最新の観てきた!クチコミ一覧

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日本対俺

日本対俺

株式会社コムレイド

ザ・スズナリ(東京都)

2023/09/25 (月) ~ 2023/10/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

世紀が替わる頃、シャンプーハットを率いて活躍していた赤堀雅秋は、ちょっとユニークな存在だったが、劇団で商業演劇の劇場を開けるまでには至らず最近は松尾スズキの舞台によく出ていたと思う。テレビの大根仁がそのキャラクターに目をつけて、一人芝居を勧めてこの舞台となった。最期の小劇場劇団時代の出身だが、劇団は始めはショーパブの余興を生業にしていたということで、小劇場にも通じるそう言う空間の藝に、大根は眼をつけたのだろう。あまり無理をしないで、面白い小劇場エンタティメントになっている。
五つのショートコントとその幕間にスクリーンを下ろして映写される赤堀と水澤、松浦の52才のダメ男たちの赤堀の幼友達に会いに行く、というショートフィルムで構成されている。タイトルは「日本対俺」と仰々しいが、うまくかみ砕いて、世間から疎外されている中年男たちの愚かで馬鹿馬鹿しいが、捨ててもおけない鬱憤をお笑いにしている。その案配が、丁度良いところに収まっていて、赤堀も5コマの一人芝居、手慣れた役柄が多いが、神妙に努めて、補助席まで満席の中年主体の客も大満足であった。
そのあり方がいかにも赤堀らしい。しかし、この大成功に乗ってあまりシリーズ化などは考えない方が良いのではないかな。
コントは、サウナで、友達になりたがる男、トイレに行きたい交通整理人、惚けた老父の年金で生きていながら恩あを呼んでしまう男、公園のベンチで昼酒を飲みながら中学生に説教をする男、ゲスト(私が見た回は大久保佳代子)との即席コント

雨の終わりかけに怒鳴りたて

雨の終わりかけに怒鳴りたて

劇団東京座

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2023/09/28 (木) ~ 2023/10/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

舞台美術とおどろおどろしい雰囲気といった見た目は良かった。しかし、物語の構成が 有名なそして話題作となった邦画の組み合わせのようで、新鮮味が感じられなかったのが憾み。

少しネタバレするが、物語の枠組みとラストの高笑いしながら金を渡すシーンは TV・映画の話題作、話の中心になる女郎屋の遊女と若侍の件は、某映画賞受賞(江戸・深川の岡場所が舞台)した 夫々の映画を組み合わせて紡いでいるといった印象だ。それを傀儡子といった妖しげな要素を取り入れて観せる。

音響や照明といった舞台技術で観(魅)せている。また衣裳は勿論、舞台美術が時代や状況をうまく醸し出し、見た目の妖しさで物語の世界へ誘う。演出は巧く、また遊女----女の情念、人間の業を描き 掘り下げようとしているだけに、既視感ある脚本が惜しい。
第35回池袋演劇祭参加作品(★評価は演劇祭授賞式後)。⇒★3つ
(上演時間2時間30分 途中休憩なし)

ネタバレBOX

舞台美術は和風で、中央奥に段差のある障子扉、上手は床の間に掛け軸、そして主舞台になる女郎屋の和室ー箪笥・衣桁に派手な着物等、下手は別場所で赤い毛氈が。お面等の飾り物が怪しい雰囲気を漂わす。

冒頭 怪しい呪術師風の人物による傀儡によって幻想(術)的な世界観へ誘なわれる。しかし ラストに明かされるのは、物語全体が 仕込み詐欺という偽(幻)の世界。これが話題作になった映画「コンフィデンスマンJP」シリーズの仕込詐欺のよう。そして物語の中心ー女郎屋の遊女と若侍の件は、映画「海が見ていた」(山路ふみ子新人女優賞 遠野凪子)のようだ。もっとも映画脚本の黒澤明は 山本周五郎の小説をいくつか参考にしているから、同じような設定になったのかも知れない。この全体の構成とメインシーンに既視感があり 新鮮味を欠いた。

公演の魅力は、妖艶な雰囲気を醸し出す女郎屋、そこで働かされる遊女の色香。その対となるような怪しげな呪術師風の台詞「ひとつの理でございます」と傀儡の動作。その女優・男優の観(魅)せる演技が良い。また妖しげさを助長する舞台技術ーー照明は色彩だけではなく その明暗といった諧調、音響は雷鳴を轟かす不気味さーーによって ふわふわとした中に激しい情念を感じる。

油揚げ、お面といった狐を思わせる場面があり、それが一層 怪しさを助長する。しかし、エレキテルや女将・遊女が金平糖・かりんとう を食べるなど 冗長に思えるシーンも少なくない。構成におけるシーンの意味と必要の有無について、が課題ではないだろうか。
次回公演も楽しみにしております。
Letter2023

Letter2023

FREE(S)

渋谷区文化総合センター大和田・伝承ホール(東京都)

2023/09/28 (木) ~ 2023/09/30 (土)公演終了

実演鑑賞

良い舞台だったと思います。

Letter2023

Letter2023

FREE(S)

渋谷区文化総合センター大和田・伝承ホール(東京都)

2023/09/28 (木) ~ 2023/09/30 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

内容的には反戦物語であるが、<感情>を揺さぶるというよりは当時(昭和)の若者と現代(令和)からタイムスリップした若者の心情と状況の違いを<情報>として描いた、といった印象だ。何度も再演しており、戦争という最悪の不条理を語り継ぎ 忘れさせないといった思いは伝わる。

説明にある「太平洋戦争時代末期、特攻で散った青年たちの実際の手記をもとに描くヒューマンドラマ」といった謳い文句であるが、現代からタイムスリップした青年がいつの間にか同調圧力のように当時(特攻隊員たち)の風潮に流されていく怖さ。今から考えればバカげたことだが、その時代に生きていれば<抗う>ことの困難さも…。1945年から2023年へ届いた一通の手紙に込められた<思い>、その真が十分に伝えきれていないため、印象と余韻が弱くなったのが憾み。

戦時中と現代の違いは、タイムスリップした当初こそ感じられたが、だんだんと現代と変わらない暮らしぶりーー食事や酒などの配給不足が感じられず、表面的な衣裳等で判らせる。また特攻隊員が不自由なく家族等と会える。当時を知らないが、そのような自由な空気があったのだろうか。
特攻隊員と現代青年の意識がいつの間にか同化している。それゆえ 戦時と今の心情が同じになり、肝になる<実際の手記>の伝えたい事が鮮明にならない。もう少し状況と心情の違いを際立たせることによって、戦争と平和という世界観を描き出してほしいところ。
(上演時間2時間10分 途中休憩なし) 追記予定

路地裏の舞台にようこそ 2023

路地裏の舞台にようこそ 2023

一般社団法人アラヤシキ

EARTH,SPACE★HOUSE,成田屋,Traveler's Bar Osaka tacos,リヤカー屋台のおでん,アメシスト,ココルーム,太子会館 老人憩の家,ひと花センター,東田ろーじ,西成永信防災会館,日之出湯,こいさん路地,イチノジュウニのヨン,釜ヶ崎芸術大学,ホテルバクロ,なでしこパーキング,市営萩之茶屋北2号棟,FP HOTELS難波南,opencafe ロック亭,MATSUJYU LAUNDRY,新世界まちなか案内所,スペースkirin,Cafe TONARI no TONARI他(大阪府)

2023/09/15 (金) ~ 2023/09/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

羊とドラコ『フカカンショウな私達』初回観劇。
其々が其々の不可干渉?な事由を持ちつつ、其々の方向を向き、其々が少しでも明るい場所へ…
其々の事由は…???
キャラの濃淡、振れ幅があって、とても愉しかった。

路地裏の舞台にようこそ 2023

路地裏の舞台にようこそ 2023

一般社団法人アラヤシキ

EARTH,SPACE★HOUSE,成田屋,Traveler's Bar Osaka tacos,リヤカー屋台のおでん,アメシスト,ココルーム,太子会館 老人憩の家,ひと花センター,東田ろーじ,西成永信防災会館,日之出湯,こいさん路地,イチノジュウニのヨン,釜ヶ崎芸術大学,ホテルバクロ,なでしこパーキング,市営萩之茶屋北2号棟,FP HOTELS難波南,opencafe ロック亭,MATSUJYU LAUNDRY,新世界まちなか案内所,スペースkirin,Cafe TONARI no TONARI他(大阪府)

2023/09/15 (金) ~ 2023/09/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ちんどん通信社さんが「open cafe ロック亭」まで足を延ばして応援に!
陽気な音楽に、ハイポーズな偶然、とても愉しかった。
これからも盛り上げていってください。

うそつき

うそつき

劇団六風館

大阪大学(豊中キャンパス)(大阪府)

2023/09/15 (金) ~ 2023/09/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

六風館さんが好きそうな、アマヤドリ:広田淳一さんの脚本。
小都市国家カルタゴを巡るキナ臭さ、迫りくる戦争…
どこまでが真実で、どこからが嘘なのか?
初めて拝見する演目で、演技もしっかりされていて、とても楽しめた。面白かった。

六風館さんらしい、本格派のお芝居、もっともっと観たい!
応援してます。

ブルーシート

ブルーシート

演劇研究会はちの巣座

イカロスの森(兵庫県)

2023/09/09 (土) ~ 2023/09/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

千秋楽観劇。
東北大震災…
生きる事、産まれる事、死んでしまう事、これからの事…
高校生目線の普段の会話、とても新鮮で、考えさせられた。

”はちの巣座”さんらしい演目で、とても良かった!

そして新人さん8人入部🎊
新人の皆さん、とてもよい演技でした。
次作がメッチャ楽しみです!

人生、君とサステナブル

人生、君とサステナブル

劇団それどころじゃない

神戸三宮シアター・エートー(兵庫県)

2023/09/09 (土) ~ 2023/09/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

千秋楽観劇。
サステナブルが叫ばれる現代、
だが500年未来は滅亡のカウントダウンが!?

どの役者さんもしっかり場を作り笑いを産み、1本筋が通った演技をされていて…
お話も超ド級エンタメ本格SFで、級どストライクで、愉しすぎ!
無茶苦茶、面白かった!
是非是非是非是非、またの復活願う!

リトルワンダー

リトルワンダー

MEHEM

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2023/09/09 (土) ~ 2023/09/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

楽日観劇。
十周年おめでとうございます。
大樹を信仰する白の民と
信仰しない黒の民。
恵みの大樹を巡る戦争、
停戦後の留学生…

白黒どちらの民にもドラマがあり、
大樹から始まる壮大な物語。
リトワン舞台、137分、むちゃくちゃ良かった。

で、イズミやリュウゴの出生は?
特異体質?
まだ秘密が隠されてる?
気になる!

MARIONNETTE(東京公演)

MARIONNETTE(東京公演)

劇団The Timeless Letter

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2023/09/28 (木) ~ 2023/10/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

お初の劇団さん。

ネタバレBOX

連続殺人事件を巡るミステリー。

素敵なセット。
照明も窓から差し込む光など、凝ってました。
【香梅】Braggart cards 〜乱れ咲き誇る〜

【香梅】Braggart cards 〜乱れ咲き誇る〜

天華楽喜

新宿スターフィールド(東京都)

2023/09/27 (水) ~ 2023/10/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

美人さん イケメン 妖艶で、でも笑えて、めっちゃ楽しかった!

Letter2023

Letter2023

FREE(S)

渋谷区文化総合センター大和田・伝承ホール(東京都)

2023/09/28 (木) ~ 2023/09/30 (土)公演終了

実演鑑賞

役者さん方の熱量がひしひしと伝わってくる、思いにあふれた素敵な舞台でした。
いろいろ改めて考えさせてくれる作品だと思いました。

柔らかく搖れる

柔らかく搖れる

ぱぷりか

こまばアゴラ劇場(東京都)

2023/09/20 (水) ~ 2023/10/04 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

役者の実力は太鼓判を押す。
これだけの演技力があると違和感なく物語の世界に没入することができて心地よかった。

但し、観終わって心に引っかかるのは、ある種の戸惑いだ。人様の家庭内事情を根掘り葉掘り覗き見ただけの罪悪感。所謂、田舎の強烈な"おやじ"が亡くなった後の家族模様を過去や現在を織り成しながら話は展開するが、"おやじ"への憎しみや愛が語られるのでもなく、同性愛やギャンブル依存症にある種の姿勢を示すでもなく、なんだか皆さんそれぞれ大変ですね、に感想が留まる戸惑い。なんだろ、覗きをしてしまったと警察に出頭しようかな(苦笑)

代わりの男のその代わり

代わりの男のその代わり

アマヤドリ

スタジオ空洞(東京都)

2023/09/28 (木) ~ 2023/10/06 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/09/30 (土) 15:00

座席1階

非常におもしろい会話劇だった。劇が進むにつれて解き明かされる物語もあって、謎解きの要素もある。ドメスティックバイオレンス(DV)による離婚を扱っているが、一方的に男性側に非があるわけでもなさそうだ。さまざまな要素を3人だけの登場人物で編んでいく高等戦術。ワープロ書きのパンフレットには「定食屋さんがお米を炊いてそれだけを出してみました」という作品だそうだ。コメ(俳優)の旨さ、炊き方(脚本)の旨さだけで客席に迫ってくる。

アマヤドリが本拠とする池袋の小劇場で、客席と俳優の距離が圧倒的に近い。冒頭、開幕前から長いすに喪服の女性が座ってあくびをしたり、寝転んだり。別れた夫の三回忌だということがまもなく分かる。客席のすぐ脇を通って入ってきたのは彼女の弟。彼女は弟の運転で田舎にある元夫の実家に来たようだが、最初に話題になったのは弟が会社を首になりそう、という話だ。女性には元夫との間の息子、再婚した夫との間に娘がいることも会話の中身から分かってくる。
もう一人の登場人物は亡くなった元夫の弟で弁護士。この弁護士が女性に意外な提案をするところから、話は回り始める。
おもしろいのは、会話のキャッチボールを通して相手がどんな感情を持っているか、また、それがどう変化していくのかを丁寧に描いているところだ。女性の口調も七変化。離婚した元夫やその家族に対する微妙な感情の揺れが、波のように客席に伝わってきた。

アマヤドリを主宰する劇作家の広田淳一は、役者との対話を通して台本を練り上げていくという手法を採るという。このような絡み合った家族関係、人間の心の動きをけいこに参加した俳優たちと作り上げたとすれば、どのような会話がけいこ場で交わされたのか。そんなメイキング映像があったらおもしろいのではと想像した。
けいこ場のような小さなスペースなので仕方がないかもしれないが、もう少し舞台美術に手をかけてもよかったと思う。

雨の終わりかけに怒鳴りたて

雨の終わりかけに怒鳴りたて

劇団東京座

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2023/09/28 (木) ~ 2023/10/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度

観劇初心者には難しかったです。場内が寒くて2時間32分は辛かった

Letter2023

Letter2023

FREE(S)

渋谷区文化総合センター大和田・伝承ホール(東京都)

2023/09/28 (木) ~ 2023/09/30 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

タイムスリップものもあり、戦争当時の背景や台詞が現代に近すぎて少し違和感を感じた。

Letter2023

Letter2023

FREE(S)

渋谷区文化総合センター大和田・伝承ホール(東京都)

2023/09/28 (木) ~ 2023/09/30 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

終戦直前にタイムスリップするお話。
抗えない時代の無言の圧力と自己で変えられない「死」に向かう心の表現に、涙しました。
つくづく、平和な時代に生まれた幸運をかみしめました。
Letterというよりも、手段はどうであれ真の「心の声」を伝えあうことの重要性を再認識しました。

女性の方のセリフが早口でキーが高くて聞き取りづらく、また、戦闘機のプロペラ音等にセリフが重なるところは役者さんの声が負けてしまっていて、肝心のセリフが聞き取れなかったのが、残念でした。

世代によっていろいろと思うところがある作品だとは思いますが、観てよかったと思いました。

最悪の場合は

最悪の場合は

トツゲキ倶楽部

「劇」小劇場(東京都)

2023/09/27 (水) ~ 2023/10/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白い、お薦め。
タイトル「最悪の場合は」は、説明の世間と宇宙、本音と建前、不正と隠蔽、そして希望と現実を表している。そして前作「星の果てまで7人で」と繋がるような物語。少しネタバレするが、日本宇宙開発機構-JSA(ジェイサ)が舞台というのが妙。表層の面白さ、その奥には職場愛と人間愛が詰まった人間関係・仕事群像活劇、観応え十分。

そこで起きたであろう不祥事にどう対処するか。初演(2018年)時は日大アメフト部が不祥事を起こしていたが、再び日大アメフト部が不祥事を起こした時期に再演する偶然。またジャニーズ事務所の性加害問題を始め不祥事に係る記者会見が開かれている。なんとタイムリーな内容(公演)であろうか。公演では、宇宙という夢と希望を担う職場における悪夢と現実(最悪)を上手く繋ぎ、勤め人(組織人)の共感を誘う。立ち位置の違いによって不祥事への対処方針が異なる、その濃密な激論が見どころの1つであろう。

前作が宇宙での出来事(地球への思い)を描いているとすれば、本作は地球(地上)において宇宙への思いを馳せる。しかし現実に目を向ければ危機回避に追われる姿。そこには不祥事をどのように収拾するかといったドタバタの裏に 生活という のっぴきならない事情を垣間見せる凄(惨)さ。

会見をする組織の内幕だけではなく、それを報道する機関の在り方にも 一石を投じる幅広さ。冒頭、社外から招聘したリスクマネージメント・コンサルタントが謝罪会見の目的などの蘊蓄を語るが、実際 謝罪会見を行うのは人であるから思惑通りにならない可笑しみが…。
(上演時間1時間50分 途中休憩なし) 

ネタバレBOX

舞台美術は、中央に横長テーブルと椅子があるだけ。舞台(職場)は日本宇宙開発機構という政府関係機関。そこの理事が接待 賄賂を受け取ったという疑惑がもたれ、それの釈明会見をする準備(リハーサル)をしているシーンから始まる。その担当が広報部第二課で、いかに上手く釈明会見ができるか、リスク・マネージメント・コンサルタントからアドバイスを受ける。一方、第一課は もうすぐ地球に帰還する衛星探査機マリナの記者会見準備をしている。同じ広報部でも役割分担によって陰・陽のように地味か華々しい会見内容になる。

二課の釈明会見は理事が開き直り、釈明どころか賄賂を受け取ったことを認め紛糾する。その際、内々にしていたマリナ帰還を口走ってしまう。慌てる一課と二課の騒動を通してセクト意識が顕わになり、同時に責任の擦り合いが始まる。そん時、マリナの異常(故障)が分かり、地球への帰還が危ぶまれる。いや 地球へ帰還する場合は都市部へ墜落する危険が…。広報課として、どのように情報提供するか喧々諤々の論争が始まる。そして どちらの課が担当するのか。

一課の課長は JSAのプロパー職員、一方 二課の課長は中央官庁からの出向職員という立ち位置が、その発言に表れる。一課長は、宇宙事業に携わっている自負、危機管理の観点から地球(地上)墜落を周知する、対して 二課長は、不確かな情報で国民を混乱させないため周知しない、それぞれの主張で激論する。この誰のため 何のため、その方法と効果はといった深みある議論が見所。そして 出向者という事勿れ主義、責任を負いたくないという立場が露呈する。

JSAで宇宙事業に携わっているとはいえ、生活の糧を得る職場であることに変わりはない。マリナが墜落するかも知れないという 不確実な情報で国民からのバッシング、その結果 職を失うかも そんな不安もよぎる。出向者(二課長)は、出向元の官庁へ戻り安泰という構図が<立場と責任>に重なる。そしてJSA内に東西TVディレクターが出入りしており、内部情報を独占的に得ている。その内々(秘密)情報の公開 有無の判断も気になるところ。

舞台技術、特に照明の諧調によって情況や状況を表す巧さ。壁際に 等間隔に立っている衝立への照射角度によっては鯨幕に観える。その意味ではシンプルな舞台セットながら実に効果的な造作になっている。その衝立を職場の壁に見立て、覗き 聞き耳を立てといった身近で現実味のある光景が…。
次回公演も楽しみにしております。
MARIONNETTE(東京公演)

MARIONNETTE(東京公演)

劇団The Timeless Letter

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2023/09/28 (木) ~ 2023/10/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

大阪公演も観ましたが、観たからこそ?!どうしてもまた観たくて東京まで来てしまいました!!
まずは09/29(金)TRUTHを観れたのですが、かっこよさも面白さも切なさも哀しさも驚きも、ダンサーさんの妖艶さや不気味さ綺麗さも、全てがパワーアップしていて素晴らしかったです!
客席の傾斜のおかげかG列(前ブロック最後列)でもとても観やすかったです!!
今日も観劇出来るのでとてもワクワクしています。

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