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沈黙の春 світло

沈黙の春 світло

コンドルズ

こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)

2023/04/07 (金) ~ 2023/04/09 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

初日。
未見だったコンドルズ。
カッコ悪さがカッコいい。正直さがきっと自分らしさで、自分らしさはカッコ悪いのかもしれないけれど、それを受け止めて正直に生きるとカッコ良さに変換されることを目の当たりにした気分。
そして紛れもなく、カッコよく生きる方法は必ずあるのだと教えられて、それを探しながら生きようと思わせてもらえた。勇気を与えられた気がしている。

次回の埼玉公演は、妻の誕生日。連れていきたいな。

ナイゲン(にーらぼ版)

ナイゲン(にーらぼ版)

24/7lavo

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2023/04/06 (木) ~ 2023/04/11 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/04/08 (土) 14:00

価格3,800円

今年観劇の8本のお芝居の中で、1番!良かったです
演目選びはジャケ買いなところがあるので、大当たりというところでしょうか
劇場のキャパが100名で、土曜日ということで満員でした

何度も上演されている作品らしいですが、脚本シナリオが、恐ろしく練られてますね

ネットに大まかなあらすじが掲載されてますが、ほぼどうでもいいソースです

観られる年代で見方は変わりますが劇場に足を運んで頂かないと、真相は絶対見えません!

【追記】終演後、演者さんに声掛け出来るお時間があるので、シャイじゃない方は演者さんに一言掛けてお帰り頂くことも可能です

「キムンウタリOKINAWA1945」「OKINAWA1972」【4月6日(木)19時の回の公演中止】

「キムンウタリOKINAWA1945」「OKINAWA1972」【4月6日(木)19時の回の公演中止】

流山児★事務所

ザ・スズナリ(東京都)

2023/04/06 (木) ~ 2023/04/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

「OKINAWA1972」

素晴らしい脚本に唸った。
まさかの実録ヤクザもの。中島貞夫の『沖縄やくざ戦争』と松尾昭典の『沖縄10年戦争』を観ておいた方が楽しめる。笠原和夫の危な過ぎて映画化されなかった『沖縄進撃作戦』という脚本も御薦め。「これを製作したら俺が殺される」と東映の岡田茂社長がストップを掛けたガチ実録。この辺りの映画は、抗争を煽るとして当時沖縄では公開出来なかった。

伝説の空手家兇暴ヤクザ、新城喜史(よしふみ)、通称“ミンタミー”(目ん玉)。映画では千葉ちゃんが大友勝利まんまで演じた。とにかくヤマトンチュー(本土の人間)が大嫌い。「タックルせえ!タックルせえ!(叩き殺せ)」。
今作では甲津拓平氏が演ずる。

同じく伝説の空手家ヤクザ、又吉世喜(せいき)、通称“スター”(仇名のシターが訛ったものとされる)。未だに尊敬を集める男の中の男、リンチを受け生き埋めにされても自力で這い出して生き延びるなどのエピソードが多数、“不死身の男”と呼ばれた。Vシネでは小沢仁志が演っていた。
杉木隆幸氏が演ずる。

内部抗争の末、本土の山口組と手を組まざるを得なくなる上原勇吉。上原組は50〜60人、対する旭琉会は800人。勝負にならない戦いだが、延々と地獄の抗争を繰り広げた。映画では松方弘樹が踏ん張る。
演ずるは龍昇氏。

主人公的な立ち位置にいる語り部は日島稔。『海燕ジョーの奇跡』という小説、映画にもなった。演ずる五島三四郎氏は石森太二と町田町蔵をMIXしたような魅力。喋り口が朴訥で好感を持つ。上原組のヒットマンとして名を残した。

亀頭をペンチで捻り上げ切断されると云う、未だに誰の心にも残るトラウマリンチを受けた日島稔の弟分。演ずるは工藤孝生氏。やけに明るく能天気でこの地獄をエンジョイしてみせる。

この修羅地獄を生き延びてみせたのは富永清。演ずるは浅倉洋介氏。金城正雄の要素も混ぜているのかも。

エロい巨乳がいるな、と思ったら福井夏さん。流石に場をさらっていく。

佐藤栄作(塩野谷正幸氏)と若泉敬(里見和彦氏)が沖縄返還を巡り、ニクソン配下のハルペリン、キッシンジャーと極秘会談を続ける描写がサイドストーリー。

フィリピン人にレイプされて孕んだ子供を必死に育てた母親役、かんのひとみさん。彼女がある意味、今作の要。縫いぐるみの猫との遣り取りは美しい。読み書きが出来ない為、必死に勉強して字を覚えていく。

凄く好きなドラマ。こういう作品にこそ、神が宿る。
是非観に行って頂きたい。

ネタバレBOX

この話、どうまとめるのか心配になったがアメリカの属国としてろくに相手にもされていなかった現実で締めてみせる。(若泉敬は密約を暴露した後、自死する)。
沖縄密約暴露事件の元毎日新聞記者、西山太吉氏についても触れられた。

だが自分が求めたのはそこではない。純情を汚さず生きていこうと云う人々の秘めた願い。そこに何の意味も価値もないが、それが故に尊い。刑務所に面会に来る母親がどんどん字を覚えていく描写が美しい。ただ、それでも物語は終われない。何故、沖縄は今日まで苦しみ続けなくてはならないのか?

話題になった『新聞記者』も、安倍政権が生物兵器の研究施設のある大学を作ろうとしていると云うネタにどうも乗れなかった。何か違う。安倍政権(黒幕の『日本会議』)が憲法改正してまでどうしてもやらなくてはならないことを示すべきだった。『それは“戦争の出来る国”作り。敗戦国の汚名を払拭して、敗戦前の主権国家に戻すこと。敗戦国のまま、戦争回避を掲げたままではこの国に未来はない。戦争は一つの有力な外交手段であるが故』。善悪の彼岸に立つ、そここそを突いて欲しかった。

眼前に迫っている台湾有事、嫌でも選ばざるを得ない。
ブレイキング・ザ・コード

ブレイキング・ザ・コード

ゴーチ・ブラザーズ

シアタートラム(東京都)

2023/04/01 (土) ~ 2023/04/23 (日)公演終了

実演鑑賞

約2時間45分休憩15分含む。超面白かった。俳優がきびきび、伸び伸びと柔軟に交流し意味も思いも自然に立ち上がる。機知に富む長台詞もユーモアも夢見心地で堪能。緊張と弛緩も良い塩梅で、緻密な会話劇の鑑賞体験として最高。
理論に実践を伴わせること、言動に道徳的責任を負うこと、正しさ(正確性、正義)は絶対ではないこと…私もこの矛盾とジレンマを抱え続けなければ。抽象美術と具象の道具のバランス、人物をくっきり彩る上品な衣装も素晴らしい(美術・衣裳:山本貴愛)。暗転、転換も好みだった(演出:稲葉賀恵)。

「朱の鴉」+「月を殴れ」

「朱の鴉」+「月を殴れ」

ネコ脱出

新宿シアタートップス(東京都)

2023/04/06 (木) ~ 2023/04/09 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

人情味のある作品でしんみり心に刺さる作品でした。主役の女の子がやる気に満ちたポジティブシンキングな役の演技が上手く役者さんと噛み合っていて、とても素敵な役者さんでした。

班女

班女

餓鬼の断食

The SITE(京都府)

2023/04/08 (土) ~ 2023/04/09 (日)公演終了

満足度★★★

予約の客がまだ来てないから開演を伸ばしますというのは…結局来なかったし…時間どおりに来てる人に配慮はないの?最近なかっただけに、残念な開始
演目はかなり多くの劇団もやっているし、あまりにもランタイムが…コスパは悪い
前回までが良かったために、残念感が残った

「キムンウタリOKINAWA1945」「OKINAWA1972」【4月6日(木)19時の回の公演中止】

「キムンウタリOKINAWA1945」「OKINAWA1972」【4月6日(木)19時の回の公演中止】

流山児★事務所

ザ・スズナリ(東京都)

2023/04/06 (木) ~ 2023/04/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/04/07 (金) 19:00

『OKINAWA1972』を観た。面白い。(3分押し)109分。
 2016年に初演された作品を手直しして上演。初演も観ているのだが、初演とは違った面白さ、というか、初演より面白く感じた。沖縄返還前後の沖縄ヤクザのあれこれと返還に伴う「密約」という政治的側面を並行して描く。関連を示す、というのではなく、沖縄返還の2つの面を描いたという印象で、初演よりも整理されている感じを持った。妻役の伊東弘子の佇まいが印象に残る。
 前日にもう1作の初日が役者の怪我で中止になり、本作の初日を迎えた。

紙は人に染まらない

紙は人に染まらない

藤一色

OFF OFFシアター(東京都)

2023/04/06 (木) ~ 2023/04/09 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/04/07 (金) 19:00

80分。休憩なし。

ゆみこ、千里を駆ける

ゆみこ、千里を駆ける

あサルとピストル

小劇場 楽園(東京都)

2023/04/05 (水) ~ 2023/04/09 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/04/07 (金) 14:00

100分。休憩なし。

Call me Connect you〜交渉人遠山弥生〜

Call me Connect you〜交渉人遠山弥生〜

劇団6番シード

六行会ホール(東京都)

2023/04/06 (木) ~ 2023/04/09 (日)公演終了

映像鑑賞

満足度★★★★

しっかり編集した映像と生の舞台ではかなり違った感じになる作品かな。それぞれ面白いと思える。逆に定点映像はかなりな大画面でない限りちょっと残念な感じになるかな。
雰囲気が好きな作品。正直細かい整合性とかは考えるだけ野暮な気がする

ネタバレBOX

6千万は銀行の横領事件としては少額に感じる反面全額肩代わりしていたとすると逆にちょっとリアリティをかんじられなかった。3万円盗んじゃう子が6千万肩代わりって?。
いや、6千万は支店長が別口で横領か?でもそれなら女がちょいちょい抜いてる夜間金庫の金をわざわざ補填させることで別の人間を関与させるメリットって何かあるの?

同じ空間の上下にいるのに別々の場所が電話で繋がってる感が違和感なくしっかり伝わってくる。映像ならではの残念点は人数が多い上に似たような服装が(設定上当たり前だけども)多く映像をスマホで見るような場合は誰が誰だか混乱が起きやすい(50インチくらいは欲しいかも)男性銀行員と刑事の差別化は今ひとつ。DVDは6カメとなるようなのでかなり改善されると思われる
スピンオフの内容はかなり狂ってましたが本編の最後にエピローグで入れ込むので無くイベントのスピンオフとして一回のみ上演とはさらに狂ってるし個人的にはとても良いと思う。
Call me Connect you〜交渉人遠山弥生〜

Call me Connect you〜交渉人遠山弥生〜

劇団6番シード

六行会ホール(東京都)

2023/04/06 (木) ~ 2023/04/09 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

面白かった!
見た方がいいですよ!!
前説も楽しいので早めに着席しましょう。

ヴォイツェク

ヴォイツェク

せんすtheatre

AI・HALL(兵庫県)

2023/04/06 (木) ~ 2023/04/08 (土)公演終了

満足度★★★★

キレキレのダンスで始まる
ミュージカル的な要素を抱えながら、物語は進む
愛だけでは生きていけないし、かといって…世の中無情さを訴えていたような…
バランスが大切だけど、それもまた難しいこと

まだここは

まだここは

劇団CLOUD9

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2023/04/06 (木) ~ 2023/04/09 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

特別な事でも何でもない何気ない日常が実は様々に入り組んだご縁のもとに成り立っているということを改めて感じたお芝居でした。

ブレイキング・ザ・コード

ブレイキング・ザ・コード

ゴーチ・ブラザーズ

シアタートラム(東京都)

2023/04/01 (土) ~ 2023/04/23 (日)公演終了

実演鑑賞

 最近では、暗号解読がらみの作品は、パラドックス定数の
『Nf3Nf6』以来。今回の作品は、昨年、リバイバル上演された
『M.バタフライ』とモチーフ的に相通じるものがある。また、
舞台作品ではないが、サイエンスがらみでは、タイトルが似ている
『コード・ブレーカー 生命科学革命と人類の未来』は、
ウォルター・アイザックソンによる、ゲノム編集技術クリスパー・キャス9の
開発に携わった科学者ジェニファー・ダウドナが主人公のノンフィクション。

 辞書を引くと、"code"にはいろいろな意味があり、単に『暗号解読』
とはできないため、原題"BREAKING THE CODE"をそのまま邦題
『ブレイキング・ザ・コード』にしているのかもしれない。
アラン・チューリングはコード・ブレーカーとして描かれるわけだが、
"THE CODE"にメタファーとしてのコード破りの意味合いが
どれくらいの数込められているのかなども含め、観劇中でも観劇後でも
劇中に隠されたコード探しにトライしてみるのも一興。例えば、
"code"を"genetic code"ととれば、劇中に出てくるモミの実のかさの
螺旋の並びの数のパターンがフィボナッチ数になっている話も含め
生物の形態形成の話題や最後の場面にリンクするといった具合になる。
 また、天井からつり下げられ規則的に並んだ直管蛍光灯(LED灯)は、
作動音も伴って適宜オン・オフすることで、第1世代(真空管式)
コンピューターの作動を連想させるだけでなく、電気信号が
脳内神経回路に流れることで生み出されるイメージが
寄木細工模様似のパネル等のセットを含む舞台上に次々と
投影されそれを観る者が目の当たりにしているという幻覚をも
抱かせる心憎い仕掛けとみることもできる(もちろん、
脳=コンピューターというたとえが必ずしもあっている
というわけではないが)。

 ポーランドでマリアン・レイェフスキらが解読機ボンバを駆使して
軍の暗号解読機関ではじめてエニグマ暗号の解読に成功したものの、
そのアップグレードに伴い予算と人手が不足をきたしてきたため、
連合国と協同で事に当たることになり、それまでに蓄積したエニグマの
解読技術などのデータがイギリスのGCCSに提供され、これをもとに
アラン・チューリングらのグループは、エニグマ・コードの解析を
行った経緯がある。
 また、この作品で触れられていたか記憶が曖昧だが、
GCCSでは、他に、ローレンツ暗号を解読するための
電子式解読機『コロッサス』の開発なども行われていた
(エニグマ暗号では、機械式解読機『ボンベ』)。

 情報機関絡み(これ見よがしに紙の空袋を二度も靴で踏みつぶす
ジョン・スミスはMI5か)なのもスパイ小説の本家のイギリスの
知識人階級好みな気がする。ただ、ドイツ軍が誇るエニグマ・コードを
いかにして解読したのか、スリリングで面白くなるはずの肝心な部分が
ほとんど拍子抜けの扱いで、これを知りたくて観に来た方は肩透かしを
食らう(これも、観客の予想期待を裏切るという意味では、コード破りの1つか)。
もっと知りたければ、例えば、ベネディクト・カンバーバッチ主演の映画
『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』
などを観てくれということなのかもしれない。

 ところで、聴き違いなら大変申し訳ないが、確か、第一幕の
チューリングとノックスとの会話の場面での、チューリングのことば
「…物理学者が原子の分裂を発見したのと同じです。…」
での「原子」は「原子核」では?

 ちなみに、いささか心もとないが、わたくしの記憶が確かならば、
『ブレイキング・ザ・コード』はセゾン劇場との提携で
劇団四季創立35周年記念公演の一環として地方公演も含め行われ、
再演もあったか。今回は新訳だが、翻訳は吉田美枝さん、
演出は浅利慶太さん、アラン・チューリング役は日下武史 さん、
パット(パトリシア)・グリーン役は五十嵐まゆみ(岡まゆみ)さん
だったような。翻訳、演出、主演は、上記の『M.バタフライ』
と同じ方々。

ナイゲン(にーらぼ版)

ナイゲン(にーらぼ版)

24/7lavo

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2023/04/06 (木) ~ 2023/04/11 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

3回目のナイゲンの観劇ですが、キャストが変わると観え方がこうも変わるのかと発見ができたので、次の公演も楽しみです。

舞台「性年バイバイ。」

舞台「性年バイバイ。」

ユーキース・エンタテインメント

オメガ東京(東京都)

2023/03/28 (火) ~ 2023/04/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/04/01 (土) 13:00

価格4,000円

4月1日(土) 13:00
A班

ネタバレBOX

路上で弾き語りの少女、ビラ配りの兄、登場人物の顔見せと賑やかで趣ある冒頭。※前説は聞き取りにくい

少女・真希は芸能事務所の詐欺に遭い500万円を抱える。それを知った兄・聡は返済の為に大学を中退し、ウリ専の仕事に身を投じることに。この場面、妹思いの大変な決断ながら、激情でもなく嫌々でもなく、淡々と受け入れている感。この性格は後の展開に影響してくる。ウリ専の仕事と知らずに面接に訪れ、一度は逡巡するも店長・桜田から覚悟・偏見を諭され受け入れる。

先輩ケイタによる研修。飄々としたムードメーカーでありつつ、この仕事の大切な心構えを教えてくれる。研修は音楽を流しつつどこかダンサブルな見せ方。照明、薄手のカーテンの使い方も上手い。

本作は全員(悪役そうな者もおちゃらけてる者も)が各々の道徳や倫理観、矜持、プロ意識を持ち合わせている。そして多様化だなんだと言われている昨今でも、受け入れられずに拒絶し合う悲劇に繋がる。

聡以外にも高校の同級生であり親友・康雄の恋人・翔子=カナもまた風俗嬢なのだ。
その風俗店の同僚クッキー。人好きでおちゃらけているが本質が見えてる人。ある意味でケイタと対になる存在。店長(同系列で兼任)の落ち着き、面倒見も併せて職場が居場所として機能している。

聡=カケルの店にはショウというNO.1の先輩が。彼もまた過去のトラウマを抱えており、聡にとって大事な役割を担う。

さて、聡は勤め始めた初日に常連客・田端と出会う。聡を気に入った資産家の彼は高額な裏引き・愛人契約を持ち掛けるが、聡はそれは拒否し、通常の接客を行う。
田端はプレイ時の妖艶な眼差しと後の語らいの時のクリっとした瞳のギャップが凄い。
関係を深めながら、彼の住むタワマンにお泊まりコースに出向く。そして事件が起こる。

とあるゴシップ誌の編集部。そこには生真面目な新人記者・金子とスレた編集長・吉岡。
トー横問題を社会派の記事として取り上げたい金子に、掲載の交換条件としてスキャンダル取材が命じられる。
…対象は実業家の田端の男漁りの件。

その頃、康雄は翔子の風俗勤め(会社の先輩の情報、写真、不自然な通帳)に疑念を抱き、聡に相談する。自分の事情も打ち明けたいと考えていた聡だったが、風俗の仕事への偏見、拒絶を見せる康雄には説明出来ず仕舞い。

逆に打ち解けたショウからは過去の経緯(差別、同僚の自殺、母親)を聞き、共感、肯定と同時に偏見をする側への反発も静かに強まった瞬間でもある。

そして田端との夜。全てを手に入れている彼からも話を聞く。全てを手に入れている彼が得られなかった普通の生き方。それを隠す、埋め合わせる為に成功を得たとも言え、同時に虚無感に陥ってしまっているのだ。
聡は自分に正直に生きて来なかったことを実感。これもまた新しい自分と居場所、今の感情、流れを前のめりに肯定する事(偏見への更なる反発の裏返し)に繋がる。真に視野や器が拡がった事とは少し違う。それを見越したのか、自分が分からなくなってしまう危惧を田端から釘刺されるのだが…。

そして、そんな流れの時にタワマンでの田端との姿を激写、取材されてしまう。
後に金子は編集長への報告と同時に記者を辞めるつもりであることを打ち明ける。下衆い仕事オンリーかのような編集長から記者を志した動機や仕事とは何たるかの話を聞き、自分なりのケジメを付けることに。

一方でケイタとのお喋りから翔子=カナの風俗勤めを確信(ケイタがカナを指名してプレイしている事は気にならないらしい)する。
ここで全ての伏線、秘密が繋がってしまう…。

兄妹の心の通いあった会話、温かい両親の存在、アコギの歌が却ってその後の悲劇を予感させる。
刺激的な設定、シナリオの作品だが一つ一つの会話の仕上がり自体が抜群に良い。言葉と芝居に没頭していてふと気付くと気の利いたBGMが鳴っている。この選曲もまた抜群に良い。

ストーリーに戻る。
ケイタと翔子=カナのプレイ時についに察知した康雄が殴り込んできてしまう。店長、ケイタ、クッキーが見守る中で話をするも、話し合いにはならない。康雄は風俗への偏見で怒りと拒絶の言葉を吐くばかり。
更には聡=カケルまで(翔子が聡に驚かないのは謎)が駆け付ける。この流れでウリ専の仕事を明かすことになり、康雄は更に混乱と怒り。そのまま康雄と翔子は破局となる。

ゴシップ誌が発売。田端の男漁りの件が掲載される。田端は責任を取って会社を退任して旅に出る。破滅を淡々と受け入れながら、見失っていた自分の再起を語れる田端は人生経験と物理的な余裕もあるのだと思う。聡との違いの一つ。

雑誌は真希の手元にまで。真希からは仕事を止めるよう懇願されるも、意固地になっている聡には届かない。もちろん他に返済の手段がないという切実な事情もある(序盤の追い込みの電話もしつこかったしヤバい筋の相手なのかもしれない)
「お前が借金さえしなければ」
借金が発覚して大学中退を決めた時には淡々としていたが、ここで本音が出てしまった。自分の心を守る為にも偏見への反発を強い言葉で吐く聡。
雨の中飛び出す真希。

駆け付けた康雄と押し問答。
「こんなこと」「そんなこと」
良く使う言い回しではあるが、意図的に多用している。
「汚れ」「醜い」「汚い」
感情のコントロールを失い康雄の首を絞めるも、元々待ち合わせをしていたショウが現れて解き払う。

康雄からは消えろと。目の前から、記憶から。
妹と親友と断絶。
おそらく親バレもしているのだろう。
慕っていた田端も去ってしまった。
ショウは抱きしめてくれる。
良い雰囲気の新たな居場所もある。
でも埋め合わせにならなかった。
若い聡には受け止めきれなかったのだろう。
分かって貰いたかっただけなのに全否定。
康雄と真希も特に偏見が激しいというわけでもなく、2023年の今でも「普通」の感覚なのだと思う。勿論瞬間的な反応でもあるから時間を掛ければ解決したのかもしれない。何にせよ皆が若過ぎた。誰かが悪いのではない。

ノンバーバルの後日談的なカーテンコール。
和やかな日常、門出、引き摺る壁や傷、記念の写真。
見守っていた聡は靴を脱ぎ、笑顔で電車に…。
この結末を選んで欲しくはなかった。
こんなバイバイは。

センシティブな題材をどこにでもいる若者の内面の描写に落とし込めている。
私は性自認も性的指向もストレートであり、聡とは共有出来る所はないが、自分の中の普通ではない部分、人とは違っている悩みと照らし合わせ、聡に浴びせられる言葉、聡から吐き出される言葉が痛かった。
どんな人間にも当てはまり得る普遍的な物語。
言葉選び、音、光も含めた演出、役者の熱演と申し分のない素晴らしい作品でした。
ナイゲン(にーらぼ版)

ナイゲン(にーらぼ版)

24/7lavo

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2023/04/06 (木) ~ 2023/04/11 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

お気に入りの劇場のミラクルでの二度目の観劇です。この作品は何回か拝見してますが面白いですよね。内容もだいたいわかってるのに、演出や役者の皆さんの演技で毎回新鮮に見ています。今回も3年生と委員長良かったです。違うバージョンも期待です

まだここは

まだここは

劇団CLOUD9

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2023/04/06 (木) ~ 2023/04/09 (日)公演終了

満足度★★★

基本二人の会話劇
学校での友人 アルバイト先の先輩後輩 演者の男性と教師 自分自身の過去と未来 駅でたまたま会った二人 駅で偶然に会った先輩と後輩等々仕事帰りの疲れた😖💦頭にはこのシチュエーションは○○と理解する為に時間がかかるが、とても綺麗に時間が流れてゆく
今起こっていることは、人生の中で置かれている時間の一部でしかなく=まだここは 終着点ではないのだ
会話劇でテンポ良く進むが、何か物足りない

紙は人に染まらない

紙は人に染まらない

藤一色

OFF OFFシアター(東京都)

2023/04/06 (木) ~ 2023/04/09 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

いろいろ想像しながら、考えながら観れて良かったです。

ブレイキング・ザ・コード

ブレイキング・ザ・コード

ゴーチ・ブラザーズ

シアタートラム(東京都)

2023/04/01 (土) ~ 2023/04/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

劇団四季の1988年の公演では「暗号と道徳を破った天才の物語」という副題が付いていた。「道徳を破った」というのが適切かは微妙だが、この the code にはそういう二重の意味がある。そして資源の多くは後者の同性愛に費やされる。前者も暗号というよりはコンピュータあるいは人工知能についての展望である。エニグマ暗号については何だか難しそうだねという印象のみ、まあ当然。

主となるのは空き巣とそのときの男性の恋人の話でそれは段階的に進む。そこに研究所長とのやりとりや若い頃の母との会話、また破局した女性の恋人や別の男性の恋人とのエピソードなどが入ってくるのだが、テンポが良く適切に時代が前後し、時々のチューリングと人々の応対が面白く興味が途切れない。ところでチューリングは観光で行ったギリシャで言葉が通じなくても相手を見つけるのだが何かそういう場所があるのだろうか、見た目で同志だと分かるのだろうか……と考えていたら昔スポーツジムで見ず知らずのお兄さんに話しかけられたことを思い出した。気さくな人だなと思いながらも違和感があったのだが、もしかしたら仲間チェックをされていたのかな??

堀部圭亮さんの落ち着いたしかし重すぎない演技が印象深い。加藤敬二さんの飄々とした上司も味わいがある。もちろん亀田佳明さんのアスペルガー的な演技は真に迫っていて素晴らしい。

しかし面白かったという確かな感触はあるのだが振り返ってみてそのポイントを特定するのは難しい。ストーリー的なものではなく演劇としての魅力だったような気がしている。

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