冥途遊山(めいどゆさん)
片肌☆倶利伽羅紋紋一座「ざ☆くりもん」
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2025/01/03 (金) ~ 2025/01/12 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2025/01/06 (月) 19:00
人は死ぬと、鬼の迎えで冥途に旅立つ。
呉服問屋の番頭・善六にも鬼の迎えがやって来た。鬼と旅する49日では7日毎に裁きを受け、生前についた嘘や犯した悪行により、来世生まれる場所が決まるという。
善六の他にも火消しや遊女(実は?)、主婦に僧侶など、命日が同じ死人達がそれぞれ事情を抱えつつ、冥土の旅をするというあらすじから勝手に、絵本『地獄のそうべい』や落語の『地獄八景亡者戯』と言ったような一癖も二癖もあるアクの強い登場人物たちが、鬼をコテンパンにし、八大地獄をメチャクチャにし、閻魔を出し抜いて、現世に意気揚々と戻ってきて恋人や奥さんと幸せに、または友達と仲良くなりといったファンタジックな抱腹絶倒で馬鹿馬鹿しい江戸人情ドタバタ喜劇かと勘違いして、大いに期待して、観に行った。
実際、そこそこ笑えたし、江戸人情ドタバタ喜劇的ではあった。特に、どこかとボケた善六、熱血過ぎてどこか時々空回りする火消しに天然な遊女(?)、変な自信があり過ぎる主婦に強欲僧侶と確かに癖は強すぎたし、それぞれの絡みは面白かった。それに強欲僧侶担当の鬼子(名前が鬼滅の刃の禰󠄀豆子のパロディ?)僧侶役よりかなり年下に見える可愛強いによる、おじさん僧侶をスポンジスティックのようなもので滅多打ちにし、罵詈雑言な言葉攻めして、僧侶がヨガっている誇張したSMショーの様は、中々に見物で面白かった。厳密に言えば、スポンジスティックのようなものよりは、金属バットか乗馬用鞭、もしくはSM戯用のM男に使う鞭、ハリセン、鉄扇、殴る、蹴る、一斗缶を上から投げつける、タバコの吸い殻を落とす(本物に見えれば良い。本物だと尚良い)、バケツ目一杯入れた水を掛ける、ステッキで思いっきり叩くなどを実践してみると、視覚的に、より観ているこちらも中々スリリングで冷や冷やドキドキして面白いと思う。
ただ、喜劇というよりかは、良い意味で期待を裏切られ、悲劇的な結末だと感じた。
元々は商家のお嬢様で使用人たちにちゃんとお金を払う為、最終的に遊女にまでなるという、世間知らずで人を疑うことを知らない、人が良すぎ、正直者で嘘が付けないことから商才がない今作品のヒロインで難役を惣田紗莉渚さんがこなしていた。
後から気になって、パソコンで調べてみたら、惣田紗莉渚さんは元SKEで現在女優をしていることが分かり、大変驚いた。
良い意味で、言われなかったら、全然元アイドル感0で、よく見ると可愛らしい演技派役者にしか見えなかったので。
ただし、今回のヒロインあき役での前半での世間知らずで、人が良くて、無邪気で、人を疑う事を知らなくて、正直者で嘘が付けないことから商家の一人娘なのに商才がないお嬢様は、雰囲気やおっとりとした言葉遣いからも伝わってきた。
しかし、中盤から後半にかけてのヒロインのお嬢様が遊女になり、遊女の仲間たちとの会話や出てくる遊女全体の服装含めどこかコスプレにしか見えなく(一部の役者除いて)、正直吉原遊廓の時代考証が所々甘いと感じた。
ただ、最終盤で、吉原遊廓が火事になり、それに乗じて家が貧しく、家計を助けるため、父親に嘘をついて、遊女になった雪乃を逃し、客席に向かって見え切って、啖呵を切った元商家のお嬢様からの変貌ぶり、覚悟を演じ切っていて、観ているこちらにも迫力が伝わってきて良かった。
劇全体としては、お嬢様と使用人の現世で身分違いで結ばれぬ恋があの世で、善六は鬼となり、雪乃を逃し、自分(あき、源氏名薄雲)は吉原遊廓の火事の業火に巻き込まれ亡者となったことで結ばれるという終わり方だが、何というか個人的には、このような自己犠牲的な結末には納得がいかなかった。
劇全体としては良かったが。
ドタバタ人情喜劇ならば、徹底して欲しかった。
それに、あきは雪乃を火事の吉原遊廓の混乱に乗じて逃しても、その後業火の遊郭にあき自身がわざわざ留まり続けなければ火事で焼死することもなかったと思う。
キリスト教的にはもちろんのことながら、仏教的には、わざわざ生きられる命を自己犠牲にして、あの世では半永久的に地獄なはずなのに、それでも本当に良いのか、疑問に感じた。
冥途遊山(めいどゆさん)
片肌☆倶利伽羅紋紋一座「ざ☆くりもん」
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2025/01/03 (金) ~ 2025/01/12 (日)公演終了
ミュージカル『アリスの翼』
カンパーナ・プロジェクト
サンモールスタジオ(東京都)
2025/01/03 (金) ~ 2025/01/12 (日)公演終了
雨ざらし満月
演劇ユニット衝空観
in→dependent theatre 1st(大阪府)
2024/08/23 (金) ~ 2024/08/25 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
とても心を打たれる作品でした。
みんなが心の中でひっそりと背負っている悩みや不安や葛藤をとても繊細に表現されていて、人は支え合って生きていると言うことを思い出させてくれてそっと背中を押してくれるような舞台でした。こんなにも泣いた舞台はないです。たくさんの人に観ていただきたい作品でした。
ハロウィンの夜に咲いた桜の樹の下で
劇団扉座
座・高円寺1(東京都)
2024/06/06 (木) ~ 2024/06/16 (日)公演終了
歓喜の歌
劇団扉座
紀伊國屋ホール(東京都)
2024/11/26 (火) ~ 2024/12/01 (日)公演終了
それいゆ
少年王者舘
ザ・スズナリ(東京都)
2024/07/25 (木) ~ 2024/07/29 (月)公演終了
御菓子司 亀屋権太楼
MONO
ザ・スズナリ(東京都)
2024/03/01 (金) ~ 2024/03/10 (日)公演終了
世界の果てからこんにちはⅠ
SCOT
利賀芸術公園 野外劇場(富山県)
2024/08/24 (土) ~ 2024/09/07 (土)公演終了
冥途遊山(めいどゆさん)
片肌☆倶利伽羅紋紋一座「ざ☆くりもん」
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2025/01/03 (金) ~ 2025/01/12 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
いやー、面白かった
This is the Entertainment‼️
のっけから照明と音響に掴まれ
ベテランと若手がかみ合ったキャスティングや 笑いと涙の塩梅も良い話の運びに
歌や踊りも自然に収まり、カーテンコールの 挨拶も素晴らしく、その後の影アナによる
「お裁き」の物販も嫌味なし
冥途遊山(めいどゆさん)
片肌☆倶利伽羅紋紋一座「ざ☆くりもん」
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2025/01/03 (金) ~ 2025/01/12 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
いやー、面白かったなぁ😄
珍しくほとんど文句のつけようがない、これぞザ・エンターテインメント‼️
のっけから照明と音響に掴まれ
ベテランと若手がかみ合ったキャスティングや 笑いと涙の塩梅も良い話の運びに
歌や踊りも自然に収まり、カーテンコールの 挨拶も素晴らしく、その後の影アナによる
「お裁き」の物販も嫌味なし
雑種 小夜の月
あやめ十八番
座・高円寺1(東京都)
2024/08/10 (土) ~ 2024/08/18 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
お団子屋シリーズの久しぶりの新作、とても心待ちにしていた作品です。出演者が本当の家族のように思える血の通った暖かい気持ちにさせてくれる素晴らしい作品でした。
星空ハーモニー2024
Poppin'Shower
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2024/12/25 (水) ~ 2024/12/29 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
持田千妃来さんが日替わりゲスト。♭(フラット)チームを観劇。
いつもながら、出演者をあまり把握せずに臨みました。
シミズアスナさん出演されてたのですね。「失創セブンスプレイ」「gagap」で拝見してますがメイクが強烈だったので素顔を存じ上げず、今回はじめて拝見できました(遠目ですが)。
横道侑里さんは役のイメージにぴったりな、見事な主演でした。「ゲズントハイト」ではじめて拝見したとき、なんかすごい役者さんだなあと思った記憶があります。
藤代海さんは10月の「歌舞伎町ビターナイト」で強烈な演技を拝見したばかりで。自分としてはその目で見てたので、誘惑に取り乱すところは「これぞ藤代さん」でした。違和感ゼロです。
持田さんはいつ出てくるのかな、と思ってずっと見てました。舞台に見入って忘れかけてた頃、いつの間にか自分の近くに立ってらして、びっくりしました。上手(かみて)のG列の後ろです。
静かにしないで
TAAC
シアター711(東京都)
2024/05/24 (金) ~ 2024/06/02 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
一見して本当のキッチンのような舞台セットで繰り広げられる3人芝居。
きょうだい児の兄、しょうがいのある弟、デリバリーの配達員。
それぞれの想いが繊細に紡がれていました。
作中の言葉を借りるなら
「それはな、綺麗だったんだよ」
キャガプシー
おぼんろ
おぼんろ特設劇場(東京都)
2017/11/08 (水) ~ 2017/11/12 (日)公演終了
ゲマニョ幽霊〜本公演〜
おぼんろ
ゲマニョの芝居小屋(東京都)
2023/02/09 (木) ~ 2023/02/26 (日)公演終了
映像鑑賞
満足度★★★★★
2024/12/7
早稲田どらま館で上映
上演までの諸々=呪法劇だとか、参加者にしか場所は教えないとか、秘密を守る誓約書だとか始まる前からのドキドキを思い出しました。
本編では、グループに分かれての儀式があったのですが全グループが見られなかったのは残念。
今回の上映の最後には末原さんのトークショーもあって面白かったです。
しっとり年忘れ2024阿佐谷座布団サロン 特集 久保田万太郎
占子の兎
阿佐谷ワークショップ(東京都)
2024/12/05 (木) ~ 2024/12/08 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
しっとり年忘れと言うタイトル通り、大人のお話でしたがこの手のお話はだんだん分からなくなっていくのではないでしょうか。「豆知識」として公演の中に出てくる言葉が当パンで解説されていましたが、素面(しらふ)くらいしかわかりませんでした。お妾さんの話もありましたが、お妾さんもその旦那さんによって暮らしはいろいろのようで驚いたりして・・・
文豪が多すぎる
劇団6番シード
新宿シアタートップス(東京都)
2024/12/25 (水) ~ 2024/12/29 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
面白かったです!大いに笑いました。観劇納めにぴったりでした。
文豪の皆さんの名前は覚えられないままでしたが(笑)
雪の積もる有馬温泉の老舗旅館で一室に詰め込まれる文豪たち。真ん中に炬燵がありいい雰囲気ですが、実際田舎で掘り炬燵を使っていた身には心配です。
ほら!言わんこっちゃない!!潜って隠れていたら火がついて・・・
12人の怒れるひとびと!
OuBaiTo-Ri
目黒CLEOスタジオ(東京都)
2024/12/28 (土) ~ 2024/12/28 (土)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
「12人の怒れるひとびと!」なので女性もいます。舞台は日本になっていて7号は東京ドームに行くと言うことでしょうか。スラムも部落に言い換えられていましたが、この時代どのくらい通じる言葉なのだろうと思いました。
1号から12号の陪審員は概ね原作の人物を踏襲している気がしましたが、9号は男性老人から若い女性になっているので、ずいぶん違ってきます。
彼らの最初は自己中心的な発言が8号の熱心さで少しづつ、時には劇的に変わって行くのが面白くて目が離せませんでした。
劇場が小さいので役者さんとの距離が近く、こちらも緊張してしまいます。
冥途遊山(めいどゆさん)
片肌☆倶利伽羅紋紋一座「ざ☆くりもん」
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2025/01/03 (金) ~ 2025/01/12 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
生きるとは、死ぬとは……を冥途を巡りながらひとつずつ辿っていく、笑いあり涙ありの充実した舞台でした✨Wキャストなので2回観ても楽しめます。今年初観劇が冥途遊山でよかったです!