最新の観てきた!クチコミ一覧

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アラン!ドロン!

アラン!ドロン!

猫のホテルプレゼンツ 表現・さわやか

J:COM北九州芸術劇場 小劇場(福岡県)

2010/09/25 (土) ~ 2010/09/26 (日)公演終了

なんか違う(^_^;
説明のような内容だったっけ?
でも楽しかったからいいかぁ〜
最初から最後まで繋がっていそうなんだけど、微妙に
違う話も折り込まれてて、めまぐるしい。
コントはおもしろいけど、わからないネタもあってちょっと
悔しいかもしれない。
ダンス風な動きは好みでした。
女装が汚くなくていい!

ZOKKYののぞき部屋演劇祭2010

ZOKKYののぞき部屋演劇祭2010

ZOKKY

インディペンデントシアターOji(東京都)

2010/09/10 (金) ~ 2010/09/20 (月)公演終了

心の余白にわずかな涙を

心の余白にわずかな涙を

elePHANTMoon

インディペンデントシアターOji(東京都)

2010/09/16 (木) ~ 2010/09/20 (月)公演終了

201009191430
201009191430@王子小劇場

ストロベリー

ストロベリー

国分寺大人倶楽部

インディペンデントシアターOji(東京都)

2010/09/23 (木) ~ 2010/09/27 (月)公演終了

201009251430
201009251430@王子小劇場

[ Pre]

[ Pre]

Mr.BUNBUN

ぽんプラザホール(福岡県)

2010/09/23 (木) ~ 2010/09/23 (木)公演終了

マンガ芝居ですね〜
もりだくさんの内容で笑い転げました。
お手伝いのカミさんたちも笑えました。
映像も笑えました。
笑えるって幸せだー

ネタバレBOX

りんご喰らいのジャグリングは何度見てもおもしろいけど、
コントネタはやっぱり新作が見たい。ゴングで見たものが2つほど
あったので、えーっと思ってしまった(^_^;
でもフォーチューン志免店はシリーズ物らしいから良かです。
にねんいちくみ保護者会≪ご来場ありがとうございました!≫

にねんいちくみ保護者会≪ご来場ありがとうございました!≫

クロカミショウネン18 (2012年に解散致しました。応援して下さった方々、本当にありがとうございました。)

Heiz Ginza(東京都)

2010/09/11 (土) ~ 2010/09/20 (月)公演終了

満足度★★★★

保護者会を参観(笑)
下すべき判決のない「十二人の…」な感覚。
レンタルオフィスに懐かしい机と椅子を持ち込み、学校らしい掲示物を貼って作った空間での上演はさながら保護者会の参観(笑)の如し。
そんな中での討論、時折各親子の関係などが見え隠れしてリアル。
また、劇中では使われないものも含め、机の中のアイテムも凝っていて、そんなところも楽しい。

【公式ブログにて結果発表中!】何にも知らないわけではない

【公式ブログにて結果発表中!】何にも知らないわけではない

パセリス

OFF OFFシアター(東京都)

2010/09/23 (木) ~ 2010/09/27 (月)公演終了

満足度★★★

観客は芝居の中の観客
アミューズメントスポットの中の「オブザービングルーム」の中の人間模様を観客が「人間観察」として楽しむ、観客参加型のアトラクションだったが、こういった物語はよくある。
確か、映画でもアニメでもあった。もっとも、映画やアニメで観た「オブザービングルーム」の中の人間たちは生きるか死ぬかの壮絶な脱出ゲームだったから、もっと人間の中の悪の部分が露呈していた。だからこそ、今回の物語でも、もうちょっと突き抜けた「人間の底知れぬ罪悪」をみせて欲しかった。

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

「オブザービングルーム」の中の6人の女子はリアル脱出ゲームに参加する。脱出できると5万円が支給されるという触れ込みから序盤、楽しそうにゲームに参加していたものの、本当にこの部屋から脱出することが出来るのだろうか?と疑心暗鬼になってしまう。そうなると、他人を疑い始める。一度疑い始めるとその心は留まることを知らないほど、膨れ上がって友人だった人間関係をも崩れてしまう。

看守が出す指令も当初は、「この中で一番可愛い子を選べ」だったのが、終盤では「このナイフを誰か一人に突き刺す」になり、やがて「この拳銃で誰かに一人を撃ってください」に変わり、指令は段々と過激になっていく。

と同時に切羽詰った6人は恐怖に慄きながらもサックリと躊躇なく刺したり、撃ったりする場面が意外にもあっさりし過ぎて苦悩感が見えなかった。だから6人のキャラクターのどれにも共感が出来なかったのかも知れない。

例えばその中の一人でもサターン的なキャラクターが居たならば、きっと本物の悪魔は「いざというときの君の気持ちは解るよ。だってそれが人間だもの。生きてる間の僅かな時間だけでも自分を守るのは当然さ。」などと甘い言葉をかけながら、魔法をかけて、蜃気楼を見せて、叶うはずのない夢まで見せてから奈落の底に突き落としてしまうのだろうなぁ。とも思う。

妬み、嫉み、僻み、ネガティブな感情は様々あれど、それが人間というものの本質でもある。そんな人間の心理を描写した作品だった。
NMS_3『幸福論』

NMS_3『幸福論』

石原正一ショー

ACT cafe(大阪府)

2010/09/18 (土) ~ 2010/09/18 (土)公演終了

無題
 ここに出てくる二人はどちらも悶々とした生活を送り、時々爆発しそうになっている。どうしたらそこから抜け出せるかも判らない。そんな状態を解決するというより折り合いをつけるような手段に出る。

 気分としてはなんとなく共感できるけど、今の自分と重ねられるわけではない。その微妙な距離感を噛み締めながら観劇しました。

アラン!ドロン!

アラン!ドロン!

猫のホテルプレゼンツ 表現・さわやか

駅前劇場(東京都)

2010/09/01 (水) ~ 2010/09/14 (火)公演終了

無題
 オムニバスのように様々なエピソードが連ねられていく。最初のシーンで脇役だった人物が次のシーンでは主役になるといった形で、登場人物はゆるやかに繋がっている。主役だった人が他の場面ではどうでもいいような脇役になって出てきたりもする。特定の主人公がいないので、ある意味見やすかった。

 「苦笑系コントユニット」と銘打つだけあって、確かに苦笑だ。爆笑ではなくクククッとした苦笑が多い。だからお笑いが好きな人に自信を持っておすすめとはいかないが、個人的には爆笑コントより好みでもある。

 裏の事情はわからないけれど、舞台を見る限りでは作っている人達自身がとても楽しんでいるように感じられる。その楽しい雰囲気が客席まで伝わってくるのだ。全部ひっくるめて心地良い空間が作品になっており、その場に居合わせて良かったと思う。

ワイルドターキー

ワイルドターキー

ゲキバカ

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2010/09/23 (木) ~ 2010/09/26 (日)公演終了

満足度★★★★

おしいなー
ダンスは今までで一番かっこいいかも。
男くさいのも好きだし、設定も好きなだけに、逆に何かが足りなかった気がしました。

2時間を通して女性が(小さな映像除いて)出てなかったことを感じさせない展開は凄いと思います。
女性抜きでも恋愛モノって可能なんだなー
個人的には今後もゲキバカはこの路線で行って欲しいです。

ネタバレBOX

ストーリーの軸が中山の「もがき」なのか伊藤の「純愛」なのかがぼやけてた気がします。
中山の「もがき」がベースにしては途中で蚊帳の外に置かれてる時間が長いので最後の抱擁も独唱も、泣けるトコまでいかなかったです。

○○○48とかラーメン屋のくだりとかカローラとか武器比べは最高でした。
個々のコント的な部分が秀逸だっただけに、ちょっともったいなかったです。
一つの太いストーリーがあって、その上に遊びの要素がうまくちりばめられていれば、笑いと感動がもっと引き立った気がするなー

あと、劇中歌はすごくよかったです。CD発売して欲しい。

やっぱりゲキバカにはこういう漢(オトコ)くさいのが似合うんで、次回はもっと熱いの期待してます。
「オトコくさすぎて泣ける」ってのが理想だなー
死の棘

死の棘

桜美林大学パフォーミングアーツプログラム<OPAP>

PRUNUS HALL(桜美林大学内)(神奈川県)

2010/09/18 (土) ~ 2010/09/25 (土)公演終了

満足度★★★★

良かった!
演出:ガジラ鐘下先生の「死の棘」、緊張感のある、アクの強い舞台をを想像しつつ観に行きました。まさにそのとおり! 好き嫌いが分かれるでしょうね。少なくとも楽しめるエンターテインメント感はないので、観客数も少な目でしたが、良かった!舞台美術/照明も凝っていて、生臭い/泥臭い脚本を演劇らしい舞台に昇華させていました。役者陣もテンションの高い演技でグイグイ引っ張る。久しぶりにタイトな引きしまった芝居を見た、という感じ。でも、ちょっと長くてクドイかな。前回「夏の夜の夢」も楽しめたし、 OPAPはこれからも応援していきたいです。

レストランじゃないっ!!!【終了いたしました。ご来場ありがとうございました!!!】

レストランじゃないっ!!!【終了いたしました。ご来場ありがとうございました!!!】

コメディユニット磯川家

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2010/09/23 (木) ~ 2010/09/26 (日)公演終了

満足度★★★★

関西のノリ、ベタベタなコメディ!
流石に関西コメディは凄いです。シュールさとか、そこはかとなくとか、微妙なとか、そんなむず痒い曖昧なコミカルさは一切ない!笑
とことんバカバカしくてとことんはちゃめちゃなTV的コメディ。


以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

レストランのセットが素晴らしい。まんま、どこぞのファミレスのよう。皆が働くレストランでは「売り上げが伸びないため閉鎖する。」なんて話をオーナーと店長が話してたのを聞きかじった一人の従業員が他の従業員に漏らしてしまったから、さあ、大変!従業員の間ではレストランの存続よりも、自らの働き口が無くなってしまうのを嘆く。(あくまでも人間らしい)

そんな大騒ぎの展開の中、店長の妻の浮気が発覚し、離婚騒ぎとなる。しかし騒ぐには騒ぐのだが、当の本人は仕事中にアニメを読みふける毎日。(あくまでも人間らしい)

もう一方では一人の従業員が女子従業員の2人と浮気していて、見兼ねた妻がレストランに乗り込んできたかと思いきや夫の監視の為にこのレストランに就職してしまう。夫婦の諍いの間に吐かれるセリフ「家に帰ってから喧嘩の続きをすると抱かれてうやむやにされちゃうから嫌!」という妻(川面千晶 )の言葉がウケル。(あくまでも人間らしい)

川面千晶 は相変わらずのパンチのあるキャラクターだが、ワタクシは彼女のキャラがとっても好きだ。彼女が舞台に登場しただけで、その場の空気が変わるほどのインパクトがある。そのくらい、ワタクシにとってはエロ可愛い存在だ。そんな妻も夫の口車に乗って不倫相手の女子2人共々、手玉にとられてしまう。(あくまでも人間らしい)

「何でお前だけモテルんだよっ。」と恨めしく思う他の男子らはモテナイ要素満点なのに、そのことに気づかない。(あくまでも人間らしい)  しかし、モテ男もゲイからもモテまくると、そんな状況にモテあましてしまうのも人間のサガなのだ。(あくまでも人間らしい)

そんな大げさなドタバタが魅力の人間模様コメディでした。
馬鹿馬鹿しいけど楽しい舞台。また観たい。
乳水

乳水

鳥公園

d-倉庫(東京都)

2010/09/23 (木) ~ 2010/09/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

カフカ的イメージ
見たくないはずなのになぜか傷口をじっと見てしまうような、そういった感覚になりまして、頭がぐわーっとなりました

歌えロレッタ愛のために!

歌えロレッタ愛のために!

秘密結社ブランコ

ART THEATER かもめ座(東京都)

2010/09/22 (水) ~ 2010/09/26 (日)公演終了

満足度★★★★

「なんだこりゃ」の力
観る側に、
あっさりと何かを放棄させるような力があって、
観る側もそうすることによって
なにか凄く面白い・・・。

一旦はまると
舞台のあれこれが
いちいち面白く感じられるように
なりました。

ネタバレBOX

なんだろ、
へたうまにクレヨンで描かれた
デッサンを観ているような感覚。

そのトーンやタッチには
一瞬観る側がどうしてよいかわからないような
稚拙さがあって。
でも、きちんとそのトーンが機能し始めて
役者や演出の恣意的な描き方が伝わってくると
舞台上に独特のふくらみが生まれてくる。

べたな部分は圧倒的にべただし、
ちょっと引いてしまうような部分もある。
でも、それを貫きとおす力が役者にあって、
観る側がぐいぐいと押されていくのです。

後半、物語がそれぞれの内心に広がっても
観る側がちゃんと連れて行ってもらえるのがすごい。
ちょっとシュールに話をまとめ切ってしまう。

取り込むちからとでもいうのでしょうか、
その世界に取り込まれると
なにかぬけられないような感じがあって
ものの見事に終演まではまりきってしまいました。

○○●●●◎



ワイルドターキー

ワイルドターキー

ゲキバカ

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2010/09/23 (木) ~ 2010/09/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

凄まじい男の世界!!!
やくざなんて、現実の世界でも話の中でも好きではありませんが、迫力ある強烈なシーンの連続で非日常を満喫しました!

ネタバレBOX

やくざ、暴力、抗争、異様、狂気、警察の腐敗、殺人、殺人マニア?、殺人マシーン?、過去の事件、追跡者、そんな中に咲いた一輪の純愛…、良かったです!!

二丁目の狂騒、闇医者の存在なども相まって、裏の世界が強烈な音楽に乗って描かれていました。

ちょっといい加減なチンピラ伊藤、あの軽い感じがいいですね。

加藤組の加藤、異常で怖かったですねぇ!

その他大勢は余計でした。
視点 vol.1 Re:TRANS(MU×ミナモザ×鵺的) 満員御礼、審査発表をblogにて公開しました!

視点 vol.1 Re:TRANS(MU×ミナモザ×鵺的) 満員御礼、審査発表をblogにて公開しました!

視点

ギャラリーLE DECO(東京都)

2010/09/21 (火) ~ 2010/09/26 (日)公演終了

満足度★★★★

原典を広げる力
どの作品にも、ベースにある「トランス」の世界に対する実直さがあって。
一方で作品ごとに、作り手の鋭利な感覚が伝わってきました。

個々の作品の品質に加えて
企画としても、とてもよい試みだと感じました。

ネタバレBOX

初日を拝見。

「トランス」はずいぶん昔にサードステージ版(記憶が間違っていなければ)で観ています。

その時に感じたものが、個々の作品を観る中で、実直に蘇ってきて。
なおかつ、作り手の更なる創意をとても力強く感じることができました。

・ミナモザ 「スプリー」

物語の入口は不条理な感じすらして・・・。
患者と肋骨を折ろうとする女医の感覚、
さらには主治医と女医のつながりの焦点があわない。

でも、主治医と女医の関係、
そして主治医と患者の関係には腑に落ちるものがあって、
質感がざっくりと編みあげられていくなかに違和感がない。
そして、気がつけば、
男と女医の間にも
太くて不思議な説得力をもった関係性が
編み上げられているのです。

ボーダラインの感触、
依存、憎悪、無関心、哀願といった
女医の内心の変化に目を奪われているうちに
いくつもの「理由」の枠組みが
観る側に取り込まれている。
一見乖離した医師たちの関係性と主治医&患者の関係性が
次第に編み上げられて立体感をなしていく・・・。

受け入れられないことと受け入れること・・・。

物語のふくらみの中で、
冒頭の女医と患者が醸し出す理不尽さも、
霧散して
女医が肋骨を折るというシーンが
観る側にとってすら成り立ってしまう。


物語の様々な部分に違和感はあるのです。
でも、その違和感を受容させてしまうような関係の重なりにこそ、
心を捉えられて。

終盤、女医との関係を受容していく男の姿に、
もう違和感やバラツキはない・・・。

ラストシーンに、
ひとつの世界の形成と
淡々と柔らかく
なおかつ濃密な空気を感じて息を呑みました。

・鵺的 「クィア K」

冒頭からある種の閉塞感が漂います。

女性の従属の行き場のなさ。男のいらだちともう一人の男のとまどい。
そこには観る側をも立ちすくませるような濃度があって。

その緊張感が緩む中、
男たちの会話が生まれ、
世界が少しずつ解けていきます。
二人は男娼とその客であることがわかる。
二人の女性に対する想いの表れに
バイアスの掛かり方の違いのようなものがあって
そこからさらに世界が解けていく。

女性は揺らがずに貫くのです。
その貫きの確かさがあるからこそ、
男性の内側から滴るものがある。

それぞれの表層にある乾いた感じが次第に崩れ、
内側に潜んでいたものが場を染めていきます。
一様に滲んでくるわけではない。
時には沈黙や無表情から、
あるいは怒りからそれぞれの色が醸成されていく。

そこには、
「スプリー」の組み上げられていく感覚と真反対に
解けていく中で醸成される広がりがあって・・・。
女性の鳥肌が立つような貫きに加えて
男たちがそれぞれに抱える深い戸惑いが
強くしなやかに伝わってきたことでした。

明らかにデフォルメされた世界があるのに
人間の生臭さのようなものまで
緻密にやってくる・・・。

舞台上の空気感にも圧倒されました。



・MU「無い光」

二つの作品に比べて、
観る側にとってナチュラルな質感を持って
物語が流れていきます。

雑誌のインタビュー、
編集者との会話のなかで、
次第に編み込まれていくるものがある。

他の2作品とが刹那を切り取った印象があるのに対して
この作品には、時間への俯瞰があって、
そのことが、物語をしなやかに広げていきます。

本来の3人芝居にもう一人の人物を加えることで
物語のコアにある感覚が
照明を当てられたがごとく
浮かび上がってくる。
従前の2作品では、
ある種のバイアスをかけることによって抽出されてきたものを、
この作品では4人目の登場人物が
しなやかに強く押し出していくような感じ。

観る側は
次第に明らかにされていくものを
そのままに受け入れながら
個々のキャラクターが持ち合わせていたものを
ナチュラルに受け止めることができる。

そのベースがあるから、
物語の世界がさらに踏み込む部分が
とてもくっきりと伝わってくるのです。
観る側と同じ空気を持った世界のボーダーに、
他の2作品と同じような、
作品の原典がもつ
それぞれの想いの関連と憑依、
さらには死につながる狂気との境目が
したたかに醸し出されていく。

他の2作品とくらべて、
語り口はいたって馴染みやすいのですが、
そこには、しっかりと深く残る肌触りがあって。

時間の軽さや重さの質感を
しっかりと感じることができる作品でもありました。

*** ***

全部の作品を観終わって、
それぞれの醸し出す世界が
ことなる色で
ある共通の感覚を醸し出していることに
瞠目。

それぞれの作品が
恣意的にそうなったのかどうかは別として、
他の作品を照らす力になっているようにも感じた。
個々の作品の力量に加えて
3つの作品が作りだす
共通部分と異なる感触の綾織りにも
深く心を奪われたことでした。

とても秀逸な試みに満ちた公演であったと思います。

視点 vol.1 Re:TRANS(MU×ミナモザ×鵺的) 満員御礼、審査発表をblogにて公開しました!

視点 vol.1 Re:TRANS(MU×ミナモザ×鵺的) 満員御礼、審査発表をblogにて公開しました!

視点

ギャラリーLE DECO(東京都)

2010/09/21 (火) ~ 2010/09/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

生命を巡る永遠のサイクル
別劇団による3本立てでありながら、単なるショーケースになっていないことにまず拍手を送りたい。

単なる3本の短編を上演したのではなく、きちんと1つのループの中にそれぞれが存在していたように思える。
それはプロデューサーの意図がきちんと伝わったことではないかと思う。

その意味で、今回の企画は成功したとも言える。

ネタバレBOX

「結果的に」なのかもしれないが、3つの短編が「生・性・死」というきれいな「生命」の連鎖になっていた。
それが当初からの企てかどうかは問題ではなく、プロデューサーの意図(あるいは感覚)が他者にも伝わったということの証だと思う。

また、3本ともに貫かれているのは、私がMUを観るときにいつも感じる「虚無」のような「穴」であった。
連続している生命のサイクルには、「人が生きる」ということにつきまとう「埋まらない何か」がいつもある。
それがどのようになっていくのか、あるいは何なのかを、そっと指さすような物語が並んでいたのではないだろうか。

また、今回の企画は、「短編1本だけでは上演できないので」というハセガワさんの発言は横に置くとして(笑)、「少人数、どこでも上演可能なスタンダードを目指す」というコンセプトは素晴らしい。演劇全体のことを視野に入れての公演、つまり、劇団の主宰とはまた違うレベルの発想になっていたことも、ハセガワさんがきちんとプロデューサーとしての役割を果たしていたのではないかと思うのだ。

==================

ミナモザ『スプリー』
異様な緊張感で、女医が患者にまたがり胸を押すという行為と、その行為の意味がつかめてこないことへの不安が、密集した観劇状況と相まって、一種息苦しさを醸し出していた。
ときおり、挟まれる笑いの要素には救われはするのだが、その構造は男性医師が登場しても治まらない。
そして、患者の突然の独白になるのだが、これが唐突すぎて、たぶん笑いに変わっていく(すべてが「苦い笑い」に変わっていくというオチ)のだろうと思う自分がいた。そう思って見ていたので、結果「あぁ…」ということに。
ラストの台詞はちょっと短編っぽく、いい感じの幕切れ風にになっていたのだが。

絶対に埋めることができないとわかっている自分の心の穴を他者の痛みで埋めようとする女医の物語。
痛めつけようと思っていた患者が、女医の行動から、自分の「痛み」の「意味」を見出す。そして、そのことと、女医の行為とが偶然に交錯することで、1つの光が見えてくる物語になっていくものだと思った。
つまり、患者が、自ら「痛み」を差し出して、女医の心の穴を埋めようとする犠牲的精神を見せるラストにつながるということだ。「犠牲」に「暴力」で応えるというラストに。

この一瞬の光を見せるには、やはり、患者の「生き様」のようなものを、全編の台詞の中で感じ取れるようにすべきではなかったのだろうか。そして初めて、2つのベクトルが交差するという構造になっていくべきではなかったのだろうか。

短編だからこそ、うまく省略し、観客にある部分をゆだねながらそれは可能ではなかったのかと思う。それが、「長編の舞台ではできない醍醐味」ではなかったのか、と思うのだ。残念。


鵺的『クィアK』
これも息苦しい雰囲気を持った作品だった。
中盤までは「プレイなのか?」という言葉が頭をよぎったが、そういう「余裕」がない。強い言葉と、それに惨めに従う女性と、それを不快に見ている男性の3人がいる。
その3人の関係が、微妙な力関係にある(力関係が移動しつつ)、三角形を描いていることが終盤に見えてくるという趣向がうまい。

こちらは、「愛」という言葉はタブーのごとく、それをひたすら「肉体」と「お金」に置き換えて進行する物語。
逆に「愛」と言ってしまえば、すべてが崩れてしまうことが恐ろしい3人が、結局埋めることのできない心の穴を「肉体」で埋めていこうとする。

言葉にしないことで、逆に言葉に縛られてしまった3人なのだ。

常に大声を出している男が一番弱く、ほとんど口をきかない女が一番強いという構図も見えてくる。

ただし、大声は、全編でなくて、静かな怖さのようなものも感じたかったというのが本音でもある。


MU『無い光』
「死」もって心の穴を埋めようとする(した)物語。
「死」は最後の手段である。逆に最初の手段でもあろう。したがって、3本ともがこうなっていなかったことは、幸いでもある。下手をすると3本ともそんな方向に進みかねないからだ。

死をもって心の穴を埋めようとしながらも、「光」がほしいという欲望は、いいと思う。「生」への「光」もそこに同居しているからだ。
ほんとうにすべてに絶望していたら、「光」なんてどうでもいいことかもしれない。
「光」が救いのある話のもとになっている。

事故を起こした女性は、すでに「穴」は埋まらないことを知っている。それは、淡島通りを鎌倉通りあたりまで行ったところで、車がスピンするなんていう、正気の沙汰ではない走らせ方をしていたことでわかる。つまり、死んでもいいと思っていたということだ。

その事故ですべて終わりにすることができなかった女性は、運命にいろいろなものを奪われていくように見え、その実、手にしているモノが、確実にあるということが見えてくる。
彼女が手にしているのは、「自分を気に掛けてくれる人がいる」ということだ。
それが本当の意味での、彼女にとっての「光」であり、彼女はそれに向かって進むということなのだ。

これは、何ごとにも代え難い。
実は、前2本ともに、それが「隠れた」キーワードになっている。
横に誰が「いるのか」「いないのか」それが大切であり、それが「光」でもある。
「光」の前には「闇」はない、なんて陳腐なことは言わないにしても。

て、言うか、最初にかかっていたVelvetのSunday Morningでネタバレしてたってことだったりして(笑)。

ヘヴィになりがちな物語に、恋愛模様をうまく絡ませるあたりが、ちょっとおしゃれでMUっぽいかもしれない。

やはり短編を多く手がけているからか、手際がいいし、締まりもいい。観客への興味の持たせ方を心得ているようだ。1つひとつの動きに無駄がなく、うまい具合に引っ張っていく。

==================

3本のうち、2本上演後、休憩が入ったが、全上演時間や準備を考えてもその必要はないのでは、と最初は思っていたが、前2本の重苦しさで、休憩に救われた感がある(笑)。

「少人数、どこでも上演可能なスタンダードを目指す」のであれば、何をもってスタンダードになり得るのか、というレギュレーションも必要だったのではないだろうかとも思う(実際は、そんなことは、誰もわからないのだが・笑)。

また、「どこでも」ということはあるのだが、一番上演される可能性がある「劇場」を意識した作品であったほうがよかったのではないか、とも思った。というか、劇場で観たい。

今後、この企画はどのようになっていくのか興味津々である。
海の家 The Musical

海の家 The Musical

The Dusty Walls

吉祥寺シアター(東京都)

2010/09/24 (金) ~ 2010/09/26 (日)公演終了

満足度★★

ショーの方が面白かった
オリジナルミュージカルを作る団体の旗揚げ公演。まだまだ日本では根付いていない文化だからかどうかはわからないが、どうにも幼稚な感じがして寂しかった。俳優・脚本・演出…どのレベルも学生ミュージカル団体とのソレと差があるようにも感じられず、残念。ターゲットにしたい客層も不明確。僕は瀬戸宏一氏の笑いのセンスにはトコトン信頼をおいていますが、ミュージカル作品化によってそこすらブレてしまっている感じがして非常に残念。もっともっと、ある種“博打”に出たような作品を期待したい。学生劇団がやったら、もっと面白い作品だと思います。

ダイヤモンド、アウトレット、それからケヴィン・コスナー

ダイヤモンド、アウトレット、それからケヴィン・コスナー

劇団恋におちたシェイクスピア

こった創作空間(東京都)

2010/09/24 (金) ~ 2010/09/25 (土)公演終了

満足度★★★

う~ん
初見3団体の中短編と言う事で、かなり期待していたんですけどもねえ。自分の嗜好でない始まり方をされると物語に入り込むのに時間が掛ったり、逆に好みの入りをされたとしても最初からフルスロットルになることは稀で6~7割から尻上がりに上がってくる自分の観劇方法にも問題あるんですが、エンジン掛り始めて精神的に前のめりになった所で3本とも終わってしまったと言う感じがします。特に3本目は…詳細はネタバレにて書きます。
3団体ともがっつり長編を観たら評価変わるかなあと思いました。

ネタバレBOX

一番期待していた「劇団恋におちたシェイクスピア」さん、入り方も「ロックストック~」の「レザボアドッグス」風味で引き込まれました。それからは時間軸と各個人の見えない行動を巧く利用したマルチプロットを楽しみつつ、さあケビン・コスナーでどう落とすのかと期待したところの「続く」は無いですよ。予告編だったのかと思うと、ちと心が折れました。
レストランじゃないっ!!!【終了いたしました。ご来場ありがとうございました!!!】

レストランじゃないっ!!!【終了いたしました。ご来場ありがとうございました!!!】

コメディユニット磯川家

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2010/09/23 (木) ~ 2010/09/26 (日)公演終了

満足度★★★★

個性豊か!テンポ良く進展!
素晴らしい内装のレストラン。そして、まあいい加減な経営者やスタッフたち!

ネタバレBOX

はい、はい、どうぞどうぞ、

やったぁ、やったぁ、

がくっ、がくっ、…、がくっ、

テンポ良く進み、心地良かったです。

異常なもて男がいたり、浮気相手がバイトで来たり、奥さんもバイトになったり、男からももてたり、いつまでもトイレに行けなかったり、伝説の人がいたり、伝説にも温度差があったり、頭は薄いのに髭ぼうぼうになったり、どんどんスタッフが増殖したり…、にたにたしながら観ていました。

それぞれの役者さんは本当に才能が秀でています。7月、8月、9月と観ましたが、その快進撃には驚かされます。

安心して観ていられますは褒め言葉にならないと思います。磯川家の次のステップはどうしたらいいのでしょうか!?

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