最新の観てきた!クチコミ一覧

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ライ王のテラス

ライ王のテラス

ホリプロ

赤坂ACTシアター(東京都)

2016/03/04 (金) ~ 2016/03/17 (木)公演終了

満足度★★★★

色あせない三島由紀夫
宮本亜門が熱望して実現したという舞台。初演時にできなかったのは、カンボジアの演者たちとの共演だろう。オープニングはそこから始まるのだが、やはり三島由紀夫が描いた世界観は、当地の人たちの姿があってこそ鮮明になるのだと思う。
主役の鈴木亮平が見事だった。鍛えられた肉体はいかにも三島のイメージ通りではないか。対照的な二人の王妃を演じた倉科カナと中村中にも注目だ。
舞台が成功しているのは、やはり宮本亜門の演出が最大の要因。影絵をうまく使った王妃の心理戦は印象的だった。

そこにある場所

そこにある場所

崖っぷちウォリアーズ

劇場MOMO(東京都)

2016/03/09 (水) ~ 2016/03/13 (日)公演終了

満足度★★★★

ちょっともったいなかったというか。
古本も置いてある喫茶店が舞台ということで、セットはお見事。
並んだ本を全部読んでみたいなー、などと思いつつ。

テンポも悪くなく役者さんもいい感じだったんですが、
ちょっと脚本がいろんな要素を詰め込もうとして処理し切れなかった感があったような。
そういう意味では登場人物も多すぎたのかも。

ネタバレBOX

二つの兄弟の話、親子の話、泥棒の話、それぞれ掘り下がりきらずといった印象でした。

占い師さんや常連客のおねえさんとかなんだったんだろ、だし
弟の心臓の病気を薬で、というのも穴が多すぎる話だなあ、だったし
(結局詐欺でしたけどそれにしても)
亡き父や埋蔵金の話も面白くなりそうな題材だったんだけどなあ、などなど。

要素を絞ったらもっと面白くなったのかも。
そこにある場所

そこにある場所

崖っぷちウォリアーズ

劇場MOMO(東京都)

2016/03/09 (水) ~ 2016/03/13 (日)公演終了

満足度★★★★

ほのぼの話
上演時間は1時間40分。

受付順に整理番号で入場、
物販のパンフレット(1000円)は終演後に販売でした。

チラシの表面の渋いイメージは、作中ではあまり無かったです(笑


ネタバレBOX


コミカルで、人のいい話だなぁって思ってたら、
刑事のくだりなどやラストで結構ドキッとさせられました。

家族ものなので、キャスト表に同じ名字の役名が並んでるけど、
観てて順番は大体すぐわかるのも良かったです。

娘さんの心情吐露と、母親の姿が涙を誘いました。
そこに入ってくる三男のキャラがいい味出してました。

出ハケはあるものの、舞台は喫茶店の室内のみ。
外を描かないけど、登場人物の服装や台詞で季節を出してて、
そのさりげなさが上手くてほのぼのしました。
おしゃれな人はよく着替えるし、
無頓着そうな人はとことん同じような服で、
キャラが出てるのも面白かったです。

作中に話題になりつつも
本編に直接はかかわってこないエピソード(娘さんの祖父や父親の話)
などの入れかたも適度で、シリーズ化できそうだなと思いました。

本探しの3人がわりとわかりやすかったのと、
サギ医者の顛末が言葉だけだったのが
ちょっとだけ物足りなかったかなぁ、と。

母親の本の仕掛け、
息子さんにはまるで魔法のように感じられたんじゃないかな、と思うと
胸が温まりました。

バカから醒めたバカ

バカから醒めたバカ

INUTOKUSHI

武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)

2016/03/05 (土) ~ 2016/03/11 (金)公演終了

満足度★★★★★

SFコメディだけど青春グラフィティ
予備知識なく見に行った。

結論から言うと最高の舞台で、ドハマリ。
初見ではどこまでがアドリブありで、ふざけてやっているのか全く分からなかったが、回をリピートして見る度に「あ、これ全部計算して作りこんでるんだ」と分かり感動。

公演初回の頃はシーン60でうんざりという声が多かったようだが、この賛否両論分かれる演出、全ての繰り返しに意味が込められていることが分かり、自身はとても楽しめた。
ただやはり観客からの「くどい」という感想からの反省か、公演期間中にガンガンとブラッシュアップされたようで、終盤ではベストといえる構成になっていた。

ネタバレBOX


ストーリーは過去に子役をやっていた少年が、18年後、輝いてた頃の自分自身に囚われ、そこから抜け出せないダメ男になり、そのダメ男に振り回される同じく子役だった仲間達との物語(ただし後半はドタバタコメディ)。


話自体はシンプルなのだが、ナンセンスなギャグ、下ネタが随所に散りばめられ、終始笑いを誘う。
しかしその笑いも、エンディングへ向けた感動のベクトルとなっているのだから恐ろしい。
大人になった主役達と同じくらいの年代である、約30歳前後の観客であれば、「俺も昔こんな夢見て輝いてた頃があったな」と思い出しながら見ると受け止め方も全然変わってくるだろう。

革命アイドル暴走ちゃんから二階堂瞳子さんがメインキャストとして出ておられたが、数年ぶりだという舞台とは思えない演技の振れ幅に良い役者発見…!と収穫。
また、今回から「犬と串Jr.」として、オーディションで若手の新劇団員が加入したとの事。
今回の舞台で正式に犬と串の劇団員となるか否か、決断することになっているそうだが、出演していた雛祭先生(居酒屋店員もしていた)、ハコベラ子供時代、アケミちゃん(取材記者とニコールさんもしていたはず)、いずれの役者も自然に溶け込んでおり、ぜひとも次回舞台でも暴れてほしいと思った。アケミちゃんのキャラは良い意味で「ズルい」(笑)。
犬と串Jr.だけでなく、全配役にベストな選択と思われ、このキャスティングの妙、凄いと感心。

作・脚本のモラル氏も30代になったという事で、恐らく自身の内面を投影した作品でもあると思われるのだが、単純に良い話でお涙頂戴などではなく、超攻撃的。
ギンギンに尖った部分がグサグサと心に突き刺ささり、自分の中に爽やかな感動を残していった。
ユーカリ園の桜

ユーカリ園の桜

BuzzFestTheater

ウッディシアター中目黒(東京都)

2016/03/09 (水) ~ 2016/03/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

ユーカリ園
バズの作品は毎回観てますがこんなに衝撃を受けたのは初めてでした。
悲しく、バイオレンスな部分もありちょいちょいある笑いのセンスもやばいです。一言で言うと最高でした。コウさん始め出演者みなさま素晴らしかったです。また観たいです。

ドキドキぼーいず#06『じゅんすいなカタチ』

ドキドキぼーいず#06『じゅんすいなカタチ』

ドキドキぼーいず

調布市せんがわ劇場(東京都)

2016/03/10 (木) ~ 2016/03/13 (日)公演終了

満足度★★★★

竹中直人的
この不協和音か、現代の心象風景は。表地のなめらかさは裏地の清潔さに非ず。世の中にウンザリ、というよりウンザリする世の中が露出する。わるいところばかりを、むせきにんに。'言葉面'を地でいく、心地の悪い面白さ。

ユーカリ園の桜

ユーカリ園の桜

BuzzFestTheater

ウッディシアター中目黒(東京都)

2016/03/09 (水) ~ 2016/03/13 (日)公演終了

満足度★★★★

素敵でした
児童養護施設という重いテーマでありながら、笑いもありバランスよく素敵な時間でした。花言葉とつながり温かい気持ちになりました。

ユーカリ園の桜

ユーカリ園の桜

BuzzFestTheater

ウッディシアター中目黒(東京都)

2016/03/09 (水) ~ 2016/03/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

感動しました!!
今回の作品も笑いあり感動ありで、凄くいい舞台でした!
人それぞれ色んな事を抱えて色んな事を思って生きてるんだなと
考えさせて頂けるような舞台でした!コウカズヤさんが作る舞台は毎回ストーリー性が全然違うので次回作品も今から楽しみです!!

バカから醒めたバカ

バカから醒めたバカ

INUTOKUSHI

武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)

2016/03/05 (土) ~ 2016/03/11 (金)公演終了

満足度★★★★

すき
犬と串「バカから醒めたバカ」@武蔵野芸術劇場



面白かった!!!

でも、痛かった。

私は、観るだけの人間だから、作る人の痛みは分からない。

でも、随所、随所に、心がずきんとしちゃうシーンがあった。

でも、面白い.



考えないで、感じるのが犬と串の楽しみ方なんて勝手に思う。



SFと今回銘打ってのコメディー。

子供の頃「ミライ」はピカピカに光っていた。

それから、大人へなっていった現在。



そこには、永遠にその頃の

忘れられないシーン60が無限にループして

前に進めない男が居た。



諦めてしまえば、楽になる。

でも、心の最後の部屋では、永遠にあのシーン。



今回板倉さんの役柄に、モラルさんの姿が見え隠れした。

御家族解体

御家族解体

ポップンマッシュルームチキン野郎

ステージカフェ下北沢亭(東京都)

2016/03/05 (土) ~ 2016/03/13 (日)公演終了

満足度★★★★

PMC野郎の魅力
うまく組み立てられた物語に、演技の上手い役者陣。テンポ良い展開と絶妙な間で作り出す笑い。そして暖かな気持ちになれるラストと、PMC野郎さんの魅力が詰まった作品です。一貫して”家族”にこだわる吹原氏の第一歩を見ることができました。

ネタバレBOX

珍しく、登場人物が全員人間でした。
ベター・ハーフ

ベター・ハーフ

劇団しおむすび

パフォーミングギャラリー&カフェ『絵空箱』(東京都)

2016/03/11 (金) ~ 2016/03/13 (日)公演終了

満足度★★★★

微温的な展開から...
現代若者の恋愛模様が切なくも悲しいように展開される。どうしてもこの脚本「ベター・ハーフ」(鴻上尚史 氏)で公演をしたかったとは、劇団しおむすびの喜田光一氏の言葉。奇しくもこの公演を観た前日(2016.3.10)に日本劇作家協会会長に就任(2016.3.1就任)したことが公表された。

物語は、インターネット普及により男女の出会いにバリエーションが出来たが、いまだに恋愛に慎重または奥手のような若者が初々しく描かれ微笑ましい。その一方で、マイノリティーに関する社会的問題を絡め、単なる恋愛話にはならない。

脚本は面白いが、それを体現する演出と演技が追い付いて行かないように思われた。

ネタバレBOX

梗概は、出会い系サイトで知り合った女性に自分の写真と称して部下・諏訪祐太(喜田光一サン)の写真を送る沖村嘉治(石川剛サン)、沖村の代わりに女性とのデートに行くことになってしまう諏訪、沖村とインターネットで知り合ったトランスジェンダーの小早川汀(根本理菜サン)、沖村と直接会うことをためらう小早川の代わりにデートに行く小早川の友人・平澤遥香(岡本知里サン)の4人が織り成す恋愛模様を描く。

舞台セットは簡素であるが、妙に艶かしい雰囲気がある。中央に白いシーツ(スクリーンの代用効果もある)、上手に別空間をイメージさせる台、下手はピアノが置かれている。それらの空間(天井も含め)に赤い紐が巻き、垂れるように掛かる。運命の”赤い糸”を象徴するようで、薄い紗の掛かった物語にリアルな男女の関係が観えてくるようだ。出会った以降の進展は、まだインターネットの普及や携帯電話がない頃、男女の距離を縮めるのに時間が掛かったもどかしさが垣間見えてくるから可笑しい。人と人を介するツールはあっても、実際会って生身の人間同士が理解するのは、時代を経ても同じなのだろうか。その男女関係にスパイスとして効いてくるのが、トランスジェンダーという性の本音。創作された恋愛劇であるからこそ、現実と夢、建前と本音、快楽と時間の流れも自由自在にできる。その面白さを十分に表現しきれていないところが残念であった。

その第一は、この物語の登場人物は30代半ばという設定であるが、キャストは全員20代前半のようで、社会的経験値が観てとれない。次に時の流れであるが、映写で経過年月を表示するのみ。女性は何度か衣装を変えているが、男性は同じ服装のまま。少なくともネクタイを変える、コートを着(冬場)、上着を脱ぐ(夏場)などの季節感を出し現実味が伝わると良かった。時の流れは、人の気持、感情を左右する大きな要因であり、世相をも表すから。

それでも若い役者が真摯に取り組んでいる公演ということは感じられる。この恋愛話はトランスジェンダーという点を除けば、誰もが似たり寄ったりするようなものであり、それだけにもっと自分たちの年代に近く、等身大な恋愛に置き換えたら...。色々な場面で効果的に奏でられる音響・ピアノ、歌など魅せる工夫は好感が持てる。その脚本の力と魅せる工夫が、観客(自分)の神経を甘噛みしてくれた。
今後の期待も込めて★4です。

次回公演を楽しみにしております。
負け犬ポワロの事件簿

負け犬ポワロの事件簿

東京AZARASHI団

サンモールスタジオ(東京都)

2016/03/04 (金) ~ 2016/03/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

男お化け(*゚▽゚*)
男のお化けが良かったです!男お化けのスピンオフ作品が観たいです!!

負け犬ポワロの事件簿

負け犬ポワロの事件簿

東京AZARASHI団

サンモールスタジオ(東京都)

2016/03/04 (金) ~ 2016/03/13 (日)公演終了

個性豊かな役者の演技を堪能
演劇クチコミサイトのコリッチで告知していた東京アザラシ団のチケットプレゼントに応募した所、見事?に当たったので9日午後に出かけてきた。前々から思っていたのだが、平日昼間の舞台を観に来る時間を作れる人というのは、どんな職業の人なんだろう。

それはさておき、東京アザラシ団という団体は今回はじめて観る団体で、口コミサイトに掲載されていた今回の公演感想が唯一の情報源。どうやら、スタートから楽しめるサスペンスコメディーらしい。

ネタバレBOX

舞台はとある映画の撮影現場。そこで主要な出演者の1人が控室で頭から血を流して死んでいるのを女性プロディーサーと監督が発見したことからドタバタ劇が展開していく。癌で余命の短いプロデューサーは何としてでもこの映画を撮り終えたく、監督に懇願して死亡事件を撮影後まで隠すことにして撮影を続行。ちょうど撮影現場の宿泊施設に日にちを間違えてやってきた宿泊客がその殺された役者そっくりをいいことに、台本の急遽書き換えなどの騒動を経ながら彼を代役に使って映画の撮影とラジオの収録は続けられる。しかし、ついに出演者や他のスタッフに殺人事件が発覚し、さてどうしようというところで舞台内容は大きく変動。出演者の1人が別件の殺人事件で逮捕され、一同唖然とした所に殺されていた役者がやってきてさらにびっくり。実は彼、出演者の1人であるスポンサーの息子が作った人間を仮死状態にしてしまう薬の実験台にされていたことが明らかになり、プロデューサーの癌告知も患者取り違えの誤診出会ったことが分かり一同安堵して幕を閉じる。

小劇場系の典型的な元気ある動きと発声で進められる舞台は、登場人物の個性をやや誇張した感じで表現している分、それが舞台にメリハリをつけていて個性だけでなく人間関係も分かりやすく、笑いを誘う場面では大いに笑わせられる。特にプロディーサー役の阿達由香、監督役の坂本七秋、スポンサーの息子役の中尾優志、宿泊予定客兼殺されたと思われた役者役の樋口太樹、それにラジオディレクター北野満役の渡辺シヴヲの演技はなかなかのもの。
ただ、現擬人のがんばりと適切な演出に反し、所々で原作というか脚本の小さな綻びが多々観られたのが残念。幾つか例にとれば、仮死状態になる薬を役者にどうやって持ったのかの種明かしや、この役者が頭から血を流していたという設定なにのその点についてなにも触れたいなかったり。いや、最大の問題は、仮死状態だった役者が現れた時の一同の反応がやや淡白すぎた点。もっと驚いても良かったんじゃないかな。その驚き方は演出に掛かっているかもしれないが。
それと、タイトルが舞台内容をうまく反映していないようにも感じた。
それにしても、芸達者な役者の集まった楽しい舞台。よい団体を知る機会を作ってくれたコリッチに感謝である。
ユーカリ園の桜

ユーカリ園の桜

BuzzFestTheater

ウッディシアター中目黒(東京都)

2016/03/09 (水) ~ 2016/03/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

沁みました
笑いあり、涙あり、感動ありの良い舞台でした。観劇中、何度も涙腺が緩みました。他の方のコメントにもあるように、色々詰め込み過ぎな印象はありましたが、分かり易く混乱する事もありませんでした。役者さん達の演技も、皆良かったです。考えさせられる問題もあり、切なく温かく、心に沁みる舞台でした。素敵な舞台でした!

へなちょこヴィーナス

へなちょこヴィーナス

“STRAYDOG” Seedling

中目黒キンケロ・シアター(東京都)

2016/03/05 (土) ~ 2016/03/06 (日)公演終了

満足度★★★★★

応援って本当に素敵!



「人はいつも誰かの応援をして生きている。」




「応援している人の後ろには応援している人がいる。」



初日A/Bチームを観に行って来ました。


今年のへなちょこもめっちゃ良かったあ!↑↑↑


舞台、熱かったなあ!頑張れー!とエールを贈る言葉に涙したしすごく元気
付けられました!へなちょこほんと好き。

『BET』

『BET』

ラチェットレンチF

上野ストアハウス(東京都)

2016/03/09 (水) ~ 2016/03/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

BE(S)T…最高!
すぐ物語へ引き込まれるような、本当に楽しめる公演である。「バレなきゃイカサマじゃないんだぜ?」というチラシに力を得て、公演内容が分からなければ、少しぐらいネタバレしても構わない?それでも説明文を引用して批判されないようにしよう。
「限界まで追いつめられた俺は作家にとっては禁忌とも言える『禁断の果実』に手を出してしまった。それは届けられたファンレターの中にあった『ある人物の物語』だった。」この引用文だけでも興味津々であろう。

ネタバレBOX

当日パンフに主宰・脚本の大春ハルオ氏が「ラチェットレンチも11回目となり、コミカルサスペンス作品を3本、落語サスペンス作品を3本、カットバックで魅せるサスペンス作品を5本書いてきた」と...結論はサスペンス好きということらしいが、本作品も例外ではない。その観せ方が実に軽妙・コミカルでありながら、社会サスペンスという緊張・緊迫するようなところへ連れて行かれる。その時には既に前傾姿勢でのめり込んでいる。

梗概の一部は書いたが、以前は売れっ子サスペンス小説家がスランプになり、編集部から最後通牒を突きつけられたところから、物語は始まる。劇中劇であり、その手法にはカットバックも観える。「事実は小説より奇なり」という言葉を聞くが、まさに自分の知らないところで仕組まれたレールを疾走する主人公・梶野達也(大春ハルオ サン)の姿が滑稽である。しかし、いつの間にかストリーテラーのような役回りを担っている。

物語が進むにしたがい、登場人物の立場が変わり、従えたサイドストーリーも漂流するかのように揺れながら一つの目標(真実)に向かう過程が面白い。編集者の市原牧子(山﨑さやかサン)の”貴方には何が何でも書いてもらわなければ困る”と言った趣旨で脅され、自分の心と折り合いをつけながら書き進める...それはファンレターという名の告発書。そこには某市で起きた事件をなぞったものが書かれ、それをフィクションとして発表し好評を得る。いつの間にか”バレなきゃイカサマじゃないんだ”という自己防御しつつ、一方の興味本位が真実に近づいて行く。芝居という中の小説か、小説の中の芝居か判然としなくなる中で、ページをくくるように、次のシーンを手繰るようになる。

脚本や演出は勿論、役者陣のキャラクター作りが見事。しっかり体現できており、バランスも良かった。時代の変遷にあわせ、登場人物の役者も変わるが、その錯綜するような構成でもしっかり対応する。そして何より謎解きのテンポが心地よい。
この小説家…ギャンブルに嵌まってBET(賭ける)ばかりのようであったが、これを幾に(書ける)ようになったのだろうか。

次回公演を楽しみにしております。
『BET』

『BET』

ラチェットレンチF

上野ストアハウス(東京都)

2016/03/09 (水) ~ 2016/03/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

話しの展開も面白く
とても楽しい2時間でした。ストーリーも面白く、役者さんたちも熱演でした。このところなかなかいい作品に出合えませんでしたが、久しぶりにわたし好みの芝居を観ることができ、寒い一日でしたが心はほっこりとして帰路につきました。

そこにある場所

そこにある場所

崖っぷちウォリアーズ

劇場MOMO(東京都)

2016/03/09 (水) ~ 2016/03/13 (日)公演終了

満足度★★★★

まだまだ良くなりそう。
「2番目の女たち。」の時もそうだったんだけど、一本の作品として、戯曲の強度が弱い!?
良い部分は沢山有るのだが、全体としての満足感があと一歩届かない。
中盤以降の盛り上がりはとても楽しめます。

-次回公演にも足を運びたい!

対岸の永遠

対岸の永遠

てがみ座

シアター風姿花伝(東京都)

2016/03/04 (金) ~ 2016/03/30 (水)公演終了

満足度★★★★★

温かな涙・・・。
旧ソ連に引き裂かれた父と娘・・・26年の歳月を経て、真実と心と向き合う。
なんとも苦しくて、悲しくて、切ないドラマですが、温かさもまたそこにあって、娘の心情に泣かされ、父の心情に泣かされました。

ユーカリ園の桜

ユーカリ園の桜

BuzzFestTheater

ウッディシアター中目黒(東京都)

2016/03/09 (水) ~ 2016/03/13 (日)公演終了

満足度★★★★

此処は本当にいいね。
「わしゆん」から数えると今回で三回目となります。
相変わらず盛り込み過ぎる嫌いがあるものの小劇場ならではの贅沢な娯楽作品に仕上がっており、とてもいい時間を過ごせました。
もっとスッキリ出来れば★五つです。

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