朝日のような夕日をつれて2014
サードステージ
紀伊國屋ホール(東京都)
2014/07/31 (木) ~ 2014/08/24 (日)公演終了
満足度★★★★★
ついに
【1回目】生で観劇してきました。
オープニング、エンディングともに鳥肌ものでした。
【2回目】やはり進化していた。星4つから5つに変更しました。次は大阪で見ます。
ネタバレBOX
【1回目】素人考えで、勝手に藤井さんが少年かと思ってました。玉置さんは柿喰う客でいい役者さんだと知っていましたが、改めていい役者さんだと思いました。藤井さんはまだちょっと乗り切れていないような気が。
大高さん、小須田さん、やはり91年のころのようなほとばしるエネルギーはありませんでした。しかし50歳になってのこれが朝日なんだろうなと。
自分がこの作品に惹かれるのは、役者のすさまじいエネルギーと、孤独感だったように思う。そういう意味では今回の作品はそれとはまた違うように思う。まだつかみきれていないですが、それでもやはり面白いと感じました。
まだ数回観にいくので、どのように変化していくかも楽しみです。
【2回目】
前回感じた藤井さんへの心配はまったくなくなっていました。いろんな人が言っていることだと思いますが、やはり33年も前に書かれている(もちろん細かい部分はブラッシュアップされているが)ということに驚く。このスピード感。この世界にずっとひたっていたいとも思ってしまう。
それは秘密です。
劇団チャリT企画
こまばアゴラ劇場(東京都)
2014/07/24 (木) ~ 2014/08/03 (日)公演終了
満足度★★★★
暑かったが行って良かった
得意の社会派脚本に手練れのおふざけを交え、演劇ならではのファンタジーも盛り込まれてとっても面白かった!開演前の選曲は作・演出のチャリTさんと同世代だからか、私にはドンピシャで泣けた。あの頃は無知だった。
ネタバレBOX
死者を演じる俳優が舞台にいるのは演劇の醍醐味。一人ひとりの命や煩悩に敏感になれる。
ベタなギャグも間やつっこみで最終的に笑えるようになっていて、さすがだなと思いました。
The Kaidan アルプス一万尺 Final
劇団 CAT MINT
シアターサンモール(東京都)
2014/07/30 (水) ~ 2014/08/03 (日)公演終了
満足度★★★★
夏ならでは!?
怪談だけでなく、心霊写真あり、再現VTRあり、笑いありと、バラエティーに富んでいて楽しかったです!ただ、設定というか、状況からラストの展開が最初からなんとなう感じられてしまったのが少し残念でした。
それは秘密です。
劇団チャリT企画
こまばアゴラ劇場(東京都)
2014/07/24 (木) ~ 2014/08/03 (日)公演終了
満足度★★★
初見
なんとも評価しづらい舞台でした
ネタバレBOX
仕方ないのかもしれませんが、(役者による)説明部分が多かったのがちょっと観てて疲れました
また、政治的な部分、これは劇団は社会に訴えたかったのか。それともそういう部分のないただの演劇だったのか。前者だとしたら、そういう部分をチラシなどで前面にだしておいてほしい。個人的には演劇で政治的なものは観たくないので。
部室。
ENBUゼミナール
新宿ゴールデン街劇場(東京都)
2014/08/02 (土) ~ 2014/08/03 (日)公演終了
満足度★★★
イケてない
童貞臭する役者による、イケてない童貞臭する学生時代の話。面白いシーンもあるけど、このモノローグ多用のパターンはちょっとね…。最後に鼻血を出してた彼は大丈夫なのかしら?
アルビノハニー
小西耕一 ひとり芝居
ひつじ座(東京都)
2014/07/31 (木) ~ 2014/08/04 (月)公演終了
満足度★★★★
嫉妬心
を扱うお芝居は、珍しいような気がします。
当パンに小西さんの好きだった人への熱い思いが綴られていた。
この感情が人間の内面をえぐるような作品に繋がるのかと思った。
出演者も選りすぐりで魅力的でした。
スタートは軽快で機知に富んだやりとり。後半から一気に緊張感が高まります。次の作品も観たい。
ネタバレBOX
椅子の下のバラバラになったマネキンが暗示的で恐怖を煽っていた。
スノードロップ
みどり人
パフォーミングギャラリー&カフェ『絵空箱』(東京都)
2014/08/01 (金) ~ 2014/08/06 (水)公演終了
満足度★★★★
続きが”気になる”
連ドラ風四話完結公演の第一話と第二話を小空間「絵空箱」で上演…。
当日配付の案内には、「”許せない”気持ちを生き方にした人間の復讐劇」とある。ミステリー仕立てのようにいくつかの伏線を張り巡らしている。その張り方がストーリーのほんの少し先…さしずめ懐中電灯で足下の先を照らすような感じで目が離せない。細かいことはあるが、ほぼ素舞台ながら状況説明は十分で、上手い演出だと思う。そして最後にタイトルの意味と公演後半(第三話、第四話)の上演スケジュールの案内へつなげる。
ただ気になることが…。
(ネタバレBOX)
ネタバレBOX
全四話のうち、第一話第二話を上演し、後半二話を12月に上演するという。さて、映像(映画、テレビ等)は、編集という技術でダイジェスト版を放映することが出来るが、芝居ではどう演出するのか興味がある。一話が約60分(一話・二話は長短あるが、途中10分休憩を入れ2時間)とすれば、よほど前半部分を簡潔に説明しないといけない。第三話・第四話だけを観る人にとっては、そのダイジェスト部分が生命線になるであろうから…演出手腕に期待しております。
(P・S)
出張があり、追記が遅くなり申し訳ございません。
パダラマ・ジュグラマ終演いたしました!総動員3672人。ありがとうございました!
おぼんろ
ワーサルシアター(東京都)
2014/06/11 (水) ~ 2014/06/22 (日)公演終了
作品以外の感想を書く苦しさ
魂と熱の籠ったパフォーマンスに間近で接して、心に何も感じないわけでは無いのですが
おぼんろを応援したい気持ちと嗜好との溝が埋めきれない事を痛感した舞台でした。
作品の感想を綴ってはみたものの、個人の嗜好に起因する側面を持った感想は、
主体性と方針を確立されている劇団に対して「自分の趣味に合わせろ」という不遜な要望と
受け取られるのも本意でなく公開を躊躇するものでした。
「趣味に合わないから、おぼんろ作品とはこれっきり」というのも実に惜しく、今後の
‘よすが’となるのか、嗜好を離れた作品以外の感想を添えてお茶を濁すとしたく…?
ネタバレBOX
毎度終演後、末原主宰からシアターコクーンへの想いを耳にしますが、何故その劇場を、
どうして目標にされるのかが語られない「一緒に行きましょう」へ常に共感出来ない
気持ちに包まれて会場を後にします。
あらゆる情報に目を通せている訳ではないので、実は語り尽くされたことなのかも
しれませんが全ての参加者へ直接周知させなくては共感出来なくて然りです。
共感出来ない最大の理由はコクーンの上演作品から一目瞭然です。
メディア等で著名な出演者の集客力を頼る企画公演が主の商業演劇で、人気・実力を
育んできた劇団が成長の暁として単独公演を打つ聖地などでは無いからです。
直近では綾野剛さんや前田敦子さん等の主演作が上演されていますが、前田敦子さんが
コクーンの舞台を念願叶えて立ったわけでも無いと推察します。
つまりそんな劇場が、どうして小劇団の聖地となるのか、その精神なりが語られないと
個人的な見栄か野望にしか窺えません。
3,672人動員は44公演という凄まじい持久戦(消耗戦)の末、積み上がった誉で、
地方公演もあり単純比較は出来ない乍ら前作26公演との平均動員数では80人→83人と
大飛躍は有りませんでした。
コクーン(座席数747)だと約90%が空席という現実は目標でなく夢です。
その夢も2万5千人(5万人から半減)という動員を意識されていることからスポット公演では
ないようですが「良い物語を紡ぎ続ければ集客が増え、いずれ夢に届く」では
永遠に辿り着かないと思います。
おぼんろの面々が街を歩いてて、周囲からの視線を浴びたり、更には写真や握手,
サインを求められることがどのくらいあるでしょうか。
娯楽のありふれた東京で、しかも演劇が2万5千人を集めるという意味はつまりは
そういうことで極論、作品の内容は関係無いのです。
高難度な目標なのに、その方法が他力本願の倍々作戦とは無計画そのもので、
他意(単に集客効果としての共通モチベーション維持等)があれば別ですが、純粋に
本気ならば、 自力(実力とは別)の集客力でしかそれは掴めません。
不本意かもしれませんが、舞台を抑え映像の世界で勝負することも「急がば回れ」なのでしょうが…
コクーンという目標が疑問なだけで、末原主宰の演劇界における集客現実へ対する
挑戦姿勢、高橋さんの接客や芝居への深慮などは応援の理由にもなっており、
作品嗜好の壁は簡単に取り除けませんが、それでも気に掛かる存在であるのは
真摯な努力の賜物に他なりません。
見返りなき増税、インフレが進む時代に突入しエンタメは観客の側も選択を迫られる
支出の分野です。固定客と一部の熱い支持に留まるのか、高額チケット代金を払っても
中劇場で観たいと大衆に支持される劇団へ飛躍はあるのか。
これからの取り組みにも注目を続けてゆきたいです。
一二人の怒れる男
東北えびす
座・高円寺1(東京都)
2014/08/01 (金) ~ 2014/08/03 (日)公演終了
満足度★★★★★
引き込まれました。
劇場の座席も工夫してありとても臨場感がありました。2時間が短く感じるほどでした。好きな芝居でした。
青空と複雑
ブルドッキングヘッドロック
ザ・スズナリ(東京都)
2014/07/30 (水) ~ 2014/08/06 (水)公演終了
満足度★
残念な舞台でした。
前作、おい、キミ失格!が良かっただけに、期待してたんですが、ガッカリです。
音楽劇という割りには、曲数少ないし、生演奏の割りに、パンチが無い。生演奏のメリットゼロでした。
ストーリーにも感情移入出来なかったし、アラも多かった。
ツジツマが合わない所もあったし。
大根のひと、いたし
あと、小屋が暑過ぎ!
あれじゃ、熱中症になるよ。
団扇使ってたひと、多かったしね。
とにかく、次に期待。
祀(MATSURI)
劇団め組
吉祥寺シアター(東京都)
2014/08/01 (金) ~ 2014/08/03 (日)公演終了
満足度★★★★
吉祥天と福禄寿
何れにせよ、吉祥寺の起こりとされる明暦の大火を幕府の仕業として描いた物語である。
ネタバレBOX
リーフレットの説明に在る通り吉祥寺の縁起に関する物語だが、増え続ける江戸住民に手を焼いた幕府は材木商人とも結託して、江戸の町に火を放った。付け火は、死罪で購う重大犯罪であるが、権力者がそれを為す場合は、無論“お咎めなし”は万国共通の事実である。物語は、此処までの深読みはしていない。然し、我ら観客は、ここ迄は最低、推し測るべきである。
ところで、今日は、このような視点からは、論じない。寧ろ、劇場のサイズや構造と演劇について論じたいのである。
観客の達ばから、自分は、この吉祥寺シアターは好みである。何といっても、段差を充分とってある客席の何処に座っても、舞台が見やすい。前の観客の頭部などによる観切れが無い。音響や、照明の設備が充実している。サイズの大きさも手頃だし、前後左右の比率が適度で舞台に集中しやすい等々である。今回、演出を担当している演出家は、この辺りの事を良く弁え、実に効果的に、音響(吉祥天の吹く横笛の空気を切り裂く音によって観客に空間を感じさせる方法及びD.J.の作り出す横笛程の緊張感のない音響によって別の空間を醸成する技術)と舞台上の舞いで、劇の視覚的効果を高め、上手に自然に観客に見せてくれた。キャパ100前後の小劇場で観る芝居は、観客がその想像力によって参加できるような演出をすれば、必要充分だろうし、それ以上であれば、作品によっては、過重な演出になってしまう可能性がある。然し、中規模以上の劇場になれば、見せる芝居作りを心掛けなければなるまい。その意味で、舞いと音響を巧みに用い、森を動かしたりすることで摩訶不思議な神々のすまいを表現する等の工夫が凝らされていた他、衣裳、舞台美術なども過不足のない良いできであった。
無論、この演出に出演した役者達がキチンと応えていた点も評価できる。
仁義なきタイタス・アンドロニカス
株式会社トゥービー
【閉館】SPACE 雑遊(東京都)
2014/08/02 (土) ~ 2014/08/10 (日)公演終了
満足度★★★★
げに凄まじき
残虐な復讐劇は古典でのみ楽しみたいものです。
ネタバレBOX
ローマの将軍タイタス・アンドロニカスが捕虜として連れてきたゴート人の女王タモーラ一族の内、長男を戦死した我が子への生贄にしたばっかりに、恨みの連鎖が次々と続き、最後はタイタス・アンドロニカスの長男とタイタス・アンドロニカスの弟だけが生き残るだけの凄まじさ。
まさか、自分が皇位に就くように推挙されていたのをわざわざ遠慮して譲ってあげたのに、新しい皇帝がタモーラに一目惚れして妃にしてしまうとは、全てはここから始まりました。
最後は、タイタス・アンドロニカスが皇帝と妃の前でかつて彼女の二人の息子に陵辱された娘ラヴィニアを古典になぞらえて殺した後、タモーラに彼女の息子たちの肉と骨を食らわせ殺害しました。タイタス・アンドロニカスが皇帝に刺されると、タイタス・アンドロニカスの息子が皇帝を殺し、ようやく終わりました。まさに仁義なき闘いでした。
恨みの連鎖は断つというのが井上ひさし先生の作品を観たものとしての立場です。先祖返り的な猟奇殺人事件も懲りごりです。残忍な復讐劇は時折歌舞伎や古典劇でのみ楽しみたいと思います。
Vol.1『BGS~バックグラウンドストーリー~』
ド・M(マリーシア)野郎の宴
Geki地下Liberty(東京都)
2014/07/31 (木) ~ 2014/08/03 (日)公演終了
満足度★★★
主張が内向きで弱い
劇団員、全員男、ゲイ在り、腐れ縁在り! 等々、小劇場で公演を打っている劇団の本公演中、舞台袖、楽屋での話である。
ネタバレBOX
どういうわけか、この本公演前から、アタッシュケースに仕込まれた爆弾騒ぎが起こっていた。この事件、最初の爆発が、おばあちゃんの原宿、巣鴨で有名な西巣鴨で起こったことから西巣鴨ボマー事件として有名になった。その後も、あちこちで同タイプの爆発事件があったばかりか、何と、この劇団に所属する淡路島出身メンバー、福留の隣室で爆発が起き、ニュースで報道されたばかりであった。そんな折も折、楽屋では、劇団創立メンバー、ポンコツ役者、田端と編集者の服部、制作等担当の淀橋らが、雑談をしている。田端の不満は、「何故、自分には、短い科白しかないのか?」である。服部は、唯一、この劇団で本職のシナリオライターだけで喰っていける、主宰者の大木に原稿を貰うことだ。淀橋は、公演終了後の打ち上げ手配などをやりながら、皆の舞台に気を配っている。ところで、作・演出の大木と田端は、小・中・高と同期で、小さな頃は、双子の兄弟のような仲良しであった。田端は、高校で地区大会決勝迄駒を進めた立役者。キャッチャーで4番、時にはピッチャーも務めた程の選手で1年で既にレギュラーであった。綽名をドカ弁と言う。一方、大木は、サッカー部キャプテン、全国大会出場を果たしていて、特技は、視野が矢鱈に広いこと、耳の辺りで本を開いて読んで見せる。ホントに見えないのは、真後ろだけとの噂があるほどだ。だが、二人は、ある時から、事あるごとにぶつかるようになる。原因は、女である。で、現在の其々の彼女は、互いの元カノという交錯した関係である。彼らと最も、付き合いが古いのが、主役の片瀬である。その片瀬は殆ど出ずっぱりで、楽屋に戻るのは、水分補給程度なのだが、彼のペットボトルを狙っている男がいる、ゲイの矢部坂である。矢部坂は、片瀬がラッパ飲みしたペットボトルと自分がラッパ飲みしたペットボトルを交換し、間接キスをすることに執念を燃やしている。この他、舞台監督兼演出助手でプロレス狂の天本が居るが、本番中は、楽屋では静かにしていることが常識なのと、プロレスラーが試合終了後、何らかのアピールをした後、マイクを投げ捨てる動作に重ねて、楽屋内では常にメモ帳にメモって対話をするのだが、その時、マイクをプロレスラーが投げ捨てるようにメモ帳を投げるのが癖である。
これら、やや濃い目のキャラクターと西巣鴨ボマーとの関係や如何に? ボマーの狙いは? はたまた、矢部坂の恋の結末は? そして彼らは無事公演を終えることが出来るのか? それらの謎解きは劇場で。
ところで、矢張り何となく内向きである。演劇は社会を映す鏡でもあるはず。外界を、殊に、この国の歪みが、各々のキャラにもっと反映するような作りを目指して欲しい。同じ楽屋物でも、清水 邦夫の「楽屋」が優れているのは、そこに、役者のエゴやプライド、自意識の深刻さが、本質として描かれ、普遍性を獲得していると、観る者、読む者総てに感じさせるからだ。個別的でありながら、普遍的であるような作品を目指すことが、表現する者の心がけの要の一つだと言うことを肝に銘じて欲しい。
肥後系 新水色獅子
あやめ十八番
小劇場B1(東京都)
2014/07/23 (水) ~ 2014/07/27 (日)公演終了
満足度★★★★★
音楽が牽引する美しい劇。
今回の楽隊は吉田能さん率いる「花掘レ」+。前回公演ではオールディーズや昭和歌謡のアレンジが殆どでしたので彼の真の実力は発揮されていなかったと思うのですが、今回はそれが十二分に炸裂。花掘レ独自の魅力とともに、堀越涼さん率いる「あやめ十八番」の魅力を余すことなく表現した可憐かつ壮麗なオリジナルサウンドトラックを聴いていると、今でも美しい照明に彩られた光景がありありと目の前に再現されて。終演しても物語をなお愛しく、透明感のある記憶にと昇華してくれるのです。今回、全て楽隊のアクションが観られる席(特にピアノを弾く能さんの表情が見える、中央よりは外れた席が一番のお気に入り。)で拝見しましたが、私には楽隊が視界に入らない観方は在り得ませんでした。音楽劇という総合芸術としてのあやめ十八番が最高に輝いた作品だと思います。幸福な、この上なく幸福な公演でした。ありがとうございました。
ネタバレBOX
舞台は、女子高演劇部。顧問の男性教師・塚田(和知龍範さん)は元々脚本家志望で、「教師なんて仕事には興味が無くつまらない」という厭世観で女生徒を喰い散らかすクズ野郎。遊ぶなら大人の女にすればいいのに、その後禊で謝りに行くとかほんとどうしようもないな、と結局最後まで彼を好きになることは出来ませんでしたが(笑) 思うのは、このクズ野郎を主人公に据えて、言い訳も美化もせずに描ききった堀越さんの物書きとしての姿勢。森鴎外にその爪の垢を煎じて飲ませたいくらいの潔さ。これは私の経験則なのですが、物語を紡ぐときはどこかしら自分を登場人物に投影するもので、読む人は少なからず登場人物=書き手と思いこんでしまう。だから今回も、沢山のフェイクに塗れた堀越さん像を塚田に見出す人が多いはず。それを臆することなく舞台に載せた器の大きさ。感服です。
そして、物語の冒頭・枕部分で堀越さんのお話を聞いていて、「嘘」と「真実」の境界線を曖昧にされたまま物語へと引き込まれていく・・・。音楽やダンス等SHOW的要素も多く、脚本も多重構造で構成されているため、一回観ただけでは複雑で難解だと思う方も多いかもしれません。しかし物語は、実はいたってシンプル。「ヤリ○ン教師が本気の恋をして、やはり本気で好きだった昔の恋人に天国に連れて行かれちゃった」というお話。しかしその輪郭を曖昧にしてぼやかした表現で全体を彩る堀越さんの手法は、まだまだ「好きな人は好き」というコアな魅力に思われますが、きっとこれから回を重ねることで(18回まで続くとのこと)驚くほど研ぎ澄まされていくことでしょう。
なお、私は田山の正体はやはり千香だと踏んでいます。今回のテーマは「嘘」とのことですが、「千香ではない」と田山が答えたことがこの物語最大の「嘘」。そして、お祭りであの世から千香に会いに来た塚田を待ちぼうけさせることが、20年も待たせた彼への、彼女のささやかな復讐なのではと思います。
この、塚田を演じた和知くん。今までに何度か拝見していますが、今回は突出して素晴らしかったです。初めて観たときはまだまだ若くて、童顔に似合わない低音ボイスで魅せてくれていましたが、男性として安定感を醸しだしてきた現在、クズ野郎でも憎めない不思議な魅力を堪能。これも堀越さんの演出の妙。素敵でした。
そして、私は金子侑加ちゃんという女優さんが大好きになってしまったみたいです。凛とした瞳。美しい鼻筋の横顔。彼女が演じた「美鈴絢子」の、年齢に似合わない「耐える女」っぷりが心にしっとりと残っていて。どんな風に彼女が塚田に思いを寄せたか。どのように高まる気持ちを抑えて愛に身を沈めたか。きっと、自分を押し殺して押し殺して、そのうち押し殺したという事実さえ忘れるほど塚田を深く愛していたのだと、そう思います。塚田が彼女の深い愛に気付いたなら、あんな悲劇は起こらなかったのではないかな・・・。また、前回公演に続きタイトルロールの「水色獅子」の舞を任されるあたり、堀越さんに絶大な信頼を得ているんだなと実感させられます。これからも要注目の女優さんです。
今回からあやめ十八番の副代表となり、ヒロイン・仁美を演じた大森茉利子さんは、壮絶な美しさで魅せてくれました。純潔の象徴である白百合を手に、自分のもとへと塚田を連れて行くクライマックスは、音楽の美しさと相乗効果で天に向かい螺旋を描くように昇華されて。このシーンを演じることができるのは、あやめ十八番の代表である堀越さんが演劇の世界を共に生き抜くパートナーとして選んだ大森さん以外にあり得ません。あらすじを読んだときから「この物語は堀越さんの大森さんへの壮大なラブレターになる」と思っていましたが、どうやらそれは当たったようです。
一つだけ難を言いますと、物語の核となった「百合の花の中で眠ると死ぬ。最も美しい死に方」というファクターは、Twitterでは結構昔から出回っていてRTされまくっている情報だったりして・・・。なので、耳にしたときに「Twitterで得た着想なのかな」と思ってしまってちょっと冷めてしまいました、、新鮮な、未知の感覚を望むのは贅沢なものかなのかなと思いつつ。2回目以降はそんな感覚も忘れて楽しめたのも事実。
そして・・・今回の物語は、個人的な恋愛事情と絡んで非常に美しく切ない物語として私の心に刻み込まれました。この辺りは誰にも言いたくないし文章に残したくない。あとでひっそりと、私の心を振るわせてくれる人に伝えられるときが来たらいいなと思います。女子高生の年齢はもうとっくに過ぎてますので彼女達のように白百合を散らすことはないけれど。人生のひとときに彩を添えてくれる恋の気持ちはいつでも大切な宝物です。それを抱きしめて日常を生きることの妙。そんな儚い幸せをも、演劇は私に優しく教えてくれます。
Vol.1『BGS~バックグラウンドストーリー~』
ド・M(マリーシア)野郎の宴
Geki地下Liberty(東京都)
2014/07/31 (木) ~ 2014/08/03 (日)公演終了
満足度★★★★
タイトルどおり
野郎の宴でしたねぇ。
以前からマリーシア兄弟さんの舞台を観ている人にとっては、ニヤッとする演出も入っていて楽しめました。
演じるメンバーも大幅に入れ替わり、更に魅力アップ(イケメン増えた気がする)?した新生Mさんが生み出す今後の作品にも期待したい!!
「廃墟の鯨」
椿組
花園神社(東京都)
2014/07/12 (土) ~ 2014/07/23 (水)公演終了
満足度★★★★★
東憲司芝居の真骨頂
戦後にギリギリの生活を送る庶民の姿と綺麗事ではないリアルなヤクザの世界を泥臭く骨太に、メタフィクション気味なくすぐりも加えて描いた東憲司芝居の真骨頂。
夏のテント芝居ならではの本水をふんだんに使ったダイナミックな演出も堪能。
今までに観た十本ほどの椿組花園神社野外劇の中でも一、二を争う満足度やも?
椿組花園神社野外劇ではなく、桟敷童子公演だったら…という架空のキャスティングをしながら観るのもまた楽しからずや。
ななめライン急行
ホナガヨウコ企画
Vacant(東京都)
2014/08/01 (金) ~ 2014/08/03 (日)公演終了
満足度★★
ポップな世界観
台詞と身体表現が対等のバランスで演じられる作品で、キュートでハッピーな雰囲気が魅力的でした。
悩みを抱えた人達が乗り込む「ななめライン急行」の乗客の4人のそれぞれのエピソードを短編集的に描いていて、それぞれ芝居のパートの後にさよならポニーテールの爽やかな楽曲に合わせて踊る構成で、シリーズ物の短編アニメの様な印象でした。
新谷真弓さんが演じる乗務員と各エピソード毎に替わる主人公は生声で台詞を話し、他の登場人物は録音された台詞に合わせて演技をするスタイルで、独特の浮遊感がありました。
台詞とダンスの両方で表現するので情報量が多過ぎに感じられて、もう少し台詞を少なくして観客の想像に任せても良いと思いました。
振付自体はとても可愛らしく感情もストレートに伝わって来て良かったです。新谷さんもメンバーの4人に劣らず対等に踊っていたのが印象的でした。
元々の楽曲のミックスがそうなのか会場の音響システムのせいなのか分かりませんが、音が薄っぺらく聞こえたのが残念でした。
照明をパフォーマーの真上から打つ場面が多く、陰の部分が多くて表情が見えにくかったのが勿体なかったです。
【不帰の初恋、海老名SA】【カラシニコフ不倫海峡】
MAパブリッシング
ウッディシアター中目黒(東京都)
2014/07/29 (火) ~ 2014/08/01 (金)公演終了
満足度★★★★
運よく拝見(川口×ハマカワVer)
お盆の迎え火灯篭か?百物語か?
キャンドルの灯の中始まった捨てられた男女の朗読劇
といいうかメールの往復書簡
最近の時事や地域性も含めた会話が楽しい
ハマカワさん演じる史子の意地悪で回りくどい返信
真面目に反応しながらも楽しんでいる待田
不倫なのだろうか?ちょっと違う楽しくて暖かくて
でも徐々に悲しい結末に向かって転げ落ちていく
兎に角、朗読劇だから会話が面白かった。
だから知らないうちに2人の事が好きになっていき
だから最後には来るものがありますね。
もう1方の戯曲を機会があれば観てみたいと思います。
TBは超ネタバレなので興味ある方は見ないで
再演まで待ってから行ってください。
以前、派手に草月ホールでやっていたみたいですが
今回の演出の方が素敵ですし、似つかわしい感じがします。
それは秘密です。
劇団チャリT企画
こまばアゴラ劇場(東京都)
2014/07/24 (木) ~ 2014/08/03 (日)公演終了
満足度★★★★
ネタばれ
前作は失敗作であったが、今作は何時もの見応えのあるチャリT企画であった。
やっぱりこれだよねチャリT企画の魅力は。
ネタバレBOX
チャリT企画の【それは秘密です】を観劇。
ある日突然、アラフォー芸人の小島圭が公安に連行される。
逮捕の説明がないまま取り調べが始まるのだが、小島圭にとっては身の覚えのない事なので、終わりのない尋問が始まる。
そして小島圭とコンビを組んでいる仲間たちも彼の逮捕に慌てふためき、原因を追求し始める。
そしてそれを境に小島圭を小島健さんと勘違いして訪ねてくる主婦、ジャーナリストたちの出現によって、実は小島健は小島圭の弟であり、元自衛官であったのだが、自殺して今はいない。じゃ、何故自殺をしたのか?という事の真相を探っていくうちに、自衛隊後方支援活動の時にあった衝撃の事実にたどりついて行くのである。
特定秘密保護法を題材にして、国家が世間に隠蔽していた事実を追求していくドラマである。反国家主義を掲げている訳ではなく、一市民が理由も分からずに逮捕され、釈放され、理由は何?それは秘密です!という国家の答えに釈然としなまま進む展開を市井の視点で描いていて、見終わって改めて、国が行った行為について言及したくなるような理想的な社会派ドラマであった。
何時もながら見応えのある芝居を作る劇団である。
ツナガル
セロリの会
「劇」小劇場(東京都)
2014/07/31 (木) ~ 2014/08/03 (日)公演終了
満足度★★★★
良かった。
母と子の確執をベースに物語がしっかり描かれていたように思う。
欲を言えばもう少しシンプルに短い方が集中して見れた気がする。