最新の観てきた!クチコミ一覧

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こわくないこわくない

こわくないこわくない

クロムモリブデン

赤坂RED/THEATER(東京都)

2014/08/30 (土) ~ 2014/09/15 (月)公演終了

満足度★★★★★

聖人君子なんてどこにいるのでしょうね
勧善懲悪なんてクソくらえ。「この世界のだいたいのこと」を垣間見ながら、善と悪、幸と不幸の間を縫うように走る2時間弱のブラックユーモア。ひとつのシーンで大笑いする客もいれば、同じシーンを真顔で観ている客もいる。このギャップ。このムラ。それがクロムモリブデン・クオリティ。

ヒョウイズム

ヒョウイズム

爬虫類企画

新宿シアターモリエール(東京都)

2014/09/12 (金) ~ 2014/09/15 (月)公演終了

満足度★★★★

初・爬虫類企画してきました。
初めての劇団で自由席の場合、勝手がわからない。
予約したときに受付時間が書いておらず、開場時間だけだった。
そんなときは開場30分前に到着しておくことにする。
結果、受付=開場時間でしたが、15分前にはずいぶんと並んでおりました。
自分は一桁台。
30分前行動が吉と出ました。

開場時間間近になると、前説が始まりました。
前説?
前座?
テレビ業界的前説なんでしょうね。
こういう前説は派手さはないものの観ていてほのぼのします。

13日ソワレからはもう少し早めに前説始まるらしいので、
開場時間入りしたほうがよいと思われます。
関係者のツイッターでチェックされるのが吉でしょう。

本編は、まあ、不思議なことを集めてゆるゆるかと思ったら、
ゆるくはありませんでしたね。
脇キャラがいい味だしていて、よくまわしています。

「ドードーの旗のもとに」もそうだったけど、大人数(20人以上)のお芝居って
慣れていなくて最初は戸惑っていたけど引き込まれてゆきましたね。
大人数芝居はちょっと癖になるかもしれません。

それにしても尾崎桃子さんがいい。
この芝居のいいアクセントになっています。

さて、今日のマチネではアフタートークもあり、
作演出の方はしゃべりばっちりなんですね。
それにそのお方は、ハンター×ハンターに出てくるハンター協会副会長に
似てる気がします。

そして制作の方(たぶん脇坂さんだと思います)にはお手間をとらせてしまい、
すいませんでした。
細やかに気がつく方が制作にいらっしゃるというのは劇団の強みだと思います。
これから機会あればまた観たいです。

今はただ遠くからありふれた歌を-

今はただ遠くからありふれた歌を-

演劇企画ハッピー圏外

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2014/09/12 (金) ~ 2014/09/16 (火)公演終了

満足度★★★★★

りあなちゃんの初主演舞台
りあなちゃんのブログで、ロボット好きの女の子と友達が約束を守るために50年後の未来で出会う話とのことでしたので、ハッピー圏外さんらしいハートウォーミングな舞台を予想して、初日マチネに伺いました。正直、あまりかっこ良くない未来の現実と登場人物達が、前半に撒き散らされた数々の伏線と共に、そのロボットの起動と共に一挙に動き出し、最後の度肝を抜かれるクライマックスに至るストーリは、いい意味に予想を裏切るもので、面白かったです。りあなちゃんは、初主演舞台をとても楽しそうに演じており、7C型マルチパーパスコンテナ(???)を演じた浅野康範さんの前半と後半の対比、いつもは盛り上げ役のハッピー圏外の矢野さんや中川さんがとてもカッコよかったです。終演後に、劇団ショウダウンの主宰の方をお見かけしましたのが、『マナナン・マクリルの羅針盤』を観たばかりでしたので、ちょっと驚きでした。

帝都恋歌

帝都恋歌

STEPS Musical Company

慶應義塾大学日吉キャンパス塾生会館(神奈川県)

2014/09/12 (金) ~ 2014/09/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

素晴らしい作品!!
知人の紹介で初めてSTEPSさんのミュージカルを見て来ました。
丁寧に作り込まれたストーリーと歌に踊り、どれも素晴らしくて感動しました。進行のテンポや場面場面の迫力も圧倒的で惹き込まれます。
出演者だけでなく多くのスタッフのみなさんの努力とチームワークで作り上げられた傑作、また再演の機会があれば見に行きたいです!
西園寺華蓮さんの役柄と歌が心に沁みました。。。

【全公演終了しました。ありがとうございました】カムバック!矢板のガールズ♪

【全公演終了しました。ありがとうございました】カムバック!矢板のガールズ♪

らちゃかん

小劇場B1(東京都)

2014/09/10 (水) ~ 2014/09/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

まだまだイケル!
主演女優役(笑)のアノ方は、まだまだ「現役アイドル」としてもイケルと思うのは、ワタシだけ?

今はただ遠くからありふれた歌を-

今はただ遠くからありふれた歌を-

演劇企画ハッピー圏外

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2014/09/12 (金) ~ 2014/09/16 (火)公演終了

満足度★★★★

満足度の高い舞台でした
笑いありホロりとさせられるところもありと満足度の高い舞台でした。世代的にも笑いのツボがぴったりだったし、観た後であったかい気持ちになれる素敵なストーリーでした。初日ということもあり、完成度としてはまだもう少しな気もしたので、千秋楽にはもっとすごいものになってるだろうなぁと…

背信

背信

葛河思潮社

KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)

2014/09/10 (水) ~ 2014/09/15 (月)公演終了

満足度★★★

記憶の曖昧さ
2組の夫婦のダブル不倫の物語ですが下世話な内容ではなく、記憶・認識の曖昧さを描いた、静謐さが印象的な作品でした。

途切れがちな会話が続いて沈黙の時間が多い序盤は良く分からなくて少々眠気を誘われましたが、登場人物の関係や時系列の流れが明らかになるに従って引き込まれて行きました。最後まで観た時点でもう一度頭から観てみたくなる巧みな構成でした。

白い正方形のステージに平面形状がコの字型のタイルとガラスブロックの壁が中央奥に立ち、その手前のエリアで演技が行われ、その周りに家具、主要登場人物3人と、実際には現れないものの立場的に同等で会話の中で言及される女性の4人を象徴しているかの様でした。壁の中央に縦にガラスブロックが入っていて非現実的に壁を左右を分断しているのが、会話の中で露見する記憶違いを象徴しているかの様でした。

場面転換で家具を移動させる4人の子供〜青年が、過去に遡って行く物語とは逆方向の、それぞれの夫婦の子供達の将来の姿を想像させて興味深かったです。

大きな動きをせず、激昂することも無く淡々と話す中で、わずかな表情や視線の方向で3人の微妙な関係を示す、繊細な演技が魅力的でした。

ホラフキ ~あなたの職場、幸せにします~

ホラフキ ~あなたの職場、幸せにします~

劇団与太組

小劇場 楽園(東京都)

2014/09/12 (金) ~ 2014/09/16 (火)公演終了

アンケートよりお客様の声です
第6回公演『ホラフキ 〜あなたの職場幸せにします〜』のアンケートより、お客様の声です。
いつも、本当にありがとうございます。

◆まずはひと言、とても面白かったです。いままで観させいただいた与太組さんのお芝居の中では一番好きでした。社会の中の病巣と、民俗学のからめ方がすごく素敵だなと思いました。どのあたりと言われると明確には言えないのがもどかしいのですが、とにかく感動しました。

◆直球ホラフキ良かったです

◆楽しく観させていただきました。

◆今回はいろいろ思うところもあり、タイトルに引かれて来場させて頂きました。ここのところ、効率を要求させる職場で、残業続きの毎日を送っているので、いろいろ感じしました。少しゆっくりやってみていいのかなぁと思いました。ありがとうございました!

◆とても迫力があり、一生懸命演じていて感動しました。また観たいと思います。

◆テーマは良いけど、情報量が多い。ホラがもう少しフィーチャーされてた方がよいかも。

◆テンポが良く、かけあいが楽しかった。

◆みんななれていない、自分の人生に、と思いました。

◆仕事あるある! 脚本が良かったです。もちろん役者も!

◆去年より、今作の方が好みでした。

◆公演を観るのは3回目です。今回は職場という身近な環境がテーマで、話に入り込むことができました。●●の場面は、思わず吹き出してしまいました。

◆場面の切り替えを行って話にひきこまれました。面白かったです。

◆いろいろふくざつでした。

◆会社という舞台というところに共感を持て、とても楽しめました。個人的な感想としては、前々回のような笑いの要素がちりばめられていると嬉しいです。

◆いろいろありますが、一生懸命がんばっていこうと思いました。分かったような分からない部分も多かったので、もう少しわかりやすいのもやって欲しいです。

◆とても励みになる内容でした。

帝都恋歌

帝都恋歌

STEPS Musical Company

慶應義塾大学日吉キャンパス塾生会館(神奈川県)

2014/09/12 (金) ~ 2014/09/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

驚きと感動!
学生さんがやったとは思えぬ素晴らしいミュージカルでした。笑いあり涙あり、時代背景も研究し尽くされていて感動しました。

エアコンが効いて冷え性なのか、かなり寒くなりましたが、心は熱くなりました。
視覚聴覚五感に響く素敵なひと時を、ありがとうございました。これからも楽しみにしています。

生まれ変わった男

生まれ変わった男

かーんず企画

ザ・ポケット(東京都)

2014/09/11 (木) ~ 2014/09/15 (月)公演終了

満足度★★★★

コメディー作品を観てみたい!
サスペンスドラマにありそうなストーリーで意外性はなかったが、まあまあ楽しめた。高橋竜さんの“たぐい稀なる善人”の役作りがよかった!また、内田京さんと志賀正人さんのやりとりや、森田一休さんの芝居など、笑える場面もあり、“かーんず企画”のコメディー作品も観てみたくなりました。

ネタバレBOX

ストーリーに対して、慰問エンタテナーのピエロたちの必要性はちょっとわからなかったのと、存在感もいまいちだったし、役として消化しきれていないように感じた。
醜い男

醜い男

冨士山アネット

東京芸術劇場アトリエイースト(東京都)

2014/09/05 (金) ~ 2014/09/16 (火)公演終了

満足度★★★★

安心、安全
何ひとつ心配のいらない、確かな内容はストレスフリー。良かったなぁ、安定してて。演出はいいとこ取りだし、いろいろ心当たりのあるセリフにも内心ニヤニヤしてしまった。ただ座ってるシーンでは前の観客の頭でほぼほぼ見えなかったのが、少し残念でしたけど、かといって一番前であのラストシーンを観るのは・・・・・無理無理~~~ぎゃ~~~直視できん!!

ホラフキ ~あなたの職場、幸せにします~

ホラフキ ~あなたの職場、幸せにします~

劇団与太組

小劇場 楽園(東京都)

2014/09/12 (金) ~ 2014/09/16 (火)公演終了

アンケートよりお客様の声です
第6回公演『ホラフキ 〜あなたの職場幸せにします〜』のアンケートより、お客様の声です。
いつも、本当にありがとうございます。

◆最初はただの現代劇、現代のオフィスを描いた劇なのかと思いましたが、過去の因縁や土地の風習を要素として取り入れ、人の心のあり方や弱さを表現していて面白かったです。

◆ストーリーに入り込んで観ました。情景が目に浮かびました。時間を忘れるほどで、良かったです。

◆すごかったです!

◆妖怪というキーワードからイメージしたどんなストーリーともかぶらない、オリジナリティあふれるお話しで、展開も予想できずとても面白かったです。

◆……密度が高くてものすごく集中して、楽しめました。

◆今回も与太組らしい内容でおもしろかったです。

◆不可思議でがんちくのある良いお話しでした。役者さんも面白かった!

◆当たり前のことを当たり前と思わず、自分らしく生きていけたらと思います。

◆会社とは……考えさせられます。

◆とても面白かったです。職場という身近なものが題材で心動かされるものがありました。

◆リアルすぎてつらかったです。

◆独特な世界観で面白かったです。

◆不思議な感じでおもしろかった。

◆惜しい。しかし、面白かったです。

コンタクト

コンタクト

水素74%

アトリエ春風舎(東京都)

2014/09/12 (金) ~ 2014/09/23 (火)公演終了

満足度★★★★★

実に面白い!
まあびっくり。

ネタバレBOX

チャラ男と先輩がナンパしていて、と言うか、チャラ男は見境なく行きたいのに先輩が遊び人風は嫌だとかあれこれ理屈をこねて行動しないので、結局2時間ラウンドワンの前でただうだうだ立っているだけ。

二人は客入りのときから立っていましたが、行動に移っていなかったところをみると恐らくお客の中には先輩好みの清楚な女性はいなかったのでしょうね。

そんな話かなと思っていたのですが、まあびっくり。ナンパで生まれて、母親に捨てられ、本人も恋人にDVを振るう傾向があり、人に迷惑を掛けるような人間で、この世から消えてしまいたいと思った男が未来から来て、自分が生まれるきっかけとなったナンパを阻止して消滅しようとするSFでした。

未来から来た男はごつい顔、先輩もごつい顔。しかし、一応主役というか配役表の一番上に載っていたのはチャラ男の井上で、先輩の田中は二番目、性格的なことを考えてもそうだろうなとは思っていましたが、未来から来た男は母親似でした。

チャラ男の意外とウブなところや、人妻の自由奔放で不思議な生き方の描き方が上手く、適度に緩く、役者さんもいい雰囲気でとても良かったです。
THRee'S

THRee'S

ENG

笹塚ファクトリー(東京都)

2014/09/10 (水) ~ 2014/09/15 (月)公演終了

満足度★★★★★

かなりぃゃ絶対観劇に行くベシ
三国志がわからなくっても大丈夫!!
三国志好きならめちゃくちゃ楽しい!!
久保田さんワールドに役者さまをぶさんがすごくよくお料理してくれてて、2時間45分の長い時間があっと言う間です。


あたし的には…
水野さんと沖野さんの殺陣シーンがヤバすぎです。
主演の高城元気さんの演技も見入ってしまいます。

生まれ変わった男

生まれ変わった男

かーんず企画

ザ・ポケット(東京都)

2014/09/11 (木) ~ 2014/09/15 (月)公演終了

満足度★★★

観てきました~
このお芝居、ストーリー自体は決して難解なものではありませんが、観客席との一体化という面まで含めると、役者さんには相当の演技力が要求される作品でした。でも、それが役者の腕の見せ所と思います。本日、もう一度、参上する予定でございます。

日里さん、黒の出で立ち、なかなかお似合いです~
あ、麻美さんでしたね

今はただ遠くからありふれた歌を-

今はただ遠くからありふれた歌を-

演劇企画ハッピー圏外

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2014/09/12 (金) ~ 2014/09/16 (火)公演終了

満足度★★★

面白い!でも観劇環境が・・・
劇団が問題というわけではありません。目の前の席,舞台中央に座った肌着のシャツの***悪いおっさんの存在に集中力を削がれ,満足度は奪われてしまったというだけです。
芝居自体は面白い,良い芝居だったと思います。物語も素敵だし,いろいろと伏線を盛り込んでいるし,とにかく発想が面白い。医療SF,・・・人格の反乱もそうだけど,県の抗争,医療格差,その意識にブラァボです。役者さんも良かったです。子役さんも絶賛ですが,個人的には久々に観た塚本さん,とてもとても良かったです。さすが再演,オススメの舞台だとは思います。
そうなると,つくづく残念なのは観劇環境,あまりにも当然のことなのですが,マナーには気を付けましょう(まぁ,ああいう人には言ってもわからないのでしょうが・・・)。

親愛なる我が総統【ご来場ありがとうございました!次回は4月!】

親愛なる我が総統【ご来場ありがとうございました!次回は4月!】

劇団チョコレートケーキ

サンモールスタジオ(東京都)

2014/09/12 (金) ~ 2014/09/15 (月)公演終了

満足度★★★★★

私は人間だ…
「熱狂」「あの記憶の記録」とともにナチス関連作品三部作をなすという本作品は、
逮捕の後ポーランド政府に引き渡されたアウシュビッツ強制収容所の初代所長
ルドルフ・フェルナント・へースが絞首刑に処せられるまでの日々を描いている。
へースを演じる浅井伸治さんの台詞が素晴らしい。
淡々としていながら、ただ真面目に“仕事”をして来た平凡な男がそこに居て
この世に悪魔などいない、“悪魔の所業”は全て人によるものであるという
明確なメッセージを全身から発信している。
過ちを繰り返す愚かな人間全てに向けたメッセージである。
緊張感あふれる“間”が素晴らしい。

ネタバレBOX

舞台中央一段高くなったところに四角い机、上手の高い位置に
格子のはまった小さい窓があって光が差し込んでいる。
ここが独房のような部屋である事がわかる。

逮捕されたへースは、ここポーランドで裁判にかけられる予定だが
この1年近く彼に聞き取りを行ってきた2人のうち
シマノフスキ(岡本篤)はもうこの職務にうんざりしている。
早く死刑にしてしまえばいいのだと、憎しみを露わにする彼を
上司であるノヴァク(谷仲恵輔)はたしなめる。
精神科医のバタヴィア(西尾友樹)もまた、へースの裁判を前に
彼の精神状態を確かめるため参加する。
残酷な所業を平然と行って来たへースは悪魔なのか人間なのか、
それは3人だけでなく、へース自身も答えを求めていたことだった…。

激しい怒りと憎しみを露わにするシマノフスキに対して冷静なノヴァク。
先入観なくフラットに接しようとする精神科医バタヴィア。
三者三様のアプローチによって次第にへースの人格が浮び上る構成が秀逸。
それはごく普通の父親であり、職務に忠実な真面目な男であった。

その三者の変化がまた面白い。
冷静に見えたノヴァクが、実は「死んだ者が戻るわけではないし、どうでもいい」という
虚無感にとらわれて日和見的な去就をするのを目の当たりにして
憎しみの塊だったシマノフスキの方が、へースの心に歩み寄って行く。
終盤、精神科医バタヴィアの言葉に突然激高し、その後混乱を極めるへースは
そこに至って初めて“人間として死ぬ”という望みが叶う。
終始淡々と己の職務を語ってきたへースが、死を前にして
爆発するように怖れおののく様には、人の弱さを見せつけながら
鬼気迫るものがあった。

「ハイル ヒトラー」と小さくつぶやく台詞で始まった舞台は
その唯一の拠りどころを否定しようとして
「私は人間だ」というのたうちまわるような現実を受け入れて終わる。
何と過酷な現実だろう。

観客の知りたい事を聞いてくれるバタヴィアの質問が心地よく、
納得しながら進む。
80分というコンパクトな長さも緊張感を保つのに相応しく
無駄のない演出と効果的な照明が素晴らしい。

へース自身が「手記を残したい」というその理由が全てを物語っている。
「お前なんか人間ではない」と罵るシマノフスキに向かって
「私もあなたと同じ人間だ」と言い、人間誰もがこの過ちを犯す可能性がある、
だから後世に伝えたいというのである。
生きている人間には自分たちの過ちを伝える義務がある。
それを忘れた途端、人はまた同じ道を辿るだろう。
そのはるか先頭に、ヒトラーの影が小さく見える。


流刑の島ー監獄の唄ー

流刑の島ー監獄の唄ー

平熱43度

萬劇場(東京都)

2014/09/11 (木) ~ 2014/09/15 (月)公演終了

満足度★★★★★

とにかく
とにかく観て欲しい

【全公演終了しました。ありがとうございました】カムバック!矢板のガールズ♪

【全公演終了しました。ありがとうございました】カムバック!矢板のガールズ♪

らちゃかん

小劇場B1(東京都)

2014/09/10 (水) ~ 2014/09/14 (日)公演終了

素直でわかりやすい作品
ホームコメディに青春ドラマ、そこにトンデモ話を加えたハートウォーミング系(こう書くと想像しづらいが・・・)。過去と現在を行き来するが、構成がシンプルなのでわかりやすい。
役者さん達の演技は安定感あり。
全体として少しおとなしい印象を受けたが、他の作品がどうだったのか気になるところ。

ネタバレBOX

キジはおいしい役どころ(キジなだけに?)。

ラストは、できれば生歌が聴きたかった。
星の王子さま

星の王子さま

青蛾館

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2014/09/11 (木) ~ 2014/09/15 (月)公演終了

・・・
寺山修司の問いかけも実験性も無思慮に解体され、
エンターテイメントに帰していた。

前衛は二度現れる。一度目は衝撃として、二度目はパロディとして。

ネタバレBOX

当時寺山がやっただろうことを再現されてもシラケるだけだが、
かと言って、ここに新たな命が吹き込まれていたとは到底言えない。

脚本を活かす訳でもなく、脚本や舞台を解体しポストドラマ的演出を試みる訳でもない。
それらが中途半端にブレンドされていた印象。

ラストシーンは特に残念だった。
ほとんど当時の演出の再現。それをほんのちょっとだけ相対化して終わる。
しかも、当時は行っていないだろうカーテンコールまで行われる。
これでは、劇の虚構と現実世界というテーマがパロディとしてしか受け取れなくなってしまう。

ただし、過剰に深読みすれば、
まさに現代社会はこのパロディに支配されているということを表象していると言えないこともない。

最終場面で、大鶴美仁音演じる点子によって、舞台後ろに張られた幕が剥がされる。
それと同時に劇の虚構が暴かれ、屋台崩しとなる。
舞台裏にいた役者たちは、演じるこをやめた現実の人間として現れる。
作品内でも語られてきた何が本当で何が嘘なのかというテーマは、
この演劇の虚構と現実の実人生の地平との問題に敷衍される。

ここまでは当時の演出とほとんど同じだ。
そこで、声高に劇の虚構を暴き立てているが点子/大鶴美仁音は、
劇構造の外にいる狂言回し役(劇伴の演奏者でもある)によって、
彼女の振る舞いさえも、まさしく演技以外の何物でもないではないかということが突っ込まれる。
それに、他の演奏者の一人も同様の相対化をする。
今、大鶴は点子を演じているのか、大鶴自身を演じているのか。
そもそも本当の大鶴美仁音とはどこにいるのか。
私たちは日常でさえも、何かの役割を演じていない状況などありえるのだろうか、、、、と。

この演奏者たちによる相対化は、
当時の寺山演出では「観客(を演じていた俳優)」が行った。
それをこの作品では劇構造の外にいる演奏者に行わせているのだ。
特筆すべきは、その演奏者は二人とも台本(カンペ)を見ながら台詞を言っているということだ。このドキュメンタリー的な現実の位相の導入もすべて台本を基に行われている虚構であるということが明示されている。
(ただし、これが劇構造の外の演奏者によって行われていることにより、
「役者じゃないから、台詞が覚えられなくてカンペを見ているのだろう」という誤解を生じかねないものとなっていた。私も最初はそう思った。いずれにしても、本来最も批評性を内在している部分が、単に陳腐なものののように見えてしまっていた。これは非常にもったいない。)

いくら虚構を暴き現実を掴もうとしても、その現実がまた別の虚構であることの堂々巡り。まるで玉葱の皮むきのように、どこまでいっても現実・真実にはたどり着くことはできない。

これは寺山も意図したテーマだ。
だからこそ、寺山はこの劇で屋台崩しをやり、そして(他の作品でもそうだが)カーテンコールをしなかった。
劇場内部の問題と、劇場外の日常とは同地平なのだということを意図して。

だが、この作品では、最後にカーテンコールが行われる。
すると、結局これは、すべて含めても「虚構」「興行」だったということが露呈してしまう。

今日の社会は、すべてが虚構にまみれ、嘘ではない現実や真実がどこかにあるという幻想を抱くことさえ奪われているということか。
それともすべては「興行」「エンターテイメント」という資本の原理に回収されざるをえないということか。
いずれにしても、ここにこそこの作品の強烈な問いかけがあると深読みすることもできる。

おそらく、単に、慣例としてカーテンコールをやっただけに過ぎないと思うが。

どちらであれ、ラストのカーテンコールにこの作品のすべてが現れていたと私は思う。

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