満足度★★★★★
唯一の新作はケラからの皮肉?
若手が演じるケラリーノ・サンドロヴィッチ短編集。
そう聞いて期待した通りのものが観られました(o^∇^o)ノ
当パンによればケラさんはスケジュールの都合で稽古への合流が遅れたそうで、3作とも途中までは演出助手とキャストのみによる自主稽古で作られたそう。
そのせいか、どの作品もフレッシュで、また伸びやかな雰囲気がありました。
「【作・演出】ケラリーノ・サンドロヴィッチ+ナイロン100℃」となっているのは、上の理由によるそうです。
①13000/2
風俗店の待合室が舞台。終始ドタバタしっ放しで愉快!
②死んでみた
これのみ新作。
リフレインを多用したリーディング風の劇。
流行りの2手法を茶化してこの上なくバカバカしいナンセンス劇に落とし込んでいるのが痛快!
新手法に無批判に飛びつく演劇人への、ケラからの痛烈な皮肉か?
これは方法に懲りすぎずに舞台を作り続けてきたケラだからできること。
③スモーク
ケラ流ダークファンタジー。
誤解が誤解を呼んで大事になる展開はアンジャッシュのコントのよう。
ロケに来て南国のホテルに泊まったTVクルーと出演者が酷い目に遭わされる。
本作固有の退廃的でクレイジーなムードは客席をも包み込んで、悪酔いしているようないけない気持ちよさを味わいました(笑)。
身振りでコミュニケートを図る、森本華さん演じるトンチキな黒人ボーイがハーポ・マルクスのようで可愛ゆしヽ(*^^*)ノ
上演時間は休憩込みで約130分と、ケラ作品としては異例の短さ。
自由席3000円でこれだけのものが観られてとっても得した気分でした。