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ただお前がいい・・・

ただお前がいい・・・

劇塾!S.W.S

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2015/04/11 (土) ~ 2015/04/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

昔のドラマを思い出しました
ヤクザには関係ない青春ドラマだったけど、中村雅俊の曲から昔のドラマを思い出しました。

懐かしい。

とってもいいお芝居でした。

ネタバレBOX

詳しくは、自ブログに書きました。

http://ameblo.jp/gooharuhide/entry-12013857309.html
「空翔ける雷鳴の夜に」-再演-

「空翔ける雷鳴の夜に」-再演-

GEKIIKE

シアター風姿花伝(東京都)

2015/04/10 (金) ~ 2015/04/20 (月)公演終了

満足度★★★★

難しいチーム名...「霹靂神(はたたがみ)」の下に集いし若者
登場人物はそれほど難しくない。どちらかと言うとストレートな性格の持ち主ばかりだろう。
さて、公演はイケメンを揃えた青春群像劇...その観応えある演技は、もちろん”よさこい演舞”である。見所は2回で、主人公がその魅力にとりつかれた場面、もう一か所は...、

主人公が絶望の淵から立ち直るという設定であるが、その絶望した内容に切実感がない。真面目に考え、生きようとすれば多くの若者が経験する就職活動...それが自殺の動機としては弱い。

ネタバレBOX

主人公は面接どころかエントリーシートの段階で不採用通知がくる。自殺を考えるが、その決心もつかない。そんな折、原宿の”よさこい祭り”で見た演舞に憧れた。しかし、既に団体は解散しており、紆余曲折の末、自分がリーダーになり、”よさこい祭り”にチャレンジ枠(賞の対象外)で出場を果たす。その若者の成長過程を描いた青春ドラマの王道作品。脚本は予定調和であるが、やはり”よさこい演舞”は迫力があり、男の色気を感じさせる。そう言えば、女性客の方が多く、終演してから有料パンフレットにサインをもらっていた。
制作はストレートであるが、演出・演技は観せる、そして魅せるという手堅さがあり、楽しめた。細かい点...例えば、あんなに多くのコンビニ場面の必要性や先に記した主人公の挫折動機の弱さはあるが、それを凌駕する面白さがあり、再演も頷ける。
次回公演(新作を希望)も楽しみにしております。
Re:Union

Re:Union

K-FRONT+

武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)

2015/04/11 (土) ~ 2015/04/14 (火)公演終了

満足度★★★★★

大迫力
映像・照明がうまく利用され、映画以上の大迫力の舞台
そして、お芝居が、それ以上の大迫力
和興さんのお芝居が大迫力で、心に響きました。

『スカイ』 次回ノーチラスは7/24(金)~29(水)

『スカイ』 次回ノーチラスは7/24(金)~29(水)

シアターノーチラス

シアター711(東京都)

2015/04/08 (水) ~ 2015/04/12 (日)公演終了

満足度★★★★

本当に奇妙な群像劇
社会人サークルを通してみた人心の影のようなもの、またはサークル内での人間関係など、自身も含めたパラノイアを描いた物語。
舞台セットは、上手に「UFO」を呼ぶための「塔」のようなオブジェが作られ、小高い丘に立たせている、というシチュエーションは雰囲気があった。

ネタバレBOX

「UFOを呼ぶ会」というサ-クルに集う人たちとサークル主宰者の思惑が交錯する。サークルという仲間を通じて自身が抱える悩みからの逃避、人的交流で解消させたいと願う気持ち。一方、主宰者はサークル会費徴収という金銭欲に目が眩み詐欺まがいの行動を起こす。
序盤は緩いテンポから段々とテンポアップしていく。その間に登場人物の性格付け、家庭環境・状況、過去事件への苦悩などが説明され、”UFO”という虚実を絡めた人間関係を浮き彫りにしストーリーを膨らませながら展開させる手腕は秀逸であった。
主筋か脇筋か判別できないが、苛めの問題も内在させている。主宰者が詐欺まがいの出来事に信憑性を持たせるために呼んだ男...実は小・中学時代に主宰者を苛めていたが、今は逆転した立場になっている。苛める側にいても、その行為によって友達が離れていくという、妙にリアリティのある説明は面白かった。
そして、結末...サークルにいる元カレを探しにきた女性を口論の末に刺傷する事件を起こす。少し急展開であったが観応えがあった。
なお、主宰の詐欺まがいの言い訳に、国家も国民に対して”幸福にする”という名目で税金を徴税していると...論理のこじ付け、強引という印象である。公演に対して社会性という世界観の広がりを持たせたかったのだろうが、白々しい台詞の羅列になったのが残念である。

次回公演も楽しみにしております。
「空翔ける雷鳴の夜に」-再演-

「空翔ける雷鳴の夜に」-再演-

GEKIIKE

シアター風姿花伝(東京都)

2015/04/10 (金) ~ 2015/04/20 (月)公演終了

満足度★★★★★

泣いた…!
友人に勧められて観に行きました。ざっくり説明するなれば「若者の青春群像劇」。だけど、随所に散りばめられた現代の問題(不況や就職難、若者の無気力感など)を、1つの物語に綺麗にまとめられている。最後にはスカッとする舞台でした。
他の方がかかれているコンビニ店員は、私は全く気にならなかったです。この職業の人に失礼だとかいい始めたらどの作品にもそんな描写はある。誇張し描くもの。演劇とはそういうものだから、気にせず頑張ってもらいたい。

ディスプレイ

ディスプレイ

ボクらの罪団

萬劇場(東京都)

2015/04/07 (火) ~ 2015/04/12 (日)公演終了

満足度★★★

怖い・・・
テーマはいろいろと有るのでしょうが・・・

「風も銀河もどっどどゴゴンどどうどゴーゴー」・「けんじとケンジと億年兆年億兆年2015年」

「風も銀河もどっどどゴゴンどどうどゴーゴー」・「けんじとケンジと億年兆年億兆年2015年」

チームホッシーナ

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2015/04/08 (水) ~ 2015/04/12 (日)公演終了

満足度★★★

宮澤賢治を
芝居にするとこんな感じになるのかなーと思った芝居でした。

カムサリ

カムサリ

ニットキャップシアター

座・高円寺1(東京都)

2015/04/09 (木) ~ 2015/04/12 (日)公演終了

満足度★★★

古事記の舞台を現代日本に移し替えた意味があまり感じられず。。。/約90分
 大勢のキャストが喋ったり、走ったり、踊ったり、もつれ合ったり、広い舞台のあちこちで色んなことを同時多発的に行い、それを生の楽器演奏と色鮮やかな衣装が盛り立てる、目と耳に楽しい舞台。
 初見の団体だったが、その芸風には面白味を感じた。

 ただ、人物の行動を他の役者が生ナレーション(?)で説明する演出が最初から最後まで続いて少々うるさく、また、盛り込まれた沢山のエピソードを上手く統合できていないため、全体にとりとめのない印象あり。
 
 うち2つのエピソードは古事記にある有名な2つの話を原話とし、それらが現代日本の団地を舞台にどう展開されるのか、私はそこに最注目して鑑賞したが、その観点からも残念な出来映え。

 作・演出家は古事記中のエピソードを現代の日本を舞台に描き、古事記の普遍性を主張したかったのであろう。

 だが……。

ネタバレBOX

 古事記の人物に境遇の似た団地民らが夢(?)の中で古事記とほぼ同じ体験をするというのでは、舞台を現代日本に設定した意味があまりない。
 願わくば、古事記のエピソードを現代日本でも起こりうるストーリーに置き換えて欲しかったところ。
 古典を現代劇に変奏した一例として『近代能楽集』があるが、あれに勝るとも劣らない翻案の腕を見せて欲しかった。
30光年先のガールズエンド

30光年先のガールズエンド

The end of company ジエン社

早稲田小劇場どらま館(東京都)

2015/04/08 (水) ~ 2015/04/12 (日)公演終了

満足度★★★★

客席に関係者が多かった。
微妙な人間関係を読みつつみる作品。そういう意味で、もう一度観たい。力作です。

転人

転人

劇団メイカーズ

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2015/04/08 (水) ~ 2015/04/12 (日)公演終了

満足度★★★

盛りだくさんな芝居で・・・
ドタバタ感が強く感じられました。まあ、色々なシーンが見れてそれなりには楽しめましたが、主人公にはいまいち同調出来せんでした。

追憶のアリラン【ご来場ありがとうございました!】

追憶のアリラン【ご来場ありがとうございました!】

劇団チョコレートケーキ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2015/04/09 (木) ~ 2015/04/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

これだけスキなく出来た作品は...
相互の立場の違いや心情が複雑に絡み合って、目が離せないまま終演した感じでした。浅井さんに泣かされちゃった!ハンカチが必要な作品は(知っている人が少なくなったが、昔の『ぴあ』には、そんな作品にはハンカチのアイコンがついてました)あらかじめ教えて下さい!!! 当日パンフレットにあったように、相互が理解しあえて共栄できる日が来ることを祈りたいです。ぜひ、ご覧頂きたい。

バンファイパヤナーク~2015年篇~

バンファイパヤナーク~2015年篇~

あぁルナティックシアター

駅前劇場(東京都)

2015/04/10 (金) ~ 2015/04/14 (火)公演終了

満足度★★★★

前作とのつながりがわかったので...
これだけだと、ちょっとわかりにくいかも知れない。当団体としては、ちょっと謎解きが複雑かも?

追憶のアリラン【ご来場ありがとうございました!】

追憶のアリラン【ご来場ありがとうございました!】

劇団チョコレートケーキ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2015/04/09 (木) ~ 2015/04/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

最高の舞台でした
出演者の方から薦められて、今回、こちらの劇団さんの舞台を初めて拝見しました。
全てにおいて素晴らしかった!
脚本も、舞台セットも、役者さん達の演技も。。。
2時間以上の芝居にずっと入り込んでました。

ディスプレイ

ディスプレイ

ボクらの罪団

萬劇場(東京都)

2015/04/07 (火) ~ 2015/04/12 (日)公演終了

満足度

長すぎ……
正直つらかったです。

機械都市には風が吹く

機械都市には風が吹く

劇団回転磁石

シアターシャイン(東京都)

2015/04/10 (金) ~ 2015/04/12 (日)公演終了

満足度★★★

矛盾だらけの感想でごめんなさい。
観客と密なこの劇場の特性をあまり考えていないなぁと思ってしまいました。混沌とした物語の混沌としたセリフが『間』もなく進み、少々しんどかった。いろんなお芝居の断片がアタマを過ぎってしまいながらも(笑)役者さんはどの方もみな魅力的でしたし、なんだか悔しかったので次回作も必ず観に行こうとおもいました。

長井古種 日月

長井古種 日月

あやめ十八番

d-倉庫(東京都)

2015/04/09 (木) ~ 2015/04/14 (火)公演終了

満足度★★

久々に地元にて観劇
気になる内容だったので、観劇。

ちょっと話の内容が薄っぺらかったのがなぁ...

生演奏も素敵でしたが、薄っぺらいものに厚みを出そうとしていたのが逆効果でした。ミスマッチ?が狙いならば理解もできますが、いたって本人たちは内容に沿わせようとしていたので、もっと遊んだり冒険したりした方が演出的にも音楽的にも良かったと思いました。

ご無沙汰してます。

ご無沙汰してます。

月刊「根本宗子」

BAR 夢(東京都)

2015/04/04 (土) ~ 2015/04/12 (日)公演終了

満足度★★★★

千秋楽
最後のA/B/Cの3連荘公演観ました。
もうお腹いっぱいです。
まぁそれにしても役者さんの個性で作品は大きく変わってしまうことを体感できました。
音楽とかもそうですが、いろんな要素が相まって一つの作品になるので、なるたけ体感しないと本当のお芝居は面白くないかもしれないですね。
とにかく楽しかった。

長井古種 日月

長井古種 日月

あやめ十八番

d-倉庫(東京都)

2015/04/09 (木) ~ 2015/04/14 (火)公演終了

満足度★★★

お初でした
会場がd-倉庫だったので、行くのに躊躇しましたが、何とか間に合って無事に観劇。

生演奏に、結構な人数のキャストさんでしたが、初めてのあやめさんと言う事で、あまり勝手がわからず。

役者さんの中には結構上手い人もいましたが、全体的には吸収しきれぬまま終わってしまった感じ。

ネタバレBOX

終わってから、ストーリーを紐解くと結構チープな感じだったのかな?
これが受け入れられないと、観ても面白くないのかな?
闇のうつつに 我は我かは

闇のうつつに 我は我かは

演劇集団 Ring-Bong

サイスタジオコモネAスタジオ(東京都)

2015/03/28 (土) ~ 2015/04/05 (日)公演終了

満足度★★★

戦争は青春を描く禁断のキャンパス
まず一般論から。「戦争」を描いているようでいて、それが話を盛り上げる背景、あるいはドラマの従属品に過ぎないような作品は数多ある。無益で非合理な戦争の実態をあぶり出す「意図」はあっても、時代を生きる「人間」は美しく描きたい、人間を信じたい、己の祖先を悪し様には描けない・・こうして戦争の「醜悪」と掛け離れたファンタジーに収まる、というパターンも多々あるだろう。書き手の「良心」は疑わないけれど能天気にしか思えない「よくあるパターン」の一つは、十五年戦争や戦争体制の時代を想起させるキーワードを織り込み、あとは観客の中にそのイメージが滲み出すにまかせるやり方。観客は何となく厳粛な気分にさせられる。「それも有りでは?」と思われるかも知れない。だが「先の戦争」や「戦前」に対する既にある社会的記憶にオンブして、自身の「解釈」が語られないのは何も語っていないに等しい。しかもそれは現状を追認する行為にとどまっている意味で、ある見方からすれば害悪だと言えなくない。
日本での「戦争」に対する最大公約数的なイメージは原爆、空襲、食糧難といったもので、確かにこの社会的記憶を折々に喚起することは、人の命に厳粛な思いを至らしめる時間の提供という意味はあるだろうし、現状では最善だと考える道筋も分らなくない。だが「被害」に偏った社会的記憶を誘引するだけでは、変化は起こらない。
そもそも戦争を忌避する理由は「殺されない・苦しまない」事のためでなく、まず「殺さない・苦しめない」事のため、であるべきだ、と思う。後者を理由としてはじめて、かつての日本が「被害を受ける」前に行なった累々たる「加害」が無視できなくなる。敗戦直後の日本人は戦争に「負けた」責任を為政者に問うた。無策を問責したのは良いが、では勝っていれば良かったのか。いずれにせよ日本は敗北を抱きしめて戦後を歩み出した。心地良い「被害の歴史観」に浸ってきた日本人だから、自国の行なった非道の事実を否定する論は今、相変わらず喧しく、また罷り通っている。
例えば、演劇をやるために「戦争」を語るのか、戦争を語らざるを得ない状況だから演劇を手段に選んだのか。二つは似て非なりといえども、同一創作者の中では折り重なり同衾していることだろう。
しかし戦争を語る芝居を見るとき、私はこの点を見極めずには居られない。で、恐らく、的確な評価眼を持つ人はそこに演劇の質がかかっている事を見抜くだろう。
そこだけ整理しておきたい。‥戦争は「事実」に属するが、ドラマにとってはその深刻さに価値があり、しばしば利用される。そしてその重みは「事実」である事に裏付けられている。ただ、現在「事実」は公然と揺るがせに遭ってもいる。また演劇も、必ずしも事実でなくとも「事実という事にして」仮想の話として楽しめてしまうエンタメの要素を持っている。「戦争」に関わる事実の場合、事の性質上、当然ながら事実性が重要になるが、エンタメの成立のために「戦争」が消費されるに等しく扱われる場合でも、批判を覆して余るだけのメッセージ性、感動のある作品になっているかの評価の秤にかけ、「事実の裏付け」の欠陥を不問にできる場合もきっとあると思う。だが「事実」である事の重みに着目してドラマに活用するのであれば、事実の真偽、その意味、それらに対する解釈を、せずに過ぎやることは許されないと思うのだ。
長大な前置きになったが、今回の「闇のうつつに」は如何。

ネタバレBOX

良質なドラマである、とは言える。行き別れた愛する人との再会物語に、戦争という時代背景の描写を重ね合わせた。冒頭を見損ねてしまったが後で解説を聞き、唐突に思えた終盤の展開がきっちり序盤の伏線を解消する部分であった事も判った。総合して、「再会」という奇跡を遂げる希望の話、ハートウォーミングな話としてまとめられる。ある小さな美術館の女性館長の母(画家)が遺したという灯籠の絵が、新聞に掲載され、それを見たという老人が訪ねて来た。やがてその老人の若き日、池袋モンパルナスと名付けられた住居での暮らしの場面が出現する。画家夫婦、その兄妹、画家の弟子(若い青年=後の老人)、演劇人、絵のモデル、といった人物が出入りしている。この場面での主役は画家夫婦で、当局からの依頼で冊子に挿絵を描く事になり、確実な収入を得る「妻」は「人の役に立てる」と喜ぶ(正当化する)。妻に絵を教えた夫は格上だが「描きたい絵」にこだわる自由人、放蕩の素質も滲む。この大画家に弟子入りした青年は、秘かに妻への憐憫、好意を抱くという構図。ここでは芸術に勤しむ者の苦悩、また思想、そして戦況を伝える会話が重ねられる。
一方現代は「灯籠流し」の準備に忙しい美術館の館長と二人の職員、そして老人。そんな中、老人は、館長が「過去」に登場する画家夫婦の間に生まれた娘だと知る。再び思いは過去へ。・・戦争の激化、空襲。劫火の中「妻」は倒れた夫を見捨てて逃げる。敗戦。‥出征していた青年(弟子)が復員し、吹きさらしの元モンパルナスに顔を出すと「妻」が一人暮らし。頼る者なく、一夜の宿を請う弟子は「妻」への思いを温めている事が窺え、罪悪感と生活苦にささくれた心を持て余した「妻」が男を家の中に入れた事でその夜枕を共にする以外の展開は考えられない。続く場面が、物語の「過去」と「現在」を繋ぐ接合点なのだが、作者はここで雨を降らせた。まず青年に中国戦線での虐殺行為を語らせ、その「返歌」として、元妻に夫を見捨てた罪を語らせる。かくしてセッティングはOK、互いの心の隙間を埋めるように抱き合う、となる。
この次にも、謎解きが待っている。母が残した辞世の歌を見た老人(元弟子)がそれへの返歌を自分の灯籠に書き、その事について職員らが訝っている会話を館長は聞く。「画家夫婦の娘」である館長は、真実‥自分が母と「老人」の間に生まれた子である事‥を秘かに知るという結末だ。
モンパルナスの場面で印象的だったのは、夫が妻に「お前が本当に書きたいものは何だ」と迫る場面。人の役に立つ仕事、と現在の収入源を説明していた妻は、答えに窮する。現代に通じる問いだ。ただ、夫の「自由」への希求が、妻や弟子、また現代の人物に、どう思想的継承されているかはあまり見えて来なかった。
さて、戦争。中国での加害行為を語らせた事には、作者の思いを感じた。だが、おぞましい行為の質を浮かび上がらせるのでなく、男女の個人的感傷の波に消し去った経緯として、描く事になった。それが証拠に、現代での老人の影には思いを寄せた女の事以外、何も滲んでいない。あの夜に解消されてしまったと理解できる。
リアルにこだわるなら、帰還したばかりの彼があのような形で、心の澱を吐き出すように「残虐行為」を語る事ができるだろうか‥。だが語ったのだとすれば、そのように語れる出来事としてしか、彼は事実を受止めなかったのであり、多くの帰還者がそうしたように、事実をオブラートに包むか、事実に触れず、掘り返さず、生きていった。
そういう「影」の側面のエピソードとしてこの場面を描いたなら、まだしも「戦争」の醜悪に焦点を当てたと思えただろうが、芝居は最後に再会物語の壮大なハッピーエンドを置き、感動させ〜の音楽で締めくくられた。感動しろという事だが、これは感動できない。
否定され黙殺される罪の軌跡を少しなりとも描いた事をもって、評価に値する作品となった。
演技面では奔放、磊落であるキャラを狙った画家(夫)が神経質な小物に見えてしまったり、もう少し深められそうな部分に惜しい思いをした。中国での事を語る声色も然り。クリスチャンである兄が神を疑い出すあたり、元々信仰など無かった人に見えてしまった。総じて「巧い」のだけれど、もう一掘りしてほしい演技が気になった。
美術は空間に違和感なく、過去、現代の併用も考慮して美しく、このセットに芝居全体の雰囲気が助けられた面は大きい。
色々文句を垂れたがそれでも、何か現代的で新鮮な空気を舞台が醸していた。その要因の一つは、ミザンスと、変化のある照明だったかと思う。舞台処理と照明が芝居の程よいテンポを作っていた。
SILVER to BLACK

SILVER to BLACK

HyouRe Theatre Company

アサヒ・アートスクエア(東京都)

2015/04/11 (土) ~ 2015/04/12 (日)公演終了

満足度★★★

このユルさはアリ!
不思議な始まりが最後に畏れと繋がる。意外性あふれる未知の表現に感覚的についていくうちに、いつの間にか大切なことが心に浮かびあがっている。飄々とクセのある面白味、なるほど賢治の世界だこれはと得心させられた。

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