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北守の騎士とカルボナードの踊る魔女

北守の騎士とカルボナードの踊る魔女

青果鹿

テアトルBONBON(東京都)

2010/09/02 (木) ~ 2010/09/06 (月)公演終了

満足度★★★

どんどん宮沢賢治のお話が放り込まれる
ストーリーも広げていく。
結果、世界が膨張して長くなってしまった、という印象。

残念ながら120分が長く感じた。

ネタバレBOX

この劇団は、宮沢賢治がお得意らしい。だからどんどん物語に宮沢賢治の話を盛り込んでいく。
そして、登場人物が増えるごとに、宮沢賢治ワールドを軸に、さらに物語を広げていく。
そういうテイストは、面白いと思う。うまい具合に盛り込んでいくからだ。
しかし、面白みはあるものの、やりすぎではないか、と思い始めてもくる。
登場人物ごとに関係性を持たせたり、エピソードを重ねていくので、結果、全体が長くなる。というか、長く感じてくる。

そして、焦点がぼけるてくるのだ。

まず、誰が軸なのかがはっきりしない。
いろんな登場人物に、作・演が感情移入しているからだろう。
それは、もちろんいいのだが、観客にそれをそのまま見せてしまっても、こちらは消化不良になってしまう。

当然、ブドリが軸にあり、彼が妹の手を離したときに、貝の火を失い、視力を失う、ということから、本当の物語が始まり、それへの回答が物語のすべてになっていくのだろうが、その彼の物語が浮かび上がってこないのだ。

だから、ブドリと妹の関係が見えてこないし、なぜ妹が兄を赦さなかったのかがわからない。また、ブドリを追って火山に行ったアネルの意図もわからない。あっさりとブドリが火口に向かうことを認めてしまうし。
どうも、いろいろな関係がしっくりこなかった。

登場人物が多すぎるということもあるのだろう。サーカス団の女性たちは、賑やかなのだが、例えば、サーカスで何をしているのかがわからないし(黒子のようなひことはしていが)、いなくても成立したように思える。

そいういう、このキャラクターは必要があるのか? と思わせてしまうところが、長く感じてしまったことにつながっていると思う。

もう少し整理して提供してほしいと思った。

歌は楽しいと思ったのだが、「長いな」と思ってからのチェッカーズには、ちょっとイラっとした。教授にも歌わせることで、面白くしたいのだろうが、面白くなかったし。

また、衣装が、着物からカンフー的なものまでいろいろあったのが、どうも木に竹の印象しかしなかった。

役者としては、ブドリが熱演だったが、それが活かされてなかったような。また、ソンバーユーの存在には面白さがあった。
三兄弟の設定は面白く、彼女たちも熱演であったし、本来ならば、いい感じで狂言回しとなるはずなのだが、そうはなっていなかった。
また、男爵とTVのプロデューサーは、キャラの表現に細かいところまで気を配っていたが、味付けが濃すぎて(主張が強すぎか?)全体の雰囲気と合っていなかったように思える。彼のエピソードも盛り込みすぎだし。こういう役者ならば、もっと演出や設定によって、うまい活かし方があったのではないかと思うと残念だ。
とろける魚

とろける魚

東京のくも

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2010/09/02 (木) ~ 2010/09/05 (日)公演終了

満足度★★★★★

楽しめました
世界観の提示というか、なかなか狙いが良かった。
若者の緩さや、それでいて欲望はきちんと備えている、その周りの気だるさが
舞台とよくマッチしてました。
方向性の無いコテコテの人間世界の切り出し方が、
見えない「熱帯魚の水槽」とは
暑さにめげそうな日常に、少しの涼風を感じました。

ピープル・ゲット・レディ【公演写真アップしました!】

ピープル・ゲット・レディ【公演写真アップしました!】

Minami Produce

小劇場 楽園(東京都)

2010/09/01 (水) ~ 2010/09/05 (日)公演終了

満足度★★★★★

見応えありました
太宰治『フォスフォレッセンス』を底流に、太宰独特の女性観を通した「女」をよく表現されていたと感じました。
時空を意識した演出も秀逸で、ホントに楽しめました。

渡り鳥の信号待ち

渡り鳥の信号待ち

世田谷シルク

サンモールスタジオ(東京都)

2010/09/02 (木) ~ 2010/09/07 (火)公演終了

泣いた
『銀河鉄道の夜』を素敵にアレンジしていたと思います。

心地よく作品の世界観に揺られながら、終盤自然に頬を涙がつたいました。

堪能いたしました。

渡り鳥の信号待ち

渡り鳥の信号待ち

世田谷シルク

サンモールスタジオ(東京都)

2010/09/02 (木) ~ 2010/09/07 (火)公演終了

満足度★★★★★

よかった
最後の展開に目が離せませんでした。自分も思わず涙しそうに。終演後客席やロビーで号泣している人が数人。さすがに自分はそこまではいきませんでしたが、心からいい作品だと思いました。あとパフォーマンスもよかったです。

ロックンロール

ロックンロール

ホリプロ

森ノ宮ピロティホール(大阪府)

2010/09/04 (土) ~ 2010/09/05 (日)公演終了

満足度★★★★

三時間。
チラシのイメージでロックミュージカルかと思っていました。
ロックのルーツを政治の時代背景を入れ、師弟愛、夫婦愛などをからめ、みせていきます。
導入ははいりにくいですが次第にはまっていきます。役者演出のちからでしょう。
レコードのジャケットの見せ方も良いのではないかと。

ネタバレBOX

市村さん、秋山さんの演技はさすがベテランです。
武田さんと山内さんのからみは笑えました。
黒田さんの若い子の演技はいまひとつ。
大阪の観客全体ではないでしょうが、行儀が悪いと感じました。
途中でお茶を飲み出すし、途中で席を立っていなくなるし
電話のバイブ音が聞こえるし・・・確かに難しい話ですけど。
Sea on a Spoon

Sea on a Spoon

こゆび侍

インディペンデントシアターOji(東京都)

2010/09/01 (水) ~ 2010/09/05 (日)公演終了

満足度★★★★

救い
ファンタジーな作風の中に現実をピリリと交えてくるこゆび侍さん。
でも、今回のファンタジーな部分は必要だったのかな?
成長した少女とある企みとがうまく噛みあっていないというか、別にまとめる必要はなかったのではないかな、と感じてしまいました。

ある企み、テロが計画され進行してゆく中、複雑に絡み合う人間関係からくる緊迫感がとても引き込まれました。
それだけでも十分成立していたと思います。
その部分が自分的には圧倒的に面白かったです。

ネタバレBOX

少女の贖罪の物語というけど、この台本の中心になっていたのかどうかはちょっと疑問。
でも、原発の爆破を計画する人々と、その一筋縄ではいかない人間関係に引き込まれました。
町おこしのためにフェスを開いて3万人の客を集め、そのフェス会場でもある原発を爆破するという大胆な計画。
原発職員や町の職員が裏で計画しているというのが悲しい。
原発反対のために大事故を起こすという計画は恐ろしい。
そんな緊張感とスピード感、メンバーの裏切りが占める後半が特に手に汗握る展開で、素晴らしかったです。
飛ぶ劇場『睡稿(すいこう)、銀河鉄道の夜』

飛ぶ劇場『睡稿(すいこう)、銀河鉄道の夜』

NPO法人FPAP

ぽんプラザホール(福岡県)

2010/09/03 (金) ~ 2010/09/05 (日)公演終了

満足度★★★★

普通の観客席で。
今作は、最初から観客参加型で席が分けられていた。
のりのいい観客方でこちらも充分楽しめました。
そういえば「銀鉄」ってこういう話だったね。

ネタバレBOX

ガラパの川口さんの使い方も充分楽しめ、パーカッションも良かったです。
クララ症候群

クララ症候群

ブルーノプロデュース

タイニイアリス(東京都)

2010/09/02 (木) ~ 2010/09/05 (日)公演終了

秀逸な設定
タイトルの「クララ症候群」という言葉が語られた直後に、「立てない!」と女優が叫んで倒れ臥した瞬間に、もう勝負は決まったと思う。だって、その後は、立ったり座ったりするだけで、過剰な物語がどこからか流れこんでくるから。

ヴィジョン

ヴィジョン

ミームの心臓

神楽坂die pratze(ディ・プラッツ)(東京都)

2010/09/01 (水) ~ 2010/09/06 (月)公演終了

満足度

水準には達してないかな?
話題の18歳演出家の旗揚げ公演ということですが、ここでの評判がいまいちなので期待しすぎないように見てきました。

ちょっと残念な舞台でした・・・。

まず舞台美術がイマイチ。
黒い何もない空間に白い四角の台があるだけ。

若い役者さんたちはセリフを言うので精一杯という感じで、セリフは全て同じ調子だし、身体が舞台に立てていなかったですね。
この演技でOKを出さずに、演出はもっと役者の演技を根本から変えるくらいの事をした方が良かったと思います。

作家としては頭で先行して作っている感じで、感性がついて行っていないチグハグ感がしてしまいました。

ネタバレBOX

左手首を切った、世界中から新作の絵を期待される若い高校生の女の子の苦悩。
らしいけど、その時点で既にリアリティが感じられないのが残念。一枚絵がコンクールで優秀賞を取ったからと言って世界が待ち望む画家になれるほど絵の世界は甘くないと思う。
そして精神を病んで精神病院に入院する女の子。

そんな彼女は夢を見る。ジャンヌダルクの夢。
フランスを救うため戦い英雄となったが、裏切られ死んでいった少女。
ふたつの世界を重ねるのは面白いのだけど、役者が異なる2つの世界の空気を演じ分けないといけないくて、今回の若い役者さんには損な難しい台本だったと思います。

役者陣で良かったのは、天皇とシャルルを演じた男の子と看護師を演じた女の子。

プロとしてお金を取って一般向けに演劇を作る気概は立派だし、ここまで注目を集めたセルフプロデュース能力は素晴らしかったです。
でも、それを活かせなかった、中身がついて来なかったのが残念でした。
あと5年、10年続けて結果を出すくらいの根性を見せてくれると嬉しいです。
Sea on a Spoon

Sea on a Spoon

こゆび侍

インディペンデントシアターOji(東京都)

2010/09/01 (水) ~ 2010/09/05 (日)公演終了

満足度★★★★

なかなか
重いんですが面白かったです。
最初と最後はちょっと苦手ですね…

ハンバーガーの肉が旨いのに
バンズがまずいみたいな…

肉だけで味付けし直してくれれば
けっこう好きな料理だったかもしれません。

衛星放送に殺意を、

衛星放送に殺意を、

ハイバネカナタ

劇場MOMO(東京都)

2010/09/02 (木) ~ 2010/09/05 (日)公演終了

満足度★★★

見えないけれど、確かに存在しているもの。
その影響力を与える手段としてメディア統制を題材に、思考が均一化されていくことへの恐怖と不安を提言するような内容だったのですが、近未来の人々のテレビへの加担度や、日常生活での言論の自由にはバイアスがかかっているのか、など気になるディテールがイマイチ判然としなかったこと、また、外部から監視する視点とその気配が不在していたことから、マインドコントロールされているらしい管理化社会の実像/実態が見えにくかったです。
『現実は小説より奇なり』への切り反しもほしかったところですね・・・。
ある思想をモチーフに統一されたような衣装やスタイリッシュな舞台装置、ストーリーライン等々惹きつけられる要素もたくさんあっただけに、心残りでした。

Sea on a Spoon

Sea on a Spoon

こゆび侍

インディペンデントシアターOji(東京都)

2010/09/01 (水) ~ 2010/09/05 (日)公演終了

満足度★★★

入り込めなくて少々残念。
作品の本テーマではないけれど
舞台となっている環境が自分の仕事の浅からぬ関係があるので、くすぐったい思いが時折走るので、物語にのめり込めなかったんです。でも、謎は謎のまま、深まって行くのは好きな展開です。最後はここで終わりかな?と思っても2度更新されて、私ダメだなぁ~と思いました。作品はよかったんじゃないかと思いますが個人的には★3つ、次回作は息を止めてしまうようなラストがまた見たいですね

KUNIO07『文化祭』

KUNIO07『文化祭』

KUNIO

こまばアゴラ劇場(東京都)

2010/09/03 (金) ~ 2010/09/06 (月)公演終了

満足度★★★★★

楽しい!
「文化祭」って何だろう?と考えてみると、とにかく「楽しいお祭」で青春時代の若さと勢いだと思います。
それを思いっきり形にしたこの企画。
はじまるまでは何をやるのか全く分からなかったけど、始まってみるととにかく勢いがあって楽しい!

文開祭をそのまま舞台にするのではなく、印象を元に構成されたこの舞台は大人による大人のための文化祭で、元気をもらえました!

ネタバレBOX

帰宅部の親友ふたりがサッカー部の男子に「おまえらってホモ?」と言われた事をきっかけに、ホモじゃないことを証明しようとキスをする男子ふたり。
このやりとりが細かくて、爆笑ものでした。
でも、それを壊してしまう体育会系や不良たち。自分の身を守るために親友を裏切る。裏切られた親友が切ない・・・。

人形劇。とにかく雑なのが味。
男の子と女の子がバス亭でバスを待っている間に男の子が告白しようとするシチュエーション。ただそれだけなのだけどおかしい!
人形の扱いが物凄く雑なのが逆に面白い。
最後は人形を持ち上げて「アレ?俺たち今空を飛んでない?」。
端から見ると人形を手にしたいい年した大人が人形片手に飛行ごっこしてるだけなのだけど、何だかロマンがあった。

遊び歩いてる風女子高生が毎日7時には帰宅。「門限が厳しくて。ゴメーン!また誘って!」
実際は家に居るボケたおばあちゃんの食事を作らなければいけないために帰っていた。家ではおばあちゃんがその日によって言う事が全く違う。
やりたいことを我慢して食事を作っておばあちゃんの世話をしているのに全く理解してくれない事にイラだって怒ると「イジメルー!」と子供のようなおばあちゃん。我慢の限界を超えた女子高生は、おばあちゃんのご飯も作らずに夜10時まで遊び歩いて帰ってみるとおばあちゃんはいない・・・。

バカ騒ぎだけでなく、しっかりしっとりしたお芝居も見せてくれました。
本当に良い座組みなんだな、という雰囲気がヒシヒシと伝わってきました。

誰かのコメントに書いてあったけど、これが本番の文化祭で座組みの卒業式なんですね。
演劇の公演っていつもこうなんでしょうね。
稽古を繰り返して、飲みに行って、仲良くなって。
文化祭のようなお祭り騒ぎでも舞台が楽日を迎えたら座組みは卒業。

にぎやかさの裏にそんな寂しさも感じた、人生の縮図を見たような思いがありました。

この文化祭、大好きです。
衛星放送に殺意を、

衛星放送に殺意を、

ハイバネカナタ

劇場MOMO(東京都)

2010/09/02 (木) ~ 2010/09/05 (日)公演終了

満足度★★★

シャウトの功罪
DJがマイクを手にすると人格が変わるという性質上しかたないのですが
シャウトというのはかなり上手い人がやらないと
その早口とどなり声によって
内容がまったく頭に入ってこないと思います。

三瓶さんは「エーデルワイス」で落ち着きながらも
ちょっとおかしなバーテンを好演していたので
おとなしい役の方があっているのかな?

1番のテーマが検閲に対する反体制なのか
DJの親子関係なのか
姉妹関係なのかがハッキリしないのも少し残念…

あと小劇団では2時間って
かなり展開が上手くて面白くないと
けっこうキツいですね…

絞るとこ絞って膨らませるとこ膨らませれば
面白そうです。

から騒ぎ

から騒ぎ

いわき芸術文化交流館アリオス

いわき芸術文化交流館アリオス(福島県)

2010/09/05 (日) ~ 2010/09/05 (日)公演終了

満足度★★★★

観に行って良かった
シェイクスピアの『から騒ぎ』がベースになっていて、一応物語の流れに沿った作りになっていましたが、ダンス作品として自由にアレンジされていて、戯曲を知らなくても楽しめるものに仕上がっていました。

井手茂太さんと斉藤美音子さんというイデビアン・クルーの看板2人によるダンス(意外にも、この2人によるデュオ作品は今回が初めてのとのことです)は流石の安定感で、高度なテクニックをさらっとこなしながら、一方ではわざと動きを間違えたように見せる振付で客席の笑いを誘っていました。最近、井手さんは演劇の振付も多く担当されていますが、やはりダンス作品が一番だと思いました。

仮面舞踏会のシーンで仮面の代わりにヘルメットを被って踊ったり、最後の結婚パーティーのシーンが盆踊りだったり、置き換え方がユーモラスでした。原作では直接は描かれていない、悲劇の原因となるバルコニーのシーンを演ずるかと思いきや、斉藤さんが「おお、ロミオ!」とシェイクスピアの別の作品の台詞を叫ぶのに対して、井手さんが「違うよー」と答えるシーンの間合いが絶妙でした。

照明が素晴らしく、舞台袖も丸見えの素舞台が色々な雰囲気の空間になっていました。冒頭場面や最後のシーンで照明の器具自体を見せる照明プランも新鮮でした。

いわきに3週間滞在して作った作品が1回だけの公演で終わってしまうのはもったいないので、ぜひ東京でも再演して欲しいです。

劇団きららの「星の王子さま」~le petit prince~

劇団きららの「星の王子さま」~le petit prince~

NPO法人FPAP

あじびホール(福岡県)

2010/09/04 (土) ~ 2010/09/05 (日)公演終了

ぶっとびました
あの劇場のあの広さでいろんな情景を写しだして、とても王子様(宗さん)が愛しくて。
舞台装置が凝っていて星の表面っぽい(クレータっぽい)部分が味があって。
きれい ステキ さすがきららの真骨頂が表れていたなー

ネタバレBOX

バラが登場したときからは良かったけどそれまでが眠気を誘う感じで(^^;)
ごめんなさーい  性格的にファンタジーをうまく受け取れないようで反省。
少女ABCD

少女ABCD

劇団蝶能力

planB(東京都)

2010/09/04 (土) ~ 2010/09/05 (日)公演終了

満足度★★★★

今後注目
プレビュー公演なのに完成度が高い。ダンスの織り交ぜ方がうまく、シリアスさを中和。脚本の巧さゆえ、内容にもかかわらず見終えた後に一種の爽快感がありました。少々暗転が多かったのが気になる。座席のことをここに書いてもしょうがないけれど、狭すぎ。

清水那保一人芝居 ~曇天少年/共震少女~

清水那保一人芝居 ~曇天少年/共震少女~

ネリム

スタジオアキラ(東京都)

2010/09/04 (土) ~ 2010/09/05 (日)公演終了

満足度★★★★

涙する、ストリップ。

女優自身が脚本を書き、一人芝居で演じるという企画。

「自身の脚本」というところに興味を持ち、観劇した。



清水那保という俳優は、好きだし応援しているのだが

長い間顔を観ていなかった。最後に話したのは2年前である。

当時の自分から見た清水那保は、役柄が憑依したかのように見える

高い集中力を持った役者で、感情の起伏が激しく、

己の力を持て余しているような印象だった。

脚本・演出家の手によって、様々な化粧が加えられ

商品化(料金をとる状態)にこぎつけている印象だった。

本来、俳優は俳優に専念していればよいのだから

それでもよいのだが、自分はもう少し監督と選手が

フラットな関係でゲームメイクをするチームを観るほうが好きだ。

(化粧「してもらう」ってのはペットみたいでどうかと思う派である)



今回の作品は演出家がいるものの、

脚本の言葉そのものは清水那保の果汁を絞ってできている。

つまり、自分でも化粧している。

そこがフレッシュだった。(良い意味で)ほとんどストリップだった。

そして、久しぶりに観た清水那保のプレイは

以前とは印象が違って、冷静だった。

もちろん、まだ20代半ばだし、俳優としてのスキルアップや

人間として成長したことも、印象が変わった一因だろうと思う。

でも、最大の要因は

「自身の脚本を一人で上演した」ことにあったように思う。



複数の人間を演じ分けながら、時間軸をクロスカットで転換させ、

その度に衣装・小道具に魔法をかけて年齢も性別も変えていく。

そんなアブストラクトのDJのようなスキルフルな操作をしながら、

物語から集中を切らさず涙する。

(「私はお母さんの子であればいい」という台詞、染みた。)

情熱と冷静のバランスがすごく良くて心地よかった。



本業が脚本家ではないことなんて、どうでもいいと思った。

その人がその人の物語を喋ることの面白味、

それによって育まれる俳優のバランス感覚、

観る側にも演る側にも有益だったと思う。

もっとこういった企画が増えて欲しい。

あ、そういえば、今年の春に観たこれ↓も近い魅力があったな。
http://stage.corich.jp/watch_done_detail.php?watch_id=62511

企画と清水那保にビガップ!!!

ネタバレBOX


うー

あー、

うまく言葉で説明できず、申し訳ないですが

急に訪れたあのエンディングが引っかかったので

☆を5つではなく4つにしました。

何故だか、あそこだけ安く感じられてしまった。

衛星放送に殺意を、

衛星放送に殺意を、

ハイバネカナタ

劇場MOMO(東京都)

2010/09/02 (木) ~ 2010/09/05 (日)公演終了

満足度★★★

改めてあらすじを読むと、
当初の構想が良く分かりました。

ネタバレBOX

低俗番組が横行して(?)検閲制度が導入された未来社会、今ではバニラみたいなものばかりになってしまったテレビ業界。そのような社会に反発して、ゲリラ的にドキュメント風ドラマを流すテレビマンたちとモデルの姉妹の話。

姉妹は憎み合い、お互いの首を絞める…、それでは殺せない、殺さない。

マイクを持つとテンションの上がるMC、熱演でした。

ヤマブキ色の人、ブスでもないのにブス扱いされて可哀相!

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