ku-gu-tu/カイライ
進戯団 夢命クラシックス
新宿シアターモリエール(東京都)
2010/12/22 (水) ~ 2010/12/26 (日)公演終了
満足度★★★★
『KU-GU-TU』
『カイライ』の前日譚と言おうか「エピソード1」であり、開発されたくくりをめぐる陰謀…な物語。
それゆえ「くくり」とはどういうもので誰がどんな目的で開発したかなどもしっかり語られる分、アクションよりもドラマの比率が高い、的な。
その色合いの違いを喩えて言うならば、劇中(どちらも)台詞の中に出て来る『ターミネーター』よりも『エイリアン』に近い感じ?(110分と135分という時間もそうか?)
その味わいの違いもあってどちらも面白かった、やはり観る順はこの逆の方が良かったか。コマの関係でこの日しかなかったのがちょっと残念。
ku-gu-tu/カイライ
進戯団 夢命クラシックス
新宿シアターモリエール(東京都)
2010/12/22 (水) ~ 2010/12/26 (日)公演終了
満足度★★★★
『カイライ』
設定上は現代ながら、自らの判断で独立して動く自動人形「くくり」が登場するのが近未来的な一方、「くくり師」が糸操りのように「くくり」を操ると真の力を発揮できる(逆にくくり師が未熟だと真価が発揮できない)というあたりはレトロなニオイがするし、舞台が上海なこともあって全体がカオス、な独特の雰囲気がイイ感じ。
そんな中で動き回る登場人物たちも善・悪・脇それぞれに個性豊かに描き分けられていて魅力的だし、アクションもたっぷりの娯楽作。
ただ、135分はちょっと長いかな。
ボーナストーク
ホチキス
インディペンデントシアターOji(東京都)
2010/12/24 (金) ~ 2010/12/31 (金)公演終了
満足度★★★★★
大晦日。2010観納め!
初 ホチキス。サイコーでした!
あぁおもしろかった!!小玉久仁子さんおもしろい!
そしてラストはホロッと涙。加藤敦氏すごく良かった。
2010観納めにふさわしく充実した時間をすごせました。
大晦日まで芝居を観るようになるとは…思いもしなかったな。
ネタバレBOX
なにしろストーリーがおもしろい!
あやしい隔離病棟に想像妊娠で入院している
チンピラの男 赤井出祐三(加藤敦氏)。
(想像妊娠ってw 久しぶりに聞いたこのワード)
妻 赤井出恵(村上直子さん)も心配している矢先に、まさかの出産。
その男から生まれたかなりデスノートちっくな
魔界の王子(橋本哲臣氏)。彼が王になるまで、
2人は長〜いヘソの尾がつながったまま。
切り話すには生みの親のチンピラ 祐三に7つの大罪を犯させること。
悪魔…なにしろイイ!おもしろい!
祐三に「ブラックタイガー戦車」と命名された
魔界の王子(橋本哲臣氏)に、
説明台詞をバシバシ決めて笑いをかっさらっていく
魔界の女王 セリーヌディオンヌ魔蛭(小玉久仁子さん)。
彼女のコルセット風の衣装も「デトロイト・メタル・シティ」
ヨハネ・クラウザーII世顔負けのメイクも最強!
そして天使の英聖子(細野今日子さん)とできちゃってる
魔界の王子番エージェント 露木魔佐人(山崎雅志氏)。
エビス駅前劇場で観た時とは当たり前だがぜんぜん別人だったな。
イビョンホン悪魔版みたいなw 悪魔メイクが似合ってた。
ゲストは玉置 玲央氏(柿喰う客) DAY!
肉体美を披露してから、王子のネーミングを依頼され
「年の瀬太郎」女王からもう一声「デビルーマン」もう一声
(もう一声!っていう女王の顔がすごかったな)
「鏡餅くん」…もう一声、ラスト「寿くん」で命名。
神父 神泉順矢(須貝英氏)とのからみがおもしろかったな。
ゆるーい時間が流れてた。こういうのもアリかも。
祐三に大罪を犯させはじめる。
7つの大罪を犯すたびにシャンデリアのランプが1つずつ点灯する。
この木製のシャンデリアがすごくイイ。
照明具合で壁に現れる影がまるで巨大な蝙蝠が飛び交っているかの
様に見えたり。不穏で妖しく美しいものを生み出していた。
強欲、暴食、色欲、傲慢、嫉妬、憤怒、怠惰
次々と…中には苦労して…ランプが点灯していく。
でも王になるには祐三を…
別れ際の祐三の「俺が必要っていいやがったなお前。」
王子とのやりとりにホロッと。王になって去って行き…
成功報酬に願い事を一つかなえることができると
エージェントから。「............... 」と。爆音で聞こえない。
この後、病室でピストルの暴発で手にケガをして入院していて、
ベッドで目をさまし夢について妻との会話が…。
あぁ夢落ち…かぁと思っていたのですが、
お願いした成功報酬は…妻の幸せで
「お前を幸せにしてやってくれってな」…
夢じゃなかったかも「あなたが生きてて私、幸せだもん」…。
ベタなパターンなのにホロッとしちゃいました。涙。
でも…へその尾、なぜかお腹を触るとあったわけで…。
加藤敦氏すごく良かった。
という訳でいい気分で大晦日すごせて大満足でした。
次の作品も観たいな!
繋がらない世界の話【終演しました!たくさんのご来場ありがとうございました】
ソテツトンネル
RAFT(東京都)
2010/12/14 (火) ~ 2010/12/19 (日)公演終了
満足度★★★
繋がらない
繋がるような繋がらないような。
どちらかというと後半の2話の方が好みでした。
怖いような怖くないような。
繋がらないならまったく繋がらないままの方が良かったような、でも確かにお話的には何も繋がってなくて。
1つ1つ楽しめた舞台でした。
でも、どうせなら15分くらいにまとめて、もっとちみっと沢山あったほうが効果的だったかも?
また機会があれば。
時計じかけのオレンジ
ホリプロ
赤坂ACTシアター(東京都)
2011/01/02 (日) ~ 2011/01/30 (日)公演終了
パンフレットはオレンジ色を購入
映画しか観てないですが、かなり忠実だったと思います。ラストに驚いた!映像メインの装置がすごかったです。ベテランの俳優さんがかっこ良かった。
ネタバレBOX
ラストは原作に忠実のようです。バイオレンスからクリエイションへって、そんな展開になるとは想像つかず(セリフはうろ覚えです)。
大きな豚はあとから来る
渡辺源四郎商店工藤支店
こまばアゴラ劇場(東京都)
2011/01/02 (日) ~ 2011/01/03 (月)公演終了
満足度★★★★★
二日にわたって観たくなる秀逸さ
心の隙間がすっと満たされて
ほんの少し歩み始めるようなひとときに
がっつりと掴まれました。
戯曲に、観る側として
役者のお芝居をしっかりと受け入れ得る奥行きがあって、
幾重にも取り込まれてしまいました。
で、一部役者が変わることにも魅力を感じて
2日・3日両日とも観てしまいました。
ネタバレBOX
冒頭、
どこかステレオタイプな
新婚とも思えるような夫婦の会話がくっきりと演じられて。
シンプルにまっすぐ物語に取り込まれる。
縁薄く過ごしてきた女性を取り込む
中近東の見知らぬ王国への
嫁入りの誘い・・・。
嘘に巧みに編み込まれたリアリティが
女性の心の隙間にすっと入り込み、
膨らみ満ちていく。
男の手練と女の当惑が
すっと噛み合うところで一気に引き込まれました。
ほんの少しの踏み出しの刹那に
彼女の歩みがそれまでの実直さから乖離していきます。
騙されたというより
満ちるものに誘い込まれていく感覚が
しなやかに観る側に伝わってくる。
女は揺らぐし、疑う。
でも背を向けるのではなく、
むしろその手の中の刹那を手放そうとせず
守ろうとする彼女に
不思議な実存感が生まれて・・・。
男の言葉にうなずく女に対する
観る側の違和感までが
どこか滅失していくのです。
その男に過去に騙された女性が現れて
見透かしたような口調で
女の歩む先を浮かび上がらせるシーンも秀逸。
2日・3日と異なる役者で演じられましたが
同じ立ち位置に置かれたキャラクターから
異なるニュアンスが滲み出しておりました。
でも、それぞれに、
現実を突きつけるに留まらず
抜けられない女との対比のような達観が
それぞれのキャラクターの色でかもし出されていて。
天明留理子のお芝居からの対比として
結婚による女性としてのプライドの充足のようなニュアンスが浮かび
藤堂貴子のお芝居からの対比では
結婚によって担保される愛情の行き先のようなものが
感じられて・・・。
その違いに驚く。
朴訥とつぶやくように歌われる
「月の砂漠」から伝わってくる
素にされた業のようなもの。一人の女性が抱くコアの重さ・・・。
何度も立ち位置を変えて挿入される
ステレオタイプでどこか実態を喪失し形骸化した
冒頭からの家庭のシーンがボディブローのように効いて
観る側までが彼女自身の世界感に閉じ込められて。
今回は仕事は相応に出来るであろう銀行の女子社員という設定でしたが
初演の主人公の設定は異なったものであったといいます。
この戯曲、物語の芯にある女性に編み込まれた普遍性をいろんなバリエーションで演じることができるしなやかさを秘めていて。
でも、一方でその芯から浮かび上がる女性像は、役者たちの力量で大きく異なってくる気もして・・・。
観終わって、思い返し、さらには戯曲を読んで、
かめばかむほど、秀逸な舞台だと感じたことでした。
☆☆☆◎◎○○☆☆
新年工場見学会2011『ヤンキーのニセモノ』
五反田団
アトリエヘリコプター(東京都)
2011/01/02 (日) ~ 2011/01/04 (火)公演終了
新春恒例
プーチンズが面白かったです。毎年ありがとうございます。初心者にお薦めかどうかは、ちょっと考えたすえ「お薦めはしない」を選択。
新年工場見学会2011『ヤンキーのニセモノ』
五反田団
アトリエヘリコプター(東京都)
2011/01/02 (日) ~ 2011/01/04 (火)公演終了
満足度★★★★
観劇
観劇
ネタバレBOX
本年一本目の観劇っす。
好きだけど何となくタイミングが合わなくて、あまり見れてない五反田団。今回で3本目かな。でも、今回は本公演じゃなくて新春イベントといった感じだった。どうやら毎年やっているらしい。
前田さんは脚本も演出も素晴らしいのだが、私は実は役者前田司郎が好きだったりする。とにかく、いつまでも見ていたくなる役者だと思う。自分のフィールドだからなんだろうけど、とにかく力が抜けていて自由だ。かと言ってテキトーさを売りにしている訳ではないよ。地に足の着いた存在感がすごい。今回も出番は少なかったけど、舞台上にいるだけで安心感があった。あと幕間のフリートークも滲み出る味わいがあった。何て言うのかなー、他の小劇団主宰とは違う、もっと大きなものを背負っているストイックさも漂わせているんだよね。イベント最後の言葉に深い説得力と心に響く感銘があったのはそれ故か。
あ、そう言えば知らなかったけど、大好きな墨井鯨子さんが出ていて得した気分になった。
くせになる劇団という意味では五反田団はトップかもね。
ホットワインごちそうさまでした。
新年工場見学会2011『ヤンキーのニセモノ』
五反田団
アトリエヘリコプター(東京都)
2011/01/02 (日) ~ 2011/01/04 (火)公演終了
満足度★★★★
適度で絶妙なメリハリ
今年はゆるさのなかに
きゅっと締まった歯ごたえを感じる会でした。
ところどころに
すっと目や耳を奪うクオリティが含まれていて
とても楽しむことができました。
ネタバレBOX
シリアスすぎるとお正月の香りが飛んでしまうし
でも、グタグタするには役者がよすぎる・・・。
そんななかで今年は、
役者たちの個性をうまく生かした
メリハリが効いた出し物でした。
物語のコントラストを作ったり
数で圧倒したり
要所にきちんと奥行きを持ったお芝居を配したり・・・。
プーチンズやポリスキルなどのパフォーマンスにも
ぞくっとくるような手作りのクオリティの高さがあって・・・。
新年の初観劇にうまく味付けられた
初春のいごこちのよい催しでありました。
新年工場見学会2011『ヤンキーのニセモノ』
五反田団
アトリエヘリコプター(東京都)
2011/01/02 (日) ~ 2011/01/04 (火)公演終了
満足度★★★★
ものすっごく楽しかった。
黒田大輔がいい。もさっとした表情や驚いた表情がしごくいい。それに対する木引優子のぼんやりとしたふわっと感もいい。
全体的にコミカルな芝居だが、不思議でシュールな笑いも含めて過去数年の「新年工場見学会」の中では一番笑って、一番満たされた公演だったと思う。
ネタバレBOX
「黒田パン」ほど厭らしくてカッコ悪さが秀でたピーターパンもいないだろうと序盤から崩れながら笑った。本来のピーターパンは子供だけのワンダーランドで夢溢れる冒険ものだが、黒田パンは夢も希望もない苛められっこなのだった。そして大人のワンダーランドに巣食う暴走族が蔓延る島でもあったのだ。笑
そんなしょもないワンダーランドで遊ばれる黒田パンの飛び方は事務椅子の上に乗っかってブーーーン・・ブーーーン!!と観客に突っ込むような体で飛びながら、ってか動きながらヨタヨタと今にも失速しそうなナリなのだから、あまりにも哀れで可笑しくて、まるで、おぼっちゃま君を見ているようだった。
「ハイバイのヤンキーのニセモノ」も面白い。
父が失職して父の威厳を失った家族を描写したものだが、ここに登場するヤンキーたちの仲間に成り下がった父のヤンキーぶりが面白い。
ヤンキーらは興味を持てない実際の社会を可視できず、代わりに自分たちのフィクションの世界を作って実際の世界を上から塗りつぶすかのような不良文化を作り上げた。それは若者たちの共同の幻想でもあった。彼らはコンビニでたむろし、地べたに座って漠然とした天下統一や喧嘩上等の思想があったが、何の為に戦うのか中心部分は空洞だ。だからこそ若者は燃え熱狂するのかもしれないが。
父がこのフィクションの中に入り込んで「喧嘩上等」を掲げ雄叫びをあげるさまは、かつての全学連の「闘争」を見ているような感覚だった。不思議な青春の暗い奈落、若さを病み、未来を掴もうとするがゆえに今の現実を否定する。猪股にはそういった雰囲気を持った役者でもあると思う。笑
「ヤンキーのニセモノ」にはフィクションの中に、もう一つのフィクションがあり構成が面白いと思うと同時にキャストらの可笑しな仕草にも笑わされた。
とにかく楽しい。お勧め!
嫌な世界
ブルドッキングヘッドロック
サンモールスタジオ(東京都)
2010/12/17 (金) ~ 2010/12/31 (金)公演終了
満足度★★★★
2010年見納め
2時間半と長めの作品でしたがじわじわとした嫌な世界を堪能でき良かったです。
Wonderful World
賞味期限
劇場HOPE(東京都)
2010/12/22 (水) ~ 2010/12/26 (日)公演終了
満足度★★★★
2連勝
ごくオーソドックスな勘違いや嘘が累積されて行くタイプのコメディながら、各要素の組み合わせ方が巧みでテンポも良く、90分がまたたく間。
特に終盤でいろいろなトラブルが次々とうまく片付いて行き、パクリ疑惑のあるあのマスコットネタを使ったオチは絶品。
ここを観るのはまだ2度目ながらともにウェルメイド系で2連勝。
EVE~歴史の傍観者~2012
amipro
ザ・ポケット(東京都)
2010/12/22 (水) ~ 2010/12/26 (日)公演終了
満足度★★★★
小気味良いアクション
前半は若干(or more)無茶があるものの、クライマックスでアイコのグループと彼女たちを支持する男子高のグループ、それにアイコたちをライバル視していた生徒会グループが一丸となって秘密結社にあたるのはアツいし、炸裂するアクションも小気味良い。
06年6月の X-QUEST 版を観ていたものの、かなり記憶が薄れており、しかし観ているうちに当時のキャスト(の一部)を思いだしたりして、それもまた楽しからずや。
ボーナストーク
ホチキス
インディペンデントシアターOji(東京都)
2010/12/24 (金) ~ 2010/12/31 (金)公演終了
満足度★★★★
不自然なのに自然
究極的に作りこまれた不自然な設定なのに、自然に頭に入り込んでくるスムーズさは凄い。年末の観劇納めとしては最適の作品でした。
大きな豚はあとから来る
渡辺源四郎商店工藤支店
こまばアゴラ劇場(東京都)
2011/01/02 (日) ~ 2011/01/03 (月)公演終了
満足度★★★
信じたい
「信じたい」っていう気持ちがある人は強いなと実感。そう想い続ける限りは騙されたことにならないし。
サンタクロースが歌ってくれた
演劇集団キャラメルボックス
サンシャイン劇場(東京都)
2010/11/30 (火) ~ 2010/12/25 (土)公演終了
満足度★★★★★
懐かしくて嬉しくて
それだけで満足してしまいました。
一緒に観た友人も13年前の公演を観ていたので
二人して、果たして初めて観る人も同じだけ面白くて感動するのか?
という疑問を抱きましたが、冷静には判断出来ませんでした(笑)
25周年でファンには最高の贈り物だったんじゃないかなと思いました。
嫌な世界
ブルドッキングヘッドロック
サンモールスタジオ(東京都)
2010/12/17 (金) ~ 2010/12/31 (金)公演終了
満足度★★★★
いやいや素晴らしい
2011年もブルドッキングヘッドロックにはお世話になりそうだ。
大きな豚はあとから来る
渡辺源四郎商店工藤支店
こまばアゴラ劇場(東京都)
2011/01/02 (日) ~ 2011/01/03 (月)公演終了
満足度★★★
盲目的
やがては覚める現実逃避の楽しい時間。人生もまた夢。
ネタバレBOX
終盤の重たさがそれまでとギャップが大きすぎて、みていて少ししんどくなった。もうちょっと後味がよくならないだろうか。
国道五十八号戦線異状ナシ(再演)/国道五十八号戦線異状アリ(友寄総市浪短編集)
国道五十八号戦線
サンモールスタジオ(東京都)
2010/12/08 (水) ~ 2010/12/13 (月)公演終了
満足度★★★
異状アリ
虚構大好き。これで本当に最後か・・・
新年工場見学会2011『ヤンキーのニセモノ』
五反田団
アトリエヘリコプター(東京都)
2011/01/02 (日) ~ 2011/01/04 (火)公演終了
満足度★★★★
新年会のよう
初見。休憩込みで約160分。大入り。振る舞いワインあり。コメディーをベースとしたオムニバス5作品。客席も関係者が多いようで、全体的に和気あいあいとした感じ。