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(飲めない人のための)ブラックコーヒー

(飲めない人のための)ブラックコーヒー

岡崎藝術座

北品川フリースペース楽間(東京都)

2013/06/14 (金) ~ 2013/06/23 (日)公演終了

満足度★★★★

不気味に浮かび上がるエゴイズム
少女監禁事件をモチーフに、人が持つエゴイズムを描いた作品で、じわじわと侵食して来る気持ち悪さが恐ろしかったです。

全身真っ白の格好をした男3人が現れ、その内の1人が客席に背を向けた状態でいらつきをぶつけるようにボールをいじるシーンが数分間続いた後、外国人排斥を訴える詩的なモノローグで始まり、その後は監禁の話が中心となり、台詞も日常的な表現でしたが、監禁した男とされた少女は舞台には登場せず、幼馴染み達の証言によって間接的に描かれるのみで、しかもほとんどの台詞が長いモノローグで緊張感がありました。
監禁されていた女を可哀想に思う気持の中に次第に押し付けがましい正義感が浮かび上がって来る最後の長台詞が圧巻でした。

前半は少し入り込み難かったのですが、監禁の話になる中盤からは、登場人物達の自分勝手さに嫌悪感を抱かされつつも、引き込まれて行きました。
重い空気が支配的な中、時折あっけらかんとしたユーモアを感じさせる演技や台詞がさらっと紛れ込んでいるのが可笑しくも不気味でした。
台詞に強度があり、戯曲単体で読み物としても十分魅力があると思いました。

ダークな音楽が流れる中で横一列に並んで体を傾けたり、上手の奥でシーン毎にスピードを変えながら足踏みを続けたりと、台詞と直接関係していない(と思われる)動きや、対話がほとんどない構成といった現代的な手法が「手法の為の手法」に陥ることなく、必然性と効果が感じられ、強烈な印象が残りました。

笑う警官

笑う警官

グループK

笹塚ファクトリー(東京都)

2013/06/18 (火) ~ 2013/06/23 (日)公演終了

満足度★★★★★

TVよりも豊かな表現方法で人気刑事ドラマの二時間スペシャル版を観劇したような感激が
パンフを軽く読んだ上での観劇だったので、「警察官」のあり方/考え方、
などについて突っ込んでいく作品なのだろう、ぐらいには思っていましたが
道警(北海道警)で発生した殺人事件に対して捜査を外されてしまった
刑事達の独自捜査と警察の暗部に関わる大きな事件とのつながり、
主人公刑事「佐伯」の過去の経歴から発症したPTSD/ナルコレプシー(眠り病)、そして妄想、
それと対比するかのように悪役部長刑事「石岡」の警察組織での中間管理職としての”悪行”、
被害者女性への依存、しかし最後の最後で悪に徹し切れない自分
(警察官としてのあり方にさいなまれる)、
などいろいろな設定/伏線がそれぞれバラバラにどんどん投入されてくるのですが、
それがいつの間にかつながっていき、そして物語自体が色々な方向から
最終的な結末へ向かうという、場面はずっと「バーの中」なのに
刑事達の捜査活動や思考/検討、葛藤そして反目、
そういった人間ドラマが目の前で所狭しと繰り広げられていて、
かなり夢中にさせられてしまいました。
終わった時には「まさかここまでいいもの観せてもらえるとは」と
胸の中が一杯になってしまいました。

「次は1年後を予定しています」との事でしたが、必ず観に行きたいですし、
待ちきれない気持ちもかなりあります。

ネタバレBOX

この舞台を観て、「すごい!物語が心に入り込んできたし、感動した!」と
感激しているのですが、その中で出てきた全部の設定や伏線その他については
記憶しきれなかったり、理解したつもりの内容自体が実は間違っていたり
(作者の意図と違ったり)、という部分が多々あるかと思います。

以前、すごく凝った脚本を書く別の劇団の舞台でも全設定/伏線とその回収/演出の理由などを
全て把握しきれなかったのにショックを覚えたのですが、ある人に
「物語について全部を全部正しく理解するという事よりも、まずこの舞台を観て自分がどう思ったか、
感動出来たかどうかが重要では?」という言葉が胸に響いたので、
自分がこの舞台を観て考えた/感じた内容をまず列記します。

※ 一言で感想を言えず(言いたい所、感情の動いた所が多すぎて)、
  ひさびさ長文を書いてしまいました。


・ 笹塚ファクトリーというとセットにあまり凝れない
  小箱のイメージがあったが見事に隠れ家的地下バーを再現していました。

  (まだ観てないので内容は知らないのですが)
  ドラマ「探偵はバーにいる」のように
  本捜査を外された連中がバーに集まり
  「隠れ家バー裏捜査本部」とでも言うような
  状況を作って独自捜査を行なっている感じがよかったです。
  (雰囲気が良かったです。)


・ 開始直後、バーで居眠りする男「佐伯」(?あるいはママでしたっけ?)と
  謎の踊り子達、亀のジョージ(ロンサムジョージという奴でしたっけ?)
  の話が出たと思ったら、いきなりヤクザも出てきてSMチックに展開したり、
  それを「佐伯」が射殺してしまうという場面になって、
  「心に闇を持つ刑事の妄想劇」か何かなのだろうか?と
  初っ端からミスリードされそうになりました。

  結局は、刑事「佐伯」が数多く手がけたおとり捜査の中での不幸な経験から
  PTSD/ナルコレプシーを発症し、女房との中もおかしくなってしまったという体験が、
  ナルコレプシーで眠ってしまう度に妄想として
  更にハードになった形で妄想劇として登場してしまう、という事のようでした。

・ 道警の婦人警官が絞殺(?)され、恋愛関係にあったとされる同僚刑事が
  指名手配された上でいきなり捜査権を上に持っていかれた上に
  SATが要請され、射殺命令まで降りている、というかなり強引な展開。

  「これはあまりに異例すぎる、絶対何かが裏にある」と推理する刑事達。

・ そして、実は道警で裏金作成の仕組みが出来上がっており、それについての
  証人喚問に同僚刑事が出る事になっていた。
  これについて「歌う」(でしたっけ?警察内部の身内が仲間の情報をばらす)
  行為を行う事について、反感を持った別の刑事は、
  「この捜査からおれは降りる」と宣言して外れてしまいます。

・ その後の推理、捜査から
  ・ 同僚刑事と婦人警官は既に別れていた
  ・ 婦人警官は二股をかけていた
    ※ 実際は更に風俗で働くなど、かなり荒れた生活を送っていたようですが・・・
  ・ 婦人警官の持っていたTVや貴金属が質屋に売られており、
    それを売った空き巣(真犯人か?)が特定される
  などから、一度は仲たがいした刑事たちに再び連帯感が生まれ協力しあいます。

・ しかし、空き巣はあくまでも殴っただけ、殺人はおかしていない、
  元から婦人警官(風俗嬢と思っていた)は別の誰かと会う予定だった、
  その相手を自分は見ている(高級そうなスーツを着た男だった)、
  という事で更に捜査は振り出しに戻ります。

・ (タイミングが前後してしまってるかも知れませんが)
  道警上層部の裏金作成の仕組みについて、このネタをバラされるのを止める為、
  「どこかの権力者が裏から手を回し同僚刑事の犯行に見せかけた上で射殺命令を出した」
  という推理が行われています。

・ そして、今までの流れから考えて悪役部長刑事「石岡」こそが、
  婦人警官の恋人であり、殺人者であり、今まさに同僚刑事を射殺しようとしているのでは、
  という推理の元、刑事「佐伯」が「石岡」にその内容をぶつけますが・・・

・ 「佐伯」と悪役部長刑事「石岡」の2人きりの対峙、
  「自分も悪の親玉ではなく、更に上がいる、自分を捕まえたとしても状況は何も変わらない」
  という警察組織で実際にありそうな現状を語ったり、
  独白を続ける中で「佐伯」がナルコレプシーで眠ってしまった時に
  「こいつを殺してしまえば・・・」と行為に及ぼうとするも

  BGM「警察学校入校時の宣誓書」

  が流れ
  (パンフに記載があった時から気になってはいたのですが、このタイミングで
  出るのが本当に憎い演出だなな、と)
  警察官とは「この善意に基づくルールによって存在しなければならない」
  という事に思い至って葛藤して犯行を取りやめ、

  更には「佐伯」のみならず、「石岡」も悪に手を染める原因となった
  婦人警官(朝美でしたっけ?)への依存の情景の妄想演出が入ったりと、
  この場面は結構主役の「佐伯」を悪役部長刑事「石岡」が食ってしまったのではないかな、
  (それはそれで舞台として美味しい展開ですが)と思いました。
  特に「だったら舐めなさい!」とヒール/足を舐めさせられる場面など
  婦人警官と悪役部長刑事の実際の上下関係が露骨に見えていたと思います。


・ 物語の裏にある主題として(勝手な想像ですが)
  国家より警察権力という力を与えられ、正義という公務を成す警察官は
  「自分を正しく律する、高いモラルを持っていなければならない」
  という事が「警察学校入校時の宣誓書」にて語られていますが、
  今の時代
  ・ 医者だって命を救うという崇高な使命の前に
    お金も欲しい、趣味を持ったり楽しく生きたい、人間的な生活/労働環境だって欲しい、
  ・ 警察官や弁護士、司法関係の人間だってみんな同じ気持ち
  というように、「正義」が仕事だから心も「正義のみ」で構成されていなければならない、
  ではなく、普通に大人として社会で働く人として、
  もう少し「人間的に扱ってほしい、扱われるべきである」
  という(この物語でいえば)「警察官」とはどうあるべき、ではなく
  どうすれば良かったんだろう?
  ・ 「佐伯」の心と家庭は壊れなかったのか
  ・ 「石岡」は悪に手を染める事はなかったのか
  という点が、この2人を対比しつつ、観劇者側に対してもつきつけられているのではないか?
  と思いました。

・ そして、亀のジョージは「100年間何を考えていたのだろう?」と精霊?風の女子が言っていたり
  「佐伯」が「友達になれたかな?」という語ったりしている部分は、
  昔ながらに「愚直なまでに生きてきた亀のジョージ」と
  同じく「愚直に刑事を行なってきた」自分とは
  似ている存在(その為に亀のジョージが物語に出てきていた?)
  という風に感じました。

・ 「石岡」に1日くれ、と言われ、バーで「佐伯」と同僚婦警が泊まる場面で
  暗転した際に、ここで物語も終わるのかな?
  と思ったら、翌日の場面につながり
  ・ 「石岡」は自殺
  ・ 警察、機動隊はバーの周りを包囲している
  そしてバーに突入、同僚刑事を射殺、という
  「まさかこんな悪い方向にオチるのか!」と思わせた所で
  実は同僚刑事は別のルートで既に証人喚問に到着していた、
  撃たれたのは(可哀想ですが)オカマの人(防弾チョッキ着用)、
  だった、という快活なオチ。

  ここで「佐伯」は笑います。

・ そう、ずっと気になっていたのですが、何故、この物語は
  「笑う警官」だったんだろう?
  
  色々な場面でそれぞれの警官は「怒ります」「葛藤します」「悪に誘惑もされます」
  「悲しみます」「苦しみます」「叫び出します」、
  しかし、どこがこのタイトルの”笑う”なのかが、
  自分には最後まで特定できませんでした。

  多分、上記オチの場面での「笑い」ではないのではないか、という気がしています。

  それこそ、物語を観ていた観客側が「笑えたかどうか」そういった意味なのかも、と・・・

・ 最後、チーママが「結婚します」宣言した後で、
  「佐伯」がママのお誕生日を御祝いしますが、
  そこで「結婚しよう」と言わないのが、ここまで物語を
  進行してきた、「佐伯」という人物なんだなあ、と妙に納得です。

  ママにプレゼントした「色紙?」には一体何が書いてあったんでしょう?
  かなり気になります、まさか「警察学校入校時の宣誓書」内容じゃあないだろうし

・ 1点だけ分からなかったのは、同僚刑事が身を隠した事その他について、
  度々情報を漏らしていたのは誰だったのでしょうか?
  仲たがいした刑事だったのか(それらしき事を確かに言っていた)、
  あるいはママの店で働くチーママ「マリ」かと疑いましたが、
  結局「結婚します」という報告があったのみでその方向にはなりませんでした。

と、物語を思い出しつつ(前後関係や認識は間違ってしまってるかも知れませんが)
これだけ色々な事を考えたり、感情移入したり出来たという意味で、
今年観た舞台の中では(多分)一番おもしろかったと思います。
(舞台はその脚本世界の大きさよりも、緻密な設定やドラマ、
とにかく感情を動かす要素こそ重要なのだなあ、と思いました。
特にドラマについては、「佐伯」だけでなく「石岡」、その他面々や更には
魔性の女のはずの婦人警官についてもドラマがあり、感情移入できる部分が存在しました。)




【気になった点】
・ 舞台演劇にしては台詞の口調があまり声を張らない感じだったので、
  一部聴き逃しがありました。席の位置のせいもあるのかも知れませんが。

  しかし、演技の前後関係で「こういう事を言ったのだろうな」と
  すぐ理解出来たので特に問題とは思いませんでした。

・ 笹塚ファクトリーの椅子がかなり劣化していました。
  真ん中が凹みまくっていたりとすわり心地が悪く、
  演劇中申し訳ないとは思いつつ、度々お尻のポジションを
  直すハメになりました。
  (中盤以降集中してくるとそれもなくなりましたが。)

・ これだけの物語、設定、登場人物が出る話だからこそ、
  アフターパンフレット的な全体像の分かるパンフが欲しかったです。
  誰がどういう人だったか、どういう理由で物語が動いたのか、
  という部分を、全部が全部「脚本家の想いを見せて!」
  とは言いませんが、色々思い出して楽しみたいです。




【お詫びというか】
・ TVの刑事ドラマの二時間スペシャルを観ているかのように、
  心を持ってかれてあまりに気持ちよく終われてしまったので、
  「この御礼はしないと」と笹塚駅で、
  しかも今回が最終公演という事で暑い日なのですぐにも
  冷えたものが食えたほうがいいだろう、と
  銀座コージーコーナーで(一応包装されてない食べ物は色々問題あると思ったので)
  袋入りのシュークリームその他買い込んで(かなり並んでたので時間かかったが)
  すぐ舞台に取って返して
  「舞台終了後で申し訳ないんですが、(・・・間・・・)
  あまりにおもしろい舞台だったので(しどろもどろ)
  ぜひお礼をしないとと思いまして(しどろもどろ)
  あの保冷剤入ってるんですが、1時間ぐらいしか持たないと言われてますので・・・(意味不明)」とお菓子をつきだして帰ってきてしまった。
  挙動って難しいね。営業経験あれば良かったな( ´ー`)
どぼく関係

どぼく関係

ドドド・モリ

神楽坂セッションハウス(東京都)

2013/06/22 (土) ~ 2013/06/23 (日)公演終了

満足度★★★★★

多彩な異才
上演時間約80分。ひたすらと面白い。発想の連発。

四の五の言わずに恋しろリーマン!

四の五の言わずに恋しろリーマン!

Island

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2013/06/20 (木) ~ 2013/06/23 (日)公演終了

満足度★★★★

サラリーマンコメディ
何のことはないサラリーマンの日常の中に、事件が。事件の解明の中で三つの恋が芽生える。コメディタッチでテンポの良いお話でした。あっという間の105分、楽しませて頂きました。
藤本役の塩田さん、つい先日お茶の間ゴブリンに出ていた方ですよね。あの時初めて観たのですが、縁があるものですね。

バイト

バイト

カスガイ

テアトルBONBON(東京都)

2013/06/12 (水) ~ 2013/06/23 (日)公演終了

満足度★★★★★

凄い迫力でした!
舞台をあまり見たことが無かったのですが、物凄い迫力でした。展開に集中していたら怒涛の間に終わっていました。私の中で永遠になりました!

マリオン

マリオン

青☆組

こまばアゴラ劇場(東京都)

2013/06/15 (土) ~ 2013/06/23 (日)公演終了

満足度★★★★★

生きざまを問われた!
全てのレベルの高さに感銘を受けた。脚本・演出・役者の凄さに痺れた。再演を熱望する。

ネタバレBOX

青☆組の他の作品でも音楽に意味がこめられているが、今回の「うるわしき天然」は昔の懐かしい思い出と結び付いており、ひとしお感慨深かった。
鴉よ、おれたちは弾丸をこめる

鴉よ、おれたちは弾丸をこめる

さいたまゴールド・シアター

大里生涯学習センターあすねっと ホール(埼玉県)

2013/06/22 (土) ~ 2013/06/23 (日)公演終了

満足度★★★★

ネタばれ
ネタばれ

ネタバレBOX

さいたまゴールドシアター【鴉よ、おれたちは弾丸をこめる】を観劇。

作・清水邦夫、演出・蜷川幸雄のゴールデンコンビである。
71年に蜷川幸雄率いる現代人劇場にて、石橋蓮司、蟹江敬三、真山知子、緑魔子で、アートシアター新宿文化で公演した舞台である。それをさいたまゴールドシアターにて2度目の再演である。

物語は、二人の青年がチャリティーショーに手製爆弾を投げ込んだ罪で裁判にかけられている最中、彼らを救いに爆弾、ホーキ、傘などを武器に何十人という老婆たちが、裁判所を占拠し、自らの手で検事らを裁判にかけ、その場で刑を下していくのである。そして警官による強行突入の末、老婆たちと国家との戦いが始まるのである・・・。

団塊世代が観たら泣いて、泣いて、悔やんでしまうほど、その当時、社会を変えられなかった、変えることが出来なかった事を嘆いてしまうほど無念に満ちた内容である。では何故、若者ではなく、老婆が裁判所を占拠するのか?
それは国家を変える事が出来ずに、逃げてしまった当時の若者たちが、未だに悔やんでいる何十年後の末路の姿であり、それを今の若者に託そうと再度国家を占拠して、伝えようとしているのである。そして老婆たちは、今度は逃げずに死を覚悟して、国家に戦いを挑むのある。そしてあの樺美智子の様に、最後は逃げずに全員殺されてしまうのである。
今作の最大の見どころは、団塊世代以上の素人老人俳優たちが演じる事によって、なんともいえない程の狂気をはらんだ芝居で、当時の無縁さを演技ではない、実体験を通して演じる事によって、凄みを感じさせるくれる事だ。全く下手でしょうがない演技ではあるけれど、それをプロの俳優が演じるという事では決してなし得ない、人生経験という最大の武器を使って、国家でなく、観客に立ち向かっていく姿には誰もが涙してしまった。そして今作の演劇としての最大の面白さは、最後に老婆たちは国家に皆殺しにされたしまった瞬間、その無念さを未だに持ち続けているという証を、当時の若者の姿に戻り(早変わり)、そして死に向かっていくというラストで締めくくられるのである。その瞬間はまさしく生の演劇的興奮の絶頂であり、時代を感じさせてくれた最高の舞台であった。まさしく伝説であり、時代に残る傑作舞台である。

蜷川幸雄は唐十郎、寺山修司、清水邦夫の戯曲を手掛けるとどれもが面白くなるのに、シェイクスピアだとさっぱりつまらんというのはどういう事なのか?
その辺りは世界のニナガワと認めたくないのだが・・・。
不思議の国のアリスより

不思議の国のアリスより

劇団パラノワール(旧Voyantroupe)

サンモールスタジオ(東京都)

2013/06/20 (木) ~ 2013/07/01 (月)公演終了

満足度★★★★★

Rが3つのほう
上演前に当日パンフのキャラクター説明を読んでたら、兎に角ヘンテコなやつばかりでシュールコメディとして期待感が高まった。

不思議の国のアリスの世界観から、不思議をこねくりまわし可愛いでコーティングして変態をまぶして召し上がれってなもんでした。

海賊ハイジャック独特のダークで狂気なテイストとはひと味ちがう面白さがある作品だ。

終演後の役者面会時に、衣装のままの役者と舞台上で一緒に写真撮影できたりするコーナーが設けられていたのもうれしいファンサービスだ。

志ん輔のマイ・ド・セレクション

志ん輔のマイ・ド・セレクション

華のん企画

国立演芸場(東京都)

2013/06/13 (木) ~ 2013/06/13 (木)公演終了

満足度★★★★★

たっぷり堪能しました
休憩を挟んで2時間50分の高座。たっぷり楽しませていただきました。
一朝師匠の「芝居の喧嘩」。江戸っ子らしい威勢のいい演目で、最後サラッと終わるところがいいですね。
志ん輔師匠の「佃祭」。聴かせますね。ただ不勉強でサゲがわからなくて、後で調べてそういうことか、と。
ギター漫談のペペ桜井さん。ベテランの貫禄ですね。
ホール落語に行くことが多いので(最近はとんと寄席にも行ってない。)、国立演芸場の雰囲気を味わえて満足の一夜でした。

飛ぶ金魚

飛ぶ金魚

ジ~パンズ

銀座みゆき館劇場(東京都)

2013/06/13 (木) ~ 2013/06/19 (水)公演終了

満足度★★★

ベルボトムVer.
コメディ部分はベタな笑いだけど、こういうのが一番安心して観られて素直に笑える。(お笑いコントに近いかな。)
でもドラマ部分は、深刻な問題であるDVを(それもダブルで)ドラマをドラマたらしめようととして安易に取り上げているようにしかみえない。この手法は頂けない。
また、登場しない一家の父親の言葉を、彼の再婚相手になる内堂聡子が説明口調で三女、杏子に伝えるシーンがあるが、これではこちらの気持ちが盛り上がらない。シリアスドラマは正面切って見せるのでなく「何気なく」、「さりげなく」見せる部分があった方が効果的と思うのだが如何だろうか。

うさぎストライプも演劇展『おやすみなさい』

うさぎストライプも演劇展『おやすみなさい』

うさぎストライプ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2013/06/07 (金) ~ 2013/06/09 (日)公演終了

満足度★★★

これもひとつの表現
青年団演出部所属の若手演出家の作品は、一般的な「演劇」の枠組みからちょっと外れた作品が観られるのでなるべく観たいと思っている。「うさぎストライプ」は初見。
ポップなサウンドも含め表現としては面白く感じた。ただ(夢の話なので仕方ないのだが)、女の子の分身たちが脈絡のないストーリーを語り続けるのは少し退屈。うさぎのダンスは可愛かったですよ。彼女が夢の中では自由に動いている感じがして。

四の五の言わずに恋しろリーマン!

四の五の言わずに恋しろリーマン!

Island

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2013/06/20 (木) ~ 2013/06/23 (日)公演終了

満足度★★★★★

モテ期なのかなぁ
やはりサラリーマンものは設定がわかりやすく,共感性もあり,物語に入り込んでしまう。こんなのあるわけねえだろ!と思いながらも,ハラハラドキドキ。楽しい観劇の時間でした。役者さんもいつものように一生懸命でしたしね。今回の100円おやつはジャムパイ。もちろん買いましたよ。メッセージは,なかなか良いなと思った子のものだったので,ちょっとラッキー!

ネタバレBOX

「ザオリク」にははまってしまった。懐かしいなぁ。
タイトルコールのシーンが2回あったが,最後の方はざーとらしすぎて,聞いてるこちらが照れてしまうほどだった。
A love story

A love story

もしもしガシャ~ン

タイニイアリス(東京都)

2013/06/14 (金) ~ 2013/06/16 (日)公演終了

満足度★★★★★

さいこーだ
なんか、雑で、よかった。独白を聞かせようとしている時に、裏でコップがカチャンカチャン言ってたり、風情があった。自分も芝居を作るのだけれど、そこで醸したい空気がここにあって、それは大層魅力的で、俺は間違ってなかったと思った。と、同時に、みなさんの点が辛いので間違ってるのかな、とも思った。でも俺もガンバローとおもた

科学

科学

キ・カンパニー

新宿眼科画廊(東京都)

2013/06/08 (土) ~ 2013/06/16 (日)公演終了

ポップきわまりない
作・演出・異性人役の望月さんの才能がハンパない。今回はスキンヘッドに半裸だったが、スーツを着ればいい男になりそう。ポップはチープに落ちやすいが、計算づくで踏みとどまっているように見えた。最後に、異星人に対してポロっと「君、全身、緑色だし」と緑色設定だった(実際は塗ってない。ただの半裸)という小ネタが入った。神様とおぼしき異性人だったので、ナメック星人か?と今書いてて気づいた。素に近いところでの軽快な会話のキャッチボールが心地よくノンストレスで観劇できる。でも次は、シェークスピア劇みたいな大仰な演技をするということで、そちらの挑戦も期待したい。

殺意が死んだ夜

殺意が死んだ夜

ビビプロ

小劇場 楽園(東京都)

2013/05/29 (水) ~ 2013/06/23 (日)公演終了

満足度★★★

あんなにいがみ合わなくても
兄弟だけど、結局他人なんだよな。でも兄弟なんだよね。やれやれ。

ネタバレBOX

毒が盛られる意味とか、実はよくわかりませんでした。アンポンタンですね。
不思議の国のアリスより

不思議の国のアリスより

劇団パラノワール(旧Voyantroupe)

サンモールスタジオ(東京都)

2013/06/20 (木) ~ 2013/07/01 (月)公演終了

満足度★★★

【R観劇】ハイジャックの世界観から別世界へ
ハイジャックといえば、狂気の世界観というイメージだが、
Rバージョンは違ったかな。
アリスの話のように、通常の世界観から脱出したのか(笑)
上演時間100分。

ネタバレBOX

Rバージョンは
①メルヘンチックな世界観
②ギャグな世界観
③ハイジャックの世界観

個人的には、①3②5③2の割合に感じたかな。

見どころも多いし笑えて面白いとは思うが、ハイジャックに期待している内容とは違ったかも。
カレーを注文して、いつものような激辛カレーを期待していたら、甘口カレーが出てきたような。。。

100分の中で短編3本立てなら、俄然食いつくがこの内容で100分は
ちょっと長く感じてしまった。
笑えて楽しめたのだが、違うものを期待していたので。

新しいことにチャレンジすることは大賛成であるが、2バージョン公演なら公演名のつけ方も工夫した方が良いかも。
例えば、ハイジャックバージョンとか実験バージョンとかコミカルバージョンとか。
それかパンフレットに記載している内容をネットにも記載しておくとか。

以前、非常に笑える劇団の公演に「笑えて面白い劇団だから!」と言って友人を連れていったら、その公演は一転シリアスな内容でほとんど笑えず、参った経験がある。。

他の人も私のような経験をしないよう改善した方が良いかも。

最初から、そのつもりで観ていたら評価は違っていたと思う。
面白いことは面白かったので(笑)。

最後に、今までも他劇団の観劇コメントや掲示板でこんなことをしてみたらと記載してきたが、公演後、観客を舞台に上げ写真撮影を可としていた。
賛否両論あるかもしれないが、非常に良いと思う!

ライダーになれなかった人のための

ライダーになれなかった人のための

カムヰヤッセン

スタジオ空洞(東京都)

2013/06/14 (金) ~ 2013/06/24 (月)公演終了

満足度★★★

熱く語れるのはいいよね
子供のときは好きだったけど、仮面ライダー。大人になると、大抵の人は興味なくすよね。大人になっても仮面ライダー好きだ!って叫ぶことができる人は偉いよな。、、、別に偉かないか。

でも熱く語れるのは、男の特権だよね。

ネタバレBOX

企画会議が徒労に終わって。でも逆によかったよね。あんな企画じゃ通らないだろうからさ。

徒労だけど、徒労感があんまりなかったのは、よかったのか、悪かったのか。
授業

授業

劇団渡辺

atelier SENTIO(東京都)

2013/06/21 (金) ~ 2013/06/23 (日)公演終了

満足度★★★★★

無題741(13-167)
19:00の回(雨)。18:45受付、開場..なんだか夏祭りのような雰囲気。「授業」は一度だけみたことがありまして、(そのときは)もうみることはないだろうと思った作品で、なんだかよくわからないながら女性がたくさん殺された...というお話が緩い空気の中で展開されたのでした。

今夜はにこやかな受付、静岡だからの「お茶」をいただいたり、真ん中に座っていらっしゃる男性の首には真っ赤な蝶ネクタイ、和服の3人、三方の壁に貼られたポスターのようなペーパー、日の丸がど真ん中、国旗、TIMEの表紙、アメコミ、雑誌表紙、「お茶のしずおか」...SENTIOらしいといえばらしい。

19:00「さて」の一声で開演、「ピンポーーーッッン!!!!」...たぶん此処で聴いた一番大きな声~20:01終演、21:26アフタートーク終了。滑稽な動き、一見ちぐはぐな会話、アフタートークでの「画像検索」の採りあげ方などどれも面白かったです。

イカルスの星

イカルスの星

ヅカ★ガール

小劇場 楽園(東京都)

2013/05/31 (金) ~ 2013/06/22 (土)公演終了

満足度★★★

レベルアップ。
「イカルスの星」は予選と今回の決勝の観劇で計2回の観劇。

前回は話の焦点が定まっていない印象があったのだが、今回はその点がきっちり修正されていた。おそらくカケルとひかりの関係性がはっきりしたのが、大きいように思われる。
演者の演技の質が前回に比して上がっていたのは言うまでもないが--とりわけ上埜氏--、歌のシーンが増えたことが、効果的だったのではないか。
その他細かい点の修正もあったのだが、それらが正の因子になっていたことを考えると飯塚氏の力量に才能を感じる。
是非これからも頑張って欲しい、と思わせるようなポテンシャルを感じることができた。

浦安ロック

浦安ロック

昭和芸能舎

赤坂RED/THEATER(東京都)

2013/06/12 (水) ~ 2013/06/17 (月)公演終了

満足度★★★★

昭和時代
男子シンクロを売りにした体力系かと思ったら、浦安の史実に体罰問題も絡めた社会派のお芝居でした。といってもダークな感じではなく、おバカな笑いもいっぱいのエンターテーメント。当時のヒット曲など昭和ネタ満載、バカボンパパはともかくアラレちゃんの必然性は??だったけど、ラストの渾身のショーに元気をもらいました!

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