最新の観てきた!クチコミ一覧

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『ナツヤスミ語辞典』

『ナツヤスミ語辞典』

演劇集団キャラメルボックス

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2011/08/03 (水) ~ 2011/08/11 (木)公演終了

満足度★★★

両バージョン観劇
<本痴気>面白かった~!中屋敷演出は若干抑え気味な気はしましたが、返って違和感なくすんなりと受け入れられた気がします。熊川さんが、以前同じ役をやっていた藤岡さんの雰囲気と似ていてちょっと驚きました。

<乱痴気ステージ>ミスも多かったし、途中で演出からストップがかかるハプニングもあり。しかしそれもレアな体験と思ってしまう一種のお祭りのような高揚感が。もちろん本痴気の方が完成度もキャスティングも上だけど

ヴィラ・グランデ 青山 ~返り討ちの日曜日~

ヴィラ・グランデ 青山 ~返り討ちの日曜日~

東宝

シアタークリエ(東京都)

2011/11/11 (金) ~ 2011/11/27 (日)公演終了

満足度★★★

なにも残らず
たくさん笑って、その場は楽しかったけれども・・ほんのちょっと消化不良気味かなぁ・・。
竹中さんと生瀬さんだけ、もしくは、あと一人か二人(山田優ちゃんか田口さん)で、観たいなと思いました。他の二人が悪いのではなく。

【公演終了!】インパーフェクト・ラブ【ありがとうございました!】

【公演終了!】インパーフェクト・ラブ【ありがとうございました!】

ひとくちさいずプロデュース公演

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2011/11/23 (水) ~ 2011/11/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

無題202
なんとか開場時間に間にあいました。わかりやすいお話とキャラクター設定、舞台奥スクリーンの映像、音楽、効果音、アクションのキレ、楽しく観劇できました。非番のイエロー、ジャージ左腰のネーム…当パンをみると…ナルホド。

ネタバレBOX

武器を合体させるっていうのは、今では普通のことなんでしょうか。「戦隊」という言葉を知ったのは「レインボー戦隊」だからなぁ、これも誰も知らないか…。

悪の軍団組が結構好きです、魔人のアクション、3号+4号の凸凹。
佐久間さん...表情、しぐさ、口調、どれもいい(というか、正直に私好みというべきか)。
ジゴクレディにもキュンとするシーンがほしい。
途中で親子だろうなと気付くようになっていて、最後のシーンもちゃんと筋書き通りだと思ってみていました。
別れと出会い、不信と理解、やっぱり目指すは大団円。
普通は悪を倒してメデタシめでたしなんだろうけど、今夜はそうではありません。簡単なことではないし、都合がよすぎるかもしれないがこれでいいのだと思ったのでした。
ドコニ・私の元気

ドコニ・私の元気

ショーGEKI

新宿シアターモリエール(東京都)

2011/11/19 (土) ~ 2011/11/27 (日)公演終了

満足度★★★

女主人公再演Ver観劇
楽しく観劇しました。ストーリーはまずまず面白いでしょう。ただ,元気をもらうまでには至らなかったなぁ。各人のキャラははっきりしていて,それを突き進んではいるものの,最後には芝居の主張が漠然としたままで終ってしまった感じです。35歳での再出発,3年の間に何を見つけたのでしょうか?あと,元気君と元気さん,彼らの存在の意味はなんだったんでしょう?面白かったんだけども・・・自分には残念ながら響きませんでした。

さいあい~シェイクスピア・レシピ~ 感劇市場

さいあい~シェイクスピア・レシピ~ 感劇市場

tamagoPLIN

学習院女子大学 やわらぎホール(東京都)

2011/11/20 (日) ~ 2011/11/20 (日)公演終了

満足度★★★★

熱演
手作り感に溢れた温かい作品。大学内のホールで、学生にもどったような懐かしさもあって若い役者のみなさんをこれからも応援したいと思った!

ZED【12月31日で公演終了】

ZED【12月31日で公演終了】

CIRQUE DU SOLEIL

舞浜アンフィシアター(千葉県)

2008/10/01 (水) ~ 2011/12/31 (土)公演終了

あんまり
感動しなかった

【公演終了!】インパーフェクト・ラブ【ありがとうございました!】

【公演終了!】インパーフェクト・ラブ【ありがとうございました!】

ひとくちさいずプロデュース公演

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2011/11/23 (水) ~ 2011/11/27 (日)公演終了

満足度★★★

戦隊物だけど
乙女チックで現実的な話。

ネタバレBOX

完璧戦隊が最後恋愛戦隊に変わっていて、素敵!

白黒つかない灰色の現実、小学生の遠足のおやつに500円以上をそそのかしたからといってジゴク軍団のメンバーを殺すことはないでしょうって。

潔癖症的戦隊を離れたジゴクシルバー、彼がヒレンイエローの父親だとすぐ分かってしまったのがちょっと残念なところです。

男であるヒレングリーンを女優さんが演じていたのは可愛くてよかったです。

冒頭のレッドのタイツ姿はちょっと恥ずかしかったです。周囲の人も助言してあげてほしかったです。言いづらい環境こそ実は完璧じゃない戦隊だったってことですね。
戦場晩餐

戦場晩餐

パラドックス定数

SPACE EDGE(東京都)

2011/11/19 (土) ~ 2011/11/23 (水)公演終了

満足度★★★★

今回は戦場の片隅
野木萌葱さんは素晴らしい才能を持った方ですね。今回もうならせてくれました。
会場設定もそうだし、料理を扱うという手も見事です。

役者陣も、いつもにましてやってくれました。
素晴らしかったです。次回も必ず観に行きます。

チェルフィッチュ『ホットペッパー、クーラー、そしてお別れの挨拶』

チェルフィッチュ『ホットペッパー、クーラー、そしてお別れの挨拶』

鳥の劇場

鳥の劇場(鳥取県)

2011/09/23 (金) ~ 2011/09/25 (日)公演終了

満足度★★★★

初めて
みました。環境も独特で、観る前からテンションが上がりっぱなしでした。

ネタバレBOX

グググっと観客の視線を集める独特な科白と動きに圧倒されました。
なんだか上手く言葉にできないんですが、「日常」の中の「非日常」を垣間見たような気がしました。
49

49

ムシラセ

サンモールスタジオ(東京都)

2011/11/16 (水) ~ 2011/11/23 (水)公演終了

満足度★★★

人生ってこんなもの
何度生まれ変わっても、同じような人生を繰り返す。人間なかなか成長しないものですなー。3つのエピソードでは最後のが一番よかったです。

俺んちに神様!?

俺んちに神様!?

タッタタ探検組合

タイニイアリス(東京都)

2011/11/17 (木) ~ 2011/11/23 (水)公演終了

満足度★★★★

楽しめました
狭いステージに大人数でのパフォーマンスは実に圧巻。いつものノーテンキなノリとはちょっと違ったテイストが入ってましたね。大いに楽しめましたが、大入りギュウギュウ詰めの客席での体育館座りはかなり疲れました。あおきさんのヘアスタイルにはちょっとびっくり。

官能教育第四弾「藤田貴大(マームとジプシー)×中勘助『犬』」

官能教育第四弾「藤田貴大(マームとジプシー)×中勘助『犬』」

Produce lab 89

音楽実験室 新世界(東京都)

2011/11/23 (水) ~ 2011/11/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

壮絶
壮絶。1時間強だけど体感時間は2時間ぐらい、の、体験。終演後のトークで演出家が積極的に語ってくれて、ものすごい夜になった。しばらく他のお芝居見たくなくなるぐらい。刺激の強いお芝居ですので、そのおつもりでぜひ。あえて初心者オススメマークにしてみました。

ネタバレBOX

当日パンフレットも作品にリンクしてて、寺山修司作品を思い出したり。
= TANGO Doki Doki =

= TANGO Doki Doki =

DIAMOND☆DOGS

天王洲 銀河劇場(東京都)

2011/11/23 (水) ~ 2011/11/27 (日)公演終了

満足度★★★★

うつくしい世界
ラヴィアンローズではじまったダンスショー、アストロリコの演奏がシャンソンにも不思議とあっていて違和感なくタンゴの世界へ連れていってもらえました。
二幕、客電が落ちると同時に響くバンドネオンの心に沁みわたる音色が、銀河劇場を一瞬にしてブエノスアイレスの街角に変えてしまいます。抒情的な音楽にのせた美しいダンスに心から魅了されました。夢のようにうつくしい時間。中塚皓平さんのダンスがホントに素晴らしかったです。指先からなにか目に見えない美しい気を出されているとしかおもえないほど、彼の周りの空気は美しく、ときに清浄でときに妖艶で、さまざまな表情を空気に伝えて客席まで届けてくれました。
夢のように美しい世界。とても素晴らしかったです。
D☆Dの舞台はいつもエンターテイメントとして客席を楽しませることを忘れないでいてくれるところが、安心して身をゆだねられる所以です。今回も、心身ともに心地よく攫われることができました。
年を追うごとに艶がでてくる彼らのダンス、切なく心ふるわせるバンドネオンの響き、素晴らしいゲストの歌にダンス、とても楽しめる2時間20分でした。

戦場晩餐

戦場晩餐

パラドックス定数

SPACE EDGE(東京都)

2011/11/19 (土) ~ 2011/11/23 (水)公演終了

満足度★★★★★

非の打ち所のない脚本
相変わらず、素晴らしい脚本。
それに負けぬ役者さんたちの力量。
どれをとっても素晴らしいものでした。

2回の観賞で更に深く、台本読み込みで更に更に深く楽しめる。

終演後も頭の中にセリフが残る芝居でした。

小野ゆたかさんは毎回本当にすごい。
どの役をやっても「はまる」(はめる、という方が正しいのかしら)

植村さんは毎回魅力を増していきます。
上品な顔立ちに負けず(?)今回は男らしい熱い熱演。大変恰好よかったです。髪形も。

西原誠吾さんはいつもと違う感じ。
しかしいつも私の目を引きます。
サディスティックな役が大いにはまる方なのですが今回のは違う味でした。

井内さんは飄々とした若者がよく似合う。
ブロークンコンソートを思い出しました。

戦場晩餐

戦場晩餐

パラドックス定数

SPACE EDGE(東京都)

2011/11/19 (土) ~ 2011/11/23 (水)公演終了

満足度★★★★

うまい飯と芝居
その劇場は渋谷駅の南口の線路脇にある。
いや、劇場なのか?
倉庫の脇の限りなく外に近い劇場でした。

twitterで前日の雨の時に雨の音が大きくて、
台詞が聞き取り辛いとか寒いとか呟きがあったので、
用心していったのですが天気は快晴となり、
気温も高くて会場は暖かかったです。
でも、壁がプラスチックのトタン一枚なので、
外からの音はダダ漏れですね。
時折聞こえる電車の音が会場を覆います。

物語は未来の日本のシブヤ。
1件の中華料理店。
外は戦場。内戦が起こっている日本。
いや、外人自治区があったりと、
イスラエルとパレスチナのような状態。
日本人とそれ以外で人種差別というか、
殺し合っている状態。

出前を受ければ、どこでも行く。
弾をよけて、中華料理を届ける。


人種問題が底辺にあり、
日本人以外の排斥を訴える人がいたりと、
でも、配達するのは中華料理だったり、
矛盾があるのが面白かったりします。

人は啀み合い殺し合う。
料理は全てを内包する。

料理に国境はないと地で表すストーリーでした。

ラストシーンでの元No.1料理人のアオイが、
エアー料理するシーンが、
ビシッと料理の実力を示すことになるのですが、
それを作る場所も食べさせる人もいない。
悲しい現実がはっきりと分かるシーンでもあります。
彼自身が排斥をしつづける人間を表しているようでね。

ラストに、料理長のミユキが飯を作り、
客のウキフネが食べる。

人はそれだけ。
人種も関係ない。

世界は単純である。
救いはあるのかもしれない。

いと愛し

いと愛し

劇団競泳水着

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2011/11/01 (火) ~ 2011/11/06 (日)公演終了

満足度★★★★

いとおしい
劇団競泳水着。
以前の公演を観た途端に劇団の活動休止だったので、
待ち遠しい本公演でした。
さらに劇団員のみの3名の公演。

ある作曲家の元に3名が集う。
大川翔子さん演じる作曲家の実の娘。
大川さんってこんなに細かったんだとなで肩を見て、
改めて認識(笑)
とても皮肉の物言いする女性を好演。

川村紗也さん演じる作曲家の内縁の妻の娘。
川村さんのめがね娘でドジ属性の女の子にときめきました。

細野今日子さん演じる作曲家の昔の恋人の娘。
秘書であるので、その淑やかな美しい女性を演じていました。
相変わらずの美しさです。眩しい(笑)


物語は、作曲家が残した娘への曲を巡る、
3人の娘の話です。

それぞれの作曲家の父への想いが錯綜するが、
死人同様に彼女達も全てを語る訳でない。
そこは人の秘めた想いがある。

ただ一つ。

亡き者への愛しさだけは語らずとも共感する。
きっとコンビニが救いの神だ(笑)

シリアスで通すと思ったら、
甘栗にAmazonとローソンのネタに笑った。

いつも人を愛す簡単な気持ちを思い出させてくれる劇団です。

戦場晩餐

戦場晩餐

パラドックス定数

SPACE EDGE(東京都)

2011/11/19 (土) ~ 2011/11/23 (水)公演終了

満足度★★★★

異文化とのぶつかり合い(侵食)
「中華」という設定が効いている。
渋くてカッコいい男たち。
パラドックス定数、やっぱり「男祭り」(笑)。

ネタバレBOX

戦場が舞台ということで、どこの戦場かと思っていたら、渋谷。
これにはちょっと驚いた。

しかも、「市民たちが勝手に始めた戦争(大きな争い)」らしく、アジアからの流入者と日本人との戦いらしいのだ。

「日本人」というのは、「血」らしい。それもクオーターなども入り混じっており、それでも「血」なのか? と思う状況。

自分たちのアイデンティティがどこにあるのかを、意識しなかった国民だったということなのだろう。
奇しくも青年団の『ソウル市民』5部作を順番に観てから(4本だけだが)の、パラドックス定数の『戦場晩餐』であったから、なおのこと、日本人とアジアとの関係や、日本人のアイデンティティなんてことへ想いが行ってしまう。

それにしても中華料理屋という設定はうまい。
どうやら野木さんが、戦場カメラマン渡辺さんの体験から思い立ったらしい。実際に戦場に中華屋があったということで。
中華街は世界のどこにでもあり、ポピュラーな食事でもあるし、この舞台の設定である、戦争状態ということを考えても、なかなかの皮肉が効いている。

もちろん「中華を喰らえ」という民族主義的な発想ではなく(笑)、中華は、日本人の「舌」を確実に「侵食」していて、もはや日本食でもあるからだ。
つまり、日本人は外の文化や技術を取り入れるのはとてもうまく、料理に関しても日本人の口に合った中華料理を作り上げてきた。

ただし、それでも「日本人」にこだわり、それ以外を憎しと思う。
ところが、日本語を読み書きできない世代が現れており、日本人の拠り所としての「文化」のようなものはすでにない。だから「血」だけが最後の拠り所なのだ。
たぷん、最後の拠り所の「血」もどんどん薄まっていき、最後に「日本人」は残るのか? ということになろう。というより、「日本人」って何? となる。

そのときに、日本人は、「日本人の口に合う中華料理」のような、そんな世界を築けているのだろうか、そんなことにまで考えが及んだ。

役者のカッコ良さは、あいかわらずだったが、今回の場面展開は、とてもスリリングだった。一瞬、何が起こったのかわからなかったりするのだが、ヘルメット手にして歩みながらの沈黙、なんてシーンには、シビれた。

そして、今回の会場は、倉庫のような場所であり、会場として「セット」を選んだというところであろう。
これはとてもいい選択だったと思う。
「音」が結構いいからだ。

しかし、それは諸刃の刃でもあり、「音」が舞台を邪魔してしまったところも多々ある。
そこで、一番気になったのは、「外の音は、舞台の上の登場人物の耳に届いているのか?」ということだ。
どうやら、耳に届いていない設定のようだった。
これが、例えば、登場人物の耳に届いている設定であれば、例えば、山手線の音がすれば、それをきちんと避けて話したり、声の音量を上げたり、聞こえにくければ聞き返したり、さらに踏み込めば、「電車は走っている」という台詞を重ねることも可能ではなかっただろうか。
そうすることで、観客は、単に「倉庫的なセット」にいるのではなく、「戦場となった渋谷の中華屋」にいる、とリアルに感じたのではなかっただろうか。

そして、パラドックス定数の流儀に反するのかもしれないが、今回の舞台に関して言えば、女性がいないことが、逆に不自然に感じてしまった。
男勝りでもいいのだが、女性がいても不思議な設定ではないし、それはそれでもう少し物語が膨らみ、カッコいい女性が観られたのではないか、と思うのだ。

会場のことで、台詞が聞き取りにくかったのだが、集中して観劇でき、時間もあっという間だったということは、それだけ素晴らしい内容だったということなので、できれば、会場はこのままでもいいのだが、もっとうまく活かして、再戦をお願いしたいものだ。
ソウル市民五部作連続上演

ソウル市民五部作連続上演

青年団

吉祥寺シアター(東京都)

2011/10/29 (土) ~ 2011/12/04 (日)公演終了

満足度★★★★

『サンパウロ市民』「時代」そのものがくっきりと姿を現す
戦争は遠い出来事。
1939年サンパウロにある商家の1日を切り取り、植民地を支配する側の『ソウル市民』とは、また別の「植民」家族と時代を浮かび上がらせる。

ネタバレBOX

「あれっ?」と日にちを間違えたかな、と一瞬思った。
タコの話に、玄関の修理、そして関取の訪問。

この作品の舞台は、1939年のサンパウロ。
『ソウル市民』と同じ文房具商の家族とその周囲の人々のある1日を描く。

第1作の『ソウル市民』を下敷きにしつつ、この作品以前の4部作の、いくつかのパーツを利用して作った作品。
と言っても、単なる焼き直しというわけではなく、きちんと当時の状況を調べた上での創作であるから、フォーマットを同じにして作り上げたということは凄いのではないかと思う。

これは、「コロンブスの卵」ではないだろうか。
出来上がってしまえば何のことはないかもしれないが、その発想は素晴らしいと思う。
同じ時代あって、同じような家族たちが、同じようことをしつつも、境遇が違うという面白さ。

『ソウル市民』自体も、1つの家族の歴史になっているが、フォーマットは同じだったのだ、
しかし、1つの家族の歴史ということで、気がつかなかったのだが、「同じような家族たちが、同じようなことをしつつも、境遇が違う」という作品であったわけだ。
もちろん、1家族の大河ドラマというような見方もできるのだか、時代だけが違う4本が並んでいるという見方もできるわけなのだ。

つまり、5作品を観ることによって、「時代」そのものが、さらにくっきりと姿を現してくるということなのだ。

『ソウル市民』では、日本の植民地であることが、大きな設定であった。そしてこちらの『サンパウロ市民』では、日本人が「植民」するという点では同じようであるのだが、実態は、労働力としての需要であり、ある意味下層を構成するために、つまり、まるで「植民地の住民」になるために地球の裏側にでかけた、と言ってもいい状況だった。

この1939年という時期は、自らの手で自分の農地や商店を経営する人もいたようだ。
しかし、戦争が激化しつつある中で、ブラジルはナショナリズムが台頭しており、日本人学校は閉じられ、日本語も話すことができなくなるのではないか、という状況となっている。

そういう状況の中での日本人たちの心の拠り所は、「連戦連勝」の日本軍の情報だけである。しかし、短波放送は入りにくく、地元の新聞では日本人たちが思い描くような記事はあまり載っていない。
情報から遠く、母国への想いがさらに情報を見る目を歪めてしまう。

日本人たちは、自分の農地を「植民地」と呼ぶことで、日本人の誇り(半島や大陸を手に入れた日本国)を誇示しているようで、哀しい。

そして、「土人」と呼ぶ原住民たちへの見下し方は、さらに日本人が自らの境遇を語っているようなものである。
実はブラジル人たちに対しても、日本人の勤勉さと比べ、見下そうとしていることが見てとれる。
さらに、同じ日本人であっても、「沖縄」の人たちに対しても、「暖かいところの人たちは…」というトーンで、やはり無意識に下に見ている様子がうかがえる。
この構造を作り上げる感覚は、万国共通ではないだろうか。日本的でもあるが。

また、家族たちの暮らしも同じである。家長が中心にいて、机に付く席次はとても大切である。
自分より上の者が現れるとすぐに席を空け、自分は次の席次に着席していくのだ。
これも無意識。

沖縄、広島という地名にまつわる戦争の影を見つつ、サンパウロでは、バンザイを叫び、そして歌い踊る。
前の4作同様に、いや、さらに情報の外にあることで、戦争というものがさらにどこか余所事のような市民たちなのであった。

前の4作のパーツを利用した作品であるから、「歌」もある。しかも踊り付きで。しかし、これだけは唐突すぎたのではないだろうか。
サンパウロにいる、という空気感を出すのであれば、ラジオや蓄音機などから、地元の音楽を流しているというような伏線もあったほうがよかったと思うのだ。

それにしても、『ソウル市民』のフォーマットは、サンパウロで成立するのであれば、日系人の収容所があった『マンザナ市民』や日本人の町があった『サイパン市民』などという設定もあるのではないかと思うのだ。
太陽

太陽

イキウメ

青山円形劇場(東京都)

2011/11/10 (木) ~ 2011/11/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

ハイレベルな巧さ
不自然さのないSF設定の中で描かれる人の心の機微、いつもながらイキウメは本当に巧い。シンプルながら陰影を効果的に使うライティングと舞台装置も素敵。本も俳優も非常にクオリティが高くて感心しきり。

悪夢くん

悪夢くん

横浜演劇計画

相鉄本多劇場(神奈川県)

2011/11/23 (水) ~ 2011/11/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

うむ。
悪夢でした。悪夢。わたしがよく見る悪夢。そしてみなさんも見るであろう悪夢。悪夢の世界でした。楽しい悪夢の世界(言語矛盾のようだけど、矛盾はしてないです)。


日曜日までやってます。私はあと1、2回は見たいなあ、と思ってます。有無を言わさず、面白かった!

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