最新の観てきた!クチコミ一覧

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掟

TRASHMASTERS

駅前劇場(東京都)

2024/02/15 (木) ~ 2024/02/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

改革派の若い市長と、古い議員たちとの対立を描いた。腐敗の温床だったなれ合い市政を変えるという市長の姿勢はいいが、議員に前もって予算案の説明や根回しは一切しないというかたくなさには首をかしげた。しかし、「調整、というのは、結局、議員へのご機嫌伺ですよね」という市長の言葉になるほどとも思った。

さらに財政改革として公共施設の3割削減を打ち出して進める。これは住民サービスの切り捨てにならないか? 議会からも「失業者が出るのに、当事者に視聴は直接会おうともしない」とつかれる。これは議会に理があるように見える。
つまり、議会もかたくなだが、市長もワンマンすぎる。どちらかが一方的に悪いとはなっていないところが、この芝居の最大の長所である。

新聞記者(目黒省吾)が、自分の小5の息子の不登校を打ち明けて、子どもの未来のために、議員たちに副市長人事に賛成してほしいと訴える場面は心に響いた。人を動かすのは、大声ではなく、静かな声だと感じた。議長(葛西和雄=青年劇場)が、支援者の息子が農業を継ぐ気になってくれたんだ、だから「無印企画」との提携のため、議員に一言説明してくれと、市長に土下座する場面もよかった。互いに、対照的な関係になっているが、この舞台の二大ハイライトである。

青年座の山本龍二をはじめ、新劇系劇団から、5人のベテラン俳優が参加したことで、議会の古参議員たちに説得力があった。このキャスティングが素晴らしい。葛西だけでなく、それぞれの見せ場をもう少し練りこめば、さらに良かった。

ネタバレBOX

モデルは安芸高田市の石丸伸二市長だということだ。石丸市長のことは全然知らなかった。私は明石市の泉房穂前市長や、杉並視聴なども少し入っているのかと思ったら、そうではなかった。調べてみると、居眠り恫喝問題も、副市長人事案否決も、無印良品の出店却下も、公共施設削減も、石丸市政でおきたこと。モデルにつきすぎているのは、舞台の寿命を短くする弱点があるが、事実という強みがある。

石丸市長の「財政報告」をユーチューブで見たが、舞台でわからなかった、公共施設削減の深い背景が分かった。簡単に反対できないと思った。今の市は箱モノを作りすぎ、持ちすぎているのである。借入金では、市町村合併時の合併特例公債の比重が大きい。年120億円の財政で、30億円が借金の返済に充てられている。借金のしすぎなのである(国も同様だが)。

今更遅いが、後世への教訓とするために、合併特例公債はじめ公債を何に使ったのかの検証が必要だ。これは総務省の誘導あってのことなので安芸高田市だけの問題ではない。全国的な問題である。現に、山梨県の市川三郷町は、赤字財政で7年後に基金が底をつくと、財政緊急事態宣言をしている。同町も公共施設の削減を財政健全化のカギとしている。
​骨と軽蔑

​骨と軽蔑

KERA CROSS

シアタークリエ(東京都)

2024/02/23 (金) ~ 2024/03/23 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

ケラの頭の上にウクライナとガザの戦争が、重くのしかかっていることがわかる稀有な作品。ケラのような、一見、浮世離れした別世界を舞台上で追求する演劇人でさえ、これほど時代の動きに強く反応するとは意外だった。

もちろんストレートな反戦ではないし、ブラックなユーモアで一貫している。しかし、開幕から最後まで、周辺で砲声が鳴り響き、西と東に分かれて内戦が長く続いている設定である。若い男たちは死んでほとんど残っておらず、女性と子供が戦場で戦っている。「戦争のおかげで食べている」軍需工場を経営する一家の物語となれば、戦争にどう向き合うかは避けて通れない。ときおりつけるラジオから、「本日の死亡確定者数」が知らされ、「○○はいなくなってしまった」が延々続く投書や、DJ自身の「墓森の父が職を失った。墓地を兵器工場にするからだ」という 告発が、家の外では何が起きているかを思い出させる。そのうえで、ラストのどんでん返しと急展開は見事だった。

誤解のないように書いておけば、堅苦しい社会派ではない。基本は、ナンセンスとすれ違いの笑いに満ちた、俗物ブルジョア一家のホームコメディである。作家の姉マーゴ(宮沢りえ)と妹(鈴木杏)の、欲しいもののとりあい(真剣だが笑える)、テンションの高い居候ナッツ(小池栄子)、アル中の母グルカ(峯村リエ)、家の財産を狙う、父の秘書のソフィー(水川あさみ)、登場は一番遅いが、重要な舞台回しの編集者ミロンガ(堀内敬子)、そしてナレーターでもあるおしゃべりなメイドのネネ(犬山イヌコ)。花も芸もある女優陣は、期待にたがわない。宮沢りえと小池栄子の、呼び捨てで呼び合って心が通じ合うダンスシーンなど、見ているだけで幸せな気分になる(二階では父が危篤だというコントラストもいい)。
徴兵忌避で家出した夫から、何通も届く手紙が道糸になり、戦争と直接つながってもいる。
上演時間3時間(20分休憩こみ)

ネタバレBOX

「骨と軽蔑」とは、マーゴが書く小説のタイトル。少女の耳から、頭の骨がいくつも出てきて、それで作った人形と少女は仲良しになるが、ある日、喧嘩して、人形を投げ捨ててしまう。そして…という物語。イメージの鮮やかな話である。マーゴが書く小説がどういうタイプの物かもわかる。(もう一つ、マーゴのデビュー作の内容も少し話していたが、忘れてしまった。とにかくブラックだった。夫はデビュー作担当の編集者だった)

中盤、どくろの死神が直接登場するのも愉快。
最後、身内にも徴兵がきて、出征前に恐怖に震える。敵の爆撃機の大編隊が現れ、生死不明の夫から手紙が届く(その前のはナッツのなりすましだったが、これは本物)。戦争が一家を押しつぶす。戦争で儲けていた一家に対する、天罰ともいうべき結末である。
柏原照観展

柏原照観展

牡丹茶房

スタジオ空洞(東京都)

2024/02/21 (水) ~ 2024/02/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

流石に面白い。舞台上は展示室になっており、数々の仏画が並べられている。(エアブラシ・アートなのが時代背景と合わず気になるが···)。中央に置かれた台座。
画家柏原照観(山本佳希氏)の大ファンである資産家(越路隆之氏)が道楽で運営する個人美術館。1954年(昭和29年)、柏原照観のアトリエで見初めた彫刻品を購入、それを展示することに。運ばれて来たそれは漆黒の消し炭で作られたような異形の禍々しいフォルム。何本も腕が突き出している奇形の阿修羅像。
柏原照観の妻(赤猫座ちこさん)はその像の前で涙を零す。「本当は売りたくないんです。必ずお金を用意して買い戻しますから、決して誰にも売らないで下さい。」
資産家の娘(小森かなさん)と結婚し、入婿となった次期当主(とのむらゆうだい氏)はそれを約束する。
だが、しかし・・・。

赤猫座ちこさんは増村保造顔。こういう暗い過去を背負った役がハマる。
今作のような設定の閃きがこの作家のかけがえのない財産なのだと思う。

ネタバレBOX

①1954年
空襲で産んだばかりの赤子を黒焦げにされた戦争未亡人の赤猫座ちこさん。戦後ガード下で街娼をやりながら彫刻を彫り続ける。頭の中の赤子が肉体を求めている。彼(彼女)に相応しい彫刻が完成したら、もう一度魂は地上に戻って来る筈だと。そんな女に欲情した画家、柏原照観は家に連れ帰って娶る。柏原照観はもう描けなくなっていた。自分の中に仏が何処にもいなくなったのだ。狂気の彫刻を完成させる赤猫座ちこさん。頭の中の赤子がいろんな表情を求める。いろんな仕草を求める。ただ足だけは付けてあげなかった。何処にも行かせない。私のもとにずっと居るように。子守唄。

②1989年
柏原照観の遺作となった阿修羅像はある時期一代ブームを呼ぶ。この彫刻に祈願すると子宝に恵まれるのだ。美術館を経営する嶺井戸一族の当主は遺書を残して自殺した。顧問弁護士(國枝大介氏)が相続会議を開く。妻(丸本陽子さん)、長女(二ツ森恵美さん)、次女(片渕真子さん)、三女(星野梨華さん)。同席する従姉妹(丸山夏歩さん)と潜入するフリーライター(吉成豊氏)。明かされる彫刻の秘密。異常に妊娠することに恐怖を覚えていた女達。会議の後、軽度の知的障害を持つ三女・星野梨華さんは妊娠していることを丸山夏歩さんに告げる。しかも性行為など全くしていないことを。そして口ずさむのは知らない子守唄。

③2024年
もう美術館は閉館し、土地も建物も売り払ってしまうことに。最後の管理者、青木絵璃さんのもとに離島で暮らしていた嶺井戸一族の末裔が訪ねて来る。三女・星野梨華さんの娘である車椅子の池島はる香さんと恋人の辻󠄀響平氏。母は処女懐胎の娘を阿修羅像から遠ざける為、離島に籠もったのだ。阿修羅像は約束された肉体である池島はる香さんに到頭受肉することに成功。子守唄。

②の星野梨華さんが強烈。「黙れ!」
③の肉体を乗っ取られる池島はる香さんの葛藤。「違うよ。」

子供を妊娠する恐怖、処女懐胎が混乱を招く。とにかくこの世に生まれ出る肉体を求める悪霊の話なのか。逆に一族は誰も子孫を残せない方がよかったのでは。彼(彼女)が現世に誕生するまでは、誰も妊娠出来ない方が。
509号室−迷宮の設計者

509号室−迷宮の設計者

名取事務所

小劇場B1(東京都)

2024/02/16 (金) ~ 2024/02/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

まずまずであった・・とは期待の高さゆえの感想。
名取事務所の韓国現代戯曲シリーズでこの作者、金旼貞(キム・ミンジョン)作品は三度目の登場らしい。作者の傾向は判らないが、他公演の概要を見ると一つは日帝支配下の朝鮮を舞台、一つは現代(戦後のどの時期か不明)を舞台としたいずれも濃厚な人間ドラマといった風だが、今作は対象との距離を取ったドキュメントなタッチで韓国の民主化闘争時代の弾圧の側面にフォーカスした舞台。
韓国の著名な建築家・金氏の設計とされている元政治犯収容施設を案内人と共に写真家が訪れる現代と、当局から設計を依頼された当時の経緯、そして現代の案内人の元恋人かと想像させるある収監者のこと、この三つの逸話が錯綜して劇が展開する。
後で振り返ってもたげた要望は、できればその高名な建築家の人生に迫るドラマとするか、拷問を含めた権力の術策を赤裸々に抉り出す告発劇とするか、、どちらかに寄せたものを観たかった。

理由を考えてみると、民主化を弾圧した権力は憎むべき相手である。これに異論は無い。ありようがない。
だが、水責めが行われた独房を、「その用途を知った上で建築家は設計したのかどうか」を問い始めると、「そのように意図したか否かに関わらず負う責任」が埒外に置かれ、問題が矮小化して行く感覚に陥る。
仮に建築家がそんな事を意図しなかったのだとしたら、(政治的スタンスを巡る市民の責任に関して)「あまりに鈍感」である事にある種の咎は生じそうである。

実際にはその高名な建築家は中々当局のリクエストに対して(多忙ゆえか、多忙との弁解が可能だからか)回答を延ばし、会社で対応に当たった部下の一人の青年が、登場人物としてフォーカスされている。実際には彼が設計を行ったらしい推測が成り立つ格好で、芝居の中で「告発」まがいの視線を受けるのは彼である。
写真家(フォトジャーナリスト)が最後に問い詰めるのは彼である。彼女はまた、案内人に「収監者」との関係も問うが、固有名詞を担うのは建築家のみ。数知れない被投獄者を代表する舞台上の彼が、その案内人にとって誰だったかはさほど重要でない。また同様に数知れなく居ただろう権力への協力者に関してもそれが誰にとっての何者であったかは重要でない。
重要となるのは、案内者である彼女が客観的事実を述べる範疇を逸脱し、「私的」言動を取り始めてからの話で、しかしこのドラマではその瞬間は訪れない。弾圧の事実の告発は私的であり得る事を超えて大きく公的な問題群となる。
三者がそれぞれに抱えた人生の断面が見えて初めてドラマは動き始めるのだとすれば、この舞台はそれぞれの人生の行方を微かに予感させるにとどまった。作者は実は人を登場させながら無機質なその建造物を、というより建造物の無機質さ(非人間性)を感覚的に観客に届ける着想があったのでは、等と想像する。その部分に呼応するような効果音(音楽)が印象的ではあった。

養生

養生

ゆうめい

ザ・スズナリ(東京都)

2024/02/17 (土) ~ 2024/02/20 (火)公演終了

実演鑑賞

スズナリ公演であるのと蠱惑的なチラシに惹かれて観に行く。相変わらずシビアな、ブラックな状況と独特なエスケープのカタルシス。深夜バイトで男3人、実体験がベースにありそうだが生々しさと滑稽さと奇妙な装置による効果でフワッとしてる感触もゆうめいらしい。

ウンゲツィーファ主宰の本橋龍、青年団俳優・舞監の黒澤多生、俳優の田中祐希三名による臨場感のある(ふと訪れる夢的な時間も)芝居空間が、その空間の心地良さを維持して続いて行く。冒頭の本橋氏の語りがまずドキュメントな空気満載で、これ実体験でなきゃこうならんだろ、と思わせた最初に観た「弟兄」(だったか..これはかなり実体験反映のケースだったがそれでも脚色創作部分があったのだと知って結構衝撃であった)以来、ゆうめい舞台に漂う空気である。
現代の職場空間、人間関係、状況適応テク、相互の浸食具合等の描写に目を見開かれるのだが、それら細部に時代の風景が逆照射されて行く感じもある。

猛獣のくちづけ

猛獣のくちづけ

くちびるの会

OFF OFFシアター(東京都)

2024/02/22 (木) ~ 2024/02/27 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

話は説明通りです

で なかなかに
話のインパクトと演者さんの熱量に圧倒されて
眠気も出なかった100分の作品
不条理SF系となるかしら
結構自分的には気に入りました

もとは仙台演劇祭での
40分の短編だったものに
今回は追加をしてアフタートークまで付けての
出血大サービスな作品と
あいなっておりました

ネタバレBOX

前作は人が象になる話だったそうで
そうゆーのが好きなのかしら
さて
B級映画の新アリゲーター 新種襲来に近いかなぁと
思ってたら
カフカの変身みたいな感じだったかなー
コメディな感じはニャイトオブリビングキャットみたいだったわ

なんでヒトがワニ化するのかは
明確にはわかんなかった感じですが
タイトル回収してのヒト戻りで
とりあえず作品は幕になります
渡瀬川にワニは溢れてる状態ですー

リアルに飲み食いして
底辺な派遣労働者の生活環境が
なかなか精神にキますわね

舞台セットはビールケースさん
みたいな箱をたくさん積んで運んでの
切り替えで
アウタートークによると
舞台上の照明が透過できる網目状のサイドが
気に入っての購入だったそうです
千秋楽後の処理はどうしようか迷ってるそうですが
無料持ち帰りOKなら
自分欲しいかも・・とかは思ったっす

チケット購入者には
お近くのコーヒー店での
コーヒー一杯無料券が付いてて
観劇後にあわただしく去るのではなく
演劇の余韻をカフェで味わって欲しいとの
配慮だそうです=よいですね=

身体が冷たくなってる違和感とか
毛布からニュッと緑の手が出るシーンは
真正のホラーでしたが
模型のかわいいワニをもって出てくる
黒子仕様の変身後のワニとの会話は
なかなかコメディで面白かった
あと
緑のスエット上下での
ワニとするのも
独特の間のある
その時の会話シーンも
なかなかのものでした
長谷川圭一事件簿 ~Episode Zero~

長谷川圭一事件簿 ~Episode Zero~

劇団Cheminèe

エリア543(東京都)

2024/02/23 (金) ~ 2024/02/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

コンパクトに纏まっていて面白かったです。

寉峯~カクホウ~

寉峯~カクホウ~

ラビット番長

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2024/02/22 (木) ~ 2024/02/26 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

将棋の駒を作る駒士の話です
半生ものであり
丁寧に作られた話で
人の人生を垣間見れるのは
なかなか興味深かった

舞台美術も綺麗でしたわ

ネタバレBOX

将棋の駒の素体が背景に大きく出来てて
基本は木調のセットでした
背景にひだりうまとか
タイトルを投影してて
いい塩梅になっていましたわ

主人公が趣味にしていた
釣りのウキの製作が
のちの駒士としての下地だったと
も少し情報をセリフ多めに載せてもーとかは感じた
ウキの製作の木の削りと仕上げの表面の漆塗りとかね

落ちは竜王戦で用いられたコトで
作品の仕上げとなり
いつも通りに「またあうひまで」の合唱でENDです~♪
Bチーム 『心の炎消えぬ間に、恋せよ乙女』

Bチーム 『心の炎消えぬ間に、恋せよ乙女』

下北沢演劇祭実行委員会

北沢タウンホール(北沢区民会館)(東京都)

2024/02/22 (木) ~ 2024/02/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

短編ながら丁寧に作られていて
観ていてホッこりとする話でした
無料でもあり
演劇というものを広めようとしてるのが
なんとも心地よかったかなぁ と

長谷川圭一事件簿 ~Episode Zero~

長谷川圭一事件簿 ~Episode Zero~

劇団Cheminèe

エリア543(東京都)

2024/02/23 (金) ~ 2024/02/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度

2022年に観劇した別団体サンの作品が非常に素晴らしく、その関係者サンが所属する劇団ということで初回のステージを観に行きました。
コメディーと銘打っていたのにクスリともしなかった。その上演技も荒削りで、セリフすら覚えていない。(カーテンコールで演出家?の方が「短い準備期間で…」と言い訳をされていたが恐らくほとんど稽古をされていないのではないか?)
苦し紛れのアドリブが飛び交う舞台でした。
皆さんお若いので演技が未熟なのはまだいいにしても、全編を通して控室からの喋り声が丸聞こえで、それが現場での相談の類ならまだしも、「今のシーンよかったね〜」や「やらかしちゃった〜」という言葉が笑い声と一緒に聞こえてきて非常に不快だった。
団体内でこれを注意する人はいなかったのか?と不思議だった。
アフタートークも終始グダグダで、役者サンたちが「お気に入りのシーン」として、こちらからは何が面白いかわからない場面を「笑いを堪えるのに必死で〜」と喋っており、稽古場での内輪のノリを舞台に持ち込んだのだと合点がいった。
この規模とクオリティに対して三千円という料金は相場としてはかなり高く感じた。物販として戯曲も売っていたが、これも私としては高すぎるように感じ、そのためか買ってる人は見かけなかった。原作付きの演目ということで、もしかしたら原作者のマージンがかなり高いのかもしれない。
客出し時に周りを見ると結構な割合が出演者サンのお友達のようだったので、もともと身内に向けた発表会で、私のような演劇ウォッチャーははなからお呼びでないということなのだろう。

今までコリッチは会員登録観てきた!を書いたことはないのだが、今回はどうしてもと思い、不躾に失礼いたしました。

ふるさとの灯

ふるさとの灯

劇団カオス

大阪公立大学杉本キャンパス旧教養地区北食堂2階オアシス(大阪府)

2024/02/23 (金) ~ 2024/02/24 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

とにかく舞台となる民宿の舞台美術、登場人物が共に魅力的で「こんな民宿に泊まりたいのよー」と思わす安らぎの空間感がたまらんかった🎵そこで繰り広げられる物語は比較的地味なお話だけど明るいシーンや暗いシーンを照明の明るさとリンクさせる演出などで見やすかった♪久しぶりに学生演劇を観たけど改めて良いなーって🎶普段行けない大学キャンパスを訪れるのも楽しいしネ♪あと灯里役のぷてらさんがめちゃ可愛くて僕はメロメロになってしまいました\(^o^)/

長谷川圭一事件簿 ~Episode Zero~

長谷川圭一事件簿 ~Episode Zero~

劇団Cheminèe

エリア543(東京都)

2024/02/23 (金) ~ 2024/02/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

四年ぶりの公演、おめでとうございます。
第一印象は、「とにかくみんな若い」ということです。パンフレットを見たら、「高校生で劇団を旗揚げ」と書いてありました。納得。
さて、劇評になりますが、まだ若々しく、所々、せりふを滑らせたり、間合いが今一つ遅れたりしたりしていて、萌芽木期の劇団という印象でした。しかし、それゆえに伸びしろも大きいといえるので、公演の回数を重ねる中で、どんどんと演技に磨きをかけていってほしいと期待します。
それにしても高校生の旗揚げということに尊敬の念を抱きます。私が演劇に興味を抱いたころに、すでに旗揚げを考えていたとは。すばらしいですよね。
できれば、このメンバーの中に、一人でも二人でも、ベテラン風のメンバーが入ればとも思います。今回の推理&コメディーでは、どうしてもみなさんの演技が軽くなっていましたから。知り合いの劇団から「引き抜き」(笑)でもできませんかね。そうでなければ、しばらくは学校の「お楽しみ会」の劇くらいの軽さになってしまうと思います。劇団の構成メンバーのバランスというものも軽視することはできません。
これからの伸びを期待しています。見守っていきますね。

長谷川圭一事件簿 ~Episode Zero~

長谷川圭一事件簿 ~Episode Zero~

劇団Cheminèe

エリア543(東京都)

2024/02/23 (金) ~ 2024/02/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

シンプルなストーリーでわかりやすかった。4年ぶりの再始動との事。次回作も期待してます!

リベルテ Vol.26

リベルテ Vol.26

END es PRODUCE

本所松坂亭(東京都)

2024/02/22 (木) ~ 2024/03/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

ナンバーズエヴァジオンを観劇。おもしろい企画。一生懸命推理して、めっちゃハズレた笑 楽しかったです!

川にはとうぜんはしがある

川にはとうぜんはしがある

ばぶれるりぐる

こまばアゴラ劇場(東京都)

2024/02/22 (木) ~ 2024/02/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

出演者が誰でも観に行こうと思う劇団の1つが、ばぶれるりぐるです。
でも、今回の出演者は私得でした。
メガネニカナウというイベントの主催をされていて、関西では知らない人のいない役者でもある上杉逸平さん、ばぶれるりぐるの常連で関西の演技派女優、大江雅子さん。東京の劇団、劇団5454(ランドリー)の窪田道聡さん、唯一観たことなかったけど、とっても元気で可愛かった梨花ちゃん。

続きはネタバレBOXで、

ネタバレBOX

土間が舞台って今まで見たことないです。
しかも、母屋と離れの土間。
それぞれに土間。こういう造りの家って存在したのかな?

昔、おばあちゃん家に土間はあったんですけど、うちの土間には鳥かごがぶら下がってたなぁ。犬とかペットは土間で飼われてたような気がする。

いつもニコニコだけど、鬱だったり色々あって仕事辞めて移住してきた生田目くん。
それだけに、早希の気持ちに敏感。本人は気づいてない気持ちを察して悲しんで、泣かないためにステップを踏む姿に笑うというシュールな状態。
早希が実家に帰ってきたのも同じような理由もあったのかもなぁと思った。
自分では気づいてないかもしれないけど。
そうなってたのかもだし、そうなってるのかとだし、そうなる前にと思ったのかもだけど。

実家から出ていった姉の代わりに実家を継いだ妹の陽子。
昔だと家は長女が継ぐものとかあったのかもだけど、早い者勝ちで出ていかれた感じ?
姉には才能があるけど、自分は何の才能も無いからと譲ったんだろうなぁ。
自分も出て行っちゃえば良かったのかもだけど、そうは出来なかった。
多分なりたかったものや、やりたかったこと、色々捨ててきたんだろうな。

でもきっとそれなりに幸せな人生を歩んできたんだと思う。
優しくて可愛い娘と、独特で面白い旦那さん。
凄く幸せな家族だと思う。
それだけに、娘の才能に気づいた時は恐怖したと思う。この幸せを失うかもしれないという恐怖。

嫁を名前で呼ぶ旦那さん。
昔は母さんと呼んでたっぽい。
名前で呼ぶようになったのは、娘が出ていくことを意識してかなぁと思った。
娘には娘の人生がある。
これからは2人で人生楽しもうよの名前呼びなのかなぁ?と思った。

なんも考えてないように何かは考えていた娘。
就職先はフィリピンのコールセンター。しかも日本人相手って、それは特殊詐欺なのでは?と思ったんだけど違うことを祈る。

最後に早希が陽子を抱きしめて言った言葉に泣いた。数年後、誰か私に言って欲しい。

やっぱりばぶれるりぐるは面白かった。
いっぱい笑ったし、いっぱい泣いた。
また、東京公演があることを祈る。
寉峯~カクホウ~

寉峯~カクホウ~

ラビット番長

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2024/02/22 (木) ~ 2024/02/26 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

素晴らしい。ただただ素晴らしかった。

西川さんの役とシンクロしている存在は、それだけでもう感動的。
演劇における演者の魅力はやはり大きいなあ。と再認識でした。

ネタバレBOX

失敗が、回り道や遠回りが、無駄にしてしまったと思えた時間や徒労が、いつかの成功の一助になりうることも。というメッセージに励まされ、勇気づけられた人も多いのでは。
私も、その一人です。
ふるさとの灯

ふるさとの灯

劇団カオス

大阪公立大学杉本キャンパス旧教養地区北食堂2階オアシス(大阪府)

2024/02/23 (金) ~ 2024/02/24 (土)公演終了

満足度★★★★★

凄く良かった‼️
今の関西学生劇団ではNo.1ではないかな🎵
めっちゃ泣きました‼️ビジュアル的にも、内容も最高😃⤴️⤴️
この流れを継続して欲しい‼️

長谷川圭一事件簿 ~Episode Zero~

長谷川圭一事件簿 ~Episode Zero~

劇団Cheminèe

エリア543(東京都)

2024/02/23 (金) ~ 2024/02/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

面白かったです。
事件が呆気なく解決してしまう印象はありましたが、何となくレトロな雰囲気の楽しい作品でした。
登場人物達のキャラも良く、特に主人公の長谷川圭一は、憎めない愛されキャラでした。
手作り感のある良い舞台でした。

寉峯~カクホウ~

寉峯~カクホウ~

ラビット番長

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2024/02/22 (木) ~ 2024/02/26 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

優しさあふれる作品で、とても良かったです。
将棋の駒を主軸とし、家族や仲間、恋愛や仕事等、様々な要素が詰まっていて観応えがありました。
役者さん達の演技も素晴らしく、笑いあり感動ありで、あっという間に時間が過ぎました。
改めて、家族について考えさせられ、心にじんわり響く良い舞台でした!

寉峯~カクホウ~

寉峯~カクホウ~

ラビット番長

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2024/02/22 (木) ~ 2024/02/26 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

凄く色々な方法論を試していて、物語の語り口としては非常に評価したい。辻褄の合わない時空間を超えた語り手の移行は徹底すればかなり面白い成果を得たと思う。

遠藤正己氏、駒師の雅号は寉峯(かくほう)。漆への拘りと盛り上げ将棋駒が特徴。駒は漆の塗り方で種類があり、「彫り駒」(文字の部分が凹んでいる)、「彫り埋め駒」(文字の部分が平ら)、「盛り上げ駒」(文字の部分が盛り上がっている)となる。
現代の名人五名とされている駒師の一人、大澤富月(ふげつ)氏に師事。富士駒の会(静岡県富士宮市で富月氏が主宰している駒師育成会)に所属。
2018年11月、第31期竜王戦(羽生善治竜王対広瀬章人八段)第三局にて寉峯の駒が選ばれる。将棋の駒は指して貰ってなんぼ。究極の高みに立つプロ棋士のタイトル戦に選ばれるということは全てが揃ったということ。この駒こそ、この対戦を飾るにふさわしいと。ボクシングの世界最高峰のタイトルマッチで選ばれるグローブのような崇高さ。人生を懸けるに値するとトップの面々を納得させる本物の重み。駒に「落ち着きがあり、見易く指し易い」と棋士達の評価は高い。
59歳で駒師になり、僅か7年でここまで辿り着いた天才。現在の駒師の中で群を抜く人気の彼の人生を紐解く。

最愛の妻と居酒屋を経営、順風満帆。44歳の時に妻が交通事故死。失意の中、店を畳む。仕事を転々とし、将棋サロン経営を思い立つ。良いものを揃えようと展示即売会に足を運ぶが将棋駒は非常に高価。手をこまねいていると「自分で作ることも出来ますよ。」と声を掛けられる。59歳にして、自分で将棋の駒を彫り出すことに。

ネタバレBOX

主人公に大川内延公(のぶひろ)氏。将棋はそこそこ強いがプロになれる程でもない。ミュージシャンで身を立てようと上京したものの、やはりそこそこ。大学時代に付き合った将棋サークルの恋人(北澤友梨枝さん)のことを未だに引きずっている。将棋を教えてくれた父親(松沢英明氏)が認知症で妹(江崎香澄さん)の介護も限界の為、実家に戻る。渡辺あつし氏の経営する地元の将棋サロンで寉峯こと、遠藤正己氏(西川智宏氏)を紹介される。

遠藤正己氏は元々売れない歌手でホステスだった妻(清水美那さん)を口説いて結婚。将棋ファンの集まる居酒屋を開業、軌道に乗る。自慢の包丁使い。趣味の釣りで大河内氏の父親と知り合うことに。手作りの漆を塗ったウキ。全てのばら撒かれた欠片が後の伏線になる不思議。
最愛の妻の死で全てが狂う。何も生きゆく意味を見失った彼は娘(鈴木彩愛さん)の事だけを考えて生き延びる。何も無くなった時に残るのは血の通った家族だけ。

渡辺あつし氏の語る昔話で時空間が飛び、聞いていた大川内氏は回想世界に飛ばされる。一緒に観客も吹っ飛ばされるので面白い試み。

遠藤正巳氏の物語と大川内延公氏の物語が並走。たまに渡辺あつし氏の物語も。

キーになるのは認知症で徘徊を繰返す松沢英明氏。彼は何かを探し続けている。将棋を指したがるが、決まって「こんな駒じゃやれるか!」と怒り出す。彼がほんの少しの間、正気を取り戻すシーンが物語のクライマックス。

大川内氏の作った曲は聴きたかった。ラストに流して欲しい。YOASOBIみたいのだったら面白かった。

無理に将棋を絡めなくてもいい話だと思う。遠藤正己氏と鈴木彩愛さん父娘の物語、松沢英明氏と大川内延公氏父子の物語が共鳴し合ってシンフォニーを奏でるべき。互いの話が実は同じ話だと気が付くように。鈴木彩愛さんをもっと描き込むべき。そして何をやってもそこそこ止まりだった大川内氏の苦悩が欲しい。

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