最新の観てきた!クチコミ一覧

112281-112300件 / 189814件中
トーキョー拾遺【全ステージ終了しました、ありがとうございます】

トーキョー拾遺【全ステージ終了しました、ありがとうございます】

ゲンパビ

百想(re:tail別館)(東京都)

2013/07/10 (水) ~ 2013/07/15 (月)公演終了

満足度★★★★

現代的な感性
個人の日常という「小さな物語」と、社会などの「大きな物語」との関係がテーマとなっている。

作・演出・演技、どれもとても現代的な作品だと思った。
役者さんの演技がとても良かった。

(満足度は、観劇の印象では★3つですが、この方向を突き詰めたら、凄い作品ができるのではないかとも思うので、期待を込めて★4つにします。)

ネタバレBOX

個人の日常という「小さな物語」と、社会などの「大きな物語」との関係がテーマとなっている。
岡田利規/チェルフィッチュの「三月の5日間」と近い問題意識。
登場人物たちの個人的な生活の断片が切り取られているが、
その背景では、選挙演説が聞こえてきたり、都議選のことが何でもない会話に一瞬だけ出てきたりと、社会的な問題が通底音のように意識されている。
そして、そのそれぞれの「小さな物語」も、別々のものに見えても、実は、様々に繋がり合っているということが示されている。

三澤さきさん演じる〈川口よど美〉は、バイト先のライブハウスで終電に乗り遅れ、渋谷から自宅のある雑司ヶ谷まで歩いて帰ることになる。ここで、普段電車で移動している時には、別々の都市としてしか見えていなかった町が、実は繋がって存在しているという当たり前の事実に気付く。そしてその部分の総体として東京という大都市が形作られているということにも気付く。

これは、登場人物たちの日常は、それぞれに独立したもののように見えてもそれぞれに繋がり合い、関係し合っていて、その総体として社会は動いているということを暗に意味しているのだろう。

そこで描かれる個々の物語は、微妙な人間関係のズレのようなものを扱っていて、その場面も、プライベートな空間でも、パブリックな空間でもなく、セミパブリックな空間が多い。
このセミパブリックな空間での人間関係というのが、とても現代的な人間関係を象徴している。心を開ききった上での交流がある訳ではなく、どこかで常に遠慮したような、探り合っているような関係でありながら、その奥には極めて私的な欲望が渦巻いている。

そのような微妙な感じを、役者さん達がとてもよく演じていたと思う。
特に新さなえ役の椎谷万里江さんは、演じている感じがしないような自然さがとても印象に残った。他の役者さんたちは、逆に、演じている良さがとてもよかった。

観た直後は、あまりピンときていなかったが、振り返って考えれば考える程、面白い作品だったと思う。

だが、やはり観た直後にピンとこなかったのは、このようなそもそもが微妙な人間関係を描くというのは、感情を吐露するというような強い演技を必要としないため、舞台としての強度を出すにはとても難しいものがあるのだと思う。それでも、この方法を突き詰めて作品化できたら、今までにない凄い作品ができるのではないかという期待もあるので、ぜひその方向で進んでいただきたい。そういう作品を観たい。

余談だが、ドキュメンタリー映画監督のフレデリック・ワイズマンは、セミパブリックな空間を捉え、見つめることで、目には見えない社会的制度や構造をあぶり出す。演劇におけるフレデリック・ワイズマン的手法というようなものが確立できたら、そうとう面白いと思う。
(私が不勉強なだけで、既にそういう演出家もいるのかもしれないが。)
獏、降る

獏、降る

ハイバネカナタ

小劇場 楽園(東京都)

2013/07/10 (水) ~ 2013/07/15 (月)公演終了

満足度★★★★

柱の横に
小劇場 楽園の存在感のある柱。

ネタバレBOX

柱の横にテーブルと椅子を置くことで楽園に行くといつも気になっていた「煮ても焼いても食えないスペース」が活用されていたように思います。肝心のステージの方のセットは、もうちょっと街金っぽさが出てると良かったと思います。
油断盛り合わせ

油断盛り合わせ

油断快適

OFF OFFシアター(東京都)

2000/07/22 (土) ~ 2000/07/25 (火)公演終了

満足度★★★★

チラシの端くれ
※実際の公演期間は1995年7月22日(土)〜25日(火)です。こりっちさんでは1999年以前の公演情報は登録できないので現在できる一番古い日付にしました。

ネタバレBOX

で、実際みたのは1995年7月23日。団体名(?)とチラシの端くれを持って行ったら無料、という言葉に惹かれて観に行きました。内容は、そこそこ笑えるオムニバスコントでした。でもOFF OFFシアターで、本当に無料で観られた事に感動。
「くすり・ゆび・きり」終了しました

「くすり・ゆび・きり」終了しました

エビス駅前バープロデュース

エビス駅前バー(東京都)

2013/07/05 (金) ~ 2013/07/15 (月)公演終了

満足度★★★★★

新鮮Reboot版
お気に入りの作品「くすり・ゆび・きり」が、役者陣が代わり、演出も代わり、初演とは違った印象でした。
バーにとうとう舞台まで作られていました。椅子の配置を換えると、なかなかいい感じの舞台スペースです。
各キャラクターが活きていて、今回のReboot版も面白いです。
そしてこの作品を引き立てるキーは、前作同様に喜怒哀楽の表情豊かなバーテンダーです。
本作でも場面ごとに視線をひきつける演技力に、とても魅力的なバーテンダーさんでした。

でんでんむしのからのなか【ご来場ありがとうございました!!】

でんでんむしのからのなか【ご来場ありがとうございました!!】

空間交合〈アサンブラージュ〉リジッター企画

萬劇場(東京都)

2013/07/10 (水) ~ 2013/07/15 (月)公演終了

満足度★★★★★

リジッター企画を観たのは初めてでした。
とても見応えのあるお芝居でした。この『見応え』と言うのは、脚本や役者の身体はもちろん、魅せる演出や、音響、照明、衣装、舞台美術などのスタッフワークまで綿密でなければ出てこない物だと思うので、凄いと思います。役者の方々の演技はバラツキが無く、安定していたので、安心して舞台の世界観に没頭できました。初のリジッター企画でしたが、また観たいと思いました。今後の公演も要チェックです(^^ゞ

Blanc ~空白の抱擁~

Blanc ~空白の抱擁~

芸術集団れんこんきすた

Livetheater間~まほろ~(東京都)

2013/07/10 (水) ~ 2013/07/15 (月)公演終了

満足度★★★★★

必見
早速、「Blanc」、そして「Bleu]、通って二作観てきた。

これは必見。両作品ともぴったり2時間の芝居だが、あっと言う間に終わる。

観劇したのが「Blanc]「Bleu」ともに、初日だったこともあり、何回か台詞を噛むのが残念だったが…。まぁ、れんこんきすたの持ち味の一つである容赦ない歴史用語や年号、時代物の言い回しの脚本は役者泣かせだろう。


とにかく役者の熱量が凄い。汗や涙が飛んでくるのでは…と思うような熱演、圧倒的な世界観。

中川さんも「Blanc]と「Bleu」では性別も違い別人。色々面白い。

洋物、歴史もの苦手な人も、これは観たら良い。

ラジエーター

ラジエーター

シアターノーチラス

シアター711(東京都)

2013/07/10 (水) ~ 2013/07/14 (日)公演終了

満足度★★★★

集団という名の怪物
来ないバスを待ち続ける人々の姿は時に滑稽であり、
どこか、なにかひとつでも違えれば
とんでもない事件を引き起こしてしまいそうな。
そんな奇妙なバランスが面白かったです。

獏、降る

獏、降る

ハイバネカナタ

小劇場 楽園(東京都)

2013/07/10 (水) ~ 2013/07/15 (月)公演終了

満足度★★★

どうなんだろう
 余り纏まりを感じない作りだ。一応、メインストリームは存在する。然し、それが、メインプロットとして、他と画然と隔たっているわけでは無い。領域の辺縁部分が意識されないままに、漫然と取り込まれているような感覚なのだ。
 その分、時折、科白にエキセントリックな感覚が紛れ込む。そのちょっとイカレタ感覚の妙に活き活きしている点が、興味深い。シナリオ自体が、泳いでいるような不思議なものなので、演出でこれを適確に配置し直すことは難しい。但し、こういったシナリオそのものが、今、この「国」で起こっている生の情況を映しだしている可能性はある。これから、もう少し観察してみる必要がありそうだ。

NO GOAL 【ご来場ありがとうございました】

NO GOAL 【ご来場ありがとうございました】

青春事情

駅前劇場(東京都)

2013/07/10 (水) ~ 2013/07/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

サッカーとSDF
 ホームレスのサッカー世界大会の話である。チームの最低構成員数は、控え選手を入れて5名。通常、正選手4名、控え4名の8名で構成されるが、サッカーフィールドも通常の11名参加のフィールドよりかなり狭い為、細かいルールには、異なる部分もある。何れにせよ、ゴールキーパーを除く3名がフィールド上を駆け回ることになる。当然、世界大会会場は、日本以外の場合もあり、海外遠征をすることもあるので、パスポートを取得しなければならず、ホームレスのように多くの事情を抱える者が参加する場合には、住所、戸籍謄本などの提出書類を始め、パスポートの取得費用なども壁になり得る。また、様々な事情の一つに、社会参加が苦手であるとか、それに失敗して来た結果、トラウマを抱えている人も居るので、メンタルなレベルでのケアも必要な場合が出てくる。更に、人づきあいが苦手という先入観から依怙地になる者も多く、他人に心を開くことが苦手なケースもみられ、こういう者同士の場合、些細なことで喧嘩になり、チームメイトどころか人間関係そのものが破綻してしまうケースもある。
 言う迄もなく、サッカーはチームプレイである。それも極度に知的で人生そのもののような複雑さを秘めたスポーツである。審判のミスや、試合中、相手選手のハードなディフェンス、審判に見えない所でのダーティープレイなども散見されるのが、実際である。また、サッカーの裾野人口の多さから、観客もマナーのいい者ばかりではない。フーリガン騒ぎを思い出す人もあるだろう。こういったことを含め、また、貧困に悩む地域の子供達が、裸足で、ボール代わりにぼろきれを丸めた物を蹴ってサッカーを覚えるような情況を含めて世界ではサッカーが最もポピュラーなスポーツであることもあって、ありとあらゆる技術、悪知恵、狡知に長けた戦術、戦略、伝統的な戦法、チームメンバーの個性を活かすのかチーム力を活かすのか、体格による戦闘方法の差等々、サッカーは、人生の総てが詰っているのが、実感できるスポーツなのである。それ故にこそ、フーリガン達は、あれだけ騒いで罪悪感を持たないのであり、一種のお祭りとして、試合に参加するのである。
 自分が、こんなことを言うのも、嘗て、世界最高の選手たちと寝食を共にした経験を持つからである。アンダーセブンティーンの世界大会が日本で開催されたのは、1993年、自分が共に過ごしたのは、その時のヨーロッパチャンピオンであったポーランドチームであった。練習中に、フィールドで選手達に混じってボールを蹴ったこともある。そうこうしているうちにサッカーというスポーツの持つ魅力に魅入られてしまった。こんなにエキサイティングなスポーツは無い。そう感じた。それ迄にも、自分はスポーツをやってきたのだが、多くは格闘技で、サッカーのような仲間との連携を含めたスポーツの楽しさを覚えたのは、初めてのことであったのだ。
 この作品でも、選手になるホームレス個々人の抱える問題が、問題になり、チーム瓦解、世界大会参加資格喪失の危機などが次々にチームを襲う。 この作品の成功の秘訣は、これら諸問題の解決が、同時にサッカーチームとしての成長に繋がり、サッカーチームとしての成長が、社会人としての彼らの成長に繋がっている点である。その結果、サッカーが人生である、ということが、また人生がサッカーに例えられるような緊密で凝縮された舞台空間が成立した。適度にユーモアも交え、ラスト2試合迄負け続けでへたっているメンバーの起死回生への念を込め円陣を組んでの掛け声が、始めのバラバラな印象から格好良さに変わっていく点に、盛り上げ方の上手さ、作品メッセージの持つ温かさと普遍性、自然な連帯が見える。
 

Still on a roll

Still on a roll

FUKAIPRODUCE羽衣

こまばアゴラ劇場(東京都)

2013/07/11 (木) ~ 2013/07/21 (日)公演終了

満足度★★★★

「Still on a roll」初日
東京の乾いた地面に耳を当て、土を耕し作物を生み出す人々の世界を覗く。名曲連発。いつもながらの熱唱とダンスに落涙。照明、音楽、振付が洗練され、普段はノリの悪い観客の私でも踊りたくなった。作・演出・音楽・美術の糸井幸之介さんは、幸福なファンタジーと苦い現実を並行して描く。上演時間は約1時間40分。

ネタバレBOX

ロックンファームでスイッチが入り、猫っ毛に魅せられ、愛の花で最高潮。短編集ではなく物語なのが前作とだいぶ違う。
ラジエーター

ラジエーター

シアターノーチラス

シアター711(東京都)

2013/07/10 (水) ~ 2013/07/14 (日)公演終了

満足度★★★

詩を読んでいるかのような芝居
前回公演の「その名はブルー」を観ていたので、
引き続いて観劇させていただきました。

詳しい感想は当日アンケートに書かせていただきました。
毎回ノーチラスさんのお芝居を観て思うのは「詩を読んでいるみたいに言葉がきれいな芝居だな」ということです。

いろいろ勉強にもなりましたし、楽しませてただきました。
ありがとうございました。また次回も期待しております。

LIVE mini vol.2

LIVE mini vol.2

三撥~MITSUBACHI~

ぽんプラザホール(福岡県)

2013/07/11 (木) ~ 2013/07/11 (木)公演終了

満足度★★★★

仕事帰りではないけれど
仕事の疲れを癒してくれるひと時だった♪
とにかく迫力のあるパフォーマンスと繊細な音響表現。
なんというか無駄な動きが一切ない驚くべき身体能力。
ひとなつこいMCやnabeeさんとのやり取り。
これはリピートしちゃうね。

遙か遠く同じ空の下で君に贈る声援 2013

遙か遠く同じ空の下で君に贈る声援 2013

シベリア少女鉄道

インディペンデントシアターOji(東京都)

2013/07/03 (水) ~ 2013/07/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

虹を駆けるオッサン
パンフを握りしめて「ゼンゼンワカンナイ!」と叫ぶ喜び・・いや、実際には叫ばなかったんだけれども皆叫んだ方が楽しめたと思う。

何がキーになるかは過去のシベ少を観てれば大体分かったんではなかったのかと思う。

ネタバレBOX

あとはそのキーにオッサンらの発したクサイ台詞等がどう絡んで、
救いが無い恋愛話が
ファンシーでカラフルな観客の夢を乗せた金券争いに転換する瞬間を
マジックに鮮やかに騙された時みたいに
してやらてた感を楽しく堪能するだけだと思う。

傍から見てるとわりとそこここに転がっていそうな
救いのない恋愛ゲームも、
こんな風に発想を転換すればファンシーな言葉遊びのゲームに早変わり♪

・・ひょっとしてこの話、喫茶店のウェイトレス氏の頭の中で展開しているだけで、
実際の登場人物たちは真剣に言い争いをしているんではないかとも想像してみたり♨
ワーニャ・レッスン

ワーニャ・レッスン

劇団 アントンクルー

いじ☆かるstudio(福岡県)

2013/08/07 (水) ~ 2013/08/07 (水)公演終了

満足度★★★

ワーニャ伯父さん
いろんなバージョンのワーニャ伯父さんを観てきたけど、チェーホフはおもしろいと思う。年代的や地域的にわからない習慣も多いけど、それはそれで異国情緒をかきたてられる。いい芝居だし役者さんも魅力的だけど、もっと情宣したほうがいいのになと思った。

トーキョー拾遺【全ステージ終了しました、ありがとうございます】

トーキョー拾遺【全ステージ終了しました、ありがとうございます】

ゲンパビ

百想(re:tail別館)(東京都)

2013/07/10 (水) ~ 2013/07/15 (月)公演終了

じんわり。
ギャラリーの空気と、役者さんの空気と、言葉とかいろんなものが「ぴったり」って感じでした。
描かれてるのは限りなく日常なんだけど、特別な時間を過ごせました。
すごく好きな感じだったので、沢山の人に観て欲しい。


特典の缶バッチ、可愛いです。

『わが闇』(再演)

『わが闇』(再演)

ナイロン100℃

本多劇場(東京都)

2013/06/22 (土) ~ 2013/07/15 (月)公演終了

満足度★★★

いい作品だってのはわかるんだけど・・・
自分の中では、あんまり響いてくるものがなかったかなあ・・・。

テーマ的にどうしても「今の自分」に引き寄せて観ちゃってたせいか、作品が最後に残す「希望」をにわかには信用できなかったというか、作品ととの「溝」を最後まで越えられなかったなあ、っていう残念感が残っちゃったなあと。

ヴェローナの二紳士

ヴェローナの二紳士

ハイリンド

吉祥寺シアター(東京都)

2013/07/08 (月) ~ 2013/07/15 (月)公演終了

台詞ごとに“待ってました!”痛快•二紳士


シェイクスピアの幅の広さを改めて認識できた。

聴いているだけで、気持ちがいい。
観ているだけで、引き込まれる。

この世界に、ずうっと浸かっていたかった。

優しさに溢れた逆転劇。


大人も、子供も、違った目線で堪能できる。





イタリア貴族階級における恋愛悲喜劇である。
劇ならではの空気が漂うなか、「安心感」が あった。
シェイクスピアといえば、難解な、30年 間 詩の研究に没頭した者でさえ 自分の血となり、肉とすることができない言語である。


思春期の青年を惑わす魔女に囁かれた観客は、 雷に打たれた後の大木だ。

言語に折れ、焼き払われたっていい。それが、魔女の囁きから生まれた 演劇史なら、誰が 魅力的な摩擦を止めて、今朝の 大木を もう一度 眺めたいなどというだろうか。

「安心感」は どの要素から生まれたかといえば、コメディタッチで描いた点にある。

ラストのシーンは象徴だった。

友同士が、激烈に語り合い、分かち合う泪する場面なのにもかかわらず、「シェイクスピア」の言語のため、会場からは“笑い”。

基本的には「シェイクスピア」であることを否定しない反面、最も 要求される場面において、“笑い”へ変換された。
伝統の看板が立つホテルを訪れたら、中では 大相撲の最中だった。

それは、◯◯投げにも通用する台詞かもしれない。(目に入ると痛いですよ)
吉祥寺シアターがOKの二文字をこっそりと示したことこそ、柔らかな怒りさえ持たぬ コメディ劇の証拠であり、旅館の襖を開けて確認できるくらい明白な事実である。


「独白」は、男として、友として、貴族して、人として の守らなければならない鉄則と、女を奪いたい本心とが交錯する、見応えのある“対話”だった。
観客に訴えるのは、日本むかし話ではなく、登場人物の自身における対話、観客との対話だろう。
そこには、水戸黄門の論理を越えた 物事の深い面が備わっている。

迷いながらも、不断の決意により 実施してしまう男は、セクシーではないか。
セクシーという名の印籠だ。

この舞台は、姫に嫌われ、友を裏切った男が、実は 最大にモテるオトコだったといえる。


シェイクスピア×コメディの試験管であれば、さらに強烈な言語で、知的な詩人を“笑い”に変換する手もあった。
ところが、そうした明確な意図はラストシーンのみであり、全編に渡って シェイクスピアの忠実な下部だった。
結果論としてのコメディである。
(それも意図的な)


“イヌ”も登場するくらいだから、もっと“忠実”が度をすぎたコメディ化を目指すべきだったのではないか。これは批判どころか、個人的な要望である。




知的なシェイクスピア劇は、より“忠実”、より“深化”させようと思うほど、逆にコメディ化に適した部分もある。
一昨年、ロンドンインターナショナル劇団のシェイクスピア劇(本番)を埼玉•濁協大学公演にて観劇したが、人によっては「えー、昼間なのに!困るよ」と聞こえてくる内容も あった。
そして、彼らは観客の女性の髪をボサボサにして帰って行った。

そうだ。
シェイクスピアは、幅の広いジャンルである。
◯◯投げをしあう、それは 非シェイクスピアとはいえない。
むしろ、シェイクスピアの出番なのだ。




































ネタバレBOX



シェイクスピアの幅の広さを改めて認識できた。

聴いているだけで、気持ちがいい。
観ているだけで、引き込まれる。

この世界に、ずうっと浸かっていたかった。

優しさに溢れた逆転劇。


大人も、子供も、違った目線で堪能できる。





イタリア貴族階級における恋愛悲喜劇である。
劇ならではの空気が漂うなか、「安心感」が あった。
シェイクスピアといえば、難解な、30年 間 詩の研究に没頭した者でさえ 自分の血となり、肉とすることができない言語である。


思春期の青年を惑わす魔女に囁かれた観客は、 雷に打たれた後の大木だ。

言語に折れ、焼き払われたっていい。それが、魔女の囁きから生まれた 演劇史なら、誰が 魅力的な摩擦を止めて、今朝の 大木を もう一度 眺めたいなどというだろうか。

「安心感」は どの要素から生まれたかといえば、コメディタッチで描いた点にある。

ラストのシーンは象徴だった。

友同士が、激烈に語り合い、分かち合う泪する場面なのにもかかわらず、「シェイクスピア」の言語のため、会場からは“笑い”。

基本的には「シェイクスピア」であることを否定しない反面、最も 要求される場面において、“笑い”へ変換された。
伝統の看板が立つホテルを訪れたら、中では 大相撲の最中だった。

それは、パイ投げにも通用する台詞かもしれない。(目に入ると痛いですよ)
吉祥寺シアターがOKの二文字をこっそりと示したことこそ、柔らかな怒りさえ持たぬ コメディ劇の証拠であり、旅館の襖を開けて確認できるくらい明白な事実である。


「独白」は、男として、友として、貴族して、人として の守らなければならない鉄則と、女を奪いたい本心とが交錯する、見応えのある“対話”だった。
観客に訴えるのは、日本むかし話ではなく、登場人物の自身における対話、観客との対話だろう。
そこには、水戸黄門の論理を越えた 物事の深い面が備わっている。

迷いながらも、不断の決意により 実施してしまう男は、セクシーではないか。
セクシーという名の印籠だ。

この舞台は、姫に嫌われ、友を裏切った男が、実は 最大にモテるオトコだったといえる。


シェイクスピア×コメディの試験管であれば、さらに強烈な言語で、知的な詩人を“笑い”に変換する手もあった。
ところが、そうした明確な意図はラストシーンのみであり、全編に渡って シェイクスピアの忠実な下部だった。
結果論としてのコメディである。
(それも意図的な)


“イヌ”も登場するくらいだから、もっと“忠実”が度をすぎたコメディ化を目指すべきだったのではないか。これは批判どころか、個人的な要望である。
「もっと!もっと!」



知的なシェイクスピア劇は、より“忠実”、より“深化”させようと思うほど、逆にコメディ化に適した部分もある。
一昨年、ロンドンインターナショナル劇団のシェイクスピア劇(本番)を埼玉•濁協大学公演にて観劇したが、人によっては「えー、昼間なのに!困るよ」と聞こえてくる内容も あった。
そして、彼らは観客の女性の髪をボサボサにして帰って行った。

そうだ。
シェイクスピアは、幅の広いジャンルである。
パイ投げをしあう、それは 非シェイクスピアとはいえない。
むしろ、シェイクスピアの出番なのだ。




































獏、降る

獏、降る

ハイバネカナタ

小劇場 楽園(東京都)

2013/07/10 (水) ~ 2013/07/15 (月)公演終了

満足度★★★★

ばっちりです。
そんなにギャグはなかったので、短い時間で対応されたのでしょう。

特に後半からラストまで、迫真の演技!凄いデス。楽園にて。

服部さんの演出によるものでしょう。すばらしい!

NO GOAL 【ご来場ありがとうございました】

NO GOAL 【ご来場ありがとうございました】

青春事情

駅前劇場(東京都)

2013/07/10 (水) ~ 2013/07/14 (日)公演終了

満足度★★★★

よかった!
わかりやすいお芝居で、バラバラのチームがまとまって行く、青春って感じの誰でも楽しめるお芝居でした(*^_^*)

青春事情さんのお芝居は見終わった後、すっきりして気持ちいいです。

ヴェローナの二紳士

ヴェローナの二紳士

ハイリンド

吉祥寺シアター(東京都)

2013/07/08 (月) ~ 2013/07/15 (月)公演終了

満足度★★★

もっと遊んでほしかった
『ヴェローナの二紳士』を書いたのは、二十台後半のシェークスピアらしい。
そういえばどっかで聞いたことある掛け合いだなあとか、この設定はどっかで観たなあという気がした。その後のシェークスピア演劇の萌芽がそこにはあるということなんですね。
そういう意味で、『ヴェローナの二紳士』を観られたのは、貴重な体験でした。

ネタバレBOX

でも上演自体は退屈なシーンが多かったです。
いかにもシェークスピア劇的な動きと話し方。表面的に感じました。
舞台上で何かが起こっているようには観えませんでした。

シェークスピアでいえば、最近観たのですが、東京乾電池の『夏の夜の夢』が最高に面白かったです。
俳優が演じているっていう感じがなくて。ただ舞台上で遊んでいるっていう感じでした。
いいなあ、遊ぶって。ごめんなさい、蛇足でしたか。

このページのQRコードです。

拡大