最新の観てきた!クチコミ一覧

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Dear friends (東京)

Dear friends (東京)

劇団6番シード

劇場MOMO(東京都)

2013/11/29 (金) ~ 2013/12/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

ネホリーとハホリー☆
(^0^)/
面白かったです。
論理的で、その論理をぶっ壊す
ナンセンス・ハートフル・コメディの大傑作です☆
役者さんの個性も存分に発揮されてます!
笑いが随所にあり、目が離せないですよ♪
観劇日記をブログに書きました。

だまし魂

だまし魂

MousePiece-ree

シアター711(東京都)

2013/11/29 (金) ~ 2013/12/01 (日)公演終了

満足度★★★★

かっこいい馬鹿馬鹿しさ
2回観ましたが、どんどん畳み掛けてくる笑いのなかにきちんと伏線的なものが貼ってあり、2度目には改めて楽しめる…という感じでした。
すこしくどいかな?と思う瞬間もあったのですが、それは感覚の違いなのかもしれません。
40過ぎたおっさん達(すみません)が汗だくで駆けまわり叫び、時には踊ったりする姿は、馬鹿馬鹿しいけれどもかっこいい。こんな歳のとり方をしたいなぁ。
是非また東京に来てほしいです。

椿荘の四季

椿荘の四季

劇団CANプロ

銀座みゆき館劇場(東京都)

2013/11/21 (木) ~ 2013/11/24 (日)公演終了

これぞ日本家族の距離感
四季を通し「椿荘」住民の人生を写す。ある種、「4つのサイクル」を基に、新緑の芽が、季節移ろうごとに成長する様子を分割してしまう構成だ。「夏日本」に始まり、「春日本」に終着点を見出したストーリーからも伺える。逆にいえば、「春日本」のラストが決まっていて、その季節に合わせた始まり方でもある。


※バレてないネタバレ



以上はチラシやサイトに接していない真っ白の観客が抱く。すぐさま「下宿屋」は明かされるわけだが、当初は関係性すら理解できず、大人が居間で繰り広げる会話も おかしかった。


サスペンス性を穏やかな「日常風景」に埋め込む演出。これは、残念ながら、一定の緊張感こそ伝わったものの、「今ひとつ」ではなかったか。つまり、「日常風景」を重視するため、サスペンス性が抑えられてしまった。


改めて本作を観て、「プライベート・コミュニティの距離感」の変化を考えざるをえない。最近の若い家族は、ベビーカーを押す お母さんも含め、身勝手な人が占めている。これを「利益共同体」と呼ぶ。あえて、「ファミリー」ではなく、「プライベート・コミュニティ」としたのは、多くの集団に公徳心の欠如がみられるからだ。相次ぎ発覚した食品偽装事件は写し鏡だろう。

【エビに牛脂注入肉…84ホテルで不適正表示
読売新聞 11月29日 14時16分配信
 全国で相次ぐメニューの虚偽表
示問題を受け、衆院消費者問題特別委員会で29日に参考人質疑が行われ、日本ホテル協会(会員247)の小林哲也会長は、全会員の3分の1にあたる84ホテルでメニューに実際と異なる不適正な表示があったことを明らかにした】

中にはロブスターを伊勢海老産だと偽装表示したホテルチェーンもあった。メディアの論調は「経営者責任」の一色だったが、辞任すれば済む問題ではなく、今後も どこかのホテルで食品偽装は繰り返されるはず。なぜなら、厨房スタッフ(従業員)の ほぼ全員が食品偽装を把握していた可能性が高いからである。公徳心の欠如そのものだ。


内部告発で著名な事件は、2002年雪印食肉偽装事件だろう。あの際、雪印の取引先だった(株)西宮倉庫社長・水谷洋一氏が圧力に屈していれば、多くの国民が今も犠牲になっていた。水谷氏のメッセージは会社ホームページに掲載されている。


【(略)〜2002年、お客様でもありました雪印食品により弊社倉庫内で牛肉偽装事件が引き起こされ ※1苦悩の中で私は内部告発という行動に至りました。 告発後は国土交通省より営業停止処分、相次ぐ取引先の撤退などにより廃業もやむなしと追い込まれたこともありましたが、様々な方々の心温かいご支援もありなんとか会社を立て直し、現在では専務 水谷甲太郎(四代目)を中心に新たな西宮冷蔵として駆け出しております】


2007年のミートホープ社食肉偽装事件も、苫小牧市の工場で働いていた中堅社員の内部告発が発端だった。西宮倉庫とは違い、直接の主謀者だったこともあり、「地元の顔」は破綻した。
水谷氏、ミートホープ元社員とも、地元経済界ー地元住民のバッシングを受け続けている。2004年制定の公益通報者保護法は設けられているが、通常、依願退職するか、会社自体 倒産するケースが ほとんどだ。
2008年の事故米事件に関しても、2007年1月に三笠フーズの社員が農林水産省に情報提供=内部告発し世に現れた事件だが、やはり三笠フーズは破綻している。会社が続いても社内で圧力をかけられ、倒産したら失職してしまう。いずれも地元経済界ー地元住民のバッシングは変わらない。身を捨てる公益性がなければ、内部告発など絶対にできない。

流れが変わったのは 2010年の尖閣諸島漁船衝突映像YouTube流出事件だ。あれ以降、大型の内部告発事件は減った。特に今回の食肉偽装事件が明らかにしたのは、「利益共同体」の強化だろう。数千の調理人が「無添加」表示を知りながら牛脂を注入し、また電子レンジを多用したのである。数千もいながら、大手ホテルチェーンの食品偽装事件は今年まで社会問題化しないまま、高級レストランに訪れた紳士達を騙してきたのだ。そして、発覚の方法も、従業員が内部告発を行うドミノ式とはいかず、(匿名の情報提供をされ)ホテル上層部・日本ホテル協会が上から調査して公表する形だった。これこそ、従業員の組織防衛の力である。

健康ブームは「無添加」の標語を生んだが、それは2000年代からの傾向だろう。結果「偽装」になったのは消費者の健康志向に応えようとする企業側の論理だ。すなわち、食品偽装事件は 比較的「新しい問題」である。しかし、自らは 賄い料理で「無添加」を食しておきながら、大半の、数千の従業員は見て見ぬふりをした。日光東照宮「見ざる、言わざる、聞かざる」は、決してそういうことではない。彼らは偽装を認識した上で調理していた。これでも、「経営者は辞任しろ」で解決する話といえるだろうか。FacebookやTwitter、ブログなど、誰もが書き込みをできる社会である。公益通報者保護法も制定され、内部告発しやすい環境ではある。消費者庁、独立行政法人・国民生活センターなど、生活者の視点に立った機関の権限も拡がっていく。ところが、同質性というか、公共より「利益共同体」を守る考え方が従業員に備わっている。その考え方が「内部告発しない」という「行動」につながる。たしかに、内部告発は捨て身でなければならないが、ここ数年、整いつつある環境と反比例するように減った大型の内部告発は 以上が原因ではないか。

リベラル政党が今、「終身雇用制」を絶賛。しかし私は国家や広く社会にとって、集団の「利益共同体」は害でしかないと思う。最近の若い家族も、周りの人々を無視した振る舞いをすることが多い。「人様」というこの国の公徳心は忘れ、自分達さえよければいい「私」に溢れている。1/3の大手ホテルに確認された今回の食品偽装事件は、経営者のみならず、数千単位の従業員における公徳心の喪失、(公益通報者保護法が制定されたのにもかかわらず)内部告発が 長期間なかった事実が 「私」=「利益共同体」の再傾向をあぶり出す。

本作は「下宿屋」だからシェアハウスではない。だが、適当な距離感を保つ関係は「あるべき日本家族」だった。例えば、昔の『サザエさん』(長谷川町子 著 朝日新聞社)だと、フネは子供にあたるサザエやカツオを「サザエさん」「カツオさん」とも呼んだ。1950年代までは、こうした呼び方が登場する。昔は、母親なら我が子あっても、「○○さん」と呼んでいた。普段の生活のなかでは少なかったが、確実に 一定の距離感を保って接する習慣はあった。また、50年代までは半数以上がお見合い結婚だったため、夫婦間にも一定の距離感は保たれていた、といえる。
NHK『視点・論点』で、少子化問題の専門家である早稲田大学教授の森川友義氏がお見合い結婚について語っておられる。

視点・論点 「恋愛事情からみた少子化問題」2012年06月27日 (水)  早稲田大学教授 森川友義
【戦前の1930年代では10人に7人、戦後でも60年代前半までは2人に一人がお見合い結婚で結婚していました。
 ところが、60年代後半から、西洋的な恋愛重視の風潮、お見合い世話人の減少等の理由から、徐々に見合い結婚が減少し、70年代では3人に1人、80年代では5人に1人、90年代では10人に1人、現在では20人に1人程度が、お見合いで結婚しているにすぎません】(NHK アーカイブより抜粋)

日本社会の「家制度」が個人を束縛していたのは その通りである。しかし、「人様」の言葉が その上にたち、公徳心を大切に扱う精神構造も またあった。家庭内すら一定の距離感を保つ儀式的構造は現代の「利益共同体」に比べ、むしろ繋がりは薄いのではないか。


私は、先日公開された映画『ペコロスの母に会いに行く。』舞台挨拶試写会を観に行った。この映画は86歳を迎えた喜劇映画の巨塔・森崎東監督が長崎市在住漫画家の原作を基に描く、母(認知症)と息子(通称ペコロス)の「認知症コメディ」である。母の若かりし頃を描いたシーンは おそらく50年代だろう。父親を加瀬亮が演じていた。一軒家に引っ越した際の、若い夫婦の遠慮がちな雰囲気が昭和…。これぞ夫婦の距離感である。

「椿荘」の人々がみせたコミュニティは程よい距離感だった。干渉したくとも、干渉できない距離感である。たしかに 展開に欠け、気がかりな舞台だったかもしれない。ただ、ドラマとしては水準が高く、爽やかな舞台である。

ネタバレBOX

冒頭、2人の青年が「 台本」「公認会計士試験教材」の文章を呟くシーンで、多くの観客の心を掴んでしまったと思う。何か展開が育まれるわけでもなく、淡々とした「日常風景」である。この時、チラシやサイト等に接し「下宿屋」という事前知識を持っている観客なら、2人の青年の存在は不思議ではない。だが、何の背景もしらず、ソファとテーブルに それぞれ座った青年をみれば、その関係性は「兄弟」だろう。いずれ、「先輩」の声を聴き、「学生?寮生活?」のクエスチョン・マークが浮かぶ。
THE BELL BED UNDERGROUND & XXXX

THE BELL BED UNDERGROUND & XXXX

不定期開催演劇ユニット マリーシア兄妹

Geki地下Liberty(東京都)

2013/11/29 (金) ~ 2013/12/01 (日)公演終了

満足度

格好よくはない
全体的にすかした演技をしていたが、本人が思っているほど格好よくはない。むしろ鼻につく。演出家の指示かもしれないが、余程のイケメンじゃないとあの演技を成り立たせる事はできないと思う。

また、脚本が破綻してる。笑いを取りにいくために、登場人物が現実にはありえないほど頭が悪かったり、奇行に走ったり。しかも全く笑いが取れてない。

ついでに言うと、チラシのデザインも悪趣味。


最近では1800円という値段設定は低めではあるが、それでも安いとは言えない内容だった。

ネタバレBOX

不細工とは言わないけどっていうレベルの人をイケメン扱いして、女がよって来るっていう話(男女逆も然り)は、演劇界の悪習だと思う。
裸のリア王

裸のリア王

MICHInoX(旧・劇団 短距離男道ミサイル)

せんだい演劇工房10-BOX別館 能-BOX(宮城県)

2013/11/23 (土) ~ 2013/11/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

エネルギーが凄い!
めちゃ面白かった!
気持ちのいい服の脱ぎ方ってあるんですね。

Performing Body 2013

Performing Body 2013

玉川大学芸術学部

玉川大学大学3号館 演劇スタジオ(東京都)

2013/11/28 (木) ~ 2013/12/01 (日)公演終了

満足度★★★★

わかり易く楽しい
若い人たちの躍動感を楽しんだが、コンテンポラリーダ ンス公演としては、バレエのウエイトも大きくお上品すぎた印象。

建てましにつぐ建てましポルカ

建てましにつぐ建てましポルカ

ヨーロッパ企画

本多劇場(東京都)

2013/09/18 (水) ~ 2013/09/26 (木)公演終了

満足度★★★★

才能の集積
前回が時間軸でてんやわんやもので、今回は空間でてんやわんやもの。とにかく上手いです。ドタバタ喜劇なんだけどきちんと交通整理出来ている。実は、脚本も演出も緻密で巧み。
だから、場面は大騒ぎでとっ散らかっているようなんだけど、とても観易い。ドタバタすればドタバタ喜劇になると思っている輩には到達出来ない高レベルでした。

hedge

hedge

風琴工房

ザ・スズナリ(東京都)

2013/09/11 (水) ~ 2013/09/18 (水)公演終了

満足度★★★★★

苦くて爽やか
男ばかりの芝居と言う事で、この劇団の過去作「リバイアサン」的な物を期待していましたが、それとは真逆で男の友情&ロマン&ダンディズム的な物が満載で楽しめました。最終的に、負け犬たちのアイディアとガッツそして正義のヒーローものと言うのも良かったです。勿論、そんな良い話は無いよ的に「意地悪な」ビターな後日談が付くのも、この劇団と言うか詩森ろばさんは信頼出来るなあと思いました。

失禁リア王

失禁リア王

柿喰う客

吉祥寺シアター(東京都)

2013/09/05 (木) ~ 2013/09/17 (火)公演終了

満足度★★★★

相変わらずの才気走った舞台
この女体シェイクスピアシリーズ、自分的には一作目が超絶面白かったので、正直、二作目三作目とパワーダウンしてる印象が否めなかったのですが、ミュージカル風が合ったのか今回は面白かった。
ミュージカルと言うと、歌うシーンが見せ場なのですが、そのせいで実は物語が止まってしまうと言う難点がある。だから、声量が有る人、歌が上手い人でめくらましをする必要があるのですが、今回の舞台はガッツリマイクを使っていたので声量は不問に付したおかげで、歌は及第点だと思います。
しかし、今回は何より柿喰う客の御家芸「肉体言語」と言うべき身体表現とのバランスが完璧過ぎです。
特に加藤紗希さんの切れきれな動き。彼女をキャスティングした時点でこの芝居は勝ちだと思いました。釘付でしたから。

報われません、勝つまでは

報われません、勝つまでは

田上パル

アトリエ春風舎(東京都)

2013/11/28 (木) ~ 2013/12/05 (木)公演終了

満足度★★★★★

面倒臭いヤツ(ら)
大学とかに入るころになると、めっきり面倒くさいヤツらも減って、
というか多分均質化されてきて、
周りを見ると「バイトした給料でポール・スミス買う」とか言うような輩ばかりになって、
なんか似たような服・顔のヤツばかりになって
人生終わったような気になったりもしてしまうのだけど(苦笑
この物語には、ムダに元気いっぱいの奴らが溢れていて、
気付くと「面倒くさいヤツ」を「コッチ来い」って手招きして
チームが一つになるみたいな安心感があって心地よい(笑

ネタバレBOX

構って貰いたがりの「面倒くさいヤツ」について
ノートで一行も触れなかったハンドボールの顧問の先生も、
ノート発見されてこんな風になるんじゃないかって考えてそうしたんじゃないかなんて気になってしまう(笑

ひとつ気になるのは
ハンド部なのに松脂の匂いがしなかったってことくらいかな?
(握力あるから必要ないっか?(笑
[A.]

[A.]

エビス駅前バープロデュース

エビス駅前バー(東京都)

2013/08/23 (金) ~ 2013/09/03 (火)公演終了

満足度★★★★

楽しめました
箱にあったミニマムな世界観の話で面白かった。この美しい物語は絶対の終わりがあると言うタイムリミットものとしても楽しめましたし、登場人物それぞれの成長譚として面白かったです。役者陣もかっちりした芝居なのに「いるいる感」があって良かったです。


ネタバレBOX

が、しかし他の観た人が結構絶賛ムードなので、苦言を少し。これは私の好みなので仕方が無いのですが、やっぱり「好い人」だらけなのが、どうにも違和感がある。また、犬、猫じゃないんだから、まずは「彼」の意思を確認してから匿おうよ、意思疎通が取れなかったから強引に匿ったと言うなら「彼」の知性が付いてきた後は彼に任せするのが正論じゃないかな。

と言った所は、実はどうでも良いんです。コンマ0.1ぐらいの瑕疵だから。
問題は、ラスト降りです。折角、「彼」を通して、あの場所で主人公が成長したのに、あったらダメでしょう・・・・逆だと思うんですよね、あのバーで皆が次々と出て行って、マスター一人になった時に、「彼」が入って来る方が良いと思うんですけどねえ。
月闇の詩 ‐羽衣の調べ‐

月闇の詩 ‐羽衣の調べ‐

劇団 夢神楽

テアトルBONBON(東京都)

2013/11/20 (水) ~ 2013/11/24 (日)公演終了

満足度★★★★

ふむ!
なぜに毎回長いのかなんとなく理解した気がします。
沢山沢山詰め込んでますねぇ。

初めて見ましたが、ダンス、殺陣、歌?(笑)と、楽しませていただきました!

ゾロ目羅漢

ゾロ目羅漢

ひげ太夫

d-倉庫(東京都)

2013/11/20 (水) ~ 2013/11/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

オリジナリティ
これまで、チラシのケバケバしさに観る気にならなかった劇団なのだが、評判の良さに観劇。
確かにこれは他にはない魅力だ。
最初に感じた違和感も、力技で引っ張って行かれるうちに何も感じなくなる。
まさに理屈抜きの楽しさ。観てよかったと思った。

gymnopedia

gymnopedia

ミヤタユーヤ

中野スタジオあくとれ(東京都)

2013/11/28 (木) ~ 2013/12/01 (日)公演終了

満足度★★★

カーテンコールの奇跡
褒めているのかどうかわからない言い方で申し訳ないが(詳細はネタバレBOXにて)、舞台後のカーテンコールが素晴らしかった。

ネタバレBOX

そもそも、この作品で描かれているエリック・サティ像は、私が想い描いていたサティ像とは違うものであった。私はサティをより反骨的な人物だと思っている。「家具の音楽」にしても、「私の音楽を聴くな」というのは「BGMとして聞いてください」というようなものではなく、当時のロマン主義全盛の音楽界にケンカを売っている、更には「芸術とは何か」を根底から問い直す批評的・反骨的な行為だったと認識している。ダダイスムに関わっていたことはその証左だと思う。ただ、私はサティについて詳しくないので、私の認識の誤りかもしれない。また、そもそも事実は確かめようもなく、それに作中でも「これは私が想像したエリック・サティの話」と断っているのだし、ミヤタユーヤ氏独自の大胆なフィクションとして仕上げているので、その点はどちらでもいい。

ただ、事実がどうかはどちらでもいいのだが、ミヤタユーヤ氏がサティ像を自分に引き寄せ過ぎているように感じたのは気になった。「美しい音楽を奏でる際は、美しい動きになる。だから、その動きをすることから始めていった。」というような部分は、ダンサーでもあるミヤタ氏自身の考えを重ねて書かれているものだろう。作品に、サティの顔でも、サティから距離をとった脚本家の顔でもなく、ミヤタ氏自身の顔が透けて見えてしまうのは、少し興ざめだった。(勿論、その点が良いという人もいるかもしれないが。)「美しいものは正しい」というのも、サティの言葉ではなく、ミヤタ氏の信念のように聞こえた。

そのような部分から、ミヤタ氏が自分にサティを重ねて描いた物語なのだろうと思って観ていたので、「天才」「天才」と連呼される部分に、最初はとても違和感があった。そもそも私は、特殊な表現者を「天才」などと神聖化するのが大嫌いだからだ。そう思っていたら、物語の後半でひっくり返されて、サティの天才像は、盟友のクリス(虚構の人物?)と共に創り出されたものだとわかる。

そのクリスも、「自分は天才と豪語していたが、実は、ただの凡才だったのだ」と告白して、死んでいく。その死んだクリス(Kris?)の想いを背負い、Eric Satieと Krisとの共同作品として、Erik Satieが生まれたという話。(ただ、イニシャルからkをとったなどとは語られないので、クリスは一般的なCris という表記で、単に本名と芸名の差異というだけの意味なのかもしれない。) 

いずれにせよ、この大胆な創作物語は面白かった。天才がいる訳ではなく、様々な出逢いや影響の中で天才と呼ばれる人物が作り出されていくということだろう。

終焉後のカーテンコールで、ミヤタ氏は、「この作品は、自分が書いた言葉だけではなく、様々な友人の言葉を脚本に使わせてもらっている」と述べ、「自分一人でできた舞台ではない」ということを強く語った。そして、照明・音響・製作などのスタッフにも感謝の念を述べた。それが、まさにこのサティの物語で語られている内容と重なっていた。「エリック・サティは一人の力で生まれたのではない、この舞台も私一人の力で創りあげたのではない」とでもいうように。

その際、想いが溢れたのだろう、ミヤタユーヤ氏は、時に言いよどみ、言葉を詰まらせながら、ゆっくりと言葉を発していた。その姿、呼吸、空間のすべてが、今まで演じられてきた舞台そのものよりも、凄い作品となっていると感じた。これが本当の芝居であり、踊りだとさえ思えた。

(この点まで踏まえれば、満足度は★4だが、あくまでこれは作品外と判断し★3)
だまし魂

だまし魂

MousePiece-ree

シアター711(東京都)

2013/11/29 (金) ~ 2013/12/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

おもしろカッコいいぜ!(≧▽≦)
2011年の大阪公演も見てるんですけど、
しっかり笑ってしまいました。
時を超えても場所が変わっても、変わりない面白さとカッコよさ。
今回もアホカッコよかったです! 東京まで出張ってよかったw。
もっともっと多くの方に知れ渡ってほしいです!

女子大生100年日記

女子大生100年日記

学習院女子大学 pafe.GWC実行委員会

学習院女子大学(東京都)

2013/11/26 (火) ~ 2013/12/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

まるで白昼夢・・・・(マチネ鑑賞)
のごときエンディングにやられた(∂△∂;)

実に素晴らしい!!! 3本とも◎

沢山の素敵な女優サンを知る、いいきっかけになりましたy(^ヮ^)y

学内で、本当はもう少しゆっくり余韻を味わいたかったが・・・・。

ネタバレBOX


 一方で、「アイ・アム・-」の他の方のコメントにあったように思うが、せっかく大学というハコでやるのだから学生が黒子に徹してしまい、キャストに名を連ねないのは寂しい。
先日の「アイ・アム・-」しかり、本日もキャストの中に、ついつい大学生の姿を探してしまった。
 また、1本目の会場に関しては、[土着性、ゲニウス・ロキ]といった側面で、より雄弁な語りを持つ場所選びが他に出来なかったか・・・。


 *「放課後」では、キャストの抒情的台詞と窓外の落葉がドンピシャのタイミングで効果的に神懸り的演出をしていた。

ピグマリオン

ピグマリオン

新国立劇場

新国立劇場 中劇場(東京都)

2013/11/13 (水) ~ 2013/12/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

比較演劇学のテキストとして最高!
「マイフェア・レデイ」は、日本初演の江利チエミさんのイライザから、大地さんの何度目かのイライザまで、全公演観た程の、「マイフェア…」フェチの私。

平幹二郎さんのヒギンズも、任でないイライザ女優には目を瞑り、拝見しました。

だから、今回の配役が発表された日から、今日の観劇を待ち侘びていました。

バーナード・ショーの原作は、大変シニカルだとは耳にしていましたが、実際「ピグマリオン」を拝見して、ミュージカルとほぼ同じストーリー展開、台詞でありながら、こうまで、真逆なシチュエーションの芝居だとは、目から鱗状態で、これ程、ワクワクドキドキしながら観劇したのも久しぶりの体験でした。

平父子のヒギンズを観られたことも嬉しく、その上、共演陣が、私の好きな俳優さんばかりで、個人的にも至福の時間でした。

ある意味、これは、最高のハッピーエンドかもしれません。少なくても、女性の私から観ると、イライザの悟りに歓喜してしまうラストシーンでした。

石原さとみさん、以前から、大変魅力的な女優さんだと思っていましたが、この作品、石原さんの代表作になるでしょうね。何もかも、どのシーンも魅力的でした。

ネタバレBOX

最初の内こそ、あーここで「踊り明かそう」聴きたくなるとか、「スペインの雨」歌ってほしいとか、音楽のないこのストーリー進行に違和感を感じていましたが、途中から、ストレートプレイとしての面白さ全開の舞台進行に、すっかり気持ちが奪われました。

そうだったのか!ヒギンズって、マザコンだったんだ!とか、ヒギンズの学者バカぶりに、これはコメディ作品か?と感嘆したり、同じ台詞を使いながら、全く別のテーマの名作ミュージカルに仕上げてしまった「マイ・フェア…」スタッフの手腕にも、敬意を表したくなったり、とにかく、各シーン、観る度、気持ちがエキサイトしていました。

ミュージカルだと、単に、気の優しい母親に過ぎないヒギンズ夫人の存在が、この作品では、実に重要な要の役でした。

イライザの父親の、アメリカの慈善家に対する皮肉の籠った台詞とか、なかなか考えさせる要素の詰まった、名戯曲でした。

倉野さんや増子さんの名演技で、ヒギンズ夫人やピアス夫人達、女性陣の心の襞がよく理解できました。

「マイフェア…」では、聞き流していた台詞の一つ一つに、こんな深い意味が隠れていたのかと、物語が進むに連れて、目からうろこが落ち続けました。

ミュージカルでは、イライザが「ヘンリー・ヒギンズ」と、複雑な胸中で、名前を連呼する歌がありますが、ここでは、その連呼は、イライザの父親が何度も繰り返すのも印象的でした。

全体的に、登場人物が、原作の方が少人数で、その分、各人の人格描写もきめ細やかで、関係性も深く描かれていました。台詞劇としてのクオリティの高さに、心底驚きました。

イライザも、花売り娘の頃から、初対面の男性を、チャーリーかフレディのどちらかだと当たりをつけて呼びかけたりして、世渡り術に長けているなど、本来の頭の良さをしっかりと描く脚本の秀逸さを感じました。

 ヒギンズの母親は、ちょうど、最近の母親の婚活的に、願わくば、イライザと息子の仲を取り持とうとしますが、ヒギンズには、たぶんイライザに対する恋愛感情よりも、同志的感覚の友情が優先しているのです。

だから、イライザが、自分の思い付き発言に動揺するヘンリーの様子を見て、彼と互角に、もしかしたら、その上を行く言語研究ができる人間かもと、自分の立ち位置がヒギンズに勝ると気付いた時、二人の感情は、同じベクトルに向けて高揚します。

最後の場面は、二人は、別れるでもなく、結婚するでもなく、たぶん、今後は、ピッカリングも含め、3人は、言語学研究の共同体として、友人関係に帰結しそうな運びでした。

もしかすると、それは、このストーリーの最高のハッピーエンドかもしれないと、私には思えました。
1999

1999

ピストンズ

北池袋 新生館シアター(東京都)

2013/11/29 (金) ~ 2013/12/03 (火)公演終了

満足度★★★

ヨハネ・パウロⅡ世
飽きないがちょっと長い。あと開演までも長い。130分。

ネタバレBOX

1999年。ノストラダムスの大予言に沸く日本。大予言の解釈者・岡部と池尻の前に、ノストラダムスと助手が現れる。嘘つき呼ばわりされ立腹しているノスは、時間を戻す手段を得て、二人の協力の元、大予言成就を目指し、何度も1999年をやり直す。何度も試行するうちに、人々の願いが結果になるという現状が起こり、世界は混乱、池尻も狂信的になるが、ノスと岡部は世界を元に戻す。そして岡部は現実と向き合い、登校拒否な息子のため戦う。

岡部や池尻はじめ、バイト先の先輩から蔑まれる木下、いじめられDBの世界へ逃避する裕也、一向売れない漫才コンビの石緒と尾田など、理解されず上手くいかない人間の、内に秘めた破滅思想を表現し、その次をみせる作品。テーマは好きだし、マイナスパワーな表現が上手い。そのためか、長いなと思いつつ飽きはしなかった。

ただ、散漫な気もする。ゴチャっとしたシーンもいいけど、全体的にもうちょいスリムな感じに仕上げて、岡部の息子との想いが輝くような感覚がほしかった。
うた歌うぐらいなら俺は出ない!【ご来場ありがとうございました!!】

うた歌うぐらいなら俺は出ない!【ご来場ありがとうございました!!】

劇団前方公演墳

テアトルBONBON(東京都)

2013/11/27 (水) ~ 2013/12/01 (日)公演終了

満足度★★★★

みてきた
面白かったです。文句のつけようがありません。

ゆびに のこる かおり

ゆびに のこる かおり

大人の麦茶

紀伊國屋ホール(東京都)

2013/11/29 (金) ~ 2013/12/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

ちょっとだけ詰め込みすぎ、でも面白かったです。
こちらの劇団は2度目。
ただし、前回は「ネムレナイト2008」の時なので、え、5年前と言う事!?

正直、当時の内容はあまり印象に残っておらず、
友人と二人で当日券を求めて5時間くらい並んでた時の会話がとても楽しかった想い出の方が強いです。
当時並ぶ必要があったのかは覚えておらず。。

ネタバレBOX

ちょっとだけ詰め込みすぎ、でも面白かったです。
個性的なキャラクターたちが沢山で、(なので最初頭に入ってくるまでが少し不安でしたが)
この人物たちで一本の物語を作ろうとした事が興味深い。
主人公が複数いる様な作品は自分は好きですが。

タイトルに掛かってくる方の話の方がどちらかと言うとおまけの様に感じた。
それぞれの話ごとに一本の作品にしても通じる、と言うかもしかしたらそちらの方がすっきりして良かったかもしれない。

後半の展開が非常に良い。

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