時をかける206号室
企画演劇集団ボクラ団義
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2015/08/19 (水) ~ 2015/08/30 (日)公演終了
満足度★★★★★
待ちに待った久保田唱/ボクラ団義アハ体験!!
何を書いてもこれから観劇の人の楽しみを奪う
ネタバレになりそうなので。。。
「スーパーマリオもビックリ!」
「ひさびさ久保田唱/ボクラ団義の真骨頂演劇!」
と。
本日の終演後イベントのトークショーにて
役者加藤凛太郎さんのお話を聞いて、
「本当に久保田唱さんは鬼才にして天才、
本気を出した時、
脚本/演出家として物語は脳内で既に
視覚/聴覚的に全て完成イメージがあり、
演出はあくまでもそれを具現化する作業なんだなあ…」と
改めて感心。
そしてそれを有能な表現者集団として
100%、いや120%の出来で
現実に具現化するのが企画演劇集団ボクラ団義演者陣、
スタッフ、そしてゲストの皆様なんだなあ( ´ー`)
と、役者さん自身の感想を聞いて改めて
その実力に納得させられました。
ネタバレBOX
【思った事】
・ Rose in many colorsさんの往年の名曲を
完全に演劇とシンクロさせてのオープニング、
綺麗に決まったなあ、と。
・ そして開演前、
アパートの一室の入り口だけと見せておいて、
セットがグルグルグルグル中も外も回って回って、
演者もそれに合わせて回って飛び乗って、と
アトラクション的要素まで含むセットとそこでの演出/演技に驚き。
・ 物語について
「何故かこの部屋を見たい」と
アパートの内見に訪れた男性と、
そこに現れこの部屋のいわくを語る謎の女性。
そして語られる現実ともフィクションともつかない
それぞれの部屋の
「愉快では済まない」出来事すら
笑いに変える序盤の展開。
企画演劇集団ボクラ団義は自分が知ってからもどんどんどんどん
演目とその方向性を広げていっていたので、
この序盤の展開に「今回は喜劇的な会話劇なのか」と思っていました。
しかし「この物語を作っているのは、実は男性側」、
そして各部屋と登場人物達の関係が明らかになるにつれて見えて来る
サイコサスペンスに大いに混乱させられました。
※ 観劇者の頭の中に1度描かれた物語が転じて完全に崩壊し、
そして再び真実の視点で組み直されていく、
(脳内で)1万ピース超のパズルをバラして再び組み上げるようなこの体験が、
ボクラ団義式「アハ体験」とでも言うのでしょうか、
1度ハマるとたまりません
(普段経験する事のない感情というか感触というかがクセになります)。
これぞロジカルミステリの鬼才久保田唱と企画演劇集団ボクラ団義の
一面にして真骨頂かと。
そして、親子であった2人は未完の204号室(漫才師)と205号室(他人同士)を
「救いのある形で完結」させ(205号室については構築自体を取りやめ)、
自分達の人生と再び向き合って行く、と。
笑いあり涙あり恐怖あり混乱あり、本当に色々なものが入り混じった
一大巨編、その名が「時をかける206号室」なのが
小劇場演劇ならではの自由奔放さなのでしょうか、
タイトルからは誰もこんな展開予想できないと思います。
(ボクラ団義を知っているファンの面々ですら、
毎回「今回はこう来たかー!?」と騙されていると思います。)
・ この大混乱をひさびさに味わったからこそ、
観劇後全てを知った「神の視点」での二度観が待ち遠しい。
「アレがこうして、つまりこの人が実は…、
あっ、隠されてた伏線また見つけた!!」
が楽しみでなりません。
・ ほんのちょっとの間でしたが、残念だったのが
ヒロインにしてストーリーテラーを務めるアイドルの方
(ボクラ団義は基本、ヒロインにアイドル系女優さんを置きますね)の、
演技が安定しなかった事でしょうか。
・ 発声
・ 演技自体
序盤などのノレている時は問題なかったのですが、
中盤ちょっと乱れた時など不安定さを感じ、
せっかく自分が浸っている良い「混乱」の物語から、
集中を解かれかけてしまいました。
※ 多分、それほど多くのミスではないのですが
他が本当に集中して演技出来ていた感じだったので
ほぼ全編通して存在し続ける2人の所作、台詞などには
大注目の状態だった為、かなり気になってしまいました。
それもあり、一大巨編にして自分の一番好みのタイプの
お芝居だが、本日は「集中力そがれ」で☆4つかな?
と途中お芝居から気持ちが離れてしまった時、
そんな事を考えていました。
でも、まだまだ公演序盤という事もあり、きっと場慣れその他で
きっと変わっていく/良くなっていくものと思います。
(今までのヒロイン陣もみんなそうでしたから( ´ー`))
・ 親子2人で仕上げた204号室の漫才師コンビとオカマの
やりとりが急激に涙腺を刺激されました。
そのちょっと前までは恐ろしいサイコサスペンスの様相を呈していたのに、
男性(小説家)の未完の空想(物語)でしかない
この漫才師達の結末をどう仕上げるのか?
観ているこちらも気になり、
それが
・ 俺の親父が相方の母親を轢き殺した、と父親を名乗る男に脅された
・ そんな事漫才の前に言えよ
~
・ その親父はオカマの父でもあり
の怒涛の涙の連携プレーに、(設定に多少の無理は感じつつ)
役者陣のあまりの演技の良さに
一気に涙が溜まりました。
物語の展開が本当に素晴らしい、山も谷も光も闇も、
色々なものを備えた一大大冒険活劇、
それが「時をかける206号室」(タイトルがまったくその世界観の広さにあってない( ´ー`))
かと。。。
PS.一身上の都合で劇団を離れられた竹花さんと
ひさびさの新メンバーの18歳(名前??)が
揃った光景は何か嬉しいものがありました。
時をかける206号室
企画演劇集団ボクラ団義
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2015/08/19 (水) ~ 2015/08/30 (日)公演終了
満足度★★★★★
思わずニンマリの素晴らしさ
タイムマシンがなくても時をかけまくるという凄さにニンマリ。 個人的に、56ちゃんの演じていた役に苛つく感情がこみ上げてきて消せなかった。 きっとそれだけその役に入り込んでたからだね…。 素晴らしい作品を最高のキャスト達で魅せまくってる。 進化し続けるボクラ団義の舞台、沢山の人に目撃者のひとりとなって欲しい☆ミ
ネタバレBOX
彩夏ちゃんが、いきなりOPで涙を流す姿にやられました。 瞬殺です。
龍宮の庭
劇団皇帝ケチャップ
萬劇場(東京都)
2015/08/18 (火) ~ 2015/08/23 (日)公演終了
誰か1人でも…
19:30開演の【B】チームver.を鑑賞。
客席にも海を配置する趣向が素敵!
劇場が地下にあるのも相まって、徐々に深海に潜っていくような気分になれたし。
あと、衣装がすごくそれぞれのキャラクターに合っていて眼に楽しいです。
―皆がよく知る「浦島太郎」の物語の背後にはこんな切ない恋模様が隠されていたのです…。
なーんて、モノローグが似合いそうなお話。
海中月9だー、心ぴょんぴょんですなーと思いながら観ていましたが、ただ甘いだけのおハナシではありませんでした。
後味がほんのり、しょっぱいよ…海の話だけに…ってやかましいわ!
ネタバレBOX
ほんとに…。
誰か1人でも…ヒトじゃないキャラクターもいるけど、便宜上このままで…もっとズルく弱く立ち回っていれば…!
と、ココロの汚れた私は思いましたw
「自分を好きな人」に転んどけばいいじゃないのよぅ!(特にカメちゃん。ヒラメ君…いいコだぞ!)、とか、相手の幸せじゃなくて『自分』の幸せを考えて行動したっていいじゃないか!(とはいえ、龍神の作戦は支持しかねるけど。まぁ、あのヒトは乙姫に袖にされるのが好きな性癖のヒトだと思ってるw)とか…いい加減に怒れ、浦島さま!(乙姫は案外、その方がタイプかもしれんぞ!) という下世話な野次が心の中に浮かんでは消えていきました…。
みんな…真っ直ぐすぎるよ!
地上は…もっと汚れてるよ!(暴言)
四郎くんの結末については、「まぁ、あとは主人公カップルが思いを伝え合ってメデタシメデタシかな…個人的にはナミさんルートお勧めだったんだけどな」などと思っているところに起こったので、度肝を抜かれました。
誰でもいいから、いつか、どこかのタイミングで乙姫ちゃんに真実を話してあげて欲しいです。
箱に入れて守ってあげるだけが愛情じゃないと思うので。(生意気でスミマセン)
時をかける206号室
企画演劇集団ボクラ団義
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2015/08/19 (水) ~ 2015/08/30 (日)公演終了
満足度★★★★★
凄い!(*゚Д゚艸)
今回のゲストさんの豪華さ!正直、お客さん呼びたいだけかと思っていましたm(_ _)m
どの役も、あの役者さんじゃないと出来ないというキャスティングでございました(*゚▽゚*)オムニバス、回る回る、それでいて深いお話でした(*゚▽゚*)タイムマシンはないけど時はかける!!
シカクの時の演出も斬新だったけど今回もすごい!!久保田唱さんは天才だと思いました!!
ネタバレBOX
アフタートークの加藤凛太郎さんの熱の入った説明でと〜っても役者さんの気持ちとボクラ団義さんメンバーの気持ちが伝わりました(≧▽≦)いいもん観せていただきました(*゚▽゚*)
竹花さんもめっちゃお元気になられてよかった(*´∀`)
ザ・ビッグニュース!
KALAMA WAIOLI appearing 工場
プーク人形劇場(東京都)
2015/08/18 (火) ~ 2015/08/23 (日)公演終了
元気!!
ステージと席が近いので、役者の方の顔がよく見えました。
皆さん一生懸命お芝居されていて、汗をダラダラかきながら演技をしていました。
ここ最近では巡り会えなかった、熱い舞台です。
すごく楽しませて頂きました。
ザ・ビッグニュース!
KALAMA WAIOLI appearing 工場
プーク人形劇場(東京都)
2015/08/18 (火) ~ 2015/08/23 (日)公演終了
満足度★★★★
観てきました。
「ザ・ビッグニュース」観ました。KALAMAWAIOLIappearing工場さんの舞台を観るのは、これで2回目になりますが、今回も素敵でした。前回のMySweetHouse同様、登場人物一人一人が輝いていて…おもしろかったです。残りの公演も頑張ってください!
【終演しました。ご来場ありがとうございました!】リーマン=シャイン
劇団ダブルデック
劇場MOMO(東京都)
2015/08/13 (木) ~ 2015/08/16 (日)公演終了
満足度★★★★★
安定の面白さでした
今回もダブルデックらしいパワフルな劇が観れました。
次回も観に行きます!
STAR次郎長
LOVE&FAT FACTORY
シアター711(東京都)
2015/08/12 (水) ~ 2015/08/19 (水)公演終了
満足度★★★★★
ネホリーハホリー☆
(^^)/18日(火)の夜、下北沢で
[太。ちょい]の
【STAR次郎長】を観てきました☆
面白かったです。
ご存知「スター・ウォーズ」と
「次郎長三国志」のミックス・コメディ♪
浪曲師・広沢虎造のCDまで持ってて
楽しみにしていた舞台です!
盛り沢山のお笑い&ダンスでした♪
観劇日記をブログに書きました。
FENCE
空想実現集団TOY'sBOX
北池袋 新生館シアター(東京都)
2015/08/19 (水) ~ 2015/08/23 (日)公演終了
満足度★★★★
叶わない恋なのか……
今回お初でした!超シリアスなストーリーでラブストーリーが
苦手な僕でもストーリーに引き込まれてあっという間に時間が
過ぎていました!
迫力のあるダンスシーンも、交錯する恋愛模様も、時折来るコメディも
最高でした\(^o^)/
是非次回作も見たいと思います\(^o^)/
15 Minutes Made Volume13
Mrs.fictions
インディペンデントシアターOji(東京都)
2015/08/19 (水) ~ 2015/08/25 (火)公演終了
満足度★★★★★
お見事なクロージング
前回盛夏バージョンに引き続き、今回晩夏バージョン観ました!
前回も、新しい劇団さんで面白いのがいっぱいあったんですが、今回はアナログスイッチさんが初観でしたが、非常に面白かった!ベテラン勢のPMCさんとダルカラさんは、両方とも中心役者さんが抜群の演技で面白かった!
でも、今回はMrs.fictionsさんが個人的にはダントツ良かった!前回はオープニングアクトで、祭りの始まりをダークな作品で演じ、今回はエンディングアクトで、見事な作品でクロージング。
今回の個人的な好み順は、Mrs.fictions → ポップンマッシュルームチキン野郎 → アナログスイッチ → DULL-COLORED POP → Straw & Berry → タイタニックゴジラ、でした。
できれば、もう一回観に行きたいです
FENCE
空想実現集団TOY'sBOX
北池袋 新生館シアター(東京都)
2015/08/19 (水) ~ 2015/08/23 (日)公演終了
満足度★★★★
切ない恋のはなし
初日見てきました!!
トイボ異端の作品でした。
青瀬博樹君の脚本、演出は何度見ても本当に感銘を受けます。
今回もフェンスの中と外の世界で、舞台のセリにフェンスを本当にはって、独特の世界観。
ダンスも一曲丸々で、圧巻でした。
初日ということもあり、噛んでしまった部分や大事なシーンで分かってしまった部分などが非常に惜しかったです。
金曜日も観に行きます!!
とても、楽しみ!
シェイクスピア・グローブ座『ハムレット』
彩の国さいたま芸術劇場
彩の国さいたま芸術劇場 小ホール(埼玉県)
2015/08/19 (水) ~ 2015/08/20 (木)公演終了
満足度★★★★
Simple stage equipment and speedy production.
Admission free!
But,
It staged in English & No Japanese subtitles.
Brief description of each scene had .
2 hours 45 minutes ( break , including 15 minutes)
※English mistake , please forgive me
However , please tell me the fatal mistake .
It will fix gently . ;-)
ネタバレBOX
Hamlet has been hesitant . It appears to be not suitable to his age.
Hamlet impression pale , it is a beleaguered boy .
But,In other words, Hamlet on this stage is not a young boy , he looks for an adult.
The body of the actor who played Hamlet is showing that way.
Its cause it seemed to be in his father.
It is the strong presence of his father.
And even when the ghost it was the same.
That way it looked .
Includes Hamlet , there is a character all energy.
It is , I had until now , different from the gloomy image of this work .
Poroniasu also , at first but was as old , from around going to explore the cause of the Hamlet of confusion , energy comes overflowing.
Come overflowing even humor from him.
However , I think he humor is too much . I think him there is no such margin .
It is because he is subjected to very concerned about that daughter of marriageable age .
Ophelia is also energetic in about invisible pathetic to.
She seems to be confident .
I think the state of her feelings is always constant. Also , I think a strong and therefore also her gait .
Therefore , it crazy she does not look pathetic.
……Unfortunately.
Representation of the lines using the body , are different from the Japanese.
Body language it 's different . But it's of course.
Monologue of Hamlet , was not towards the inside of his own.
He was talking to the audience.
However , it was not unilaterally speak to the audience.
His monologue is , seemed to like interacting with the audience.
To do so I was surprised.
It was interesting thing is that Hamlet had welcomed the Rosenkrantz and Gilldenseturn as a friend.
In Hamlet I've ever seen , it had been cold shoulder the two friends.
It is , they are "We 're friends of Hamlet ," though he seemed to have been self-proclaimed with.
However, in this stage Hamlet to welcome them.
The two men , appeared on stage with a tennis racket. Thereby , they had become the mechanism which can be seen well whether what the person of.
Stage equipment was simple.
They had been using well the case for the move.
It's easy , but it was effective.
Speedy is a scene deployment.
In Hamlet I've seen up to now , the actors in order to put the emotion , was talking slowly lines.
However , it was not the case in this stage.
Words had come out very quickly.
Of course , emotional expression had to have forgotten.
It has been played only in the actor of 12 people.
They do also play instruments.
There is also singing and dancing.
Therefore , production in speedy , had been carefully constructed.
Like capture the audience , it was a friendly opening.
Ending , with dancing and singing , it had marked the end of fiction.
It was a very fun stage!
Questionnaire was English .
時をかける206号室
企画演劇集団ボクラ団義
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2015/08/19 (水) ~ 2015/08/30 (日)公演終了
満足度★★★★★
感劇しました!
こんな観せ方が成り立つのか!と驚きました。舞台装置もキャラクターも噛み合い方が夢の中の出来事かと思うほど。演者さんのハマリっぷりも絶妙でそれぞれ魅力が溢れてました!
第三毒奏
劇団開花雑誌
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2015/08/14 (金) ~ 2015/08/16 (日)公演終了
満足度★★★★★
大人なんかを信じちゃいけニャイ! ニャロメ! にゃ~~~~~~~tti
多大の戦費と孤児の大量発生に伴い、国家は、戦後スラムに孤児たちを強制隔離した。
ネタバレBOX
その後施設を作って孤児達を収容、非スラム居住者の為の食糧生産に従事させていた。無論、孤児達に教育の機会は与えられていない。それどころか、一切の人権を奪われ奴隷としてこき使われた上、20歳になれば、男女の別なく処分される運命が待っていた。大人達が始めた戦争によって孤児にされた最も弱い存在は、浮き上がる術も奪われていたわけだ。そんな状態でも施設を管理する大人達は、子供達に夢を見るよう勧める。無論、子供達もそんなミエミエの欺瞞にのる筈も無い。施設からの脱出を試みる者も多く、見付かっては、ミンチにされているようだった。何れにせよ、正確なことは分からない迄も殺されることだけは確実であった。だって、彼らは社会のお荷物でしかないのだから。だが、スラム出身者で施設に居る者の誰ひとりとして殺人だけは犯していなかった。
然し、法律が変わった。殺人を犯した者も施設に入所できるようになったのだった。そして、この施設のリーダーであるタケが未だスラムで暮らしていた頃の兄貴分、桐也が入所して来たのだ。桐也は、音楽一家の長男で高等教育を受け、音楽や語学の素養も大変なものだったのだが、実家の父は狂死、母は有名な音楽家であった。然し母は、厳格で融通性が無く、天才ミュージッシャンである妹が、兄を慕う感性にも耐えられずに家を飛び出し、スラムに潜り込んで暮らしていたのだった。タケは、桐也から勉強を教えて貰い、舎弟となった訳だが、法改正後、施設に入所してきたのは「最後にしよう」と留守のハズの金持ちの家に盗みを計画した2人が、人が居るかも知れないと躊躇した時、クラシック音楽が掛かっていた為に狂気の発作に陥ったようになった桐也が人を2人殺した。而も、彼が殺人を犯した家は、方月家。娘の晴子と凛は、体の弱い母の薬を買いに行っていて留守だったもののその家に残っていた父母を惨殺したのである。姉妹が帰って見ると、父母は惨殺され、彼女らは孤児となってスラムに流れた。姉の晴子は、現在タケの彼女である。もう直ぐ20歳になる彼らは、仲間と共に一か八か、脱走を計画していた。処分迄1カ月しかない。
晴子達は、父母の敵を見付け復讐する迄は死んでも死にきれない。そんな想いを抱えている。其処へ降って湧いたような法改正と共に桐也が舞い戻った訳だ。同時に殺人犯を施設で預かりケアし、自分達の出世のネタにしようとの目論見から、心理学者、施設長、施設長代理、刑事らがある計画を立てる。1年に一度、20歳になった孤児達を処分する権利を持つ一等監視管、東郷を除く大人達である。計画の内容は東郷を除き、現在休みを取っている施設長を含めこの施設に係る総ての大人が立てた計画であった。
計画を成功させる為に、共謀した大人達は、タケを逮捕する。逮捕すれば刑が確定する迄は、20歳になっても殺処分されることはない。而も、世間の耳目をそばだたせる訳だから、現在行われている20歳で孤児を殺処分する制度を変えるきっかけにできる、と踏んだのである。彼らは当然、善人面ができ、その後の彼らの人生は更に輝かしいものになるとの計算からである。刑事は、タケは殺人に係っていなかったものの、桐也の共犯であることが分かっていることを証し、押し入ったのが現在のタケの彼女の父母の家であったことを知らせる。20歳で殺処分になることを廃止できるかも知れない、とタケは、自らが犠牲になることを覚悟する。
一方、施設に残っていた晴子は、タケの舎弟格で15歳のデンに愛を打ち明けられる。タケも居ない中、近い内に間違いなく処分される心細い状況で過ごすうち、デンの侠気に少しずつ心を開いて行く。いくら気が強く男勝りに見えようと彼女も独りで重荷を背負うのはきつかったのである。デンは命を的に、彼女に結婚を迫った。彼女は受け入れる。
だが、タケは取り敢えず生きたまま一旦、皆の下に戻ってきた。
と恋の行方でも一波乱を含ませながら、物語は大団円に突き進む。関係する大人達は、20歳での孤児処分を良く無い、と声を挙げる為に、タケを逮捕して、犠牲になることの意味をタケに悟らせた上で、実際に人殺しをしていない彼を桐也の共犯としてクローズアップすると同時に、東郷に20歳になった孤児達を処分させることを通じて、この制度を改革することを目論んでいたのである。無論、殺処分当事者の東郷だけはこの計画を知らされていなかった。
観客の中にも、殺処分反対とノタマウ彼らを観て善意の大人達と見る向きもあろうが、自分は、そのような解釈は拒む。これも無論、彼らの被った仮面に過ぎない。そして、この仮面を剥いで見れば分かることだが、その下には、また仮面があるだけである。更にもう一度剥いでも同じことだ。何と言っても既に彼らは仮面しか持たないのである。其処にあるのは利害だけで、真実などかけらほども無い。そのように取った方が、この作品の本質を、即ち、若者が大人達に向けた刃を受け取ることになろう。
蛇足だが、本物のキャベツを何故使っているのか観劇中疑問に思っていたが、ラストに近いシーンで納得した。東郷に切り落とされた生首なのである。だから、作中でも踏み潰されたりする訳だ。東郷という名も無論、A級戦犯の東郷に係るであろう。尤も、東條と掛けて居るかも知れぬし、朝鮮から渡ってきた陶工の末裔の住むエリア出身であるから、その複雑な人生の一端を投影されているかも知れぬが。色々、考えることのできる作品であった。
ガランドウの虹
ミュージカルカンパニーOZmate
宝塚ソリオホール(兵庫県)
2015/08/15 (土) ~ 2015/08/15 (土)公演終了
満足度★★★
戦後70年終戦記念日に公演する意味!
劇団の方がこの公演を終戦記念日に是非公演したい!という熱い想いのもと、募金を募り、実現できた公演♪
凄いと思います!
戦争している相手にも友達、家族が居る…。
戦争の悲惨さを再認識させてくれる公演でした!
終戦前、懸命に生きた子供達の戦時中の世界。
終戦後、それぞれの道を歩き、子供達が大人になった戦後の世界。
そして、戦時中の子供達をモデルにしたアニメの世界。
3つの世界が交互にリンクしながら、物語は進み…。
戦争とは何なのか、再認識させてくれます。
考えさせられました。
ネタバレBOX
子供向けの割に、歌の内容が少し難しく、時折、聞き取りにくいように思いました。
また「頭がアベコベ」の所は、大人として気を付けなければ、と思いましたが、子供に対しては少し断定的なメッセージに捉えられそうな気がしました。
自分で考える事が大事というメッセージですが、その為には、いろんな意見を許容する大事さもメッセージに添えてはと思いました。
ゴースト・ゴースト・ゥライター
東京パイクリート
OFF OFFシアター(東京都)
2015/08/19 (水) ~ 2015/08/23 (日)公演終了
満足度★★★★
無題1569(15-258)
19:30の回(曇)。18:55会場着、受付(整理券あり)、19:00開場、19:25前説(95分)、19:32開演~21:08終演。
ホテルの一室、中央にベッド。上手にデスク、原稿が(文字通り)山積み。下手にソファとテーブル。
内容は「説明」の通り。
初めの方は普通のお話かなと思っていましたが、突然の展開からはおおいに楽しませてくれました。
キャラクターの切替が巧いのでつい笑ってしまいます。
観た作品:内藤さん「愛、あるいは哀、それは相(2014/7@サンモール)」「実験都市(2011/7@MOMO)」。内海さん「はなのいろ(2012/11@ルーサイト)」。用松さん「ファニー・ガール(2013/10@星)」。加藤さん「Picnic(ピクニック)2012/11@COREDO」「美しい革命(2012/8@劇/小)」「ゴールテープ(2011/7@@劇/小」。
ゴースト・ゴースト・ゥライター
東京パイクリート
OFF OFFシアター(東京都)
2015/08/19 (水) ~ 2015/08/23 (日)公演終了
満足度★★★★
まだまだ面白くなりそう
それまでの緩さが吹き飛ぶ笑いの波が後半に来たね。演者の演技がこれが何とも自然でバカバカしくて面白さ倍増!!
15 Minutes Made Volume13
Mrs.fictions
インディペンデントシアターOji(東京都)
2015/08/19 (水) ~ 2015/08/25 (火)公演終了
満足度★★★★★
これは楽しい名刺交換会
複数劇団で短編を上演し競い合うコメフェスは知っていましたが、
それよりも更に更に昔から複数劇団による
「15分演劇」の演じ合いにこだわった
イベントがある事を初めて知りました。
フライヤーに「各劇団の『名刺』となるような舞台を」、
とありましたが、巧みから稚拙まで、
15分という制限の難しさはあれど、
色々な劇団(の一面を)を知る、
「名刺交換」のまたとない機会となったと思います。
今回は「知っている劇団がいたから」、
という理由での観劇ですが、
次は「新しい劇団を知る為に」観劇したいです。
イベントとしてとても楽しめたので評価☆5つとしたいです。
ネタバレBOX
【思った事(各お芝居)】
●ベンチ(タイタニックゴジラ)
・ フライヤーに
「高校野球の最後のベンチ枠18番を取り合う」という面白そうな
設定があり期待したのですが、
・ 物語が展開していない、動かない
・ 笑いを取りきれていない
(折角のネタの数々に対してバカになりきれていない感あり)
と、シチュエーションコメディ枠だと思うのですが、
自分は最初から最後まで「素」の気持ちのままで
観てしまいました。
「笑い」のネタとなるきっかけは大量にあったのに「もったいない」。
●停電の夜に魔が差して(アナログスイッチ)
・ 設定の勝利。
照明のありなしを逆転させての停電中(本来真っ暗闇だが、こちらが明転)を
ネタにしたシチュエーションコメディ。
設定が上手い。
その時点でもう観客として舞台に引き込まれてしまいました。
こういう「何か1つ」光るものを用意出来ると
お芝居ってとたん輝き始めますね。
笑った笑った(ノ∀`●)
●全肯定少女ゆめあ(DULL-COLOERD POP)
・ シューーーーーーーーーール、というぐらいに
シュールな世界観表現だったのですが、
「笑い」ネタの方がだんだんと異常な世界観に飲まれて
「笑えない」方向にスイッチが入ってしまったような。
物語自体「テーマ」の存在を感じつつ、
「うーん、結局大人になる事、大人の世界」などに対して、
どういう意味合いを含んでいたのかが
あのお芝居の構成では理解しきれず。
ちょっと残念。
●ブルーベリー(Straw&Berry)
・ ダークホースと言っても良いのかも知れません。
最初大学生~25ぐらいまでの若者4人での山手線ゲームなどの
単なる内輪騒ぎ系イベントの段では、
はっきりいって観客側の空気感と
舞台上とでかなり温度差があったかと思います。
(舞台上のハイテンションに対して少しも笑えない。)
このまま15分経ってしまうのか?と残念に思っていたら、
メガネ女性の奏でるギターと歌に
泣き出すもう1人の女性(眼帯付き)。
この眼帯付きの女性が舞台に背を向けた状態で、
この内輪騒ぎが始まった時から、
既に仕掛けられていたのか・・・
物語がどんどん動き始める。
・ トイレ、または「女性2人にして」と追い出されていく男性陣
・ 今回のイベント主催はこの眼帯女性だった
・ 眼帯女性は結婚している、「旦那と何かあった?」と心配する友人女性
そして、メンバー2人が去り、眼帯女性が1人になった所で、
いきなりの「生着替え」。
(こういう場面を観たの自体初めてなので)
本来なら少しはHな気分になってしまいそうな所、
あまりにも痛々しい身体中の傷跡(間違いなくDVの跡)。
今までの物語が全部コメディ方面だった事から、
本イベント自体コメディオンリーかと思っていた所に
この展開ははっきりいって血が引くようでした。
しかし気持ちの方は舞台上にぐいぐい引っ張られていきます。
※ この時点で、少し部屋を空けた男性と
このDV被害者女性の関係が
・ 単なる友人
・ 夫婦(=男性がDVした張本人)
判断出来ず、この先の展開に恐怖すら感じていました。
そこから、物語序盤で語られた女性のかつての
子供の頃のお別れ会?に男性がなぐさめようとした行為、
女性は「自分の事を好き?」と尋ねる、など、
この男性は「友人(互いに?好意は持っていた)」と分かり、
更に女性がDV亭主を殺してきた、と暗に告げる事、
その上でこの男性が「待っている」と告げ、
更にはかつてのようにパッチンガム?
(名前分かりません、あの指を挟むガム)の
ネタで女性を笑わせようとするが逆に(かつてのように)
泣かせてしまい、
(女性の扱いが得意ではなさそうな)男性が更に色々はげますほどに
女性が涙して・・・
という物語の流れが、伏線含め15分に凝縮された
まさに「ドラマ」として、
観劇している自分の涙腺に突き刺さりました。
(15分中半分にも満たない時間の物語の動き/変化だけで
まさかここまで泣かせられるとは・・・)
そういう意味で、ある意味一番の収穫だったのは
Straw&Berryさんでした。
※ 上演台本300円、買って帰れば良かったなあ・・・
●近すぎて遠い(ポップンマッシュルームチキン野郎)
・ レベル違いの巨匠
※ こちらが慣れている、あるいは(笑いや物語の作り、役者の演技を)
信じきっているが故かも知れませんが
最初から「笑い」でまず裏切らない。
サイドストーリー、小ネタで笑いを取りつつ、
メインの物語が「明るめ」「だけど先が見えない」形で展開していく
(物語が動く動く)。
そして、たった15分の展開のラストにこんな衝撃が、
それもオカマのカツ子をこんなにも上手く活かした形で
暴かれるとは思いませんでした。
「単に女性が過去の記憶を取り戻し混乱する」などのラストを
想像していましたが、やはり自分の想像の枠外を攻める劇団、
PMC野郎。
「そもそもが逆だった」、というラストには本当に驚かされました。
毎回毎回、
定番とも言えるブラックユーモアと笑いと涙と衝撃的な展開などのエッセンスを
今回のイベントでPMC野郎という名の劇団の
「名刺」として15分に全て盛り込んだ、
まさに作品としてのレベルは他劇団を完全に圧倒していました。
●ミセスフィクションズの祭りのあと(Mrs.fictions)
・ なんかやさしい、ほっとする安心感、温かいやりとり
うらぶれた町のガールズバー(!)裏のゴミ捨て場で、
バーのママと店の金を持ち逃げしたホステスミケ、
そしてもう2人のホステス(どちらも猫名)、
のなんてことはない会話劇。
だけどママが温かいし、
ミケやその他2人も色々な事はありつつも
それでも何かやさしさを感じさせるやりとり、会話が続く。
(会話劇中に物語としての大きな変化を求めるのではなく、
その空気感、暖かさをそのまま観客にダイレクトに伝えてくる、というか。)
本イベントのトリは外せない(失敗出来ない)、
その上で15分という時間に挑み続けた劇団が持った
お芝居の見せ方、場の空気の作り方の上手さには、
他劇団とはこれまた違う「巧みさ」を感じました。
長々書きましたが、各劇団それぞれ15分の短編、
かつセットも持ち込みと制限は多く、
色々苦労されている面も多かったと思います。
そこに巧みさや稚拙さが現れ
(見せたかった面ではなく)見せたくなかった面だけを
観せてしまった劇団もあったかと思います。
そういう事があった上でも、
本イベント(15Minutes Made)については、
色々な劇団を知る新たなチャンス
※ 過去色々な劇団を試して、結構多くハズレを引いてしまい
「定番劇団」しか観なくなった自分にとっては
もう一度色々な劇団を開拓してみようかな?
と後押ししてくれるようなイベントでした。
小劇場演劇応援イベントとしてもかなり良いイベントだったと思います。
ぜひ次も観劇したいです。
時をかける206号室
企画演劇集団ボクラ団義
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2015/08/19 (水) ~ 2015/08/30 (日)公演終了
満足度★★★★★
話も凄かったけど
ストーリーテラーも含む個性的なキャラクターに
やられました!
あの人が、こんな役?みたいな驚きとその熱量が、
回りに感染するような熱い舞台が繰り広げられ、
凄かった!
特に好きなのは204号室の面々!
気になる方は是非池袋に!
時をかける206号室
企画演劇集団ボクラ団義
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2015/08/19 (水) ~ 2015/08/30 (日)公演終了
満足度★★★★★
時をかける206号室
ある男とアパートの物語終わり頃理解できました。また観て見たいです。千秋楽まで怪我なく顔晴って下さい。