かもめ 公演情報 シス・カンパニー「かもめ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    重くて軽い本物の「かもめ」
    KERA版「かもめ」を当日立ち見券で。スタニフラスキーが自劇団の旗揚げの演目に選んだというほど、「かもめ」は「演劇についての演劇」で、新しい理想と野望に燃える青年がすでに名声を得ているというだけの俗物たちに敗北する悲劇。とみえるのだがしかしチェーホフ自身はこれを喜劇と言っており長らくその理由が良く判らなかったのだが、ケラさんの演出をみて激しく腑に落ちる。重くて軽いのだ。その矛盾が成立している。そして僕的にはやはり物語の中心にあると見える青年と少女の敗北の美しさと切なさが決然とこの舞台でも中心にあり最後には苦しく胸打たれる。また他の人の演出では存在意義を見いだせなかった周辺の登場人物たちがみんな輪郭をはっきり持っており生きていることにも舌を巻く。群像劇を得意とするケラさんの演出とものすごく相性が良かったのだと思われる。東京公演は明日で千秋楽だが3時間並んでも3時間立ち見をしても見なければならない今の演劇であると言える。

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    2013/09/27 06:11

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