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コスモポリタン

コスモポリタン

U-33project

王子小劇場(東京都)

2023/05/24 (水) ~ 2023/05/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2023/05/25 (木) 19:00

本ユニットは4回目。切ないファンタジー。(3分押し)87分。
 女子校生の中井かなの夢は「宇宙の果てを見てみたい」ということ。転校生の沼袋も同じ夢を持ってることを知った中井は…、の物語。本ユニットは女子高生の物語を扱うことが多く、本作も女子高生役の8人の夢を語って進むが、今回は軸になる中井に感情移入できなくて、ちょっとピンと来ない感じが残念だった。

コスモポリタン

コスモポリタン

U-33project

王子小劇場(東京都)

2023/05/24 (水) ~ 2023/05/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2023/05/24 (水) 19:00

90分。休憩なし。

マミーブルー

マミーブルー

劇団Q+

萬劇場(東京都)

2023/05/24 (水) ~ 2023/05/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

最高におもしろかったです。
ストーリーはわかりやすくて、グイグイ引き込まれて、アッという間の100分でした。
白いドレスの女性たちが舞っている姿は、ハッと息をのむほど綺麗でした。
行く前はおもしろいかなあ、と不安でした。
あらすじを読んだ時は、母親の子育てでウツになってしまう話カナと想像してました。
又は抽象的な話カナと...
こんなに素敵なお芝居なんて、ビックリしました。
お父さん役の役者さんの最後のシーンのクライマックスは感動的で、観て良かったと心から思いました。



龍と虎狼-新撰組 Beginning-

龍と虎狼-新撰組 Beginning-

FREE(S)

ウッディシアター中目黒(東京都)

2023/05/23 (火) ~ 2023/05/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

本格的な殺陣がたっぷり観れて大満足でした。
龍馬と歳三が兄弟という設定、決して不自然でなく、むしろ兄弟の微妙な感じが上手く出ていて引き込まれました。
イケメンの役者さん、渋い感じの役者さん、綺麗な女性の役者さんの真剣な素晴らしい演技に感動でした。
続編もあるようで、楽しみです。
満席で、帰りながら、ファンの人たちが興奮して騒いでいて満足そうでした。
衣装、髪型なども楽しめました。
とても良かったです。

老いらくの恋

老いらくの恋

秋田雨雀・土方与志記念 青年劇場

紀伊國屋ホール(東京都)

2023/05/24 (水) ~ 2023/05/31 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/05/25 (木) 14:00

座席1階

どこまでも前向き。青年劇場らしい舞台だった。農業を考え抜いた作家山下惣一の作品が原作で、今風にアレンジしてある。

扱っているのは農業だが、テーマは太陽光発電と農のコラボであるスマート農業や、富裕層向けの付加価値を付けて輸出する農業の未来、飼料の高騰で危機にひんする酪農、これらをめぐる世代間対立。老いらくの恋というタイトルは、主人公のおじいさんが若い女性と恋仲になるのではなかった(当たり前か)。このほかにも、昭和の男は連れ合いに「ありがとう」を言えないとか、ラストシーンに向かって走る世代間協力とか。脚本の高橋さんは盛りだくさんの要素を盛り込んでいる。これも青年劇場らしい舞台と言えるかもしれない。

青年劇場の看板俳優である葛西一雄、藤木久美子、吉村直が舞台を引っ張る。どちらかというと高齢者が頑張っている舞台だ。客席も高齢者が大半を占める。だから、金色夜叉のメロディーが流れるとあちこちで笑いが起きた。葛西と吉村の金色夜叉の村芝居にも、大きな拍手が起きていた。数少ない平成時代以降生まれのお客さんには、どういうことなのか分からなかったかもしれない。

だが、舞台が扱っているのは現代であり、ウクライナ戦争による穀物価格の高騰、飼料価格の高騰や新型コロナ、農地での太陽光発電なども舞台の要素である。冒頭、食料自給率の問答から始まるが、高齢化が進む日本の農業をどうしたらよいのか、考えさせられる舞台でもある。

ネタバレBOX

青年劇場の舞台ではこういうシーンは初めて見た。チケットの余りがあるという告知を俳優さんがカーテンコール後に行ったのだ。「SNSでの告知を」という言葉が出たのには少し驚いた。高齢者もSNSぐらいやっているから当然といえば当然なのだが。これで、「これから撮影タイムにするので、どうぞスマホで撮ってSNSに上げてください」となったらさらに驚くところなのだが。
マミーブルー

マミーブルー

劇団Q+

萬劇場(東京都)

2023/05/24 (水) ~ 2023/05/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

頂いたチケットで劇団Q+「マミーブルー」観劇。戦争の虚しさ、愚かしさ、亡くなった者、残された者の未来への想いが描かれていて良かったです。個人的に311を経験してるので少し重なりました。一点、中盤ぐらいまで芝居が流れてる感があったのでメリハリがあると良いです。ありがとうございました☺️

マミーブルー

マミーブルー

劇団Q+

萬劇場(東京都)

2023/05/24 (水) ~ 2023/05/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

開演前SEはデヴィッド・ボウイのラスト・アルバム『ブラックスター』。この時点で観客の気分はかなり出来上がっていく。客席中央通路を大胆に使う構成。萬劇場はとても観易い。
小さな白い和傘を差した真白な衣服の主人公、柳本璃音さんが静かに海から現れる。衣装・ヘアメイクデザインも彼女。これがずば抜けたセンスで圧倒される。
「水に全ての記憶は溶けていく。まるで海は過去も未来も全ての想いが溶け込んだスープのよう。想い出せ。かつてか、遥か未来にか、己が刻んだ情念の記憶を。決して忘れることはない、と深く刻み付けたあの日の思いを。」(意訳)
オープニングは寺山修司の散文詩の感覚、凄くお洒落でポップなアングラ。
現れた人魚達の幻妖的な美しさ。顔の一部に鱗のようなメイクや模様。

雨が降り続く海辺の村、子供達は人魚の目撃談を聞いて集まる。これがまた琉装(ウチナースガイ)を思わせる色きらびやかな出で立ち。すると防波堤の先から本当に人魚達が現れる。逃げ出す子供達。一人、逃げ遅れた凪(柳本璃音さん)が目にしたのは遠い昔に海で亡くなった母(小夜子さん)の姿。人魚の尼御前(あまごぜ)〈中村容子さん〉は、とある警告を発す。

凪の友人役の佳乃香澄さんが印象に残る。友人役の宮越虹海(ななみ)さんのインパクトのある化粧。同じく友人役の加村啓(ひろ)氏は関東連合の柴田大輔を思わせる凶悪な風貌。

寂れた村に転機が訪れる。山高帽に襟無しの白いチャイナ服の上下、赤い長靴にヒヨコ色のフェザー・コート、虹色のパラソルというふざけた格好の男が突然現れる。小日向文世の志村けん風味、イエロー山口(史歩〈ふみ〉氏)だ。彼が持ち掛けるある提案。

この劇団、独特のオリジナリティの妙味。ステレオタイプな物語をイメージしていると、そうはいかない。凄い好きなセンス。ヴィジュアル・イメージが斬新で突き刺さる。
是非観に行って頂きたい。

ネタバレBOX

モデルは幕末、1863~64年の下関戦争(馬関戦争)の彦島。攘夷親征策を執る長州藩は海峡を封鎖し、航行する諸外国の艦船に無差別攻撃。イギリス、フランス、オランダ、アメリカは連合艦隊を組んで徹底的に報復した。
天子を太子と言い換えていたり、よく似た世界線の異世界という趣き。小さな黒い和傘、顔に幾何学模様のペイントを入れた役人達。黒装束姿に顔にワンポイント、白の絵の具を塗るウォーペイント。

人魚の御告げ、「黒い雲に気を付けろ」。
イエロー山口の邪悪な出で立ちが不安を掻き立てる。水木しげる『悪魔くん』で最後に呼び出された最終形態の悪魔は普通の何処にでもいるサラリーマン。だが彼が資本主義社会を完成させていくことによってこの世は本当の地獄になっていく。全然見当違いだったがそんなふうに勘繰って観ていた。(『外道忍法帖』のように原爆投下まで話が行くのか?とも思った)。

脚本が未完成な感じ。主人公の死が唐突で勿体無い。善人が国家権力や軍隊などの強大な悪に蹂躪されていく話では弱い。もっと人間の宿業のような無常感、哀しみを奏でて欲しい。人間の魂(DNA)が何度も何度も生まれ変わって、在るべき場所に辿り着こうとする壮大な物語の一片として。

『忍者武芸帳 影丸伝』の最終回、土一揆を扇動し続けた民衆のリーダー・影丸は五頭の牛に五体を引き千切られる処刑に。その直前の辞世の言葉が「われらは遠くからきた。そして、遠くまでいくのだ・・・。」(夏目房之介氏によると、実はゴーギャンの絵画の作品タイトルからイメージした、白土三平の全くの創作らしい)。人類は長い旅のまだ途中であることを告げる。遠くからやっとここまで来て、そして理想の世界を築く為に更に遠くまで向かって行かなければならない道中にあることを。
第13回せんがわ劇場演劇コンクール

第13回せんがわ劇場演劇コンクール

せんがわ劇場

調布市せんがわ劇場(東京都)

2023/05/20 (土) ~ 2023/05/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

二日間、五作品を観劇。作風に幅があって全く疲れなかったし、面白かった。
言葉に重点を置く芝居、身体に重点を置く芝居、斬新な手法に挑戦する芝居があった。
四十分という尺の中で何ができるかというのは実際難しいと思う。選ばれていた劇団の芝居はどれもそれぞれに「重いテーマ」を扱った芝居で、中には少し尻切れトンボになってしまっている感のある作品もあった。
しかし、そういった点を含めても刺激的な公演だった。

せんがわ劇場演劇コンクール

せんがわ劇場演劇コンクール

せんがわ劇場

調布市せんがわ劇場(東京都)

2022/05/21 (土) ~ 2022/05/22 (日)公演終了

映像鑑賞

満足度★★★★

一つ一つの作品の面白さもだが、作品の幅の広さもこの演劇祭の醍醐味だと思う。私が見たのは映像だったので、生の舞台とは性質は異なるが、かなり楽しめました。

コスモポリタン

コスモポリタン

U-33project

王子小劇場(東京都)

2023/05/24 (水) ~ 2023/05/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

あなたは将来 何になりたいの、夢は…といった子供の頃に聞かれたり、文集等に書いた記憶がある。一人の少女の「宇宙の果てを見てみたい」、そんな思いを誰かに話して夢物語を共有したいが…。
何世代にも亘って 友達の なりたいもの、夢と対照させて紡ぐが、時代感覚は敢えて変化させない。その過程は、夢を持ち どのように実現させるか、そして それは職業なのか具体的な目標なのかを自問自答するような描き。

少女の心情は何となく分かるが、<演劇>として どう表現するか、その試み挑戦しているかのような。表層的には楽しめもするが、意図しているところは 手強く難しい(伝えてナンボのもん)。
前作「真っ赤なブルー」同様、物語として紡ぐには、少し難しいような独特の世界観を表現しようとする。そして何となくではあるが肯いてしまう、もしくは共感する、といった妙味を持つ作品。

さて キャストの役名(苗字)は、西武新宿線の駅名になっているが…。
(上演時間1時間25分) 

ネタバレBOX

舞台装置は 中央に階段がある黒壁、その前に3つずつの椅子が2組、上手下手に箱馬が1つずつあるだけのシンプルなもの。上演前は緑色照明で森の奥、木陰といった雰囲気を漂わす。

物語は、夢落ちでも 劇中劇でもない 現実世界を表出している。高校の進路相談、その三者面談を数日後に控えた授業風景から始まる。ボッーとしている主人公・中井ソラ(中村透子サン)は漫然と「宇宙の果てを見てみたい」と思っていたが、その思いは誰にも語っていない。友達は弁護士・ミュージシャン・画家といった職業を目指すグループ、他方、お姫様・インフルエンサー・金持ちといった漠然とだが目標を掲げるグループがいる。どちらにしても具体的な対象(夢)があり、その実現に向けての行動も示せる。

何世代に亘っても夢を実現させる、と実現が困難と判断し気持に折り合いをつけるか。意志と妥協の鬩ぎあい。例えば難関試験への合格=当面の目標と定めた時などが該当しよう。それを2つのグループの夢・目標で対比、叶わない時の言い訳=自分の努力が足りないから、もともと素質がないといった逃げ道を作る。が、それも大切。心情的には分かるが、明確なメッセージとしては伝わらない(感情移入できない)のが憾み。

演出としては、ゴム縄を色々な形に変形させ 心象風景を作り出す。色彩ある回転照明、色花吹雪、アップテンポな音楽で心地好く観せる。夢・目標を語る女優8人が生き活きと、また苦々しく 苦悩する。それを見守るような担任女教師と臨時の男性教師、その少し距離ある存在が妙。
次回公演も楽しみにしております。
『クロノス・ビギンズ』『あしたあなたあいたい』

『クロノス・ビギンズ』『あしたあなたあいたい』

演劇集団キャラメルボックス

サンシャイン劇場(東京都)

2023/05/20 (土) ~ 2023/05/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

「クロノス・ビギンズ」パワフルでコミカルで楽しかったです。真剣に考えると・・・以下ネタバレ

ネタバレBOX

結構悲惨な話です。タイムリープをするととんでもない時間に飛ばされてしまうので、冷静に考えるとこれからどうするんだろうって。私としては仁科が久しぶりに海賊亭を訪ねたらいい感じに歳とった杏子さんが平塚と仲良く働いていた・・・と言う結末を望んでいたのでしたが。
吹原さんもどうしてしまったのかずっと心配しています。
星の果てまで7人で

星の果てまで7人で

トツゲキ倶楽部

「劇」小劇場(東京都)

2023/05/24 (水) ~ 2023/05/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

チームWを観劇しました。
この7人の船人達は何者?という謎めいたストーリーでした。
ちょっと説明的な部分が多い印象はありましたが、惹き込まれました。
ラストは、切なさと共に、よくよく考えると怖い気もしました。
面白かったです。

星の果てまで7人で

星の果てまで7人で

トツゲキ倶楽部

「劇」小劇場(東京都)

2023/05/24 (水) ~ 2023/05/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

#星の果てまで7人で 観て来ました〜👏😊チームワンダーとハイパー、2つの味付けは【柔と剛】って感じで、良い意味で全く異なる雰囲気でした。2チームを観る事により、それぞれのパートを違う役者さんがどの様に演じるのか❓興味深いものでした。是非2チーム観劇がオススメです💯🙆@totsugekiclub

星の果てまで7人で

星の果てまで7人で

トツゲキ倶楽部

「劇」小劇場(東京都)

2023/05/24 (水) ~ 2023/05/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

再演されている人気作品ということなので、期待して行きました。
とても良かったです。
不思議な雰囲気でもあり、和気あいあいでもありました。

始まりのところの、キラキラした演出が良かったです。
宇宙とか星の空間をイメージしたのだと思いますが、星の煌めきがとても綺麗でした。
そして、音楽も素敵でうっとりしました。

タオルがなんとか... のところは笑えました。
帰りたい、帰りたいという切実な思いが伝わってきました。
たぶん私も同じ状況に置かれたら、そう思うと思います。

七慟伽藍 其ノ三十

七慟伽藍 其ノ三十

THE REDFACE

横浜関内ホール(神奈川県)

2023/05/20 (土) ~ 2023/05/20 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

朗読劇ながらチラシと同じ
黒い着物で統一した
今は亡き武将達が迫力で演じられていました
効果音や照明も工夫されてました
ただねぇ
1時間50分もの長丁場で飽きたらしい
前方席の兄さんが
スマホを暗い客席でも気にせず
普通に使い出したのは
閉口どころではなかったわ
観劇数は多い我ながら
こーゆー人は初めて見ました
コソッと見る人はいたけど
まるで自室のリビングで
TVでも眺めているみたいに
スマホいじってた感じで
周囲なんぞ気にしないとはねぇ

ネタバレBOX

各武将さんは
亡くなった順に
それまでの自分の行動を話して
後の話を次世代までに
生きてた武将が話すという設定です
家康公が天下太平を成したと歴史をなぞったら
実は明智光秀が道筋を考えてたという話で
割と古風な陰謀論定説展開でしたが
まぁ上演が長いからですよね
光っちゃんが天海僧正だったという話で現世は納得しましたが
あの世のストーリーテラーだった女性が
八百比丘尼(やおびくに)だったという話でオチたと思ったら
第六天魔王を名乗る信長が
あの世ででも覇を成そうとするトコでエンドであります
Spring Grieving

Spring Grieving

PLAY/GROUND Creation

サンモールスタジオ(東京都)

2023/05/19 (金) ~ 2023/05/31 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/05/24 (水) 14:00

座席1階

Side Aの「桜川家の四兄弟」を拝見。結論から言うと、とてもいい作品だった。脚本もいいし、なにせ四兄弟の演技が秀逸だ。間違いなく、泣ける。

東北の地方都市に住む母親が死んだ。母親には四人の息子がいた。膵臓がんで、事実上手遅れの状態だったようだ。四人の息子の実家には桜の木があった。母はこの木を残してと話していたらしいが、木が根を張って家の水回りに影響していることもあり、四十九日法要に集まった四兄弟の意見は割れる。さらに、この家を買いたいという業者がいて、実家を売るのはどうかという話まで持ち上がる。
長男は浦和で塾を経営、次男は東京近郊で高校教師、三男は福島市で居酒屋の店長、四男は実家に住み作曲家志望だが若干ひきこもり気味。四人も兄弟がいれば、たいがいはもめるだろう。桜の木を切るのかどうか、さらに家を売却するかどうか。舞台はそんな激論が交わされるところからスタートする。
しかし、物語が進行するにつれ、桜の木も実家の売却の話もかすんでいく。母は膨大なメモを残していた。そのメモに書かれた暗号のような文字と数字。この謎解きが進んでいくと涙腺が決壊する。

故郷が地方にあり、息子や娘が東京や近郊に住んでいる人は多いから、客席にはすぐにこの四兄弟の思いを自分のものとして受け止めていく空気が醸成される。そして、知的な労働についている上の二人に対して、三男は居酒屋、四男は未来が定まらない状態というある意味での「格差」がとてもリアリティーを持つ。学校の仕事のため母親の臨終に間に合わなかった次男を三男が激しく責める場面があるが、それは「居酒屋」の仕事にコンプレックスを持つ三男の意趣返しでもあるし、次男も仕事を言い訳にして臨終に来なかった負い目を表している。次男はそんな負の感情が破裂させ、母親の遺言である桜の木や実家を守るために婚約者の意向も無視して実家に戻って住むと強引に主張してしまう。このように四人の兄弟のそれぞれの成育歴や、現在の状況が絡み合って、いかにもそうだなというリアリティーが増していく。
母親は四人を育てるに当たり公平を旨としたというが、実際にはそうも言ってはいられないのが現実だ。仮に二人兄弟でもそうだと思う。自分の経験でもそうだが、母親はそれぞれの息子にしか言わないことがある。息子たちはお互いにその会話に込められた母親の思いを知ることはない。舞台の展開はこうした人間関係や母親の思いを丁寧に描いていく。結果、母親の隠された思いに客席は涙するのだ。

脚本も見事だが、冒頭にも書いたように四人の俳優は出色の演技を見せる。兄弟たちは、本気で泣いているのだ。小劇場の舞台だから余計に、あふれる感情がダイレクトに直撃する。泣かずにはいられない秀作のエネルギーを味わう価値は大きい。見ないと損するかも。
 

作曲家志望の四男が住み、居酒屋の店長をしている三男が福島市から車で1時間の距離を

綿子はもつれる

綿子はもつれる

劇団た組

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2023/05/17 (水) ~ 2023/05/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/05/24 (水) 14:00

110分。休憩なし。

スウィングしなけりゃ意味がない

スウィングしなけりゃ意味がない

サルメカンパニー

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2023/05/18 (木) ~ 2023/05/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/05/20 (土) 18:00

題名から、ナチ占領下のチェコでアメリカからやってきたジャズに酔い痴れる若者たちの群像劇だろう程度の(不完全な)印象で劇場に足を運んだのだったが、久々にスゴイ舞台を観た。今年はこれで96本目の観劇となるが、現時点で今年のBEST1だ。

チケットにはEX列と記されていたので、通常の客席外に増設された席で見切れもあるかと思っていたのだが、2列目(A列とB列の間。B列から階段席)のセンターだった。

(以下、ネタバレBOXにて…)

ネタバレBOX

舞台最先端に、きちんと折りたたまれた衣服が一人分ずつ横に並んでいる。開演すると客席上手側前方の扉から白いランニングシャツにブリーフだけ身につけた7人の若い男たちが入場してくる。軍隊の制服姿の男から舞台上に並べられたそれらの衣服が全てチェコスロヴァキア製のものだと説明されて着用し、チェコスロヴァキア製の小物(タバコなど)や偽造身分証などを手にする場面を観て、これはチャーチル拉致という特殊任務を受けたナチス・ドイツ落下傘部隊を描いた映画「鷲は舞いおりた」のようにチェコにスパイとして潜入するナチスの物語か、それでチェコ国内でジャズに熱狂する若者たちと交わることで変化していくという展開か、と勝手に想像したのだったが、実は彼らはチェコ人で、英国とチェコスロバキア駐英亡命政府の指令を受けて、ヒトラー・ヒムラーに次ぐナチスナンバー3で、ベーメン・メーレン保護領(ドイツに編入されたチェコ領土)の実質的な総督でもあったラインハルト・ハイドリヒ暗殺のためにチェコに潜入するパルチザンだったのだ。
「鷲は舞いおりた」とは真逆の設定だが、チェコでは類人猿作戦(エンスラポイド作戦)として有名な史実らしい。

7人の内の2人は落下傘降下(この場面の表現が上手い!)の最中にドイツ軍の機銃掃射により死亡。ストーリーは先に降下した2名(ヨゼフとヤン)を軸に展開していく。二人はチェコ国内の抵抗運動グループのハイスキーとラジスコフの助けを借りて、暗殺作戦を練り上げるが、その過程でヨゼフはローナと、ヤンはアンナという女性と知り合い、好意を抱くようになる。
やがて落下傘降下で生き残った3人も合流し、暗殺作戦は実行に移されるが、ヨゼフの短機関銃が不発で、やっとのことでその場から逃亡する…。

ここまでが第一幕(95分)。10分の休憩(この時間にジャズの生演奏あり)を置いて第2幕が60分と、合計するとかなりの長尺だが、まさに息つく暇も与えずという言葉通りの展開が続いていく。舞台上の張り詰めた空気は瞬時も緩むことなく、通常だとこれだけ緊迫した演技が続くと観ている方も疲れるものだが、この作品ではそれを全く感じることがない。

ハイドリヒは襲撃された時に負った傷から感染症を発症し8日後に死亡するのだが、ナチス・ドイツは報復としてひとつの村を虐殺で消し去り、襲撃犯が見つからなければさらに3万人のチェコ人を処刑すると声明を出す。落下傘降下班で、襲撃に加わらなかったチュルダの裏切りにより、パルチザンは次第に追いつめられ、最終的に全員が玉砕する。ヨゼフは死の瞬間にダンスホールで仲間たちがジャズを楽しんでいる幻想を見る…。

類人猿作戦について帰宅後調べたところ、一連の経過は劇中で描かれていた通りだった。その点ではドキュメンタリー劇ということになるのだろうが、昨年1月に観たtroupe▲antLion「革命前夜」(1980年代、共産党政権が崩壊するビロード革命勃発直前のプラハでの演劇人の苦悩を描いた奥村千里の作品)をも思い起こして、チェコスロヴァキアという国の激動の歴史に思いを馳せたのだった。

残念だったのがジャズに夢中になる若者たちの姿が前半のほんの1シーン(ダンスホールで興じている時にナチ親衛隊によって制圧される)だけで、それもあってラストの幻想に自由への憧れが反映されないことだ。純真なアンナ(西村優子)と妖艶さも漂わせるローナ(松田佳央理)という対比はうまく活きていたが…。
松田は3月のハツビロコウ「レプリカ」に続いて存在感を示した。男優ではハイスキー役の今里真がいい味を出していた。
舞台「呪術廻戦」【8月4日~8月5日公演中止】

舞台「呪術廻戦」【8月4日~8月5日公演中止】

舞台「呪術廻戦」製作委員会

天王洲 銀河劇場(東京都)

2022/07/15 (金) ~ 2022/07/31 (日)公演終了

映像鑑賞

満足度★★★★

映像の迫力が半端ない!しかしながら、肝心のストーリーから外れる笑いネタらしきものがストーリーの流れとキャラクターのイメージ(あくまで主観だが)を、原作から離れさせていくような気がしてならない。楽しい舞台ではあったが、アニメとのギャップが大きい気がした(一部そのまんま!というキャラがいないわけではないが)。

『HUNTER×HUNTER』THE STAGE

『HUNTER×HUNTER』THE STAGE

ネルケプランニング

天王洲 銀河劇場(東京都)

2023/05/12 (金) ~ 2023/05/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

丘山さんのヒソカ観たさに観劇。想像よりかなり完成度のヒソカ堪能!!上田くんのイルミもなかなか魅せる。もちろんゴンにキルア、クラピカ、レオリオのメインキャストも次第にそれと見えてくる。2011年放送のアニメだったが、色あせない。無茶苦茶楽しかった!アニメならかなりの長さのストーリーを短時間にまとめ、それでも話がぶち切れることもなく、登場人物の魅力も損なうことなく仕上げた辺りは流石の一言!演出もガンガン迫ってくる感じで迫力があった。満足!

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