痛いほど狂おしい選択(満員御礼!!ご来場ありがとうございました)
東京カンカンブラザーズ
ザ・ポケット(東京都)
2013/09/25 (水) ~ 2013/09/29 (日)公演終了
満足度★★★★
少女漫画みたい♡
まるで少女漫画みてるみたいで、少女漫画好きとしては楽しめました(○´∀`○)笑いあり、涙あり、キュンキュンありの素敵な舞台!おもしろかったです(^^)
OVER SMILE
企画演劇集団ボクラ団義
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2013/09/26 (木) ~ 2013/09/30 (月)公演終了
満足度★★★★★
観劇すればするほど気付きのあるスルメのような舞台
同じ舞台の感想2回投稿してすいませんm(_ _)m
初めて同じ舞台を2回観劇しました。当初の想像では「同じものを2回観るんだからどこかで飽きたりアラに気づいたりするのでは?」とマイナスのイメージがあったのですが、ボクラ団義さんの作品は毎作品脚本から演技から演出から何からすべてのクォリティが高い上、今回も「これでもか!」というぐらい手抜きがなくお客様を楽しませようというスピリットに溢れていたので2回目の観劇でも新しい発見だらけで驚かされました。なんでもないような台詞の1つ1つが実は軽めの伏線だったり(2回目だからこそ気づけた)、舞台上部下部で下部が暗転してる時もそこでもお芝居は続いていたり、(OverSmileでは手話という手法が取られている事もあって)1回目の観劇では気付かなかった部分でも手話で小芝居
(悪い意味ではなく見逃してもいいけど、知るとちょっとうれしくなるような、という意味の)が入っていたり。あと初回も思いましたけど改めて観て衣装と小道具(武器その他)がかっこいい!(大道具小道具さん裏方の皆さんの努力の賜物ですね)。それもあって殺陣がまた映えるなあ。あと舞台ってTVとは違って観る位置によってもまた違い印象を受けるんですね、
知らなかった。。。他劇団の舞台までは分からないですが、ボクラ団義さんは今後複数回観劇をデフォにしようっと( ´ー`)
ネタバレBOX
毎公演ごとに1回(それ以上も?)あるアフターイベント付き回、
どういうものか気になってたんですよね、
いやあとてもいいものでした。
いつもこういう構成という訳ではないと思いますが
楽曲提供のローズインメニーカラーズさんの生歌に合わせて
その楽曲を使用したシーン(中盤の盛り上げ部分)を再演してくれるとは
思ってもみませんでした。
舞台自体を見ている時は話の流れに夢中で注目しきれていませんでしたが
殺陣・アクションがとてもダイナミックでかっこよく惹きつけられる
(激しいだけでなく人と人とのかみ合わせも見事)、
場面としてスーちゃんがさらわれ牢屋に入れられて、と会えない状況になった時の
オーレイの届かぬ想いを伝える手話
「鳥の鳴き声を聴いたんだ、今は君に伝える事ができないけど」
という場面で涙腺を緩ませ、と
あの場面にこの舞台全体が凝縮されているようでした
(音は生歌オンリーで無声で演じるのがまた歌と演技をともに引き立てあっているようでした)。
いやあ、やっぱり舞台っていいものですね( ´ー`)
水野晴郎風に締めてみる
あの場面良かったです、オーレイが亡くなる時、
手話でスーちゃんに「好き」と伝えていた所
(初回は見逃してしまいました、2度見で得したなあ、という気分です)。
【満員御礼】偽装結婚式
創像工房 in front of.
シアター風姿花伝(東京都)
2013/09/26 (木) ~ 2013/09/29 (日)公演終了
スマートなコメディ
先が読めてしまう綱渡り的展開のコメディ作品ですが、登場人物の配置がよくそれを活かした山あり谷ありの話のつなぎ方や展開のさせ方が実にうまかった。
また、コメディの肝心な点であるセリフの間合いも絶妙でうまく決まっていたと思います。
あれやこれやと詰め込みすぎなかった(八嶋の劇団からプランナーへ転身したもう少し詳しい経緯などいろいろありますが)ことでむしろ芝居の流れがスムーズになりわかりやすく質の高い作品につながったのではないでしょうか。
ESME
CATHOUSE THEATER
TORII HALL(大阪府)
2013/09/15 (日) ~ 2013/09/16 (月)公演終了
満足度★★★★★
涙ぽろぽろ
死を描きながらも、最大限に笑わせて、少しだけしんみりとさせるバランスが素晴らしかった。
台本もじっくりよみたい。
歌いタイツ!
劇団スーパー・エキセントリック・シアター(SET)
あうるすぽっと(東京都)
2013/09/25 (水) ~ 2013/09/29 (日)公演終了
満足度★★★★
楽しかった。
全員、全身タイツってことしか知らずに見に行ったのですが、面白かったです。
変え歌とダンスがたくさん。
使われている曲が、CMソングやクラッシックなど耳馴染みなものばかりなので、楽しい。
衣装がタイツなので、ごまかすことができない中のダンス・・・・たいへんそうでした。
いっぱい笑って、ストレス解消できました。
ネタバレBOX
最後の街路樹のお話は、笑いの中にも考えちゃうところがあったりして。
LED綺麗でした。
3団体合同コント公演
モラトリアムパンツ×PLAT-formance×たすいち 3団体合同
新宿眼科画廊(東京都)
2013/09/25 (水) ~ 2013/09/28 (土)公演終了
満足度★★★★
楽しく面白く・・・
本編も、作り手の良さが引き出された作品になっていたし、
開演時からの客のあしらい方や、終演後のイベントも
観る側に演劇をとても近しいものに感じさせる力があって。
とてもたのしく時間を過ごすことができました。
ネタバレBOX
客入れのときから、
作り手が場内の空気にうまく入り込んで
観る側を飽きさせない。
場を暖めるというか、うまく開演までの時間を育てていくというか・・・。
その上で、
参加3団体のテイストが生きた作品が
心地よく、観る側に供されていきます。
オープニングコント的なものがあって観る側を引き寄せる。
他の作品を跨いで上演されるモラトリアムパンツの連作は、
同じようなフォーマットに織り込まれる異なる仕掛けが、
楽しい。
その中に個々の面白さが、ちゃんと塩梅をもってシーンごとに作りこまれていて、観る側を引っ張っていく力があるし、
コントとして、オトすところをしっかりと律儀にオトしていることも
公演全体のリズムを作り出していて。
なにより一人ずつのキャラに不思議なヴィヴィドさがあって、
取り込まれてしまう。
PLAT-formanceは、物語の紡ぎ方というか成り行きにメリハリがあって、
二人芝居の一つ崩れればどうにでもなってしまう間や距離を、
ベタにすることなく、さりげなくコントロールしつつ、
シーンを積み上げていく。
以前にくらべて、足腰がしっかりと安定している印象があって、
作品の尖り方が観客を置きざりにすることなく、
引っ張っていく力があるのも良い。
まだ、育つ余白を感じさせるとはいえ、
グルーブ間も芽生えていて。
たすいちには、ミニ群像劇風に集団を動かす手練があって、
そのなかに物語の核となる
二人のバトルのありようが、とてもくっきりと浮かび上がる。
主役的な二人の猫の目のように変わる勝負のゆくえも面白く、
それを支える他の役者達の編み上げる
ネタ的なシチュエーションの変化にも切れがあって
物語に広がりや勢いを与え、
観る側にそれを物語の薄さやあざとく感じさせない。
際立った派手さはないのですが、
よく作りこまれていて、作品に良い意味でのボリューム感も生まれていて。
観終わって、そのままなだれこむようなアフターイベントも素敵でした。
会場全体に熱を持ちつつ、出演者のウィットにも浸されつつの
団体代表の対決もそれぞれにおいしく(本当に)、なにより楽しかったです。
作品としても、おもしろかったし、また舞台の表現を近しく感じることができたイベントでもあったと思います。
3団体合同コント公演
モラトリアムパンツ×PLAT-formance×たすいち 3団体合同
新宿眼科画廊(東京都)
2013/09/25 (水) ~ 2013/09/28 (土)公演終了
満足度★★★★
演劇人のコント
コントはどれもこれも洗練されていて、時間が全く気にならなかった。
演劇人ゆえにただのコントではなく、物語性が出ていた団体もあったり、興味深いイベントでした。前説、アフタートークもサービス精神旺盛で、どうやら昨夜は料理を振る舞うということもあったようです。次は合同で何が行われるのか!?
【満員御礼】偽装結婚式
創像工房 in front of.
シアター風姿花伝(東京都)
2013/09/26 (木) ~ 2013/09/29 (日)公演終了
満足度★★★★★
全てがハイクオリティ!!
伏線につぐ、伏線をどうやってまとめていくんだろう?と良い意味でハラハラしつつ観ていましたが、本当に素晴らしかった!!
(後で追記予定)
30才になった少年A
アフリカン寺越企画
新宿ゴールデン街劇場(東京都)
2013/09/24 (火) ~ 2013/09/26 (木)公演終了
満足度★★★★
タフになってほしい
前半は文句なく面白かったんだけど、後半ちょびっと退屈したのはなんでかなあと。考えてみたけど、自分の脳みそではわかりませんでした。だから大したコメントできなくてごめんなさい。後半、ちょっと迷走気味だったのかな?
見つめ合う長い間、みたいなのが絶妙な感じで、面白かったです。これ以上、間があると辛いかも、の一歩手前で、会話が始まる感じが。ちょっと緊張しますよね。
ネタバレBOX
「最後、シュートが決まらないとすっとしないよね」のようなことをきたさんが言うんだ。
漫画のほうはシュートが決まる(らしい)。でも芝居のほうでは決めてくれず、すかっとせずに終わる。
好みの問題かもしれないけど、ぼくはやっぱりシュートを決めてもらって、すっきり終わって欲しかったな。
あんなふうにやっぱり暗いままで閉じこもって、でも頑張ってます、みたいな感じではなくて。過去はぜんぶ吹っ切って、(気持ちは)明るく暮らすとかね。そのほうが精神的にはタフだと思うけどな。ま、そういうことが出来なくて悩んでるってことなんだろうけど。
30才になった少年A
アフリカン寺越企画
新宿ゴールデン街劇場(東京都)
2013/09/24 (火) ~ 2013/09/26 (木)公演終了
満足度★★★★★
アフリカン寺越の血管
選んだテーマの大きさにひるむことなく
アフリカン寺越の、こめかみの血管が切れそうなほどの直球勝負。
このストレートさが、複雑な現実からシンプルに太い動脈を取り出して見せる。
上から”更生させる者”が登場しないことで”更生しようとする者”の目線が際立った。
理不尽でも自分勝手でも、リアルな叫びから血の通った人間像が立ちあがる。
店長、あなたに彼を殺すことはできない。
ネタバレBOX
舞台正面にずらりと並んだ漫画本。
上手に文机、きちんと置かれた描きかけの漫画と筆記用具、インク。
新聞店に住み込みで働く30才の男(アフリカン寺越)の部屋。
彼は14歳のときに自分の漫画をけなした同級生を橋の上で突き飛ばし死なせた
という過去があり、3年前この町に戻って来た。
同僚の男(中川拓也)もまた、強制わいせつの犯罪歴がある。
新聞店の店長(末廣和也)は彼らの過去を承知で雇っている。
30男を見かけたとやって来る元保護司の女(橋本亜紀)、
同僚の彼女(森由月)らが次々とこの部屋を訪れる。
そして町の噂で“人殺しがいる店”で働きたくない、と辞めて行く他の従業員。
自分が原因だと、この部屋を出て行く準備をしている30男に
「橋の上から突き落としてお前を殺してやりたい」と迫る店長、
「人を殺した僕はいつか誰かに殺されるんだろうと思ってました」と答える30男…。
“スキンヘッドに目力ありまくり”という風貌のせいばかりでなく
アフリカン寺越の存在感が際立つ舞台。
刑務所のような部屋の整理整頓ぶりや、同僚カップルに対する
「過去は過去、今やってないなら何にも問題ない!」という言葉、
あの日喧嘩の原因となった漫画を今も描き続ける姿に
彼の“やり直すのだ”という切なる気持ちがあふれている。
意識していないかもしれないが、そうせずにいられない、どこか切羽詰まった日常。
「もしあの時…だったら」という彼の慟哭のシーン
私たちの「あ~あ、もうちょっと…だったら良かったのになあ」という
“日々の残念”の延長線上に、犯罪の偶発性と危険があることを意識させて秀逸。
「いつ帰って来たの」とやって来た元保護司が上手い。
オーバーアクト気味の演技と無遠慮な言動から、
最初は“噂好きな世間代表”みたいなキャラかと思ったが
立ち直って欲しいあまり平手打ちをしたことから保護司をクビになった熱い人で
今も彼の理解者であることがじわじわと伝わって来る。
互いの過去を打ち明け合った同僚カップルのエピソードが良かった。
犯罪当事者でさえ、
“自分の過去は受け入れて欲しいのに他人の過去は受け入れ難い”という現実。
まして犯罪者に縁のない世間の人々はどうか、容易に想像がつく。
ぐだぐだ迷う同僚の男がとてもリアルだった。
以下、私の希望的結末…。
店長を頼ってこの街に戻って来た30男に、終盤
「殺人者が怖かったから当り障りなく接していた」と告白する店長、
それは嘘ではないだろう、でもそれだけではないはずだ。
この3年間、店長は過去に罪を犯した者を雇って一緒に仕事をしてきた。
更生とは「自分を信頼してくれる人に応えたい」という気持ちだと思う。
彼らのその気持ちが仕事を支えて来た、その事実に店長は気づくべきだしきっと気づく。
犯罪者であってもなくても、「信頼してくれる人に応える」生き方は同じじゃないか。
もう一人過去に罪を犯した者を雇って、みんなで信頼し信頼される仕事をしよう。
それが“更生を信じてもらう”唯一の方法だ。
漫画を段ボールに詰めるアフリカン寺越の姿を見ながら
「絶望するな」と叫びたい衝動に駆られた。
教育論、更生哲学を持ち込まずにストレートな台詞で魅せる企画、素晴らしいと思う。
アフリカン寺越、あなたの別の顔、別の台詞も観てみたくなった。
独菜飯店
ThE 2VS2
in→dependent theatre 1st(大阪府)
2013/09/21 (土) ~ 2013/09/23 (月)公演終了
満足度★★★
思っていたよりガッツリした作品
当日のパンフレットの白ボックスの説明が面白い♪
笑いを時折、盛り込んでいますががっつりとした印象の作品
私が2VS2に勝手にイメージしてた
もっとバカバカしくハチャメチャな展開を期待していたので
ちょっと物足りなかったなぁと…
話の展開はかなり脱線しているのですが
役者さんが少人数ながら熱く演じています!
その中でも一番笑ったのは皆さんが素の状態に戻ってアドリブの様な時
淺野アンリさんのべらんめえ口調で
長橋さんの頭をハタいた後の「べちゃべちゃやないか~‼︎」には笑った♪
ストーリー的には普通な感じだったので
フライヤーやパンフレットの様に遊び心をもっと詰め込んで欲しかったかな…
今回はいきなり初の長編を観たので
次はショートショートでもっと笑えるといいかなぁ♪
建てましにつぐ建てましポルカ
ヨーロッパ企画
本多劇場(東京都)
2013/09/18 (水) ~ 2013/09/26 (木)公演終了
満足度★★★
初ヨーロッパ企画
「迷路コメディ」って何?と思いながらの観劇。
う~ん、そう来ましたか。
力の抜けた唯唯楽しい作品でした。
メインの場面が多少冗長な感じだったので、
脇のキャラクターを活躍させられたらもっと面白かったかも。
全力で演劇で遊んでる感があり、
これはこれで有りかと・・・。
ネタバレBOX
登場人物が「貴族」「召使」「騎士」「お姫様」「異形の王子」「魔族」・・・って
まるで中世ヨーロッパが舞台のゲームの中のよう。
建てまししすぎて迷路のようになったお城で、迷子になった貴族がパーティーに参加するために悪戦苦闘するなんて
ある意味凄い思いつきだと思います(笑)
非日常な設定なので細かい事が気にならずに済んだのかな?
SHABoooN!
TEAM 6g
上野ストアハウス(東京都)
2013/09/25 (水) ~ 2013/09/30 (月)公演終了
満足度★★★
楽しめましたけど・・・
ちょっとサスペンスで、ちょっとシリアスな劇団モノバックステージコメディ。決して悪くない芝居で、楽しめましたけど、ドタバタ感と間延び感が拭えないですね。ストーリーの展開上仕方のないことですが、場面転換が多く、しかも作業が丸見えで、どうも興醒めしてしまいます。女優さん達は皆魅力的でした。
痛いほど狂おしい選択(満員御礼!!ご来場ありがとうございました)
東京カンカンブラザーズ
ザ・ポケット(東京都)
2013/09/25 (水) ~ 2013/09/29 (日)公演終了
満足度★★★★★
お尻の痛さを忘れて…
毎公演見に行かせていただいてますが…
一番お尻が痛くありませんでした( ´∀`)
とても楽しかったです
ネタバレBOX
えんぴつが無くなるというハプニング、出演者の方には申し訳ないですが、面白かったです
ZUN
ONEWORLD.TOKYO
俳優座劇場(東京都)
2013/09/21 (土) ~ 2013/09/29 (日)公演終了
満足度★★★
わかりやすい。
とても解りやすい。解りやす過ぎて前半ちとヒマな感じがしましたが。覚悟を決めた人々の真っ直ぐな気迫の演技はお見事でした。千穂さんは顔を汚しててもお綺麗でした。
ZUN
ONEWORLD.TOKYO
俳優座劇場(東京都)
2013/09/21 (土) ~ 2013/09/29 (日)公演終了
満足度★★★
わかりやすい。
とても解りやすい。解りやす過ぎて前半ちとヒマな感じがしましたが。覚悟を決めた人々の真っ直ぐな気迫の演技はお見事でした。千穂さんは顔を汚しててもお綺麗でした。
月光のつゝしみ
ハイバイ
KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)
2013/09/20 (金) ~ 2013/09/26 (木)公演終了
満足度★★★★★
とにかくキツイ舞台だった
いろいろとキツイ。
会話がキツイ。
会話のないところがキツイ。
居心地の悪さはハンパない。
ネタバレBOX
「家族同士の付き合いがあるほどの関係ではない友人に家に行ったら、その友人が家族と罵りあっていて、どうしたらいいのかわからず、とてもいたたまれない気持ちになってしまった」
のような気持ちになった。
とても居心地が悪い。
台詞が痛いのだ。
無言の長さも恐い。
どこで姉が話し出すのか、劇場の空気が凍り付いたようにキンと張った。
他人が他人に向ける苛立ち、例えば、民男(弟)が妻に対して「(民男の実家のあった城下町に)一度も行ったことがないだと!」と言葉を荒立てることは、言われた妻だけでなく、その場に居合わせた人にも辛く響く。
誰の言葉の矛先が自分でないとしても、その場にいる人にはチクチクしてしまうのだ。
たとえ相手を思いやっているような台詞であっても、なかなか額面通りには受け取りにくい響きが絶えずする。
それを受ける側の緊張感までもが伝わる。
頭のいい姉には誰もついていけないが、実は同じように頭のいい弟にも妻はついていけてない。
彼ら姉弟は、気がつかずに自分の身の回りにいる「普通の人たち」を見下している。
つまり、自分たちと同じように考え行動できない者たちに苛立っている。
苛立ちは自分自身にも及んでいる。
あらゆるものに噛み付き、グイグイ、ネチネチと突いてくる。揚げ足を取る。言葉尻をつかまえる。
彼ら2人は、自分がそうしているという自覚はあるのではないだろうか。
頭がいいから、わかっている。
だから、相手の弱り具合までわかっているのではないだろうか。
しかし、サディストというわけではなく、それを楽しんでいるわけではなさそうだ。
楽しくないのにやってしまう。
すなわち、そういう毒が自分の身体にも回ってくる。
そういう彼らの悲しみがうかがえる。誰にも理解されない。
いや、姉と弟にしかわからない悲しみ。
控え目に言って姉のほうは頭がおかしい。
学校という狭い場所にいて、先生という王様になっているから、周囲との距離感や度合いがつかめていないのだろう。たぶんそれがもとで学校を出てきてしまった。
こういう先生はたぶんいる。いや、きっといる。
こんな風に「どういうこと」「どういうこと」と詰問される生徒はたまらない。
姉と弟の、自分を含めたあらゆる方向に向けられた刃によって、ある者は手首を切り、ある者はどうしたらいいのかわからず、途方に暮れる。
しかし、姉と弟のほうは底ではわかり合っている。互いが吐いた毒の中にいることもわかっている。
もちろん姉と弟だから、友人や妻などとは、歴史が違う。さらに彼ら特有の、「頭がいい」世界にいるという共通点もある。
どうやら徹底的にイヤなヤツというわけでもなさそうなのだ。
姉を好いている男もいろようだし、弟も結婚しているし、友人もいる。
ラストで姉と弟が雪が積もっている家の外にプレゼントを拾いに行く様子は、どこか楽しげ。姉弟ならではの、肉親の会話として聞こえてくる。
それを、たぶん寒いであろう家の中から聞いている、妻の心の中はどこよりも寒いだろう。
弟の友人はこの後、彼らと会うことはないだろうが、妻はこの姉弟と暮らすのだ。
彼女は、今までもずっと寒い部屋に1人でいて、これからも1人寒い部屋にいることになるのだろう。
ホントにキツイ舞台だった。
永井若葉さんという女優さんほど、困って泣きそうな八の字まゆ毛が似合う人はいないだろう。額の膨らみまで似合ってしまう。
平原テツさんほど、実はイヤなヤツだった、を演じられる男優さんもいないと思う。妻に対する本音には心底酷いなと思ってしまった。
姉役の能島瑞穂さんは本当に凄まじかった。恐いと思った。
弟の松井周さんも、姉、妻、友人という3人に対する自分の「役割」を見せるというところがなんとも良かった。
劇場から無言で帰宅する感じになった。
かもめ
シス・カンパニー
Bunkamuraシアターコクーン(東京都)
2013/09/04 (水) ~ 2013/09/28 (土)公演終了
満足度★★★★
重くて軽い本物の「かもめ」
KERA版「かもめ」を当日立ち見券で。スタニフラスキーが自劇団の旗揚げの演目に選んだというほど、「かもめ」は「演劇についての演劇」で、新しい理想と野望に燃える青年がすでに名声を得ているというだけの俗物たちに敗北する悲劇。とみえるのだがしかしチェーホフ自身はこれを喜劇と言っており長らくその理由が良く判らなかったのだが、ケラさんの演出をみて激しく腑に落ちる。重くて軽いのだ。その矛盾が成立している。そして僕的にはやはり物語の中心にあると見える青年と少女の敗北の美しさと切なさが決然とこの舞台でも中心にあり最後には苦しく胸打たれる。また他の人の演出では存在意義を見いだせなかった周辺の登場人物たちがみんな輪郭をはっきり持っており生きていることにも舌を巻く。群像劇を得意とするケラさんの演出とものすごく相性が良かったのだと思われる。東京公演は明日で千秋楽だが3時間並んでも3時間立ち見をしても見なければならない今の演劇であると言える。
痛いほど狂おしい選択(満員御礼!!ご来場ありがとうございました)
東京カンカンブラザーズ
ザ・ポケット(東京都)
2013/09/25 (水) ~ 2013/09/29 (日)公演終了
満足度★★★★★
ネホリーとハホリー☆
(^0^)/
面白かったです☆
毎公演、名作を世に出す「カンカン」が、また新しい名作を♪
笑いを散りばめ、感動させ、優しい気持ちにさせてくれる舞台です。
観劇日記をブログに書きました。
幹事の器
フライドBALL企画
ワーサルシアター(東京都)
2013/09/25 (水) ~ 2013/09/29 (日)公演終了
満足度★★★★★
よくよく
丁寧に練られた脚本でした。
ネタバレBOX
総勢21人、登場人物が多く、色んな方向に話は展開していきましたが、撒き散らかした伏線をきちんと拾い上げて決着させていました。
そして、一人ひとりを、あるいは三人一組もありましたが、それぞれキャラが立つように丁寧に描いていて素晴らしかったです。
笑いの部分は、弟の子と書いて弟子ですがなど上質な笑いが多くとても楽しかったのですが、半澤直樹ネタはちょっと滑ったような気がしました。
旬のネタはさじ加減が難しいと思いました。薄味のサッパリ目ぐらいが良いのではないかと思います。