最新の観てきた!クチコミ一覧

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冒した者

冒した者

葛河思潮社

吉祥寺シアター(東京都)

2013/09/20 (金) ~ 2013/10/13 (日)公演終了

満足度★★★★

濃密な芝居を小劇場で。重く暗い人間の葛藤なのに、不思議と華やかな印象が残った。
戦後の東京郊外、焼け残った大屋敷に9名の人間が集い、
平穏な日常を送っていたある日のこと。
一人の人間の来訪によって狂い始める日常。

人生経験が希薄な自分として、舞台上の日常は
まるで金田一耕助もので連続殺人が起きる金持屋敷のよう。
田中哲司の長セリフから始まり、
松田龍平の静かな狂気の存在感、
中村まことは去勢に満ちた人物が一気にもろく人格が崩壊、
松雪泰子は、きっぷが良く見えたもののやはり急変する。
個性波、実力派の俳優さんたちが
吉祥寺の小劇場の舞台に集まり、
とても濃厚な人間の葛藤を演じる
なんという贅沢な時間と空間だったでしょうか。
暗く重い内容であるにもかかわらず、楽しい内容でもないのに
とても華やかな印象が残った不思議な感覚のまま劇場を後にしました。

無休電車【本日大千秋楽☆10/21(月)14時開演、当日券若干枚ございます!!!】

無休電車【本日大千秋楽☆10/21(月)14時開演、当日券若干枚ございます!!!】

劇団鹿殺し

青山円形劇場(東京都)

2013/09/27 (金) ~ 2013/10/14 (月)公演終了

満足度★★★

名作ではないけど、楽しめました。
鹿観劇は暴れん坊、BONE SONGSに続く3作目。ここの役者のスキルの高さやそれなりのレベルに話をまとめてくる技は、流石はずれが無いベテランと言った風情です。ただ他の方も書いていますが、「ショー」なんですね。脈絡のある話では無いし、脚本が素晴らしいとはお世辞にも言えない。中身も無い。

でもエンタメとして力を抜いてみれば、十分楽しめる。そんな感じです。めまぐるしくシーンや役が入れ替わり、飽きさせない工夫が見えて良かったと思います。もはや小劇場では無く、商業演劇に近い鹿ですから、細かいことは言いません。

演戯団コリペ『小町風伝』

演戯団コリペ『小町風伝』

BeSeTo演劇祭

こまばアゴラ劇場(東京都)

2013/10/17 (木) ~ 2013/10/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

コリペの小町風伝
 演劇団コリペ(1986年、釜山で結成)を率いる李 潤澤氏の演出になる今作であるが、実は、1992年に李氏は太田 省吾氏から直接演出を頼まれていた。その時点で演出しなかったのは、太田氏のオリジナルでは、沈黙に多くを語らせており、それは李氏とは、逆の方法であった為、その時点では沈黙を言語化することを断念せざるを得なかったのだと言う。互いに互いの力量を認め合えるだけのアーティストが、このような形で邂逅していたのである。その後の二人の付き合いは続き、20年余を経た今日、李氏は、かねてからの依頼に応えた。
 因みに、現代韓国の演劇レベルは、世界トップクラスである。才能が鎬を削る韓国内にあってコリペは、プロの集団、現在迄にいくつもの賞(東亜演劇賞、ソウル公演芸術祭での受賞、韓国演劇大賞での受賞等々)を獲り、韓国を代表する劇団の一つ。劇団員は、全員、舞台収入だけで食っている。それだけに、志も高く、技術もプロのそれである。今作でも、日本の能と朝鮮半島へ伝わった騎馬民族のサバンチギ、韓国に残る古典芸能の一つ、グツ、半島南部に残る矢張り古典芸能・仮面を用いたトッブェギなどがさりげなく織り込まれて伝統的形式を能面と対比させることで、単に歴史的推移ばかりでなく、現代に於ける互いの文化の歴史的潮流と融合を含めたムーブメントの方向性をも示していると見ることができよう。(追記2013.10.29)

ネタバレBOX

 幾重にも重ねられた時空と人間関係が、ひたひたと寄せる波のように我々の心を浸し、生の総体迄体感させるような感覚を呼び醒ましてくれる。
夜と昼、光と闇、若さと老い、一瞬と永遠、これら総てが、思考を追求することから解き放たれた不分明の央で、時に融和し、時に離れ、また寄っては距離の近さに戦く様に顫え、生命のリズムに呼応し、永遠の愛を一瞬に稔らせたかと思う瞬間に飛びさる。悠久の時が、波が我らにひたひた押し寄せるように寄せて足を濡らし絡め取る。
 このようにして我ら観客は、夢とも現ともつかぬ劇空間にいつの間にか取り込まれ乍ら、生命の息吹のようなものに、その気配や佇まいに出合うのだ。一旦、西洋的な論理のオーダーを捨て、魂を猶わせてみよう。其処には東洋が見えてくるはずである。
十一ぴきのネコ

十一ぴきのネコ

同志社小劇場

同志社大学 新町キャンパス学生会館別館小ホール(京都府)

2013/10/18 (金) ~ 2013/10/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

十一ぴきのネコ
素晴らしい出来です。中途半端に自己満足で悦に浸っている若手劇団に彼らの垢でも飲ませてやりたい。役者がすこぶる良いです。ちゃんと声が聞こえて、しっかり動けるということかいかに大事ということか。既成の台本だからこそ、はっきりとわかる。だから、急なアクシデントにもとっさのアドリブで見せ場にしてしまう。このような驚きがあるから、学生劇団を観ているのです。引退公演でしたが、またどこかの劇場で。。

未来を忘れる

未来を忘れる

文学座

文学座アトリエ(東京都)

2013/10/18 (金) ~ 2013/11/01 (金)公演終了

満足度★★★★

今と将来
今を生きる類人猿と将来を考える人間みたいな。

ネタバレBOX

隣国にミサイルをぶち込まれ、都市は壊滅、原発もやられた日本。その隣国は日米安保のおかげか、アメリカの攻撃によって即座に壊滅させられたものの、とは言っても放射能濃度が高まり、資産家は海外に逃れ、復興させるだけの資金がなく復興を諦めた日本において、薬を飲んで安楽死するか、薬を打ってゴキブリの遺伝子を組み入れゴキブリになるか、あるいはゴキブリに身体を乗っ取られ、人間としての意思は無くなっても肉体が生き延びるのを良しとするか、選択を迫られるような話。

ゴキブリのように個々の死は無視され常に全体で今だけを生きていれば、人間のように将来を悲観することはありません。でもなぜゴキブリかと思ってしまいます。

虫への変身は『変身』のようでもあり、来未(らいみ)という女性の名前を聞いたときには、未来を言葉遊びでおちょくってくれた『ロープ』を思い出しました。さらには死んだ方が楽と説く新興宗教の話を持ち出すなど、色々な話の寄せ集めのように感じました。
青鬼Ver.27【あの大人気ホラーゲーム『青鬼』を舞台化!】

青鬼Ver.27【あの大人気ホラーゲーム『青鬼』を舞台化!】

第27班

インディペンデントシアターOji(東京都)

2013/10/21 (月) ~ 2013/10/22 (火)公演終了

満足度

楽しみたかったが
原作知らないから、正直つまんなかった。パロディだとしてめ、酷すぎる。どこで楽しんだら良いか悩みながら観ていました。

学生演劇祭でグランプリからの王子小劇場に一気に進出する勢いは凄いけど、やりたいこと先行で客無視してる気がする。役者は好演・・と言ってあげたいけど、王子の尺で声が聞こえない役者がいたり。

こういうのを王子みたいな場所でやっちゃうから、まあ小劇場なんて所詮は主宰の自慰行為みたいなもんだから、と言われるんだよ・・。

ミュージカル『バイトショウ』

ミュージカル『バイトショウ』

劇団扉座

座・高円寺1(東京都)

2013/10/16 (水) ~ 2013/10/27 (日)公演終了

満足度★★★★

楽しかった!
劇団の裏というか、あるある話をコミカルな演技とダンス、明るい楽曲で彩るミュージカル作品でした。歌もダンスもプロとしての水準に達しており、芝居としても楽しめる上質のエンタメでした。生演奏と役者の肉体から発せられる歌と踊りが芝居が上手く絡み合っている秀作です。客演陣と団員の役割分担が上手く機能していました。しかし、良い作品は例外なく細部まで手が込んでいるものですね。

エビス朗読の会 終了

エビス朗読の会 終了

エビス駅前バープロデュース

エビス駅前バー(東京都)

2013/10/17 (木) ~ 2013/10/21 (月)公演終了

満足度★★

声の鍛錬が足りない
楽日に拝見しました。声の使い方が全然甘い。小劇場らしい自然な発声と言えばそれまでですけど、声だけでお金を取るレベルに達するというのは非常に難しいことです。普段、発声の教育をしているのですが、ただセリフを読む、ただ歌う、ほど難しいことは無いのです。文学座や俳優座のような老舗の劇団、あるいは商業演劇の舞台に長く立っている役者の技術のすばらしさに学んで欲しいと思います。そういう方の朗読でも、3000円~4000円程度です。2000円の入場料、そして飲み物代で約3000円の価値があったかと言えば、残念ながら発表会の域を出ていなかったと思います。本は良かったと思います。

6人の悩める観客

6人の悩める観客

壱劇屋

大阪市立芸術創造館(大阪府)

2013/10/11 (金) ~ 2013/10/14 (月)公演終了

満足度★★★★

まだまだ可能性を秘めた劇団!
この「6人の悩める観客」は2011年の今頃に上演された再演、

私が壱劇屋と初めて出会った作品!


その後、この劇団の作品に色々と驚かされました!

そして、2年経って新しいメンバーが加わってから

どんな風に変わっているのか愉しみ♪

劇場は前回と同じ芸術創造館へ!


前作でも感じましたが凄く実験的で新しい感覚のお芝居!

前作よりパフォーマンスが増えていて

内容も細かいところまでは覚えてませんがラストなど進化してました♪


それは見ているのか?演じているのか?何か不思議な感覚になります!


客演の丹下真寿美さんと新メンバーを加えた壱劇屋の

息のあった動きには惹きつけられます♪

かなり練習しないとできないんじゃないか⁈と思える

次々と繰り広げられる動きには驚かされます(^^)


日替わりゲストの登場はほぼアドリブ的な感じで和ませてくれます♪


全体的な展開としてはもっとブラッシュアップできる部分はありますが

面白い要素が色々と盛り込まれているエンターテイメントな作品!


肩の力を抜いて観れば何だかんだであっという間の1時間50分でした‼︎

今回の面白さがTwitterやその他の反応の多さにも表れていると思います♪


まだまだ可能性を秘めている劇団!

通し狂言 婦系図

通し狂言 婦系図

松竹

三越劇場(東京都)

2013/10/10 (木) ~ 2013/10/25 (金)公演終了

満足度★★★

初新派
花組芝居で上演された「婦系図」をきっかけに、新派版ではどうなっているのか興味を持ったので初めて拝見しました。
原作にない湯島の境内のシーンがどうなっているのか楽しみにしていたのですが、席が悪かったようで上手のお芝居は前列の頭に隠れて全く見えず残念。声だけで味わいました。
原作との違いに驚いていましたが、特にラストシーンが大幅に変わっていて衝撃でした。これが作られた当時はこの内容で涙を誘ったのかな…と思いを馳せたり。
豪華な三越劇場で観劇できて楽しかったです。

朝劇「サルバドルの大事件」【9月10月全話やります!!】

朝劇「サルバドルの大事件」【9月10月全話やります!!】

朝劇

CAFE SALVADOR(千代田区丸の内 3 - 2 - 3 富士ビル1F)(東京都)

2013/10/04 (金) ~ 2014/10/24 (金)公演終了

満足度★★★★★

第二弾も楽しかった〜◎
今回の作品も楽しかったし、元気をもらいました〜。本当にありがとうございます(^O^)‼

裏小路

裏小路

トム・プロジェクト

紀伊國屋ホール(東京都)

2013/10/17 (木) ~ 2013/10/22 (火)公演終了

満足度★★★

真摯なの?
吉田栄作さんいいわぁ。下條アトムさんはあてがき?それよりあの辻井彰太さんって何者なの??というくらいキラキラ光っていました。

ネタバレBOX

中津留作品をいくつも観ているけど、どうもうわべだけ、美味しいとこだけ言葉を羅列して吐き出させたように思えて私には合わない。そういう意味での笑いどころは満載でしたが。でもきっと子育てを終え孫も大きくなっている方々には受けるのだろうなあ。新鮮に感じちゃうのだろうなぁ。
人数の足りない三角関係の結末

人数の足りない三角関係の結末

tea for two

「劇」小劇場(東京都)

2013/10/17 (木) ~ 2013/10/20 (日)公演終了

満足度★★★★

みんな誰かの幸せを願う
tea for two初観劇。こんな会話劇が見たかった。よかった。
結局、細部まで語られることがなかったもろもろについて、想像力が膨らんで観劇後まで楽しめる。

どこかでみたことのあるような人間で、どこかに居そうな人間で、なんとなく知っているような人間がでてきているから、
親近感をもって違和感なく観ることができたが、ひとりひとりの人間の深みはもの足りなかった。
一筋縄ではいかない人生が、セリフで語られるにとどまっているように感じた。

終演後、tea for twoの活動休止を知った。これからも観ていきたいと思っていたのに残念。

SEX,LOVE&DEATH~ケラリーノ・サンドロヴィッチ短編三作によるオムニバス~

SEX,LOVE&DEATH~ケラリーノ・サンドロヴィッチ短編三作によるオムニバス~

公益社団法人日本劇団協議会

ザ・スズナリ(東京都)

2013/10/18 (金) ~ 2013/10/22 (火)公演終了

満足度★★★★★

唯一の新作はケラからの皮肉?
 若手が演じるケラリーノ・サンドロヴィッチ短編集。
 そう聞いて期待した通りのものが観られました(o^∇^o)ノ
 当パンによればケラさんはスケジュールの都合で稽古への合流が遅れたそうで、3作とも途中までは演出助手とキャストのみによる自主稽古で作られたそう。
 そのせいか、どの作品もフレッシュで、また伸びやかな雰囲気がありました。
「【作・演出】ケラリーノ・サンドロヴィッチ+ナイロン100℃」となっているのは、上の理由によるそうです。

①13000/2

 風俗店の待合室が舞台。終始ドタバタしっ放しで愉快!

②死んでみた

 これのみ新作。
 リフレインを多用したリーディング風の劇。
 流行りの2手法を茶化してこの上なくバカバカしいナンセンス劇に落とし込んでいるのが痛快!
 新手法に無批判に飛びつく演劇人への、ケラからの痛烈な皮肉か?
 これは方法に懲りすぎずに舞台を作り続けてきたケラだからできること。
 

③スモーク

 ケラ流ダークファンタジー。
 誤解が誤解を呼んで大事になる展開はアンジャッシュのコントのよう。
 ロケに来て南国のホテルに泊まったTVクルーと出演者が酷い目に遭わされる。
 本作固有の退廃的でクレイジーなムードは客席をも包み込んで、悪酔いしているようないけない気持ちよさを味わいました(笑)。
 身振りでコミュニケートを図る、森本華さん演じるトンチキな黒人ボーイがハーポ・マルクスのようで可愛ゆしヽ(*^^*)ノ

 上演時間は休憩込みで約130分と、ケラ作品としては異例の短さ。
 自由席3000円でこれだけのものが観られてとっても得した気分でした。
  
 
 

人数の足りない三角関係の結末

人数の足りない三角関係の結末

tea for two

「劇」小劇場(東京都)

2013/10/17 (木) ~ 2013/10/20 (日)公演終了

満足度★★★★

とてもとても丁寧な芝居
脚本が極めて精緻に組まれている。まるで建築物のように。
演出も丁寧。作品テーマとも重ねられている。
それを演じる役者さんも素晴らしい演技。

とっても良い作品を観たという印象。

<内容面について、後日追記するかも>

ネタバレBOX

大根健一氏はそうとう頭の良い人なのだと思う。
脚本の構成、演出の構成など、建築物を設計しているかのような精緻さで作品が組み上げられている。

内容面でも、物語にさりげない形で社会批評が忍ばせてあったり、人間関係のあり方が問いかけられていたりと、とても丁寧な仕事。

これだけの知性がありながら、それをひけらかすような部分は少しもない。

本当に丁寧に作られている作品だと思った。
贋作☆スイミー【満員御礼!ご来場ありがとうございました!】

贋作☆スイミー【満員御礼!ご来場ありがとうございました!】

劇団SHOW

パフォーミングアーツ・シアター(尚美学園大学・川越キャンパス内)(埼玉県)

2013/10/19 (土) ~ 2013/10/20 (日)公演終了

満足度★★★

抜群の演出センス
この作品の演出センスは凄い。
(第一演出:栗☆兎 :第二演出:伊藤拓)

学生劇団とあなどるなかれ、そのセンスはプロ顔負けである。

作品の完成度も高い。

ネタバレBOX

ただし、台詞の発語の仕方やドキュメント風のモノローグを交える手法など、
どこかで見たような作風(マームとジプシーとか、チェルフィッチュとか、ブルーノ・プロデュースとか、、、)のため、流行を取り入れている借り物の方法だなという感じはした。せめて、発語の仕方だけでも、ものまねっぽさが無かったら、もっともっと舞台に入りこめたのに、、、と個人的には思う。

それでも、このセンスはスゴイ。学生だということを考えると驚きしかない。

レオ・レオニ作の絵本『スイミー』の話を、魚座という劇団の話と重ねて描いている。そこでは、『スイミー』のテーマでもある、個と集団の問題が提起されている。

魚座はこの物語内の劇団だが、それはこの作品を作っている劇団SHOWそのものの姿とも重ねられている。そのようなドキュメント風の作品の為、所謂役者の演技というものとは違ったものが舞台に現れる。舞台に立つ者一人一人の個性・魅力そのものが。
そのような演出方法だからか、実際に強烈な個性と魅力を持った人たちがこの劇団に多く所属しているのか(おそらく両方だろう)、役者たちがとても魅力的に見えるのだ。
とかく学生劇団では、どうしても演技力の未熟さを感じてしまうことが多いが、この芝居では一切そういう部分は気にならなかった。

ドキュメント的な演出が、この作品の質を高めている最大の要因だとは思うが、それ以外の演出部分(空間演出その他)も、脚本の構成力も含めて、凄いセンスだと思った。

脚本に関しては、その台詞の細部はとても素晴らしい。
「作・栗☆兎となかまたち」となっているので、役者などの実感や意見がこの脚本に採用されて作られているのではないか。
就職活動をどうするのか、このままでいいのか、なども語られている。
役者たち自身の葛藤とも重なっているのだと思う。

ただ、俯瞰した場合に、構成はとても計算されているものの、
内容面では弱いと感じた。
とても緩い会話がずっと続くからだ。

と言っても、私にそう感じられただけで、
今の若い世代には、この緩さこそが重要なのかもしれない。

特に、この作品のテーマが集団と個の問題であることを考えると、その点はかなり注意が必要だ。
話を聞く限り、今の若い世代では、「空気を読む」というようなことに関して、
30歳以上の世代では理解できないような集団性の問題が生じているようだ。
(顕著な例としては、大学で独りで食事ができないなど、、、)
そのような状況を考えると、私が緩いと感じているやり取りの中にこそ、微細な集団と個の問題が描き込まれているのかもしれない。
30歳を過ぎた私にはわからない何かが、、、。
(勿論、単に脚本が弱いだけという可能性もあるが、、、。)

批判的なことも書いたが、この演出センスはとんでもないと思う。
今後の作品にも大いに期待できる。

美術なども素晴らしかった。
つかのま真打ち

つかのま真打ち

蜂寅企画

シアター風姿花伝(東京都)

2013/10/17 (木) ~ 2013/10/21 (月)公演終了

満足度★★★★

題名からして、秀逸
中尾さん、拝見する度、筆さばきが進化していらっしゃると感じます。

中尾脚本の秀逸さに比例して、役者さんの演技力も、旗揚げの頃に比べて、各段の進歩をされていると実感しました。

台詞に、説明過多な部分が少なくなったのも、脚本家としての中尾さんの成長ぶりを痛感して、胸にこみ上げる嬉しさがありました。

ただ、前半部分の、コント的な騒々しさには、やや蛇足感を否めませんでした。笑を生んで、舞台の空気を温めようという作者の配慮かもしれませんが、あーいう無意味な軽いギャグのような場面を廃した方が、作品の品を高めるように思うのです。

最後は、少し、涙腺が緩みました。
つかのま真打ちの、体を張った落語噺には、感動を頂きました。この場面で、この題名の真意がわかり、なるほど、してやられた感!

「笑う門には福来たる」というテーマが、堂々と語られ、胸のすく芝居でした。

ただ、役者さんにお願いですが、こういう小さな劇場では、一般客の帰り道を塞がない工夫をして頂きたいと思いました。せっかく、お知り合いのお客様と歓談されている中、「どいて下さい」と言うのも野暮かと待っていたら、いつまでも外に出られそうもありませんでしたので。

ネタバレBOX

てっきり、円朝が主役なのかと、途中まで勘違いして観ていましたが、これは、故あって、落語の世界から身を引いた円也が主役の芝居だったのですね。

円朝が、師匠の2代目円生の妬みによる嫌がらせによって、彼独自のオリジナル噺を確立した経緯は、昔観た「すててこてこてこ」という、風間杜夫さんの芝居でも拝見して知ってはいましたが、そのエピソードから、こんな素敵な、ファンタジー時代劇を創作してしまう中尾さんの戯作者としての技量に感服します。
蜂寅作品でも、珍しく、悪人が一人もいない芝居で、清々しい観劇後の清涼感がありました。

一世一代の落語を披露する、円也役の菊池さんの役者としての存在感が素晴らしく、つかのま真打ちの真骨頂をまさに体現され、その眼力に圧倒されました。

相変わらず、簡素なセットが、縦横無尽に、変化を遂げ、高座が、一転、円生のお墓になった時は、心で喝采を叫んだほど。

「お後がよろしいようで」の台詞が、物語で、うまく語られ、意味を持つラストの小粋な演出にも、笑顔を禁じ得ませんでした。

現代の戯作者中尾さんのお手並み拝見、益々、今後が楽しみでなりません。

余談ですが、円朝の母親の「膝がバーン」には、個人的に大受けしました。
私も、つい先日、膝がバーンで、大変だったものですから。
裏小路

裏小路

トム・プロジェクト

紀伊國屋ホール(東京都)

2013/10/17 (木) ~ 2013/10/22 (火)公演終了

満足度★★★

社会状況に挑む姿勢
中津留章仁さんの作品は、今の社会状況にどのように対峙するかという批評性があってとても素晴らしい。
今作もいじめ問題を扱っていて、とても興味深かった。

ネタバレBOX

途中までは、誰が本当に悪いのか、不確かなまま物語が進む。

それが、今日、なにが本当で、何が嘘なのかわからないメディア状況への批評にもなり、さらにそこに悪意があるのかないのか、悪意なく行われる行為が人によっては暴力と受け取られることもある社会状況への批評にもなっていると感じ、とても面白く拝見していた。

だが、最後になって、すべては少年が悪かったというオチがつく。

これは、中津留氏が物語に強度を付けるためにオチを付けたのか、
紀伊國屋で行われる商業演劇だから、誰が見てもわかるように安易な物語に落とし込んだのか、理由はわからないが、
それまで複雑な問いを孕んでいた作品の意味が、最後でとても単純なものに変わってしまった。
そこにあった複雑さこそが、社会の解決できない複雑さそのものだったのに、、、もったいないと思った。
ストレンジストーリーズ

ストレンジストーリーズ

猫のホテルプレゼンツ 表現・さわやか

西鉄ホール(福岡県)

2013/10/19 (土) ~ 2013/10/20 (日)公演終了

満足度★★★

ツッコミシート。
丸めて投げて、遊べました。本編はありながら、これでもかといわんばかりに登場するキャラ達に大爆笑。楽しませていただきました。

ネタバレBOX

池田鉄洋さんが英語でナレーションをするシーン、同時通訳が入りますが、しっかり聴いていると訳どおりの英語を話しておられました。こだわりかな。

中村恩恵×首藤康之 「Shakespeare THE SONNETS」

中村恩恵×首藤康之 「Shakespeare THE SONNETS」

北九州芸術劇場

J:COM北九州芸術劇場 中劇場(福岡県)

2013/10/20 (日) ~ 2013/10/20 (日)公演終了

満足度★★★★

静けさの中に。
素晴らしい躍動、身体表現でした。

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