ティティプー見聞録
ピーチャム・カンパニー
シアターPOO(東京都)
2013/12/13 (金) ~ 2013/12/17 (火)公演終了
満足度★★★★
反転・身振り
19世紀末に英国で作られたオペレッタ『ミカド』を下敷きにしたオリジナル作品である。
会場には日本に関する様々な表象(『ミカド』のチラシ、三島由紀夫、アニメなど)が載った紙片がばらまかれ、舞台上にも大量に貼り付けてあった。
開演前からスクリーンに『ミカド』の映像が流れていた。
二役を演じた丸房君子さんがよかった。前にひょっとこ乱舞で観たソンハさんが発していたのに近い、強いエネルギーの内包を感じた。今後の幅広い活躍が期待される。
内容は劇団の前作『美しい星』の延長線上にある、と言うか、対になっているように思われる。以下ネタバレにて。
ネタバレBOX
去年のフェスティバル・トーキョーでの『美しい星』は、ベケットの『ゴドーを待ちながら』で神あるいはイエスを待っていた二人が三島由紀夫の『美しい星』を読む、という構造をしていた。
『ミカド』には西洋(英国)の目から見たかなり戯画化された日本の表象があるのだが、それを下敷きにした本作では、反転して、それを新約聖書の内容の表象へと読み換える、あるいは改作してしまうという脱構築的とも言える作業が行われている。前作『美しい星』での構造が反転されていると言える(チラシのデザインがこうしたニュアンスを捉えていて秀逸)(→追記(12/17))。
原作では天皇の表象だったミカドがキリスト教の神の表象に、皇太子の表象のナンキプーがイエスの表象へと転換され、『ゴドーを待ちながら』の二人に対応するティティプーの土人プー・パーとココの二人がイエスを磔にしたユダヤ人たちやローマ帝国のピラト総督、イエスと共に磔にされた盗人の表象になっている。
ティティプーの土人たちにとって神はせいぜい炊飯器を持ち歩く生ける暴君に過ぎない。彼らは神に処刑・去勢されないように法を守っているふりをしていて、法にしたがってナンキプー=イエスを殺す"かのように"身振り(演技)まではしてみたものの実は殺していないから磔のあとの復活もなく、到来した神は一人子が生きていて喜ぶ。それがティティプー版の福音ということのようだ。(→追記(12/18))
電光板にティティプーに伝わる悪魔の話が出ていた。鳥山明『Dr.スランプ』のガッちゃんが実は堕落した地球を滅ぼすために神から送り込まれたのにたまたま着いたところがペンギン村で使命をすっかり忘れている、というのを思わせるような話であった。それはティティプー版の福音と整合している。
思想劇としてなかなか面白いと思う。またナンキプーが苦悩している場面やミカドが現れる場面には美的な強度があった。
追記(12/17) 三島由紀夫『美しい星』における「日本における超越の不在」という問題意識では西洋の超越という観念に自らのUFOや天皇の表象を読み込むことでUFOや天皇に西洋の超越の観念の表象を読み込むことにもなっていた。『ミカド』は西洋から見た日本の天皇の戯画的な表象だが、この作品ではそこに新約聖書の超越の表象を(改作しつつ)読み込むことで新約聖書に天皇の表象を(改作しつつ)読み込むことにもなり、表象の照応関係の入れ子が反転されている。
追記(12/18)この点については保留していたが、ナンキプーのハラキリ(からの復活)は本当と見なしたほうがよいと思われる。それも身振りにしてしまうとイエスの表象からずれ過ぎてしまうし、そのほうが三島由紀夫の切腹の表象というニュアンスも帯びる。
愛人刑事
★☆北区AKT STAGE
北とぴあ ペガサスホール(東京都)
2013/12/12 (木) ~ 2013/12/15 (日)公演終了
満足度★★★
武田義晴氏が良いね
ヒロインの独白が多すぎて、ここまでくるともうリーディング公演みたいでくどくどしく感じた。
・・・・これでは、泣けない。研究生の[怒濤の100ステージ]・卒業公演の方が、よっぽど泣ける。
そもそも、そういう戯曲ではないのかもしれませんが。
ネタバレBOX
冒頭とクライマックスでの、村井と飛岡のシーンはとても楽しいので、スケール感や物語性が邪魔していたような・・・・
目頭を押さえた
iaku
こまばアゴラ劇場(東京都)
2013/12/12 (木) ~ 2013/12/15 (日)公演終了
満足度★★★★
遺影
面白い。
ネタバレBOX
中谷元(緒方晋)…林業と喪屋文化を守っている。枝打ち講習中に転落死した。
中谷史子(魔瑠)…元の妻。よくしゃべる。カレーばっかり。
中谷修子(橋爪未萌里)…遼の親友で、モデルになってた。坂本先生が好き。
中谷一平(野村脩貴)…修子の弟。ポケモン好き。元の葬儀で目頭を押さえた。
杉山馨(金替康博)…元の妹の夫。男やもめ。葬祭コンサルタント。元の家(本家)とは微妙な関係。遼の上京に反対する。
杉山遼(永松渚)…馨の子で、修子とはいとこ。村の人の「遺影」を撮る。コンクールで1位となり美大を目指す。
坂本健介(うえだひろし)…写真部顧問。遼を応援するが、遼とのスキャンダル写真を撮られ混乱を招く。
藤城琴依(七味まゆ味)…修子の家庭教師。修子のオシャレの先生。
衰退する林業と喪屋という二つの文化を抱える人見村。組合の中心である中谷家と立場的に下で距離のある杉山家。カメラの才能を手に目標にひた走る遼と何かがあるわけでなく先生に片思いな修子。
喪屋って特異な文化の残る狭い村で、自然な人の心がぶつかり合う。その絡ませ方(混ぜ合わせ方)が上手い。演技も上手い。会話の端々にユーモアを感じさせつつ自然な感じではあるけど、妙に怖い。
ラスト、修子と上京前の遼の会話、久々に修子の遺影を撮る遼に、どこまでもいとこだと答える修子。その微妙な距離感が象徴するような舞台だった。
皆上手かったけど、馨役の金替の、遼に対する気でも狂ったかの演技は素晴らしく恐ろしかった。その土地で生活する圧迫感と支えの遼を失う(奪われる)ことに対する恐怖の表れというのか。反転、元の葬儀を執行した際に、遼が撮った馨の遺影はどんな顔だったのか。気持ちの入った村の男の顔だったと思いたい。
シラノ!
おおのの
「劇」小劇場(東京都)
2013/12/11 (水) ~ 2013/12/15 (日)公演終了
師匠の人生とリンクする…快活な嗜好性に溢れた落語&演劇の2時間
立川志ら乃師匠は噺家として大変、立派な方である。それを確信したのが、落語中にあろうことか、携帯電話が鳴ってしまったハプニングだ。観客席から鳴り響く「テロテロリン♪テロテロリン♪」を一体、どう対処するのか…。
着信音は、志ら乃師匠が噺にでてくる〈さんま〉を食す場面で鳴った。師匠は満面の笑みを浮かべ、両手を顔の左右へ振ったー「じぇじぇじぇ」?ーそう、「美味い♡」を表現したのだ。女性客によれば、「初め効果音かと思った」らしい。
着信音が すぐ止んだら、「落語初の電子効果音」として語り継がれただろう。しかし、その後も10秒程鳴り止まなかった結果、仕方なく師匠も このハプニングを受け、噺を遮断する他なかった。私は、落語史にすら残る名場面だったと思っている。これが故•立川談志師匠なら、喧嘩を始めるか、〈退席〉すること間違いなしである。
『シラノ・ド・ベルジュラック』について、映画や小説等で接した経験は ない。談志師匠がファンであり、弟子の名前を「志ら乃」と名付けた逸話は存じ上げていた。なぜ、今 このエピソードを紹介したのかといえば、志ら乃師匠という落語家とフランス軍青年隊シラノが、時と場所を越え、下北沢に「出逢った」かのように感じたからである。講座を離れず、イケメン俳優(=藤本 岳宏)と二人三脚(現在と若かりし頃の世界…切替が解りづらかった…)で演じた「シラノ」は、師匠の人生そのものだ。熱い魂が放たれる。
間宮汽船
立体再生ロロネッツ
上野ストアハウス(東京都)
2013/12/12 (木) ~ 2013/12/15 (日)公演終了
脚本に無理がある
どう考えてもこの状況でこの行動(セリフ)はあり得ないだろう、というシーンが散見される(詳細はネタバレにて)。
あり得ないならあり得ないで思い切ってコント的な脚本であれば良いのだが、中途半端にリアルな部分があるのでコントにもなりきらない。
物語の中盤部分は良かった。
ネタバレBOX
一番に不自然さを感じたのは爆撃のシーン。1人だけ恐がりもせず「どうなってんだよ!」とか言っていたが、命の危険が迫っているときにそんな余裕は無いと思う。
サヨナラの物語 大阪公演
劇団PEOPLE PURPLE
HEP HALL(大阪府)
2013/12/13 (金) ~ 2013/12/15 (日)公演終了
満足度★★★★★
観てきました。
今まで数多くお芝居を観てきましたが、涙と笑いがこんなにも凝縮された2時間は、初めてです。素晴らしい作品でした。
空想、甚だ濃いめのブルー
キ上の空論
新宿眼科画廊(東京都)
2013/12/06 (金) ~ 2013/12/15 (日)公演終了
即興劇
13日16時の公演。
細かい台本はなく、基本的にはアドリブで演技しているらしい(ある程度の方向性は決まっているらしい。方向性がずれた場合、演出が途中で芝居を止めることもある)。
こういう手法は実験としてはありだと思うが、回によって当たり外れが分かれてしまうのでリスクは大きい。
幸い私の観た回は主人公(クウちゃん)の存在感が光っていた。
現在地
チェルフィッチュ
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2013/11/28 (木) ~ 2013/12/08 (日)公演終了
満足度★★★★★
「私たちはどこにいて、どこに向かうのか」に応える作品
『ホットペッパー、クーラー、そしてお別れの挨拶』以来の
チェルチィッチュです。ダンスと演劇の融合をはかったような
作風は正直、あんまり合わないな、と思っていましたが、
本作は多くの人に届く言葉と演出に思えました。岡田氏は
こういうスタイルの方が全然いいですね。
ネタバレBOX
それにしても、『現在地』っていうタイトルからしてしびれます。
英語で「Current Location」。「現在」―「現代」に対する最新
アニュアル・レポートみたいです。
「日本」「地球」「コミュニティ」を思わせるような、「村」と呼ばれる場所。
そこに住む人々は一見平穏に生きているようで、不安や閉塞を抱え、
生きている。彼らの不安は、青く光る雲や急に吹く風に象徴される。
その不安は、どうも来るべき「破滅」「破壊」の兆し、それだけでなく、
その終わりをも待ち望んでしまうような行き場のなさも含んで大きく
なるよう。
台詞がすごく響く作品でした。多分、何回も推敲を重ねられているの
だと思う。登場人物の一人が図書館で遭遇した、濡れそぼって、
「雨に濡れたら一巻の終わりよ!」と叫ぶ老婆の存在とか、まんま
「3.11」後の放射能の雨を象徴しているのでしょう。
このケースに限らず、震災後、人々の心に澱のように溜まった
感情が、クールなトーンの発話で語られていきます。
「噂を信じるか」「信じないか」の問いで私が真っ先に
思い浮かべたこと。それは、Twitter上、現実問わず、多くの噂や
言葉が飛び交う中で、なすすべもなく翻弄されてしまう人たちの
ことでした。
この作品、セリフのほとんどが「~だわ」みたいな形で
締めくくられるから、演劇、というより、寓話っぽい感触。
個人的には登場人物の一人が、客席のほうを向いて
独白した、「あなたたち、私のことを狂っていると
思っているでしょう…? …もう、ちょっとした次の瞬間に、
そう思う人はぐっと少なくなっているはずだわ」という言葉。
村の人々に向けられているのか、客席の私たちに向けられているのか
分からなくなるような、メタ的な演出で挑発されているように感じました。
最後の展開って、半年間雨が降り続いた、って言っていたけど、
確実に旧約聖書「ノアの方舟」を下敷にしていますよね。
この作品のラストは本当にいいです。
逃げるにも、留まるにも、可能性を残している、と解釈するのか、結局
留まっていれば何も変わらない日常が来るのか、それは他者から
みたら終わってるのも同然なのか。なんか色々な解釈ができそう。
台詞は深刻なんだけど、音楽や衣装がハイセンスでいい。バックの
映像も良くって、すごくおおらかで、器の広い作品に思えました。
とっても安らいで観ることができました。素晴らしい作品だと思います。
オレの妹は8年前に死んでいる
Island
Gallery&Café FIND(東京都)
2013/12/11 (水) ~ 2013/12/15 (日)公演終了
満足度★★★★
存在
面白かった。おもいで。忘れられないもの。それより大切なもの。。。。 あの空間だからこそな舞台を楽しみました。
F/T13イェリネク連続上演 宮沢章夫「光のない。(プロローグ?)」
フェスティバル/トーキョー実行委員会
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2013/11/30 (土) ~ 2013/12/08 (日)公演終了
ここが限界点か…?
オーストリアの作家、エルフリーデ・イェリネクの作品を、
宮沢章夫氏が演出。
氏の過去作品『トータル・リビング1986-2011』や『夏の
終わりの妹』の延長線上にあると思われる演出でしたが、
やっぱり自身の作品と異なるためか、うまく言葉を拾い出す
余裕がない印象を持ちました。
ネタバレBOX
『トータル・リビング』の最後の場面を彷彿とさせる、モノで
いっぱいの舞台場。そこを4人の女優たちが、さらにモノを
運びながらつぶやき続ける。そのつぶやきは、拾われ、
舞台から客席へとエコーがけられて拡散していく。
つぶやきの内容。それは意味のない言葉ばかりだけど、
一人言葉を失ったと思しき女性が必死の思いで「私は
記録するための紙もペンも無くしてしまったので、ただ
覚えておくことしかできない」と、つっかえながら話す
様子が恐ろしく印象に残りました。
ストーリーはほとんどないに等しく、ラスト、舞台、向かって
左手正面に差す光を目指して、まるでレミングの群れのように
役者たちが歩いていくのですが、ちょっと安易すぎやしないかと。
結局、イェリネクは海の向こうから日本を見ているので、
どうしても距離を感じる。中盤、役者の一人が「ガイガー
カウンター」の話を始めたときに、なんだかなー、と思って
しまいました。
こういう時って、「言葉を疑う」ことも必要だけど、寄り添える言葉が
何よりも欲しいです。「震災」、もしくは「その後の世界」というテーマと
向き合うには、イェリネクは観念的過ぎると思います。
CHESS in Concert セカンドヴァージョン
梅田芸術劇場
東京国際フォーラム ホールC(東京都)
2013/12/12 (木) ~ 2013/12/15 (日)公演終了
満足度★★★
歌詞が聞き取りにくいのが惜しい
初演も観て、これは本ステージで観たかったと思いましたが、今回もコンサートバージョンでの再演。
アバの曲は難解ですが、どれも名曲揃いで、聴きごたえはあるのですが、どうしても訳詞のせいか、歌詞の語数が多く、演奏に打ち消されて、聞き取れない部分が多かったのは残念でした。
特に、カルテットの歌唱部分は、4人の歌う歌詞が折り重なり、荘厳ではあるのですが、肝心の内容にも言及している台詞代りにもなっているので、どういう意味の歌詞かが聞き取れないのは、痛手でした。
初参加の戸井さんは、口跡も良く、滑舌も確かで、一番歌がきちんと響きました。
AKANE LIVさんはロックミュージカル、「モーツアルト」の時にも驚きましたが、大変魅力的な女優さんで、今回のスベトラーナ役も、心に残りました。
マテさんのアービターは、ちょっと他の俳優さんと異質過ぎて、何故キャスティングされたのか、やや疑問を感じました。
安蘭さん、石井さん、中川さんの歌唱力には、文句はないのですが、3人の心情の変化が、これもコンサートの弱みか、あまり表現されていないので、ストーリーの流れを、体感できるまでには理解し辛く、その点に、やや物足りなさが残りました。
ネタバレBOX
チェスの国際試合が、政治的に利用される、ソ連とアメリカの冷戦時代のお話。
セコンドを務めるフローレンスを巡って、新チャンピオンと元チャンピオンの二人の男性が、チェスだけではなく、恋の鞘当もしつつ、そこに、アメリカの諜報機関から派遣されたテレビ局員やソ連の思惑などが交錯し、3人は、チェスの駒のように動かされ、政治的に翻弄されて行くという、ちょっとビターなストーリー。
昔なら、大国は何かと国民も大変だなと、他人事で観ていたかもしれませんが、わが国もこうもきな臭くなって来ると、我々も、また政府にチェスの駒のように動かされているのかもと、一種の怯えを感じて観てしまいました。
とても、深い内容のミュージカルのようなので、いつか、コンサートではなく、本編の公演があればと期待します。
アフタートークは、グダグダな部分もありましたが、マテさんと石井さんと、安蘭さんが、重唱で歌う歌をそれぞれ単独で歌われ、歌詞の内容がわかったのはありがたかったと思います。
アクアリウム
DULL-COLORED POP
シアター風姿花伝(東京都)
2013/12/05 (木) ~ 2013/12/31 (火)公演終了
観客次第のambiguous な作りの作品に
シェアハウスで共同生活をする現代の社会になじめない者達(ワニ、鳥、魚たちも含め)のまさにその生活の崩壊を描いた作品で、冒頭のコントのような導入や登場人物たちの設定はどうかなという気はするものの、現在のある殺人事件が昔の殺人事件とともに各々の中にしまわれていたマイナスの感情というべきものを呼び起こしそれが絡み合い衝突してゆくさまの描き方というかみせ方は(私自身はなにか自分の心の底を覗かれているようで苦手なのですが)実に精緻で、また人間心理の描写についてもフロイトとルイスの対話劇「Freud's Last Session」の影響が少なからずあるようにも見受けられました。
ネタバレBOX
やはり鳥さんは最後は(「ソフィーの世界」を読んでいた)ワニさんに食べられてしまったのでしょうか。
また、冒頭の木村伝兵衛ふうの部長刑事と若手刑事のかけあいコントからのスタートはおもしろいことはおもしろいのですがあとからおもうとあのようなスタートでなくてもよいのではという気もします。
アクアリウム
DULL-COLORED POP
シアター風姿花伝(東京都)
2013/12/05 (木) ~ 2013/12/31 (火)公演終了
満足度★★★★★
抑制出来ない感情を
通底する閉塞感、息苦しさ。この空気感だけで身悶えするくらいグッとくる。よくぞこの作品を作ってくれた。ありがとうございます。今どきの若者の内向きな空気感、一つ一つの細かい所作にまで重みがあって、なんだか1シーン1シーンにゾクゾクする。自分の事を書いているんじゃないかと錯覚する位の物語への親近感。共感を通り越して、生々しい感じがする。公演前に、あの熱量の高過ぎる稽古場日記を読んで、どんな作品か楽しみにしていたけれど、想像以上!そして稽古場日記は観劇後に読み直すとまた違った発見がある。そりゃあ熱量も高くなる。他の人の感想や、そして購入した台本を読んで、何回も何回も味わいたいなと思います。日替わりゲストも多彩だし、イベントも楽しみだ。
ネタバレBOX
え?ここで終わりって終わり方だった。でも、観劇後振り返ると、この物語がストンとは落ちない余韻が良いんだなと思った。終わらない日常は続く、いつまでも。何て残酷なんだろう。答えなんかない。でもこの物語には絶望も希望もない。あるのは、「生きづらさ」と向き合う事への息苦しさだ。こんな切実なテーマを、あくまでエンタメとして仕上げられるなんてスゴイ。まさに、わかりやすく深くだ。
冒頭の熱海殺人事件を彷彿とさせるシーン、痺れる。たまらん。野卑に聞こえながらも洗練された台詞の咆哮を浴びながら興奮は早くも高まる!!現代口語との比較で見る世代間の溝の深さはなるほどなぁと思う。喋るトリとワニがとにかくカワイイ。でもこの2匹の言葉が、動きが、この静かな若者達の共同生活をどうにか支えているように見える。日替わりゲスト、少年Aの言葉で泣いてしまった。清水さんの透明感ありながらも確実な存在感にグッときた。尖った言葉の一つ一つが胸に刺さる。当時、この文章をニュースで聞いた時は訳わからない奴に感じた。でも今改めて聞くと、隣にいる人のような身近さだ。人を好きになるのに理由がないように、人を殺してしまうかもしれない気持にも理由はない。僕自身、今年で31歳になる。登場人物たちと同じ年だ。秋葉原のトラックで突っ込んでいった無差別殺人事件は僕自身も他人事には思えなくて、どうして自分じゃ無いんだろうと思って生きている。
「アクアリウム」のタイトルの意味はなんだろう?魚たちはどこへ行くのか?というパンフレットの言葉と関係あるんだろうけど、うまく想像仕切れない。ワニはどうして最後喋れなくなるのか?トリを食べたからだろうか?
アクアリウム、完全に管理して調整出来た水槽の中身は、自然に循環する仕掛けになっていて、エサさえあげれば良いような完全な空間だ。これを社会に置き換えるとどうなるんだろう。今の日本は自然循環なんてしていない。魚はみんなそれぞれ役割を果たしてると聞けば、みんな違ってみんないい、金子みすずみたいな話かとも思う。でも置かれている世界はあまりに残酷だ。おそらく魚ハウスのみんなの置かれている状況は一生変わらないし、変われない。それどころか、もっと悪くなるだろう。秘密保護法や消費税増税ばっかり騒がれているけど、生活保護法の改悪や派遣労働無期限にだってどんどん厳しくされている。それでも生きていくんだな、と思った。そんな当たり前の事がとても重たくて大事だと改めて実感出来る作品でした。
グッドバイ
シス・カンパニー
シアタートラム(東京都)
2013/11/29 (金) ~ 2013/12/28 (土)公演終了
満足度★★★★
素晴らしい昭和
昭和生まれですが、昭和のことはほとんど記憶にない世代の自分にはあるはずもない懐かしさを感じる不思議な舞台。
段田さん、高橋さんがとても良かったです。
ザ・ランド・オブ・レインボウズ
天才劇団バカバッカ
六行会ホール(東京都)
2013/12/11 (水) ~ 2013/12/15 (日)公演終了
満足度★★★
うーん
要は映画を作ろうとして
ネタバレBOX
主演ハリウッドスターにドタキャンされたり
スポンサーに無理難題を突きつけらりたりと
ドタバタコメディーなんだけど
クスリとすることはあったが
爆笑するには程遠く
笑いのツボがズレてた感じ。
まあ何人かこれはと言う役者さんもいて
惜しいな思いました。
KUDAN ~この地球(ほし)の汚れた片隅で生まれた命~☆無事終演致しました。ご来場ありがとうございました!☆
TOKYOハンバーグ
ウエストエンドスタジオ(東京都)
2013/12/11 (水) ~ 2013/12/16 (月)公演終了
満足度★★★★
(゜д゜)
話的にはいつものハンバーグだけど、演出がいつもと違う感じでびっくりした。
ザ・ランド・オブ・レインボウズ
天才劇団バカバッカ
六行会ホール(東京都)
2013/12/11 (水) ~ 2013/12/15 (日)公演終了
悲しい結果
観させていただきありがとうございました。が、この劇団は2度目の観劇ですが、なぜこんなに観に来る人がいるのかわかりません。人数だけわさわさして最初から最後まで辛いひと時を過ごしました。これだけの不快感は珍しい。なぜか是非解明したいものです。
人気がある理由を探りたいと思います。が、わたくしにはあとはありませんね。残念です。
ナイス・コントロール
万能グローブ ガラパゴスダイナモス
こまばアゴラ劇場(東京都)
2013/12/05 (木) ~ 2013/12/08 (日)公演終了
満足度★★★★★
安心のハイクオリティ
奇をてらわず、しっかり笑える正統派コメディだった。話の冒頭部分で、この設定で途中で失速しないのかなぁと思ったけれど、杞憂でした。テンポよく、キャラも立ってて、繰り返しで笑いを取る天丼な場所も外さないので、何度もツボに入りました。
ネタバレBOX
ラストはビックリしました。絶対意見が合わないからあの世に行くと思ってた。それでも自分だけはAボタンを押そうと思ったのか、それともみんな最後はやっぱり生きたいと思ったのか。ベタでも何でも、この設定はハッピーエンドじゃなきゃなと思って救われました。とくお組の皆さんとのアフタートークが、また笑った。『カイジが偉いんですか?』とか、『ケンカですか?』とか、絶妙!
報われません、勝つまでは
田上パル
アトリエ春風舎(東京都)
2013/11/28 (木) ~ 2013/12/05 (木)公演終了
満足度★★★★★
まっすぐ過ぎるキャラ達!
体育会系の高校生でしか出来ない、清々しくて、直球な姿での笑いがたまらなかったです。真っ直ぐすぎるからこそ起きるアレコレ!舞台美術も作り込まれてて世界観に浸れました。緩々進む物語が、個々のキャラクターや設定を形作っていって、笑いが深化していくのがうまいなぁと思います。どこにでもいる人間を少しだけデフォルメして、こんなに豊かな笑いが作れるんだなぁ。
猛烈浪漫狂詩曲
高襟〜HAIKARA〜
アサヒ・アートスクエア(東京都)
2013/12/12 (木) ~ 2013/12/13 (金)公演終了
満足度★★★★
満足感でいっぱいに
最前列でみせていただきました。15人の不揃いの果実たちの踊り。興味深くでも少し私の好んで鑑賞する舞台とは異なると違和感を感じながら観させていただきました。
わがまま口紅 深見さんの踊りはさすが圧巻でした。風の強い日でしたが観劇し終わったあとは満足感でいっぱいで帰路につきました。