ナイゲン(全国版)
アガリスクエンターテイメント
元・立誠小学校(京都府)
2015/10/09 (金) ~ 2015/10/12 (月)公演終了
満足度★★★★★
爆笑の泥仕合!面白かった♪
たまたま関東出張の折、「紅白旗合戦」を拝見し、是非、「ナイゲン」を拝見したいと願っていました。
念願叶って関西で「ナイゲン」を拝見できて超感激です。
なるほど、どのクラスも五十歩百歩、足を引っ張り合う泥仕合。
本当に意味のない(形式的で実利のない)答弁の応酬。
それを高校生らしい勢いで、見事な爆笑に!
さすが、CoRich舞台芸術アワード2012、第8位入賞!
超面白かったです♪
最後の再演と言わず、何度も観たい公演でした。
最後と言わず、是非、再演を!
追伸、「ナイゲン」も超面白かったですが、(評価はナイゲンに比べて低い様ですが)対立軸がはっきりしていて、教師と生徒のあの手この手の応酬が面白かった「紅白旗合戦」の方が個人的には好みかも、是非、「紅白旗合戦」の再演もご検討下さい♪
おっと、過去DVDが2000円…、「紅白旗合戦」を購入しようかと思ったら、「紅白旗合戦」は2500円…、500円の壁に阻まれ、購入を断念!
でも買えば良かったかな…。
STORE HOUSE Collection 日韓演劇週間Vol.3
ストアハウス
上野ストアハウス(東京都)
2015/10/14 (水) ~ 2015/10/25 (日)公演終了
満足度★★★★
ギョンスク、ギョンスクの父
韓国のコルモッキルの舞台を、観て来ました。
字幕付きで、どっぷりと韓国の世界に浸った感じです。
エネルギッシュで、日本人とは違う空気感を味わいました。
でも、どこか似ているんですよね。朝鮮戦争から始まる物語は、家族を省みない父のちょっと歪んだ家族への愛とその父を想う娘の心情を、母、父の連れてきた伯父さん、父の愛人などを絡めて綴っていきます。
父親の家族から逃げているようで、家族を追いかけているような姿が、なんだか寂しくて、娘の父を想う気持がいじらしくて・・・・・ちょっと切ない気持になりました。
従軍中のウィトゲンシュタインが(略)
Théâtre des Annales
こまばアゴラ劇場(東京都)
2015/10/15 (木) ~ 2015/10/27 (火)公演終了
満足度★★★★★
-
約2時間。戦場の死の前線をあつかっているわりにはさっぱりとして面白く観た。2年前のことはあまり記憶にないが、今回の再演でよりよくなったような気がする。
放浪記
東宝
シアタークリエ(東京都)
2015/10/14 (水) ~ 2015/11/10 (火)公演終了
満足度★★★
今後の積み重ねに期待
森光子のライフワークである「放浪記」を国民的女優仲間由紀恵が引き継いだ。森光子の舞台を見ていないので何とも言えないが、ちょっとさわやかすぎる?林芙美子に多少の違和感を持った。
もっとも、この点は仲間由紀恵を後継者に選んだ時から覚悟していたものだとは思う。仲間は「新しい、パワフルな放浪記ができそう」と事前に話していたが、最初に登場したときは確かにはつらつとした感じで、日夏京子役の若村麻由美も元気いっぱいで若々しく、パワフルであるとは言える。
だが、やはり彼女は華のある人だ。なにしろ美人だし、林芙美子の屈折した胸の内を出していくには、今後の舞台の積み重ねがものを言うのだと思う。まだ始まったばかりだし、この舞台が森光子のように人気を得て再演を繰り返し、仲間が林芙美子に近づいていくことを祈る。
でんぐり返しの後を継いで仲間が発案したという「側転」は、多少失敗だったか。失敗したときは、万歳をするなど、アドリブであの喜びぶりをカバーしてほしかった。
大作家になってから、年を経ての林芙美子の役作りは、若さが漂ってしまい、仲間由紀恵と言えども荷が重かったか。
演出も新しくなっていると思うが、3時間半という長さはともかく、途中休憩が多すぎて間延びする。さらに、舞台転換時の物音がバタバタとうるさくて、とても気になった。
リボーン・チャンス
カムヰヤッセン
ワテラスコモンホール(東京都)
2015/10/14 (水) ~ 2015/10/18 (日)公演終了
満足度★★★★★
-
2時間。前半は地域振興のための芝居の様相で、少し説明過多に感じたが、後半は本領発揮。地に足のついたよい作品だった。
シュガー・ナイトメア
劇団S.F.P.
京都女子大学D校舎1階学生ホール(京都府)
2015/10/08 (木) ~ 2015/10/11 (日)公演終了
満足度★★★
初、京都女子大さん♪
ずっと気になっていましたが、今回、京都女子大さんを初観劇♪
Twitterを拝見すると、いつも「ほのぼの」した公演が多いとのこと…。
今回はかなりブラックな感じでしたが、そこはかとなく、ほのぼの感が出て良い公演でした。
総勢5名で(内4名の方が役者として登場しつつ)照明・音響・制作・美術・衣装・小道具など全てをこなすハイパフォーマンス♪
凄いです。
とても総勢5名の方で作られた公演とは思えない、素晴らしい出来でした。
(少し幕間でぶつぶつ感がありましたが、役者スタッフ総勢5名なら、何も言いません。素晴らしいです!というか、5名で出来るのが凄い♪)
ただ、卒業公演は取りやめとのこと、残念ですが、是非とも新入部員の方がもっと入部され、新体制のもとでのご公演、楽しみにしています♪
追伸、60分公演と伺っていたのですが、80分超になったので少し早めに退室させて頂きました。
申し訳ありません。
なので、予約特典(お菓子だった様ですが)をゲット出来ず、残念です。
The sky is the limit
makaniまにまにlani
APOCシアター(東京都)
2015/10/15 (木) ~ 2015/10/18 (日)公演終了
満足度★★
インパクトが弱い
物語は坦々と展開するが、その描き方が淡々としている。写真の連写のようであり、その場面ごとは静止画像のようで、人物像が立ち上がってこない。美しく切り取ったもので、その印象は弱い。
また初日ということもあって、緊張か滑舌・声量の問題なのか、台詞が聞き取りにくい(特に前半部分)。また生演奏と被りよけい聞こえないシーンがある。
シーンへの思い入れ(大切にする気持)は分かるが、きれいにまとめ過ぎたようだ。もっと人間的な感情を露骨に出して、その胸中を吐露させてもよかった。
ネタバレBOX
実のところ、何を訴えたいのかという、本質的なところが分からなかった。その部分を書き込みたかったが理解不足のため、表面的なところを書くことにした。
梗概は、姉・旭、妹・夕のうち、姉が見知らぬ男に殺害された。通りすがりの犯行で、突然のことで殺された本人も自覚できないという設定。そのため生前の思いを果たせないままいる。その姉が職場(保育園)の友達の体を借りて思いを伝える、という理不尽で悲しい物語である。そのシチュエーションは珍しくもなく...想いを伝えると言っても好きだった男に告白し、約束していた映画に行くという他愛のないもの。
ほぼ素舞台、中央上手側に黒椅子4脚、下手は演奏者2名(ギター、パーカッション)。登場している役者は舞台上にいるが、それ以外の役者も上・下手の袖にいる(所在なげに立っており気になる)。
また、演出・構成として回想シーンが何か所かある。確認または強調するシーンでもないため、その描いている意味が分からなかった。少しテンポも緩く繰り返しをすると冗長に感じてしまう。
公演全体としては、どうして友達に憑依してまで想いを伝えたいか、その理由が弱い。その動機付も含め物語に深みを持たせ、テンポよく観せてほしかった。
また兄弟の自由に生きている旅人・兄と、親の期待に沿う・弟の確執はこの物語の展開上、どのように関係していたのか、また被憑依はなぜ友達なのか、などいくつか疑問が...。衣装にも若干違和感あり。
自分には少し物足りなく、疑問・違和感が多く合わなかったのが残念である。
次回公演を楽しみにしております。
Q&A
劇団SE・TSU・NA
HEP HALL(大阪府)
2015/10/02 (金) ~ 2015/10/04 (日)公演終了
満足度★★★★★
それは 自分の意思?
それは 自分の意思? 起こる事には、きっかけがある、仕組むとかではなく ただの実験的に、 生きるか死ぬかに巻き込まれ、人の尊厳は無く、人間を感じたら 終わり。 こんな風に戦争も経済も文化すら意図する方向へ行くのでしょうか。 それは自分の意思? 意思かも? 選んだかもしれない?
ネタバレBOX
それは 自分の意思? 起こる事には、きっかけがある、仕組むとかではなく ただの実験的に、 生きるか死ぬかに巻き込まれ、人の尊厳は無く、人間を感じたら 終わり。 こんな風に戦争も経済も文化すら意図する方向へ行くのでしょうか。 それは自分の意思? 意思かも? 選んだかもしれない?
これからあなたに幾つかの質問をします。(笠原 新聞記者)事件はTVで会社から 嫌な予感 女性が歩く 男が歩く。 (内田 工務店)姉夫婦が買い物 4時半に着いた。ガスが撒かれた 自衛隊が、 人が逆流 あなたは逃げなかった 静かだった 静まりかえっていた 遠くで警察 逃げてきた人 真剣に出てきた 中を見ていた 厳か 60台 あの中にいたんだ 何が起こったのか分からない 回りが逃げたから どうしました 中学校が避難先 犬がショピングセンターを見て静かだった 救護所へ入りました 薬物に係わる様な人はいなかった 何か分からない 転倒 内臓破裂 打撲 20人 夜も死者が増えた69人 116人 一睡も寝れなかった この店初めて見た時 墓石に見えた ・・・ 思った 警察は何も見付けられなかった 事故 火災 何もなかった // 今でもあの日の事を思い出しますか 白昼夢 ガラスケースに蝉がブンブン 蝉を食べる人 夢の中 壁には口がある 蝉が入る パリパリと食べる いつも同じ夢 長い夢は 知っている人 見た人 あの日店で見た人 食料品売り場 ベル 本気にしていなかった あぁ あの人だ。上品な二人目立っていた 女性がバッグに靴下どんどん入れる(万引き)男は温かく見ていた 男は、悔い改めなさい ポケットから銀色の何か 逃げたみんなも エレベータ下の人も逃げていた なぜ 階段下から登って来る人 ガスだー におい 骨の音 エスカレーターに押される 人がせりあがっている 下からわーーっと言う声 階段へ流される 外に出て 転けて手を 階段で 色んなにおい 煙突現象 食品 においを 死のにおい 個人的な感想 そのにおいがするのを避けたい そのにおい。 男が入って来た 手に持っていた紙袋を投げて踏み潰した 黄色い液体 異常 目がいたいと叫ぶ人 人の多い所に居ると 恐怖のにおい 獣のにおい // 私にとっては事故 秘密は守る 私は長年不倫 相手の奥さんに嫉妬 あの夫婦男の声は悔い改めなさいわれわれはあなた達に悔い改める機会を与えているのです。無事だったふたりは? 新潟で自殺 生きたのに ・・・・ けっきょくの所誰かに許されたいと思っていない。 犯人は居ない あの男だろ 液体は、 犬の様 そんな馬鹿な信じられない。 工具を買った 奥さんに頼
まれた物は牛乳・・・お菓子 個人的な、 家内の記憶が無くなる二世帯 おばあちゃんのネジ揺るんじゃったんだって 家内の悲しみ ご近所への・・・ 自分の家にいる 息子達への憎悪 あそこは、不安と不満がいっぱい 見て見ぬふり 何かきっかけが有れば 蔑み合う惨めな生き物になってしまう 今日外ににいるあなたも // さやかちゃん 嫌ならやめていい ソフトボール 写真 コーチがファミレスで ソフトボール辞めた バレーと・・・はやっている 店の中へ 暑かった気持ち悪くなった 変な人がいた黒い服の人 変な匂い 洗面所 モヤモヤ コーチの車には1人では乗らない 3人で乗る みかちゃんすぐにやめた 怖かった 止めれば良かった コーチの車も同じ匂いがするの こんどされたら人に言おう パパも触る ママにも言った // 防犯カメラ 元顧問弁護士 印象は 転落 転倒 発生は突然走った あれが人間だと思うと 別の階で同時に逃げ出した // さやかちゃん 仲間外れ みんなと合わすのがめんどくさい あの日の事 思い出す?バイバイって手を振るみかちゃんを思い出すの アイちゃんとみか
ちゃんと私立の男のいない所へ行こうと 先生も男 教頭が辞めた 盗撮 // 上のどこかを見る。私は耐えられなかった、カメラに写りたくなかったのはそのせい。私は殺したかった 犠牲者の中に映る 見て笑った 怖かった 楽しんでしまうのが 元妻 // お疲れ 差し入れ。 禁止 禁煙 電話はいつも正気 転送 見張られているみたい 2001年宇宙の旅 HAL くち読まれているみたい カルト教壇 宇宙人 現場見た? いいや。悲しい 理由がない 答 ほったらかしで不安 神は人間に興味ない 私達は自傷行為 雨 ここで寝ると夢みます。誰もいない家 あの店に似ている。じゃ失礼致します // 夕方 あの縫いぐるみ 娘の 今はみんなの心の拠り所で提供。お嬢さんの映像。迷惑 奇跡の少女 義母が一階階段付近で、 合同葬儀 連帯感 惨めさ 誰の血 聖痕 憎しみのやり場がない、自分を責める 忘れ去られる だから こにを作った。パンフレット これあなたの名刺 違う会社 年利20% 被害者 逃げた 同じ様に金を集めている お地蔵様 みんなが望んだ 縫いぐるみが本尊になる 被害者と加害者は紙一重 見舞金を集めるだけ 寄進 寺を作るだけご供養したいと思っている 少女が教祖になる // タクシー 前は何を。 調査 体 壊したら何にもならない この辺で事件 嫌な事件 原因不明 あの中 空っぽ 影が揺れる 震える 影に顔が見えて 影が笑っていた 自殺 冗談ですよね・・・・ // 関係者 なにしにきている きっかけかな 外資が来るとリセットされる // 海外へ行っていた部屋を貸していた。 僕もリセットされた 妻が本当の私を見ていない。あっ 最後の蝉 人から聞いた僕も夢を 急いでくれと言う 店 前は墓石 爬虫類の骨 私の煙草ショートホープ 短い希望 煙草を貰う 虫かごに見える 犬が踏んだ ぺちゃんこ パタン。 // お互い 仕事 タクシー 暗い・・・ // ほらあそこが 踏んだら ぺちゃんこ ドドーン・・・
希望のホシ
石原プロモーション
北とぴあ つつじホール(東京都)
2015/10/10 (土) ~ 2015/10/18 (日)公演終了
満足度★★★★
出演者数多い!
ほぼ定刻どおりの開演は、素晴らしい!ただ、幕が開いてイキナリの予告部分(?)は不要だろう。なんで、ソコでネタバラしするかなぁ?楽しみが半減した。客席の位置によって違うのかもしれないが、台詞が聞き取りにくかったのも非常に残念。
The sky is the limit
makaniまにまにlani
APOCシアター(東京都)
2015/10/15 (木) ~ 2015/10/18 (日)公演終了
満足度★★★
台詞回しが
話のテーマは面白いんだけど台詞の間が悪く聞き取れない所が有り惜しい感じです。
初日でしたのでこれから進化していってくれれば。
十一ぴきのネコ
こまつ座
紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)
2015/10/01 (木) ~ 2015/10/17 (土)公演終了
満足度★★★★
笑って笑って考える
個性的な猫達の楽しく、でも所々に考えさせられる舞台。
欲を言えば前列ではなく、真ん中位の位置でみたかった。
大人も子供も楽しめると思います。
開演5分前には席に着席している事をオススメします。
グラファー
ZENROCKstage
キーノートシアター(東京都)
2015/10/14 (水) ~ 2015/10/18 (日)公演終了
満足度★★★★★
面白かった!!
後藤健流さんの脚本演出作品はけっこう観てますが
今回は、鵜飼主水さん参戦というのが、気になって
当日券で観劇。
ダンス、アクション、マジックのエッセンスの盛り込まれた
青春活劇!!
面白かったです!
何かに本気で取り組みたくなります!
東京学生演劇祭2015
東京学生演劇祭
インディペンデントシアターOji(東京都)
2015/09/19 (土) ~ 2015/09/23 (水)公演終了
観劇レポ
学生演劇祭というより、演劇祭というものには、
なんどか観客としてかかわることも多く、知り合いを通して運営する側にたつ人の気持ちもわかる。
だからこそ、なるべく客観的に芝居を観たいと思って楽しませてもらいました。
ネタバレBOX
学生の演劇祭はこれまで何度か足を運んだことがあるが、今回はそのレベルの高さに非常にうれしくなりました。Aブロックは、the pillow talkさんが静の芝居に対し、創像工房 in front of.さんが、動の芝居をなさっていて、どちらも方向性は異なるものの、世界の描き方は洗練されたものでした。Bブロックは、劇団ガクブチさんは何気ない生き方を、劇団リトルスクエアさんは思想を持った生き方を、そしてどちらもその先の生き方を描いている。すべての作品で単純にハッピーエンドとはいえない社会の本質というか生き様に目を向けている。
舞台観の話になると、単純な黒舞台に物はないという上で、前提となるのは、客席と舞台の位置関係だけであるので、その状況で空間をどう演出してどのアングルで切り取るかで舞台の雰囲気はまた変わってくる。その点に関しては、普段どういう環境で舞台を作ることが慣れているかという個性が表れていたように思う。
来年度以降も開催が決定されているとのこと、学生という都合、これらの団体が集まって演劇をやるのは一期一会になる。4つの多様な芝居から、自分の創作に、生き方に、何らかの影響を与えあう、そんな経験になったのではないだろうか。
(495)
・観劇した団体の感想(200字以上)
A-1 the pillow talk(早稲田大学) 「砂」
空間を用意することから始める。この舞台では、生徒会の副会長が部長会のために部屋の準備をするところから始まる。演劇部、バスケ部、文芸部と陸上部、そして、サッカー部、女子バスケ部。そして、ネオスポーツ部。様々な思いを持った人が、「部費」のために、「話し合い」をする。「生徒自治」、自主性を重んじる校風から、ネオスポーツ部の存在がバランスを壊していく。みんなみんな結局は自分のことしか考えてないけど、やっぱりそれはふつうのことで、そんな日常を描いた芝居なのだ。また、ラストのシーンは、本当に上手に終わらせたと感じた。緊迫した空気とどうしようもないこと。それらを、部長会の終わりとともに、また、一人の人として物事を受け止めるという、いわば始まりに帰っていくような構造には、何とも言えない現実に気づかされたように感じた。
先生は「思想をもたない権力者」で、部活としては実績が大事で、生徒会は選挙で選ばれていて、演劇部は「中の上」で。その話の背景には、退学にされたカリスマ的なバスケ部の先輩がいて、誰が悪いとか、物語の始まりとかなくて、よく考えてみれば、この物語に主人公なんていないのではないかと思える。その意味で、社会の形を高校生活というものでよく表している。ただ、大学生が高校生を演じているという部分では、機能的な会話が多くて、設定を大事にするならもっとくだらない中身のない会話があってもよいように思えた。
A-2 創像工房 in front of.(慶應義塾大学)「僕僕僕僕僕僕僕」
夢と現実。監獄の生活と、「僕」の島。ここじゃないどこかに行きたい。そんな話。
徴兵制のある世界で、世の中は生きにくいと感じている「僕」の物語、もしくは、少年のいる島に少女がやってきた話、もしくはそんなことすら夢なのかもしれない。演劇なんてそんなものだとも思うが、私は、「胡蝶の夢」を思い出した。なにが現実なのか。
少女のセリフの「世の中に合わせて、自分を腐らせる」という言葉に、妙に納得してしまった。世界が腐っているなら、私たちはそれに合わせて腐ることも生き方なのだ。
どんな理不尽なことがあっても、それはもしかしたら夢かもしれない。
舞台空間としては、段差が高低差を作り、上下関係と遠近感を作る。ダンスやセリフの勢い、転換のスムーズさは時間や空間の演出の技量の高さなのかもしれない。マイクという武器も用いているのは、実に爽快で心地よい。演劇的な無理を突き通すのに、これぐらいのパワーは必要だと思う。けれども、その一方で、演劇的な無理は、劇場の外では通じないから、様々な並行世界を描くには、もう少し落ち着かせる部分があってもよかったのではないかと思った。自分にとって都合の良い世界なんてないのかもしれない。でもこれは、「僕」による「僕」のための「僕」による物語なのだから、これでよいと思う。
B-1 劇団ガクブチ(立教大学)「∫f(三人兄弟)dx」
床には布が敷かれ、それは、室内を作り、内と外を作っている。男二人が左右に、女が一人奥に座り込んでいるところから始まる。パントマイムを多用していて、この舞台空間を役者本来の力で挑んでいる。全体的なイメージとしては、舞台空間のバランスをとても慎重に扱っている。照明の明暗や、舞台を左右に分けるなど実に器用である。
3という数は不安定である。一人と一人が話していると、余った一人は聞き手になる。三人称だってそうだ、自分と相手、あとはそれ以外なのだから。関係の中で自分は不在になるから。でも自分は彼らの中では存在しているらしいから、その「すき間」をみつけるために、「自分探し」にでる。そこで出会う「ドッペルゲンガー」。これは想像ですが、兄弟の交換が受動的出来事ではなく、能動的な出来事として描ける可能性もあったのではないかと感じました。最後の終わり方は、能動的な選択で終わらせている。気持ちのゆがみ、可能性を消すということ、それは、私の居場所を作る物語。
自分探しという普遍的なテーマを学生の目線で扱うことは、同世代の大学生たちにも、共感しやすい内容で、学生演劇らしいとも思える。自分の存在をどうやって維持してどう形作っていくかというのは大事で、独特のモラトリアムのなかで演劇をしていくなかで、それなりの答えに出会える気がしてくる。
B-2 劇団リトルスクエア(上智大学)「騒擾の犬」
下手の障子、下手前に花瓶。上手に布団、上手前に机。時代観をよく表した配置で、服装も昭和初期をイメージしたものになっていた。共産主義と漫画家、それを取り巻く人々の生きざまを切り取った作品。特高に情報を流したスパイは誰かということを明らかにするということを中心に話が進んでいく。共産主義という思想と、それを認めない世界。また、生きるということ、命を大事にするということ根源的な願い。そして、漫画家という表現者の選択。それらが絡み合って、様々な思いが物語の真実を明らかにしていく。
会話を中心に、世界観に合わせて、話を作り上げていくという基本的な部分がしっかりしていて、どんな人でも話に入りやすい。劇全体として、ろうそくの光を使って開始と終わりを作ることで、独特な雰囲気を作っている。
漫画家先生と恋人、編集と助手、近所の看護師と、特高。共産主義という思想のためにつながった人々の、明かされていく事実に観客は驚かされる。基本的に編集さんの勘違いで、物語は進んでいく。しかしながら、舞台が単純化されているので、舞台上にあるものから、物語の内容が想定されてしまうことに関しては、まだ、考える余地があったように思う。舞台上の物だけで完結するということは、舞台上の点と点をつないでいくようで、もう少し物語に妄想する要素があってもよいとも思う。
エゲツナイト♡
GORE GORE GIRLS
インディペンデントシアターOji(東京都)
2015/10/13 (火) ~ 2015/10/27 (火)公演終了
満足度★★★★
棒立ちヘタウマ
健在
ネタバレBOX
始まるまでの時間、ピラミッド型に八段に積まれた段ボール箱の山を見ながら組体操のピラミッドの負荷計算をしていました。暗算が苦手なので行き着きませんでしたが、十段ともなるとその重さは大変だと思います。
段ボール箱を組み立て、また元に戻すバイトの主となったフリーター男が、公務員試験を受けたいと言う他のフリーターの将来を束縛し、自らの正社員への道も拒絶するという、段ボール道を極めた男の話とは言えこの生き様をどう評価したら良いのかと頭を抱えていると、夢オチで、さらには何ともえげつない夢を見たという東大に合格した男の究極の夢オチで終わりました。
段ボールを組み立てて壊すことが舞台美術を組んでばらす作業に見え、正社員にならずフリーターにこだわり続けることが役者だけで食っていけないのに役者にこだわり続ける人に見えました。
道を極めると妖精が見えるというのは『さらば演劇界』と同じ、夢オチ部分も同じでしたが、『エゲツナイト♡』の初演の方が先でした。『さらば演劇界』がゴアゴア初経験で感動した私ですが、同じようなのを連続上演していたとは、今初めて知りましたが少し寂しい気持ちです。
レッツ・解脱トゥギャザー
マグネシウムリボン
d-倉庫(東京都)
2015/10/14 (水) ~ 2015/10/18 (日)公演終了
満足度★★★★
面白かった
一人の時間は、好き。
だから共感できる事がいっぱいあって、とても面白かったです。
孤独をテーマにすると、よく出てくる「人はひとりじゃ生きられない」。
あの言葉は好きじゃないので、出てこなくてよかった。
遠浅
伏兵コード
浄土宗應典院 本堂(大阪府)
2015/10/09 (金) ~ 2015/10/13 (火)公演終了
満足度★★★★★
ずっしり、押し寄せる、伏兵コード
主人公の心の中をさらけ出す言葉の表現や繋がりは、他の人では出来ない表現だと思いました。単純に可哀相だとか悲しい話しだとも思わなかったです。芯が通ってないと書けない話しだと思います。
ずっしり押し寄せるの受け止められないほどのとこまで行かないので、サラッと流せるので不思議です。
しばらくお休みなのですが、次回作、楽しみに待ってます♪
十一ぴきのネコ
こまつ座
紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)
2015/10/01 (木) ~ 2015/10/17 (土)公演終了
満足度★
ミュージカルなのか?
つまらなかった。脚本、演出も良いはずなのに、何も伝わって来なかった。絵本の方がずっと良かった。
ミュージカル 「TOP HAT トップ・ハット」
梅田芸術劇場
東急シアターオーブ(東京都)
2015/09/30 (水) ~ 2015/10/12 (月)公演終了
にぎやか
踊りが素晴らしかった。ただ途中で眠気が襲ってきてすべてを見ることができなっかったのは残念。で、評価はつけられません。
鳥取イヴサンローラン
ロ字ック
シアター711(東京都)
2015/09/26 (土) ~ 2015/10/11 (日)公演終了
満足度★★★
こんな女性たち
いるでしょうきっと。様々な感情が入り混じってぐかぐちゃな世界が繰り広げられる。でも、みんな淋しいのでしょう。そんな芝居であった。
ざくろのような
JACROW
サンモールスタジオ(東京都)
2015/10/08 (木) ~ 2015/10/13 (火)公演終了
満足度★★★★★
ああサラリーマン
サラリーマンにはすぐそこにある世界。しかしながら本作はそれほどシリアスではなかったように思う。説明にもある通り少し喜劇の要素も取り入れていていて「そうだよなぁ」と妙に納得してしまった。今回は胃が痛くなることもなく見ることができた。