最新の観てきた!クチコミ一覧

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鈴木さんチ

鈴木さんチ

劇団クロックガールズ

劇場MOMO(東京都)

2015/03/03 (火) ~ 2015/03/08 (日)公演終了

太陽になりたいな
とても面白かったです。
「お母さんはうちの太陽だから」という所が好きです。
私の母も同じ事を言ってました
家族はなんなんでしょうね?
嫌になっても捨てられない唯一のものですね。
テーマからブレない作品で最後までひきこまれました。
とても素敵な作品を見せて頂きありがとうございました。

Equal-イコール-

Equal-イコール-

赤星マサノリ×坂口修一

JMSアステールプラザ 多目的スタジオ(広島県)

2015/03/07 (土) ~ 2015/03/08 (日)公演終了

満足度★★★★

その手があったか!
台詞っぽい会話のやり取りの胡散臭さ、いかにも芝居っぽい演技。
なのにこの面白さは、何としたことだろう!

平田オリザに傾倒していた私はどこへ行ったやら。
観客席で自分の演劇観(大げさやん)がガラガラと崩れ落ちる。

初めて観に行ったお客にも楽しめて、芝居好きも唸らせる芝居ってのは、あんまりないと思う。 ヘタウマ演技の巧妙さにも、舌を巻く。
えっ、何?と引っかかった部分が、劇後半部で次々に解明されていく快感。
出来ることなら、もう一度見直して、うん、うんと再確認したい誘惑にかられる。

人は内心の思いは、案外口にしないものだ。
であるならば超リアルな芝居といっていい。本心はどこに?

徐々に解明されるそのプロセスで味わう奇妙な浮遊感。
そして、衝撃のどんでん返し!

ビデオなんかで観ても面白いかもしれないけれど、この空気感は生で見なきゃ。

ネタバレBOX

ヨーロッパ中世の古典劇かと思っていたら、クローン人間が登場する近未来劇だった。

もし、自分のクローンと対峙することになったら、やっぱりちょっと怖い。

おんなじ役を、二人の役者が交互に演じていく芝居ってのが、とにかく面白い。しかも、趣向だけじゃなく、観ていて面白く作るのは、創り手側は意外と手が込んでいる。ちゃんと芸術は細部に宿っているのだ。

アフタートークの話によると、ラストシーンではふたりの演者のどちらが死ぬ役かは、決めてないそうだ。偶然選んだナイフの印で決まるらしい。
演じる側の心臓のドキドキが伝わってくるような、対決シーンである。
GHOST SEED

GHOST SEED

カプセル兵団

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2015/02/26 (木) ~ 2015/03/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

どこでやっても質が高いぜ!
2回めの再演ということで、充実至極です。松下勇さんがとってもステキ!
このところ、ちょっと団員さん入れ替わってそこだけ心配です。ファンはみんなのファンですので...応援しておりますよ!!!初めての方はぜひ!オススメ劇団です。

独りぼっちのブルース・レッドフィールド

独りぼっちのブルース・レッドフィールド

ポップンマッシュルームチキン野郎

シアターサンモール(東京都)

2015/02/22 (日) ~ 2015/03/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

渡辺さんが出てどうなるの?と思ったが...
...いつも通りのPMCで安心。それにしても出世してきて嬉しい限り。「脇を固める団員さんがイイ!」の声もありましたが、同感。次回はチケット取れないんじゃないかと心配しています。

相棒の棒

相棒の棒

Peachboys

シアター711(東京都)

2015/02/24 (火) ~ 2015/03/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

シリーズ化されつつある!
初回観た時、何回続くか...みたいな感じですが、これは存分にシリーズ化と言えるでしょう。エヴァネタも好きなんですが、この頃、ちょっとだけマンネリ化も?まあ、同じテーマで長くやってるとそうなるかしら?次回は、大展開を期待しとります!!!

走るおじさん

走るおじさん

あひるなんちゃら

駅前劇場(東京都)

2015/03/05 (木) ~ 2015/03/09 (月)公演終了

満足度★★★★★

たまらない魅力がある!
駅前劇場は結構行ってる方だと思いますが、ステージがあんなに広いとは思いませんでした。青々とした公園の芝生の表現だったと思います。好物にしてます。最近、女性キャスト(若手 客演)のセレクトが好みというか、趣味が近い?過去公演音声、販売していただきました。存分に楽しんでいます。ごくごく強いて言えば、フライヤーの字が小さい。Loftでライト付き虫眼鏡購入して見ています。では、また!

走るおじさん

走るおじさん

あひるなんちゃら

駅前劇場(東京都)

2015/03/05 (木) ~ 2015/03/09 (月)公演終了

満足度★★★★

いつもながら
ゆったりした雰囲気、楽しいなあ、愉快だなあ、好きだなあ、よかったなあ。

トップノート ミドルノート ラストノート

トップノート ミドルノート ラストノート

ラズカルズ

サンモールスタジオ(東京都)

2015/03/04 (水) ~ 2015/03/08 (日)公演終了

満足度★★★★

厳しいご意見もあるようですが...
小劇場で、大受けするので有名な某観客さんが来てたので、うるさいかなあ~と思ってましたら、そうでもなかった。ということは、あまり笑うところがなかったことになる?いろいろ盛りだくさんを目指されて、ちょっとポイントがつかみにくかったかも?団体としての実力は言うまでもなく十分と思いますので、「これを見ろ!」とストレートに切り込まれては?前作は、なかなか好みでした!次作に期待大!!!

lifetime go round

lifetime go round

tubbing

キッド・アイラック・アート・ホール(東京都)

2015/03/07 (土) ~ 2015/03/07 (土)公演終了

満足度★★★★★

素晴らしい時間でした
舞台セットもほとんどなく、役者もひとりの舞台でしたが、
たくさんの場所、人々、時間の流れを観ることができました。
動きや表情、声色やしゃべり方で、何もなくてもここまで表現できるのかと驚きました。
ストーリーも笑えるもの、真面目なもの、感動的なものと、
同じ人が書いたとは思えないバラエティーに富んだ内容。
どれも面白く、笑って泣いて、引き込まれっぱなしのステージでした。
是非、たくさんの方に観ていただきたいです!

artificial emotion!!

artificial emotion!!

Reset Limit

上野ストアハウス(東京都)

2015/03/04 (水) ~ 2015/03/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

SFっぽくて、笑いと涙も...
作・演さんの潜在能力を感じさせる作品。単に笑わせるだけでなくて、「何か」をちょっと絡めた作品が、過去公演の中でも記憶に残っている気がします。団員さんは少し変動あるみたいですけど、実力は充分!マスダ・ヲサダ・岡田の客演陣もステキ!脚本さんは、書くだけでも身を立てられる?そしてバランスがバツグンです!次回も楽しみに致しております!

君が決めてよ明日のことは

君が決めてよ明日のことは

Moratorium Pants(モラパン)

渋谷の洋服屋 ARTON(アートン)(東京都)

2015/02/28 (土) ~ 2015/03/28 (土)公演終了

満足度★★★★★

Aプレ
日が経ってしまいましたが、2/28のAプレ公演を観てきました。
洋服屋ARTONの店内ということで、役者さんが目の前で演技されてるのが観られます。もうほんと目の前!役者さんの息づかいでの「演技」も感じることができます。そして自分もその世界にいるかのような錯覚をしてしまうほどです。
座る席によっては、その世界の一部として参加できるかたちになっていて、見てる人たちも一緒に楽しめます。
まさに「着れる演劇」

ヲガワササノさんは初舞台ということですが、初舞台とは思えないほどの堂々とした演技!役柄もぴったりで可愛らしかったです。
初舞台、初日という特別な日に参加することができて光栄でした。

何度観ても楽しめる演劇だと思います。また観に行きます。

忠臣蔵・OL編 /中山くんの縁談

忠臣蔵・OL編 /中山くんの縁談

渡辺源四郎商店

渡辺源四郎商店しんまち本店2階稽古場(青森県)

2015/03/01 (日) ~ 2015/03/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

演劇の醍醐味
街中で小劇場の芝居鑑賞!という期待通り楽しい空間であった。75分という上演時間はあっという間で、実にテンポの良い運びであった。何よりも役者のみなさん自身が楽しそうに演じていて、役者の汗が飛んできた。老優、宮越昭司、また、ベテランたちの存在感、若手出演者それぞれの巧さにたっぷり酔わされた。「日曜劇場」は楽しい試み、来週も再来週も観るつもり。

白魔来る-ハクマキタル-

白魔来る-ハクマキタル-

ラビット番長

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2015/03/05 (木) ~ 2015/03/09 (月)公演終了

満足度★★★★

Aキャスト
実際の事件をモチーフにしつつ、差別の問題も取り入れた作品、見応え充分でした!軍人役の悪態振りがいい役割をはたしていました。

めんたいぴりり~博多座版~

めんたいぴりり~博多座版~

博多座

博多座(福岡県)

2015/03/06 (金) ~ 2015/03/29 (日)公演終了

満足度★★★★

*
初日のみ大吉さんが出演ということで、観に行ってきました。

涙アリ、笑いは大アリ。
博多弁バリバリな台詞なので
福岡の人はより楽しめるという印象。

全公演に大吉さんが出演すればいいのにと思うぐらい
華丸さんと大吉さんのやりとりが面白かった。

ネタバレBOX

内容はドラマのダイジェストのような感じ。
ドラマを見た人でもそれを思い出しながら、楽しめる。

ドラマと違って遠い席だと華丸さんの面白い表情が見れないのがネック。
細かいところまで見るなら双眼鏡は必須アイテム。

舞台を見る前は主要メンバーの千代子役が
ドラマと舞台で違うのがどんな感じになるのかと思ってたけれど
違和感なく、イメージ通りの千代子で、とてもよかった。
シルク・ドゥ・ソレイユ「オーヴォ」

シルク・ドゥ・ソレイユ「オーヴォ」

CIRQUE DU SOLEIL

福岡ビッグトップ(福岡県)

2015/02/20 (金) ~ 2015/04/05 (日)公演終了

満足度★★

*
アクロバットに見てて手に汗握る場面もあれば
ユニークなパフォーマーに笑わされる場面もあり。
どの席からでも楽しめるという印象。

白魔来る-ハクマキタル-

白魔来る-ハクマキタル-

ラビット番長

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2015/03/05 (木) ~ 2015/03/09 (月)公演終了

満足度★★★★★

素晴らしい
内容も深く、迫力ある演技、演出どれをとってもすばらいものでした。
今年見た中では一番といえる舞台でした。

コロニー

コロニー

自由劇場

シアターD300(神戸大学国際文化学部大講義室)(兵庫県)

2015/03/06 (金) ~ 2015/03/09 (月)公演終了

満足度★★★★

卒業公演!迫力満点でした♪
女王が子供を産み、女戦士が戦い、男は生殖のためにだけ存在する蜂のように世界では、国(巣)同士の激しい争いが繰り広げられていた。

大人数での殺陣シーン。
ちょっとした小劇場さんよりは完成度が高く、迫力満点。

愛を知らない戦士、娘を思う女王、囚われの捕虜、婿候補、そして姫を慕う戦士…。
それぞれの思いが重なって、見ごたえのある卒業公演でした。

白魔来る-ハクマキタル-

白魔来る-ハクマキタル-

ラビット番長

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2015/03/05 (木) ~ 2015/03/09 (月)公演終了

満足度★★★★★

最後まで釘づけ!
小劇場ならでの臨場感、舞台セット、衣装、小道具なども含め、効果音など演出が繊細かつ、大胆。映像とは違ったリアル感がいい。
事件に当時の問題を絡ませた脚本も興味深い。
ラビット番長のまた新たな一面を観ることができ、幅の広さを感じた。

ネタバレBOX

第一の襲撃場面で血しぶきが障子に飛び散る場面は、映画やテレビではよく見かけられる場面だが、小劇場で観られるとは!
生まれた血まみれ赤ん坊もグロテスクで好み。
ラストのどんでん返しは予想できていたが、”エサ”が他にもいたのには想像を超えていた。こういう予想をちょっと超えた見せ方が”らしさ”なのだろう。
結びの庭

結びの庭

森崎事務所M&Oplays

本多劇場(東京都)

2015/03/05 (木) ~ 2015/03/25 (水)公演終了

満足度★★★★★

ミステリアスな愛情
嘘を言うつもりではないけど、全ての会話が本音とは限らない。成熟した知性はあっても真実を理解し合うまで男女の愛憎は複雑なのな。
久々の二枚目な役者宮藤さん見られて嬉しく、またある意味狂言回し的な玉恵さんも達者で可愛い、つーか全員良かった。
舞台セットは前回の「水の戯れ」のリサイクル活用みたいだったけど、「庭」と相まっていい雰囲気の部屋だった。
今回の岩松作品かなり好きw、面白かった!

蒲団と達磨

蒲団と達磨

サンプル

KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)

2015/03/06 (金) ~ 2015/03/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

居心地の悪さが、ぶすぶすっと、燻るように劇場に充満する
例えば、聞きたくもない他人の込み入った話を聞かされているような、そんな感じ。

岩松了さんとサンプルの組み合わせは、あまりにも良すぎて、気持ち悪い、が増幅された。

ネタバレBOX

岩松了さんの初期の戯曲をサンプルが上演するという。

で、戯曲の完成度には驚いた。
一見、なんのことはない台詞だけなのに、見える景色が違うのだ。
たぶん、演出として、特別に台詞などに手を加えてないだろうと思うのだが、言ってしまえば、なかなか気持ちの悪い作品である。

松井周さんが、岩松戯曲の気持ち悪さをうまく取り出したのかもしれないが、その根底に流れている気持ちの悪さ、居心地の悪さは、戯曲本来の持ち味だろう。
さすが、岸田國士戯曲賞を取った作品だと思った。

主人公の夫は生物の先生。
娘の結婚式後の深夜から早朝までの話。

主人公の若い後添えが、家を出てアパート暮らしをしたいと言い出したらしい。
それを止めようとしているところではあるのだが、どうも積極的に止めているふうでもない。
「行かないでくれ」と懇願するわけでもなく、歯にモノが挟まったような、遠回しな感じなのである。

どうやら、いわゆる「夫婦生活」にナニかがあるらしいのだ。

そのもぞもぞした感じが充満する、夫婦の寝室に、結婚式に出た夫の妹や、妻の弟夫婦、夫の友人たち、さらにこの家に住み込んでいるらしいお手伝いさんが出入りする。

夫はタイトルにあるように、布団の上に達磨のように座り込んでいる。
夫婦間の話に、他人が入り込む形になってしまうのだが、夫はなぜだかそれを厭わず、彼らに酒を飲もうとまで言い出す。

今読んでいた新聞を「これは夕刊じゃないな」と言い出して、妻との会話につなげようとする、下手くそな会話能力が、この夫の姿なのだろう。
上手く言えないし、コミュニケーションが下手すぎる。

妻のほうも、「路地の先にアパートが」「朝になると路地を人が通って」みたいな話しぶりなのだ。

全編、夫が、一体何言いたいのかが、判然とせず、それを聞かされるほうは、困惑しつつも、適当に相づちを打つばかり。

そういう、きちんと相手の話を聞いていない会話、「いいお天気ですね」的な、内容のほぼない会話が舞台の上にあり、それが実に気持ちが悪い。普段我々がしている会話の大部分が、たぶんソレなのだが……。

冒頭の夫婦の会話は、ぼそぼそしていて、空間が広くて、その広い空間に、独特の居心地悪さが広がっていく。サンプルらしい空気感だ。

夫を古舘寛治さんが演じる。その時点ですでに怪しいし、気持ちの悪さが漂ってしまう。

夫が達磨のように座り込む布団の下には、夫の性癖の一端が隠されていた。
なるほど、これが後添えとの溝を生んでしまったのかと思わせる。しっかりと見せることはないのだが、色合いとか、そんな感じで観客は察してしまう。「ははぁ〜ん」って。
また、いきなりポラロイドで後添えを撮るあたりにも、それがうかがえるのだ。

ひっとしたら、他人を自分たちの寝室に留めおこうとすることすら、それなのかもしれなかったりして。妻の前の夫を同席させるなんて、まさにそうかもしれない。

夫は自分のそうした性癖を性急に妻に迫ってしまったのではないか。
持ち前の口下手さ、コミュニケーション能力の低さで。

妻は「勉強がしたい」ということを家を出る口実にしている。
夫婦間のことなので、当然「何が原因か」は2人の間では判明しているのだろうが、夫の性癖の押し付けも、言葉少なで、というか、何も言わずに迫ったのだろうから、そのことは「なかった」ことのように、2人の間では扱われているようだ。

当然わかっているのに、建前でのやり取りになっている。
「何の勉強をするんだ」「フランス語とか」というような。
しかし、時折、「回数なのか!」的な発言(確かそんなこと)が爆発するあたりが、やっぱり気持ち悪い(笑)。

古舘寛治さんだからこその、この夫である感じがなかなかたまらないのだ。
キャスティングですでに成功が決まっていたと思ってもいいぐらいだ。

妻の弟夫婦は、頭が明らかにおかしい。2人の間だけのつながりがあり、そこから外との関係が歪なのだ(夫婦間も歪ではあるが)。
しかし、彼らだけでなく、全体的に、とても不穏な空気が流れている。

弟夫婦の、弟が言っていることはどこまで本当なのか、妻もウソをついていることが観客には明らかになったところで、背筋がひやりとした。
あのタイミングで「金貸してくれ」はないだろうに。

お手伝いさんも男を連れ込んでいるし、そのお手伝いさんが盗み聞きしているのだろうと思っている夫のことも、夫の友人たちも、微妙な空気。
夫の妹も、妻の弟の嫁に対して、何かある。
妻の前夫が登場するのも異様だし。

妻が困惑するのもわかる。
夫は「夫婦生活」に問題があるのではないか、と思い込んでるだけで、実は、それだけではなく、すべてにおいて、気持ちの悪さが妻には感じられての、家を出る、という決断ではないのか、と思えてくる。

介護が必要な夫の母が、奥にいるという感じも、舞台に、じんわりと効いている。

物語の中心にある夫と妻の関係がグラグラと不安定なだけではなく、登場人物たち全員が、どこか不安定なところに立っていて、グラグラしながらそこにいる。
小さな悪意と不安定さ。
その不安定さの中心は、やはり、達磨である夫だ。

達磨って、起き上がるけれども、ちょっと触れただけで、グラグラしてしまう。
そのグラグラの波動が全体に波及していくことで、物語の気持ち悪さが増幅されていく。

波動は観客席まで流れ出て、とても居心地が悪くなっていくのだ。
マイクロバスの運転手の痛むお腹のように、牛乳飲めば治るかもしれないのに、牛乳がない。

時折、それらの不安に中で、小爆発が起きる。

一家の知り合いの1人コンちゃんが夫の妹に迫ったり、妻の弟の癇癪だったり、コンちゃんの「よいとまけ」の歌だったり。
それが物語に独特のリズムを与えている。

布団が敷かれている夫婦の部屋の狭さがいい。
そして、ポツンと立っている庭木のバランスもいい。
根元が白く、寒々しく立っている。

表立って何か言うわけでもないのに、会話の背景が見えてくる。
そして、その居心地悪さの空気が伝わってくる。

それは、別に聞きたくもない、他人の込み入った話を聞かされているような、そんな感覚だ。
特に、夫婦生活とか。
そんなうまさが戯曲と演出にあった。

岩松了さんとサンプルの組み合わせは、良すぎる。
良すぎて気持ち悪い(笑)。
この組み合わせ、また観てみたいと思った。

役者は、夫役の古舘寛治さんは、いつものとおりなので、それが見事だったのだが、それに対する妻役の安藤真理さんの、姿勢が崩れない感じ、つまり身体の姿勢ではなく、心の姿勢というか、それがしっかりとしているからこその、古舘寛治さんの夫が際立つという夫婦役の噛み合い方がとてもよかった。
妻の弟の嫁役の野津あおいさんの、少しほろりと崩れたような脆い佇まいもナイスであった。印象として、客席にはほぼ背中だけしか見せていないので、横座りな感じが病的さを醸し出していた。


フライヤーのイラストはいがらしみきおさんが描いたものだ。
観劇後に見ると、ひっくり返った洗面器に、ポラロイドから牛乳パックまであり、舞台のセットそのもので、見事に、この作品の世界であった。

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