最新の観てきた!クチコミ一覧

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未亡人の一年

未亡人の一年

シンクロ少女

インディペンデントシアターOji(東京都)

2011/11/30 (水) ~ 2011/12/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

古傷死ぬほどえぐられました。
たぶん、誰にでもひとつやふたつ思い出したくない男女の切ない過去があって、それを心の奥の方に仕舞い込みながら、けれど引きずりながら生きているわけで・・・

それがひょんな瞬間ひょこっと顔を出す時にはどうしようもなく心締め付けられて、その場でしゃがみこんでしまいたくなるほどに苦しいわけですが・・・

本作品の上演時間である約二時間の間丸々・・・僕の心の奥の方の引き出しを完全に開けっぴろげにされました。

なんなんでしょうね。
生きるってつらいっすね。

とはいえ観れて良かったです。

ネタバレBOX

冒頭の『ねぇ、覚えてる?』等々のセリフ・・・軽く聞き流していたのですが、物語が進んだところでふと同じセリフが流れてきたとき、最初に聞いた記憶を呼び起されて重く重く聞こえました。ああいうのを作り手のうまさと言うんでしょうか。そして、シンクロしていく物語、過去と現在が重なった瞬間には泣きそうになりました。というか泣きました。むしろ号泣しました。

それにしても、結局のところこれはハッピーエンドなんでしょうか、それともバッドエンドなんでしょうか・・・未来に向けて一歩足を踏み出したということで理解していいんでしょうか、それとも救いがないのでしょうか・・・いろんな意味でなんとも心に響きました。週の真ん中に観るにはあまりに重すぎて、今はただ会社のパソコンを使って仕事もせず、作品を思い出しながら感想を書くという時間を過ごしています。ダメでしょうか。

アカギが先生に語る場面がとても良かったです。
雪鼎

雪鼎

ミュージカルグループMono-Musica

ザムザ阿佐谷(東京都)

2011/11/25 (金) ~ 2011/11/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

こんなに素晴らしい舞台が観れるなんて・・・。
こんなに素晴らしい舞台を観ることができたのにすっかり感想を書くことを忘れていました・・・すいません。

自分、ミュージカルが三度の飯に四度目の飯を加えられるほどに好きなのですが、さらにそこにおかずを加えられるほどに素晴らしかったです。

ネタバレBOX

結局ミュージカルって歌のうまさと歌のよさがとても大切だと思うのですが、その部分がしっかりしていたので安心して観ることができました。
モロッコの光

モロッコの光

ローカルトークス

Geki地下Liberty(東京都)

2011/11/30 (水) ~ 2011/12/04 (日)公演終了

満足度★★★★

オゲレツでピュアな妖怪大戦争♪
初日観てきました。

大好きな超個性派俳優さん達の夢の共演!!
出てくるキャラクターがみんな強烈。

ソープランドの受付が舞台って事で、割とシモネタ多めのセリフのやりとりは、好き嫌い分かれるかもですが、その先にある男どもの”魂の叫び”にやられます。

「はやりのイケメン舞台」への強烈なカウンターパンチ!!

「A◎B48」よりピュアな天使たちが、そこにいた!!

袴垂れはどこだ

袴垂れはどこだ

TPT

すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)

2011/11/17 (木) ~ 2011/11/30 (水)公演終了

201111301400
201111301400@すみだパークスタジオ倉

妖怪レストラン 3P(スリーピー)

妖怪レストラン 3P(スリーピー)

THE 黒帯

テアトルBONBON(東京都)

2011/11/30 (水) ~ 2011/12/05 (月)公演終了

満足度

...zzz...zzz...zzz....zzzz.....zzzzz......zzzzzz
我が身の選択眼のなさを呪った2時間であった。同じ妖怪ものでも「てんぐまい」の方がまだ問題意識があった。何がしたいの?

fとゆらぎ

fとゆらぎ

第0楽章

小劇場 楽園(東京都)

2011/11/30 (水) ~ 2011/12/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

vol.1は観ていないのでどういった系統か知らずに観ました。
オモチャ箱をひっくり返したように、
様々な感情が目の前に溢れている芝居でした。

さっきまで一緒に泣いたのに今度はくすっと笑いたくなって
笑ってはいけないような空気の中、余計に可笑しく感じてしまったり。

最後は自然と涙が出てしまったのですが、
それでも気持ちはすっきりとしています。

モヤモヤするシーンもあったというのに。面白かったです。

ネタバレBOX

遺品の真珠をめぐって言い争うところはすごくリアルだと思いました。
ああいったやりとりを目にしたことがあるのかは分かりませんが、
あんなに女性的なシーンを男性が書いていることに驚きました。

グランドボノボさんの声がやわらかくてスッと聴こえてくるいい声でした。
NIWAさんの芝居での居方が不思議なくらい自然にみえました。
末っ子との出会いのシーンでの会話が表情も含め特に面白かったです。
本間さんのfレンジャーは一番ギャップがあって台詞も辛辣で面白かったです。

トナカイとのシーンなどはちょっとよくわからなかったので
機会があればまた観に行きたいと思いました。
トンデモ医者

トンデモ医者

劇団新和座

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2011/11/10 (木) ~ 2011/11/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

比べる楽しさ
ダブルキャスト割引があったので、★と●の両方を観てきました。
トンデモ医者は一度他の公演を観たことがあったのですが、この公演は★●共に新鮮な気持ちで観ることができました。
★と●では演出が全く違っていて別の脚本かと思うくらい印象が違い、
私の好みとしては★の回がテンポが良くとても楽しめました。
●の回だけ観て、あまりすっきりしなかった方も
もしかしたら★の回を観ていたら評価が違ってくるかもしれません。
私も●だけ観ていたら面白いと言えなかったかもしれません。
比べて楽しむことができました。
どうやら劇団新和座という劇団は以前からダブルキャストの時には
この諸刃の剣のような手法を用いているようなので今後この劇団の芝居を観るときはダブルキャスト両方観るようにしていこうと思います。

ネタバレBOX


最後のダンスは、個人的にはないほうがよかったかもしれません。
美青年も煽りすぎかな‥好青年くらいではないでしょうか。
野川さん、★の回では医者役をテンポ良くコミカルに好演していたのですが
●の回のおじさまは、アドリブが尽くすべってしまっていたのが残念でした。
★の回のならりえさんとても綺麗でした。●の回では序盤の二人のシーン
落ち着きなく見えました。ずっとちょろちょろと動かれると見ている方は辛いです。


畑澤聖悟×越智優、高校演劇を語る。

畑澤聖悟×越智優、高校演劇を語る。

渡辺源四郎商店

こまばアゴラ劇場(東京都)

2011/11/30 (水) ~ 2011/11/30 (水)公演終了

満足度★★★★★

聴いた
非常に聴き応えのある中身だった。学生たちへのまなざし、311以後のこと等々、ユーモラスかつ真摯。高校演劇関係者でもなんでもない私でも楽しめたし、あれこれ考えもした。
会場に居合わせた学生たちによって行われたリーディングは思いがけない喜び。司会の工藤さんの質問内容もいい。また次のシンポジウムに期待。

サンドイッチの作り方 公演終了しました。ご来場ありがとうございました。

サンドイッチの作り方 公演終了しました。ご来場ありがとうございました。

劇団シアターザロケッツ

劇場HOPE(東京都)

2011/11/30 (水) ~ 2011/12/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

素晴らしい脚本!
料理を通して気持ちを伝え合う、何て素敵なことでしょう。

ネタバレBOX

料理教室の生徒たちがそれぞれのパートナーに心を込めた料理で接待するという当初の企画から色々あって、今度は逆に接待された側が、正確には情けない男どもからといった方がいいでしょうか、簡単なものではありますが料理を作って気持ちを伝えるという方向へ展開していくのが何とも素晴らしかったです。

そして、路上ライブをしている彼の場合は、プロポーズの答が想像していたのと違っていて、断られてしまって、ここでえっと思わせて、確かに一瞬驚きました。でもそれも考えてみると確かにその通りで、牧場に逃げ帰るような形でなく、もう少し音楽の道を極めてほしいというメッセージと、はい努力しますというメッセージが本人同士の間では見事にキャッチボールされていて何とも素敵でした。

さて、肝心の料理ですが、サンドイッチは嵩があるので一応見えましたが、その他の料理は全く見えませんでした。客席に美味しそうに見せる工夫が必要だと思いました。

最初の路上ライブのシーンは、幕を使って料理教室を隠して欲しかったです。それに、役者さんも素人臭く、特に最初の頃は間が悪いなと感じました。

それでもあまりにも素晴らしいストーリーに大満足でした。色んな劇団でやってほしい作品です。
日本の問題

日本の問題

日本の問題

ザ・ポケット(東京都)

2011/11/27 (日) ~ 2011/12/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

B班を観た。4本とも面白い。
A班の後だったので、B班も同じ傾向になるのでは、と思っていたら、違っていた。
B班は面白い。4本とも面白い。
こういう別劇団によるオムニバスで全部が面白いというのは、なかなかない。
20分なのに深みもある。
これを膨らませたら本編できるのでないか、と思ったりもした。

もし、『日本の問題』を観ようと思っていて、両方は観られないと思っている方がいたら、迷わずB班をオススメする。
A班のみ観て「…」の方にもB班も観ては? と言う。
もちろん、私の個人的な感想なので、「商品の効能や効果を表すものではありません」と付け加えておく。

ネタバレBOX

<ミナモザ『指』>★★★★★
やや一本調子ながら、とても深みがある。
多くの人の命が失われる中、非道な火事場泥棒をしている夫婦にとって、越えられるラインと越えられないライン。
それは、極々個人的なものであり、「善悪」のラインとも違う、単に「モラル」という切り分けもできない、「感情」だけのラインだ。
「誰の指だったら切れるのか」ということを考えてみると、…いや、考えたくもないけど。
つまり、「自分のラインは、どこにあるのか?」を問う作品である。
もちろんそれは「指を切る、切らない」ではなく、あらゆることに対しての、「自分のライン」を考えることになる。
「善悪」ではなく「モラル」でもない「感情によるライン」のある場所を、だ。
それはつまり、他者を思いやる感情にもつながるのではないだろうか。他者にとっても「感情によるライン」があるということだからだ。
それが「あるということ」を「知る」ことは、社会で生活していくために、「最低限必要なこと」を「知る」と同等なのではないか。
「日本の問題」は、そこから考え直していくべきではないか、というメッセージととらえた。
後で述べるJACROW『甘えない蟻』と同様に、「日本の問題」と言う表層より、さらにいつにおいてもあり得る「人」のことを描いていた。
何もない荒野の中にいる、2人が手を携えるラストは、美しい祈りのようにも見え、泣きそうになった。


<アロッタファジャイナ『日本の終わり』>★★★★★
テンポがとてもよく、それをあえてラストの動きのない演説に集約させていくところが憎いと思う。構造的にはチャップリンの『独裁者』を思い出してしまったのだが。
この劇団の投げるボールは、内角ギリギリ、というか、ピンボールだ。
「孤独死」から「一極集中」の解消を目論むのだが、「地方分頭(脳)」という(そういう言葉は出てこないが)、「地方に頭を配分しよう」という実にお節介で、思い上がった(笑)施策を考えたのだ。
「頭脳の一極集中」は、作の松枝さんの実体験から発しているのだろうが、それを「地方に強制送還させる」というアイデアは、なかなかナイスである。
「ナイス」と言うのは、「ピンボール」としての「ナイス」さなのだ。
「地方に強制的に戻される」ということは、地方から出てきた者からは当然猛反対をされるだろう。もちろん、この演劇の稽古の間もそういう声が出てきただろうことは想像できる。
また、地方から言えば、「何? 地方には頭がないだと!」いう怒りの声も上がるだろう。
そもそも、「トップになれない、頭のいい人」というのは、その程度の人ということでもあるし、トップになることがすべてではなく、向き不向きもある。だからそういう人たちがうじゃうじゃいても、「だから?」なのだ。
「手」「足」と言い切る人たちにも、「頭」は必要であり、逆になければ、「手」「足」だって効率的に機能しない。トップダウンがすべてではないのは、企業マネジメントを見てもよくわかる。
そいう批判的な見方があることを、わかった上での、この作品なのだ。
だから面白い。
「廃県置藩」という言葉も発想も面白いと思う。のだが、いっそ、何もなくして「弥生時代に!」と言わないところが、経済の発展や近代化の歪みという導入だったところからの道筋として、いかにもロジックな印象を与えていく、という虚構への突入の仕方がうまいのだ。
だから、この結論となるアイデアがどうした、こうした、みたいな反応は、作者としては、してやったりで、ほくそ笑んでいるのではないだろうか。
女子高生から一気に首相のもとへ向かうストーリーも、女子高生の「ありそうな不幸話」も、引っかけのひとつであり、虚構の楽しみを演じているのだ。
よく見ると、女子高生と友だち、そして彼女たちとその母親たち、首相と秘書がきちんとつながっていて、さらに、最後は女子高生と首相がつながっていく、という様は、実は「孤独死」と「人の人との分断」というテーマを解決していくこの演劇にとって、「あり得ない」設定だ。
ここが大きな仕掛けなのだ。
そして、そういう仕掛けを乗せて、20分突っ走る。
結果、「問題」として俎上に上がることが狙いであり、「日本の問題」の本質はここにある、という強いメッセージがそこにある。


<ろりえ『枯葉によせて(仮)』>★★★★
突拍子もないオープニング。
いや、全編、突拍子もないのだが。
母子2組が1人の父を巡る物語。
信じられるものは自分しかない、という世界。
放射能なんて知らないし、(父)親なんて知らない。
いじめられても、誰にもすがることはできないけど、やっぱり誰かを求めてしまう。
「血」ではなく、「想い」のみが人と人を引きつける。ラストではやっぱり「血」なのかな、と思わせるのだが、そうではなく、それはストーリー上のお話でしかない。
グリコ事件とか、端々に面白さを散りばめながら、会話の素っ頓狂さがとても愉快。そして、乾いた笑いは、放射能汚染にふさわしい。


<JACROW『甘えない蟻』>★★★★★
JACROWらしいヒリヒリ感のする会話劇。
淡々としながらも、ちょっとしたきっかけで、ギスギスしていくところがいい。
4人の声のトーンの絡み具合(低音な母親と高音な娘の対比とか)、方言かどうかの設定等々、巧みだ。緩急の呼吸もさすが。
4人いて、実はまったく血のつながっていないのは、母親だけであり、その微妙さがもっと底流に太く流れているところを見たかった気もする。
PCのモニターで父親からのメッセージが流れるのだが、これは観客を意識してのサイズだと思う。しかし、ここは、観客から見えるとか、見えないとかは無視して、送り損ねたメールが保存フォルダ内にある設定でもよかったのではないだろうか。内容をどう読み上げるかは腕の見せ所として。
とは言え、吐き出して、最後に、この状況を引き起こした父に救われるというラストがいい。
そして、娘が辛かったときに父親から譲られた人形を、辛かった父に捧げるという、ラストシーンにはとてもぐっときた。
ミナモザ『指』と同様に、今の状況を舞台設定にしながら、その特異な状況だからこそ見えてきた「日本の問題」の「核」となるような、「人」、そして「人と人」をえぐり取って見せたうまさがあった。


それぞれの「問題のとらえ方」については異論はない。
作者たちが一番グッとくるテーマを選び、かつ、演劇として耐え得るか、を考慮した結果だからだ。
だからテーマの選び方というより、「テーマへのアプローチ方法」「見せ方」のセンスが問われていたと思う。

しかし、及び腰になってはつまらない。何かにターゲットをきちんと絞り、「発言」してほしいのだ。

もちろん、「問題」に対しての、劇団側(作者側)との距離感や、観客側の距離感、スタンスがあるのも事実だ。
しかし、このテーマで「今」やることの「意義」は、大きいと思う。
そのチャンスを、すべての劇団に活かしてほしかったと思う。

結果としては、(個人的なものだが)「テーマの選定」よりも、「演劇として面白い」ほうに軍配は上がった。しかし、それはイコールだった。
大葬祭

大葬祭

江古田のガールズ

相鉄本多劇場(神奈川県)

2011/11/30 (水) ~ 2011/12/04 (日)公演終了

満足度★★★★

面白かったです。
お芝居ではある、一応。パーッと解放してます、スカッと大騒ぎ。確かに観たことないタイプの舞台でした。何か力づくで笑わせられました。

日本の問題

日本の問題

日本の問題

ザ・ポケット(東京都)

2011/11/27 (日) ~ 2011/12/04 (日)公演終了

満足度★★★

A班を観た。胸がザワつく企画だ。
タイトル聞いただけで、ザワザワ、ワクワクする企画だ。
しかも、今年に入ってからの企画ではなく、昨年始動したものと聞くと、その先見性には恐れ入る。

だって、常に「日本の問題」はあるのだが、こんなに「日本の問題」が噴出した年もなかったのではないかと思うからだ。

つまり、去年もしこの企画が行われていたとしたら、観客の受け取り方はまったく違ったものだったのではないだろうか。

それは、もちろん上演側にとっても同じだ。

「日本の問題」について、こんなに多くの人たちが、真剣に語っている「今」、上演する劇団側は、「果たして(この状況の中)自分たちに何が語れるのだろう」と自問自答したはずだ。

受け取る観客にしても、まったく同様で、「何を語ってくれるのかな」と、腕組み、あるいは腕まくり(笑)して劇場に臨んだ方もいるのではないだろうか。

まずはA班から観た。

ネタバレBOX

ざっくり言ってしまうと、「私(たち)が考えている日本の問題はこれだ」ということを見せてくれたようだ。
それは「問題山積」「混沌」「心」など。
でも、それでは…と思うのだ。

<経済とH『金魚の行方』>★★
とにかく役者のキレがいい。美しい。
物語は、問題の羅列の域を出ず、いつくかのフックがあったのだが、もうひとつだった。
物語の、長いオープニングを観ているようで、登場人物の紹介で終わってしまった感がある。つまり、1つひとつのシークエンス、あるいはキャラが、有機的に結びついていく前で終わってしまったという感じなのだ。
「人のせいにする」「人をあてにする」ということが、「日本の問題」であると考えているのだろう。

<Mrs.fictions『天使なんかじゃないもんで』>★★★★
A班の中では一番好きた。
宗教に関する勘違いは、あざとさはあるものの、ストレートに伝わってきた。
3人の役者の佇まいがよく、キャラの立て方も素敵だ。
「宗教には何ができるのか?」を斜めの角度から描いたと言ってもいいだろう。
「会話すること」で生まれる「つながり」。
「つながり」こそが「宗教」だったのではないだろうか。
それは、「コミュニケショーン」なんて洒落た言葉ではなく「会話」だ。「話し、聞く、そして話し、聞く」という感覚のみで生まれ、解け合うものだ。
崩壊した人のいない街で、人がいる街から、その関係が崩壊した人たちが、出会う必然。
そして、ありきたりかもしれないが、美しい「画」を想像させるラスト。
とてもいい余韻が残る。

<DULL-COLORED POP『ボレロ、あるいは明るい未来のためのエチュード』>★★
スタイリッシュではある。
あるが、何度も繰り返されると、ちょっとなぁ…と。
もちろんそれが狙いではあると思うのだが、ややワンパターン。
安倍首相の就任演説あたりから(2人目だけど)、このパターンでドジョウ首相まで、と思っていたら、そのまんまだった。
もう少し、何かほしかった。「それは知ってるよ」「それで?」が感想だ。
多数決から首相選び(ここが、たぶん役者にはスリリングだったのではないだろうか。演説は覚えているのではなく、読んでいるようだったので)、そして一般の人々は…ということが見えてくるのだが、首相選びの人々(議員)と一般の人が同じ役者が切り替えて演じているところに、イマイチの感じがしてしまうのだ。
つまり、「政治」と「国民」の関係がどうなっていったのか、その関係を丁寧に見せていくことで、どう首相が変わり、それで国民はどう感じていったのか、あたりを、作者の独断でいいから、言い切ってほしかったと思うのだ。
「無関心」一色だけに見えてしまった。
もちろん、それが「良い、悪い」ではなく、思い切った何かを発してほしかったのだ。

<風琴工房『博物学の終焉』>★★
「言葉」を信じていること、作者の想いをとても強く感じる。
「デマ」が飛び交い、「拡散」していく今でも、やはり「言葉」は大切だ。
つまり、「言葉」があるから我々はここに存在している。それが「知性」であり、「交流」であるということ。
「言葉」があるから、人とつながることができるのであり、それを統制するということの恐怖。
映画『イル・ポスティーノ』の引用も効いている。
とても真面目、生真面目と言っていい。
ただし、それが度を超すとこういうラストになってしまう。
このラストは、オチのようで、好きではない。
同じ設定であっても、ブレークスルーできる道はあったはずだ。
それを必死に見つけて、舞台の上で見せてほしかったと思う。



A班について言うと、「なぜ思い切って言ってくれないのか?」という想いが強く残った。
発言することの「怖さ」もあるし、「極論」を述べてしまったら「炎上」もあり得る。しかし、言うべきではなかったのだろうか。言うべきことがなければ、やるのをやめてもよかったのではないだろうか。
有毒少年

有毒少年

キューブ

梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ(大阪府)

2011/11/29 (火) ~ 2011/11/30 (水)公演終了

満足度★★★★★

おそろしくハイクオリティ
わたしは、『有毒少年』をまだ舞台で観たことがありませんでした。
映像ではなく、舞台で観てみたい!という願いが、今回叶いました。

素晴らしくハイクオリティな世界でした。
やはりピースピット世界は、大きな劇場で活きる。
ドラマシティというハコのキャパに映える舞台。
衣裳も舞台美術も凝っていて豪華でしたが、やはり何より良かったのは照明と音楽。
あんな美しい照明、そうそう観られません。そんじょそこらの商業演劇の比ではない。
そこに乗せられる美しい音楽、響く歌声、あまりにも幻想的な世界にうっとりです。

わたしは映像でしか観たことがないのでそんなに強くは感じなかったのですが、やはり観たことのある人にとってはキャストの違いがだいぶ違和感だったようで。
確かにちょっとした小ネタや笑いどころなどは、役者さん毎にパーソナリティに合わせたものだったりしたので、そこが消失してしまったのは元を知ってる人には物足りなかったのかもしれない。
でも知らないわたしにとっては、そういうデコレーションを剥ぎ取られたカタチで、これはこれで良かったかな。

やはり舞台は生に限るな。
そう思ったのは・・・シークエンスから続くクライマックス。
胸に迫るものが、映像視聴とは比べ物にはなりませんでした。
美しかった、現実世界とは思えなかった。
キャストは違えど、規模も違えど、映像でしか見たことのなかった『有毒少年』、この機会に舞台で観られて良かったです。

人生のフルコース

人生のフルコース

悲願華

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2011/11/26 (土) ~ 2011/11/27 (日)公演終了

満足度★★

はじめて
悲願華さん、初めて観させていただきました。
初めてなので、普段の作風はわかりません。
今回は、ぶつ切りの短編とも言えないくらい短いシーンの断片につぐ断片を、暗転につぐ暗転で連続上演。
各パートに関連性はほぼなく、瞬間瞬間を楽しむ感じのみせかた、なのですが。
どう楽しんでよいのか、いまひとつわからなかった。
くすぐられる小ネタはありつつも、演劇としてはどうだろう?という印象。

その中でも、やはり稲野杏那ちゃんはさすが引き込まれます。
チーズケーキを作りながらの狂った笑い、強烈に印象に残る。

そういう断片の中に、ちゃんとした短編が挟み込まれていて。
ホームのステージタイガーさんの時に見せている顔とはまた違った、しっとりした会話劇をみせてくださいました。
こういう味わい深い白井さんが観られたのは良かったです♪

最後のもはやお芝居ではない鍋パートについては・・・。
おもしろい、おもしろくはあるのだけども・・・なんともいえない。
また、別の機会に、また違う作品を観てみたい感じです。

明日に向って売れ!

明日に向って売れ!

ギンギラ太陽's

西鉄ホール(福岡県)

2011/11/23 (水) ~ 2011/11/27 (日)公演終了

満足度★★★★

楽しかった♪
家族と行ける数少ない演劇なのでそれだけでもうほんとに楽しかった。
地元なので昔からの話がなつかしくてしょうがない。
歳とったな~と実感(;^。^A

ネタバレBOX

今回はばたばただったので他を誘えず。次回はガンバル!!
Triangle Vol.2 ~探し屋ジョニーヤマダ~

Triangle Vol.2 ~探し屋ジョニーヤマダ~

パルコ・プロデュース

キャナルシティ劇場(福岡県)

2011/11/29 (火) ~ 2011/11/29 (火)公演終了

満足度★★★★

すごく!楽しかった!
あーもう、好きな役者さんが出ていれば他のことは全部相殺w
演劇的な部分とショー的な部分がぐちゃぐちゃ混ざっていて
自分としてはちょっと乗り遅れた感はあったけど、
そのどちらも良かったのだ。

ネタバレBOX

芳雄くんはずいぶん骨太になった。体型じゃなくてねw
3人おじさん

3人おじさん

劇団わらく

中野スタジオあくとれ(東京都)

2011/11/25 (金) ~ 2011/11/29 (火)公演終了

満足度★★★

あの人も3人おじさんだったとは・・・・
シュールさ倍増+オヤジギャグ・・・おなかいっぱいです。

ネタバレBOX

マスクに金頭巾はズルイなぁ
黄金時代(仮)~【公演終了致しました。皆様、有難うございました。次回作もご期待下さい。】

黄金時代(仮)~【公演終了致しました。皆様、有難うございました。次回作もご期待下さい。】

劇団夢現舎

新高円寺アトラクターズ・スタヂオ(東京都)

2011/11/19 (土) ~ 2011/12/04 (日)公演終了

満足度★★

再演というと、原点かなコレ。
うーん、アングラ系に近いもの感じました・・・。
(割と苦手方面)
まぁ話は理解しやすかったが。
共感できたかと言うと、上記の苦手意識もあり駄目でした。
いろいろ試行錯誤が継続してるんだな、という感想。

ネタバレBOX

3人分の殺人は理解しやすかったが、
キノコ話は導入する必要のあったエピソードなのでろうか?

まぁヒトキノコは楽しそうではありましたし、
現に楽しめたが・・・。

友人にカンセラーいるんだが、
後半の「先生を信じてください」という台詞は。
苦笑して聞くか、怒りそうな感じがしたかな。
(まず治療は、信頼を得るトコがスタートラインと聞いたので。)

でも舞台上の壁のギミックや幕での場面変換はインパクトありました。
いろいろと改良する余地が多くありそうな作品に思えました。
日本の問題

日本の問題

日本の問題

ザ・ポケット(東京都)

2011/11/27 (日) ~ 2011/12/04 (日)公演終了

満足度★★★★

Mrs.fictions…☆5、風琴工房…☆4、チームAの他2団体…☆3
Mrs.fictions→観た後、静かな幸福感を感じた。何だろう、この感じ。

有毒少年

有毒少年

キューブ

梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ(大阪府)

2011/11/29 (火) ~ 2011/11/30 (水)公演終了

満足度★★★★★

心に響くファンタジー(^O^)/
イヤ~~~♪
心に響くとはこんなお芝居の事を言うのでしょうか(^^)

前半はまだこんな感じなのかなぁと思って普通な感覚で観てましたが

休憩後の怒涛の後半は圧倒的な演出力に魅力されました!
音と光にスローモーションが五感にビンビンと刺激しました!

まさに演劇=芸術!
何か違う世界へ引き込まれたような幻想的な世界にずっと酔いしれてました♪
役者さんも選ばれただけあって流石に素晴らしいなぁ~!
有毒少年の木戸邑弥さん、無毒少年の昆夏美さんは知らなかったんですが…

それと三倉茉菜さんも印象的でした♪

今までファンタジーは苦手だったんですが充分愉しめました♪
ダブルコールにスタンディングがお客さんの感動を表してます♪

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