2作品同時上演!!…ぼくらの15日間戦争!…
good morning N°5
OFF OFFシアター(東京都)
2015/09/02 (水) ~ 2015/09/16 (水)公演終了
満足度★★★
【世界征服ナイト】若手男優軍団をフィーチャーした新機軸。ギャグは大味も勢いに持っていかれた/約95分
並行上演されている『breakfast,kani』を「身の削り方が足りない」と評したが、こちら『世界征服ナイト』では育子さん、体を張って笑いを取りにいっていて、その女優魂に感服!
といっても出番は少なく、本作はあくまでも若手男優7人をメインに据えた汗臭い男のドラマ。
むろん、育子さん作・演出ゆえコメディ指数はかなり高いが、男優たちが体を張って奮闘する劇ゆえに、テンション頼みの大味な笑いが目立ち、正直、私には笑えないシーンも多々。
それでも、若い男優たちが応援団さながらのハイテンションで力強く演じ、歌い、踊り、戦う姿にはそれだけで吸引力があり、最後まで退屈はしませんでした。
もちろん、藤田記子さんは男優たちに負けじとばかりに本作でも体張りまくり!
2作品同時上演!!…ぼくらの15日間戦争!…
good morning N°5
OFF OFFシアター(東京都)
2015/09/02 (水) ~ 2015/09/16 (水)公演終了
満足度★★★
【breakfast,kani】もっと捨て身で/約90分
『ジャンキー・ジャンク・ヌードット』や『愛欲の乱』に比べ、大人しい印象は否めなかった。
まずもってこれは、身の削り方が足りないせい。藤田さんだけは捨て身だったが、従来通り一座を挙げてハッチャケないと藤田さんばかりが浮いてしまう。
これに絡めてさらに言うなら、役と演じ手が重なって見えるようなドキュメンタリー性も薄く、これも一座に“すべてをさらそう!”との捨て身の姿勢が欠けているせいだろう。
加えて、妖しさが弱いのも物足りなく思われた一因か? 『愛欲の乱』も女性だけの公演だったが、皆さん、女を振り切る一方で女らしさを振りまいてもいて、濃艶な色香が感じられたのに…。
本作も、女所帯という強みをもっともっと生かさなければ勿体ない。
とは言いつつも、バラエティーショー仕立ての連作コント集としては充分な出来映えだったし、MINAKOさんの独唱は“さすがプロ…”と聞き惚れるほど素晴らしく、それなりに満足のいく90分ではありました。
真昼のジョージ
劇団子供鉅人
HEP HALL(大阪府)
2015/09/03 (木) ~ 2015/09/07 (月)公演終了
満足度★★★★
バカバカしくて、ハイテンション!段ボール美術も必見!
バカバカしくて、ハイテンション!
そして、楽日に販売されるそうですが、段ボールで作られたセットが力作!
段ボールのセットがすっと出てきて、あっという間に場展!
車に火事に、本当に素晴らしい出来でした!
最初から最後まで、ノーブレーキで、淀むことなく、突っ走る!
面白かったです!
ホーボーズ・ソング HOBO'S SONG〜スナフキンの手紙Neo〜
虚構の劇団
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2015/08/25 (火) ~ 2015/09/06 (日)公演終了
満足度★★★
2回観ました
大阪公演が都合悪く見れないため東京遠征
グリーングリーンの歌、いろんなバージョンで聞いていると良い歌だなと思いました。
ネタバレBOX
決して芝居が面白くなかったわけではないのですが・・・
鴻上さんの言いたいこと、メッセージが出すぎている気がしたのが自分にはマイナスでした。それよりももっと各人の葛藤が見たかったのですが、そこまで共感できる葛藤が自分にはなかったです。
ピンチの状況で全員がクスリにやられる(?)ところは「深呼吸する・・」のアレと一緒でちょっと安易と感じてしまいました。
あと、最後のオレノさんのセリフと余韻が良いのだと思いますが、客席からの咳払いのタイミングが悪くて・・・損した気持ちです。
英国ロイヤル・オペラ2015年日本公演『マクベス』
公益財団法人日本舞台芸術振興会
東京文化会館 大ホール(東京都)
2015/09/12 (土) ~ 2015/09/21 (月)公演終了
満足度★★★★
最終舞台稽古
ゲネではなく、3・4幕の最終舞台稽古70分だった。1・2幕を観てあとは本番の楽しみとしてほしかったが、贅沢は言えない。公演ではないため売店の営業なし。プログラムは初日の前日に完成とのことで用意なし。1階は関係者と報道がちらほら。客は2階。3階にも人がいた。舞台上は衣装着用、オケは普段着。字幕付きで、ほぼ実公演のよう。出来栄えは、マクベス役のサイモン・キーンリサイドが○、マクベス夫人役のリュドミラ・モナスティルスカが素晴らしいと思ったり心配になったり、紙一重。バンクォーのライモンド・アチュトは△。合唱とオケは○。はたして本番はどうなるか。
紙の花たち
スポンジ
「劇」小劇場(東京都)
2015/09/02 (水) ~ 2015/09/06 (日)公演終了
満足度★★★★
初 「劇」小劇場
暗さ、重さが調度良くて面白かったです。
タヒノトシーケンスvol.1 透明な動物と夜通し歩き回る
タヒノトシーケンス
新宿眼科画廊(東京都)
2015/09/04 (金) ~ 2015/09/09 (水)公演終了
満足度★★★★
透明な動物ツアー
奇妙な感覚が楽しい。
BIRTH ~ペルー日本大使公邸人質事件~【アンケート即日公開】
劇団バッコスの祭
萬劇場(東京都)
2015/09/02 (水) ~ 2015/09/07 (月)公演終了
満足度★★★★★
(^-^)/グッときた。
(^-^)/テロリストなんだけど、彼なりに国を憂い仲間を想い頑張った彼等の頑張りと悲しい結末に涙が流れた。テロと言う行ないを美化しちゃいけないのだろうが、そこは作品という事で。丹羽隆博はカッコイイね。感動しました、また次回も期待してます。
うんちゃん
Nana Produce
シアターサンモール(東京都)
2015/09/03 (木) ~ 2015/09/06 (日)公演終了
満足度★★★★★
よかった
知束さんらしい、暖かくて優しい物語。
笑えるし泣けるし、素敵な舞台でした。
南部くんがよかったなぁ。
それからアンバランスの山本さんは期待通り!
おもしろくて何度も笑っちゃいました
(*´ω`*)
龍 -RYU-
劇団ZAPPA
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2015/09/02 (水) ~ 2015/09/08 (火)公演終了
満足度★★★★★
見応えありました
「風」を観ました。全体としてお芝居のテンポが良く、時間が短く感じました。殺陣も見応えありました。青年期の龍馬も魅力的に描いてました。特に照明の使い方が秀逸で、また舞台を広く使っているところに感心しました。お芝居の視点も混乱しない限度に変化があり、退屈しませんでした。
プリンス・オブ・デビル~妃を探せ!~
Seiren Musical Project
六行会ホール(東京都)
2015/09/02 (水) ~ 2015/09/06 (日)公演終了
満足度★★★★★
今まで見た中で一番面白い!
今までで一番面白かった!
笑いと涙の割合が、8:2で、まさに私の好きなポートフォーリオ。
歌もダンスも見ごたえあり、最後の最後に、どんでんがえしが2度もあってびっくり等脚本も最高。
行友さんのレイラという占い師役の子がとってもセクシーで、はまり役。
ルドルフは可愛く、伍芳の片桐さんは可憐、ドロンパケロンパは何だこれ!ダンテのソロも素朴な声でしみじみと聞けた。勿論チャコのソロは号泣。アミ―ジャの内海さんも声がきれいみたいでもっと歌を聞きたかった。
いやいや、ほんとに皆さん、この役のために生まれてきた?みたいに、キャラが生きてて適役でした。
デビルだけああって、生き死にの話も織りこんであり、本当によくできてました。ちっと人魚姫も入ってたな。
劇団四季等含め今までみたミュージカルの中で、私的には、ウィキッドと並ぶ傑作やと思います。
うんそれくらいよかった。
ロングラン希望します。本当にありがとうございました!
龍 -RYU-
劇団ZAPPA
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2015/09/02 (水) ~ 2015/09/08 (火)公演終了
満足度★★★★★
女龍馬
龍馬主役の話だけど、あえて女性サイドの感想。乙女さんが色々な制約の中で願う夢。物静かに周りを見ている栄の想い。夢砕かれて身を引く加尾の切なさと悲しみ。各々が違う色を出し、男達を支えているという感じが良く出ていた。特に乙女さん“溜まってるんだねぇ!”と思わず言葉がもれた。なまじ男より度胸があり、腕が立つ。女だからという事でかかる制約に反発する心。見たいもの、知りたいもの、やってみたいこと、欲求も溢れて止まらない。そのあたりのジリジリ感が良く出ていた。そしてこの女達の隣で“知ってる”とつぶやく権平。こんな家長だから、こんな風に女たちがイキイキとしていられるのね、とも思った。どうしても男性中心になりがちの話が多いが、女性がこんなにも印象に残る作品は少ないと思う。
米
PANCETTA
小劇場 楽園(東京都)
2015/09/02 (水) ~ 2015/09/06 (日)公演終了
満足度★★★★
観てきました
米 チラシから真面目な劇かな
このチラシをみても予想できず会場いり
1話が微妙で大丈夫かな。。。
と思ったらその後から、もう面白い
最小とチラシが惜しいと思いました
さよならサムゴー ~いつかはギャットモンテイプ~
サムゴーギャットモンテイプ
【閉館】SPACE 雑遊(東京都)
2015/09/03 (木) ~ 2015/09/06 (日)公演終了
満足度★★★★★
夏が終わってしまった。。
22人全員にエピソードがあり、素晴らしい脚本だった。
英語劇のシーンが特に好きだったな(笑)
ひと夏のクラスの話しで終わった瞬間、観ていた自分の夏も終わったんだ
と凄く感じてしまった。
本当に面白かったので、次回作も是非お願いします。
霊感少女の篠原さんが好きです(笑)
龍 -RYU-
劇団ZAPPA
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2015/09/02 (水) ~ 2015/09/08 (火)公演終了
満足度★★★★
とてもおもしろかったです
今回、こりっちさんの方でチケットプレゼントに当たり、本日見てきました!
龍馬が脱藩するまでの話を独自の解釈とした作品でとても興味深く見させてもらいました。会場全体を使った演出と舞台のセットにとても力を入れていて役者さんの演技もとても育てられており飽きることなく最後まで見ることのできる作品となっています。次回公演もみたいですねぇ
出演者の多田聡さんの演技がずば抜けて凄かったですね
今後の活躍に期待です
果てまでの旅
玉田企画
アトリエ春風舎(東京都)
2015/09/05 (土) ~ 2015/09/14 (月)公演終了
満足度★★★★★
楽しい!
面白かったり可愛いかったり、素晴らしかったです。
ネタバレBOX
修学旅行先での男子部屋と女子部屋の話。
初演は観ていませんでしたが観たような感じ、旅館の部屋の構造、由かほるさんが演じる学生服を着た不思議な男子生徒手塚が登場する点が『少年期の脳みそ』と共通でした。
そこら辺りを差し引いても、少年少女の気持ちが表れていてとても楽しく拝見しました。男子生徒手塚が暗転後に女子生徒重原に変わるところなどはさすがです。
そして、よくぞ出てくれました鮎川桃果さん。告白され戸惑い赤面して照れ、うやむやにされその気はなくてもちょっとがっかりしたような短時間の表情の変化は素晴らしかったです。玉田氏の演技とは比べようもありませんでした。
龍 -RYU-
劇団ZAPPA
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2015/09/02 (水) ~ 2015/09/08 (火)公演終了
見てきた。
今回初めてZAPPAさんの作品を観劇いたしました。
他の方の前評判や以前の感想などを見て行ったからかも知れませんが、少し期待をしすぎていたのかも知れません。私が見たバージョンは全体的に勢いはあるのですが、役者たちの技量にバラつきがあります。
殺陣などの派手な見せ場が少なかったとは言え、作品自体は面白くうまくまとまっていた感じがします!客席に高さがあるので、舞台前などで芝居をしていても良く見えました。ただ客席通路の階段上での芝居は役者が近くで見られて嬉しい反面、前列のお客様には優しくないかと(笑)
作中の会話は土佐弁ではなく全て標準語でしたので時代物に詳しくない方でも話について行けます。
ただ歴史に詳しい人から見ると所々で史実と違う点がありますので、色々と気になってしまうかも知れませんね。
例えば、大河ドラマの龍馬伝のように平井家の扱いが郷士(下士)として扱われている点が気にかかりました。本来なら収二郎と加尾は上士ですから(笑)まぁ、ストーリーを面白くするためなのかも知れませんが。
地図の剪定 vol.1 戦争の条件
地図
ART SPOT LADO(東京都)
2015/08/26 (水) ~ 2015/08/30 (日)公演終了
満足度★★
何とも困る
とても分かりにくく面白さが伝わらなかった。
役者の皆さんは伸び伸び自由にやっていたのは好印象ですが、・・・。
果てまでの旅
玉田企画
アトリエ春風舎(東京都)
2015/09/05 (土) ~ 2015/09/14 (月)公演終了
満足度★★★★
“リアル”よりも“笑い”を優先させた、男子中学生の冒険談
“刹那”な笑いの連続。
劇場内に入る直前に、個人的にちょっとした出来事があった。
それが劇中の内容と、少しリンクしてて、暗い劇場で苦笑いしてしまった。
(ネタバレへ)
ネタバレBOX
“中学生の修学旅行”っていう設定で、この作品が笑えることはすでに確約されていると言っていいだろう。
なんたって、いい歳のオトナたちが中学生を演じるのだから。
その期待値を、少しだけ上回って、全編笑った。
とは言え、いい歳のオトナたちがリアルな中学生を演じているわけではなく、1つのイメージとしての中学生であり、設定である。
“面白さ”を最優先して、中学生はその道具の1つにすぎない。
いわゆる“スクールカースト”的に言うと、底辺かと思っていたら、それほどでもなく、可も不可もない中程度の層に彼らはいるようだ。リアルに最下層の中学生たちだったとしたら、まず、女子部屋に入ったら、部屋内はパニックになるだろう。
卓球部とは言え、部活もやっているし、女子部屋に入ったとしても、露骨に嫌がられるわけでもない(面白い話したら、“いてもいい”提案までしてくれるんだから)。
まあ、“卓球部”がイコール“ダサイ”のアイコンとなるのは、いささか昭和な選択だとは思うのだが(リストバンドはいいチョイスだと思うけど・笑)。
男子生徒たちは、とにかく“自分大事”で、傷つきたくないから、本音は言わないし、相手にもできるだけ踏み込まない(女性に興味がない仲間とかにも無理に突っ込まないし)。
うっかり言い過ぎたり、余計なことを言ったら「ギャグだよ」「ノリ悪いな」で避けようとする。避けているのは明らかなのだが、相手も下手に突っ込んで、自分に踏み込まれたくないので、その「ノリ」に乗っかる。
「ノリ悪いな」は魔法の言葉である。相手も共犯に仕立てて、その場を逃れ、ノレない者を標的にする。
そんな暗黙のルールである。彼らのように露骨に見え見えじゃないとしても、誰でも使っている。
マンガを一人読んでいる仲間はそのルールに乗らない。
女子生徒たちも同様だ。好きな男子のことがバレないように、しかし、“自分のほうが好きな相手のことをよく知っているぞ”アピールをしながら(相手にだけはわかるように配慮している、つもりで)、会話のバトルを繰り広げる。
その暗黙のルールを破る仲間が、割って入るという図式は面白い。
男子にも女子にも“ルールに乗らない者”がいる、という状況は、ホントのところ、ないのだろうと思う。
そんなヤツは仲間にはなれないからだ。
このへんが“リアル”ではないところだ。
“面白さを最優先した”から、こうなったのだろう。
だから、“刹那”な笑いが連続することで、実は微妙なバランスで立っているストーリーではないだろうか。
下手するとコントの連作になりかねないところを、演劇に仕立てていたと言っていいかもしれない。
だから、実際、(今の中学生は知らないが)彼らのような中学生たちが、修学旅行中に女子部屋に遊びに行くというのは、かなり敷居が高いはずだ。リアルなストーリーだったら、「部屋に行く」というシーンはないだろう。
フライヤーの説明を読んで、かつ「果てまでの旅」というタイトルを見て、「これは女子部屋にたどり着けない、中学生の非劇だろう」と思っていた。
しかし、彼らはためらいもあるものの、駆け引きらしい駆け引きもなく、部屋には簡単にたどり着いてしまう。
この展開は、意外だった。
行ってしまうことにより、よりバカバカしい展開になるのではあるが。
時間差の突入は面白いし、追い詰められて、つい「池田のことは好きでも何でもない」と言ってしまう小池の台詞には全米が泣いた。
これだけは小中学生“あるある”じゃないかな。
女子生徒たちの関係が微妙な中に男子が突入するので、男子対女子の関係になるのは、中学生だから当然としても、それまでの微妙な女子間での関係を、“対男子”に対しても、もう少し反映させてもよかったのではないかとは思うのだが。
さて、最初に書いた「劇場内に入る前の出来事」について触れなくてはならない。
アトリエ春風舎という劇場には、トイレが2つある。いずれも個室で手前は「男性/女性兼用」、奥は「女性専用」だ。
時と場合によってはフレキシブルに使用することも、あった。絶対にしないときもある。
で、その日は、フレキシブルな日だった。
手前の「兼用トイレ」の前に並んでたが、係りの人が確認してから、「こちらをどうぞ」と奥の女性専用のトイレを示した。
ほとんどの観客が着席していて、もうこれから入る人は当分いないということでの判断だと思う。
そして、奥の女性用に入り、用をたして出てくると、ドアの外には女性がいた。
明らかに不審者を見る目つきで、あからさまにドアの「女性」のマークをこれ見よがしに確認して、こちらをキッと見た。
「い、いえ、係りの人がこちらを使えと…」と喉まで出たが、言うタイミングを逸してしまった。
悪いことに、「こちらをどうぞ」と言った係りの人の姿もない。
女性が出てくるのをトイレの外で待つというのも逆にアレなので、とにかく「きちんと説明したほうがよかったなあ」という後悔とともに座席に座った。
公演が始まって、例のシーンである。
男子生徒が非常にマズいモノを持っていることを、女子生徒に見つかってしまうのだ。
彼らは、自分たちの部屋に這々の体で戻ってから、「これは、きちんと説明したほうがいいんじゃないのか」と言うのだ。
あれ? さっきの出来事と同じだ。
「先生に告げ口され、内申書が悪くなって、いい高校に行けなくなって……」と、仲間をなじるシーンがある。
「そうか、まいったなあ、トイレのことをきちんと言い訳しないと、いい高校に行けなくなってしまう……」と、私も思った。
このシーンは、思わず苦笑いをしてしまった。
「なかなか本当のことを言えない」という、日本人的な(特に中学生の異性に対する感情は)感覚は、この公演の翌日観た、キ上の空論『東京虹子、7つの後悔』とリンクしていて不思議な感覚を覚えた。
これについては、後ほど感想を書こうと思う。
妙にオドオド感が似合う大山雄史さんと、視線の配り方がなかなかだった伊藤毅さんの会話が楽しい。
“間”の感じも笑いを上手く生んでいた。
「オレ」の変なイントネーションの由かほるさんの存在が面白かった。
そして、由かほるさんの、女子部屋でのキレ方が鋭くて、こんな風に言われたら、絶対にシュンとなるだろうなと。
鮎川桃果さんと植田ゆう希さんの、台詞バトルには笑った。相手の表情を確認している(自分の発言が相手にどんなダメージを与えているのか、のような)ような視線の送り方がいい。
矢崎を演じた工藤洋崇さんが(見た目は、どう見ても元ヤンのおっさんなのに・笑)、実は一番モテモテなのかと思ったら腹が立った(笑)。
どうでもいいことだけど、拾った女子のタオルは濡れていたほうが、さらに笑いが広がったように思うのだが。
役者さんたちの、こうした細かい演技や表情を楽しむのは、舞台との距離が近い小劇場ならではのものだろう。
ただ、観客の反応(笑いとかね)を、直に感じてしまっている役者さんの(心の)リアクションまで見えてしまうのだが(笑)。
パイドパイパー と、千年のセピラ
劇団ショウダウン
あうるすぽっと(東京都)
2015/09/04 (金) ~ 2015/09/06 (日)公演終了
満足度★★★★★
千年のセピラ
劇団ショウダウンの「」パイドパイパー、スピンオフ公演である今作は、看板女優、林 遊眠の独り芝居である。
狼に育てられたという伝説を持つローマの創設者、ロムルスとその奸計によって苦杯を舐めさせられたサビニ人に纏わる実際に起こったとされる事件の伝承をもとにショウダウンのナツメクニオが脚本化した。
ネタバレBOX
舞台装置は、無論、パイドパイパーと共有である。この舞台、中々優れた安定性のあるものになっている。その理由は、シンメトリーになっていることで安定感が増しているからである。更に、客席側天井近くに作られたオブジェの色彩や形態も円筒をアレンジしたような形の所々に時代の流れや戦闘によって破壊されたかのような切込み箇所があり、物語の内容に応じて観客の想像力を自在に羽ばたかせることに役だっている、と共に舞台奥中央の出捌け口は、砦の門とも、また、城の奥にひっそり設えられた部屋の扉ともなる効果的な設計。更にその周囲、上部に形作られた塀や踊り場は、丘にもなれば砦の壁や歩廊にも、更には丘へ続くアプローチともなるよう、くすんだ色彩が塗られているばかりか、歩廊の柱列には、様々な意匠が施され、自分はエルサレム旧市街の市壁を思い出した。因みにもともとヨーロッパやヨーロッパ諸国を相手に戦った国々、地域は、ギリシャ以来都市国家的な性格を持ち、地続きの大陸なので、各エリアで支配者が変われば、その支配地域も変わり、いつ何時他のエリアの侵攻を受けるか予断を許さなかったから、自分達の支配エリアの外域を塀で囲うのは当然のことであった。自分がかつて住んだ南仏モンペリエの旧市街には、今もかつて市を取り囲んでいた市壁の一部が残っていたし、道路の名前などにもその歴史が刻まれていた。日本でも江戸時代に一国一城令が出るまで軍事的に重要な地点には、多くの城が築かれていたことは、誰しも知る所である。まあ、日本と似ているというレベルで言えば、戦国時代の群雄割拠を思い描けばある程度重なるのではないか。だからこそ、諸地域、諸侯を従え、近代へ至る道筋をつけた絶対王政の時代、ヨーロッパでは、王権神授説のようなコンセプトが必要であったと言えるのではないか。無論、歴史は単純に前進することなどない。紆余曲折を経て取り敢えず進行してゆく。
決定的間違いを糺す機会を失ってなお、例えば現在、我が「国」で原発再生が画策されているように。而も、誰の目にも原発のやっていることは、地球温暖化そのものであることがはっきりしているにも関わらず、だ。横道に逸れるし今まで何度か書いてきているので既読の方々には申し訳ないが、大切なことなので再度書かせて頂く。既に読んだ方々は段落を飛ばして読んで頂いて構わない。
現在、日本の原発は100万キロワット級が通常だが、無論、このクラスの原発が作り出すエネルギーは、電力として供給されるそれの3倍。では、残りのエネルギーはどこへ行ってしまうのか? 水を温めているのである。日本の場合、原発は、過疎地の海辺に建設されることが多いので、この場合は海水を温めている。ではその量はどれくらいか? 1秒に70~80トンの水の水温を7度上げる。因みにこの水量は東京近郊を流れる川で言えば、荒川と多摩川2本の河川の一秒間に流れる水量を合わせた量にほぼ等しい。無論、温められた水に溶け込んでいたCO2 は蒸散する。コーラに熱を加えればどうなるか? 幼稚園児でも分かるだろう。以上の理由から原発を再稼働することによってCO2が減るというのは、無論嘘である。嘘でないというなら、それを原発推進側は証明せよ! たかが湯を沸かす為に、こんなに大量の死の灰を生じ、それらを無害化する技術もなければ、安全になるまで安心して埋める場所もなく、戦争になって通常ミサイルを原発に打ち込まれれば大惨事を引き起こすこと間違いない。こんな大きなリスクを背負うこと自体馬鹿げているのは、分かり切っていながら容認するのは、愚かな証拠である。
また、内部被曝は、顧慮する必要がないというなら、イラク、コソボ、日本では殆ど報道されることのないアフガニスタンのDUが用いられた地域で起きている奇形児出産異常多発や放射性に起因することの多い、癌、白血病、その他の発症例が内部被ばくに無関係であることを証明せよ。本来、WHOがこんなことはとっくにやっていなければならないにも関わらず、IAEAとの協定によってそれができないことを、全世界に知らしめよ。これらの症例が放射性核種の内部被ばくではないとするなら、その原因を明確にせよ。化学的なケースの場合も可能性としてあるのだから。そして、原因が分かった時点でDUの被害実態を予測できたアメリカには、人道的な罪を問い、内部被ばくが原因との結論か化学毒性が原因との結論が出たならば、総ての被害者に対して最低限、その遺伝子破壊に対しての保証金支払いを命ずるべきである。そのためにアメリカの経済が破綻したとしてもそれは無論アメリカの責任である。少なくともアメリカが開戦理由としたことに関して罪のない国家をその人民を奈落に突き落としたのだから。
更にISを敵視する連中は、このような組織が生まれた歴史的必然にアメリカ・イギリスが最も大きな責任を負っていることを指摘しない。このような欺瞞こそ、ISを生む土壌だということを意識していないかのようである。既に、そんな欺瞞は破綻しているのだが。さて、本論に戻ろう。
物語は、ネプチューンの祭日にローマの仕掛けた奸計で攫われた数多くの女性のうち、ローマの前線指揮官、ホスティリウスに嫁がされそうになる美少女タルペイアやその妹のような存在として彼女同様神殿巫女として軟禁されているパミーナを中心に、サビニ人の王、ティトウス、前線指揮官のメッティウス、旅の預言者サンジェルマン伯爵らによって紡がれてゆく。
人間ではなく鳥だがヘルメスという名を持つ鷹も重要な役割を果たす。無論、この名でギリシャ・ローマ神話との関連をも示すと共にヘルメスが葦笛を発明したこともパイドパイパーに関連していることを忘れてはなるまい。このようにして物語に広がりを与えていることも作家の上手さである。
さて、事件後10年の間に勇猛果敢で知られるサビニ人は、3度の戦いをローマ挑んだが、難攻不落の砦カピトリウムを突き崩すことができずに敗退していた。王が変わり、衰えた力を挽回、ローマと互して戦えるまでに復活したサビニ人は4度目のカピトリウム攻撃を開始する。
一方、女性の社会的地位は低く、男の政争の道具にされる、単に性の捌け口、子孫を残すための妊娠機械のように扱われる場合も多いのは、時代的背景であるから、止むおえない点ではあろう。
ところで今作はパイドパイパーのスピンオフ作品であるから、そろそろその繋がりについても明かしておこう。実は、パミーナは、夜の女王の娘である。従って、彼女は不死。特別な力も持っている。その彼女は、自分と同じ孤りの寂しさを知り、孤独と戦ったタルペイアの、囚われて今は「祖国」となっているローマを恋故に裏切り、最愛の敵王の政治的判断によって裏切りを罰された悲恋と、女性の恋の形である深く狭い悲恋の強さを憐み、彼女に乗り移って、時を超える眠りについていたのだが、更にヘルメスから与えられた笛によって様々なものを操る力も持つ。長い眠りから醒めた時、常若の国の王ダナーンに拾われ、聖骸を持ち矢張り不死の存在である神々の娘、ミリアムのボディー・ガードとしての職を与えられる。こんな訳で彼女はパイドパイパー第1号なのである。
ところで、今作でも、照明・音響が効果的に使われていて、改めてこの劇団のバランスの良さを感じさせた。