最新の観てきた!クチコミ一覧

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上海バンスキング

上海バンスキング

近畿大学舞台芸術専攻33期生 演劇

八尾市文化会館プリズムホール 小ホール(大阪府)

2024/09/27 (金) ~ 2024/09/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/09/28 (土)

Bチームを拝見しました。大学の卒業公演にもってくるには難易度の高い演目ではなかったろうか。そんな思いをあざ笑うような出来栄えでした。主演の女優さんは既にプロレベルです。超オススメです。

寿歌二曲

寿歌二曲

理性的な変人たち

北千住BUoY(東京都)

2024/09/12 (木) ~ 2024/09/17 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

注目しているユニットだが先般の特別企画のガザ・モノローグやその前の公演も知らずにうっかり見逃し、今回はしかと観る事ができた。通常は「寿唱」一本でも公演は成立する所、「寿歌Ⅱ」が合わさる。蓋を開ければ2時間半と大きな負荷なく見終えた。
二作共通の役はゲサクとキョウコ、オリジナルではこれにヤソ、Ⅱはクマとカリオという役がプラスの4人芝居だ。Ⅱ→オリジナルの順で上演。時系列的に繋がっていそうな二作だが、若干テイストが違う。
Ⅱは旅一座が現役で、「宣伝隊」として鳴り物を鳴らして芝居のさわりや音曲をやる場面が賑々しく挿入されるが、役者がこれだけはっちゃけてるのに熱が上がり切らないのは空間のせいか、使ってる音のせいか・・と訝りながら見ていた。場に和みを与える女形役、途中で加わる謎の女(踊れる)が辿り着いたとある街では、一座に振り向く者もいない急いた殺伐さがあり、終末感が漂う。
その後になるオリジナルの方では、無人の荒野でミサイルがコンピュータ頭脳によって発射されているが、それを観て知っているのでその前段が描かれていると察知される。Ⅱとオリジナルの間に、人類はある境界を越えた。
超人的なヤソと出会うオリジナル「寿歌」はやはり独自の風合いがあり、結論的に言えば、二作を続きとしてまとめようとした演出が、些かオリジナルの方の趣きを削いだ感があった。
数個のパンと魚を集まった何千人の群衆に分け与えたという聖書の逸話から「物を増やせる」技を具備したヤソなる人物が、精神病みのように何かにとらわれているが、食べ物の安泰を無邪気に喜ぶ二人はそんな事に意に介さない。が、やがてヤソが居なくなった時、二人の中には何かが残る。その「何か」は観客の想念に委ねられるが、人の居ない荒野(これも聖書における信仰を理解するキー)においてこそ想念は強く広く深くなる。その戯曲の意図が、この舞台では十分にさらい切れてなかったような。。

個人的な思いとしては、新国立研修所の卒公の「親の顔が見たい」で観た荒巻まりのを恐らく約十年振りに目に出来た(チラシデザインではよく見ていたが)。腕の立つ役者。
キャストでは2作共通の役は、キョウコに荒巻ともう一名(こっちは男)、ゲサクに滝沢花野ともう一人(大西多恵子)とダブルで配していたのが大西氏が降板となり、滝沢氏のみ一人で全ステージを担ったためか、喉が枯れていた(泣)。
上質なステージであり試みも素敵だったが、上演というのは難しいものだと実感する。

されどハシクレ!

されどハシクレ!

劇団 バター猫のパラドックス

インディペンデントシアターOji(東京都)

2024/09/25 (水) ~ 2024/09/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2024/09/26 (木) 19:00

前作に続いて2度目のユニット。ゲーム世界のホンワカした芝居かと思ったら、かなりイタイ。120分。
 ゲーム世界で、モブとサブキャラがメインキャラになろうとする話…、と思っていたら、結構イタイ場面が多く、ちょっと事前予告が欲しいレベルだった。ハシクレと呼ばれるキャラからの視線かというとそうでもなくて、視点がコロコロ変わるあたりは、ちょっと私のテイストではなかった。心が痛むシーンも多く、覚悟して観る必要あり。

舞台版 嫌われる勇気【9/23公演中止】

舞台版 嫌われる勇気【9/23公演中止】

ウォーキング・スタッフ

紀伊國屋ホール(東京都)

2024/09/23 (月) ~ 2024/09/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

原作は岸見一郎+古賀史健「嫌われる勇気」で2013年暮にダイヤモンド社から刊行された。当時のベストセラーなのだが延々と売れ続けて今年でとうとう累計300万部になったという。それを記念しての2015年の舞台版の再演なのだ。同時に特別なイベントも行われる。

原作は著者の解釈によるアドラー心理学のエッセンスを哲人と若者の対話形式で解説している。有名なのは「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」とか「他人は変えられないが自分は変えられる」とかの印象的な標語である。まあ自己啓発系か宗教であるが、高額なセミナーに連れて行かれたり信者から執拗な勧誘を受けることがないので是々非々で日常に取り入れていけば良いのである。

さてこの原作をそのまま舞台にすることはほとんど不可能である。問いかけと応答の連続では始まって10分で全観客が眠りに落ちてしまうだろう。そこで舞台版は和田憲明によってサスペンス仕立てに作り上げられた。哲人にあたる大学教授と若者にあたる刑事の娘の対話をベースとして、そこに虐待を受けてきた女性による殺人事件を多層的に組み合わせている。

さて問題はこの創作された部分である。ここは原作の雰囲気とはかなり違っていて演劇的といえるのだが、冒頭の派手な殺人シーンはただの悪趣味で観客を馬鹿にしている。なぜ原著者はこういう改変を認めたのか不思議なくらいだが、相手の領域には干渉しないというアドラーの教えを守ったのだろう。

原作を気に入って舞台も観てみようという方には全くおすすめしない。原作を未読の方はこの舞台を観るよりも原作を読むべきである(audible版もあり)。こんな嫌味な文書を投稿しなくても良いじゃないかとも思うのだが「嫌われる勇気」を出して書いておく。

白魔来るーハクマキタルー

白魔来るーハクマキタルー

ラビット番長

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2024/09/26 (木) ~ 2024/09/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

同劇団の「将棋物」に親しんでいた自分にとって、良い意味で衝撃の舞台でした。開演前に少し時間がありましたので、「三毛別羆事件」を調べてから観劇に望んだのですが、文字で知るのと、実際に舞台で体感するのでは全く別物でしたね。凄惨な描写と登場人物達の葛藤が、深く胸に刺さり、何度も息を呑む瞬間がありました。また舞台の構成も素晴らしく、障子の開閉や光と音を駆使した熊の描写には、思わず目を奪われ、まさに傑作と言える舞台でした。

ネタバレBOX

一つだけ残念だったのは、観劇の最後に「また逢う日まで」を聞けなかったことですかね(笑) まあ、今回の舞台には合わないですが。
リング・アウト

リング・アウト

A.R.P

小劇場B1(東京都)

2024/09/25 (水) ~ 2024/09/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

基本コメディですが、家族愛がベースにあり、色々と感情を動かされました。異次元タイムパラドックスは最初戸惑いましたが、徐々に慣れていき、違和感なく楽しめました。分かりやすい人物設定と、語り部の存在が舞台全体をスムーズに進行させていて、非常に見やすかったです。最後には心が温かくなる素敵な舞台でした。

『ミネムラさん』

『ミネムラさん』

劇壇ガルバ

新宿シアタートップス(東京都)

2024/09/13 (金) ~ 2024/09/23 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

開演5分前に当日券に滑り込み。
3人の劇作家による3つの物語が追憶のように混ざり合って、時に重なり、時に乱反射しながら人ひとりの存在を縁取っていくような。そして、それは特定のひとりじゃなくて、私であったりあなたであったりする。
そんな演劇でした。

タイトルから峯村リエさんの半生を辿ったりするのかしら?または、峯村さんをモデルにした物語?などと思っていたのですが、全くそうではなく。むしろ観終わったときに、きっと誰しもの近くにいるだろうミネムラさんを、自身ですらあるかもしれないミネムラさんに思いを馳せるような。そんな時間。

人って、掴みどころがないものなのだ。それはちょうど外側から見る窓の風景みたいに。私たちはいつだって互いに窓の内側にいかなくては触れることすら叶わない。山崎一さんが発したある劇中のセリフからつくづくそんなことを知らされたりもして。峯村リエさんの様々な横顔により痛感したりもして。

だけど、窓の中でも外でも人と生きていくのが人だったりもする。そういう瞬間に劇にぐっと奥行きが生まれていたような気がするし、"ミネムラさん"と人生を交える笠木泉さん、森谷ふみさんそれぞれの切実も素晴らしかったです。
窓の向こうと此方を往来しながら人ひとりの存在の奥行きと深さを噛み締める観劇でした。

バード・バーダー・バーデスト

バード・バーダー・バーデスト

南極

すみだパークシアター倉(東京都)

2024/09/19 (木) ~ 2024/09/23 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

面白かった、よかったのその前に「みんなのことが大好き」と叫びたくなる演劇だった。一人一人(一頭一頭?)がぐっと愛おしく、きちんと哀しかった。ラスト、涙で霞んでゆくその風景は雲への突入を思わせるようで、空へ、もっと空へと祈るように見ていた。

青春の終焉と世界の終末が互いを乱反射する様に立ち上がっていって、その狭間から溢れる光が眩しかった。"想像の翼"なんて言葉があるけれど、これこそまさに、という滑走をからだが、浮遊をこころが感じていた。
あのシーンを生み出したのは大袈裟でなく愛と信頼と想像なのだと本気で思った。思えた。

本当にきれいだった。
130分とあり正直身構えていたけれど、どの時間も、そしてどの記録も大切で、置き去りにして飛んでいくなんてできなくて。観終わった後にここまでタイトルが刺さる、刺さっていつまでも抜けない作品も珍しい。

俳優各々のチャームが活かされた配役も、そして音楽が物語に与えるドライブも素晴らしくて、さまざまな瞬間を忘れられそうにない。
前作に引き続き瀬安勇志さんの悪役に滲む悲哀、対極の役とをこなす力にも魅せられた。揺楽瑠香さん演じるアンテナの辛抱強い明るさが灯す解放と浄化には、人間に叶わぬ飛ぶことへの憧れと衝動が忍ばされているようでもあって。行き場のない意固地さや持て余したエネルギーを時に大胆に時に繊細に体現した端栞里さんとユガミノーマルさんも愛おしく。そしてそんなみんなを守り、そして愛され慕われる先生役の亀島一徳さんの包容力...。
賑やかな青春の中で密やかに芽生える恋心や友情の描写もかわいくて、切なくて好きでした。

前作よりもぐっと劇世界の密度があがっていてそこにも羽ばたきを感じていました。
今後の飛躍がますます楽しみです!
誰も彼もが自分の空を飛ぼうとしていることに胸を打たれた。そのことを互いに信じることができたら私たちはきっと鳥に、もっと鳥に。
『バード・バーダー・バーデスト』

許し

許し

avenir'e

新宿眼科画廊(東京都)

2024/09/14 (土) ~ 2024/09/24 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

イタリア人の劇作家であり、avenir'eのメンバーでもあるダニエーレ・レオーニさんによる新作海外戯曲。
いくつかの出来事から一家離散したある家族がミラノの町の片隅で再会、から繰り広げられる75分のノンストップバトル劇でした。
(以下ネタバレBOXへ)

ネタバレBOX

どうしようもない父親VS捨てられた息子のバトルに始まり、かつて妹に手をあげた兄VSそれによって家を出た妹に繋がり、「そういえばあれも」「これも!」と対戦相手がどんどん錯綜してクロスバトルに転じていく。家族関係の歪みや軋轢がガシガシ、みしみしと、シリアスに迫りくる部分もありつつも、フリースタイルダンジョン顔負けの「許す/許すまじ」バトルシーンでは瞬発的に露呈する人間の情けなさや滑稽さに、こちらも瞬発的に笑ってしまう部分もあって我ながらひやっとしてしまったり。会話の積み上げによってバトルにアクセルがかかっていくのも、かと思ったら、ぽつりと長年言えなかった本音が一言溢されたことで急ブレーキがかかったりと、俳優が巧みな分だけそのドライブに相乗りせざるえない感触もあり、まさに振り落とされぬようしがみつくのみ、という感じだった。「そんな簡単には許せない」と「これさえあれば許せたのに」は表裏一体でその瀬戸際を見せられることで、観る者の感情もあちらこちらへと揺すぶられていく。どうしようもない父親を可哀想に思ってしまう一瞬も、そんな父を見限って再生しつつある兄妹の仲を清々しく思う瞬間もあって、自分の中にもたしかにある激しい感情の在処を見破られているような気がして動揺も。
そんな観客に寄り添うかの様にバトルに慌てふためく他者の存在が一人あったことも劇のうねりにおいて重要だった気がする。
文学座公演ではなかなか観られない柴田美波さんの目つきが見られたこともよかった...文字通り人が変わったようだった...!
リング・アウト

リング・アウト

A.R.P

小劇場B1(東京都)

2024/09/25 (水) ~ 2024/09/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

残念ながらリングはありませんでしたが、場外乱闘をちょっぴり擬似体験。
面白かったです。
追記予定

されどハシクレ!

されどハシクレ!

劇団 バター猫のパラドックス

インディペンデントシアターOji(東京都)

2024/09/25 (水) ~ 2024/09/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

自分の知らないゲームの世界を覗き見る・・・くらいの気分でしたが、諸々ありまして追記予定です。

à deux

à deux

うにくらげ

宗清寺(東京都)

2024/09/27 (金) ~ 2024/09/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

27日観劇

るつぼ

るつぼ

演劇ユニットキングスメン

座・高円寺2(東京都)

2024/09/25 (水) ~ 2024/09/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

アーサーミラーの作品の【るつぼ】が気になり観劇した
【るつぼ】は前から知っている作品だったのですごく楽しみにしていました‼︎

元々、人数がそこそこ多い内容なのだが
1人の役者が何役も演じていて興味深かった
特に序盤に出て来た少女の1人が男性が演じていて驚いた
最初は後ろ姿しか見えておらず
普通に女性だと思っていたが
声と顔を見て男性だとわかった

この人は少女役だけなのかと思っていたが
途中からエゼキエル・チーヴァー役のユウキ氏だとわかった

前に見た時はチーヴァーは印象に残らなかったが
今回のチーヴァーは序盤に少女役もやっていたところから
かなり印象に残る役だった

中盤は法廷側で悪役っぽさが強い役だったがハマり役でとてもよかった

後半の少し心が動き始めたところにもウルっと来てしまった

主役を演じていたお二人の演技も素晴らしかった
ジョンの葛藤やエリザベスの葛藤
お二人の演技に賞賛を与えると共に
舞台で泣かせてくれた事に感謝したいと思う

他の役者も演技経験が少ないんだろうなと思う方は
たくさんいたが
皆さんの愛を感じました‼︎

力を合わせて素敵な舞台を作り上げた事に賞賛を与えたい‼︎

白魔来るーハクマキタルー

白魔来るーハクマキタルー

ラビット番長

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2024/09/26 (木) ~ 2024/09/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

三毛別羆事件(さんけべつひぐまじけん)
大正4年、北海道で実際に起きた事件をモチーフにされたとの事ですが、よくぞここまで見応えある作品に創り上げたものだと感動!
動物パニック映画に通じる恐ろしさは舞台で体感すると、生で感じる防衛本能なのか注意力(集中力)がグングン上がってのめり込んでいくこと必至
登場人物に対しての感情移入にも熱が入って一分一秒に息を呑む展開
野生の脅威、それがどんなに血生臭く残酷な物語であっても、やっぱりラビット番長さんが描き演じられる人間ドラマは秀逸
ただ「怖かった~」の枠に決しておさまっていない
恐怖しながらも人間ドラマとしての完成度の高さに感動したのでした
やはり語り継がれている名作で間違いなかった
これで自分も語り継ぐ事ができる一人になれたのはとても光栄だと思いました

上海バンスキング

上海バンスキング

近畿大学舞台芸術専攻33期生 演劇

八尾市文化会館プリズムホール 小ホール(大阪府)

2024/09/27 (金) ~ 2024/09/29 (日)公演終了

満足度★★★★

コスパ タイパを考えれば右にでるものはない ミュージカル好きには+@で、三時間とロングタームですが楽しめました‼️

白魔来るーハクマキタルー

白魔来るーハクマキタルー

ラビット番長

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2024/09/26 (木) ~ 2024/09/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

ラビット番長は将棋ものばかり観てきたが、こういう世界もあるんだと驚く
大正4年に北海道で起こった日本最大の獣害事件である三毛別熊事件を下敷きにしている
巨大な熊に次々と襲われる村の人々の恐怖
惨劇の有様はなかなか生々しくおどろおどろしかった
下手なホラーよりはるかに背筋が寒くなる
途中失神した観客がいてしばし中断
この恐るべき自然の驚異に「差別」「侵略」といった社会派的要素が加わる
キャストは皆好演だったが、子役二人が可愛い
今回も松沢英明がいい味を出していた
元キーチェーンの北澤友梨枝の「死に方」も凄かった
障子が実にうまく使われていて、その開け閉めで場面の切り替えもスムーズに行われていた

Letter2024

Letter2024

FREE(S)

ウッディシアター中目黒(東京都)

2024/09/25 (水) ~ 2024/10/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

Letter2023も観劇しているが、劇場(渋谷区文化総合センター大和田・伝承ホール)や演出が違うと 同じ脚本でも違ってみえ 印象も異なる。勿論、Letterの意味するところを伝え続けることは大切。同時に舞台としての面白さを味わわせてくれる、そんな意味ある公演だ。

物語は、現代と太平洋戦争時(1945年8月)を往還し、<命とは> を戦時中と現在の若者の考え方や意識を比較しながら紡いでいく。命は自分のものであり、大切な人を守るためのものでもある。今から当時を客観的に見れば、戦争(特に特攻)など馬鹿げたことに思える。しかし、後の時代から正論ぶったことは 言えても、当時の意識はその時にしか解らない。それを どのように描き現代に繋げるかが肝。特攻を美化してはならないが、風化させてもならない。

特攻前夜、隊員と大切な人との別れの場面(手紙の朗読)は、心魂が揺さぶられる。現実は<おかしい>が、それをまともに言えない、その思想教育が怖い。
(上演時間2時間 休憩なし) 

ネタバレBOX

舞台美術は、段差を設え中央に平台。上手下手に箱馬が置かれている。上演前は平台の上に被せモノがある。舞台全体は大きなスペースを確保し、アクション等をダイナミックに観(魅)せる。場面によっては 居間に卓袱台等、時に戦闘機の操縦席を設置する。
照明は、平時と戦闘場面で色彩を変え 、平穏(暖色)と緊迫(朱色=血、白銀=閃光)を表す。音響・音楽は戦闘における機銃音が緊迫感を生む。ラストのテーマ曲「大切な君へ」が余韻を残す。

物語は地域の祭りの夜、明日は結婚式というカップルの他愛ない会話から始まる。その夜、夫になる青年が凶刃に倒れ、2024年から1945年8月にタイムスリップする。そして1945年から2024年へ届いた一通の手紙、そこには ある人に宛てた切ない恋心が書かれていた。 現代から太平洋戦争終戦間近にタイムスリップした青年の戸惑い、その時代を懸命に生きようとした同年代の特攻隊員の姿を描いた群像劇。

国(大切な人)のため 夫々が思う心情を丁寧に紡ぐ。例えば 特攻隊員や予備員たちは、妻や許嫁への情愛を語り、ハーフの特攻隊員は社会から差別され蔑まれながらも、日本国民として 妹を愛おしく思う気持など。タイムスリップしてきた青年は、当初奇異に思われていたが、段々と特攻隊員たちと打ち解け 友情を育んでいく。
特攻を志願した隊員が覚悟を決める場面は、表面上は家族や恋人、仲間を心配させまいと平静を装ったり、冗談を言って場を和ませている。しかし、心中は不安や恐怖がつきまとっていたと思う。一番人間らしい感情であり、それをどのように表現し伝えるかが難しい。それでも隊員たちの心の内(声)をもう少し掬い上げても好かった。

ラスト、結局 青年は特攻隊員たちを助けることが出来ない、それどころか自分も戦闘機に同乗し敵艦に突っ込む。それがおじいちゃんになる人を救う方法でもあると。タイムスリップした当初、特攻隊員に向かって 命を粗末にするなと言っていたことと矛盾。また 脱走を図り殺された隊員から、信念は曲げるなと激励されていたにも関わらず変節してしまう。現代にも通じる同調圧力のような抗いきれない描き方であるが、やはり特攻という行為には納得も共感も出来ない。

卑小なことだが、戦時下における衣裳にしては、華やかな色彩の着物や派手なもんぺ姿に違和感を覚えた。
次回公演も楽しみにしております。
リング・アウト

リング・アウト

A.R.P

小劇場B1(東京都)

2024/09/25 (水) ~ 2024/09/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/09/27 (金) 15:00

帰国後10数年ぶりにお笑い系舞台を拝見。始まりは大声上げてのドタバタ喜劇と思いきや、ストーリー性のあるお笑いで楽しめました。途中話の急展開に唐突なところもあり、筋書つくりに苦労した跡もうかがい知ることができました。役者さんの個性が生かされていましたが、あともう少し笑いの大きな波が欲しかったというのが本音です。

白魔来るーハクマキタルー

白魔来るーハクマキタルー

ラビット番長

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2024/09/26 (木) ~ 2024/09/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

滅茶苦茶面白い。
タイトルだけでずっと観たかったのは今作と鵺的の『悪魔を汚せ』。全く情報を入れずに観たのが正解。ラビット番長は再演を度々行なってくれるのが本当に有難い。
ホラーなのかと思っていたらガッチリした人間ドラマ。改めてチラシを見るとよく出来たイラストだ。まさにこれ。場面転換に使うのは土間と板の間を遮る障子戸、左に3枚右に3枚。

北海道の北西部苫前(とままえ)郡を旅行していた2組の大学生カップル(宇田川佳寿記氏&鈴木彩愛さん、金田央〈ひろと〉氏&青山真梨さん)。渋滞を避けようと脇道に入ったところホワイトアウトに遭い車の中で暖を取る。ガソリンも底を尽き救助を呼ぼうと外に出、一軒の建物の灯りに辿り着く。廃墟のような小屋には老人(松沢英明氏)が独り、一晩泊めて貰うことに。「何でこんな廃村に一人でいるのか?」皆が不思議に思う。「それを伝えるには長い昔話が必要だ」と老人はゆっくりと話し始める。時は1915年(大正4年)、日清日露戦争に日本が勝利し第一次世界大戦に参戦した時代の物語。

ラビット番長オールスターズ、皆適材適所に適役でハマっている。
鈴木彩愛さん、江崎香澄さん、流石の見せ場。
子役の酒井碧葉君、大崎嬉(うれい)ちゃん、プロの仕事。
MVPは傲岸不遜の陸軍隊長・宮沢天氏。
是非観に行って頂きたい。

ネタバレBOX

一人、女性が途中退席したが駄目な人には本当に駄目な話なんだろう。かなりグロテスクなスプラッター・シーン。小道具の完成度には感心。見せ方も練りに練っている。サウンド面もガッチリ。スピーディーな障子の張替えも見事。この劇団の最大の武器が映画のようなカット割り。パッパッパッと絶妙に切り替わる。

物語は三毛別羆(さんけべつひぐま)事件。口先から後ろ脚の踵までの長さが2.7メートル(立てば3.5メートル以上)、体重340kgのエゾヒグマが開拓村を襲い、2日間で死者7名重症者3名を出した。日本史上最悪の熊害(ゆうがい)と呼ばれている。吉村昭が書いた小説『羆嵐(くまあらし)』が有名。木村盛武が調べて著した「獣害史最大の惨劇苫前羆事件」が基になっている。味を覚えた人間の女性の肉だけを執拗に狙い喰らう化物。

当時、村長の息子だった大川春義(6歳)は幼いながらにヒグマに対し激しい復讐心を抱く。「殺された村民一人につき10頭のヒグマを殺す」と犠牲者の霊前で誓った。マタギになり、1977年(昭和52年)、102頭目のヒグマを殺したところで引退。8年後、事件の70回忌法要の記念講演の壇上で突然死。

思い出すのは千葉真一の初監督作品、『リメインズ 美しき勇者(つわもの)たち』。人食い熊に復讐を誓ったマタギの物語。JAC創立20周年記念作品でメチャクチャ気合が入ったアクション、濃密な脚本、大傑作になる筈だったが・・・。肝心の熊のシーンがモロ着ぐるみでどうしようもなかった。いや、これ何とかならなかったのか・・・。
トモダチガーデン

トモダチガーデン

壱劇屋

ABCホール (大阪府)

2024/09/27 (金) ~ 2024/09/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

関西の小演劇でもこれほどスタイリッシュでセンスがよくカッコいい劇団を僕は知らない。最近見に行けなく久々だったので待ち遠しかったり、また以前と変わっていないかなど不安感もあった。

ところが見てみると、やはりいつもの大熊演出。プリズム多様といい、今回はウエハウスのグリーン版で、ものすごいことを舞台上でしてしまう。もう息をのむ展開。みんなようやるわあ。あれは若くないとできないなあ、ものすごいものを見せつける。

劇は、メルヘン調の童話風で、女の子ガーデンでの出来事、、。これが大熊だから、少々ホラーにもなる。どいうやって練習するのかな。セリフは覚えられるけれど、あのパフォーマンスは練習するしかない。運動神経の悪い人はどうするんだろうとか、ファンだからか、心配までしてしまう。

いつもなかなか取れないチケットが今回簡単にいい席で獲得できうれしかった。しかし会場に入ると、なんと半分も入っていない、平日午後3時、だからか?  こんなに面白いのにもったいない!

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