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錆びつきジャックは死ぬほど死にたい

錆びつきジャックは死ぬほど死にたい

ポップンマッシュルームチキン野郎

CBGKシブゲキ!!(東京都)

2015/10/28 (水) ~ 2015/11/03 (火)公演終了

満足度★★★★

PMC野郎+ぴあ=優しい(分かりやすい)作品?
PMC野郎+ぴあの結婚作品という事で、
「ポップンマッシュルームチキン野郎」という
いつものパンクぶりはちょっと少なめに感じました。

序盤から展開する各世界でのジャックの行動について、
すぐに「ああ、○○ってるんだな」という所までは分かりました。

その他色々分かりやすすぎる配役など
小劇場演劇というものの難易度を下げられるだけ下げた上で、
ちゃんと最後に感動を持ってきた、
という意味で面白い作品でした。

多分、子供とかが観ても喜べる作品なんじゃないかしら?

ネタバレBOX

【思った事】
・ 最初、バンバン変わる年表/年号に
  別々の時間が同時並行して流れるような
  理解するのが結構大変な感じの作品かな?
  と懸念しました。
  (ちょっと最近そういう疲れるタイプの演劇は嫌だったので)


・ 出し入れしながらグルグル回す盆については、
  もっとうまい仕組みを作れなかったのかな?
  と思いました(シブゲキの制約?)。


・ 最初2015年、2012年、紀元前(?)の2つの年だったかを
  飛び飛び、その中で機械のジャックは人を見守っている、

  「ああ、これは時を超えて”恋人”とかを見守る」とか
  そういうテーマの作品だな、
  という事はすぐに解りました。

  しかし見守ってる対象が「女性」に限らないので
  「アレ?子孫全員を見守っている?」
  などちょっとした謎かけも。

  本当の目的に関係ないはずの
  ベートーヴェンまでが見守る対象に入った時には、
  物語の広がり方に驚きました。


・ キメラその他色々な連中の登場や
  ベートーヴェンを「佐村河内事件」ネタなど
  段々といつものシュールさを表に出してくる本作。


・ いつものような「つい吹き出してしまう大爆笑!」というような
  場面はなかったのですが、
  小劇場演劇の普通、
  以上には「笑いネタ」も面白かったです。


・ そして、2015年の博士の実験で吹っ飛んでしまった
  ジャックの記憶が戻り、
  ここまでの流れでジャックが本当に見守っていたものが、
  ・ かつて好きだった人の子孫
  ・ その娘が愛した男の子孫

  この2つの赤い糸が結ばれる事だと分かった時
  (+ それに関わった者達も見守ってきた)、

  そして博士の家を見守った理由がその答えだと分かった時、

  あののび太っぽい青年と博士の娘が出会ったあの時、

  ラジオからかつてジャックがベートーヴェンに
  着想を与えたあの曲が流れた時、

  かなり涙腺に来てしまいました。

  今回は弾ける形ではなく、こういう形でしっとりと落としに
  来たのだな、と。


・ ローマ帝国の時代?の
  ウラギリンティヌスやオンナスパイその他
  重要役以外にはあまりに分かりやすい名前をつける、
  あれもある意味
  「このお芝居を分かりやすくする」工夫だったと思います。


・ 機械人間ジャックの人のマイムとそこに入る効果音が
  見事に「機械人間」を表現していたな、と思いました。

  暗転してハケる中でもマイムを続けた
  その役者魂に凄さを感じました。
  (観客はどこで役者を観ているか分からない、
  どんな時も観客の気持ちを冷めさせないその工夫。)


PS.シブゲキという渋谷の一等地だった事もあり、
  チケット代は高かったですが、
  お芝居自体にその価値は十分あったかと思います。

  自分はすっかり忘れていましたが、
  ハロウィンパーティー参加の準備を
  してきた人があんなに多くて
  それもまた楽しめました。

  ※ ハロウィンにかけた物語の締め方、
    そこからのハロウィンパーティーだった所も
    「上手いな!」と思わせられました。
エバーランド第三話

エバーランド第三話

フロアトポロジー

新大久保ホボホボ(東京都)

2015/10/07 (水) ~ 2015/10/28 (水)公演終了

満足度★★★

点と点
過去を登場させることによって、点と点がつながって、
さらに別の点が出てきて、まるでクモの巣のように
縦横無尽に広がっていく…。
そんな連想をさせる感じ。

長丁場になるであろう、この話。
どう魅せていくのやら。
自分の想像している流れからは
少しずつ外れ始めているような。

某キャストの芝居を2年ぶりくらい?に見て
ひたむきさは垣間見えた。

でも、トータルとしてはやや厳しめに★3つということで。

ネタバレBOX

「照明をうまく使った」のか「照明に頼りすぎ」なのか。
自分には後者に映った。

正直、月子の制服いるんかいな?と思ったのはここだけの話。

そういえば、小町の親らしき人物の存在が全く感じられなかった
点は気になるところである。

あと、オラフ、グッジョブw
JKからキキという手堅い主催とは大違いである。
ピッピピがいた宇宙

ピッピピがいた宇宙

あひるなんちゃら

ぽんプラザホール(福岡県)

2015/10/23 (金) ~ 2015/10/25 (日)公演終了

宇宙旅行って
何を楽しみに行くのだろう?
ハプニングでもなければすぐ飽きちゃうよなあ。
でも、害の少ないハプニングが安心です。
添乗員さんも、余裕ありすぎだし。
的に楽しみました。

くそったれの世界

くそったれの世界

ソラトビヨリst.

ギャラリーLE DECO(東京都)

2015/10/28 (水) ~ 2015/11/01 (日)公演終了

満足度★★★★

純粋に楽しかった
小気味よい流れの3本の短編集。
「おこらないで」着眼点が面白い。ひょっとしたら、世界が幸せになれる方法なのかも知れない。私は瞬間で死んじゃうけど。
「ためになるね」最後にドキッとしました。
「くそったれの世界」集団自殺の会、アイドル、麻薬の売人、SMクラブ、コスプレ。変な奴らが集まって、それぞれの小技で笑わせてくれました。芝居のタイトルになってるけれど、最後は意味が「?}ってところが。鈴木芳美さんのドスの効いた演技が良かったです。

心中天網島

心中天網島

遊戯空間

上野ストアハウス(東京都)

2015/10/29 (木) ~ 2015/11/03 (火)公演終了

満足度★★★★★

濃い!面白い!!
三味線、薩摩琵琶、笛、太鼓、語り、影、文字の映像を使い、役者同士が対面しない演出は文楽の要素も感じられたりして、面白かったです。
役者さんたちもとても味わいがあって、それぞれの役の心情を余すところ無く伝えてきて、素晴らしかったです。
私はこの演目では兄の孫右衛門が好きなのですが、山谷勝巳さんの情け深く、情の細やかなお兄さんはとても素敵でした。彼らの心中姿を見たら、いっぱい泣くんだろうなぁ・・・・。きっと残された子どもたちも大事に育ててくれると思いました。
簡単には死ぬことが出来ないラストもとても良かったです。

ミュージカル『スコット&ゼルダ』

ミュージカル『スコット&ゼルダ』

ホリプロ

天王洲 銀河劇場(東京都)

2015/10/17 (土) ~ 2015/11/01 (日)公演終了

満足度★★★★

ダンスが美しい!
メインの二人が、カップルとして成立していないと言うのが一番の感想。イキイキとチャーミングな濱田さんに対して、ウエンツ君が小さく感じる。はっきり言って役不足!もう少し自分の大きく見せる演技を覚えるべき。反対に動きが洗練されて美しかった中河内さん。そして何よりアンサンブルのダンスは見事に揃っていてレベルの高さを感じた。

オバケの太陽

オバケの太陽

劇団桟敷童子

すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)

2015/10/23 (金) ~ 2015/10/30 (金)公演終了

満足度★★★

よい出来なのだろうが・・・。
これでもかという様に舞台だけでなく、入り口から客席まで埋め尽くすようなひまわり。はじまりの音楽・照明・演技。テント芝居のそれを思い出し、懐かしい気持ちになった。人の想いが溢れたような作品ではあったが、どうもいまひとつ、伝わってくるもののインパクトが足りなかったような気がする。

シー・ザ・ライト

シー・ザ・ライト

もぴプロジェクト

高田馬場ラビネスト(東京都)

2015/10/28 (水) ~ 2015/11/03 (火)公演終了

満足度★★★★

優柔不断
優柔不断な映画監督とその仲間たちのお話。

主人公の優柔不断で我儘っぷりはイライラするものの周りの軽快な台詞回しでとても理解しやすいお話でした。

特に健さんは声も聞き取りやすく間の取り方も良かったですね。

ラストは『ん~』と唸るラストなので星ひとつ減らしちゃいます。

天邪鬼

天邪鬼

柿喰う客

AI・HALL(兵庫県)

2015/09/25 (金) ~ 2015/09/28 (月)公演終了

もっともっと刺激的な柿が観たい!
妄想が広がる子供の頭の中を描いた作品
子供の残酷な一面が見えたり、純粋な一面が見えたりするファタジー⁈
相変わらず仲屋敷さんの面白い発想で楽しめました♪

シンプルな舞台に役者さんだけで魅せる
一人ひとりが魅力的な役者さんばかりなので
可愛い衣装に独特な台詞と動きを見ているだけで楽しめます♪

久しぶりに玉置さんを見ましたがやっぱりキレキレですね!

私が観劇を始めて間もない頃に玉置さんを初めて見て衝撃を受けた
つかこうへい作品「飛龍伝」またやってほしいなぁ!

作品自体は今までに比べると少し大人し目な感じでしょうか?
もっともっと刺激的な柿が観てみたい~‼︎

Rebirth

Rebirth

革命アイドル暴走ちゃん

あうるすぽっと(東京都)

2015/10/28 (水) ~ 2015/11/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

29日16:00
みんなレインコートのフードなんかかぶらなければいいのに。
○○がかかる瞬間がかなりビビッとくるのに。
カメラ撮影なんかしなければいいのに。
今この瞬間を感じればいいのに。
レンズ越しじゃつまらないでしょ。
帰りの東池袋駅のホームで泣きたくなりました。
こんな作品を生み出す二階堂瞳子に胸が熱くなったから。

ネタバレBOX

ほぼ全身水浸しになります。
それは素晴らしい体験です。
Rebirth

Rebirth

革命アイドル暴走ちゃん

あうるすぽっと(東京都)

2015/10/28 (水) ~ 2015/11/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

美しい
私には、表現されていることの10分の1も理解できていないと思うが、ただただ美しい、と思った。
そして、案外結構じわっときたりもします。

Rebirthってまさにその通り。産まれたばかり感がしつつ、完成された感もあり。

若い人に観てもらいたい。

ネタバレBOX

日本でもU30とかU20とか女性だけとかやればいいのに。
ほんとのアイドル集団になるのでは?

で、自分のようなおっさんは場違いかも、って思うようになってきた。
ファッションショーと同じようなものに思えるので。
私的恋愛ベスト〜全ての女に懺悔しな!〜

私的恋愛ベスト〜全ての女に懺悔しな!〜

元東京バンビ

スタジオ空洞(東京都)

2015/10/24 (土) ~ 2015/11/01 (日)公演終了

満足度★★★

面白いが...
1話ごとの恋愛話はオムニバスのようであるが、主人公・はやし(はやし大輔サン)の体験談を回想風に描く。それぞれの恋愛話は面白く笑わせてくれる。
なお、当日パンフ...作・演出のアダチヒロキ 氏が、この公演は実話2%、フィクション98%で作ったと書いている。

気になったことは...

ネタバレBOX

もうすぐ40歳非モテ男・はやし の近況から始まる。そこに芝居台本の執筆ネタとして はやし の日記帳から過去恋愛を回想する。劇中劇といった構成であるが、この男の学生時代からの恋愛エピソードは誇張しているが、ありがちな内容である。この非モテ男が感情豊かに表現されていた。
しかし、”笑い”は上辺だけのようで、芯からおかしみを感じられなかった。

さて、制作サイドの件。
客席はL字型で、入口左側に舞台セットが組まれている。右側から奥の壁際へ曲がるように客席がある。芝居を観るには正面(右側席)から観ると分かり易い。本公演は会場入口に向かっての演技が多いことから、奥壁際に座ると後姿の演技が多くなり、役者の仕草や表情が観難い。この席配置にするのであれば、もう少し演出・演技に工夫が必要だと思う。また、開演時間に間に合わなかった観客が入口の正面(増席)付近に座り、結果として観易い席というのも...(誘導しやすいのはわかる)。

また場所によっては、演技する方向の延長先に照明があり、シルエットになるシーンが多々あった(冷蔵庫近くの数席)。スタッフに案内された自分の席も例外ではなく、ストーリーの面白さは分かるが、演出と演技の魅力を掴み取ることが出来なかったのが残念である。集客数との関係もあるだろうが、照明が当たる先には座席を設けないほうがよいと思う。

次回公演を楽しみにしております。
寿司

寿司

芝居処味一番

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2015/10/23 (金) ~ 2015/10/26 (月)公演終了

満足度★★★

そうゆうつながりだったのですね。
「寿司」と「新聞社」、そうゆうつながりだったのですね。

なるほど~~。

ネタバレBOX

詳しくは自ブログに綴りました。

http://ameblo.jp/gooharuhide/entry-12089577932.html
ロマンチック・エイジ

ロマンチック・エイジ

舞台工房SOLA‐Tobu.

ウイングフィールド(大阪府)

2015/10/17 (土) ~ 2015/10/18 (日)公演終了

満足度★★★★★

人間 生きる 繰り返す いつか死ぬ
前説 携帯・・・ 鳩 飛脚だめ 鳩やります。 禁煙 飲食・・・ 2回ぐらいかみました。    

ずいぶん長い間あの人を待たせたみたい。 人間とは何ですか あなた達の・・・です。    

夫を取り戻したくて作った心、実の名をつけたアンドロイド。アンドロイドは自分がアンドロイドと解っても毎日を繰り返す、人がいつか死ぬのだけど毎日を生きる様に。 作ったおばさんは、アンドロイドの神にはなれない 毎日を生きる人間、 生きる 繰り返す 人間 私は生きているけど人間らしく生きているんだろうか。

ネタバレBOX

前説 携帯・・・ 鳩 飛脚だめ 鳩やります。 禁煙 飲食・・・ 2回ぐらいかみました。    
先生 お早うございます、カボチャ 胡瓜 枝豆 この穴は 蝉。今年は花がない実も着けない 30年寿命 リンゴ 桜に似ている 同じ薔薇 生きた年 あっと言う間 概念 人間だけの概念 あれから何年 過去とはそう言うもの人間とはそう言うもの あれから、どのくらい 経ちましたか // 明日 世界が滅びるとしたらどうする その日は、突然やって来た。何あれ 隕石だー 閉じ込められた村 みんな倒れる 9割死滅 明日どうなるか分からない それでも // 明日菜 三苗 日誌、 食料 政府からここの人の分、 電気 生産性 何だこれ 種、 おばさんいないの びっくりした 1人でこの家に、 忘れちゃうぐらいずっと お腹すいていない? どうしてこんなことに 知りたい? 隕石でしょ たまたまウィルス 分からない 教えてくれる人もいない 貴方の人生貴方の物自分できり開いて // 生きている こっちも生きている 倒れる女 // どうしたんだ二葉 風船 兄ちゃんがとって来てやる・・・ お兄ちゃんは死んでない 畑耕す 葉野菜 根野菜 リンゴ 4、5年かかる マルティン ルター それでもリンゴの種を植える 実五(さね
ゆき) 四穂は 薬と包帯 七種(さえぐさ)さんの所へ 医者だった、 早く終わらして // うー たこ焼き~ イカ焼き~ お腹すいた~ バタッ。 食うか、 ガツガツ 人と話すの久しぶり 死ぬ時は生まれ故郷でって。 外は? 食べ物は? いない? 1人だったの? 六実(リッカ)よ、 他のグループが食料を1人じめ あいつを落として いいわ// 私の携帯 おばさんの所。キャンプ 懐かしい。// 四穂 3年の大地先輩に告白 OK。四穂ありがとう。 良かったの おなじ 人を好きになった // 明日村を出る 確かめる // ない これ なんなの 化け物 // 二人が山へ 連れ戻して。 七種(さえぐさ)のおばさん 化け物 // 篁(たかむら)やめろ どうしても行くのか ドス 悪いな // 七種さん あの人 化け物 血が赤い // 二葉は、別の部品に変えれば、あらゆるデータをここに入れている ビー// 人間は人間認めない だったらこの子達は// ピピピ ここどこ 学校 皆は? あなたここで何を 死んでる 七種(さえぐさ)さん今日は何月何日 リンゴの種を蒔いたのは昨日 あなた方は人間でない この村はアンドロイド実験
特区 明日滅んだらどうする、大切な人を蘇らした 感情がない あなたを作った あなたは私 どうして 間違っている 違う私は生きている 私は七種(さえぐさ)明日菜。 あなたは私 篁のの事を愛しているでしょ バタン ショート 博士はなぜ私を抱き締めるんですか 私がそうしたいから // 四穂 三苗 一柳(いちる) 実五(さねゆき) 掃除 動かない 明日菜 気がついたか // 先生 セキュリティ ロック 誕生日 この子達にどうやって伝えたらいいの オリジナルも関係無い。一柳 聞こえていた ごめん 全部知っている 俺はこの夢をもう少し視たい 夢を見るから人間なんだ ・・・・ なんだかロマン リンゴが育った 超ラッキー 食べる? バカ 私あのさ 何よ ごめん ごめん四穂 もういいよ 私も・・・ 良かったね。二葉私お姉ちゃんになれるよ。外の世界はどうなんだ 先生この目で観てみたい。これはどういう事かしら 俺は彼女と生きていく。アンドロイドごときに解るか。 おばさんが教えてくれたから解るか さびしい時 私達も寂しくなる。失敗だ失敗だ そうだ初めからやり直せばいい。 // ごめん
子供が出来た 花の名をつけよう 嘘つき貴女死んじゃったわ ずうっと待っているから ここで待っているから ゆったりおいで 嘘じゃないから(くずれ泣く)// あれからずっと時間が経った様な気が それでは終わりにしますか もう少しこのままで 貴方を作ったのは失敗だった けっきょく取り戻せなかった もう少しだと思ったんだけれどもね、 あなた 女が刺す どうして 篁を殺した女を植え付けたから 血が 少し眠るわ ずいぶん長い間あの人を待たせたみたい。 人間とは何ですか あなた達の・・・です。         

夫を取り戻したくて作った心、実の名をつけたアンドロイド。アンドロイドは自分がアンドロイドと解っても毎日を繰り返す、人がいつか死ぬのだけど毎日を生きる様に 作ったおばさんは、アンドロイドの神にはなれない 毎日を生きる人間。 生きる 繰り返す 人間 私は生きているけど人間らしく生きているんだろうか。    
ミュージカル『パッション』

ミュージカル『パッション』

新国立劇場

新国立劇場 中劇場(東京都)

2015/10/16 (金) ~ 2015/11/08 (日)公演終了

満足度★★★★

好き嫌いが分かれる作品かも・・・。
久しぶりのミュージカルでした。
私はストプレは結構暗かったり、ドロドロだったりも好きなんですが、ミュージカルはわかりやすいのが好きなので、物語的にはちょっと苦手でした。
でも、生演奏は素敵だったし、出ている役者さんたちが皆さん美声で、大型ミュージカルにありがちな大人の事情的なキャストがいないので、作品としてのクォリティーは高いと思いました。
自分の残り少ない命をジョルジオへの愛に全て使ったシルビアさんが、素晴らしかったです。でも、正直、ちょっと怖くもあり、ラストのジョルジオの気持を理解するのは、私にはちょっと難しい・・・・・。
でも、不倫にあそこまで純粋な愛を求めたジョルジオだから・・・とも思うのですが。

ゴードンとドーソン Gordon&Dawson~妻と夫と虎の夢~

ゴードンとドーソン Gordon&Dawson~妻と夫と虎の夢~

はえぎわ

シアタートラム(東京都)

2015/10/23 (金) ~ 2015/11/01 (日)公演終了

満足度★★★★

食が
大事ということ、なら

ネタバレBOX

食によって喧嘩して、食によって元に戻ったゴードンとドーソンという一応日本人ではなく、日本ではない国の倦怠期夫婦の話。

初っ端の超長いテーブルで夫婦の距離感が一発で分かりました。

終盤、長いテーブルに13人が着席し、中央には渋いいい男ノのゾエ征爾さん、最後の晩餐は象徴的でした。最後に奥さんは虎に食われて死ぬようでしたが、アフタートークで影絵の虎が豚に見えた人がいて、観る側の勝手と言うか、親の心子知らずと言うか、笑わせてもらいました。

構造上テーブルにお尻を乗せるような形で前後に移動するのは已むを得ないとある程度理解しますが、少なくともテーブルクロスが掛かっているときに靴のまま乗るのは、食をテーマにしていただけに食を軽視しているようで残念、不快でした。
リクレイムド ランド

リクレイムド ランド

Oi-SCALE

駅前劇場(東京都)

2015/10/21 (水) ~ 2015/10/26 (月)公演終了

満足度★★★★

タイムリーなテーマをOi-SCALEな雰囲気でコラージュ
かつての未成年犯罪者の出版を筆頭にタイムリーなテーマをいかにもOi-SCALEな雰囲気でコラージュ。
被害者遺族の気持ちや「人の死」などについて問題(?)を提示するので観客として考えさせられるシカケ。
がしかし、最後にソフトランディングするのは灰二さんの優しさの顕れ?
あの前で終わるのもインパクトがあったのではないかと思って尋ねてみたら実はあの結末ありきだったそうで、いらんことをゆーてもーたか?(笑)

シー・ザ・ライト

シー・ザ・ライト

もぴプロジェクト

高田馬場ラビネスト(東京都)

2015/10/28 (水) ~ 2015/11/03 (火)公演終了

満足度★★★★★

花五つ星
 小劇場のみならず表現する者の、位置を正確に見、正当な表現に迄高めた今後、期待すべき才能。前回の試みも、幅を広げる役を果たしているのではないか? シナリオの良さのみならず、演出の手順、役者陣のいずれ劣らぬ自然で示唆に富む表現も実によい。

ネタバレBOX

 舞台奥、下手側、上手側黒地に白塗りの板を隙間を開けて貼り付けたセンスがとても良い。無論、下手側では。2か所の出捌け口部分が設けられているし、上手側は、窓に擬した隙間が作られているが、基本的には観客の想像力に委ねられている。舞台上で用いられる器材は、半暗転時、役者達によって準備される。当初は、学校で用いられる簡易型の机と椅子のセットが2つ。それぞれのセットに対して約45度の角度に離れて置かれている。観客席に近い下手のそれは、絵の上手い佐久間の席で、机上にはスケッチブックが載っている。斜め奥にある席は、斉藤の席。彼は、忘れ物を取りに戻ったのだが、彼女は家に戻ると余り真面目に勉強に集中できないという理由で学校に遅くまで残って課題を片付けていたのだ。が、彼が忘れ物を取りに来た時には、ちょっと席を外していた。
彼は彼女を一目見るなり、その可愛らしさにぽ~っとなってしまう。一目ぼれだ。だが、彼女と漸く話をし、新たなスケッチが描けたら見せて貰う約束をしたにも関わらず、彼女は引っ越しを余儀なくされ、その後は会えずに居たのだった。が、大学進学後の彼にとっても、彼女は相変わらず、最愛の女であった。
 大学生時代、斉藤は、映画を作って過ごす。学生レベルでは高い評価を受け賞を取ったりもするのだが、卒業後、大学時代のメンバーを中心に立ち上げたプロ集団は鳴かず飛ばず。部外者としては客演の健一が居る。妻帯者の子持ちであるから、生活が掛かっている。
卒業後2年が過ぎ、プロになってからは受賞歴もなく愈々、正念場だ。因みにこの集団に属するのは、斉藤の元カノの晴香、後輩で斉藤が好きでついてきた真奈美、親友の慧、客演だが、斉藤も彼の作品も好きでずっと一緒に作品を作ってきた健一に斉藤を加えた5人である。
 新作を作るに当たり会議が開かれた。その場で、斉藤の今までの路線では、弱いという結論が出、新作は、既に評価された作品を斉藤が脚本化し、それを映画化するという話になったのだが、原作では絵の才能のある者の描いた作品も映像化しなければ作品として、どうしても傷になるという判断が出た。然し、5人の中にそんなに絵の上手な者は一人も居ない。困っている時、事務所に野菜を納入している業者がやって来た。若い女性である。それは、何と他人の魂を奮わせる絵の描ける佐久間であった。斉藤が彼女に気付き、自らの名を明かすと彼女も彼を覚えていた。映画制作を手伝ってくれることになって、彼女はヒロインに抜擢される。初めて参加する世界で新人だという意識を持つ佐久間は、献身的に雑務もこなし、応募することが決まったコンクールに向けてタイトなスケジュールを精力的にこなした。然し、無理が祟って倒れてしまう。彼女の心臓には欠陥があったのだ。幸い、買い物に出た彼女の帰りが遅いので様子を見に行った仲間が彼女の倒れているのを発見、至急救急車で病院へ運び命に別状はなかったのだが、その後、彼女は入院生活を送ることになる。この間、残ったメンバーの間では斉藤を中心とした女たちの嫉妬が渦巻く。無論、元カノの晴香は、最も敏感に反応した。自分と付き合っていた間も、好きなのかどうか分からないような彼の態度の背景に佐久間が在ったことを感じ取っていたのである。助監督役になっているしっかり者の真奈美にした所で、抑えてはいるものの、嫉妬の焔が燃え上がっていることに変わりはない。
 同時期、妻帯者で2歳になった娘を持つ健一の“遊びせむとや生まれけむ”という表現者の理想と、生活を守らなければならない現実の軋みも斉藤への指弾に繋がる。親友で冷静沈着な慧の優柔不断も重なる。
 追い詰められた斉藤は、ちらっと聞いたリストカットの話を思い出し、自ら試してみようかとカッターを取り出すが、すんでの所で断念。そこで、この所問題Mになっていたラストシーンのヒントを得て科白を書くことができた。無論、この時点で作者としてのしっかりした手応えがあったのである。彼は早速原稿化し上演へ向けてハードルを越える。大事なことは、悩み悩んだ作家が宇宙全体にたった独りで向き合うような孤独に耐えて先に進み得たということである。その為に彼自身が認識を新たにした。そして、作品を自立化した。だから、燃えカスになった。その彼に受賞発表日の2分前、連絡が入った。佐久間の訃報であった。ラストシーンで斉藤はカッターで腕を切る。死亡率5%とされたその行為に彼は遂に踏み込んだ。少なくとも踏み込むことによって不合理・不条理の側に自らの生を置くことを選んだのだ。若い才能がこのように痛々しいが、表現する者として正しい選択をしたことにエールを送らない恥知らずが居るだろうか? 居るとすれば、そのような連中は表現する者の名に値しない。 
新国立劇場演劇研修所9期生試演会「血の婚礼」

新国立劇場演劇研修所9期生試演会「血の婚礼」

新国立劇場演劇研修所

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2015/10/23 (金) ~ 2015/10/27 (火)公演終了

満足度★★★★

うまい。
研修所は海外戯曲をよくやる。若手が、年齢の高い役も担う。役の勘どころを掴んで役として提示する技術は、以前「親の顔が見たい」で生徒の父兄を演じた20代の研修生に見て感心した所だったが、今回も声の若さは邪魔な部分もあったがきちんと成立させていた。 難関はこの戯曲が「熱い血」の奔流にさらわれる人種たちが織りなす物語であることで、詩的な言葉に変換された内的な激情をしっかりと表現することが課題。これに関してもよく頑張っていた。特に印象に残った俳優もいた。
 演出は初めて見る名だったが研修所の演出スタッフ・田中麻衣子氏の手腕も発見だった。伊藤雅子の装置は、恐らく石作りだろう建物の床に6〜8本の柱(角柱)が立っており、これが場面により移動する。建物の中の居室と見えたり、人が出入りする通過点のロビーのような場所を表したり、柱が二本移動するだけで森を表したりする。
 演出の手腕を見たのは中盤、婚礼の日、舞台上は花嫁の居室(下手袖奥)とテラス(舞台奥)、人々が集まる広間(上手の見えない奥)を、つなぐ通過点となる空間で、ある不穏な事態への「予感」が的中するまでの運びが、見事だった。(全て戯曲の指定だとしたら、作者の才能だが。)
 この悲劇の主人公として、最後に立つのは母である。これはどういう悲劇なのか。今時点では説明できそうにない。
 ただ、「決闘」が容認された社会で、夫と息子を殺された母が、息子の婚礼をこの日に迎えるという設定で、嫁になる女がかつてその仇になる家に属する男と接点があり、母がその事に不吉な思いを抱いている、という始まりである。「因縁は続くもの」「不吉な予感は当たるもの」といった摂理を匂わせながら、男が剣をとって非生産的な理由で殺し合いをやる存在であるという、最もシビアな問題(女性にとって)を、匂わせてもいる。だがそれは蛇足であって誰もが知る真実だという前提の上に語られている感もある。それよりもっと野蛮な人間の本質を抉り出そうとしているのか、非道さの中に人間性は如何に保たれ得るのかという問いかけなのか、、やはり言葉にするとしっくり来ない。

今、出来る、精一杯。

今、出来る、精一杯。

月刊「根本宗子」

テアトルBONBON(東京都)

2015/10/23 (金) ~ 2015/10/30 (金)公演終了

満足度★★★★★

精一杯生きているあなたに贈るお芝居
 「今だから、私だから」。根本宗子が演劇を作る際のこだわりだ。
この作品は特に「私だから」書ける、いや「私にしか」書けないという
執念が全面に押し出されている。
 約2年半前に上演されたものの再演だが、「今だから」という要素も
盛り込まれている。
 自意識過剰で、コミュニケーションが苦手な現代人がわんさか
出てくる。超面倒臭い人間たちのバトルロワイヤル。
各々のキャラの突拍子もない言動と、個性の強いキャラ同士が
ぶつかって起こす熱く激しく面倒臭い化学反応に、
観客は大いに笑わされる。
 
 物語の舞台は3箇所。スーパーの事務室兼店員の控え室と
アパートの1室、そしてビルの屋上。
 スーパーには、優柔不断な店長・小笠原(オレノグラフティ)、
店長と恋仲のななみ(長井短)、八方美人なバイトリーダー・
西岡(片桐はづき)、チョーテキトーで口うるさい矢神(浅見紘至)、
矢神の恋人・陽奈(大竹沙絵子)、酷いドモリで他の店員とは
ほぼコミュニケーションがとれない金子(野田裕貴)、他人との
距離感が全く掴めず自分の意見を絶対に言わない坂本(墨井鯨子)、
店唯一の常識人で正義感が強い杏(福永マリカ)、
そして、嵐をじゃんじゃん呼ぶ女・利根川(梨木智香)。
この利根川の暴れっぷりが超強烈。その傍若無人さと、彼女に
引っかき回される周囲のアタフタさに、観客は爆笑する。
 アパートの1室には、OLのはな(あやか)と、その彼氏で仕事が
長続きせず生活力がなく彼女無くしては生きていけない安藤
(宮下雄也)。
 スーパーとアパート両方に登場する、車椅子に乗り、
スーパーに弁当を強引にねだりにくる謎の女・長谷川(根本宗子)。
ビルの屋上は、序盤は何も動きはない。
 話が進むにつれ、金子がドモる理由、坂本が自分の意見を主張しない
訳、そして長谷川が車椅子生活になった謎が明かされていく。
 
 繰り返すが、2年半前に上演されたものの再演である。
なぜ、今この作品をやるのか?ほとんど当時の脚本には手を加えて
いないと根本は言う。8日間の上演の後、たった1日空けただけで、
何と新作を披露する。当然、稽古の量も演出を考える量も、精神的にも
肉体的にも何もかもが倍ほどの負担となる。初演時、膨大な不安を抱え
精神的にいっぱいいっぱいで精一杯作り上げたこの作品と、
今の精一杯で挑む新作を「戦わせてみよう」(演劇サイト「コリッチ」
より抜粋)と考えたからだそうだ。
 
 もっと突き詰めて考えて、なぜこの作品なのか?彼女曰く、この作品は
「私にとって大きな転機になった作品」(コリッチより抜粋)であり、
精一杯になって作り出した「私にとって大事な作品」(挨拶より抜粋)
だからなのだろう。
それだけなのか?いや違うと拙者は断言する。もう一つ付け加えるなら
彼女がこだわる「私にしか」書けない演劇の現時点での最高峰だからだと
拙者は推測する。その根拠は、彼女が演じる長谷川である。
長谷川が車椅子生活を余儀なくされるきっかけは、脚色されて
いるものの、モロ、根本本人の実体験だ。根本も、多感な
中学・高校時代の大部分を怪我のため車椅子で過ごした。夢であった
モーグル選手を諦めざるを得なくなる。その時に感じた絶望、悔しさ、
惨めさ、コンプレックス等のマイナスの感情は我々の想像を絶する
ものだったに違いない。その負の感情の発露が半端ない。
そこから生まれたであろう、強烈で圧倒的な台詞、
いや叫びの数々。「みんな、私の事を分かってくれない。
みんなにとって現実味がないからだ!」「人から強いねって
言われるけど、いつも強くはいられない」「私の面倒臭さを引き受ける
覚悟はあるのか!」、「でも、諦めきれない!!」「自分の中の正しいと
思う事を守るので精一杯!!」一つ一つが、心に深く鋭く突き刺さる。
 「芝居でただ憂さ晴らししてるんじゃないのか?」と突っ込んだ人も
いるかもしれない。だが、そんな表層的なものを遥かに越えた、
血と汗と涙がたっぷりつまった生命力が舞台上からビンビン伝わってくる。
その生命力は観る者に勇気を与えてくれる。まるで、心身ともに苦しくて
希望を失い歩みを止めそうになった時、自分よりボロボロになった大切な
人が傍らで希望を捨てず全力で応援してくれているかのように。
この芝居全体が、観る者にとっての大切な人であり、精一杯生きる者たちの
背中を強く押してくれているのだと感じられる。

 長谷川とは、テレビやネットで見せる明るい笑顔の裏に隠された根本自身の
負の過去や側面そのものだ。この作品は特にそれが際立っている。
やはり「私にしか」書けない。
 
 色々述べてきたが、本当に「今」観れて良かったと思える作品であった。

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