満足度★★★★★
こんな芝居が観たかった!
場の転換、役者の出捌け、台詞と演技・・きっと慎重で巧妙な仕掛けが施されているに違いない。ただ、そんなことを意識しなくても、観客は芝居を観ているだけで、演劇空間に易々と入り込んでしまう。
時系と場面がくるくると転換しているのに、観客席の自分自身が、まったく混乱しないことに驚く。大事件も驚愕の展開もない淡々とした芝居だ。これほど釘付けにさせたのは何だろう?
芸達者の役者が障がい者を演じるのではなく、障がいを持った役者が芝居を演じるという小さな衝撃!
こういう芝居を観たかったことに、観客の私自身が気が付いていなかった。これから、私たちが大事にしなきゃならないもの(新しい価値観)の萌芽、それを演劇は的確に捉える。観に行って大正解だった。