負け犬ポワロの事件簿 公演情報 東京AZARASHI団「負け犬ポワロの事件簿」の観てきた!クチコミとコメント

  • 個性豊かな役者の演技を堪能
    演劇クチコミサイトのコリッチで告知していた東京アザラシ団のチケットプレゼントに応募した所、見事?に当たったので9日午後に出かけてきた。前々から思っていたのだが、平日昼間の舞台を観に来る時間を作れる人というのは、どんな職業の人なんだろう。

    それはさておき、東京アザラシ団という団体は今回はじめて観る団体で、口コミサイトに掲載されていた今回の公演感想が唯一の情報源。どうやら、スタートから楽しめるサスペンスコメディーらしい。

    ネタバレBOX

    舞台はとある映画の撮影現場。そこで主要な出演者の1人が控室で頭から血を流して死んでいるのを女性プロディーサーと監督が発見したことからドタバタ劇が展開していく。癌で余命の短いプロデューサーは何としてでもこの映画を撮り終えたく、監督に懇願して死亡事件を撮影後まで隠すことにして撮影を続行。ちょうど撮影現場の宿泊施設に日にちを間違えてやってきた宿泊客がその殺された役者そっくりをいいことに、台本の急遽書き換えなどの騒動を経ながら彼を代役に使って映画の撮影とラジオの収録は続けられる。しかし、ついに出演者や他のスタッフに殺人事件が発覚し、さてどうしようというところで舞台内容は大きく変動。出演者の1人が別件の殺人事件で逮捕され、一同唖然とした所に殺されていた役者がやってきてさらにびっくり。実は彼、出演者の1人であるスポンサーの息子が作った人間を仮死状態にしてしまう薬の実験台にされていたことが明らかになり、プロデューサーの癌告知も患者取り違えの誤診出会ったことが分かり一同安堵して幕を閉じる。

    小劇場系の典型的な元気ある動きと発声で進められる舞台は、登場人物の個性をやや誇張した感じで表現している分、それが舞台にメリハリをつけていて個性だけでなく人間関係も分かりやすく、笑いを誘う場面では大いに笑わせられる。特にプロディーサー役の阿達由香、監督役の坂本七秋、スポンサーの息子役の中尾優志、宿泊予定客兼殺されたと思われた役者役の樋口太樹、それにラジオディレクター北野満役の渡辺シヴヲの演技はなかなかのもの。
    ただ、現擬人のがんばりと適切な演出に反し、所々で原作というか脚本の小さな綻びが多々観られたのが残念。幾つか例にとれば、仮死状態になる薬を役者にどうやって持ったのかの種明かしや、この役者が頭から血を流していたという設定なにのその点についてなにも触れたいなかったり。いや、最大の問題は、仮死状態だった役者が現れた時の一同の反応がやや淡白すぎた点。もっと驚いても良かったんじゃないかな。その驚き方は演出に掛かっているかもしれないが。
    それと、タイトルが舞台内容をうまく反映していないようにも感じた。
    それにしても、芸達者な役者の集まった楽しい舞台。よい団体を知る機会を作ってくれたコリッチに感謝である。

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    2016/03/12 12:38

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