
アジアシリーズ vol.1 韓国特集 多元(ダウォン)芸術『From the Sea』
フェスティバル/トーキョー実行委員会
品川区某所(京急沿線)(東京都)
2014/11/03 (月) ~ 2014/11/07 (金)公演終了
満足度★★★★★
ここ数年で最も刺激的な観劇体験(11.10追記)
ここ数年で最も実り豊かな観劇体験。
演劇の新たな可能性というものをとても感じられた。
いち観客としてもかなり面白かったが、
それ以上に作り手として非常に刺激を受けた。

爆弾魔メグる
あたらしい数字
インディペンデントシアターOji(東京都)
2014/11/07 (金) ~ 2014/11/10 (月)公演終了
【公開通し稽古】無題1294(14-343)
19:30の回(晴)、19:15受付、開場。今夜は「公開通し稽古(無料&台本付)」でした。
20人強のお客さん、「※衣装・小道具・音響・照明を着用、使用しない状態での上演」ということで舞台には椅子やテーブルに見立てた台があるくらい。
その素っ気なさは、ほぼ同じレイアウトで行われた「ツヤマジケン」に似ています。その時観た西山さん、駒沢ではデコトラに乗って暴れていた田中さん。
19:30佐々木さんの挨拶、19:32開演~20:58終演。
稽古なので評価は控えます。「対自核(名訳)」というアルバムタイトルがあり、そんな印象を受けました。
いくつかのエピソードが組まれていますが、全体の構成がややわかりにくかったように感じました(衣装や照明でわかりやすくなるのかも)。
登場人物の心情に共感できないところがあるのは個人的なこととして、ピエロの視線の先にある(いる)のは何(誰)だったのか。どうやって風船は膨らみ、最後はどうなるのか。

霊感少女ヒドミ
ハイバイ
ナビロフト(愛知県)
2014/11/02 (日) ~ 2014/11/03 (月)公演終了
満足度★★★★
悩ましいバランスのハイブリッド
率直に「こういう演劇もありなのか・・・」というのが第一の感想です。心霊モノとプロジェクトマッピングのどちらがありきで始まったのかは興味深いですが、いずれにしてもプロジェクトマッピングが馴染む題材なので、それは全く違和感無く楽しむことができました。
ただ、核心の芝居で別撮りのムービーを多用するのに少し首を捻ります。回想の雰囲気を出したり、背景やテキスト併用等のメリットがあるのは理解しますが、やっぱり演劇の醍醐味は、お話を「生の役者さんの臨場感たっぷりの演技」で味わうことだと思うので、その一番美味しいところをスポイルしている感は否めません。やや中途半端なものになってしまったのではないでしょうか・・・。
良く言えば、映画と演劇のハイブリッドとみるべきなのかもしれませんが、比重は再考すべきと思いました。
![ピーター・ブルック、マリー=エレーヌ・エティエンヌ[フランス]『驚愕の谷』](https://stage-image.corich.jp/img_stage/m/466/stage46615_1.jpg)
ピーター・ブルック、マリー=エレーヌ・エティエンヌ[フランス]『驚愕の谷』
フェスティバル/トーキョー実行委員会
東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)
2014/11/03 (月) ~ 2014/11/06 (木)公演終了

裏マン寄席in中目黒
劇団裏長屋マンションズ
ウッディシアター中目黒(東京都)
2014/11/03 (月) ~ 2014/11/04 (火)公演終了
満足度★★★
ゆる~い笑い
赤塚真人座長をはじめとした落語好きによる、落語二席、落語芝居二物語。全てがゆる~い笑いに包まれる。今まで観た劇団裏長屋マンションズの公演は、泣き笑いの人情物だったが、今回は徹底的に笑いだけ。わざとなのか定かではないが、台詞忘れ、噛み、トチリなど普通の芝居であればヒンシュクもの。しかし、この劇団だけは大目にみてしまう。それは、観客を大切にしていることが十分感じられるからだろう。
常連客に愛され、支えられていることは一目瞭然だ。そして、赤塚座長の樂日打ち上げ会の誘いに、その会場案内を手にして嬉々とした観客がなんと多いことか…このサービス精神が集客力の源と実感した。
次回公演は、少し違う劇風になりそうな説明であった。それはそれで期待しております。

7 Fingers『TRACES』
KAAT神奈川芸術劇場
KAAT神奈川芸術劇場・ホール(神奈川県)
2014/10/31 (金) ~ 2014/11/03 (月)公演終了
満足度★★★
ドキュメンタリー的サーカス
シルク・ドゥ・ソレイユ出身の7人による身体能力を活かしたパフォーマンスで、手に汗握るエキサイティングな技には引き込まれましたが、舞台作品としてはまとまりが無く感じられました。
エアリアル・ストラップ、ポールダンス、シアウィール、ディアボロ、シーソージャンプといった定番の演目にダンス的なアクロバットや芝居を織り混ぜたスタイルでした。パフォーマー達は普段着のような衣装で、サーカスにありがちなエキゾチシズムやファンタジー性を打ち出さずに現代の若者として舞台に立っていました。
プロフィールを自己紹介したり(日本語でした)、幼少期の写真が映し出されたりと、タイトルのトレースの通り、各パフォーマーの足跡を思わせる演出が盛り込まれていましたが、テーマを描くという程には力点が置かれていなくて中途半端に感じられました。
舞台の真上から撮った映像を背後の壁に映したり、舞台上でのインタビューにテレビ番組風にテロップを付けたり、舞台の外に出ていったパフォーマーの様子をライブ中継したりと、映像の使い方が興味深かったです。
撮影可、途中退出可、飲食可と説明する開演前のアナウンスもユーモアがあって楽しかったです(KAATのアーティスティック・スーパーバイザーである白井晃さんによるものでした)。

穂の国の『転校生』
穂の国とよはし芸術劇場PLAT【指定管理者:(公財)豊橋文化振興財団】
穂の国とよはし芸術劇場PLAT アートスペース(愛知県)
2014/11/01 (土) ~ 2014/11/03 (月)公演終了
満足度★★★★★
見事な集団パラレル会話劇
当初は、女子高生の本当にたわいもない会話が延々続くのかと思っていましたが、なかなかどうして深い話も多く、女子高生らしい稚拙な口調表現ゆえ、かえって感心してしまいます。繋ぎも巧妙で、まったく飽きさせない展開は見事でした。
21人のリアル女子高生(しかも半分は演劇初心者とのこと)は、しっかり鍛えられている印象で、普通の小劇場劇団員に見劣りしません。何しろ女子高生としては現役のプロ(笑)ですから、まったく違和感無く話を楽しむことができました。
本筋としては、人の生き死に、社会/人生における人の流れ・移り変わりの縮図を表現しているようにも見えましたが、私は未だ消化しきれずにいます。
過去に他でも何度か上演される演目のようですし、いつかまた別演出も見てみたいと思いました。

柚木朋子の結婚
studio salt
鎌倉/古民家スタジオ・イシワタリ(神奈川県)
2014/10/11 (土) ~ 2014/11/16 (日)公演終了
満足度★★★
内容と会場が合致し過ぎ
柚木家の長女・朋子が知的障害者と結婚すると言い出すが既婚の弟・妹は反対し…な物語。
会場である古民家の雰囲気と相俟って極めて日本的な印象、それも、外国人にはワカらないのではないか?というレベル。
あれこれ語り過ぎず、「そこはお客さんが自ら悟ってね」な脚本も日本的なのかしら?
で、細やかな家族の機微が浮き上がって来るものの、会場にハマり過ぎて逆に演劇公演らしからぬ「ナニカ」まで漂ってしまったような…。
あの脚本は、あの会場に合わせて書かれたものだそうだ。
なのであまりに「調い過ぎた」のではなかろうか。
乱暴な物言いをすれば、そういうのは映画の領域であって、芝居でやると邪道、みたいな。
思えば、σ(^-^)が今までに観た古民家で上演された芝居はチェーホフ作品、岸田國士作品、落語(を芝居にしたもの)など、どこかに「作り物」感と言うか、その場所にそぐわない要素があったのだ。
鳥公園の「おばあちゃん家のニワオハカ」にしても非現実的な要素があったのだ。
しかし本作は場所にしても時代にしても諸設定にしても、会場にあまりに合致「し過ぎて」、却って演劇らしさが薄れてしまった、みたいな…。
芝居自体は悪くなかったし、満足の行くものではあったのだけれど、どこかひっかかるモノがあったのは否めない。

裏マン寄席in中目黒
劇団裏長屋マンションズ
ウッディシアター中目黒(東京都)
2014/11/03 (月) ~ 2014/11/04 (火)公演終了
満足度★★★
ちりばめられてました
最初から最後まで笑いがちりばめられてました。落語×演劇でどうなるのか気になっていましたが、座長の赤塚さんを軸にお客さんを徹底的に楽しませようとするエンターテイメントでした。笑いが頭から最後までちりばめられてました。
最初、ぎくしゃくした印象を受けたのですが、テンポ良く流れてくると心地よかったです。

MEIDO IN HEAVEN
合同会社シザーブリッツ
サンモールスタジオ(東京都)
2014/10/28 (火) ~ 2014/11/03 (月)公演終了
満足度★★★★★
“他人”
舞台「MEIDO IN HEAVEN」の千秋楽…観劇
今日で3回目となりますが…
今回の舞台で印象に残った言葉は?と聞かれたら…やはり“他人”でしょうね。
直樹の言葉に対し、執事長が「“他人”という言葉だけは取り消して下さい!」というところは…涙なくしては観られませんでした。。😭
演技でグッときたのは、終盤に直樹が“他人”という言葉を言った瞬間…執事長がハッと顔をあげたところでした。

In The PLAYROOM
DART’S
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2014/10/31 (金) ~ 2014/11/09 (日)公演終了
満足度★★★★
スピーディーな話
時間が限られているストーリーなので、終盤になるにつれ焦りが出てきてより一層緊迫した演技でドキドキしながら見ました。状況を想像しながら見ているのでたまに話についていけないところもありましたが、それも見どころなのかと思いました。

不思議国家Q
点滅 舞踏
ザムザ阿佐谷(東京都)
2014/11/01 (土) ~ 2014/11/02 (日)公演終了
満足度★★★★
初めて舞踏を拝見しました。
良い機会を与えていただき感謝します。
見る前はおどろおどろしくて怖いのかな…?という印象だったのですが
びっくりするほどひとなつっこい愛らしさを感じてしまいました。(腹話術でハート撃ち抜かれました)
また、人間の動き、筋肉一つ一つをじっくり愛でる事が出来るなんて、
なんて貴重な機会(時間)なんだろうと感動しました。とても美しかったです。
そうか、美しいからじっくり見れると嬉しくなるのか…
観る側としての経験値が足らず、ストーリーや感情をうまく受け取ることが出来ませんでしたが
舞踏に興味がわきました。

愛を語る資格
ブートレッグ
Geki地下Liberty(東京都)
2014/10/30 (木) ~ 2014/11/05 (水)公演終了
満足度★★★★★
化学反応を起こした問題作!
少年犯罪の被害者と加害者、そして傍観者。
当事者でなくてはわかり得ない、心の葛藤を描いたこの作品は、
とても重いテーマを、ただ重いだけに終始しない“脚本と演出”、
そして、役者の“演技”とが化学反応を起こした問題作!
意外な結末では、さらに考えさせられることとなった・・・。
この“ブートレッグ”、これからの活動に目が離せない!

宇宙へのマーチ
タッタタ探検組合
赤坂RED/THEATER(東京都)
2014/10/30 (木) ~ 2014/11/03 (月)公演終了
満足度★★★★
施設が一瞬で・・・に!
時折出てくる現代社会を突っつく台詞はタッタタらしい。
しかしながら、2年間の施設内生活での話がいまひとつインパクトがなく伝わってこなかったのは残念!
舞台セットの転換は、やっぱりやってくれました期待通り!

カウラの班長会議 side A
燐光群
ウィルあいち(愛知県女性総合センター) ウィルホール(愛知県)
2014/07/25 (金) ~ 2014/07/25 (金)公演終了
満足度★★★★★
side Aという視点から
オーストラリアのカウラ捕虜収容所の集団脱走事件は、
日本で何度もドラマ化され、死ぬための悲惨な脱走が描かれています。
しかしオーストラリア側としては、その解釈に反論もあるようです。
捕虜たちは労働も免除され、自由な環境で厚遇されていた。
まさか死ぬために脱走を試みるとは思わなかった。
監視兵たちは予備役の再招集ばかりで、
しかも機銃陣地も日本兵の攻撃を受け被害が出るまで
発砲は許されなかったとか。
そうした状況を踏まえ、side Aというタイトルには、
オーストラリア側からの視点という意味が込められているのですね。
物語は、現代と当時の対比や、若者たちの感性の違い、
英語には字幕が映し出される演出などの工夫があり、
理解しやすくおもしろかったです。

メイツ! -ブラウン管の向こうへ-
劇団6番シード
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2014/10/29 (水) ~ 2014/11/09 (日)公演終了
満足度★★★★★
輝いてる
子供の頃テレビで歌ってたアイドル達を思いだし懐かしい気持ちになり、すぐに物語に引きずりこまれてしまった。
キャラクター一人ひとりの成長や感情が伝わって来て、時に楽しく、時に切なく、涙があふれてしまった。
歌とお芝居のバランスの良さが、とても心地よく本当に楽しい舞台!
まだまだ後3回観に行くぞ〜

泥の子
劇団 きみのため
劇場HOPE(東京都)
2014/10/29 (水) ~ 2014/11/03 (月)公演終了
満足度★★★★★
生きる望みと絶望!
そうそう、こういう芝居大好きです!
私には、大体群像もの=暗い、辛い、悲しい、切ないのである。
救いようのない絶望観を迎える度に流れるギター曲がそれをより感じさせる。
舞台セットに衣装ととても時代と戦後の悲惨な状況が良く感じられ素晴らしかったです。配役数も多すぎず設定が個性的で魅力的。
役者陣は見事に演じていました。

メイツ! -ブラウン管の向こうへ-
劇団6番シード
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2014/10/29 (水) ~ 2014/11/09 (日)公演終了
満足度★★★★★
ハマったー、、
期待以上の作品。特にアラフォー以上には、ハマるツボ満載です。
演者さんのパフォーマンスに感激しました。
ぜひ、ぜひ、池袋へ。

泣いた雫を活かせ
ねじリズム
OFF OFFシアター(東京都)
2014/11/02 (日) ~ 2014/11/09 (日)公演終了
満足度★★★★★
ギターほしいんです!!
バンドを組もうと考えた14歳の少年・大谷が、エレキギターを欲しいと思ったがために、周りに巻き起こしてしまう悲劇。
それを後悔していると、一度きりと思っていた人生を何度もやり直すチャンスに恵まれるのですが、なぜか無限ループから抜け出せなくなってしまいます。
その中で気づく大切な人の存在。
果たして大谷は、無限ループから抜け出すことができるのでしょうか?
そして、大切な人を失わずにすむのでしょうか?
この作品を観て、人生って、どこかで微妙に影響しあっているんだろうなと改めて思いました。
大切な人の手を離すな!同じものを見るんだ!という田仲先生の言葉が心に残りました。
劇中で大谷が客席に配る『ギターほしいんです新聞』が、何気におもしろいです。(柊吾さんの手書き?)

水の戯れ
森崎事務所M&Oplays
本多劇場(東京都)
2014/11/01 (土) ~ 2014/11/16 (日)公演終了
満足度★★★
階段
この舞台、1番印象的だったのは“階段”。舞台中央の物言わぬものが、なんともいえぬ風情を出している“まさに物を言う”前半ラスト・後半ラスト共に印象深い。そして話はリアルに人間臭い。愛というより“固執”のような気がする
だから一度生まれた疑惑はなくなることなく、心に抑えきれなくなるくらい膨れ上がる。その苦しさは愛情の中に憎しみを産み出す。そんな生臭い人の心がよく見えて来る。演出は見事だったが、話としてはあまり好きになれない作品だった。