最新の観てきた!クチコミ一覧

138301-138320件 / 190025件中
ビリジアン

ビリジアン

アカネジレンマ

劇場HOPE(東京都)

2011/11/16 (水) ~ 2011/11/20 (日)公演終了

満足度★★

盛り上がりに欠ける
最初のセットの置き方と光の当て方は良かった。
ただ、話の盛り上がりに欠ける。

劇場HOPEは初めてで、
間口が広く、奥行きもあって良い劇場でした。

ネタバレBOX

話が始まった時からビリジアンはもう安定していて、恐ろしくもなく、
演技も脚本も日常的でドキドキすることがない。
いきなり人間関係のもつれが出てくるのだけど、
それもどこにでもよくある二股の話だったり、
どこにでもある望まない仕事に就くという悩み事だったりして、
特に大きな運命に動かされているということもなく、季節だけが過ぎていく。

「ビリジアン」はいろんなことを想起させる(最初の曲で分かる)ために
あえて輪郭をぼかしたのだろうけど、ぼやっとしすぎて
ビリジアンを取り巻く環境を描いているのに、話自体がぼやっとしてしまう。
妊娠して子どもが生まれるというところだけが生々しいが
どうせ危害を加えないとわかっているので(腕は折れるらしいが)、
展開が予定調和だと感じる。そうこうしているうちに終わってしまう。

ちょっと主張不足な印象。
「ビリジアン」について見せたいなら、
もっと観客をビリジアンにくぎ付けにさせる手法をとるべきだし、
人間関係を見せたいならもっと綿密に描くべきだし
これが現実でなく舞台であることを折り込んだ小ネタはいらないと思う。

祈り

祈り

劇団だるま座

座・高円寺2(東京都)

2011/11/15 (火) ~ 2011/11/18 (金)公演終了

満足度★★★★★

演劇の王道
とも云えそうなけれんみの無いストレートな演出とお芝居でした。50人を超す役者さんが舞台に上がるにもかかわらず、スポットライトを多用したライティングで、舞台はむしろ静謐感に溢れている。思い切って簡素化した美術も、このお話に不思議な清潔感と品格を添えていた。お話の始まりはいつも一個のバックライトから。導入部が明快で分かりやすく、観客側も話の受け入れ準備ができる。こんな細かい工夫がいっぱいで、誰もが感動できる舞台になっていました。役者さんの達者な演技は言うに及ばす、いつもながらに美しい台詞回しと真摯な演技に感動。終幕の一つ残された荷車に、その後の彼らの人生を感じさせられました。だるま座渾身の作品ですね。レパートリーにぜひ加えて欲しいです。

ネタバレBOX

圧巻は愛憎を経た後に分かれるテヴィエと肉屋の別れのシーン。二人の男が抱き合い、背中を叩き合いながら、大家族を率いていかねばならない男と、たった一人見知らぬ土地に旅立たねばならない男が万感の思いを込めて、互いの越し方、行く末を思い抱きあう。哀しく、少し滑稽で、そしてとても印象に残る美しいシーンでした。もうね、ここでこらえていた涙がドバーッと。本当に魅せられました!
検察官

検察官

柿喰う客

こまばアゴラ劇場(東京都)

2011/11/12 (土) ~ 2011/11/28 (月)公演終了

満足度★★★

プレヴュー拝見
本も演出も役者さんもテンポも良く、面白っかったです。最前列で見たため、字幕が見切れてしまい、残念でした。壁上方に、大きめな文字で、字幕が出ますので、前より3列目後方のほうが、見やすいかも・・?

ネタバレBOX

日韓交流の為か、部分的に韓国語のセリフで、壁上方に、大きめな文字で、字幕が出ます。親切だと思うのですが、最前列だと、見えない部分もあり、字幕を追うことで、自らフレームを付けたように、視野が狭くなり、肝心な役者さんを追いきれなくなってしまったのが、残念でした。
韓国語が全然わからない私にも、なんとなく解ることもあり、役者さんが、凄いと思った。
長文になると、やはり字幕が欲しいが、上記の理由で物足りなさが、残ってしまいました。
韓国公演する時には、必要かもしれませんが、日本公演時には、長文の字幕部分もっと、少なくしても、日本語でも良いのでは?

テンポ良く、出入りの動きや、ダンスのような一体感のある動きや、導入曲も良かったです。
49

49

ムシラセ

サンモールスタジオ(東京都)

2011/11/16 (水) ~ 2011/11/23 (水)公演終了

満足度★★★★★

頭がかき回される感じ
人の輪廻転生を扱った作品でした。

途中から今までの話がつながり出し、今までの言動と、現在の結果と、進んで行くお話を見ながら、同時に今までの内容も思い出しつつ。
と言う、頭の中で二重の時間が流れて行く様な具合で、頭を使いながら観ていました。

色々と考え込まれたストーリ展開と、少人数で色々な役を兼ね合う所、一つの舞台での場面転換など、スムーズに観客側にわからせる手法は見事でした。

ネタバレBOX

三話から成り立っているお話ですが、
一話はかなり場面転換が多かったのに、その他の話はそれが全くと言うほど無く、バランスの悪さが目に付きました。

また一話の虫がかなり魔法的な力を使う事に重点が置かれていたのに、それ以外の虫はあまりそこには重きがおかれておらず、虫自体がどういう存在で、自分の来世に対して、「変えたいのか見守りたいだけなのか」、のスタンスの部分で、筋の通っていない部分が見受けられた様に感じました。

アラカン!

アラカン!

劇団テアトル・エコー

恵比寿・エコー劇場(東京都)

2011/11/11 (金) ~ 2011/11/23 (水)公演終了

満足度★★★★★

客観的な視点で楽しめるコメディ
脚本が面白く、登場人物一人一人がよく描かれていて、とても楽しめる内容だった。

いわゆるバックステージもので、それが中高年の養成所を舞台にしているところが興味深い。

シェイクスピアの「オセロー」を先入観なしに素直に客観的にみつめる視点も生かされていて、秀逸なコメディ。

最初、休憩込み2時間30分と聞いて、観劇前は長すぎるのではと思ったが、まったく飽きさせない。

人情味も入れながら、湿っぽさがない幕切れにも好感が持てた。

唐沢伊万里さんの次回作にも期待したい。

ネタバレBOX

俳優陣はそろって好演されているが、演出家・片瀬の後藤敦と看板女優・八神の南風佳子が特に印象に残った。

片瀬は登場したときは厳格な劇団生え抜きといった趣だが、アマチュアに辛抱強く合わせていくところがとてもよく、捨て台詞の間が巧く、効いている。

南風の八神は劇団の看板女優らしい華と貫禄があり、イアーゴーの男役の颯爽とした風姿が素敵だ。

ただ一点、私が観た回は演出助手里村を諭す場面で「月島さん!」と言ってしまったのが残念。

里村役の沖田愛も目立ちすぎてはいけない役だが、控えめでも役の性根をしっかり表現しているのは若手ながらさすがだと思った。

ミュージカル好きの元銀行員向井(小宮和枝)がいちいち踊りながら演技して、足がつってしまうところは思わず笑い転げてしまった。

だが、彼らの「オセロー」は終盤はミュージカル仕立てになっているのがご愛嬌。

「確かに、最近のミュージカルは、必ずこういう歌が入るなー」とか思って観ていた。

要所要所に入る創設者・広川役の納谷悟朗の独白ナレーションを聞きなが

ら、テレビ草創期、洋画の声優として活躍されていたかただけに、その声に歳月を感じた。

ノーアート・ノーライフ

ノーアート・ノーライフ

ナイロン100℃

本多劇場(東京都)

2011/11/05 (土) ~ 2011/11/27 (日)公演終了

満足度★★★

結構笑いを取っていました
しょうもない男たちをコミカルに描く。でもあまりメリハリがなくて途中眠くなってしまいました

祈り

祈り

劇団だるま座

座・高円寺2(東京都)

2011/11/15 (火) ~ 2011/11/18 (金)公演終了

満足度★★★★★

しみじみと感動
異教徒同士が互いの領分を尊重しつつ平和に暮らしていた村人(ユダヤ教徒)に「お上」とかいう事情も知らない奴らの理不尽な仕打ち。歌がないので家族の物語がそのまま強烈に伝わってきて、終盤からは涙が止まらず。こんな素晴らしい公演がたった4回だけとは!見られる方はあとマチネ2回だけだけど劇場に足を運んでみてください。

ネタバレBOX

ミュージカルではないけどバックに流れる音楽はもう少しバラエティがあった方がいいと思う。でも4回公演じゃそこまで予算ないよね。
ビリジアン

ビリジアン

アカネジレンマ

劇場HOPE(東京都)

2011/11/16 (水) ~ 2011/11/20 (日)公演終了

満足度★★★

着想、
アイデアはいいと思いました。

ネタバレBOX

全くの架空の巨大生物ビリジアン、コアラが巨大化したようですが、ヤギとかそういう血統も混じっているようです。そして、大怪獣東京に現るのように舞台上では姿は見えません。土田英生さんの巨大物のような印象です。巨大化の原因については一切触れていませんでした。

着想はいいのですが、ビリジアンが来て9年目ということもあってか、町民を巻き込んだような事件らしい事件、イベントが起きないのが難で、盛り上がりに欠けました。

冒頭の出社シーンはいいとして、通訳係を見送った後に一人ずつ入ってくるとか、ラストの出社シーンも一人ずつ入ってくるとか、もう退屈で我慢できませんでした。

その通訳係の退社の挨拶にしても一人ひとりにコメントしていて、そんなに重要な場面かよといらいらしました。冒頭の朝礼シーンで所長があと一つと言って止めるのもテンポを悪くするだけでした。

表山が最後骨折していて、一人前になったんだなと微笑ましく思いました。ただ、表山だの俵山だののエピソード自体要らないのではないかと思いました。

観光がダメになったら布団産業があり、毛が生えなくなったら猫との間に生まれた子供でまた観光で生きようとするたくましさははいいですね。
岸田國士傑作短編集

岸田國士傑作短編集

文学座

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2011/11/04 (金) ~ 2011/11/13 (日)公演終了

検察官

検察官

柿喰う客

こまばアゴラ劇場(東京都)

2011/11/12 (土) ~ 2011/11/28 (月)公演終了

満足度★★★★

観た
相変わらずテンポの良さリズミカルな動きで魅了する。
韓国の役者のセリフが片言の日本語で聞きづらいが逆に誤解を生んで嘘をつく演出になって面白い。(韓国人も日本の役者の韓国語のセリフは片言に聞こえるらしい)
交流パーティ、ビールご馳走様でした。

帰ってきた ザ・バックストリート・シャイニングス

帰ってきた ザ・バックストリート・シャイニングス

スクエア

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2011/11/10 (木) ~ 2011/11/13 (日)公演終了

満足度★★★★

癒された。
ほのぼので心がほっこりした。
終始クスクスニヤニヤで、とても楽しんだ。
歌で楽しませる、何も考えず心のそこから楽しめる公演だった。
大阪の劇団って笑いのツボをよく知っている。

ビルと廃材

ビルと廃材

拘束ピエロ

Studio Hatch(東京都)

2011/11/08 (火) ~ 2011/11/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

引き込まれた
とても面白かった。
雰囲気のある狭い会場(地図があっても一人ではたどり着けない)をとても上手に使って、好印象。
自己啓発的なストーリーにリアルに役者や演劇をやる苦悩が表現されていた。
いくら好きでも、それだけでは生きていけない食べていけない現実がよく分かった。
ぜひ、出演者みなさんの夢をかなえて欲しいと思う。
椎谷万里江さんがとても良かった。

酉谷家の人々〜ブラザーズ・シスターズ〜

酉谷家の人々〜ブラザーズ・シスターズ〜

82-party

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2011/11/10 (木) ~ 2011/11/13 (日)公演終了

満足度★★★

うーむ。
丁寧に描くと言うより単調になってぼやけた印象。
長いし何が言いたいのか、やりたいのかイマイチ伝わらなかった。
いきなり父が出てくる意味が良く分からないし、いくら疎通でも母親が亡くなった時の描写に違和感があった。
もう少し緩急をつけて90分くらいに出来たら観やすかったかも。

ビールご馳走様でした。

アラカン!

アラカン!

劇団テアトル・エコー

恵比寿・エコー劇場(東京都)

2011/11/11 (金) ~ 2011/11/23 (水)公演終了

満足度★★★★★

”アラウンド還暦”最高に楽しめました。
素人っぽいアラカン世代が「マクベス」を創り上げていく過程に無理がなく、なんだか還暦になった時の楽しみが増えたような気分に・・・
南風佳子の演じる女優とその他の出演者の演じるアマチュアの演技(役柄上の)の対比も見事で劇中でありながら、さすがプロの迫力は違うわ!と思ってしまいました。素晴しかったです。

A-1グランプリ予選Vol.4

A-1グランプリ予選Vol.4

劇団福耳

四谷アウトブレイク!(東京都)

2011/11/11 (金) ~ 2011/11/11 (金)公演終了

満足度★★★★

観てきた
観客投票型イベントで、審査員気分で観劇。観客も満員で熱気があってとても盛り上がった。
入場がスムーズではなかったり、遅れてきた人は前半の劇団を観ていないのに投票すると言った運営上の問題点はあるが楽しめた。
そんな中、不利な2番手の登場となった「青春事情」が優勝したのはとても立派で素晴らしい出来だった。(自分も投票した)
ぜひ本公演も観たいと思った。

アンダーグラウンド ファンク

アンダーグラウンド ファンク

あなピグモ捕獲団

参宮橋TRANCE MISSION(東京都)

2011/11/10 (木) ~ 2011/11/13 (日)公演終了

満足度★★★

惜しい。
言いたい事やりたい事は何となく伝わるが何か噛み合わない感じで残念。
所々でよい演出や印象的なシーンがあるのだけれど・・・。
3姉妹の独特の空気やテンポが好み。
もう少しでとてもよい作品になりそうで、もったいない。

鴻上尚史氏、第三舞台の影響を強く受けているように感じた。

東京ミルクホールの快傑ハリマオ〜双頭の虎DX〜

東京ミルクホールの快傑ハリマオ〜双頭の虎DX〜

劇団東京ミルクホール

SPACE107(東京都)

2011/11/16 (水) ~ 2011/11/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

いい!!
一年ぶりだったけどやっぱりよかった!
東京ミルクホールらしい、一体感のある舞台!!
初日お荒削り感がない日曜とかにもう一度観に行こうか・・・

いろいろ言いたいが言えないな・・

新宿コントレックス Vol.2

新宿コントレックス Vol.2

新宿コントレックス実行委員

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2011/11/16 (水) ~ 2011/11/16 (水)公演終了

満足度★★★★

さらに深化。
「笑い」をもたらす表現であることを条件に募った個人/団体のよりすぐりの作品を、一度にいくつも観ることができるという一夜限りの祭典で、開催期を3ヶ月以内という「ハイペース」で行うということを掟に開催しているイヴェント、新宿コントレックス。
このイヴェントを企画したのは今、首都圏界隈のコメディやってるあれこれで最もイケてるアガリスクエンターテイメント。開催場所は彼らのホームグラウンドだというシアターミラクル。ここは普段、お笑い系のライブを多く上演している劇場なのですが、そういった場所にあえて活動拠点を置くのは、お笑い/演劇のジャンルを問わず楽しんでもらいたい、という願いがあるからなのだそうです。
そういったイヴェントの趣旨や開催目的が当日パンフレットに丁寧な挨拶文で記載されているのでイヴェントとしての信頼性が高く、また出演した団体紹介に関してもどういった類いの作品を作っているのかが明確に書かれているので、後々思い返した時のいい手がかりになりそうです。
そして、こんなに楽しいイヴェントが考えられないような価格で楽しめるというのもあって、このイヴェントにわたしはちょっとクラクラしてます。笑

ネタバレBOX

■ヨコスカトイポップ ★★★
『うんちく』3人の男女がそれぞれうんちくを披露。あまりにもくだらない時に頭をスリッパでちょっとたたかれる。だんだんKYなこといったからとかじゃなくて、リズミカルでいいね!とかそんな感じのノリになってくその常識のズレ加減がちょっとおかしい。

『次元の隙間』漫画家(女)の家を訪ね、結婚したことを報告する編集者(男)。
その相手とは、漫画家の描くキャラクターだった。編集者と両想いだと信じていた漫画家は振り向いてもらうため、必死のアピールを試みるがあえなく撃沈。2Dと3Dの齟齬による恋愛って割とありがちだけど、実は変態だったって驚きから漫画家先生の熱が急降下していくときの表情がおもしろかった。「どうぞお幸せに!」と吐き捨てたラストは痛快。

『妖精さん』小腹が空いてお菓子を食べようとしたあるひとりの女子のもとにお菓子の妖精があらわれてちょっかい出すってはなし。どうしたって妖精にみえない妖精がお菓子メーカー1つにつき1人の妖精がいるとか、大御所のお菓子メーカーは呼び捨てで読んじゃダメとか、日本と海外だと装いが違う、とか妖精界の規律/規範を熱く語るすがたが笑えた。

どの作品も、見た目普通のひとたちからはじまるカミングアウトを起点にしたすこし浮世離れしてる「あっち側」のひとたちとのふれあいからじわじわくる笑いで楽しめました。


■コーヒーカップオーケストラ ★★★★
『殺し兄弟 2011』タイトル通り、殺しを依頼された兄弟と依頼人のヤクザのコント。
兄弟はウィンブルトン選手権を目指しているらしいのだが、手にしているのはバドミントン。
WHY??とおもわずにはいられない、しかしそんなことすらどうでもよくなる力技万歳、シュールななりきり系。弟役の後藤さんが弾けてた。

『芦田愛菜、休日に山へ行く』ドリームズカムトゥルーの「晴れたらいいね」に合わせて愛菜ちゃんの山登りを実況中継。スタッフ役(宮本さん)がその都度「晴れたらいいね」の歌詞を状況確認の掛け声として引用するのがなんともおかしい。ここでも芦田愛菜ちゃん役の後藤さんが弾ける弾ける。

『OPPAI 祭り』知らぬ間に乳房を落としてしまい、慌てふためく女を「祭りだ!」と言って小馬鹿にする男たち。ブチ切れた女は乳房なんていらない宣言。
そのスピリッツに感銘を受けた男とゴールインするという、愛のものがたり。
OPPAIネタでうわーって盛り上がる中学生的なアホ臭さもさることながら”ありのままのわたし”が受け入れられるという救いがあるのがいいなぁ、と。あと、ハマりすぎの宮本さんの女装もナイス。

『最後の号令』転勤のため、このラーメン店で働くことが今日で最後の店長がバイトのふたりとお店であった悲喜こもごもを振り返りながら終礼(最後の号令)をする。
ラーメンの汁をお客さんの服にこぼしたこと、床に落ちたチャーシューをそのまま皿に入れようとしたこと、無断欠勤、そして店長とバイトくんの彼女が実は関係を持っていたということ。
実はそれが引き金となって埼玉の店舗から千葉の店舗に移動になったらしい。店長は男泣き。バイトもつられて嗚咽を漏らす。それにいい塩梅で流れ出すビートルズのレットイットビーのギャグめいた哀愁のダンディズムったらない。超笑わせてもらいました。


実はコーヒーカップオーケストラを2年前にみた時はおもしろいところはたくさんあるけど、全体としてみると、すごくおしい!!って印象が残ったのですが、わたしが今まで面白さを見落としていたのでしょうか。かなり、おもしろかったです。
笑いの類いとしてはカブリものだったり、なりきり系だったり、ちょっと見るからにオカシイなひととかが困ってたり怒ってたりする古典的な感じではあるんですが、全力で体当たりしてる様に、徐々に前のめりになってしまい、ズルズルとその世界に引き寄せられていきました。ひとまず12月の公演、チェキります。



■アガリスクエンターテイメント ★★★★★
『AC~アガリスクコント~5』
エクストリーム•シチュエーションコメディ(ペア)

冒頭で、ワークショップでひとが来なかったからふたりでやることになったこと、「バッドバースデー」というイギリスの戯曲を上演することが伝えられる。

舞台はとある一軒家。今日はこの家の主、ヘンリーの誕生日。
彼はホームパーティーの準備に追われる妻のブレンダが不在なのをいいことに不倫相手のローズを部屋に連れ込みよろしくやっていた。そこへ妻のブレンダのまさかの帰宅。ふたりが鉢合わせしないように『嘘をつき』『誤摩化す』ヘンリー。しかし事態は余計ややこしくなり、更に追い打ちを掛けるかのようにして、ローズの夫、ドンまで居場所を嗅ぎ付けてやってきてしまう。更に、ヘンリー家に水道屋としてやってきた男にも秘密があって...。

今、この場所で、会わないほうがいいひとたちが、入り乱れることで生まれる齟齬。
その関係性の相関図を、理詰めでみせられたのが2010年に見たみんなの部屋だった。

2011年の10月にみたファミリーコンフューザーでは、痴呆のひとからみてそのひとが、今、誰なのかわかるように、ネームプレートをつかって示した。

今回の公演ではこれらふたつの方法は更に深化/進化を遂げていた。
まずこの戯曲は、5人登場する。しかし役者はふたりだった。どうしたって3人足りない。
だったら、手の空いたほうが、それをやっちゃえばいいんじゃないか、というのが今回。

その方法は、5つの野球帽に登場人物の名前がそれぞれ書かれたものだった。
その帽子をかぶることでふたりは誰かになる。その役は常に代わる。

これは、チェルフィッチュが一世を風靡した『主体と客体が入れ替わり、役がローテーションしていく』あれだとおもった。

でも、アガリスクはもっと進んでいた。
『役』というもの、その不確定性原理に、『嘘をつき』『誤摩化す』という誰もがそれを知りながら、見ないフリをしてきた超根源的なことを、逆説的に暴露してしまったからだ。

これは、誰もまだみたことがない、最先端の、行き過ぎたコメディだったといえる。
この先、アガリスクエンターテイメントはどこに突き進むのか。楽しみだ。

しかし、冒頭でイギリスの戯曲って言ってたけどあれは本当だったのだろうか。
ワークショップは誰も来なかったのは嘘でした!て浅越さんが言ってたけれど。

そういえば、いくら虚構だからとはいえ、明らかに成立しない場面だったり、どうしようもない時に役を放棄しようとしてピ!て笛を鳴らして「はみ出さない!!」て言うやつ、おもしろかったな。
あぁいうのいい。
朝越さんて安定した説得力がある感じがする。
少年のまま大人になったみたいなあどけなさがあるのに、不思議。
塩原さんの、すっとぼけ方ってなんかすごく洒落てる。なんか、汗臭くないというか、西洋的。
そんなふたりの息がぴったりで、みていてすごく心地よい。



■ハーリ•クィン ★★★★★
膨張する宇宙によってもうすぐひとが暮らせなくなる惑星から、人々の期待を胸に日本に上陸した宇宙人の男はひとりの女性に恋をする。日本語の英才教育を受けた男はしかし、J-POPでしか話すことができなない。ふたりの声は、想いは、うたとなって響きわたる。しかし、永遠は続くはつづかなかった。マグマが吹き出し、ただちに宇宙を脱出しなければ宇宙人は滅びることとなる事態が訪れたのだ。仲間を助けるために宇宙へ行き、再び日本に帰ってくると60年もの月日が流れていたのだった...。

J-POPという誰かへの気持ちをうたった言葉ではあるものの、『あなた』へのものではない言葉でしか、伝えあうことができないという、ディスコミュニケーションが、 J-POPを重ねるたびに余計なことを言うよりも『こっちの方が伝わるんじゃないか』と思わせる凄みが増していくようで、はらはらした。

異星人と地球人の交流を描いた作品は多々あれど、これは今までに見たことのない斬新なドラマだったとおもう。

去年、今年と2年連続でアガリスクエンターテイメントの『無縁バター』で債権回収者の役で出演されていた望月雅行さんと、ファミリーコンフューザーに出演されていた大久保千晴さんが好演。
東京ミルクホールの快傑ハリマオ〜双頭の虎DX〜

東京ミルクホールの快傑ハリマオ〜双頭の虎DX〜

劇団東京ミルクホール

SPACE107(東京都)

2011/11/16 (水) ~ 2011/11/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

予想以上だよ!!!
初日、観てきました♪
ミルクホールらしい、盛りだくさんの舞台。
最初から、ぐんぐん引き込まれ、気がつくと終わってました。
1回じゃ、もったいない。
だって小ネタが満載だから、観るたびに楽しさが増えていく~~~!!

そして、今回は芸能界の超大物が・・・
観ればわかります。

女装男子が美しくて、うっとりしました♪

49

49

ムシラセ

サンモールスタジオ(東京都)

2011/11/16 (水) ~ 2011/11/23 (水)公演終了

満足度★★★★★

「ムシノシラセ」

それは、子どもの頃よく耳にした言葉でした。
特に意味を考えず、何か感覚的なものなのだと自然に理解していました。

大人になった今。
社会に揉まれ、時間に追われ、その感覚はいつの間にかどこかに忘れてきたのか
もしれません。


「ムシノシラセ」

それは、未来の自分から現実(いま)の自分へのメッセージなのだと思います。



ネタバレBOX


率直な感想として、設定が面白かった。
謎めいた始まりから、点と点がつながり、3人のキャラクターが一つに繋がってい
く様は、見ている者を魅了しました。

この、3人の人物像はだれもが共感をおぼえるのではないでしょうか?



夢に向かって闘う人達。

過去を受け入れて闘う人達。

本当に闘っているのは、今を生きる自分なのです。



理想を描き、それに向かうも上手くいかず、投げ出したくなる。
矛先を他人にむけたくなる。

都合良くごまかしていた自分を、奮い立たせてくれる。
そんな夢を与えてくれる舞台でした。

いや、夢を現実にさせてくれる舞台でした。


二度、三度。
回数を重ねるごとに新しい見方が無限に広がるのではないでしょうか。

とても、深イイ舞台です。


ぜひ、また見に来たいです!!

このページのQRコードです。

拡大