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夏といえば! に捧げる演劇儀式 〜愛と絶望の夢幻煉獄〜(ご来場下さいまして、誠にありがとうございました!!!!!!!!!)

夏といえば! に捧げる演劇儀式 〜愛と絶望の夢幻煉獄〜(ご来場下さいまして、誠にありがとうございました!!!!!!!!!)

宗教劇団ピャー! !

pit北/区域(東京都)

2014/07/09 (水) ~ 2014/07/13 (日)公演終了

満足度★★★

アングラだった
がっつりとアングラであった。
劇団初見のため毎回こうなのかは判断できないが、宗教劇団の名の通り、いささか新興宗教じみたテイストの演出。演劇という枠組みを破壊しようとする試みは昔からあったような既視感をおぼえるものの、とにかくやりたいことをやってやろうという姿勢はたいしたもの。どこからそのモチベーションが湧くのか知りたい。

ネタバレBOX

ゲスいネタを仕込むという噂は聞いていたが、衣装の下に仕込んであったペニバンを外してハンガーにかけるとは、どれだけの観客が気づいたであろうか。
パダラマ・ジュグラマ終演いたしました!総動員3672人。ありがとうございました!

パダラマ・ジュグラマ終演いたしました!総動員3672人。ありがとうございました!

おぼんろ

王子MON★STAR(東京都)

2014/07/09 (水) ~ 2014/07/21 (月)公演終了

満足度★★★★★

熱量の高まり。
東京・王子MON★STARに戻って来て以降のおぼんろの熱量の高さは、すでに八幡山と岡山でこの作品を観たこちらをぽかんとさせるばかりで。劇場が変わるだけでこうも作品が変化するものなんだろうか。。。本当におぼんろは底知れない劇団だと思う。王子MON★STARはおぼんろにとても良く似合う。急な階段を降りていくと不思議な地下空間にたどりつく。ドーム状の高い天井。岩や巨木を思わせるごつごつとした壁。いたるところにあるおぼんろ特有のゴミ美術。。自分がおかしな場所に迷い込んだようで開演前からワクワクさせられてしまう。おぼんろの紡ぐ物語りは「童話」のようだと評されることも多いが、MON★STARでの公演はまさにそれを強く感じさせる。シーンが変わる度に一枚一枚童話のページをめくっていく感覚になる。音と光が本当に美しい。おぼんろ未体験の方はもちろんだが、八幡山・岡山・島根ですでに観た方にも、各地を回ってより一層美しく育った「パダラマ・ジュグラマ」にMON★STARで再会してほしいと強く願う。

PRESENT

PRESENT

劇団フライングステージ

OFF OFFシアター(東京都)

2014/07/16 (水) ~ 2014/07/21 (月)公演終了

満足度★★★★★

久しぶりに
恋人の 友達の 親子の 人の純粋な愛のかたちを観た

テーマはゲイでありHIVであるけれど
それでも真面目に取り組んでいて 見応えがある
マイノリティかもしれないが そこには今忘れられているナニカがある

とにかく澤口さんが好演
軽い中に 目の表情や仕草に深みがある
台詞とは裏腹の気持ちが 細部に表現されていて
多分 笑うシーンであるだろうけど泣ける
最後には 鼻水を啜る音をこらえるのに必死

今週は別公演と重なっているのだがリピートしたいと思う


かなりの力作!
とにかく満足!

薔薇色の女優

薔薇色の女優

キンケロシアタープロデュース

中目黒キンケロ・シアター(東京都)

2014/07/11 (金) ~ 2014/07/13 (日)公演終了

満足度★★★

うー、ん?
翻訳劇だと思っていたので
「これ、イギリスが舞台だけど現地で外人さんが英語で演ってたら面白いのかな?とか思いつつ観てました。
つまりそういうことです(笑)


ネタバレBOX

脚本、愛川さんの変名だそうですね。
うーんなぜ。


女性陣がステキだったのでいちゃこらできる男性陣が羨ましかったり(笑)
やめらんねぇ

やめらんねぇ

BuzzFestTheater

ザ・ポケット(東京都)

2014/07/16 (水) ~ 2014/07/20 (日)公演終了

満足度★★★

お笑いありきの芝居!
元お笑い芸人の演出・脚本の悪い所が目についてしまいました!
芝居というより、お笑いコントの延長ですね!
これを克服しないと・・・。

ネタバレBOX

前半は同じ言葉を連呼するなど笑うどころか呆れてしまい下を向きました。
(他のもあるが、特に鍵さがしの場面はいただけない)
後半の父親の女装趣味が露呈してからは、自然に笑えるところもありました。
【全公演終了しました。ご来場頂いた皆様ありがとうございました。】こんにちわ、さようなら、またあしたけいこちゃん。

【全公演終了しました。ご来場頂いた皆様ありがとうございました。】こんにちわ、さようなら、またあしたけいこちゃん。

なかないで、毒きのこちゃん

王子スタジオ1(東京都)

2014/07/15 (火) ~ 2014/07/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

意欲作!
前回公演がミニアルバムだとすると、今回は2枚組ぐらいのボリューム!公開稽古の体で3時間40分、休憩時間も含め全く飽きさせない。劇中劇というか本編が、切ないい話で素晴らしい。

妹の歌

妹の歌

ガレキの太鼓

インディペンデントシアターOji(東京都)

2014/07/16 (水) ~ 2014/07/21 (月)公演終了

満足度★★★

感情移入の・・・
好きか嫌いかと言われれば、嫌いじゃないです。序盤、面白くてグイグイ引き込まれたのに、中盤で失速したのか、急に手を離れた感があります。誰に感情移入するかで、見方が変わるんだろうと思いますが…。ちなみに私は道江に感情移入して見てました。高校生の香苗役の人、なんか好きです。

ボビー・フィッシャーはパサデナに住んでいる

ボビー・フィッシャーはパサデナに住んでいる

風姿花伝プロデュース

シアター風姿花伝(東京都)

2014/07/15 (火) ~ 2014/07/30 (水)公演終了

満足度★★★★

大人のための濃密翻訳劇
ほんとの知的財産とは、こんな劇体験のことを指すのだろう。

立体化した戯曲である。
アフター•トークでカール役の中嶋しゅう が「こんな小さな空間なので、とにかくライブ感だけを考えています」と おっしゃっていたが、確かにこの作品は純然たる「会話劇」には程遠い。
翻訳劇ゆえ「記号」をばら撒いたわけでもない。
この「バラバラな会話劇」(那須 佐代子)は「狂い」と「受容」の白線に立つ、登場人物たちの激情描写だ。
「この家族には誰も 俺の質問に答えるものがいない」という台詞があったが、違う。それは「無視をする」愛情法である。

すなわち、序盤に「硬派」かと わずかばかり感想を抱きつつ、実のところ、三幕を通し、小宇宙(家族)の「友愛」も また捨てきれない、登場人物たちのピュア•エナジーが伺えたのである。そんなカオスが『ボビ―・フィッシャーはパサデナに住んでいる』の愉快さだ。

ネタバレBOX

美術、音響、小道具、照明は六角形のごとく、いずれも他ジャンルを邪魔せず、完全に近い調和を図っていた。特に第二部は そうだ。
時刻が深夜の「2時30分か3時30分」だった設定もあり、ほとんどステージの「火」(ロウソクの炎)を幻影的な それとして活用していたように思う。
暗がりのなかに映った「狂いドミノ」だった。


私は、同じ上村 聡史 演出で、中嶋しゅう が今作と似た役で出演した、翻訳劇『千に砕け散る空の星 』を2012年7月に観劇している。ちょうど2年前だ。佐村内さんの「耳が聞こえるようになった」半年後だろうか。素っ裸に なった彼の老体は美術館に収納されるべき 「肉体 美」だった。欲を言えば博物館がお勧めだ。


「舞台は生もの」 ̄高級レストランのシェフが活きた海老を裂くように、役者は1秒、2秒の「タイム•キーパー」でなければならない。
もちろん「翻訳劇」も。しかし、中嶋しゅうは 大袈裟にリアクションしているようだったが、共演者が認める役割は、彼は舞台全体における「権威付け」であったことだ。
やめらんねぇ

やめらんねぇ

BuzzFestTheater

ザ・ポケット(東京都)

2014/07/16 (水) ~ 2014/07/20 (日)公演終了

満足度★★★

疲れた
劇場には笑い声が溢れていた。が、どうも笑わせよう狙いが強すぎて・・・濃い・くどいキャラが多く、少々閉口。これをやれば笑いが取れる的なネタも多すぎる。ナチュラルな笑いではないんだねと癖の強い笑いに疲れた。主役の加藤君、かなり買っている役者だが、このフィールドは彼の場所ではないような気がする。

鎌塚氏、振り下ろす

鎌塚氏、振り下ろす

森崎事務所M&Oplays

本多劇場(東京都)

2014/07/04 (金) ~ 2014/07/27 (日)公演終了

満足度★★★★

やっぱりお勧めです。
3作目なのですが、毎回少ない登場人物だけで
毎回変わらず楽しませてくれます。
本当にタイトルは最後にかかってくるのですが
主人公がチョットづつ角が取れていくラストは優しくて
悪者も居ない爽やかな舞台は貴重だと思います。
小劇場で毒のある物語も観てると物足りないと感じる部分もあるけど
三宅さんの身体能力も発揮されて、十分楽しいし満足できます。
舞台初心者にはぜひお勧めしたいですね。
出演者全員魅力的に見えます
まだ始まったばかりなのでブログ書いたけどTBは後日にします。

ぼくだけの6日間戦争

ぼくだけの6日間戦争

ぽんず単独企画

ギャラリーLE DECO(東京都)

2014/07/15 (火) ~ 2014/07/20 (日)公演終了

役者力…!!
6作品のオムニバス。
1作品を除いて1人芝居ながら、小道具はほとんど使わず、体だけでここまで表現できる凄さ。
個人的に好きだったのは
『脱ゲー』
面白い!ゲームの主人公になった気分で。水中での動きと音楽がツボ。
『Clean up bird』
泣ける物語…流れてくる曲もたまらない。
『土高ミュー研』
笑えます。なんでもミュージカル。
どの作品も、ぽんずさんの役者力を感じました。

愛、あるいは哀、それは相。※無事公演終了致しました。ありがとうございました!

愛、あるいは哀、それは相。※無事公演終了致しました。ありがとうございました!

TOKYOハンバーグ

サンモールスタジオ(東京都)

2014/07/16 (水) ~ 2014/07/23 (水)公演終了

満足度★★★★

公開ゲネにて。
音響の良さと切ないストーリー、役者陣の好演。しみじみしていいですね。
人の優しさにはジーンときました。
設定年齢が厳しかった人がひとり。。。

オシラス

オシラス

電動夏子安置システム

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2014/07/08 (火) ~ 2014/07/15 (火)公演終了

満足度★★★

後出しオンパレード
作品の舞台が市民感覚を計る目的の独法運営「オシラス」内での
仮想現実陪審であるという設定がパンフレットや宣材のみに記され
劇中では触れられません。
そのままで陪審員入室場面から始まり、延々芝居が続いてゆく
ところが電夏らしいといえばらしさなのですが…
当然そういう設定を開演前にしっかり把握している酔狂(=自分)
ばかりがお客さんではないわけで、そこの説明を劇中で織り込むのも
ちょっとした気配りかなとは感じました。
本作は審議内容より陪審をする人間の心理に軸足が置かれたコメディ
でしたが観劇中は混沌とした心境で展開を追いかけてました。

ネタバレBOX

全員が事件当事者の視覚・聴覚をトレース出来るムシロに座りながら
映像を見ることが出来た者とそうでない者が混在し、見た者の証言が
次から次と後出しされることで陪審員により判断が二転、三転、それ以上。
そのうえ見れなかった者も見たふりで審議に加わり続けるものだから
見れたという陪審員も実のところ同様に思い込みだけで発言を続けて
いるのではないか(事実、中田悟=添野豪サンがそうだった)という
疑心暗鬼に包まれながら、落ち着かない観劇を続けるはめに…

これはもう審議の行方というストーリーを追いかけるよりは右往左往する
陪審員の役者陣を楽しむ芝居だと認識してからは、確かにボケやツッコミ
に溢れた台詞がおおいに愉快ではありましたが、何だかこう…
例えて言うなら、打った、抑えたの個人対決が見せ場の中心で勝敗二の次の
プロ野球オールスターゲームを見ているような感覚に。

滑稽な陪審員や愉快な台詞が楽しい反面、物語の柱たる審議の中身が証拠も
何もない発言だけによる新事実の後出しオンパレードを最後まで積み重ねて
締め括るに至っては、役者陣の魅力によって支えられたお芝居という後味を
否めませんでした。

とはいえ自分と重ね合わせて判断するという陪審員の心理描写など、込められた
テーマは伝わる芝居で、映像が見えた者の証言とそうでない者の虚言がなぜか
微妙に噛み合いながら物語の縦糸を紡いでゆく巧みさも垣間見れました。
(※観劇の感想も「観たい」ものが観れたら満足。観れなかったら不満足という
この陪審員の心理に似てるような)

そして最後に無罪を同意した三好(根津茂尚サン)の「何もむきになって
有罪にする必要もない。所詮お遊びですから」は本作フィクションの設定に
対する否定のようで、とても面白く受け止めました。
市民感覚を計る為にこんなお遊びを催す「オシラス」運営の独立行政法人って
いったいどんな組織なのかという。
現実でも存在する補助金泥棒な独法の存在に対してのアンチテーゼみたいでした。
Heavens ~夜と夜と音楽~

Heavens ~夜と夜と音楽~

天幕旅団

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2014/07/11 (金) ~ 2014/07/14 (月)公演終了

満足度★★★★★

すばらしい!
今回も素敵な空間が展開されていた。シーンや役がコロコロ変わっていくのに、迷わずついていけてしまう見せ方が秀逸。道具の工夫や役者の動きが為せる技か。中でも渡辺実希さんの動きは本当に美しい。全篇通して音楽がとっても心地よかった。曰く"ロードムービーならぬ、ロードシアター"に魅了されてしまった♪

愛ヲ避ケル

愛ヲ避ケル

桃尻犬

インディペンデントシアターOji(東京都)

2014/07/09 (水) ~ 2014/07/13 (日)公演終了

満足度★★★★

爽快!
ストーリーはなかなかキワドイところを行っているけど、バランスの良くちりばめられた笑いのポイントと相まって、嫌味のない作品になっていた。何より終演後の爽快感がすさまじい、舞台上はすごいことになっているのに…。『キャンベラに哭く』に続き、”長井短”の魅力が満載だった。

ぼくだけの6日間戦争

ぼくだけの6日間戦争

ぽんず単独企画

ギャラリーLE DECO(東京都)

2014/07/15 (火) ~ 2014/07/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

一人芝居の概念を覆されました!
一人芝居で、しかもルデコという小さな劇場なので、演者のテンションの高さに負けないようにと(?)開演前にホットとアイスコーヒーを一杯ずつ飲んで気合を入れて観劇に臨みましたが、そんな必要無かったかも。すごく面白く楽しめました。新しいタイプの一人芝居を観たような気がします。オムニバス形式という事もあると思いますが、確かな演技に伸びと艶のある声の台詞、鮮やかな人物転換、4話目に助演を入れた構成も心憎い。一服の清涼剤という感じかな?うまいなぁ・・・・とずっと驚嘆してました。ミニマムな効果音やライティングも自信のほどをうかがわせるというよりも、この語りにはこれしかない、という感じでピッタリマッチ。素晴らしい時間を過ごせました。続けてもう一回観たい、と思った一人芝居は初めて。(大抵は見てる方も疲れ果てる)何だか今までの一人芝居の概念を覆されたような舞台でした。素晴らしかったです!

鎌塚氏、振り下ろす

鎌塚氏、振り下ろす

森崎事務所M&Oplays

本多劇場(東京都)

2014/07/04 (金) ~ 2014/07/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

おもしろい!
すごい!!  楽しい!  最高~☆  
期待以上に良かったです。   自分の中では かなり好きなお芝居でした。 やっぱり見ていて楽しいほうがいいですね~☆
                                     4.9 点

ネタバレBOX

な なんと、 開演前のロビーで 俳優の柄本明さんを見てしまいました!
かなりビックリしました!   
さらに終演後にトイレでもばったり!!    話しかけることはできませんでしたが、  とてもうれしかったです☆   

実は数日前に  映画Sall we dance? のDVDを見ていたのです。  
柄本さんは 探偵役で出演してました。  
20年近く前の映画なので だいぶ頭も白くなられてましたが、  お会いできて 本当にうれしかったです。
「廃墟の鯨」

「廃墟の鯨」

椿組

花園神社(東京都)

2014/07/12 (土) ~ 2014/07/23 (水)公演終了

満足度★★★★★

人の生命力が熱く溢れる舞台
毎年夏に花園神社で野外劇を上演している椿組。
そして、そこに、土の香りが強いセンチメンタリズムが充満する舞台を見せてくれる、劇団桟敷童子の東憲司さんの作・演が合体した。

椿組の野外劇と東憲司さんの作風は、ぴったりとしか言いようがないので、とても期待して花園神社に向かった。

ネタバレBOX

劇団桟敷童子とは違い、年齢の幅、色とりどりの役者の個性が揃い、さらになんと、28人もの登場人物が舞台の上に現れる。

しかも、それぞれの登場人物が活き活きと描かれており、舞台の上が役者で一杯になるシーンでも、どの場所を切り取っても「人間」がそこにいる、と感じられる熱い舞台であった。

もちろん役者さんたちが上手いこともあるのだが、これだけの役者を動かし、まとめ上げ、作品に仕上げていく、東憲司さんの力を見せつけられた。

役者の身体と気持ちがうねるように、物語を作り上げていく。
その「うねり」は「人間の生命力」であり、人間賛歌に溢れていた。

舞台は、戦後間もない頃の地方都市(復員船が到着するところ。たぶん桟敷童子でお馴染みの九州地方か)、下水が流れ込むドヤ街。そこに暮らす人々。
このあたりを仕切るヤクザたちと、彼らに使われている「(米兵に対する)肉の防波堤」と呼ばれている娼婦たち。
彼らの前に、満州から引き上げて来た、女が現れる。
彼女は、ふとしたことから娼婦たちを逃がすことを手伝おうとする。
そこで一波乱起きる。
そういうストーリーに、戦争孤児たちや、満州の花屋などの話が絡んでくる。

セットが野外劇であることを十二分に活かしたものだ。
土の舞台、左右に爆弾が落ちた後に水が溜まっているという池、そこに天井から下水(本水)が、時折、大量に流れ落ちる。
オープニングから奥のドヤ街のバラックが立ち上げるシーンは素晴らしい。
新宿の喧噪、パトカーまでもが良いSEとなっている。
ラスト近くに大立ち回りがあるのだが、これが凄い。
水たまりに落ち、水がしたたり、必死の形相でつかみ合う。
単なる「手順」の立ち回りとは大いに異なって見える。
それだけの迫力があった。

主演の満州帰りの女・番場渡は松本紀保さん。
ドヤ街の住民やヤクザたちの中にあって、凜として立ち、なかなかカッコいい。
病気であるという設定も効いている。

主演と書いたが、物語の「軸」という意味である。幾人か登場人物たちが軸になる、群像劇であると言っていい。桟敷童子のスタイルである。
さらに、軸となる番場渡は、ラストの早い時期に死んでしまうのだ。
彼女の死を先に引っ張っぱることで、センチメンタリズムを感じさせるのではないところが、いいのだ。

八幡を演じた山本亨さんは、熱っ苦しくで、やっばりいい。グイグイ来る。
ヤクザの兄貴を演じた、粟野史浩さん、犬飼淳治さん、伊藤新さんはタイプの違う、いかにも悪そうな顔つきが良かった。
飲んだくれのエイボウを演じた椎名りおさんは、こういう役は初めてではないだろうか。爆発していた。こういう役は立ち位置が難しいと思うのだが、全体にうまく溶け込んでいた。

「主」とか「脇」ということを意識させず、どの登場人物も熱気でギラギラしている。
そのギラギラした熱を見事にひとつの方向にまとめ上げたと唸る。

「人間、まんま生きる」がテーマ。
満州帰りの番場渡が繰り返し言う。
そして、それは「今」を生き抜くということだけではなく、「明日」という日があることを想い生きるということを意味している。
孤児の1人が「ここには明日はない」「今日の次は今日だ」のようなことを言うのだが、そうではないことを意識させる。

番場渡は、満州では「満州花屋鯨の桜」という花屋のお嬢さんだった。
満州生まれで満州育ち。日本は遠い故郷。
このドヤ街に日本の桜を育て、花を見たいと思っている。

孤児は桜の花に「明日」を想い、娼婦たちは「明日」の自分たちを思い描く。

ラストはタイトル通りで、テント芝居の常道であるから、奥が開き、鯨が出てくるのだろうと想像していた。
もちろん、そうなったのだが、そこまでの引っ張り方がとても上手いのだ。
桟敷童子であれば、意外と早くそのシーンは訪れるのだが、ここではラストであろうと思っていた大立ち回りの後ではなく、それから時間が経っていき、「明日」がやって来たドヤ街の人々の前に現れるのだ。

死んで行ってしまった人たち、去って行った人たちが、大きな鯨を支えながら現れて来る。
このシーンには、わかっていたはなのに、グッと来てしまった。
美しいシーンだ。

人の命が、ワーッとこちらに溢れてくる、素晴らしいシーンであった。

オープニングと劇中の歌も良かった。

椿組の野外劇としても、東憲司さんの作・演出としても、トップクラスの出来であったと思う。
愛、あるいは哀、それは相。※無事公演終了致しました。ありがとうございました!

愛、あるいは哀、それは相。※無事公演終了致しました。ありがとうございました!

TOKYOハンバーグ

サンモールスタジオ(東京都)

2014/07/16 (水) ~ 2014/07/23 (水)公演終了

満足度★★★★★

無題1171(14-219)
14:30の回(晴)。13:30受付、14:02開場。

会場を八幡山(2012/3)から新宿御苑に移しての再演。劇団として再演は過去にもありました…私が「TOKYOハンバーグ」を初めて観たのが「髪結う時」の再演で(2011/5@千本桜)、確認すると本作で真帆役の新妻さんが出ていらっしゃいました。小川さん、光藤さんはその次の「百光年の詩」で。B.LET'Sのお二人、土田さん、永島さんは「春の遭難者(2014/2@「劇」)」「箱の中の4人(2014/5@LE DECO」。

公開ゲネプロです。客入れのときにBGMなし、14:14/14:25前説、S.E.何かが迫り来る…。

14:30開演〜16:25終演。初演時とはメンバーが異なりますが、コーヒーの香り、ほんのりと射した照明の先にあるカウンターや椅子が沈黙によって語りかけてくるような余韻が会場を後にしてもずっと続いているような気がします。

夏帆役の光藤さん、初演のときはまだ幼さの方が勝っていたという印象ですが、本作(役柄上)では、より大人に近づいているように感じました。

三姉妹が見つめ続けるその先…それは遠く離れた故郷であり、また、これからの何年〜何十年なんだろうと思うのでした。

アンケートより:
夏になると冷房が効きすぎる会場が多いのですが、半袖・薄着だとちょっと寒かったのではないかと思います。

ネタバレBOX

雑記です

下手、お店の入り口(ドア)が少し開きぎみ?

甲本と姉妹との関係をもう少し広げ、掘り下げても良かったのではないか…初演から2年、震災から4年経っているので…部分的な改定があっても、という気もしました。

ボビー・フィッシャーはパサデナに住んでいる

ボビー・フィッシャーはパサデナに住んでいる

風姿花伝プロデュース

シアター風姿花伝(東京都)

2014/07/15 (火) ~ 2014/07/30 (水)公演終了

満足度★★★★★

圧巻
迫力ある演技力であり、とても圧巻でした。
観る人すべてを引き付ける舞台に感動しました。

演技力は抜群で、まさにそこに現実的に時間が流れている現場に遭遇したように思え、非常に感動しました。

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