あの空の向こうへ
ノーコンタクツ
萬劇場(東京都)
2014/09/26 (金) ~ 2014/09/28 (日)公演終了
満足度★★★★
戦争ゲームごっこではない
戦争シミュレーションソフトの開発に関する芝居と思っていたが、そんな単純なものではなく、人間ドラマであり、社会ドラマでもある。
そこにミステリー要素も加え見応えのある公演に仕上げていた。
いくつかダンスシーンがあるが、ノーコンタクツの公演だから…でしょうね。
ネタバレBOX
1945年、戦艦大和は出撃し撃沈する…これが事実。
その乗組員がタイムスリップして現代に現れる。
科学者は、その事象を確認するためゲームメーカーへ大和の戦闘シーンを再現させる。そして撃沈(事実)を回避するシミュレーションの模索が始まる。
事実を知らされず集められたゲーマー達は、必死に攻防シミュレーションを繰り返すが、沈没は避けられない。
その苛立ちと、シミュレーションする意味を問うことになり…。この乗組員を助けるためだが、その手立ては見つからない。
結論は乗船しないことだが、それに対する返答は「自分は軍人だから出来ない」と。「『殺される』 と 『殺す』 の二者択一を求められたらどうするか?」 「どちらも厭だが、それが戦争だ」 という重い台詞の応酬に、「戦争」の無意味さが込められる。
今後の公演にも期待しております。
この岐阜の果て
劇団献身
プロト・シアター(東京都)
2014/09/25 (木) ~ 2014/09/29 (月)公演終了
満足度★★★★★
想像以上の面白さでした。
シリアスなテーマがであるにも拘らず、始めから終わりまで余すところ無く笑いに溢れていました。また、話が切り換わる場面が多くありましたが、演出が良かったため、置いて行かれることなく観ることができました。想像以上の面白さに脱帽です。素敵な時間をありがとうございました。
スティング・オペレーション
THE ROB CARLTON
元・立誠小学校(京都府)
2014/09/11 (木) ~ 2014/09/15 (月)公演終了
満足度★★★★
今回もやはり面白かった
京都まで出向くのは正直億劫。でもTHE ROB CARLTONはハズせないです。まずチケットのデザインが公演毎に違っていてステキ。チケットを受け取った瞬間に高まる期待。で公演冒頭ボブ・マーサム氏の登場で一笑。何だか笑ってしまうんですよね。その後もニヤニヤ、クスクス、アハハの繰り返し。あ~っ楽しかった!今回客演のマゴノテさんお二人も気になりました。イベントチェックですわ。
朝劇「彼女は誰のもの?」【9月10月全話やります!土曜日増刊号も!】
朝劇
CAFE SALVADOR(千代田区丸の内 3 - 2 - 3 富士ビル1F) (東京都)
2014/04/01 (火) ~ 2014/10/21 (火)公演終了
満足度★★★★★
面白いし美味しい♪
一作目から観させて頂いていますが、毎回期待を裏切られません!
出演者四人にしか作れない空気感、テンポ感、アドリブと そしてアドリブ返し(笑)
朝から笑顔が張り付いて、一日笑顔でいられます(^ ^)
これからも朝劇が続きますように☆
騒音と闇 ドイツ凱旋ver.
革命アイドル暴走ちゃん
こまばアゴラ劇場(東京都)
2014/09/25 (木) ~ 2014/09/30 (火)公演終了
満足度★★★★★
3階席から
初めてカッパなしで観劇。
最前センターよりも、4列目センターよりも、特等席かもしれない。
1) なにより美しかった。ヲタ芸はもちろん芝居シーンも。ジーンときた。
2) 一番後ろまで見えすぎ。後方のアクトがこんなに素晴らしいとは!統一感がすごい。
3) 騒げる。モノが降り注いでこないので自由度高し。
それよりも何よりも、出演者+演助の方たちの動きのスムースさが驚愕。
だから観ていて楽しいんだな。
ネタバレというか本音をネタバレBOXに追加。
ネタバレBOX
自称暴走ちゃんファンという欲目を考慮しても今回の公演は大成功だったように思えた。
作品自体のすばらしさ: アクト自体もさることながら、音源・照明・舞台装置や、チームの一体感がいい。
照明は、色の使い方が特にきれいだった。赤やキラキラ、最前でセンターを見上げて美しい、と思うことしばしば。それに加えてセンターに降り注ぐ紙吹雪。これも美。
今回、プリセットや全体の小道具の流れがスムースだった。今までもあったのかもしれないけど、何人かの分がまとめてセットしてあって、さっと他の人にもパスしていたりして、おっと思った。これが全体の流れをよくしているんだろうと。
龍なんかも好き。
公演としては、10代後半から20代前半の女性のお客さんが多かったなあ、という印象。しかもものすごく観る前から観たあとまではしゃいでいた。いいことだと思う。あとカップルも目立った。高校生らしいカップルとかもいて確かにいいデートイベントかもしれない。
(もっともっと女性やカップルが増えたらいいと思う。その時は、おっさんはいきづらくなるけど。)
それもこれもキャストの方や現場にいる方すべての「気持ち」があるからこそ、だと思う。
正直、アクの強い人はいない。自分がメインになっているアクトでも、周りを押しのけて自分だけ目立つというのは皆無。自分って上手いでしょ、っていうテクニック自慢も皆無。
元々優しい方ばかりなんだと思う。これがエンターテイメントだと強く感心して感謝した。
加えて、みんな笑顔。特に優しい笑顔だなあと思ったのは、あーりんさん、こーまさん、さやかさん、きんさん、あゆみさん、ほーぼさん、山岡さん、藤田さん、あきさん、ゆっきーさん...、って書き出すと止まらないぐらい。これが全体の雰囲気をやわらかくしているのだと。
今回、全員の顔と名前が完全に一致した。しかもどの人もどこかのシーンで印象に残っている。いいアクトいただきました。
横浜は、「基本型」という感じでフレッシュさいっぱいで物足りない感じもあったが、結構今回、相当なところまで進化してしまった。これ以上アクセントつけると全体としてのよさが消えてしまう気がする。
その意味で、騒音と闇が今回で締め、というのはいいことかも。
でも、次回どうなるか、期待と不安が混ざっているというのが正直な気持ち。
最後に、劇団員3パターンのGod knows…:それぞれ印象が違う。どう表現していいかわからないけど、見終わったときの気持ちが違う。いい組み合わせだ。
---------
ここから2つ与太。
1)オペレーション
個人的な話になるが、仕事で「事務フローの効率化」や「組織風土改革」のようなプロジェクトに携わることがある。
暴走ちゃん観ていて、こんな組織(チーム)作りたいな、といつも思う。
きちんと書かれたマニュアル(台本)が無くても、プリセットから使うまで(片付けは観てないのでわからない)こんなに理路整然と、かつ同じように繰り返しできるのかと。同じ場所に複数セットしていても、使う順と逆にプリセットできるように流れが組まれている。こんなプロセスフロー、普通の会社でちゃんと作れる人あまりいない。しかもスムースに協業している。
組織風土はチームとしての方向性とボトムアップのチカラ。当然、Toco先生のリーダーシップが強いのだが、それを受けてのメンバーの自主的な働きがうまく回っている。そのバランスがいい。
2)選曲
まったく世代が違うのだが、私が一番好きな槇原敬之さんの曲が使われると多分、心臓発作で死ぬと思う。
勝手に想像して楽しんでいるのだけど、例えば、
「Hungry Spider」や「Appreciation」などはメッセージ性あるし、
「僕が一番欲しかったもの」なんて、まさに暴走ちゃんにも当てはまるような。
「Curtain call」も相当当てはまるような。(シニカルに聞こえてまたアンチ増えるかもしれないが)
「どうしようもない僕に天使が降りてきた」はちょっと毛色違うけど、気持ち上がる。
と勝手に書いて締める。
白黒つかない
オレンヂスタ
七ツ寺共同スタジオ(愛知県)
2014/09/25 (木) ~ 2014/10/12 (日)公演終了
満足度★★★★
白黒つかない
言葉や音の激しさではなく、身体の動きで物語を作っていて面白かったです。ピカソ的な芝居だなと個人的に。身体が生み出すリズムは、言葉や音のリズムよりもゆったりします。流されることなく、じっくりと見れたと思います。その結果、言葉がしみじみと入ってきました。
キノコスターさんがやろうとしていることはこういうことなのかな、と感じる台詞がありました。今回はまだその途上であったかと思います。ですがきっとすぐに実を結ぶはずです。大阪あたり、見ごろでしょうか。
ネタバレBOX
ラストが何回もやってきます。気持ちがどんどんと切れてしまったのですが、すべて残さずみる必要はなかったのではと後から気が付きました。つまり、縦置き型マルチエンディングとでも言いましょうか、エンディングが連続して提示されるので、好きなのを選んだらよいのだと思います。本当に白黒つきません。
うぇるかむ to 死にたがりホテル
初恋企画
テアトルBONBON(東京都)
2014/09/25 (木) ~ 2014/09/28 (日)公演終了
満足度★★★★★
失ってから気づくのがほとんどです。
黒いラブレターが届く前に
自分も何とか再生したいものであります。
シャンタンスープ
バンタムクラスステージ
シアター風姿花伝(東京都)
2014/09/18 (木) ~ 2014/09/28 (日)公演終了
満足度★★★
上手い役者が揃っていると思った
が、この作品には足りないところがあり、その魅力は活かされてないように感じた。
笑ったのは、ネタの部分だけだったし。
ネタバレBOX
若手のお笑いの世界を描いた作品であり、劇中で演じられる「お笑いのネタ」がそこそこ面白いので、笑ったのは確かだ。
しかし、ドラマが弱い。
なかなか売れないため、焦りもあり、コンビ仲が微妙な漫才コンビ「シャンタンスープ」が主人公である。
もう、この設定から展開は見えていた。
つまり、45分間なので、「イイ話」にまとめてくるだろうから、2人の関係が(やや)好転していく(あるいはその兆しが見えてくる)だろうと思うからだ。
もちろん、そうなっていく。
ただ、主人公コンビの2人の魅力が描かれていない。
印象として、彼らを含め、漫談や漫才などのネタが多く、彼らの内面や人物の描写が少ないのだ。
つまり、ネタ部分を省くと内容が薄く感じてしまう。
確かに、役者たちはみんなうまい。
存在感もある。
しかし、内容的には「足りない」のだ。
これがもし上演時間45分ではなく、1時間45分だったら、主人公2人の背景がきちんと書き込まれ、観客は2人の男たちに共感できたかもしれない。
役者としては、漫談のトーテムを演じた早田友一さんの、この業界を長く生き抜いてきたというような、したたかさが印象に残った。トーテムのネタも、なんとも、な感じがとてもいい。
シャンタンスープのマネージャーを演じた土屋兼久さんも、前半は単に鬱陶しいだけだったが、後半にかけて、騒々しさの陰に不気味さが見えてくるところがいい。ただ、ときどき挟まれるモノマネは、やっぱり鬱陶しかったけど(笑)。
普段はもっとハードで硬質な内容を上演しているようだが、その片鱗はうかがえた。
U&D&O
おぼんろ
シアター風姿花伝(東京都)
2014/09/18 (木) ~ 2014/09/29 (月)公演終了
満足度★★★★
45分間なのに物語の深みを感じた
初めて「舞台の上」の、おぼんろを観た。
彼らが本来持っている、うまさ、確かさ、ポテンシャルの高さを確認できた舞台だった。
コメディとしての出来は★★ぐらいだが、作品の出来としては★★★★。
間を取って★★★としたいところだが、星の数は作品の出来を優先した。
ネタバレBOX
オープニングで観客を引き込む強引さがいい。
おぼんろらしいという印象。
そういう持って行き方がうまい。
しかし、せっかく観客を引き込んだにもかかわらず、それが本編であまり活かされてないと感じた。
まるでヒーローショーのように(よくは知らないがイメージとして)、オープニングで、観客の拍手や声援よって舞台との一体感をつかんだならば、それを持続させる仕掛けがほしかった。
劇場の舞台の上にあるおぼんろを観たのは初めて。
今までのおぼんろは、いわゆる劇場ではない場所で、観客の間を縦横無尽に走り回っていた。だから、観客との物理的な距離も近く、台詞もダイレクトに観客に届く。
また、舞台の上だけで演技をするわけではないので、観客は身体や頭を動かしたりしながら、役者を追ったりする。だから観客の舞台への参加意識は高くなる。
それでけだけでなく、会場に足を運んだ全観客に役者が熱心に話し掛けたりする。なので、役者も身近に感じることになる。こういうことをする劇団はあまりない。
つまり、「素」の「役者」である自分を見せた上で、そのまま続く芝居の中では「虚構」の「役」を演じるという、ある意味離れ業を見せてくれる。
さっき、「どこから来ました」なんてフランクに話掛けてきたあんちゃんが、すぐに芝居の中で、架空の人物になっているのだ。
これは意外とむずかしいことではないだろうか。
「人」として近くに接してきて、芝居でも近くにいる。だから、おぼんろの役者に対しては、「友だち感覚」を感じてしまうことになる。
だから、今目の前で行われているのは、「知り合いが出ている芝居」になってしまうのだ。
そうした観客と一体感を醸し出すという演出が功を奏している。
だからリピート率が高いのではないか。
しかし、今回はそうした観客との触れあいはなく、普通の芝居として上演された。
唯一の接点がオープニングである。
だから普段の濃厚なかかわり合いができない代わりに、舞台の上からどう観客と濃厚さを増していくのかと思っていたが、結局、(ある意味)普通の演劇となった。
とは言え、そのレベルは決して低くない。
物語としての面白さ、末原拓馬さん、わかばやしめぐみさんのうまさが、45分間観客を引き込んだ。
ただし、ユーモアと笑いはその中にあったものの、コメディ感はなかった。
笑いの多めな、おぼんろだった。
いい悪いではなく、コメディを観に来た者としては物足りなさを感じた。
「コメディ」という言葉にとらわれているのではなく、そもそもこの企画は「コメディフェスティパル」なのだから、それを期待しないわけにはいかない。
舞台と観客席、固定された演技場所、固定された上演時間、コメディという枠組みの中で、もっとおぼんろの良さを発揮できれば、素晴らしい作品になったと思う。
そこが残念。
ただ、今回の公演でおぼんろの良さを知った人も多いのではないだろうか。
彼らの本公演はもっと濃厚で観客を魅了するのだから、そういう人にとってはいい出会いの場ではなかっただろうか。
しかし、「コメディ」フェスティパルを観に来た人にとっては、もうひとつ不発感があったことは否めない。
自由な感じの末原拓馬さんはうまい。
そして、わかばやしめぐみさんのうまさ素晴らしさが十二分に感じられた作品だ。
おぼんろという枠を超えても、その素晴らしさが発揮できるのではないかと思った。
(普通に舞台の上で演じても)
今回の6団体の中で一番印象に残った役者さんだ。
ラストにウドが戻ってきた男に対して「お帰りグギャ」と言うのだが、これは「タケシ」ではなかったのだろうか。家を出てグギャと名乗っていた男が、自分の家に戻ったのだから。
家に戻っても「心は巣立った」という意味で、あえて「グギャ」と言ったと深読みもできないこはないが、そうではなかったと思う。そこまでの伏線がないからだ。
おぼんろは、衣装、小道具も大切な共演者だ。拾ってきたりしたものや自分たちの手作りで、彼らの世界観を作り上げる。
だから、それらが打ち消されてしまう、今回の舞台セットはやはり邪魔だったように思えた。
これから彼らは、舞台のサイズ大きくなるに従い、今までの手法が使えなくなることで、舞台の上と観客の間をどう縮めていくかが、今後の課題となろう。この公演では、それへの道を歩むためのヒントを得たのではないかと思った。
恋夢
少年ギ曲団
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2014/09/25 (木) ~ 2014/09/28 (日)公演終了
満足度★★★
楽しい雰囲気
ストーリーは定番といった感じで、こうなるだろうな・・と、分かっていても、ラスト近くでは、切なくて涙腺が緩みました。笑いもあり、カラフルで楽しい雰囲気で、子供も楽しめる舞台だと思いました。演技に関しては、もう少し・・という感じはしました。それと、観客が多かったせいか開演が15分近く遅れましたが、何の案内もなかったのは良くないと思いました。
出会わなければよかったふたり
アガリスクエンターテイメント
シアター風姿花伝(東京都)
2014/09/18 (木) ~ 2014/09/29 (月)公演終了
満足度★★★★
コメディフェス6団体の中で一番大きく笑った
シチュエーション・コメディの面白さを、チームワークの良さで見せてくれた。
(笑いの「総量」では他の団体に一番は譲るが……)
ネタバレBOX
出会ってしまったらマズイ2人を、なんとか会わせないようにする、というのは、シチュエーション・コメディの定番中の定番だ。
それをモロにタイトルにした『出会わなければよかったふたり』は、いつもシチュエーション・コメディの面白さを見せてくれるアガリスクなので、期待した。
先日の本公演がタイムスリップものだった。
そして、これもそう。
先日のタイムスリップもののコメディを上演するにあたって、フライヤーや当パンを見ると、「過去にもいろいろあるし」と、上演することへの心配もあったようだ。
しかし、結果は大成功。
で、今回もやってしまった。
ように見えた。
すぐ前の公演がタイムスリップものだったということは、その公演を見た者にとっては、新しさを感じない。
大げさに言ってしまえば、落胆もある。
また、「出会っていけない2人を出会わせない」という設定で、時間を飛んだり止めたりということができてしまうと、それへの緊張感はなくなり、笑いも減るだろう。
しかし、笑った。
コメフェス6団体の中で、一番大笑いした団体と言っていい。
(笑いの「総量」では別の劇団に負けるけど)
それは、そういうタイムスリップ設定になったものの、「出会ってはいけない2人」が「出会ってしまう」という設定にしたことによるだろう。
「出会ってしまってどうする」にしたところだ。
だからタイトルが効いてくる。
前半は、もたついたので、あまり笑えなかった。
ここはもったいない。
しかし、ここの良さでもある、投入される追加の「困りごと」のタイミングと意外性がいいのだ。
タイミングのうまさで笑いは大きくなる。
役者さんたちのチームワークの良さも活きてくる。
彼らの演じ方、キャラは、ある程度固定的であるから、当て書きなのだろう。
それぞれのキャラがある程度固まっているから、それぞれ作品によってストーリーや設定が異なっていても、役者同士の歯車が噛み合いやすい。
きれいに組み合うので、意外性が意外と感じず、スムーズに進むため、観客は違和感をあまり感じず、それが普通に見えてしまうほど。
安定と言ってもいいかもしれない。
だから、贅沢なことを言えば、予定外の「違和感」がほしいところだ。
観客をびっくりさせるような。
それと、今回に限って言えば、タイムスリップネタはあまり歓迎しない。
これがタイムスリップに頼らないストーリーだったら、ホントに面白いシチュエーション・コメディが出来上がったと思うのだ。
タイムスリップ設定だとしても、なんらかの形で禁じ手にしてしまうなどもアリだっただろう。
とは言え、45分のコメディで、ここまでうまく噛み合って、面白いのならば、言うことないのだが(前半除く)。
ヒョウイズム
爬虫類企画
新宿シアターモリエール(東京都)
2014/09/12 (金) ~ 2014/09/15 (月)公演終了
満足度★★★★
重い内容、ポップな演出
高校時代に苛められ、そのあげく兄まで・・・。
凄惨な過去を持つ男がある事象によって力を得て行う復讐劇。
その描かれている内容はハードで問題提起も鋭い。
しかし、その描き方はコミカルで堅苦しさを感じさせない。
ここで登場する主人公の感情や行動が、普通の人間が持ち得るようなものであるから共感できると思っていたが、終盤は少し教訓じみてきた。
ネタバレBOX
弟の苛めを知った兄が苛めグループを戒めようとしたが、逆に刺殺されてしまう。
悲観していた弟だが、落雷を受けて不思議な力(一定時間、他人への憑依ができる)を得て、高校時代に苛められた人達へ復讐していく。
その奇妙な現象が刑事事件へ発展し、警察との間の追跡・逃避が始まる。
不思議な力にもそれを行使する時間的制約という欠点を設け、緊迫感ある仕上げになっている。最後までテンポよく見応えのある公演だった。
次回公演にも期待しております。
漏れて100年
突劇金魚
AI・HALL(兵庫県)
2014/09/26 (金) ~ 2014/09/28 (日)公演終了
うーん
体調が悪かったせいでしょうか。
眠くて眠くて集中できませんでした。
役者さん達は皆さん魅力的だったのですが
内容がいまいちわからず。。。
結局、仙人は良い人?悪い人?
仙人を信じていたら、ユメも幸せになれたのかな。。。
黄金のコメディフェスティバル2014
黄金のコメディフェスティバル
シアター風姿花伝(東京都)
2014/09/18 (木) ~ 2014/09/29 (月)公演終了
満足度★★★
観れてよかった。
日程的に観に行けるかわからなかったのですが、唯一行ける日があったので思い切って行きました。
今回の公演で知らなかった劇団を知れたのは良かったです。
それぞれの劇団の良し悪しはありましたが、グー・チョキ・パー全て観て自分なりの評価をさせていただきます。
平均的にグーチームが好きでした。
ネタバレBOX
観たチーム順に感想を述べます。
【パーチーム】
・おぼんろ
役者二人ということで一人何役とこなしてくれましたが、めぐみさんが演じるウドが特に印象的でした。
物語としては呑み込めない部分もありましたが、後々理解できた部分もあり、ファンタジーの世界観として楽しく拝見しました。
・ポップンマッシュルームチキン野郎
友人が面白いと言っていたので気になっていた劇団。
まだ本公演が始まっていないのにいきなり現れた二人。ニワトリの方がいつ本編に出てくるか待っていたのですが結局出てこず、その時あれはあれで演目の一つなのかと理解。休憩中に楽しませることもありだとは思います。
本編ではやかんの人頑張れって応援したくなりました(笑)
不死の体を持つ設定をうまく使いそれを笑いとしてみせてくれたのは楽しかったです。最優秀作品賞おめでとうございます。
【グーチーム】
・アガリスクエンターテイメント
惜しくも優秀作品賞となりましたが、私の中では一番笑った作品です。
元カノと今カノの間でテンパる彼が面白くて、未来の孫とのやりとり、会話もテンポよく進み見事にツボにはまりました。
設定的にこんがらがるかと思いきやそうでもなかったのがよかったです。
笑いすぎて疲れました。
・バンタムクラスステージ
シリアスの中に笑いを取り入れたテイスト。ずっと笑いがくるのではなく、ここぞというところで上手く笑いを持ってきていたと感じられた作品。
一人一人の役者が味わいを持ち印象深かった。初のコメディということで気になっていましたが、バンタムさんの持ち味を生かしたコメディだと思います。
【チョキチーム】
・ゲキバカ
期待していた劇団の一つですが、正直受け付けれなかったです。
下ネタは引きましたし、物語としても今一つ。最後は何で過去に飛ぼうとしたのかが分かりません。相手の事情を顧みず自分のわがままで今の運命を捻じ曲げようとしているのかそうでないのか。
期待していた分残念でなりません。
・8割世界
ダンスを取り入れたところは好きでした。父のハゲズラも小学三年生設定も笑える部分はありましたが、所々引っかかる部分があり始終楽しめたということはなかったです。
こちらとしては楽しみたい気持ちで観たかったのですが、微妙な気持ちで終わりました。
そうだ奈良、行こう
劇団まにまに
要町アトリエ第七秘密基地(東京都)
2014/09/27 (土) ~ 2014/09/28 (日)公演終了
満足度★★★★★
ビバ!奈良時代
奈良愛が感じられました。
ネタバレBOX
基本ヘタウマ、棒立ちと言いますか、ほのぼの系の若い女優さんたちが明るく楽しく、奈良愛、奈良時代愛を表現していました。
奈良時代なのに現在を織り込んだギャグが入るなどお洒落でした。ラピュタが約2年毎に放映されるのかどうかは知りませんが、そんな感じもします。
青年風が演じられる人もいれば、お人形さんのような人もいて、さらには老け役がこなせる人もいるなど、調和の取れたメンバーのこれからが楽しみになりました。
0120〜フリーダイヤル〜
ワイアールジャパン
シアターブラッツ(東京都)
2014/09/26 (金) ~ 2014/09/29 (月)公演終了
満足度★★★★★
何回みても素晴らしい
今回も両班拝見いたしました。
脚本は更に見やすくなり、心の動きが
じわじわと広がり、余計なものがなくなって
満足のいく内容になっていました。
ですが、若いキャストの方々の取り組みがまだまだだったかな?
緑役はどちらの方も私はしっくり来ませんでした。
怒鳴る、叫ぶ、怒る…
気持ちのコントロールをうまく出来ていればもっと楽しめたかも。
そして、優役。
あのシーンが無ければ始まらないんですよ、
この話は。
なんだかなぁ。
前よりももっと素敵な作品になったはずなのに。
でも、川田早矢加という一人の人間が伝えたいことは
充分伝わり、私の心は満たされました。
大野清志さんのお芝居もまたさらにいい!
後は山崎じゅりさん、金林まりあさんは素晴らしかった。
また是非、初演、再演のゴールデンメンバーで
再再演をしてほしい。
この作品のおかげで、お恥ずかしいながらも、家族と向き合う後押しをさせてもらえました。
涙なしには語れない、この作品こそ、
私の求めていたものかもしれない。
川田早矢加さんの今後の作品も期待してます、
是非書いてください。
そして女優としても応援したい。
そんな人間性の出てる作品です。
ありがとう。
殿(しんがり)はいつも殿(との)
ポップンマッシュルームチキン野郎
シアター風姿花伝(東京都)
2014/09/18 (木) ~ 2014/09/29 (月)公演終了
満足度★★★★★
各賞総ナメ作品
「殿はいつも殿(しんがりはいつもとの)」は今年上演された
PMC野郎の作品の色々をギュッと詰めてキレイに整理して
ブラッシュアップされた濃密な出来栄えとなり、入団8年目に
して初主演となるCR岡本物語が扮した殿が切腹する事を
中心に見せたSFファンタジーコメディとでも言うべきか。
次から次へと畳み掛ける笑いの数々の先に、柔らかく
提示される夫婦愛の美しさは観る者の胸を揺さぶり
心鷲掴みにされる。一見バカバカしい設定の数々と見せて
よくぞここまで練られた秀逸な出来栄えの脚本と
それを具現化する俳優陣の上手さ。
登場人物が、6劇団最多であるのにスッキリしたキャラの
数々。圧倒的でした。今頃、絶賛収録中!頑張って欲しいです。
うぇるかむ to 死にたがりホテル
初恋企画
テアトルBONBON(東京都)
2014/09/25 (木) ~ 2014/09/28 (日)公演終了
満足度★★★★★
おもしろい
話の内容がとても面白かった。
それぞれのキャラクターも際立っておりとてもよかったです。
0120〜フリーダイヤル〜
ワイアールジャパン
シアターブラッツ(東京都)
2014/09/26 (金) ~ 2014/09/29 (月)公演終了
満足度★★★★
グレードアップ!
前回と、大筋は変わらなくとも、上演時間は短くなって
更に見応えのある舞台になっていました。
おじじとおばばのやりとりは、
何回みても泣けてしまいます。
若手の俳優さんが多かったので、
演技のクオリティや、作品に対しての愛情のようなものが
やはり少し物足りなかったな。
でも、この作品は色んなきっかけをくれるし、
処女作をここまで変えて来た川田さんに脱帽です。
次回作がもしあるなら、
必ず行きます!
アリはフリスクを食べない
青年団若手自主企画 伊藤企画
アトリエ春風舎(東京都)
2014/09/26 (金) ~ 2014/10/05 (日)公演終了
満足度★★★★★
縁が切れない家族
家族には家族にしか分からないことがあります。
ネタバレBOX
母親の死を機に知的障害者の兄を引き取った弟は、司法試験の勉強を諦め、障害者雇用に理解のある会社に兄とともに就職しましたが、恋人の父親に結婚を反対されたことで最終的には兄を施設に入れることを決意する話。
何が正解かは言えないとか、弟の恋人から関係を疑われた弟の幼馴染の女性が、ラストで兄に結婚しようかと言うなど、何か答を明示してくれてスッキリはしましたが、少し丁寧過ぎという感じもしました。
横島裕さんは存分に胡散臭さかったです。伊藤毅さんとのゴールデンコンビは、M-1とかキングオブコントに出ればいいのにと思わせるほどですが、今回はそこまでの絡みがなく残念でした。
流し台とか奥の部屋とか舞台装置も丁寧に作られ、上演の都度ホールケーキまるまる一個を使用するなどお金が掛かっていましたが、それに見合うだけの集客が無かったように感じられたのも残念でした。