最新の観てきた!クチコミ一覧

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嫌われる勇気

嫌われる勇気

ウォーキング・スタッフ

赤坂RED/THEATER(東京都)

2015/09/26 (土) ~ 2015/10/04 (日)公演終了

満足度★★★★

『目的』に注目せよ!
小劇場界きっての美女・黒澤はるかさん目当てに観に行きました。アドラー心理学を扱うということでしたが、想像よりも分かりやすく楽しめました。ちょっとくどい演出(プロジェクター)が気になった。

西武池袋線物語

西武池袋線物語

くによし組

北池袋 新生館シアター(東京都)

2015/09/29 (火) ~ 2015/09/30 (水)公演終了

満足度★★★★★

無題1613(15-302)
19:00の回(曇)。

18:30受付、開場。入り口側が客席(パイプ椅子にザブトン)、舞台には「文字」が書かれた紙片が多数。

國吉さんが「206(2015/8@王子)」に出ていらしたのを観てこちらに来てみました。

18:54前説(70分)、19:00開演~20:09終演。

「説明」にあるように大人数の登場人物。3人の何とも言い難い雰囲気。劇中、一見お芝居とは離れた休憩時間みたいなブレイクがありましたがこんな部分も含めて実に個性的な内容でした。

オチの後で

オチの後で

ハマコクラブキヨコクラブ

シアター風姿花伝(東京都)

2015/09/25 (金) ~ 2015/09/28 (月)公演終了

満足度★★★★

落語が見どころ!?
最後の2割くらいで急転直下で悲しい雰囲気になりますが、基本的に笑い中心の舞台で楽しく観られました♪
ハマキヨさんの力のこもった演技と言うか落語が、とても良かったです♪
ただ、ストーリーとしては不自然な所もあり、ハマキヨさんのキャラに頼っているところもあったので、ストーリー重視の自分としてはちょっと残念かな?

百年の虎独 × 竜の落とし子

百年の虎独 × 竜の落とし子

株式会社Legs&Loins

Geki地下Liberty(東京都)

2015/09/29 (火) ~ 2015/10/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

「竜の落とし子 -リライト-」 初日観劇
「竜の落とし子 -リライト-」 初日観劇

観劇した後、「ありがとう」という言葉を、言いたくなる舞台

心の内の表現が素敵な舞台
観ている人の心に、静かにジーンと伝わってくる。
そして、ラストシーンで、心に響く。

Kのトランク

Kのトランク

魚クラブ

パシフィック・シアター(大阪府)

2015/09/20 (日) ~ 2015/09/22 (火)公演終了

満足度★★★

犯罪者の家族の物語だけど、妙に明るい♪
大竹野正典さんの1990年の作。
宮崎勤の事件をテーマに、犯罪を犯した息子の家族の物語。
もっと家族の葛藤を描かれているのかと思ったが…。

必死に息子を理解しようとする家族が妙に明るく、その中でも、お母さん役の中村ゆりさんの替え歌や、はっちゃけた演技が凄かった♪

そして終始、明るく不思議な雰囲気で、あの事件の陰惨性とのギャップが大きく、どういう意図なのか、何をどう感じればよいのか、少し難しかった。

追伸、お父さんがかなり噛んでいたのが少し残念。

渇いた蜃気楼

渇いた蜃気楼

下鴨車窓

本行寺(岡山県)

2015/09/26 (土) ~ 2015/09/27 (日)公演終了

満足度★★★★

スタジオならではの演劇
 四畳半くらいの一室に必要なアイテムを詰め込んだ、コンパクトな舞台。
 照明もシンプル。BGMは蝉の声と風鈴の音。
 ( 客席がコンパクトだった・・・のはこっち側の理由ですね。京都からいらしてくれた皆様にはホント申し訳ありません・・・)
 それでも、その空間は水不足で渇いた、でも蒸し暑いアパートの室内に成りきっていた。
 冒頭のくどくてうっとおしい、噛み合わない会話と行動が延々続く間にそういう空間が出来上がっていたのだ。見事だと思った。
 
 実はこういう息詰まる濃密な空気、割と好きだったりするのですが、
 ただ、この完璧とも思える疑似空間の中で展開されるドラマが、いまひとつな印象を受けた。
 生焼けの料理を食べさせられた様な、寄生虫の卵を飲まされた様な、未消化で不気味な後味だけが残った。 
 サプライズは要らないけど、もう少し盛り上がり、いや揺さぶりが欲しかった。私の好みからすれば。

ネタバレBOX

・・・私の耳が悪いだけかもしれんハナシ・・・。

 彼等の故郷の名前が、最初“マスコミ”に聞こえたせいで、暫くの間、「このヒト、どんな有名人だったのだろう?」と首を傾げてました。
 仲間内では“市”だの“町”だのは付けないの当り前だからこそ、紛らわしい固有名詞を創作しないで欲しかったです。
夏果て幸せの果て

夏果て幸せの果て

ねもしゅー企画

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2015/06/03 (水) ~ 2015/06/09 (火)公演終了

満足度★★★

好みが分かれる
楽屋落ち感があり、クセが強かったかなと。でも、やっぱり根本さんの描く女性は面白い。近くにいたら厄介だけど・・・

もっと超越した所へ。

もっと超越した所へ。

月刊「根本宗子」

ザ・スズナリ(東京都)

2015/05/09 (土) ~ 2015/05/17 (日)公演終了

満足度★★★★

美しき諍い男女
個人的感想ですが、根本宗子女史はダメ男女の口喧嘩と言うか喧々囂々の諍い、ののしりあいを描かせたら右に出る者がいないと思っていますが、その良さが存分に発揮されていました。
四者四様の論戦は見応えありましたが、結果少し胃が痛くなる。

ネタバレBOX

たまには、ダメじゃない男とダメ男に振り回されるバカ女が主役じゃない話も見たいかなとふと思いました。
追憶のアリラン【ご来場ありがとうございました!】

追憶のアリラン【ご来場ありがとうございました!】

劇団チョコレートケーキ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2015/04/09 (木) ~ 2015/04/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

天晴れ
まず、今のご時世にこの手の話を作品として発表すること。
次に、戦時中の日本に対して美句麗句を並べるわけでもなく、「自虐」的になるわけでもなく、お涙ちょうだいに陥ることなく、エンターテイメント作品になっていること。
最後に、それでいて心にズシーンと落とし込ませ、決して説教臭くなく未来(現代)に希望をみせること。

もう見事としか言いようがない。

無常ホテル

無常ホテル

劇26.25団

サラヴァ東京(東京都)

2015/04/17 (金) ~ 2015/04/19 (日)公演終了

満足度★★★

センス溢れる
タイトルにホテルにある通り、「グランドホテル」形式で、一つ一つの話も毛色の異なる話で面白かったです。
また、本当に客船に乗っている感覚を味わせてくれる演出にはセンスを感じました。

ネタバレBOX

確かに一つ一つの話は面白かったのですが、個人的には映像部分がノイズになりました。残念ながら、「いつの時代の話だよ感」だけ残ってしまいました。
しかしながら、歌とダンスは完璧でした。
紅白旗合戦

紅白旗合戦

アガリスクエンターテイメント

サンモールスタジオ(東京都)

2015/03/18 (水) ~ 2015/03/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

いやあ、楽しみました
観劇中ずっと私は今楽しい芝居を観ている、いや楽しい芝居と言うか楽しいを体感しました。何度か心の中で「楽しいなあ」と呟きましたからね。
大体、人数が多く出る会話劇は目立つ人と消える人が出てくるのですけど、皆生きていましたねえ。出来れば両側から見たかった所です。
後から冷静になって考えるまでもなく、観劇中から脚本には小さい穴がポコポコあるなあと思いましたし、カミ噛み台詞回しもありましたが、観ている最中は特に気になりませんでした。

ネタバレBOX

少し襟を正したお気に入りのシーンは最後の多数決シーンですね。あの9対1には思わずニヤリとしましたし、拍手を一番初めにするのがあの人と言う流れは本当に美しかった。そして、あの流れの中での行動に対して本人も周りも何も言わないと言う演出は、圧倒的に品が良い。
ここで、また本人が熱く心情吐露したり、周りが過剰台詞を吐いたりしていたら台無しでしたが、表情と拍手の手だけでそれを表現しているのは、正直グッとしました。
途中、教育倫理的にはアウト?と言うシーンもこのコメディのリアリティライン的ならありですし、とにかく単純明快に面白いコメディですが、何かうっかり凄い高みまで行ってしまっている感じがしました。
けっこうインセンシティブな問題を本当に見事に笑い飛ばしてくました。これ、個人的には傑作だと思いますよ。
落伍者、改。

落伍者、改。

ラチェットレンチF

南大塚ホール(東京都)

2015/09/26 (土) ~ 2015/09/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

芸の道...観応え十分
2014年の公演は、劇場_てあとるらぽう であったが、今回は第26回池袋演劇祭優秀賞受賞を祝し南大塚ホールでの上演であった。舞台スペースが広くなったことで、動きも多く取り入れ、躍動感が増したようでもあった。同時に人物像がより鮮明で落伍から落語へ成長する姿...相楽亭爽雲(山口太郎サン)と相楽亭爽太(大春ハルオ サン)の2人に迫力があった。
落語の世界に生きるとは、その芸を全うすることの難しさ、そのためには命をも懸ける厳しさを描く。落語会に名を残したい、極めの演目が古典落語「死神」である。表層的には古典落語と新作落語の対比の中で、その芸に邁進する過程を描いているが、その姿を通して人間の生き様を見るようである。


ネタバレBOX

舞台セットは、舞台奥を4~5段高い2層にし、上手は客席に、下手は袖口に向けてそれぞれ階段が設けられている。そしてそこには落語の演目を書いた半紙が重ねるように貼ってある。舞台中央には高座を設けている。

物語は、咽頭がんで噺家としての命、声を失うとしている。さらには自身の命を懸けて芸を極めようとする相楽亭爽雲。その生き様は落語界では鼻つまみもので、残った弟子も2人のみ。余命幾ばくもないが、後世に名を残したい。その噺は不思議と力強く、魅力に満ちている。

そのライバルとして新作落語の鉢巻家ろく紋(山﨑巌サン)である。この現在の2人の相克を横糸、若い時に愛した女・小百合(南口奈々絵サン)... 親友との鞘当で、図らずも身を引くことになり、その後小百合と親友との間に生まれた娘を引き取り面倒をみる。こちらを時代軸とした縦糸とし、糸が織り成す見事な着物(物語)が出来ている。そこに落語に因んだ「品川心中」をイメージするような話を紋様として織り込まれ、濃密で重厚な物語が展開する。観客は弟子の相楽亭爽太の寄席を通して師匠の心を聞くことになる。
古典落語、新作落語の違い...犬猿の仲といわれた噺家2人が互いに認め合うが、決して妥協しない芸筋。息苦しくなるような台詞の応酬、一方色恋に見せる艶やかさと寂寥に心打たれる場面も秀逸である。
桎梏に捉われそうな世界を自由に泳ぐ大魚を大舞台で観た。

次回公演も楽しみにしております。

回転木馬は歓びの夢をみる  ~未解決事件の終幕~

回転木馬は歓びの夢をみる ~未解決事件の終幕~

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パフォーミングギャラリー&カフェ『絵空箱』(東京都)

2015/09/25 (金) ~ 2015/09/29 (火)公演終了

満足度★★★

テンポよく飽きない
それほど広くない絵空箱の空間が、ベートーヴェンの交響曲(第九番)を演奏している音楽ホールのように感じた。もちろん、その音楽を聴かせているという効果もあろうが、舞台・客席の組み方がよかった。このBarに併設されたスペースで行っている芝居を何回も観にきているが、その客席作りは、囲む又は一方向側かにしても、多くは雛壇であった。今回は段差をなくして、客席はフラットである。逆に演じる舞台は、高低差のある階段状になっており、その一段高くなった所で指揮を行う。それは憑依している人物であるが...。この実在指揮者と憑依の幻覚(厳格)指揮者の投影から同化へ、その鬼気迫る姿が印象的である。しかし...
(上演70分)

ネタバレBOX

この人物・松山コウスケ(町屋圭祐サン)の表裏一体と化している、その原因・要因が理解し難い。一応、同一人物における二面性(二重人格)として捉えたが、ラストは清浄されたような姿...どのようにして自己変革を成し得たのか、それまでの自信に溢れていた人格が簡単に変わるのかという疑問も残った。

この物語で松本清張の推理小説「砂の器」(1974年、野村芳太郎監督で映画化)を思い出した。15年前の一家惨殺事件...その犯行の隠蔽、富豪令嬢との婚約、栄誉と欲望など人が内包している醜悪な面を描く。本作では、人格形成される過程が、過度な期待、裏切り、誤解などの要因が散りばめられており、納得性も十分ある。疑問もあるが、ラストの心情は悔悟であろうか。

気になったのは、この物語を担う役者陣である。演技は皆熱演であり観応えがあったが、特に松山コウスケ、アイツ(蛸谷歩美サン)の2人が目立つ。演技のバランスが悪いというほどではないが。回転木馬の如く心地良い(酔い)テンポは、最後まで飽きさせない。

次回公演も期待しております。
海辺のカフカ

海辺のカフカ

ホリプロ

彩の国さいたま芸術劇場 大ホール(埼玉県)

2015/09/17 (木) ~ 2015/10/04 (日)公演終了

満足度★★★★

こんなの初めて
斬新な演出でした。

ネタバレBOX

15歳の少年の自分探しの旅に猟奇事件が絡み、性的少数派と着ぐるみが登場する話。

温室のような、水槽のようなユニットを多くの黒子が大移動させ、組み合わせることで場面展開が行われました。こんなの初めて、一つひとつのユニットは一つの生態系、あるいは他から遮断、防御されているようでした。森などは水中庭園のような雰囲気でした。

着ぐるみは、着ぐるみ役ではなく猫の役でしたが、スタイルのいい女性が着るとスタイルのいい猫になるものですね。

何があったとしても父親が死んだんだから早く帰れよと思いつつ、周りもそうしろよと思いつつ、良く分からないうちに少年は家に帰ることを決め、自分探しの旅は終わりました。

永遠の33歳である浅見光彦の今を描いたテレビドラマを見て、戦争との関係から本当に33歳かよと思うのと同じような違和感を覚えました。
鳥取イヴサンローラン

鳥取イヴサンローラン

ロ字ック

シアター711(東京都)

2015/09/26 (土) ~ 2015/10/11 (日)公演終了

満足度★★★★★

パワーアップ
初演の時も圧倒されましたが、筋をだいたいおぼえている状態で臨んだ再演ではさらに衝撃を受けました。最前列では萌ちゃんの迫力ありすぎで怖かったくらいです。いかにも遊んでそうな男どもも、いい味出してました(特にガングロのイケメン)。

ふたりカオス

ふたりカオス

劇団6番シード

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2015/09/24 (木) ~ 2015/10/05 (月)公演終了

満足度★★★★★

シンプルだけど面白い!
力のある役者さん達を揃えての二人芝居。謎の動画にシンクロする5つの物語。
コメディあり感動あり、どシリアスあり。いやー面白かった!全部のパターンを観ることが出来たら、相当幸せだと思う。

ネタバレBOX

三面囲み舞台という特殊な環境で、二人の役者はその一挙手一投足を観客にガン見されるわけで、そのプレッシャーたるや想像もつかない。そんな中でも、三方向の観客に分かりやすいような動きや立ち位置をちゃんと考えて演技されているというから驚き!また、通常では見ることの出来ない、観客の皆さんの表情が(互いに向かい合っているので)見えるのが新鮮だった。楽しんでいる様子が伝わってきて、何か嬉しくなる。
個人的には、二人の立場が入れ替わる「惑星エリス」が特に良かった。
過去作品のオムニバス「最後の1フィート」もまた観たいなぁ。
硝子の途

硝子の途

劇団ヨロタミ

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2015/09/25 (金) ~ 2015/09/28 (月)公演終了

満足度★★★

舞台としては完成度は高いが
劇団としてもキャリアを積んでいるし、俳優さんの演技力は高く、舞台としての完成度は高いのだと思います。
ただ話の展開、特に少年犯罪という重いテーマを題材にするなら、もっと煮詰めて欲しかったです。一方向からの正義だけが前に出ていて、あちこちに違和感を感じました。正直途中から、話に乗れなくなっていました。

雨湯口

雨湯口

はりか

RAFT(東京都)

2015/09/25 (金) ~ 2015/09/27 (日)公演終了

満足度★★★★

演劇として観ない方がいい
土曜日昼の回に行ってきました。15席ほどのとても小さい小屋で、演者との距離がとても近く、独特の空気を味わえました。
演出(かつ出演)も主演も音楽畑の方で、演劇としてみるより、一種の空間表現として観た方が良いのだと思います。公演内容も、ライブのセットリストと同じであり。
照明が暗めに設定してあるのも、演出の一つと思い。私は不快には感じませんでした。
受付開始時間と開演時間が、受付に貼ってあるポスターと違うのが気になりました。劇場柄、開演まで待つ場所はないので、その点考えていただけると幸いです。

月光条例 ~かぐや編~【全公演満員御礼!ありがとうございました!】

月光条例 ~かぐや編~【全公演満員御礼!ありがとうございました!】

カプセル兵団

笹塚ファクトリー(東京都)

2015/09/27 (日) ~ 2015/10/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

ど迫力。
大人数の役者が縦横無尽に駆け回り、叫び、笑い、涙し、2時間40分はあっと言う間に過ぎて、終わったあとは「観られてよかった」

他の方のおっしゃるように、前回の「月光編」を観ていなくても楽しめる、”安心設計”な脚本・演出になっているのがいいなと思う。

前説もいい味だしてます。

これで、一本調子な演技に見える一部の役者がもう少し繊細な心情の演技ができたり、噛みがちなところをうまくできたら、完璧なのでは。

まだ公演は続くので、期待を込めての星五つ。

『心中天の網島』

『心中天の網島』

木ノ下歌舞伎

こまばアゴラ劇場(東京都)

2015/09/23 (水) ~ 2015/10/07 (水)公演終了

満足度★★★★

ネタばれ
ネタばれ

ネタバレBOX

木ノ下歌舞伎の【心中天の網島】を観劇。

今作は前作、前々作とは演出家が変わり、羽衣の演出家・糸井幸之助が登場だ。
羽衣は、妙ジーカルという一風変わったミュージカルを手がけているのだが、その演出家が歌舞伎に挑むのは見ものではあったが、これまた何時も通りの妙ジーカル風な歌舞伎の心中物語を作ってしまったのである。

治兵衛は妻子がありながら、遊女・小春と逢瀬を重ねている。
そして数々の苦難を乗り越えて、ふたりは死への道行を歩み始めるのだが…。

木ノ下歌舞伎は何時もながら原作を尊重して、設定だけは変えながらも、内容は変えずに、深い考察の元に登場人物の心に深く入り込んで描いてくる。
そして今作も治兵衛と小春が何故心中に至った経緯、治兵衛の妻子との生活、小春の無念の思いなど、事細かの人物描写で、観客は登場人物達に魅了されてしまう。
そしてその人物達たちに生き様に沿うような変な歌のオンパレードが観客の心を更に苦しくする。
そして全てが出揃ってからのクライマックスの治兵衛と小春の心中シーンに涙せずにはいられない。

今年三本目ながら、またもや意図も簡単に傑作を作ってしまったようだ。
そして小春の島田桃子、おさんの伊藤志保、そしてダメ亭主・治兵衛の日高啓介が素晴らしいが、個人的には島田桃子が好きなので、彼女が一番である。

今作はお勧めである。

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