最新の観てきた!クチコミ一覧

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非常の階段

非常の階段

アマヤドリ

吉祥寺シアター(東京都)

2014/09/12 (金) ~ 2014/09/21 (日)公演終了

無題1253(14-292)
19:30の回(曇)。19:10会場着、受付(全席指定)、19:15/19:30前説(アナウンス、135分)、間があき19:35開演〜22:03終演。パイプとパネルで幾何模様に仕切られた舞台、上手手前、板を円形に組んだ1段高いウッドデッキ風の居室、下手、木製のテーブルと椅子。

(結社、家族、公務員)/(芝居、客席に向けての芝居、ダンス)という構成がしっくりこないままの長丁場。

ネタバレBOX

雑記(まったくもって個人的なところで)

ダンスはダンス公演を観に行っているので劇中展開されてもたいていはピンとこない(これは他の劇団でも同じ)ので物語を追おうとする意識が続かないのでした。

客席への語りかけは、先日観た一人芝居では構成上必要だと思いましたが、本作ではどういう意図だったのかわからなかったので意識が素に戻ってしまいました。

2組の抗争劇(声が大きい方の勝ち)&お役人(無難なまとめ役)という取り合わせに新味が感じられませんでした(どこまで行っても表面的…参考文献として挙げられたもののうち【ノンフィクション】ものは数冊読んでいた。他に石井光太さんの著作なども)。

首をつる理由がわかりませんでした…物語の消失点はそこだったのだろうか…
おとなげない遺伝子

おとなげない遺伝子

スマッシュルームズ

シアター711(東京都)

2014/09/17 (水) ~ 2014/09/21 (日)公演終了

満足度★★★★

遺伝子
この劇団は何度も観ているが、今回の作品が一番良かったのではないだろうか。
出演者6名でさまざまな役をこなす展開は観ていて単純にワクワクくるものがある。
中盤から序盤の空白が埋まり、ラストは涙が流れた。
バッドエンドじゃなかったことが救い。
しかしこの遺伝子はおとなげない。
評価は4.5だが、若干暑かったので0.5下げます(笑)

八月の雹(はちがつのひょう)

八月の雹(はちがつのひょう)

中津留章仁Lovers

タイニイアリス(東京都)

2014/08/27 (水) ~ 2014/08/31 (日)公演終了

満足度★★★★

攻め
最近のトラッシュマスターズは面白いけども、政治色が強いなって印象だった。
しかし今回の中津留章仁Loversは私の好きな中津留作品に戻っていた。
タイニイアリスで3時間越えは観る前はしんどかったが、最後まで集中が途切れることなく楽しめた。
内容は盛りだくさんでこれでもかってくらいだが、若手の見せ場をちゃんとたくさん作ってあげたんじゃないかって愛も感じる。
そこがLoversってことなのでしょうか。

ミロウのヴィーナス

ミロウのヴィーナス

空間交合〈アサンブラージュ〉リジッター企画

吉祥寺シアター(東京都)

2014/08/06 (水) ~ 2014/08/10 (日)公演終了

満足度★★★

祝 吉祥寺シアター進出
どんどんと大きくなっていく劇団。
しかしエンターテイメント色が強いのはどうも私の肌には合わない。
すみませんが、キ上は素晴らしいがリジッターは好みではないようです。
評価は気にしないでください。

我妻恵美子  「肉のうた」

我妻恵美子 「肉のうた」

大駱駝艦

大駱駝艦・壺中天(東京都)

2014/09/13 (土) ~ 2014/09/21 (日)公演終了

満足度★★★★★

拍手鳴り止まず
客電が点いて、「終わりです」とならなかったら、いつまでも拍手が続いたのではないか、と思った。

舞踏が好き、大駱駝艦が好きで、我妻さんの踊りも好き。
なので、期待して見に行った。

ネタバレBOX

オープニング、真っ暗の中で幕が一気に引き込まれ、舞台が開いたのを肌で感じた。
舞台に照明が当たり、舞台の上を見て、鳥肌が立った。

ゴツゴツした岩場のようなものが舞台の上にそそり立ち、女性たちがラップにくるまれている。まるでスーパーに売っているスライスされた肉がトレイにあるように、だ。
そして、その両側には網にくるまれた踊り手たちが、天井から吊り下げられている。
まるで、チャーシューとかハムのようだ。

……と、タイトルの「肉」から、意外としょーもない想像をしてしまった。
しかし、そうではなかった。

このシーンは「画」になる美しさである。

しかし、ラップにくるまっていたり、網で吊り下げられていたりして、次にどう展開、つまり、踊るのかがわからなかった。
「動けないじゃないか」と思ったからだ。

しかし、そうではないことは、すぐにわかった。
ラップからの出かただけでなく、網の中での動きも素晴らしいものだった。
白い帽子を被っていたので、最初は男性が入っているのかと思っていたが(ダイナミックな動きなので)、女性だったと気が付いたときには驚いた。
その動きの激しさに釘付けになった。
そして、動いても「画」になっていたのだ。

次に毛むくじゃらな、やけに背の高い不気味なモノが登場する。
どこか鬼太郎的な妖怪や物の怪を思わせる。
「お!」と、声が出そうになるほど背が高い。
不気味だし、観客席に突っ込みそうになるぐらいに暴力的でもある。

あれだけの長さがあって、倒れたときに、手を使わず足だけで立ち上がったのには、驚いた。さすがである。中に入っていたのは、あとで我妻さんだとわかるのだ。なるほど、と。

その毛むくじゃらなモノが、あっさりとオンナの子たちに喰われていく。
「肉」になっていく。

さらに黒づくめで黒い笠を被った女性たちが現れるのだが、彼女たちもまるで物の怪のようだ。手に持った小さな鐘をリンリンと鳴らす。

前半では、女性の恐さを感じた。
分厚いメガネを掛けた少女たちが、毛むくじゃらな物の怪を恐れながらも、あっさりと倒し、喰らってしまう。
この毛むくじゃらの物の怪は、「男」なのかもしれないと思った。女性から見た「男」だ。

黒ずくめの女性たちも、黒いドレスから白い足が出てきているのだが、笠で表情が見えず、妖艶さに不気味さが加わる。。
大駱駝艦の定番、赤いハイヒールを片方だけ履き、それがコツコツと激しく床を鳴らし、さらに恐さを増す。
美しく、線がきれいな踊りである。だからこその恐さがある。

後半は、女性的な要素が全面に出てくる。
衣装を着ていても女性的であることが滲み出てくる。

我妻さんは、岩場のようなセットの上にいるが、後ろ姿がやけに女性的なものを発散しているように見えてしまう。
身体のラインを強調するような動きではないのに、前面で踊る女性たちのオーラに包まれているようで、そう見えるのだ。

『肉のうた』は、女性そのものを見せているのではないかと思ったのだ。
恐さ(それは私が男だからかもしれないが)、美しさ、あとは女性同士にしかわからない「何か」とか。

冒頭でラップや網から「女」とし生まれ出し、「肉」(男?)を喰らい、死んでいったとしてもさらに「女」である、というストーリーだったのではないだろうか。

80分という短い時間ながら、あらゆるイメージを凝縮し、1つの方法にとらわれることなく、表現して見せた、この作品は素晴らしいと思った。

我妻さんのイマジネーションの豊かさと、作品にまとめ上げた力量を感じた。
さらに、この舞台に登場した、大駱駝艦の女性陣たちの力量も、かなりアップしていたのではないだろうか。

誰一人、劣っている者はなく、高レベルで、美しく表現していた。
さらに、彼女たちのまとまりの良さを感じたのだ。

作品とは関係ないのだが、公演の途中で、小道具のフォークが舞台の上に落ちた。
もちろん拾うわけにもいかないのだが、そのままだと危ない。
どうなるのかと思っていたら、出演者の誰かが、踊りながら、足でフォークをつかんで持って行ったようだった。誰が持っていったのかもわからないぐらいに巧みであり、観客もそんなことが起こっていたことは気が付いていない人が多いのではなかっただろうか。
それぐらいすべてにおいて、緊張感があり、見事だったということなのだ。
赤い下着、覗くその向こう側、赤の歪み

赤い下着、覗くその向こう側、赤の歪み

キ上の空論

新宿眼科画廊(東京都)

2014/05/09 (金) ~ 2014/05/21 (水)公演終了

満足度★★★★

良い。
リジッター企画とキ上の空論、この両方を観ているが、断然こちらの方が面白い。
繰り返しながら少しずつ話が展開していくパターンなのだが、飽きることなく最後まで楽しめた。
赤いパンツに理由があるのだが、最後のオチは無くても成立してたのではないかと思う。
その方が良い話って印象だったなという、あくまで個人的な感想。

積雨、舟を沈む

積雨、舟を沈む

ゲンパビ

インディペンデントシアターOji(東京都)

2014/04/24 (木) ~ 2014/04/27 (日)公演終了

満足度★★★

初ゲンパビ
話は面白いが演出がつまらないという印象。
秘密がバレてくる頃から楽しめた。
それまではテンポが悪いしツカミが弱いので芝居に入り込むことができなかった。
この情報化社会は知らない方がいい現実現実はたくさんある。
それをスマホの男がぶち壊していくという現代への皮肉なのだと捉えてみたが、いかがでしょう。

おとなげない遺伝子

おとなげない遺伝子

スマッシュルームズ

シアター711(東京都)

2014/09/17 (水) ~ 2014/09/21 (日)公演終了

満足度★★★

初日観劇です
「俺の屍を越えていけ」みたいな感じで、親子って似てるものだよなぁと表現された物語でありました。その分先が読み易かったのと、なんか”ラーメン”食べたくなった105分。まぁユニークだなぁと思った作品感想なんですが、空調がよくなくて、暑かった・・・・んで自分勝手に星はひとつ減じました。

非常の階段

非常の階段

アマヤドリ

吉祥寺シアター(東京都)

2014/09/12 (金) ~ 2014/09/21 (日)公演終了

満足度★★★★★

なんか今回のアマヤドリ、
入れちゃいけないスイッチが割りとナチュラル~に全開になってたような。
「わたしたちがいま生きている“ここ”という場所」についてあくまで真摯に切り取って見せるという行為っつーのが、実はここまで「観客に対してケンカを売ってる」ような行為であったのか、という昂揚感に包まれる二時間半。

とにかくまあ、さっぱりと美味しいくせに喉に小骨引っかかりまくりな上、胃ももたれてくるようなまったく消化に優しくない芝居。
二時間半の長尺も全く気にならず、息が苦しくなってくるほどにギッシギシに軋んじゃってる感、なんかめっちょ気持ちよかった。

ここ最近のアマヤドリ作品の中でもキャラクター一人ひとりの「生々しさ」とか「リアルさ」(あ、この言葉すごく使いづらい・・・^^;)みたいなのがヴィヴィッドだった気が。
全体が「あー、いかにも広田淳一っぽい切り口だなあ」っていう圧に満ちてる中で、同時にちゃんと一人ひとりが登場人物として自分の言葉を持ってる感というか。
(そこら辺、今回劇団員以外の俳優が多い公演にもかかわらず、いつもはこの規模のアマヤドリ公演だとちょいちょい感じちゃう「アマヤドリのステージに慣れてない感」「広田淳一のセリフを言い慣れてない感」みたいなのがほとんどなかったのも手伝ってなのか)

役者の上手さについてはもうこの劇団のポテンシャル考えたら特に書くことも・・・と思ったけど、やっぱりどの役者もみんな前に観た時より確実に「惹きこんでくる」パワーが上がってたような。特に糸山さん辺りは見るたびに「おもしろく」なってる印象が。
アンサンブル、たたずまいのキレ味には「もう最後の乱舞シーンなくてもダンスとして成立しちゃってるよなあ」って感じてしまうほどに、ホント、身体の存在としての「強さ」があるなあ、と。
そういう演者の説得力があってこそ、劇中で2回ほどある、あのトリッキーな「仕掛け」が実にエグ~く、観劇後じわじわ効いてくるようになってたんだよなあ、って思ったり。

この作品、是非とももう一回リピートしたい!・・・けどスケジュール的に難しいのは悲しいところ。
もう一度観ていろいろなパーツをちゃんと組み立てたときに見えてくるものを知りたいし、論理的にクリアに作られてるようで、どんなに考えても解釈しきれないような混沌がわざと仕込まれてたような気もするし。
再演される際は(されるよね!?)そこら辺もちゃんとしっかり注意して観ようかなと。

みんなのうた

みんなのうた

ツラヌキ怪賊団

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2014/09/03 (水) ~ 2014/09/08 (月)公演終了

満足度★★★★★

面白かったー
書き込み遅くなりましたが、今回の公演も沢山のパワーをいただきました。
作・演出もIKKANさんらしさが出てて、ツラヌキ怪賊団を存分に堪能できた公演でした。

個人的に、石井明日香さんが大好きで、今回も演技にダンスに釘付けですー☆ほんとステキでしたー(^u^)
次回もぜったい観に行きまーす。

キス・アンド・クライ

キス・アンド・クライ

トツゲキ倶楽部

小劇場 楽園(東京都)

2014/06/04 (水) ~ 2014/06/09 (月)公演終了

満足度★★★★

短編集ながら
短編集でありながら、さりげなく別の話とのリンクを張ってるので、見終わったら、短編集と言いながらも一つの話を見た感じでした。面白かったし、もう一度観たい感じ。しかし、貪欲な拾いっぷり(笑)とそれに合わせた表情よかった。

ポーカーフェイス・スピンオフ~人狼第一話~

ポーカーフェイス・スピンオフ~人狼第一話~

劇団空感エンジン

両国・Air studio(東京都)

2014/06/05 (木) ~ 2014/06/09 (月)公演終了

満足度★★★

話し合いが薄い
人狼にはなってるとは感じたが、話し合いの部分が短いと言うか雑と言うか(アドリブではあるのは確かみたいだが)、なんかあんまり話し合いになってると感じられなかった。
また、全員同時の投票の仕方だと、駆け引きが見えないんだよなあ。(まあ、通常のゲームはこんなに感じなのかもしれないが)第一話となってるから続くのかな?ただ、続けるなら、いろんな改善は必要かな。

LOVE/ワールドラヴ

LOVE/ワールドラヴ

劇団ワールド×ワールド×ワールド

SPACE EDGE(東京都)

2014/05/29 (木) ~ 2014/06/01 (日)公演終了

満足度★★★

つかみきれなかった
3組(いや、一組は1.5組ぽいので、3.5組か?)のカップルの話なのはなんとなくはわかるが、一つだけは現実で後は空想とも思えるし、ぜんぶが空想とも思えた。うーん何を描きたがったのかつかみか切れなかった。

きらめく星座

きらめく星座

こまつ座

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2014/09/08 (月) ~ 2014/10/05 (日)公演終了

満足度★★★★★

狭いながらも楽しい我が家♬
支那事変〜太平洋戦争が始まるまで、あるレコード店が国家事情で閉店するまでの話です。戦後生まれた私には、実際の生活がどんなものか知る由もありません。この芝居ではそんな時代の中でも自分たちの気持ちに正直に生きる人々が描かれています。明と暗の生活が笑いとペーソスで溢れ、世の中への批判へもチクリ。そして、ラストはさらに現状を超える恐怖の始まりを示唆しています。この時代を体験されている80歳以上の方の観劇した感想をぜひ伺いたいものです。

ネタバレBOX

脱走兵役の万里生くんのコミカルな動きなかなかやってくれます。秋山さんが後妻ながらもいい母親ぶりと歌いっぷりは良かったです。ベテラン男性俳優陣は持ち味発揮で味わい深い演技でした。
きらめく星座

きらめく星座

こまつ座

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2014/09/08 (月) ~ 2014/10/05 (日)公演終了

満足度★★★★★

戦時中のレコード屋
随所に明るい歌と笑いがあるものの、結局は重苦しい時代の悲しい物語。将来またこんな世の中にならないことを希望。

サバイブ!

サバイブ!

自転車キンクリーツカンパニー

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2014/09/13 (土) ~ 2014/09/21 (日)公演終了

満足度★★★★★

プレミアム空間を堪能
狭小空間で上質なホームドラマを観る贅沢。

青空カラー

青空カラー

劇団こふく劇場

広島市東区民文化センター・ホール(広島県)

2014/09/10 (水) ~ 2014/09/11 (木)公演終了

満足度★★★★★

こんな芝居が観たかった!
場の転換、役者の出捌け、台詞と演技・・きっと慎重で巧妙な仕掛けが施されているに違いない。ただ、そんなことを意識しなくても、観客は芝居を観ているだけで、演劇空間に易々と入り込んでしまう。
時系と場面がくるくると転換しているのに、観客席の自分自身が、まったく混乱しないことに驚く。大事件も驚愕の展開もない淡々とした芝居だ。これほど釘付けにさせたのは何だろう?
芸達者の役者が障がい者を演じるのではなく、障がいを持った役者が芝居を演じるという小さな衝撃!
こういう芝居を観たかったことに、観客の私自身が気が付いていなかった。これから、私たちが大事にしなきゃならないもの(新しい価値観)の萌芽、それを演劇は的確に捉える。観に行って大正解だった。

一二人の怒れる男

一二人の怒れる男

東北えびす

広島市南区民文化センター ホール(広島県)

2014/09/12 (金) ~ 2014/09/12 (金)公演終了

満足度★★★★★

想定外の迫力、予想を上回る面白さ!
言わずと知れた法廷劇の名作。仙台座も出演の役者さんたちも初見だった。東京公演を含む各地の巡演で広島公演は唯一ワンステージのみ。実は、こんなに凄い芝居だとは予想していなかった。

ホール舞台上の上手側と下手側に向かい合うように観客席を設え、舞台中央に陪審室のテーブルとパイプ椅子。迫真の密室劇が目の前で繰り広げられる。
三谷幸喜の翻案「12人の優しい日本人」の映画も含めて、たくさんの「12人の怒れる男」を観た。結果は知っていてもハラハラさせられる。仙台座の舞台にはさらに新たな発見があった。

ひとりひとりの役者さんがすごくカッコいい。最初に無罪を唱えた陪審員8号(映画でヘンリーフォンダが演じた)の樋渡宏嗣、最後まで有罪を譲らなかった高圧的な陪審員3号の渡部ギュウ。周囲のメンバーを巻き込んだ彼の弁舌が、終幕で冷やかに拒絶される鮮やかな展開。
民主的なルールは、決して有能なリーダーによって実現されるものではなく、自分たちが悩みながら見つけ出していくものらしい。
圧倒的に優勢な有罪論に異が唱えられたとき、勇気をもって支持を表明するのが人生経験の豊かな老人の陪審員9号(渡辺貢)や社会の中の弱者であるユダヤ移民の陪審員11号(原西忠佑)やスラム出身の陪審員5号(横山真)あったことに、社会には多様な価値観が必要なのだと思った。自分に一番近いのは、口先ばかりで周りの言動に左右されやすく有罪・無罪・有罪とくるくる意見を変えた陪審員2号(西塔亜利夫)かも。男優ばかりの芝居だが、この芝居を束ねたのが女性演出家だというのも凄い。
進んでるなあ、仙台!

青年Kの矜持

青年Kの矜持

LAUSU

俳優座劇場(東京都)

2014/05/14 (水) ~ 2014/05/18 (日)公演終了

満足度★★★★

USUAL ↔ LAUSU
USUALの日常と反対の非日常を楽しむと意味を込めてLAUSUと付けられたというユニットの第一段作品。

大村わたるさん、中村倫也さん目当てで観に行きました。
倫也さんは今までミュージカルものしか観たことなかったので
小さい劇場でのお芝居は楽しみでした。

倫也さんも勿論良かったのですが女優さんのパワフルさが面白くて良かったです。
千葉さんの演出も観たくて楽しみにしてました。好きなタイプです。
脚本が映画やテレビドラマで活躍されてる大森美香さんで
上手くまとまりすぎてて商業的さも少し感じましたが
物語は面白く、そして悲しいけど愛がつまったものでした。

ネタバレBOX

アフタートークによると大森さんは実生活からヒントを得るところが多いらしく
話に出てきた万引きGメンも旦那さんが好きで見てたよくある「警察24時」みたいな番組から思い付いたとか。

青年Kが引きこもっていたけど憧れのカコウトンさんに会えるということで少しずつ外の世界へ出て
色んな人との出会いで変わっていく姿は見ていて高揚しました。
女優さんが個性豊かなキャラクターで面白かったです。
千葉さんの万引きGメン、家納さんの万引き主婦、弘中さんの脚本家、中林さんと川田さんのレズカップル、ゾンビのところは爆笑した。

倫也さんは繊細なこういう舞台の演技も素敵でした。
小林さんも面白かったし大村さんも。柿以外で観るのは新鮮。
美山加恋ちゃんもカコウトンとして閉じてる役だったけど声も出てて映像だけじゃなく舞台も良かった。
他のタイプの役でも今後観てみたい。

悲しく見える結末でも
K自身はとても有意義な数日であっただろうし、カコウトンもKのために克服して外に出たことは前進だったはず。
"良かった"とは言えない結末だけど最後に前を向けたのだけは救いだ。



いのうえ歌舞伎 「蒼の乱」

いのうえ歌舞伎 「蒼の乱」

劇団☆新感線

梅田芸術劇場メインホール(大阪府)

2014/05/08 (木) ~ 2014/05/27 (火)公演終了

満足度★★★★★

通い詰め蒼の乱
待ってました大阪公演。
待てずに1度東京公演へ。

劇場の違いで演出変化ありなところも。
笑いの部分も少し増えていたように思います。

天海祐希さんが出てくるだけで溜め息もの。美しい。
松山ケンイチさんも背が高くガタイも良いので舞台に映えます。天海さんと並んでもバランスが良かった。
珍しく聖子さんは味方。じゅんさんはとにかくすごい。
粟根さんの声や動きは変わらずキレがあるし。
善さんの腹にイチモツ感は堂に入ってる。
今回見所の早乙女兄弟の殺陣は右に出るものはいないでしょう。
平さんの80歳とは思えぬ声量。安定感。
新感線のアンサンブルの方々の毎度の素晴らしさ。

今回物足りないという声もよく聞きましたが
私は大好きな作品になりました。

ネタバレBOX

早乙女太一さんが今回は笑かし担当で新鮮でした。
座員さんの歌を堪能出来たのも良かったです。本当に皆さま上手い。
天海さんの歌も勿論良かったです。
やはり宝塚という舞台でトップをはられてただけあり
一人で舞台に立っていても見応えがあるというか
舞台への覚悟を感じました。

回り舞台で飽きさせずテンポ良く進むいのうえ歌舞伎はやはり楽しい!

歴史を知らなくても楽しめて、情景が浮かぶ舞台でした。

悲しい結末ではあったけれど
ころころと気持ちが揺らぎっぱなしの小次郎を支える蒼真の愛が最後は繋がり良かった。

最後の坂東の草の海の景色が忘れられない。

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