最新の観てきた!クチコミ一覧

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ゆうれいを踏んだ

ゆうれいを踏んだ

突劇金魚

こまばアゴラ劇場(東京都)

2015/04/25 (土) ~ 2015/04/29 (水)公演終了

満足度★★★

花見
面白い。95分。

ネタバレBOX

蔓子(片桐慎和子)…銀行に内定とるもゆうれいを踏んだせいで頭に桜の木が生える。父は桜の木で自殺し、身内はお婆だけ。
お婆(有北雅彦)…桜の木が生えた蔓子に愛想を尽かす。後に水晶の目で占いを始める。
タカシ(山田まさゆき)…蔓子と同棲するミュージシャン志望。蔓子を追いプロポーズするも断られ、味噌汁をすする。
美咲(大畑力也)…美鳥の兄。美鳥の面倒をみるが、美鳥からは嫌がられている。
美鳥(sun!!)…シンガー志望。結局、タレントとなり、今日子の劇団で芝居をする。蔓子とも同棲してた。
今日子(ののあざみ)…消しゴム工場従業員。劇団主宰で蔓子を木の役に抜擢。評価され海外ツアーをし、滋賀?の富豪と結婚する。
ゆうれい(殿村ゆたか)…蔓子に踏まれたゆうれい。

家族を求める蔓子の(違うけど)旅行記のような作品。居場所を見つけてはいなくなり、ホームレスになったりしてお婆の元へ戻るも、金目当てなお婆に枝を折られ、傷つく。そしてタカシから「家族になろう」といわれるも、それを断るという、なんとなく寂しげな印象。
お婆と蔓子の関係だけでなく、美咲と美鳥とか、人の心の内にたどり着けない感が、うまいなと。そんな空気の舞台にあって、最初のタカシと蔓子の普通でない二人の「普通な生活」シーンとか、今日子のパワフルなキャラのメリハリもうまいと思う。

蔓子を演じた片桐の寂しげな演技が美しく見えた。
パンクドランカー

パンクドランカー

神奈川県演劇連盟

KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)

2015/04/29 (水) ~ 2015/05/02 (土)公演終了

満足度★★★

“ドラマ”が少々足りない
〔プレビュー公演〕を観劇。
広くて天井高のある舞台に、大掛かりなセットが施されている。
さて、どんな舞台を見せてくれるのか・・・、

結果、広い舞台を持て余したというか、生かしきれなかった感は否めない。

メンバー間の軋轢によって15年前に解散したバンド。
そして、久々に集合した元メンバーたち、それに纏わる人々。
「再結成したい、したくない、」メンバーそれぞれの思いが明らかになっていく・・・。というストーリー。

面白おかしく物語りは進んでいくのだが、
再結成云々に至るまでの“ドラマ”が少々足りない(浅い)と感じた。

役者さんたちの演技はナチュラルな感じでよかったのですが、
“声を張るシーンでは、台詞が聴き取りにくい”というのは最近の若い役者のご多分に漏れず、発声・滑舌がしっかりと出来ていないのだろう。

演奏シーンは、まるで演奏しているようでよかったです。

つながる音楽劇 「麦ふみクーツェ」~everything is symphony!!~

つながる音楽劇 「麦ふみクーツェ」~everything is symphony!!~

シアターBRAVA!

シアターBRAVA!(大阪府)

2015/04/23 (木) ~ 2015/04/26 (日)公演終了

満足度★★★

☆★一緒に音を奏でる演劇★☆
Tweetでも公開されていましたが舞台美術は素晴らしいですね♪
色がグレーで統一されていて予算を掛けたクオリティはまさに商業演劇!

前半はストーリー的な流れはなく、
お客さんと一緒に各々に音を鳴らしながら演奏の練習を楽しむような感じ♪
関西のお客さんはノリがいいのか?
トラキチ応援の必需品のメガホンや鈴など
皆さん持ち寄って演奏を楽しむ♪

休憩を挟んでの後半はがっつりとお芝居的な話で展開されていく
小説を読んでいないのでストーリーが繋がらずにちょっと消化不良な感じで
グッと心が掴まれる事はなかった

ラストの影を生かした演出などはウォーリーさんらしく魅せてくれます!
音楽劇という事で一緒に音楽を奏でるのは面白いのですが
話の中にみんなで演奏する事にもっと必要性が感じられればもっと楽しめたかも⁈
たまに商業演劇を観るのもいいですね♪

追伸

追伸

空の驛舎

AI・HALL(兵庫県)

2015/04/17 (金) ~ 2015/04/19 (日)公演終了

満足度★★★

この芝居の1割も観きれてないと思う。
3つの別々のお話しで構成された作品
生きている人の中での知人の記憶 死の受け止め方 記憶が会話の中から見える それぞれの故人の姿 故人とのつながり 自分の姿

私感ですが、
観る側の理解に任せ過ぎではないか 戯曲 演出の伝えたい所が、掴めない、だからその先は? 私の観る力がないからでしょう、 私は、この芝居の1割も観きれてないと思う。

ネタバレBOX

「校庭にて」
舞台に、幅50Cm 直径8mの白い丸い 細い道の様 で奥が30Cm 雑踏 木陰のベンチ 女性が1人 // 3人 喪服 同じ手さげ袋をベンチに置く 50mってどのくらい 先輩 走りませんか 案外短い 体育館 バスケ 勝負 何で 久しぶりやから 小野くん明るなった 猫飼ってた 私抱かせてもらった 僕 バスケ部 途中で辞めた 陽子先輩が引き止めた 覚えてない 竹先輩 知らん人ばっかりや あれから何年たったと思っているんですか どうするの今から 暮れてきた 大声出しましょか 何でやねん 下手な突っ込み みずほの顔触ったやろ 取り乱して何かせんように見張ってた 遺跡みたい 遺跡やろ タイムカプセル ない 植樹 ない 人扱いされてなかった バレー部 吉田先生 ああならないでおこうと 人やから難しい 会社始めてそんなん よくある NPOから会社に触手話で 私辞めたでしょう 合宿費 僕が取った みずほちゃんに言った 僕は、許されて いいんですか えー ええんちゃう もう 手紙 みずのヤバ そんなん 小野くん肝心な事 風景揺れましたわ、何でみずほちゃん ここにいない 何で死んだ
ん、交通事故や、 そんなん違う、 じゃなんて言えばいい、 私も何か回りの風景 揺れた。 小野くん触手話教えて。 竹先輩 勝負しましょう、 ええよ、 先行ってます 練習しときます ボールに慣れときます // 丸い白い細い道の上に立つ、 陽子 オレ みずほと会ってた、 へえー、 みずほは大変で相談のってた。 私も大変なんよ、 何 え 何やの 何。 遅いね 竹原くん 小野くんが言った通りや、 何で 肝心な事言わへん ・・・ // 女性が1人 // 声を 足を 手を 見えない 聞こえない ・・・ 抱き締める事も出来ない PS・・・・

「児童公園にて」
二人の男女 倒れている男 // 死んでる?、 動いている、 中野さん 斉藤です 滑り台錆びてますね シーソー 砂場に男 初対面 質問していきます 男は何をしている いつから、 私達が見た時から あと ここに書き込んで下さい、読んでから 大地にしがみつく男 判子、 // 赤エイ 魚 舟 島に上陸 水がない 舟に戻る 島が沈む 赤エイ しがみつく男 チャリン チャリン 引くで 細い管を覗いている 地球の裏が見える ブラジルや 海 // パチンコ ストレス 旦那は手がない 右手 トラクターに 左手で引っ張った 左手も 巻き込まれた 良かった 君もいる 体もある 貴方は助けなかった チャリン チャリン 帰ろ お前が帰れ // 別れてますね 手が届かない 人は無責任 私は、 チャリン 帰るで
変えれへん 仕事 遊びや 考えた事あるか 手足が動かへんねん 体 張り付いたまま 嘘や 目の前に石 砂 ・・・・ 耳塞がんとってくれ もう少しや 毎日来てんねんで ここに 聞いてるお兄ちゃん お前も俺もおんなじ こっち見てよ こっち見てよ 大音量 猿にボタン パチンコ スロット ぐるぐる回る 自転車で回る 命 ぐるぐる ぐぐる 寿命が削られる 私は女好き 見つけました なくした 帰って良いですか よたよたと いつでも回ってます ご入り用でしたら // お兄ちゃん 公園 学校 何度も何度も散歩 逃げ遅れたんですね 急に飛び出した 車に跳ねられた 体なくなっても せめて 触らせて貰えませんか ええよ 赤エイにしがみついてますね 赤エイは時空を飛び越える。

「病院の近くの公園にて」
私 死にました 知ってましたか 気が付いてましたか
全てをかっこに入れる 最後に何が見えるのか 入院をかっこに入れる 痛みをかっこに入れる。 実紅:みくさんに照会 バンドは何を、 ベース、 朋子 歌を作って欲しい 夢を作ってほしい、 どんな 真一さんにお願いいしたい 皆の元気が出る歌 葬儀会館 三原台遊園地 つぶれた 傾いた観覧車 大きな道 昔大きな地震 // 何で葬儀場反対の運動 人は死亡率100% 土地の値段が下がる 自然で良いと思う // 真一の歌 聴いた事ある 実紅の友達 実紅から聞いた 朋子 知らん 実紅と会ってるよ 三原台幼稚園 (白い道を越える) 忘れている 鉄塔の上に巣があった 観覧車に乗ってくる女のこ 私は落ちた 女の子は手で包んで巣に戻してくれた 兄弟の命が無くなっていた 実紅は小さな女の子やった ぬくい手 体に残っている // (腺の内側) 三原台のつばめ 言い伝え 歌作ってほしいいんで 真一 ごめんね 三原台遊園地 好きで 母に乗せてもらってた その時誰か横に居たんかな 残ってる手のひらにぬくもり
ギター 紙と鉛筆 何で歌なんや 歌は消えへんやろ ()に入れるゲームはおしまいや 真一のバイクの後ろに乗ってた? 真一 手握って 真一の手忘れんといてな実紅

女が花を置く

3つの別々のお話しで構成された作品
生きている人の中での知人の記憶 死の受け止め方 記憶が会話の中から見える それぞれの故人の姿 故人とのつながり 自分の姿

私感ですが、
観る側の理解に任せ過ぎではないか 戯曲 演出の伝えたい所が、掴めない、だからその先は? 私の観る力がないからでしょう、 私は、この芝居の1割も観きれてないと思う。
パンクドランカー

パンクドランカー

神奈川県演劇連盟

KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)

2015/04/29 (水) ~ 2015/05/02 (土)公演終了

満足度★★★★

これがパンク音楽なんだ!
ロックとパンクの違いが判らないが、かっこいいおっさんたちを観れ、俺もガバンバランバという気持ちになれた芝居だった。

ネタバレBOX

カプセル兵団の看板女優が出演するので見に行った。裏拳の回し蹴りを飛ばす得意のカッコいいアクションもあったが、マイクを奪ってアカペラでの独唱や泣かせるような臭い芝居など、別の一面も観れて楽しかった。
舞台の最後で、ライブハウスにパンチドランカーのライブを聴きに来たような気分になり、思わず立ち上がってリズムをとり出しそうになりました。
ホームルームは終わらない

ホームルームは終わらない

すくらんぶるえっぐ(活動終了)

ザ・ポケット(東京都)

2015/04/29 (水) ~ 2015/05/04 (月)公演終了

満足度★★★★

多彩な役者陣で楽しめる
初日を観劇。多彩な役者陣で気楽に楽しめる学園コメディでした。
以下、公演中なのでネタバレで。

ネタバレBOX

夜間学校のHRをメインにした話で、学級委員を決めるのですが、そこに各人の想いが絡みという内容。夜間学校という事で様々な生徒がいるが、序盤~中盤はその設定の説明と関係性に比重が置かれている。ただ、あまり意外性はなく少し単調なように感じられてしまった。(初日だからかもしれませんが。)
終盤、いくつかの伏線を回収して熱量も上がってくる。最後の決戦選挙であの人が勝つのも良い。
先生方と用務員さんが、良いアクセントになっていていたのも面白かった。
ただ、社会派ライトコメディとあったが、社会派とまでは・・・。

また舞台上で、舞台奥に2階を設け、そこを職員室とした事で教室との2元化が実現され、物語の進行もスムーズで上手いなと思った。
ただ、2階の職員室に掛時計があるが実時間の為、舞台設定とは合わないのが気になってしまった。良く見えてしまったので。
客席の冷房も席により強かった為か、女性などは少し寒そうにしておりました。

回を重ねるごとに、より良くなるのではと期待させる舞台でした。



谷間にカンパイ!

谷間にカンパイ!

劇団ズッキュン娘

シアター風姿花伝(東京都)

2015/04/22 (水) ~ 2015/04/27 (月)公演終了

満足度★★★

今回も「女子毒」含む快作でした。
カンパイ!なんて陽気な雰囲気は早々にズドンと撃ち落される
そんな女性には大事なおっぱいと最愛の人について悩む主人公。
ある意味素直でする賢すぎない敵役の悪女の存在感もあって
自立を決めた主人公の結末が清々しい気分にさせられました。
ダンスは少ない気がしましたが(気のせいかな?)
脇のキャラクター達が個性的で面白い、思いテーマも軽やかに
気軽に観れるいいお話でした。
アフターイベントでERIさんのバンド「チューズデイ」のライブもあり
解り易く可愛い歌詞と戸惑うMCの中、楽しく観客も歌いいい時間でした。
TBブログ遅くなったてて、観たいを先に書くの忘れてた!

ゆうれいを踏んだ

ゆうれいを踏んだ

突劇金魚

こまばアゴラ劇場(東京都)

2015/04/25 (土) ~ 2015/04/29 (水)公演終了

満足度★★★★★

面白い!!
良かった!!この世界観たまらんです!!また、観たくなる!!
中毒…になります(笑)

面影橋で逢いましょう【沢山のご来場、誠にありがとうございました!!】

面影橋で逢いましょう【沢山のご来場、誠にありがとうございました!!】

ラフメーカー

新宿眼科画廊(東京都)

2015/04/21 (火) ~ 2015/04/29 (水)公演終了

満足度★★★★★

平成チーム
前回観た時とほとんど変わっていないように感じましたが、やっぱりいいですね!?ひとつ屋根の下、顔をあわせていてもなかなか素直に言えないこと、ひょんなことから始まった日記によって埋められていくさま、展開はお芝居ならではのところもあるのですが暖かい気持ちがこころに残りました。前回も思ったかもしれないのですが、面影橋で出会った後の3人のやりとりの続編、観てみたいです。他の人の観てきたを見ると、若干変化があるらしい昭和チームも気になります!

ネタバレBOX

主人公の会社の後輩の心情の変化は理解はできるのですが、そのことが物語上でのどんな意味合いだったのかが気になりました。
谷間にカンパイ!

谷間にカンパイ!

劇団ズッキュン娘

シアター風姿花伝(東京都)

2015/04/22 (水) ~ 2015/04/27 (月)公演終了

満足度★★★★★

ネホリーハホリー☆
(^^)/ 27日(月)の昼、目白で
[劇団ズッキュン娘]の、
【谷間にカンパイ!】
を観てきました☆
面白かったです!
世の女性応援のような舞台♪
笑いのツボはあちらこちら!
会話の応酬は見事☆
そして、ラストは前向きで、
気持ち良くて、元気を貰えます☆
観劇日記をブログに書きました。

CRAZY SOUND

CRAZY SOUND

@emotion

d-倉庫(東京都)

2015/04/22 (水) ~ 2015/04/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

ネホリーハホリー☆
(^^)/ 24日(金)の昼、日暮里で
[@emotion]の、【CRAZY SOUND】
を観てきました☆
面白かったです。
人魚、海賊、恋、と設定ナイス!
キャラは濃い、殺陣はスゴイ、
映画のような、痛快エンターテイメント♪
エンディングは2通り☆
観劇日記をブログに書きました。

夜が明けたとしても…

夜が明けたとしても…

リブレセン 劇団離風霊船

ザ・スズナリ(東京都)

2015/04/23 (木) ~ 2015/04/29 (水)公演終了

満足度

失望
離風霊船の作品でこんなに失望感を味わったことは初めてです。

なんという不出来な本!
大橋泰彦…どうしてしまったんでしょう?

落語の三題噺を前座になりたての見習いが作りましたって感じの本。
「地域活性」「美人過ぎる○○」「トルコへの渡航」「軍国化」
最後のドンデン返し(今回は不発)はリブレの定番ともいえる手法だが、
まったくドンデンになっていない。
そこに至るまでのストーリーが支離滅裂で国家の陰謀なんてどこにも無いのに…。

全くなってない。哀しくなるような駄作・凡作。

伊藤さん、松戸さん、何故これを許し、演じているのでしょうか???
落合さんはどう思っているのでしょう?

リブレの終焉を観たような想いになっています。

最後にひとこと
「金返せ~~~~~!!」

リチャード三世

リチャード三世

芸術集団れんこんきすた

シアターノルン(東京都)

2015/04/23 (木) ~ 2015/04/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

「リチャードⅢ世」
 もう、本当に素晴らしい最高の舞台でした。

 出演された役者さん全員の声がいい!舞台に出ている役者さん全員の声が良いって、なかなかないこと。

 一人一人の色はあるのに、よく通り、言葉の一つ一つがくっきり、はっきりと届き口跡が良くて、聴いていてとても気持ちよく、リチャードⅢ世の世界へとすっとはいって行ける。それが、まず素晴らしい。

 お一方ずつの感想を書きたいのですが、紙面から溢れそうなので、特に印象深かった方について書かせて頂きます。

 セットはなく、真ん中に「愛と哀しみのボレロ」のジョルジュ・ドンが踊った円卓が正方形の木の大きなテーブルのようなった舞台と、両側に置かれた長椅子があるのみ。

 長椅子には、リチャードⅢ世によって殺され、リチャードの罪を弾劾し述べ立てる者たちが座り、リチャードとの回想シーンが舞台の上で展開されるという、声と台詞と身体表現で全てを描き出すという、シンプルな故に難しい舞台。

 舞台が始まる物語前から、その舞台の下で蠢く、黒いマントに気づく。始まる前から、リチャードⅢ世の世界は作られていて、それをずっと目が離せずに観ていた。

 その蠢いていた黒いマントの人物は、 濱野和貴さんのリチャードⅢ世だったのか、中川朝子さんのリチャードⅢ世の影かはたまた実は本物のリチャードⅢ世?のマントの男だったのか。

 短躯で美しくない自分の容貌への激しいコンプレックスから、自分は愛されないという絶望的な自己否定と諦めそこから産みだされた歪んだ孤独が、リチャードⅢ世を稀代の悪役たらしめたのではないか、そんなリチャードⅢ世を濱野和貴さんは、何もない空間に、声と台詞と身体表現だけでまざまざと描き出していて、素晴らしかった。

 シェイクスピアを読むと解るが、シェイクスピアの登場人物はよく喋る。水の流れるように淀みなく、しかも歌うように独特のリズムと抑揚がある。

 よく、「歌は演じるように台詞は歌うように」というが、シェイクスピアの台詞は正にその歌うように喋るのである。

 滔々と流れる如く歌うように暗闇に綴られて行く、濱野和貴さんの台詞はリチャードⅢ世その人の言葉となって、響き聴いていてとても心地好いと同時に、稀代の悪役リチャードⅢ世の仮面の底深くに押し込められた、誰からも愛されなかった絶望と孤独と痛みを感じさせた。

 誰からも愛されないのなら、徹底的な悪役になってやるそんな、リチャードⅢ世の救いようのない孤独と絶望を感じ、リチャードⅢ世もまた、歴史の犠牲者のように思えてならない。この、リチャードⅢ世を観て、リチャードⅢ世に対する見方が少し変わった。

 中川朝子さんのマントの男は、リチャードⅢ世の心の声なのか、影なのか、それとも実は、本当のリチャードⅢ世なのか、目立たないという、 確かな存在感を持って存在していた。

 登場人物の中で、唯一呟くようなあるかなきかの声で話すマントの男。普通、それだけ声を抑えると言葉はほぼ聞き取れなくなるのだが、それが言葉の一つ一つがはっきりと聞き取れ、マントの男の色として響いてくるのが素晴らしかった。

 リチャードⅢ世の母、ヨーク公夫人の朝霞ルイさんの指先と手の動き、表現が美しく、自分が残虐非道なリチャードⅢ世を生んだことに対する悔いと戦きまでも、現していて見惚れてしまった。

 そして最後に木村美佐さんのヘンリー6世の妃、前王妃のマーガレットは、夫ヘンリー6世と我が子をリチャードⅢ世に殺された火のような怨みと烈しさ、夫と我が子を殺された苦しみと、果てることのない悲しみ、それ故に日増しに募るリチャードⅢ世への憎悪を、マーガレットその者として存在していて素晴らしかった。

 出演されている役者さん全てが、その人物その者として存在し、自分が物陰に潜んでその場に居合わせているような感覚に陥った。

 「黒き憑人」も「リチャードⅢ世」も、図らずも、「命」ということについて、深く考えさせられた舞台だった。

 シェイクスピアの悲劇であるものの、シリアス過ぎることもなく、時に笑いも漏れ、面白く惹き付けられて観ている内に過ぎて行った二時間数十分。

 濃く深く最高に面白くて、素晴らしい舞台でした。

                            文:麻美 雪

黒き憑人

黒き憑人

GAIA art entertainment

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2015/04/23 (木) ~ 2015/04/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

「黒き憑人」

 「あなたの人生はあと4日で終わります。」そう、言われたらあなたは一体どうしますか?
 
 「あと4日、やり残したこと、思い残しがないように、あなたをお手伝いするのが私の使命。何かやり残したこと、思い残すことはありませんか?」と憑人(死神)に問われたら、あなたは、そして私はどうするだろう。
 
 この舞台を観ている間中、ずっとこの2つの事を考えていた。

 足立優樹さんは、「あと4日」と命の期限を切られた、喧嘩っ早く、我儘で、すぐに物事を投げ出し、自分の事しか考えなかったが、死神の伊座波や暴漢に襲われた乃璃子を助け関わって行くことで、本来のお人好しで優しさと、人の為に動く自分を取り戻し、気持ちが行き違ったままだった父やバンドのメンバー、関わった周りの人々を思いやれるように変わって行く、人気バンドのヴォーカル倉菱礼を丁寧に、繊細にして激しく演じていた。

 実は、「あと4日」の命の期限を切られたのは礼の父であり、礼と気持ちが行き違ったままであることを悔やみ続けていた父の心残りが礼との和解であったことを知った礼が、最後のシーンで父にかけ続けた言葉と姿に、涙が込み上げて、溢れないようにずっと上を向いていた。

 船戸慎士さんの死神は、今までの死神のおどろおどろしいステレオタイプの死神像を軽やかに打ち破り、お茶目ながら、肝心な所では、きっちり強くかっこよく、礼を一番よく理解し、要所要所で、名言をさらっと言いながら、結果的に礼を導いて行く死神伊座波を飄々と演じていた。

 小祝麻里亜さんの乃璃子は父との心の距離に葛藤しながらも、純粋で爽やかな乃璃子だった。

 佐藤和久さんの乃璃子の父、龍之介は、政務と娘への愛情の狭間で悩み、乃璃子への愛情の示し方が解らない、不器用な父の姿を見事に現していた。

 鶴巻美加さんは、三役されたのですが、とても若いのに礼の母の心情が伝わって来て、しみじみした。

 今駒ちひろさんも、三役を演じられたのだが、三役を違う顔で演じられていた。

 最期に、保志乃弓季さんの龍之介の秘書原田は、秘書として、一人の女性としても密やかな想いを抱きつつ、龍之介をサポートして来たのに、龍之介が信頼しているからこそ、良かれと思って秘書ではなく乃璃子のサポート役にしようとしたのを、その意味を取り違えて、乃璃子を誘拐させるという過ちを犯してしまう、切なく強く胸がキュンと痛む一人の女性として描き出していた。

 重い内容になる話を、軽妙に面白く、それでいて「あと4日の人生」と言われた時、自分は何をやり残し、何を思い残したと思うのだろうかと考え、これからどう生きるか、親を始め自分の周りの人、自分と関わった人の事を改めて考えさせられた素晴らしい舞台だった。


                            文:麻美 雪

第42回「a・la・ALA・Live」

第42回「a・la・ALA・Live」

a・la・ALA・Live

パフォーミングギャラリー&カフェ『絵空箱』(東京都)

2015/04/25 (土) ~ 2015/04/25 (土)公演終了

満足度★★★

楽しかったです
42回も続くアラアラライブ,いろいろな出し物があって,楽しく観劇しました。主宰の荒山さんの続き物一人芝居は秀作。それ以外は,面白かったものの,印象に薄いなぁ。コンセプトが無いっていうか,勝手な感想ですが,荒山さんの芝居を軸にテーマを与えて,絡むような出し物を考えた方が全体として面白く厚みのある舞台になったと思います。

面影橋で逢いましょう【沢山のご来場、誠にありがとうございました!!】

面影橋で逢いましょう【沢山のご来場、誠にありがとうございました!!】

ラフメーカー

新宿眼科画廊(東京都)

2015/04/21 (火) ~ 2015/04/29 (水)公演終了

満足度★★★★

両バージョンを観ました
戯曲の仕掛けは従前の公演で知っていて、
それが舞台にどう組みあがっていくかを楽しみました。

それぞれの舞台に異なる魅力がありました

ネタバレBOX

平成⇒昭和の順番で観ました

平成バージョンは戯曲の枠組みを台詞や所作にしっかりとのせて組み上げていく感じ。一つずつのシーンが戯曲のディテールにそって組みあがる。従前に感じた戯曲の良さを再確認することができたし、その中に役者が作る個性がしっかりとはまり、そこにくっきりとした舞台の色やエッジをもった厚みが生まれていました。

昭和バージョンは、戯曲を足場にして役者たちが想いを異なる色で膨らませていく。戯曲から外れているわけではないし、その仕掛けは舞台に織り込まれているのですが、それが台詞などよりシーンごとに役者たちが醸す想いのありようとそれを支える空気の重なりに浮かび上がってくる。
平成バージョンよりも物語の末梢のディテールがぼやけている感じはするのですが、なんだろ、その時間の実感は物語の歩みにうめこまれるのではない、ロールたちの想いの推移に顛末がのこされてくような感触がありました。

まあ、戯曲自体の強度があるからこそ、できる試みなのだろうなとは思います。両バージョンを観たあとの感慨が足し算ではなく、ちゃんと掛け算になっておりました。
小林一茶

小林一茶

こまつ座

紀伊國屋ホール(東京都)

2015/04/06 (月) ~ 2015/04/29 (水)公演終了

満足度★★★★

柝(き)の響き
いつもながら役者さんの所作が見事。黒子衆の無駄のない動きもまた。セリフというより、もう役として血肉となった口舌、演技というより憑依に近いと思う。

しかしながら 区切りで打たれるあの柝(き)の響き、あんなにいいものだとは思わなかった。あの音と共に舞台への時間旅行をし、また夢から醒める合図にもなる。そしてやはり舞台というのは神聖なものと思わせる。

「もう一回、抱きしめて。」「ふりだし」

「もう一回、抱きしめて。」「ふりだし」

劇団時間制作

劇場MOMO(東京都)

2015/04/22 (水) ~ 2015/04/29 (水)公演終了

満足度★★★★★

ふりだし
重いテーマだけれども所々に笑いをちりばめ、とても良いバランスで暗くなりすぎず。
脚本も本当に素晴らしいし。それに負けない役者さんの熱が。
今まで知らなかったのが悔やまれる劇団です。
沢山の人に知ってもらいたいと心から思います

朗読劇 私の頭の中の消しゴム 7th letter

朗読劇 私の頭の中の消しゴム 7th letter

ドリームプラス株式会社

天王洲 銀河劇場(東京都)

2015/04/28 (火) ~ 2015/05/06 (水)公演終了

満足度★★★★★

2人とも物語の波に合わせてスイッチが入る「情熱役者」タイプなのかしら?
鈴木拡樹×竹達彩奈回観劇。

ネタバレも何もないんですが、
2人そろって「上手い」タイプではなかったかな、
ただし、お話の盛り上がり、そして悲しみのクライマックスに
かけてすごく情熱的な演技をされていて、
ここ数年、毎年恒例の泣きモノとして本劇を何度も観劇してた私は、

今回3階ほぼ最後尾という一番悪い席にも関わらず、
2人の演技の「熱」と照明効果の上手さ
(今回ベースをずっと暗めにしてたんですよね)もあって、
幸せパートからもう涙腺は潤みっぱなしでした。

いやあ、竹達さん、芸幅(どんな役をこなせるか)広いとは思ってなかったので、
朗読劇にはあまり期待してませんでしたが、
思わぬ情熱演技にグイグイ引っ張られました(鈴木さんも同じタイプかと)。

「上手さ」より2人の「情熱」が光る舞台でした。

※ 「上手さ」的には☆4つですが、
  2人の「情熱」お芝居に完全泣かされたので5つ、
  とさせていただきます。

ネタバレBOX

序盤、
鈴木さんに比べ竹達さんが役が固めきれていないのか
発する声にアニメその他の「キャラ」っぽさと
地声とが同居してしまい、その上ちょっと声も小さく、

やはりアニメキャラなどではない、
役を自分で固めるタイプの朗読劇には向かないかな?
など思ってしまいました。

そして鈴木さんの方も男性役を演じながらその中での
社長役その他の演じ方に「無理に笑いを取ろうとする」ような
ちょっと朗読劇としては「上手さ」を感じられない、
そんな空気感にそぐわない演じ方をされていたかと。

しかし、男性の悲しい過去からそれが元で会えなくなってからの
半年以上からを演じていく男性、女性(鈴木さん、竹達さん)、
「もう、”情熱”を込めて演じぬく!」という覚悟が決まったのか、
そこからのお芝居には引っ張られまくりました。

照明効果の上手さがすごかったのもあって
(基本暗闇の中のスポットライトで2人の
明るい場面暗い場面がどんどん切り替わっていく)、

本当に一番遠い席、であったにも関わらず
2人の演技にすごく引っ張られました。

そして早い段階から涙腺持ってかれました。
そして周りじゅうハンカチやらティッシュやらで
目をぬぐったり鼻をすすったり、
もう涙のオンパレード、

観客を「上手さ」よりもそのひたむきな「情熱」で
引っ張っていってくれた、思わぬ素敵な舞台に仕上がったと思います。


そもそも本劇「私の頭の中の消しゴム」シリーズは
声優さん+役者さん(?)での組み合わせが基本で、
僕は声優さん側の「新たな一面」や「思わぬ実力」を
観たくて通ってるタイプなのですが、

竹達さんはきっとお芝居その他にも向いてるんじゃないかな( ´ー`)
いつか舞台あるいは銀幕で観てみたいな、
と思わせられましたね。

若いしこれからアニメも舞台もいろんな役を演じてどんどん
芸幅も広げて、今度は動いて泣かせる竹達彩奈さんが観たいなあ、
と思いました。
ねずみのよる

ねずみのよる

殿様ランチ

駅前劇場(東京都)

2015/04/24 (金) ~ 2015/04/28 (火)公演終了

満足度★★★★★

なるほどねー
あちらこちらで ガクッと脱力させられ、笑わせられて、それでも最後まで没入できた 楽しい90分でした。

幕末モノは ウンザリするほど定番のテーマと思いきや、あ、なるほどねー、あえて「あの男」を出さなかったことがよかったかも。

いろんな仕掛けがあって この手法を真似るところが出て来るかもしれないけど、この劇団が他の物を真似ることはないと思います。

でも やっぱり上演中に スマホを覗いてるひとの神経がわかりません。

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