、教養演劇か。そしてそれをドラマとしてさらりと成立させる貫禄。
主演の丹下真寿美さんが凄腕、これぞプロ。発声練習の時の表情が最高。

全10回の話し方教室講座。5回を終えたところで講師が体調不良で降板。担当(山下真実さん)はピンチヒッターとして実の姉(丹下真寿美さん)に依頼。離れて暮らす姉はラジオのパーソナリティ(司会進行)をやっていた。
受講者は4名。ロリィタファッションのZ世代、礼儀知らずのSHOP店員、野矢アヤノさん。浄土真宗の住職の娘と結婚し入り婿となったガタイの良い坪坂和則氏、話下手で声が大きい。職場のコールセンターで昇進が決まり、プレッシャーが掛かる木山梨菜さん。終末期医療(ターミナルケア)のある病院で緩和ケア病棟で働く看護師、得田晃子さん。引っ込み思案で声が小さい。皆それぞれ悩みを抱えてこの講座までやって来ている。果たして丹下真寿美さんは無事役目を果たせるのだろうか?

非常に考えさせられた。他の作品も気になる。
是非観に行って頂きたい。

ネタバレBOX

voice trainingというよりも、 public speaking class(話し方講座)みたいな授業。

得田晃子さんは凄い。演技とは思えずその辺の人をただ連れて来た感じ。実は物語の核を握る。
野矢アヤノさんも演技なのか?地としか見えない。
坪坂和則氏はアルコ&ピースの平子っぽくスター性がある。
理事の早川丈二氏は若き麻生太郎っぽい。喋り方や口の挟み方など。

勿体無いのは長過ぎる。構成が単調で後半から中弛み。もう少しエピソードの配置を練れば格段に良くなると思った。受講者の成長と観客の意識をリンクさせていくことで精神的に解放されていく作品。話の終わらせ方は見事。

凄く残った台詞に「誰の答もどこかしら間違っている」。正解を選ぶのではなく、取り敢えずの間に合わせの答で対処しながら考え続けていく。ずっと考え続けること。正しいとの結論が出ていない状況でする行為は演技になるのかも知れない。ただ演技とは嘘をつくことではなく、現在進行形の答の為の潤滑剤である。『自分も含めて皆どこかしら間違っている』、この考え方は思考をとても柔軟に自由にしてくれる。何処かに圧倒的に正しい答があるわけじゃない。

「演技」に関しての議論については森田療法の「目的本位」を重ねた。
カサブランカ

カサブランカ

株式会社スタイルオフィス

博品館劇場(東京都)

2025/09/06 (土) ~ 2025/09/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/09/06 (土) 18:00

映画を知っている人は、是非、観て欲しい!

Voice Training 2025

Voice Training 2025

虚空旅団

北池袋 新生館シアター(東京都)

2025/09/05 (金) ~ 2025/09/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

話し方講座も、講師の実家のいざこざも、解決策が“演じる”で、ちょっと怪しいセミナーみたいね。

~喜楽に落語~ ハルカス寄席

~喜楽に落語~ ハルカス寄席

近鉄アート館

SPACE9(大阪府)

2025/09/02 (火) ~ 2025/09/30 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

ナオユキさんの漫談ジワジワ効いてきてクセになる面白さ\(^o^)/

限定解除、今は何も語れない

限定解除、今は何も語れない

A級MissingLink

ウイングフィールド(大阪府)

2025/09/04 (木) ~ 2025/09/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白かった☆鹿🦌と人間のドラマがあったり人間達にもファンタジーコメディの要素があったりどこかジブリ映画を観てるかのような可笑しさ🎵なので決して明るい話じゃないけど僕には「楽しい」時間でした🎶ジブリ風タイトルにするなら【足の裏の鹿】ってとこかな😉

フェイクマザー〜嘘つきお銀の本当の話〜

フェイクマザー〜嘘つきお銀の本当の話〜

劇団 EASTONES

駅前劇場(東京都)

2025/09/03 (水) ~ 2025/09/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

この劇団最後の作品です。。
16年間本当にお疲れ様でした。
どの作品も大好きでした。

ネタバレBOX

今回イーストンズ最後という事もあり、最後に座長が死を迎えるのは感慨深いものがありました。
私は沢山の劇団を観てきましたが、この劇団が一番好きでした。
本当に無くなるのは寂しいですが、16年間お疲れ様でした。
今までありがとうございました。
されど、スタアには、なれない

されど、スタアには、なれない

チリアクターズ

STスポット(神奈川県)

2025/09/05 (金) ~ 2025/09/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/09/06 (土) 14:00

100分。休憩なし。

されど、スタアには、なれない

されど、スタアには、なれない

チリアクターズ

STスポット(神奈川県)

2025/09/05 (金) ~ 2025/09/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

初日観劇。5つの短編はそれぞれ雰囲気が違っていて、チリアクターズさんらしい言葉遊びの妙がやっぱり楽しい。作品ごとの振れ幅の大きさも、この劇団さんの魅力。個人的には、言葉がじわっと刺さる「ゆめゆめ」と、設定からして思わずニヤリとしてしまう代表作の「しらずのうちに」が特に好みでした。

Voice Training 2025

Voice Training 2025

虚空旅団

北池袋 新生館シアター(東京都)

2025/09/05 (金) ~ 2025/09/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

うむ。納得の二時間。面白いし(ストーリーが)、聴かせる(台詞が)。「トレーニング」とタイトルにあるその意味は実はそのままの意味であるのだが、物語の縦軸にこれを据え、講師として登場する彼女の「物語」も想像させながら、トレーニングが展開する様が美味しく、見所である。
今井上ひさしの文章講座(的読み物)の一節を思い出しているが、「その人にしか書けない言葉というものがある」・・その無二の台詞が、この芝居の中に見出せる。
小劇場エンタメ系の多い関西(と知見もなく言うのも憚られるが)には珍しい、思想性の高い芝居。

ネタバレBOX

「話し方講座」的な10回コースの文化プログラムの講師が、5回を終えた時点で辞退となり、運営する会社に勤める大迫(妹)が、ラジオパーソナリティの経験もあるプロである姉に、ピンチヒッターを頼んだらしく、その初日を迎えている。
講師役はある苦労の種を抱えているらしいのだが(その中身は終盤明かされるが)、その横軸のドラマは脇へ置かれて成立する「講座」の時間がある。姉役がまさにパーソナリティをやっていそうな口跡と滑舌の良さ、耳心地の良い通る声を存分に発揮する。
そして彼女のプロ性はそうした声や「語ること」に繋がる技術に留まらず、四名の受講者それぞれに何かを渡して行く。ネタバレはまたいずれ。
CRIMES OF THE HEART

CRIMES OF THE HEART

サカバンバスピス

シアター風姿花伝(東京都)

2025/08/27 (水) ~ 2025/09/01 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

秀作としてタイトルのみ記憶にあった本作を贅沢に味わえた。思いの他ウェルメイドではあったが、ハッピーエンドを下支えする含蓄が豊かである。ある一件で久々に顔を合わせる事となった、全くタイプの異なる三姉妹が当初は「肉親としての繋がり」を表層では見せながら、やがて諍い多かったであろう往時に舞い戻り、それぞれに過去を乗り越えて現在の紐帯を確認する。自宅で人を待つ主役らしい日下由美演じる長女は、齢三十との台詞に「おいまじ?」と心中呟くも実は目が離せない。物語解釈において年齢は重要だが「老けてると言われる」で一応の正当化。だがこの細やかに見せて来る演技という名の「芸」に当てられている。奔放な次女(名塚佳織)、今回の問題児で甘えん坊(実は芯がある)三女(磯部莉菜子)の関係性の核となる。久々に目にした(serial numberでは暫く見ない)田島亮、憎まれ役の親戚役・上野裕子、良き心根の役が演れると知った佐藤銀平とのアンサンブルも良し。
アメリカ南部の「遅れた」町で、問題の三女ベイブが夫を銃で撃ったとの報が入り、既に保釈の身である彼女を呼び戻す連絡をしたのだが、と従姉に語る長女、そして糸の切れた凧の如く「歌手」として地方を回る次女にも連絡をした、と。あっけらかんとした三女。終盤、微かに彼女が精神的支配を夫から受け、人格を損ない続けていた「監獄としての夫婦関係」の気配がよぎる。徹頭徹尾女という主体から見、語られる女性賛歌であり応援歌だが、共感以外になかった。

フェイクマザー〜嘘つきお銀の本当の話〜

フェイクマザー〜嘘つきお銀の本当の話〜

劇団 EASTONES

駅前劇場(東京都)

2025/09/03 (水) ~ 2025/09/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

もったいないことに、イーストンズさんのファイナル公演らしいのですが。
ベタだけど、きちんと楽しませてくれる、笑わせてくれるセンス。
かっこいい殺陣。今作は歌も素敵だった。
基本は娯楽路線だけど、ちょっと変化急な勧善懲悪な感じ。
今作は、出てくる人、ほぼ悪いやつかも。

イーストンズさんにしては、比較的笑いの要素が少なめで、強烈なシーンも多かった。
どのキャラも濃くてね、もっともっとエピソード作れそうだったので。
上演時間90分はやや短く性急に感じたところは、ありました。
上演前にジョークで3時間超えですってのがあったのですが、いや、実際に3時間超えでたっぷり観たいなあって思いが出たくらい面白かったです。

かこちゃんの後悔

かこちゃんの後悔

なかないで、毒きのこちゃん

ザ・スズナリ(東京都)

2025/09/03 (水) ~ 2025/09/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

これ、自分はかなり好きな芝居です。
始まってしばらくは、あ、この系統か……みたいだったのですが、途中からぐぐっと引き込まれました。
テイスト的には、自分の世代で例えるなら……、懐かしい一話完結のギャグ漫画的で。
ジャンプで言うなら、キン肉マン、ドラゴンボール、聖闘士星矢みたいなののヒットで、何もかもがバトル漫画化する前にあった、 コント的なギャグ漫画。ドクタースランプとか、奇面組みたいな。
ただ、そこに、純愛的なキュンキュンや、しんみりする要素がある。
そして最後は意外な感じで、後味がとても良かった。
後悔って言うくらいだから、苦いの来るのかなって思っていたのですが。

主演の、みしゃむーそさんが、凄い素敵だった。
みしゃむーそさん×タカハシシンノスケさん
みしゃむーそさん×弘中麻紀さん
って対になるのですが、どちらも凄い良かったな。

サイドストーリーになる、他の方々のエピソードもかなり面白く観られました。

ネタバレBOX

ジャンル的には……世界観的には、実はSF巨大ロボットものでして。

後悔をタイムリープで解決しようとするのと。
もう一つあって、隕石落下をヒーローがスーパーロボットで食い止めるという、逆襲のシャアみたいなやつとのハイブリッド。この組み合わせをラブコメでやっちゃうの面白かったな。
自分の好物ばかり状態だった。

開場時からスズナリのロビーにさ、そのロボット置いてあるんだよね。
このあたり、すごい洒落てて気が利いてるなって思いました。
Waltz for Daddy

Waltz for Daddy

幻灯劇場

ロームシアター京都ノースホール(京都府)

2025/09/05 (金) ~ 2025/09/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

ファンタジーだが、音楽との融合は右に出る劇団はいないだろな〜
人生をリセットしたい人々の桃源郷 西成のあいりん地区みたいな場所なんかも…
父親の気持ちわかります

今日は、これくらい

今日は、これくらい

サンハロンシアター

OFF OFFシアター(東京都)

2025/09/04 (木) ~ 2025/09/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

市の活性化の中心にしたい サッカーチーム:ジャンドゥーヤ鶫野、その試合をメインにした市民フェスタへ観客5,000人を集めるという一大イベント。その関係者や市民個々人の思いと行動を描いた庶民劇。

街興しはしたいが、その中心がJ3でもないサッカーチーム(現在JFL)。その関心度や思い入れが違い、なかなか一枚岩にならないところがリアル。夢中になるものって人それぞれ、それをどう纏めるか至難の業だ。その それぞれ夢中になるものを登場しない人物を通じて垣間見せる巧さ。
(上演時間1時間30分 休憩なし) 

ネタバレBOX

舞台美術…中央が窓抜き枠のようで、場面に応じて枠内を入れ替える。また演台のようなものを搬入し、市にある洋菓子店などを現す。物語は鶫野市を活性化させるため、地元サッカーチームの交流試合に5,000人を集客するイベントを企画。サンハロンシアターは、キャストの高年齢といったことが書かれていたが、その実態を物語に重ね、若者が都会へ行き 鶫野市の高齢化が進んでいくようだ。

イベントに携わる人々の思い入れ(熱量)が微妙に違うため、今一盛り上がりに欠けている。しかし地元ということもあり、幼馴染や高校の同窓生を巻き込んで…。
チームの広報・営業担当の桐田俊也は、高校の先輩でありスポンサーである㈱ヘーゼレート営業部長 羽場健一にイベントの必要性を説いている。市民フェス実行委員の青島真沙美、高梨祥平は2人の様子を静観している。また羽場と高校時代 同級生だった槇村結子は、商工会議所職員として地元だがサッカーには詳しくない。亡くなった夫が野球 阪神ファンだったこともあり、どちらかといえば野球に興味があるようだ。そして娘が結婚しようとしている相手が巨人ファン、夫が生きていたら何て言うだろう(夫、娘とその彼氏は登場しない)。

このイベントで自慢の洋菓子--特製ティラミスを宣伝したいパティシエ・洋菓子店経営の川江瑠衣、こちらは商売が気になる。そしてこの店を手伝っている沢木田律の夢や生き方にも関わってくる。イベントの司会進行役として漫才師のヒクイドリタカイドリ(長谷吉彦、佐山敬太)が来るが、彼らは地元ではないことから、もっぱら自分たちの芸風等を気にしている。地元イベントといっても関心は人それぞれ違う。そこに「地元だから」といった変な強制・強要や同調圧力はなく、むしろ自然(体)な人間関係が築かれている。そこに何故か安堵感を感じてしまう。

そして集客は4,899人という微妙な数字(不達成)、コメディという名の予定調和にしないところに好感が持てる。ラスト、負け惜しみのように聞こえる、桐田の「今日は、これくらいにしてやる」だが、むしろ この捨て台詞が 明日に向けて という力強い言葉に思える。
次回公演も楽しみにしています。
今日は、これくらい

今日は、これくらい

サンハロンシアター

OFF OFFシアター(東京都)

2025/09/04 (木) ~ 2025/09/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

ジャンドゥーヤ(gianduja)とはペースト状にしたヘーゼルナッツを混ぜ合わせたイタリアのチョコレート菓子。「ジャンドゥーヤ鶫野(つぐみの)FC」は地元のサッカーチームで現在JFL、J3昇格を目指している。チームの広報を担当する田野良樹氏は地元活性化の為にも町を挙げての応援を望む。市民フェスに参加し「観客5000人プロジェクト」を企画、熱弁を振るう。市民フェス実行委員会の英枝(てるえ)さん。スポンサー企業の部長で高校の先輩でもある内藤トモヤ氏。サポーター代表の刀根直人氏。
商工会議所職員の高山佳子さんは内藤トモヤ氏の高校時代の同級生。狭い町で皆顔馴染の人間関係。

市民フェスで余興と司会を頼まれた漫才師・ヒクイドリタカイドリ。タカイドリ、重井貢治氏は喫茶店で働きながらのネタ作り。ヒクイドリ、垣内あきら氏は鶫野に忘れられない記憶があった。

洋菓子店チェスターの店長、和泉輪さんは市民フェスで特製ティラミスの販売を頼まれる。それを後押しする手伝いの石井花奈さん。

話の着眼点や流れは万能グローブガラパゴスダイナモスっぽく感じた。年齢層が皆高めの為、夢に向かって突き進むというよりもビターな哀愁が漂う。現実と自分を知ってしまった人間達だからだ。
小津安二郎の『浮草』のような寂寞感を核として、日がな海を眺める三井弘次のような気分で今作を染め上げたい。
若い石井花奈さんの一生懸命な姿が舞台を盛り上げる。和泉輪さんとのデュエットは見せ場。

是非観に行って頂きたい。

ネタバレBOX

群像劇というかキャスト等分に話を割り当てている為、何の話だか散漫な印象も。巧く行けばマチルダアパルトマン『フィッシュボウル』の老年版になれたと思う。劇団運営とダブらせていく手法。好きという情熱だけでは他人の心を動かせない現実。だがそれだけを頼りに闇を進むしかない。運否天賦!

英枝さんに話を集約させる手もあった。全くサッカーに興味のない、夫に先立たれた女性が市民フェスを通じて学生時代の恋人と再会し、サッカーを夢中になって応援する楽しさを知る。まだ世の中、こんなに楽しいことがあったんだ。

早朝ランニングで出くわした内藤トモヤ氏が田野良樹氏をきつく叱責する。町興しにはサッカー球団だけでなく幾らでも選択肢はある。理詰めで追い込まれた田野良樹氏は独り悔しくて涙を零す。そしてラスト、やっぱり5000人には程遠い集客。これが現実だと立ち去る内藤トモヤ氏。自分なりにやり切った充実感、それとは裏腹の目標を達成出来なかった敗北感、もやもやする頭。池乃めだかの十八番を吐き捨てる。「よっしゃ、今日はこれぐらいにしといたるわ!」(このぐらい解り易くしてもいいのでは)。
ボヘミアの海――冬物語:A Science Fiction

ボヘミアの海――冬物語:A Science Fiction

明治大学シェイクスピアプロジェクト

アートスタジオ(明治大学猿楽町第2校舎1F) (東京都)

2025/09/04 (木) ~ 2025/09/06 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 ベシミル! 傑作。華5つ☆ 尺75分弱。

ネタバレBOX

 今回で22回目の、明治大学シェイクスピアプロジェクトのラボ公演だが、今作は猿楽町第2校舎1Fに在るアートスタジオでの上演。尺は約75分弱。シェイクスピアの「冬物語」というより完全に新作のSFと言った方が鑑賞後の感覚から言うと近い。それだけに極めて良く出来た脚本にこれまた見合った優れた演出、舞台美術大道具は総て白で統一され箱馬、長方形のテーブル、ギロチンの枠のような形の背の高い柱構造等、が場転に応じて速やかに所定の位置に場面に相応しい形に組まれて用いられる。小道具のヒロイン・ハーマイオニの木彫(これだけは木の色)が実に効果的に用いられている点も優れた舞台の隠れた定石である。以上挙げた舞台美術迄実にしっかり作りこまれた秀作。照明、音響もレベルが高いのは、ステーション関連の映像を見ている舞台上の人物たちの表情に映像画面の反映が微妙な明彩で反映されているのを見ても明らかだ。大道具が総て白で統一されているのは、冬を象徴する“雪”や“氷”のイマージュと解した。これが同時に夫・レオンティーズに同僚との浮気を疑われ自死を遂げた妻・ハーマイオニの潔白を示唆している。
 ところで今作の物語が展開するのはハーマイオニの自死から16年後、レオンティーズが、ボヘミアプロジェクト継続の是非を判断する為にステイションに送り込まれた後のことである。然しそもそもそのボヘミアプロジェクトが何であったかを理解しておく必要があろう。地球の直径の約1.2倍の惑星・ボヘミアに人類が巨大なベースステーションを築き最も優れた研究者達を送り込んでボヘミアの環境等を精査した16年前よりも以前、このベースには85人を収容できるベースが建設され多種多様な研究が行われていたが、特に注目すべきであったのは、ボヘミアの海に関する論であった。何とボヘミアの海は、海自体が知性を持ち知的活動を担っているのではないか? との仮説が提起されていて、地球上でも大きな論争が長期に亘って繰り広げられながら結論を出せずに膠着状態が長く続いた。徐々に人々の関心も失せ、莫大な費用の掛かる宇宙計画の是非判断を公式目的にレオンティーズが送り込まれたのは必然であった。判断を下すにはボヘミアの海が知性を持っているのではないか? 論争の決着を見た上で今後の継続判断をする必要があるが、その起点となったのがボヘミア探索隊員であったアンティゴナスが自死する前に遺した謎の言葉『ボヘミアの海で熊を見た』であった。
 かくして到着したボヘミアのステーションでレオンティーズが遭遇したもの、それは自死したハズのハーマイオニであり、実際に残っていた浮気相手と疑った者の助手であり、皮肉屋の研究者であり、彼らが「客」と呼ぶ、彼らの夢や想像即ち脳の活動に現れたイマージュが現実に再生された生き物であった。この「客」たちは、地球人が自分を生み出した脳活動とコンタクトを取り続けることによってどんどん進化し深化をも遂げた。その結果、自らが再生された“生命”でありオリジナルでは無いというアイデンティティーの不在に悩まされる。このアイデンティファイ不可能性は、更に先に本当と偽の問題を突きつけ、本当(本物)でないなら空虚そのもの(こういう言い方自体が矛盾を孕むが)を突きつけてくる。演じるのは1年生が殆どの傑作である。

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