
錆びつきジャックは死ぬほど死にたい
ポップンマッシュルームチキン野郎
CBGKシブゲキ!!(東京都)
2015/10/28 (水) ~ 2015/11/03 (火)公演終了
満足度★★★★
PMC野郎+ぴあ=優しい(分かりやすい)作品?
PMC野郎+ぴあの結婚作品という事で、
「ポップンマッシュルームチキン野郎」という
いつものパンクぶりはちょっと少なめに感じました。
序盤から展開する各世界でのジャックの行動について、
すぐに「ああ、○○ってるんだな」という所までは分かりました。
その他色々分かりやすすぎる配役など
小劇場演劇というものの難易度を下げられるだけ下げた上で、
ちゃんと最後に感動を持ってきた、
という意味で面白い作品でした。
多分、子供とかが観ても喜べる作品なんじゃないかしら?

エバーランド第三話
フロアトポロジー
新大久保ホボホボ(東京都)
2015/10/07 (水) ~ 2015/10/28 (水)公演終了
満足度★★★
点と点
過去を登場させることによって、点と点がつながって、
さらに別の点が出てきて、まるでクモの巣のように
縦横無尽に広がっていく…。
そんな連想をさせる感じ。
長丁場になるであろう、この話。
どう魅せていくのやら。
自分の想像している流れからは
少しずつ外れ始めているような。
某キャストの芝居を2年ぶりくらい?に見て
ひたむきさは垣間見えた。
でも、トータルとしてはやや厳しめに★3つということで。

ピッピピがいた宇宙
あひるなんちゃら
ぽんプラザホール(福岡県)
2015/10/23 (金) ~ 2015/10/25 (日)公演終了
宇宙旅行って
何を楽しみに行くのだろう?
ハプニングでもなければすぐ飽きちゃうよなあ。
でも、害の少ないハプニングが安心です。
添乗員さんも、余裕ありすぎだし。
的に楽しみました。

くそったれの世界
ソラトビヨリst.
ギャラリーLE DECO(東京都)
2015/10/28 (水) ~ 2015/11/01 (日)公演終了
満足度★★★★
純粋に楽しかった
小気味よい流れの3本の短編集。
「おこらないで」着眼点が面白い。ひょっとしたら、世界が幸せになれる方法なのかも知れない。私は瞬間で死んじゃうけど。
「ためになるね」最後にドキッとしました。
「くそったれの世界」集団自殺の会、アイドル、麻薬の売人、SMクラブ、コスプレ。変な奴らが集まって、それぞれの小技で笑わせてくれました。芝居のタイトルになってるけれど、最後は意味が「?}ってところが。鈴木芳美さんのドスの効いた演技が良かったです。

心中天網島
遊戯空間
上野ストアハウス(東京都)
2015/10/29 (木) ~ 2015/11/03 (火)公演終了
満足度★★★★★
濃い!面白い!!
三味線、薩摩琵琶、笛、太鼓、語り、影、文字の映像を使い、役者同士が対面しない演出は文楽の要素も感じられたりして、面白かったです。
役者さんたちもとても味わいがあって、それぞれの役の心情を余すところ無く伝えてきて、素晴らしかったです。
私はこの演目では兄の孫右衛門が好きなのですが、山谷勝巳さんの情け深く、情の細やかなお兄さんはとても素敵でした。彼らの心中姿を見たら、いっぱい泣くんだろうなぁ・・・・。きっと残された子どもたちも大事に育ててくれると思いました。
簡単には死ぬことが出来ないラストもとても良かったです。

ミュージカル『スコット&ゼルダ』
ホリプロ
天王洲 銀河劇場(東京都)
2015/10/17 (土) ~ 2015/11/01 (日)公演終了
満足度★★★★
ダンスが美しい!
メインの二人が、カップルとして成立していないと言うのが一番の感想。イキイキとチャーミングな濱田さんに対して、ウエンツ君が小さく感じる。はっきり言って役不足!もう少し自分の大きく見せる演技を覚えるべき。反対に動きが洗練されて美しかった中河内さん。そして何よりアンサンブルのダンスは見事に揃っていてレベルの高さを感じた。

オバケの太陽
劇団桟敷童子
すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)
2015/10/23 (金) ~ 2015/10/30 (金)公演終了
満足度★★★
よい出来なのだろうが・・・。
これでもかという様に舞台だけでなく、入り口から客席まで埋め尽くすようなひまわり。はじまりの音楽・照明・演技。テント芝居のそれを思い出し、懐かしい気持ちになった。人の想いが溢れたような作品ではあったが、どうもいまひとつ、伝わってくるもののインパクトが足りなかったような気がする。

シー・ザ・ライト
もぴプロジェクト
高田馬場ラビネスト(東京都)
2015/10/28 (水) ~ 2015/11/03 (火)公演終了
満足度★★★★
優柔不断
優柔不断な映画監督とその仲間たちのお話。
主人公の優柔不断で我儘っぷりはイライラするものの周りの軽快な台詞回しでとても理解しやすいお話でした。
特に健さんは声も聞き取りやすく間の取り方も良かったですね。
ラストは『ん~』と唸るラストなので星ひとつ減らしちゃいます。

天邪鬼
柿喰う客
AI・HALL(兵庫県)
2015/09/25 (金) ~ 2015/09/28 (月)公演終了
もっともっと刺激的な柿が観たい!
妄想が広がる子供の頭の中を描いた作品
子供の残酷な一面が見えたり、純粋な一面が見えたりするファタジー⁈
相変わらず仲屋敷さんの面白い発想で楽しめました♪
シンプルな舞台に役者さんだけで魅せる
一人ひとりが魅力的な役者さんばかりなので
可愛い衣装に独特な台詞と動きを見ているだけで楽しめます♪
久しぶりに玉置さんを見ましたがやっぱりキレキレですね!
私が観劇を始めて間もない頃に玉置さんを初めて見て衝撃を受けた
つかこうへい作品「飛龍伝」またやってほしいなぁ!
作品自体は今までに比べると少し大人し目な感じでしょうか?
もっともっと刺激的な柿が観てみたい~‼︎

Rebirth
革命アイドル暴走ちゃん
あうるすぽっと(東京都)
2015/10/28 (水) ~ 2015/11/01 (日)公演終了
満足度★★★★★
29日16:00
みんなレインコートのフードなんかかぶらなければいいのに。
○○がかかる瞬間がかなりビビッとくるのに。
カメラ撮影なんかしなければいいのに。
今この瞬間を感じればいいのに。
レンズ越しじゃつまらないでしょ。
帰りの東池袋駅のホームで泣きたくなりました。
こんな作品を生み出す二階堂瞳子に胸が熱くなったから。

Rebirth
革命アイドル暴走ちゃん
あうるすぽっと(東京都)
2015/10/28 (水) ~ 2015/11/01 (日)公演終了
満足度★★★★★
美しい
私には、表現されていることの10分の1も理解できていないと思うが、ただただ美しい、と思った。
そして、案外結構じわっときたりもします。
Rebirthってまさにその通り。産まれたばかり感がしつつ、完成された感もあり。
若い人に観てもらいたい。

私的恋愛ベスト〜全ての女に懺悔しな!〜
元東京バンビ
スタジオ空洞(東京都)
2015/10/24 (土) ~ 2015/11/01 (日)公演終了
満足度★★★
面白いが...
1話ごとの恋愛話はオムニバスのようであるが、主人公・はやし(はやし大輔サン)の体験談を回想風に描く。それぞれの恋愛話は面白く笑わせてくれる。
なお、当日パンフ...作・演出のアダチヒロキ 氏が、この公演は実話2%、フィクション98%で作ったと書いている。
気になったことは...

寿司
芝居処味一番
in→dependent theatre 1st(大阪府)
2015/10/23 (金) ~ 2015/10/26 (月)公演終了

ロマンチック・エイジ
舞台工房SOLA‐Tobu.
ウイングフィールド(大阪府)
2015/10/17 (土) ~ 2015/10/18 (日)公演終了
満足度★★★★★
人間 生きる 繰り返す いつか死ぬ
前説 携帯・・・ 鳩 飛脚だめ 鳩やります。 禁煙 飲食・・・ 2回ぐらいかみました。
ずいぶん長い間あの人を待たせたみたい。 人間とは何ですか あなた達の・・・です。
夫を取り戻したくて作った心、実の名をつけたアンドロイド。アンドロイドは自分がアンドロイドと解っても毎日を繰り返す、人がいつか死ぬのだけど毎日を生きる様に。 作ったおばさんは、アンドロイドの神にはなれない 毎日を生きる人間、 生きる 繰り返す 人間 私は生きているけど人間らしく生きているんだろうか。

ミュージカル『パッション』
新国立劇場
新国立劇場 中劇場(東京都)
2015/10/16 (金) ~ 2015/11/08 (日)公演終了
満足度★★★★
好き嫌いが分かれる作品かも・・・。
久しぶりのミュージカルでした。
私はストプレは結構暗かったり、ドロドロだったりも好きなんですが、ミュージカルはわかりやすいのが好きなので、物語的にはちょっと苦手でした。
でも、生演奏は素敵だったし、出ている役者さんたちが皆さん美声で、大型ミュージカルにありがちな大人の事情的なキャストがいないので、作品としてのクォリティーは高いと思いました。
自分の残り少ない命をジョルジオへの愛に全て使ったシルビアさんが、素晴らしかったです。でも、正直、ちょっと怖くもあり、ラストのジョルジオの気持を理解するのは、私にはちょっと難しい・・・・・。
でも、不倫にあそこまで純粋な愛を求めたジョルジオだから・・・とも思うのですが。

ゴードンとドーソン Gordon&Dawson~妻と夫と虎の夢~
はえぎわ
シアタートラム(東京都)
2015/10/23 (金) ~ 2015/11/01 (日)公演終了

リクレイムド ランド
Oi-SCALE
駅前劇場(東京都)
2015/10/21 (水) ~ 2015/10/26 (月)公演終了
満足度★★★★
タイムリーなテーマをOi-SCALEな雰囲気でコラージュ
かつての未成年犯罪者の出版を筆頭にタイムリーなテーマをいかにもOi-SCALEな雰囲気でコラージュ。
被害者遺族の気持ちや「人の死」などについて問題(?)を提示するので観客として考えさせられるシカケ。
がしかし、最後にソフトランディングするのは灰二さんの優しさの顕れ?
あの前で終わるのもインパクトがあったのではないかと思って尋ねてみたら実はあの結末ありきだったそうで、いらんことをゆーてもーたか?(笑)

シー・ザ・ライト
もぴプロジェクト
高田馬場ラビネスト(東京都)
2015/10/28 (水) ~ 2015/11/03 (火)公演終了
満足度★★★★★
花五つ星
小劇場のみならず表現する者の、位置を正確に見、正当な表現に迄高めた今後、期待すべき才能。前回の試みも、幅を広げる役を果たしているのではないか? シナリオの良さのみならず、演出の手順、役者陣のいずれ劣らぬ自然で示唆に富む表現も実によい。

新国立劇場演劇研修所9期生試演会「血の婚礼」
新国立劇場演劇研修所
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2015/10/23 (金) ~ 2015/10/27 (火)公演終了
満足度★★★★
うまい。
研修所は海外戯曲をよくやる。若手が、年齢の高い役も担う。役の勘どころを掴んで役として提示する技術は、以前「親の顔が見たい」で生徒の父兄を演じた20代の研修生に見て感心した所だったが、今回も声の若さは邪魔な部分もあったがきちんと成立させていた。 難関はこの戯曲が「熱い血」の奔流にさらわれる人種たちが織りなす物語であることで、詩的な言葉に変換された内的な激情をしっかりと表現することが課題。これに関してもよく頑張っていた。特に印象に残った俳優もいた。
演出は初めて見る名だったが研修所の演出スタッフ・田中麻衣子氏の手腕も発見だった。伊藤雅子の装置は、恐らく石作りだろう建物の床に6〜8本の柱(角柱)が立っており、これが場面により移動する。建物の中の居室と見えたり、人が出入りする通過点のロビーのような場所を表したり、柱が二本移動するだけで森を表したりする。
演出の手腕を見たのは中盤、婚礼の日、舞台上は花嫁の居室(下手袖奥)とテラス(舞台奥)、人々が集まる広間(上手の見えない奥)を、つなぐ通過点となる空間で、ある不穏な事態への「予感」が的中するまでの運びが、見事だった。(全て戯曲の指定だとしたら、作者の才能だが。)
この悲劇の主人公として、最後に立つのは母である。これはどういう悲劇なのか。今時点では説明できそうにない。
ただ、「決闘」が容認された社会で、夫と息子を殺された母が、息子の婚礼をこの日に迎えるという設定で、嫁になる女がかつてその仇になる家に属する男と接点があり、母がその事に不吉な思いを抱いている、という始まりである。「因縁は続くもの」「不吉な予感は当たるもの」といった摂理を匂わせながら、男が剣をとって非生産的な理由で殺し合いをやる存在であるという、最もシビアな問題(女性にとって)を、匂わせてもいる。だがそれは蛇足であって誰もが知る真実だという前提の上に語られている感もある。それよりもっと野蛮な人間の本質を抉り出そうとしているのか、非道さの中に人間性は如何に保たれ得るのかという問いかけなのか、、やはり言葉にするとしっくり来ない。

今、出来る、精一杯。
月刊「根本宗子」
テアトルBONBON(東京都)
2015/10/23 (金) ~ 2015/10/30 (金)公演終了
満足度★★★★★
精一杯生きているあなたに贈るお芝居
「今だから、私だから」。根本宗子が演劇を作る際のこだわりだ。
この作品は特に「私だから」書ける、いや「私にしか」書けないという
執念が全面に押し出されている。
約2年半前に上演されたものの再演だが、「今だから」という要素も
盛り込まれている。
自意識過剰で、コミュニケーションが苦手な現代人がわんさか
出てくる。超面倒臭い人間たちのバトルロワイヤル。
各々のキャラの突拍子もない言動と、個性の強いキャラ同士が
ぶつかって起こす熱く激しく面倒臭い化学反応に、
観客は大いに笑わされる。
物語の舞台は3箇所。スーパーの事務室兼店員の控え室と
アパートの1室、そしてビルの屋上。
スーパーには、優柔不断な店長・小笠原(オレノグラフティ)、
店長と恋仲のななみ(長井短)、八方美人なバイトリーダー・
西岡(片桐はづき)、チョーテキトーで口うるさい矢神(浅見紘至)、
矢神の恋人・陽奈(大竹沙絵子)、酷いドモリで他の店員とは
ほぼコミュニケーションがとれない金子(野田裕貴)、他人との
距離感が全く掴めず自分の意見を絶対に言わない坂本(墨井鯨子)、
店唯一の常識人で正義感が強い杏(福永マリカ)、
そして、嵐をじゃんじゃん呼ぶ女・利根川(梨木智香)。
この利根川の暴れっぷりが超強烈。その傍若無人さと、彼女に
引っかき回される周囲のアタフタさに、観客は爆笑する。
アパートの1室には、OLのはな(あやか)と、その彼氏で仕事が
長続きせず生活力がなく彼女無くしては生きていけない安藤
(宮下雄也)。
スーパーとアパート両方に登場する、車椅子に乗り、
スーパーに弁当を強引にねだりにくる謎の女・長谷川(根本宗子)。
ビルの屋上は、序盤は何も動きはない。
話が進むにつれ、金子がドモる理由、坂本が自分の意見を主張しない
訳、そして長谷川が車椅子生活になった謎が明かされていく。
繰り返すが、2年半前に上演されたものの再演である。
なぜ、今この作品をやるのか?ほとんど当時の脚本には手を加えて
いないと根本は言う。8日間の上演の後、たった1日空けただけで、
何と新作を披露する。当然、稽古の量も演出を考える量も、精神的にも
肉体的にも何もかもが倍ほどの負担となる。初演時、膨大な不安を抱え
精神的にいっぱいいっぱいで精一杯作り上げたこの作品と、
今の精一杯で挑む新作を「戦わせてみよう」(演劇サイト「コリッチ」
より抜粋)と考えたからだそうだ。
もっと突き詰めて考えて、なぜこの作品なのか?彼女曰く、この作品は
「私にとって大きな転機になった作品」(コリッチより抜粋)であり、
精一杯になって作り出した「私にとって大事な作品」(挨拶より抜粋)
だからなのだろう。
それだけなのか?いや違うと拙者は断言する。もう一つ付け加えるなら
彼女がこだわる「私にしか」書けない演劇の現時点での最高峰だからだと
拙者は推測する。その根拠は、彼女が演じる長谷川である。
長谷川が車椅子生活を余儀なくされるきっかけは、脚色されて
いるものの、モロ、根本本人の実体験だ。根本も、多感な
中学・高校時代の大部分を怪我のため車椅子で過ごした。夢であった
モーグル選手を諦めざるを得なくなる。その時に感じた絶望、悔しさ、
惨めさ、コンプレックス等のマイナスの感情は我々の想像を絶する
ものだったに違いない。その負の感情の発露が半端ない。
そこから生まれたであろう、強烈で圧倒的な台詞、
いや叫びの数々。「みんな、私の事を分かってくれない。
みんなにとって現実味がないからだ!」「人から強いねって
言われるけど、いつも強くはいられない」「私の面倒臭さを引き受ける
覚悟はあるのか!」、「でも、諦めきれない!!」「自分の中の正しいと
思う事を守るので精一杯!!」一つ一つが、心に深く鋭く突き刺さる。
「芝居でただ憂さ晴らししてるんじゃないのか?」と突っ込んだ人も
いるかもしれない。だが、そんな表層的なものを遥かに越えた、
血と汗と涙がたっぷりつまった生命力が舞台上からビンビン伝わってくる。
その生命力は観る者に勇気を与えてくれる。まるで、心身ともに苦しくて
希望を失い歩みを止めそうになった時、自分よりボロボロになった大切な
人が傍らで希望を捨てず全力で応援してくれているかのように。
この芝居全体が、観る者にとっての大切な人であり、精一杯生きる者たちの
背中を強く押してくれているのだと感じられる。
長谷川とは、テレビやネットで見せる明るい笑顔の裏に隠された根本自身の
負の過去や側面そのものだ。この作品は特にそれが際立っている。
やはり「私にしか」書けない。
色々述べてきたが、本当に「今」観れて良かったと思える作品であった。